史上最強の超名作洋画
ベスト1000


  201〜300位  

1〜100位  101〜200位  201〜300位  301〜400位 401〜500位
 501〜600位  601〜700位 701〜800位 801〜900位 901〜1000位
 次点1001位〜


201.甘い生活('60)185分 伊・仏
作家を夢見てローマに上京したのに、現在の自分はスターのスキャンダルを追うだけのゴシップ記者。そんな男が主人公だ。彼の周囲にはろくな人間がいなかったが、ひとりだけスタイナーという孤高の哲学者がいた。彼はスタイナーと会う時だけ、忘れていた自分の作家への夢が燃え上がるのだ。ところがある日、そのスタイナーがとんでもないことに…。生きる意味を考えずにはおれない名作だ。
※アカデミー賞(1962)衣装デザイン賞/NY批評家協会賞(1961)外国映画賞

 
202.ノスタルジア('83)126分 伊・ソ連
水、霧、風、炎のイメージで貫かれた映像詩人タルコフスキーの入魂の一作。祈りに満ちた作品だ。もう何度繰り返して観たか分からない。第九を聴きながら焼身自殺する哲学者が壮絶。この完璧な映像詩の為に、カンヌ映画祭はわざわざ『創造大賞』を臨時で特設した!
※カンヌ国際映画祭(1983)監督賞、国際映画批評家連盟賞

 
203.市民ケーン('41)119分 米
海外の映画雑誌などでは必ずこの「市民ケーン」が1位に選ばれてる。オーソン・ウェルズが20代半ばで作ったってのが信じられない。大統領候補にまでのしあがった男の、孤独と虚無を描く。
※アカデミー賞(1942)脚本賞/NY批評家協会賞(1941)作品賞

 
204.アデルの恋の物語('75)97分 仏
恋に狂ったイザベル・アジャーニのプッツンぶりが素晴らしい。元祖ストーカー映画。最後にすれ違うとこはアッチャーって感じ。父親のヴィクトル・ユゴーがいい。
※NY批評家協会賞(1975)女優賞、脚本賞

 
205.ガルシアの首('74)112分 米
傑作ハード・ボイルド。懸賞金のかかった男の首をめぐり、マフィアと戦う一匹狼のおやっさんが主人公。メキシコの灼熱の太陽が乾いた砂に照り付け、汗と血の匂いが画面から漂ってきた。監督のサム・ペキンパーは、本来スピード感が求められるアクション・シーンで、逆にスローモーションを多用するという、独特の映像美学を持っている。キング・オブ・ハードボイルド!

 
206.猿の惑星:創世記('11)106分 米
ブラボー!たくさんあった伏線をすべて回収した脚本に出合ったのは久々!どうして人類の文明が滅んで猿が地球の支配者となったのかを、エンディングまで使って見事に描ききった。映画が始まってすぐ分かることなので書くけど、アルツハイマー治療用の脳を活性化する新薬を注射された実験用チンパンジーたちに確変が起きる。とんでもなく頭脳が進化しちゃう。そして、チンパンジーの“シーザー”は人間の傲慢さに失望し、自由を求めてある行動を起こす。チンパンジー、ゴリラ、オランウータンと種別に見せ場があるのが面白い。サンフランシスコ名物の路面電車の上で“四天王”がキメるカットにシビれた!「ノー!」もね。それにしても、あのエンディング・ロール、ただの世界地図と光の筋だけで、あんなに恐ろしい光景になってしまうとは。続編が公開されたら初日に観に行きたい!
※観ている間、“この小者、どこかで観たことあるぞ…”とモヤモヤしてたら、パンフでハリー・ポッターのライバル、ドラコと判明。奴か!
※CGを多様しているため膨大な人数のスタッフが参加しており、5列のスタッフロールというのを初めて見た。それくらいキツキツにしないと長すぎちゃうんだろう。

 
207.アルジェの戦い('65)122分 伊・アルジェリア

独立を弾圧するフランス軍と戦う、アルジェリアの民衆の姿を描いた。出演者に役者はおらず皆一般市民だという。
※ヴェネチア国際映画祭(1966)サン・マルコ金獅子賞

 
208.アラビアのロレンス('62)207分 英
イギリス人でありながらアラブ独立のの為に奔走した“青い瞳のアラブ人”T・E・ロレンスの大叙事詩だ。これから観る人は、せっかくだから約4時間にわたる完全版の方を観て欲しい。雄大な砂漠は何時間眺めていても絶対苦にならないから!
※アカデミー賞(1963)作品賞、監督賞、撮影賞、作曲賞、美術監督・装置

 
209.ソーシャル・ネットワーク('10)121分 米
デヴィッド・フィンチャー監督の『ソーシャル・ネットワーク』が最優秀映画作品賞、脚本賞、監督賞の主要部門のほか作曲賞も制覇し、今年の最多受賞作品となった!同作は世界最大の会員制交流サイト“フェイスブック”誕生の裏側に迫り、創始者マーク・ザッカーバーグの半生を描いている。既に全米映画批評家協会賞をはじめ、37の映画賞で合計106冠を達成しており、これでオスカーの大本命となった。1984年5月生まれのザッカーバーグは弱冠26歳にして、昨年米TIME誌から世界で最も影響を与えた人物=“今年の顔”に選出された人物だ。/先日、この映画を鑑賞したのでレビュー。主人公が彼女にフラれた腹いせに始めた行動が、現在5億人が利用するフェイスブック(企業価値2兆円以上)に発展していく過程が緊張感たっぷりに描かれていた。けっして成功者の美談ではなく、アイデア盗用や裏切りなど裁判で争う姿もリアルに描写され、5億人の人間を結びつけている人物が、実生活では誰とも結びつけていないという孤独感を浮き彫りにする(あるシーンで更新キーを何度も叩くんだけど実に切ない。女性弁護士の台詞も辛辣)。地味な会話劇を基本に、最後まで見せきったフィンチャー監督の職人芸を堪能した。/ただし、ドライな映画なので、『トイ・ストーリー3』のような深い感動はない。そもそも冒頭で“なんちゅうサイテーな野郎なんだ”(怒)って思うので、脚本家は主人公に感情移入させる気は毛頭ないのだろう。でも心理戦が面白かったし、ハッキングでコードを書き換えるシーンなど前半のスピード感にクラクラした。オスカーには『ダンス・ウィズ・ウルブズ』『シンドラーのリスト』のような感動作が相応しいと思うけど、こういう映画がオスカーの歴史にあってもいい。時代を象徴しているし。個人的には斬新な展開に衝撃を受けた『インセプション』に獲らせてあげたいけど…。※ちなみに『ソーシャル・ネットワーク』の本編には、先日から日記でピックアップしているレディオ・ヘッドのクリープは流れなかった。どうりでサントラに入ってなかったはず。予告編の制作者にまんまと1本やられたッスよ。あの合唱団に出会えたので感謝してるからいいけど。r(^_^;)

 
210.キングダム・オブ・ヘブン('05)145分 米
近年『指輪3部作』『トロイ』『アレキサンダー』と大規模戦闘ものが続き、この手の映像には慣れっこになっていたハズなのに、大軍バトルのド迫力に息をするのも忘れるほど圧倒された。公開前の予告編では甘々のラブロマンスっぽかったけど、蓋を開ければド硬派史劇だった。戦闘の緊張感と臨場感は、このジャンルの作品中では過去最高レベルかと。当時の戦いがどんな風に行なわれていたか分かったし、サラディン軍の無数の投石器から次々飛んでくる巨大な岩石には、マジでビビッた!とにかく登場する兵士の数がハンパじゃない。蜃気楼の中からゆっくりと現れるボードワン4世率いる十字軍と、サラディン率いるイスラムの大軍が対峙する場面は、両王に強烈なカリスマ性があるので、戦闘シーンじゃなくてもめっさハラハラした。何が驚いたと言って、キリスト教徒の十字軍がイスラム軍に敗北する物語を、今このタイミングでハリウッドが作ったこと。しかも両軍の描かれ方は、基本的に「知的なイスラム軍」対「野蛮で好戦的な十字軍」という構図だ。十字軍が略奪者集団だったことは事実とはいえ、ここにハリウッドの懐の深さを見た。エピローグのテロップに「それから1000年。エルサレムはいまだ平和とはほど遠い」と出てクラッときた。1000年も経つのに、人間は何をやってるんだろね。

 
211.いとこ同志('59)110分 仏

何をやっても上手くいかない主人公と、世渡りが天才的に巧みないとこ。落ち込む主人公にいとこが言う「君は何も失っちゃいない」は名セリフだ。ラストも良い。ワーグナーの音楽が効果的に使われている。
※ベルリン国際映画祭(1959)金熊賞

 
212.ファインディング・ニモ('03)101分 米
五ツ星の満点!最高に楽しく、また感動的な作品だった。海底の映像美はタメ息ものだし、たたみ掛けるギャグのオンパレードに爆笑、また爆笑。ドリーのボケっぷりは芸術の域に達していた。「あきらめずに泳ぎ続けるんだ!泳ぎ続けろ!」というメッセージは、まるで自分が言われている気がして激涙。他にも「絶対に危機を切り抜けられる…しかも楽しみながら!」など良いセリフがいっぱい。ブラックなものでは「人間ってのは何でも持って行きやがる。ありゃきっとアメリカ人だ」というのも(汗)。子どもの成長物語だけでなく、親の成長物語でもあった。
※鑑賞は日本語吹替え版をオススメします!あのセリフの洪水を、字数の制限がある字幕版で忠実に再現する事は不可能!複数のキャラが同時に喋るシーンも字幕だと順番に出てくるので勢いが落ちる。声優もいいし、ぜひ吹替え版を観て下さいッ!
※アカデミー賞(2004)長編アニメ賞

 
213.カンバセーション…盗聴('73)114分 米

盗聴師の非情な世界を描いたカンヌ・グランプリ作品。盗聴師が盗聴される…考えるだけでノイローゼになりそう。
※カンヌ国際映画祭(1974)パルム・ドール

 
214.無防備都市('45)106分 伊
ナチスに対して抵抗運動を行う人々を描く。神父の優しさに涙。
※カンヌ国際映画祭(1946)グランプリ

 
215.ジュリア('77)118分 米
監督は名匠フレッド・ジンネマン。労働運動&反ナチスの女闘士ジュリアの生き方を、少女時代から親友だった女性作家リリアン・ヘルマンが見つめる。女の友情を描いた作品としては『テルマ&ルイーズ』に並ぶ名作。リリアンが数年ぶりにジュリアに再会するシーンは、見ているこちらも感無量になった。ヒューマニズムを描いた映画だけど、ナチスに捕らえられた仲間を救う為に国境を越えるシーンはサスペンスとしても見応えがあった。劇中で印象に残った台詞が2つある。(1)少女時代の思い出。ハイキングの途中で丸太橋を渡る際、ジュリアが「危ないから這って渡れ」と注意したのに、リリアンは「大丈夫だから」と立って渡り、足を滑らし落下しかける。ジュリアに助けられたリリアンは、反省して泣きそうになって「ごめんね」。これに対してジュリアが言ったのは「いいのよ。きっと次は渡れるわ」。この言葉にリリアンは救われ笑顔になる。※この「次はできるわ」って、建設的な考え方だし色んなケースに使えると思う!例えば親子。僕が子供なら、テストの出来が悪い時に「この点数は何だ!」と怒られるより、「大丈夫、きっと次はうまくいく」と言われる方が、相手が信じてくれている分、前向きになれると思う。社会人でも同じ。「何をやってたんだ」と「君なら次はやれる」とでは印象が全く違う。(2)リリアン・ヘルマンは劇作家。夫はハードボイルド小説で知られるダシール・ハメット。リリアンが頑張って書き上げた原稿を読み終えたダシールが言ったのは「君の目標は本物の作家。その努力をしてきた。これは破った方が良い。悪くはないが傑作じゃない」。単なる“良い作品”ではダメなのだ。この世に発表し、残す作品は「傑作」だけ。目からウロコっす。この言葉はすべての作家・芸術家の座右の銘になり得るものかと!
※アカデミー賞(1978)助演男優賞、助演女優賞、脚色賞/NY批評家協会賞(1977)助演男優賞

 
216.ランボー('82)97分 米
ベトナム帰還兵ランボーは、戦友に会う為に訪れた街で、彼のことを“怪しい流れ者”と決めつけた保安官から追い出される屈辱を受ける。なおも街へ戻ろうとするランボーを保安官は浮浪罪とサバイバルナイフ所持で逮捕。高圧的な尋問がベトナムで味わった拷問とフラッシュバックで重なり、保安官全員をブチのめして逃亡したことから、大規模な戦闘に繋がっていく。
ランボーは戦闘の天才。人間兵器ともいえる圧倒的な強さで無理解な追っ手を次々と排除する。

「国の為に戦ったのに駐車場の警備員の仕事にすら就けない」という、社会から孤立した帰還兵の叫びを描いて大ヒット。ちなみにランボーは続編から敵を殺しまくるけど、この第1作では直接的には誰も殺していない。

   原作は小説『一人だけの軍隊』
217.アレキサンダー('04)173分 米
「彼は失敗した。だが、どの人間の成功より、その失敗は栄光に満ちていた」。オリバー・ストーンが史劇を撮るという話題性、しかも制作費200億円の超大作となれば観ない訳にはいかない。劇中ではアレキサンダーを、英雄でも世界の王でもなく、一人の弱い人間として描いていた。
評論家には3時間の割に内容が薄っぺらいとか、合戦シーンが2回しかなく退屈とか非難する人もいるけど、僕は4万の大王軍が、25万人のペルシャ王ダレイオス3世の軍(当時世界最強)を打ち破った「ガウガメラの戦い」を、まるでその歴史的事件の現場に居合わせたかのような臨場感で味わえただけでメガ大満足。
雨期のインド行軍シーンは、見てるだけで兵士と共に疲労し、「なんでこんな東にまで来てしまったんだろ」「早くギリシャに帰りたい」と、めっさ感情移入した。一番印象に残った役者はハの字眉毛の主人公ではなく、憂いを含んだ瞳の知的なダレイオス3世!敵ながらあのカリスマ的魅力はヤバかった!

 
218.恐怖の報酬('83)149分 仏

「この2000ドルは運転の報酬だけではない、恐怖に対する報酬でもあるのだ」。ニトログリセリンの運搬作業を描いたド緊張サスペンス。主演のイヴ・モンタンはシャンソン歌手なのに、シリアスな演技がめっちゃ上手い。カンヌで男優賞もらってるし!
※カンヌ国際映画祭(1953)グランプリ、男優賞/ベルリン国際映画祭(1953)金熊賞

 
219.パッション('04)127分 米・伊
キリスト逮捕から処刑までの最後の12時間を映画化。血みどろのムチ打ち、またムチ打ち、そして十字架への手足の釘刺し。まさに凄絶の一言。これまで“イエスは最後に磔になった”とは知っていたけど、話として知っているのと、実際に映像として見るのは大違いだ。どんなに傷つけられても神の存在を信じている姿は、無神論者から見れば異様に映るだろう。しかし、僕はキリスト教の神を信じていないにもかかわらず泣きまくった。瀕死の状態になっても「汝の敵を愛せ。愛してくれる人を愛して何の報いがあろう」「互いに愛し合いなさい」「これで全てが新しくなる」と語り続けるピュアな心に圧倒されたからだ。

自分を処刑する兵士の為に「彼らにお赦しを。彼らは自分が何をやっているか分かってないのです」と祈るイエス。神の肯定・否定という視点ではなく、1人の思想家の生き様を見届けるつもりで見て欲しい。かつて、こんな人間が世界にはいたんだと。キリスト教は十字軍など戦争の大義に利用され、その旗の下に多くの人間が殺された。しかし、それは後世の人間の罪であり、イエス自身の責任じゃない。イエスは愛することだけを説いていた。この映画はキリスト教を信じる、信じないに関係なく、西洋の世界観を知る上でも、多くの日本人に見て欲しいッ!(十字架の場面は本当に生々しく、海外で観客が心臓発作を起こし3名が亡くなっている)
※必要豆知識…当時のエルサレムはローマ帝国の占領下。地元の既成宗教の神官たちが新興宗教の教祖イエスの人気ぶりに脅威を感じ、言いがかりをつけて逮捕、ローマ兵に差し出した。ローマには死刑制度があったからだ。
※豆知識2…キリストは30才の頃に啓示を受けるまで、ただの大工さんだった。

 
220.アイアンマン('08)125分 米
ヒーローものだけど、突然変異や超能力で変身するわけじゃなく、手作りの武装スーツを装着。主役も若いイケメン俳優ではなく髭面のオヤジ。舞台は架空の未来都市ではなく、米国やアフガニスタン。兵器産業トップの主人公が、自分が開発した兵器で民衆が苦しんでいることを知り、改心して兵器の生産を止めるという、子ども映画にはリアルすぎる設定。敵として「極悪なイスラム武装集団」が出て来た時、“またこの展開か”とゲンナリしてたら、もっと卑劣な悪党の米国人が登場し、従来のハリウッド映画ではあり得ないと思った。とにかく脚本が斬新。絶対に続編も観に行く!

 
221.ダイ・ハード4.0('07)129分 米
95年のパート3以来、実に12年ぶりの新作!最初はあまり観に行く気がなかった。ハリウッドの続編モノは劣化が激しいし、近頃はアクション映画がキツイ。単純なドンパチに途中で飽きてしまう。やはり、じっくりドラマを見せてくれるミニ・シアター系の作品に気持が向う。しかし、12年ぶりに作ったと言うことは、“撮るに値する脚本が手に入ったのかも”と思い、劇場に足を運んでみた。結論。観に行って大正解!名作の第一作の興奮が甦った!

今回の敵はサイバー・テロ集団。キーボードの操作だけで全米を大パニックに陥れた悪党に、アナログ人間の代表のようなマクレーン刑事が肉弾戦で立ち向かう。その対比が面白い。今回もマクレーンは蹴られ殴られ、高所から落ち、爆風で吹き飛ばされ、「なんで俺が…」とボヤキながら危機に立ち向かっていく。唯一の味方はひ弱なハッカー青年(キアヌに激似)のみ。彼とのかけあいはユーモラスで、2人がだんだん良いコンビになっていくのが見てて楽しい。悪党のハッカーは憎たらしいけど、善玉のハッカーってめちゃくちゃカッコイイっす(銃を持たなくてもパソコンで悪党と対決できるんだもの)。見終わって思ったのは「やっぱりアメリカ映画はスケールが違う」。一般のアクション映画なら“これがクライマックス”というようなスゴいシーンが、フツーに序盤から何度も出てくる。もうね、他の国の映画とは見せるアクションの規模がケタ違い。制作スタッフが“俺たちに描けないシーンはないぜ”と言わんばかりに、製作費をドバドバ使って、思いついた頭脳&肉弾バトルを全部映像化した感じ。ザッツ・ハリウッド。劇場の大画面で観るべき映画。
(ネタバレ文字反転)
序盤の車VSヘリの対決も迫力あったけど、圧巻は車VS戦闘機!車でF-35に勝った人間なんて、後にも先にもマクレーンだけだろう。あのバトルだけでも劇場に行く価値はあった。ラストはボスの死があっけなさすぎだけど、今回は体育会系の犯人じゃないからあんなものか。娘の「犯人は5人よ」がウケた。この最強・父娘が活躍する第5作を観たいッス(笑)。あと、SFマニアのワーロックが良い奴でよかった。無線だけでジーンとさせやがる。

 
222.未知への飛行('64)101分 米
アクシデントでソ連を核攻撃してしまう米国。世界大戦への拡大を防ぐ為に大統領が下した決断が衝撃的。冷戦サスペンスの最高傑作。

 
223.カミーユ・クローデル('88)150分 仏

ロダンの弟子であり愛人だった女性彫刻家カミーユ・クローデルをイザベル・アジャーニが体当たりの熱演。ロダン邸の前に深夜ゴミ箱をブチまけるカミーユの憤怒は鬼気迫るものがあった。ドビュッシーと交流があったり、ヴィクトル・ユゴーの訃報がパリを駆け巡ったり、時代の空気が伝わる作品。「あなたは一体なんなのだ!?」「カミーユ・クロデルよ」。
※ベルリン国際映画祭(1989)女優賞

 
224.ダンサー・イン・ザ・ダーク('00)140分 デンマーク
近年、これほど賛否両論の嵐を巻き起こした作品は他にないのでは。僕は全力で“賛”。主人公は辛い現実にぶつかった時、心のバランスをとる為に空想の世界に耽ける。その空想がミュージカルで表現されているのだ。現実逃避というよりも、彼女が明日も生き続けていく為の切実なコツのように感じた。
ストーリー以外の演出も見事で、通常場面からミュージカル場面になだれ込んで行く過程がとても自然で、それはもう恐ろしいまでに良く出来ていた。映画を見ているのではなく、本当に主人公の脳内を覗いているようだった。彼女が聴く音楽はラジオやレコードから流れるものじゃなく、町工場のプレス機の音や、川に水をはき出す配水管の音、スケッチをする人の鉛筆の音、鉄橋を渡る鉄道の音など、この世のありとあらゆる生活音が彼女にとっての“音楽”なんだ。楽器の音ではない!自分は日常の生活音すべてがリズムに成り得ることを教えられた。
工場のシーンのダンスは最高だし、汽車のシーンは低音で響く鉄橋の音に深い精神性をたたえた歌詞が融合し、呼吸困難になるほど感動した。特に終盤の『107ステップ』は、あの状況に音楽が付くとは想像だにしなかったので、メチャクチャ鳥肌が立った!

カンヌ映画祭で最高の賞に輝いただけのことはある。息苦しいほどの閉塞感に支配されながらも、画面に全身全霊が釘付けになった2時間半。ハリウッド映画のような爽快感はないが、あとあとまで記憶に残るのはこういう作品だ。
【ネタバレ文字反転】
この作品を否定する意見は、主人公の選択に納得できないというのが殆どだ。そして、彼女を愚かな母親だという。とんでもない!死者との約束を破れば良かったのか?自分はあんな男との約束であるにもかかわらず、それを守ってしまうのがセルマのセルマたる由縁であり、その「純粋さ」を無垢という理由で非難したくない。また、あのラストを見て“彼女は不幸だ”と決め付けるのはどうかと思う。彼女にとって人生最大の目標であり、それ以外は重要ではないとまで思っていた息子の手術が成功したわけで、その意味ではハッピーエンドだ。要は、誰のモノサシで幸福を決めるかということだ。彼女を憐れむというのは、自分の幸福のモノサシを彼女に押し付ける傲慢なことだと思う。
※カンヌ国際映画祭(2000)パルム・ドール、女優賞

 
225.気狂いピエロ('65)109分 仏・伊
監督はゴダール、主演はジャン=ポール・ベルモンド。破滅へ向かう男女のはずが、男の方だけが…。ストーリーはシュールなのに最後まで見せてしまうパワーがある。青いペンキを顔に塗ってピエロになり、ダイナマイトを頭に巻くフェルディナン。ピストル、縄、ガス、いろんな自死を描いた映画はあるけど、“頭をダイナマイトでグルッと一周”ってのは見たことない。点火後の行動がこれまたハートを鷲掴み。
初鑑賞から20年以上経つけど、この映画のことを思い出すと、ランヴォーの詩と共に、果てしなく続く海&青空が瞼の裏に甦るんだよね。
原題は「ピエロ・ル・フ」。“気狂い”と書いて“きちがい”と読むんだけど放送禁止用語なので最近はピエロ・ル・フのタイトルで見かけるようになった。
※押井守監督の批評がシビア→「映画監督になろうという人以外は観る意味ない。一般的な意味での観る価値っていうか、楽しい時間をすごそうと思うんだったら観る必要ないです」。うーむ!
※ヴェネチア国際映画祭(1965)新鋭評論家賞

 
226.チャイナ・シンドローム('79)122分 米
原発事故をめぐる激リアルな社会派サスペンス。ジャック・レモンとジェーン・フォンダの緊張感あふれる演技は、まばたきするのを忘れるほど観る者の心を引き込む。この後ひとつも類似映画が作られていないことからも、決定打がいきなり出たって感じだ。
※2011年3月、福島第一原発の事故の報道を聞いて、真っ先にこの映画のジャック・レモンを思い出した。
※カンヌ国際映画祭(1979)男優賞

 
227.インビクタス/負けざる者たち('09)132分 米
監督は名匠イーストウッド。南アフリカのネルソン・マンデラの半生を、南アで開催されたラグビー・ワールドカップ(1995)と絡めて描いた傑作。テーマは「赦(ゆる)し」。反人種差別を訴えて27年間も獄中にあったマンデラ。彼が出獄後に大統領となった時、白人たちは報復を恐れた。だが、マンデラが言った言葉は「さあ、共に新しい国づくりを始めよう」。そして白人選手が多数を占める南ア代表チームを、全国民で応援することで、人々の気持ちをひとつにまとめようとした。
その期待に応えるかのように南ア代表は奇跡の決勝進出を果たす。敵は日本を“145対17”でねじ伏せた、あの世界最強のニュージーランド・オールブラックス!実話だけに、大きなカタルシスのあるクライマックスだった。本作で忘れられないのは、マンデラが長い年月を過ごした独房の狭さ。差別と戦って27年を獄中で過ごしたマンデラの言葉だから、「報復するな」という言葉に重みがある。最も怒る権利を持つ人が、人々に寛容の精神を説いた。だからこそ皆が耳を傾けたのだろう。

 
228.友だちのうちはどこ?('87)85分 イラン

イラン映画。小学生の男の子が、隣席の子の宿題ノートを間違って持って帰ってしまい、日暮れまで必死になって家を探しノートを届けようとする、それだけの素朴な物語。しかし、作品の随所に地方の村の暮らしぶりが描き込まれており、映画を通してアラブの異文化に触れるという素晴らしい体験ができる。
淀川長治氏のコメント--「イランがどこにあるのか調べるといい。各国各地の映画が国境を越えて(日本へ)訪れて、“人間”は同じということを知る。これほど平和を生むものは他にはない」。“未知”が相手への恐怖心を呼び起こすなら、この映画はアラブ世界の人々への恐れを確実に取り除いてくれる。

 
229.リベリオン('02)106分 米
極上の低予算B級映画!第3次世界大戦後を描いた近未来アクション。“今度戦争になれば絶滅する”と考えた人類は、「戦争根絶の為には感情を消すしかない」という結論に達し、薬物で喜怒哀楽を抑制するようになる。感情を刺激するものは全て違法なので、当然ながら芸術や文学は一切禁止。何かに感動したり、悲しいことがあっても、涙を流してはいけない。仮に泣けば“感情規制法違反”で逮捕&処刑!そこまで徹底せねばまた戦争になると政府は考えた。しかし、人々の中には「戦争を防ぐ為とはいえ、生きている証である感情を消し去っては、既に絶滅しているようなもの」と、詩集や絵画を隠し持つ者がいた。
主人公は法の番犬・特殊部隊クラリックのエリート。違反者を摘発しては弾圧を加えていたが、取り締まりの過程で反体制派の主張に共感し始め、心に変化が生まれてゆく--。

この映画が熱狂的ファンを獲得しているのは、従来の銃撃戦を革新させた殺陣『ガン=カタ(銃型)』にある。銃の攻防に“型”を見出し、敵の配置を幾何学的に捉えて弾道を予測し、それを避けながら移動&攻撃することで、ヒーロー映画で無視されがちな“なぜ主人公だけ弾が当たらないのか”という疑問を説明している(笑)。YouTubeに2丁拳銃を使ったガン=カタのシーンだけを編集した映像(2分47秒)がアップされているので、ネタバレOKな人はご覧あれ。
『リベリオン』はせっかくガン=カタを生み出しながら予算不足でアクション・シーンが少なく、シビアな点をつけている評論家もいる。しかし、僕はアクション以外の部分でこの映画にガツンとやられた。冒頭でモナリザを焼くシーンは映画と分かっていてもキツかったし、反体制派が隠していたベートーヴェンの第九のレコードを主人公が聴き、座り込み顔を覆って泣くシーンはこちらも涙腺直撃だった。音楽を聴いて流れる涙は人間であればこそ。「生きる目的は“感じる”こと。呼吸同様に大切。感覚や愛情もなく、怒りや悲しみもなければ、息は時を刻む時計の音と同じ」。
※劇中に出てきたアイルランドの詩人イェイツの詩が切なくてグッときた。「私に金と銀の光で織った天の衣があれば、それをあなたの足下に広げるだろう。しかし貧しい私は夢を見るしかなかった。夢をあなたの足下に。そっと踏んで欲しい、私の大切な夢だから」。

 
230.イングロリアス・バスターズ('09)153分 米・独
タランティーノ監督が趣味全開で撮った“史実なんてクソ食らえ!”の反ナチ映画。監督いわく「僕は映画のパワーでナチと戦う。これは比喩ではなくリアリティとして言ってる」。舞台はナチ占領下のフランス。ブラッド・ピット率いる連合軍の特殊部隊イングロリアス・バスターズ(名誉なき野郎ども)が、ナチを相手にやりたい放題。史実改変だけどこの映画については“アリ”だろう。そこを突っ込むのは野暮ってもの。深夜の六本木で鑑賞したので外国人の観客が多く(4分の1以上いた)、クライマックスの“ある人物”への乱射に手を叩いている人の多かったこと!
※パンフにあった余談。タランティーノは重度の映画オタクで、彼は撮影現場で毎週木曜日を映画上映会とし、自分が好きな映画(「続・夕陽のガンマン」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」等)をスタッフに鑑賞させていたそうだ。それも全員にポップコーンまで準備して!良い監督だなぁ。

 
231.バッファロー'66('98)118分 米

主人公の自身の人生に対する閉塞感が、ひしひしと伝わってきた。ファミレスの男子トイレで「生きられない…」と苦悶するシーンには胸が詰まった。非常に体感温度の低い映画で、観てると吐息が白くなりそうだった。クリスティーナ・リッチの素朴な演技に大好感。

 
232.Z(ゼット)('69)126分 仏・アルジェリア

ギリシャで現実に起きた左翼政治家暗殺事件をもとに、権力の政治テロを痛烈に批判した傑作社会派サスペンス。主演はイブ・モンタン。ギリシャでは上映禁止になった。
※アカデミー賞(1970)外国語映画賞、編集賞/カンヌ国際映画祭(1969)審査員賞、男優賞/ゴールデン・グローブ(1969)外国映画賞/NY批評家協会賞(1969)作品賞、監督賞

 
233.サラーム・ボンベイ('88)113分 印・英・仏・米

インドのストリート・チルドレンの実態を描いた作品。絶望的貧困の中で、ボロボロになりながら生き続ける子どもたちを追う。最後の涙声が耳から離れない…。
※カンヌ国際映画祭(1988)カメラ・ドール

  残念!!廃盤!!
234.RENT/レント('05)135分 米

「♪あなたは1年を何で数えますか?夜明けの数?日暮れの数?コーヒーカップの数?思い出の数?笑いの数?悲しみの数?流した涙の数?愛の数ではどうだろう?52万5600分の旅を何で数えますか?」。特定の主人公はおらず、映画監督の卵や無名のミュージシャンなど、複数の若き芸術家たちの1年を描く。愛、野心、ドラッグ、夢の挫折、様々なものと向き合いながら、互いに支えあって生きていく姿を追う。元は大ヒット・ミュージカルというだけあって、最初から最後まで魅力的なナンバーがズラリと並んでいた。登場人物の一人、ゲイの“エンジェル”がめっちゃ良い性格で、映画というのを忘れて人生を語り合いたくなった!

 
235.父親たちの星条旗('06)132分 米

米国が日本との戦争で2万人を超える死傷者を出した激戦、硫黄島の戦いを映画化。日本兵の視点で描いた『硫黄島からの手紙』との2部作。水平線の彼方まで海が米艦隊で埋まっている映像は日本側にしてみれば悪夢のような映像。物量にモノを言わせた艦砲射撃は、空気を裂く轟音もあって砲撃の度に身が縮んだ。それに続く上陸戦は『プライベート・ライアン』を彷彿させる壮絶なものだった(製作にスピルバーグが関っている)。でも主な戦闘シーンは映画の前半で終了。イーストウッド監督が描きたかったのは米国で英雄に仕立てられた帰還兵の物語であり、戦場シーンはメインではない。硫黄島で両軍が衝突した頃、既に日米の戦争は真珠湾の開戦から3年以上も経過しており、圧倒的に国力が豊かな米国でさえ戦費の調達に苦慮していた。そこで米政府が目をつけたのは硫黄島で星条旗を立てた3人の米国兵。彼らを本国に呼び戻して英雄に祭り上げ、国債の広告塔として利用したのだ。しかし、星条旗は休息中に立てたものだし、3人は衛生兵や伝令兵であったりと、銃を握って突撃するといった活躍をしていない。彼らの心をよぎるのは救えなかった戦友の記憶であり、作られた英雄を演じる苦悩は日増しに大きくなっていく。また、米国民は彼らを英雄と呼びながら、一方では先住民の兵士を人種差別し、バーに入ることも許さない。こういった米社会の欺瞞は、米国民にしてみれば一番描いて欲しくなかったことだろう。映画を見ているうちに、真実を偽る彼らの辛い心境が伝わり、同様に息苦しくなっていった。「戦争に英雄なんかいない」「祖国の為に戦ったが戦友の為に死んだ」という言葉が忘れられない。そして戦後。実話とはいえ、一人の結末はあまりに悲劇的だった…。※登場人物の名前と顔がなかなか一致せず、途中で何度も混乱したので、その部分だけちょっと減点。

 
236.風と共に去りぬ('39)231分 米

「明日は明日の風が吹く」は名言!
※アカデミー賞(1940)作品賞、主演女優賞、助演女優賞、監督賞、脚色賞、撮影

 
237.ブラックブック('06)144分 オランダ・独・英・ベルギー

この映画が放つ人々の生きんとする“熱”に圧倒された。主人公のモデルは実在したユダヤ人の女性スパイ。第二次大戦末期のナチス占領下のオランダを舞台に、ドイツ軍への抵抗運動を描く。本作はありきたりな反ナチ映画ではなく、独軍、連合軍、レジスタンス(抵抗ゲリラ)、ユダヤ、それぞれの勢力に、善人もいれば悪党もいることを描いた意味で画期的。主人公ラヘルは家族をナチスに皆殺しにされレジスタンスに参加。彼女は髪を金に染め、ドイツ軍大尉の秘書としてスパイ活動を開始し、占領軍の中枢に接近する。暗くなりがちな戦争ドラマにあって、盗聴器を仕掛ける場面や捕虜の救出作戦のハラハラ感、裏切りに次ぐ裏切りで、一体誰が味方で誰が敵かまったく分からなくなる後半など、ずっと手に汗を握りっぱなしで、立派なエンターテインメント映画に仕上がっていた。
“もう敗戦は決定的だから今さら敵を殺す意味はない”と考えるドイツ将校もいれば、正義のレジスタンスが一枚岩でなかったり、連合軍がマヌケだったり、こんなに善悪の境界がない戦争ドラマも珍しい。友人ロニーがこれまた生命力が爆発していて、どこまでも生きる事に貪欲。エネルギッシュな彼女をみてるだけでクラクラする。2時間半の大作なのに、一難去ってまた一難、次々と大ピンチが主人公を襲うので、全く長さを感じなかった。奇才ヴァーホーヴェン監督の手腕は健在。
【ネタバレ文字反転】→ナチスと戦っていたのに、戦後は連合軍に虐待され、さらに真の悪党が同志にいて、最後はイスラエルで中東戦争に遭遇するという極限状況のフルコース。解放後の糞尿地獄もエグかったけど、歌の上手い主人公が、彼女の家族を殺したナチ野郎のピアノ伴奏で歌う羽目になったシーンが何より辛い。そりゃ彼女も吐くよ…。よくあんなエゲツない設定を考えたもの。それでも彼女はへこたれずに、ひたむきに前だけを向いて生き抜いていく。ウサギの人参をかじったり、チョコ食って空を飛んだり、あのたくましさは見てるだけでこっちもタフになった気が。女優カリス・ファン・ハウテンの名は「苦しみに終わりはないの!」の迫真の叫びで不滅になった。

 
238.誰が為に鐘は鳴る('43)130分 米

スペイン内戦を舞台に、ファシスト・フランコ軍に立ち向かう民衆ゲリラを描く。主演はゲーリー・クーパーとイングリッド・バーグマン。原作者のヘミングウェイは実際にこの戦いに義勇兵としてアメリカから参戦している。
※アカデミー賞(1944)助演女優賞

 
239.チャーリーとチョコレート工場('05)115分 米・英

独特の色彩センス、映像美が素晴らしい、ブラックなファンタジー・コメディ。チョコレート工場の見学に訪れた子ども達のうち、自分勝手でワガママな連中が次々と悲惨な目に。それを見てほくそ笑む工場主ウィリー・ウォンカ役はジョニー・デップ。こういう屈折したエキセントリックな役はデップの独壇場だね。子どもが罰を受けると流れる小人族ウンパ・ルンパ(皆同じ顔)のコーラス&ダンスが夢に出てきそう。映画公開のタイアップでウォンカのチョコレートが発売されたという。知らなかった!見つけたら絶対に買ってたよ〜。84点。※ウィキの解説は原作との比較もあってグッド。

 
240.ヒトラー〜最期の12日間('04)155分 独・伊

原題は「The Downfall(崩壊)」。ヒトラーの秘書ユンゲの回顧録を元に作られたドイツ映画。ユダヤ社会から“人間ヒトラーのことなど知りたくない”と上映反対運動が起きたが、その批判は見当違い。本作品は、完全に正気を失い実現不可能な作戦を命じる独裁者の末路、ナチスに洗脳された少年兵、虫けらのように死んでいくベルリン市民など、敗戦時にドイツで何が起きていたかを冷徹に描ききった傑作。ラストのユンゲ本人へのインタビューがあまりに重い。

 
241.アイ・アム・サム('01)133分 米
知的ハンディを持つ父親が男手ひとつで女の子を育てる物語。安易な(あざとい)お涙頂戴映画ではなく、作り手の誠実さが伝わる質の高い作品だった。とにかく主役のショーン・ペンと子役の少女の演技が上手い!神がかってさえいた。BGMはビートルズ・ナンバーのオンパレード。見始めてわずか5分で早くも首まで濡れてしまっていた。現実は映画のように甘くないと思うけど、親子愛を偽善と呼んでハスに構えたくない。う〜ん、これは子どもが欲しくなるなぁ。

 
242.E.T.('82)115分 米
“人間の敵じゃないエイリアン”は、今でこそよく出てくるけど当時は新鮮だった。さすがはスピルバーグと思ったもの。最初は不気味な外見に思えたE.T.が、見てるうちに可愛く見えてくるのが不思議!いまだにテーマ曲を聴くと空に飛翔するようなワクワク感に包まれる。
以下余談。中学時代、僕はクリスマスに片想いだったコ(小1からずっと好きだった!)の家の前で待ち伏せて、この映画の指定席券をプレゼントした。結果は受け取ってもらえず見事に玉砕!ダメージは深く、世界の終りだ、衰弱して死ぬと思った…。あれから30年、まだこうして生きてます。
※アカデミー賞(1983)作曲賞、視覚効果賞、音響賞、音響効果編集賞

 
243.エメラルド・フォレスト('84)114分 米
ダム開発でアマゾンを訪れた米国人技師。密林で彼の幼い息子が行方不明になってしまう。10年後、我が子はたくましいインディオの戦士に成長していた。ダムが完成するとインディオたちの生活圏が崩壊するため、父子はある行動を起こす。先進国や大企業の大規模開発に異を唱えつつ、エンターテインメント性も備えた、ハリウッド資本では珍しい作品。

 
244.アギーレ・神の怒り('72)93分 西独

中世(1560年)、伝説の黄金郷エル・ドラドを発見するためスペインからアンデス山脈に向かったゴンサロ・ピサロ率いる探検隊。本作は食糧探しを命じられた分遣隊の副リーダー・アギーレの野望を描く。
行軍シーンは見ているだけで疲労感が伝わる。俳優は演技じゃなく、ガチでヘトヘトっぽい。いかだに乗ったまま渦から脱出できなくなった人達が忘れられない…。

 
245.サクリファイス('86)149分 仏・スウェーデン
監督は映像詩人タルコフスキー。その深い精神性がカンヌ映画祭で絶賛され、審査員特別グランプリを受賞。
スウェーデン・ゴトランド島に暮らす主人公は誕生日に核戦争勃発のニュースを聞く。彼は愛する人々を救うために犠牲となることを誓う…。喉の手術をしたばかりの息子が話せるようになるまでの1日。
タルコフスキー作品の特徴である、光や水、炎の美しさが十二分に発揮されており、バッハの「マタイ受難曲第47曲」が感動的に鳴り響く。本作の撮影中にタルコフスキー監督は末期の肺癌であることが判明。同年暮に他界したため遺作となった。享年54歳。
※カンヌ国際映画祭(1986)審査員特別グランプリ、国際映画批評家連盟賞、芸術貢献賞

 
246.アラバマ物語('62)129分 米
黒人差別が色濃いアメリカ南部アラバマ州の田舎町で、主人公の弁護士アティカス(グレゴリー・ペック)は白人女性への暴行容疑で逮捕された黒人青年の弁護を担当する。陪審員が全員白人という不利な状況で、アティカスは家族を中傷されながらも青年の無実を立証するために闘う。
03年に米国の映画関係者が選んだアメリカン・ヒーロー・ランキングで、アティカスはインディ・ジョーンズなど並み居るスーパーヒーローを抑えて第1位に輝いた。まさにアメリカの良心の象徴!
※同年『アラビアのロレンス』にした主演したピーター・オトゥールは、本作のグレゴリー・ペックにオスカーで敗れた。公開が別の年ならピーターが受賞していただろう。
※アティカスの娘を演じたメアリー・バダムは約10歳5ヶ月でアカデミー助演女優賞にノミネートされた。
※アカデミー賞(1962)主演男優賞、脚色賞、美術賞/ゴールデン・グローブ賞(1962)主演男優賞(ドラマ部門)、作曲賞

 
247.ウッドストック('70)185分 米
ニューヨーク郊外のウッドストックで開催されたロックの祭典の模様を追った、3日間のドキュメンタリーだ。聴衆が40万人、負傷者は5000人、死者3人、出産が2人。開催中にウッドストック周辺は当局より災害指定地域に認定された。ジミ・ヘンがベトナム戦争に抗議して演奏した歪みまくった合衆国国歌が衝撃的だ。
※アカデミー賞(1971)ドキュメンタリー長編賞

 
248.デッドゾーン('83)103分 カナダ

大事故の後、手で接触した相手の未来が見えるようになった主人公。彼はたまたま選挙候補者と握手をした時に、その候補者が将来大統領となり、暴走して核ミサイルのボタンを押すビジョンを見てしまう。世界を救う為に暗殺を決意するが…。あまりに切ない物語。

 
249.レオン('94)111分 仏・米

“鉢植えの観葉植物が友だち”という孤独な殺し屋レオン。彼は家族を殺された隣家の少女マチルダのために仇討ちに挑む。「大人になっても人生はつらいの?」と聞くマチルダに胸が痛んだ。殺伐とした物語のなか、レオンが「かわいい」と言われてミルクを吹き出すシーンがほのぼのして好き。公開当時13歳のナタリー・ポートマンは一躍スターとなった。スティングの歌う主題歌もジンワリきてGOOD。

 
250.ラウンド・ミッドナイト('86)130分 米

「毎晩創造(演奏)するということは、それがどんなに美しいものでも死ぬほど苦しいんだ」。パリのブルーノート(ライブハウス)の外で、貧乏なジャズファンの主人公が、雨中で換気口からもれてくる音を聴いているシーンで一気に引き込まれた。
僕は高校時代に他分野の音楽ばかり聴いてたけど、20歳頃にこの映画を見たのがきっかけでジャズを聴き始めた。劇中で名前があがったレスター・ヤングやチャーリー・パーカーのことをメモってレンタルCD屋に直行した。逆に考えれば、この映画に出会うのが10年後だったら、ジャズを聴き始めるが30代だったかも。若いうちに出会えて良かった。その意味では人生を変えた映画の一本!
※アカデミー賞(1987)作曲賞

 
251.ジャニス('74)96分 米

27歳で夭折した伝説の女性シンガー、ジャニス・ジョプリンのライブ・パフォーマンスやインタビューを編集した記録映画。彼女の名唱が見どころなのはもちろんのこと、僕は高校卒業10年後の同窓会シーンが印象に残った。芸術家肌の彼女は異端視されていてのか、孤独で寂しい青春時代を送っていたことが会話の端々から垣間見えた。

 
252.地獄の黙示録('79)153分 米
元グリーンベレー(特殊部隊)隊長のカーツ大佐(マーロン・ブランド)が軍を離脱してカンボジアのジャングルに独立王国を築いた為、米政府はウィラード大尉(マーチン・シーン)を「カーツ暗殺」のために派遣する。ウィラードたちはジャングルの奥地に進むにつれ、戦争が育む狂気に精神を犯されていく…。
サーフィン好きのキルゴア中佐が「良い波がくる」という理由から、ヘリ9機で海岸線の村を襲撃するシーンは、ヘリからワーグナーの“ワルキューレの騎行”を大音量で流していることもあって、マッド感がフルに出ていた。

1975年にベトナム戦争が終結。この映画はすぐ翌年から撮影が始まった。当初、撮影期間は17週間を予定していたが、巨費を投じたセットが台風で倒壊したり、役者が病気になったり、アクシデントの嵐で61週間に延びてしまった。制作費は1200万ドル(当時約35億円)のはずが3100万ドル(約90億円)まで膨れあがった。コッポラ監督は心労で倒れ、「自殺して保険金を払うしかない」と考えるほど追い詰められた。
制作中は米政府のベトナム介入を初めて批判的に捉えたことが話題を集めたが、編集に2年もかかった為に、スコセッシ監督がベトナム戦争を描いた『ディア・ハンター』に先に公開されてしまった。
※コッポラはドアーズのジム・モリスンと映像科の同級生。名曲『ジ・エンド』使用の背景にはそのこともあるだろう。
※アカデミー賞(1980)撮影賞、音響賞/カンヌ国際映画祭(1979)パルム・ドール、国際映画批評家連盟賞

  ※ちなみに翻訳家・戸田奈津子御大の字幕デビュー作品。
253.グロリア('80)121分 米※リメイク版に注意

中年女のグロリア(ジーナ・ローランズ)がマフィアに拳銃を撃ちまくるシーンのカッコ良さは、今までに観たあらゆるギャング映画の男どもの上をいってた。ヴェネチア映画祭で栄冠に輝いたのも納得。グロリアの名セリフ「ヤケクソって言葉、知ってる?」がサイコー!
※他人の子を守る為に戦っており、映画『レオン』のモデルになった作品といわれている。
※ヴェネチア国際映画祭(1980)金獅子賞

 
254.冒険者たち('67)110分 仏
夢を失った3人の男女が宝探しの冒険へ。見終わった後の虚しさがたまらない。両腕で自分の体をギュッとしたくなるほど切ない。人生への虚無感に数日間包み込まれた。

 
255.セックスと嘘とビデオテープ('89)100分 米

タイトルはセンセーショナルだけど、内容はいたって真面目。主人公を演じたジェームズ・スペイダーに透明感、清潔感があっていい。他者に対して誠実に接しようとする2人に好感。僕も冷蔵庫にアイスティーを常備させた。ソダーバーグ監督は本作で史上最年少(26歳)でカンヌ映画祭の最高賞を受賞した。
※カンヌ国際映画祭(1989)パルム・ドール、男優賞、国際映画批評家連盟賞

 
256.老人と海('99)23分 露・カナダ・日本※アニメ

なんと2万9千枚のガラス板に“指”で油絵を塗って制作されたアニメ。制作期間は5年!アレクサンドル・ペドロフ監督はガラスペインティングの先駆者ユーリ・ノルシュテインの弟子。
メイキング映像で、筆を使わず指先で描いてるのを見て、輪郭や色彩の柔らかさにガッテン。オスカーのアニメ部門を受賞するだけのことはある。実写よりリアルな海に驚嘆した!
※アカデミー賞(2000)短編アニメ賞

 
257.アニー・ホール('77)93分 米
『アレンの最高傑作。上質な情感を備えたラブ・ストーリーであり、同時に涙のコメディでもある。必見の娯楽映画だ』(チャップリン)
あのチャップリンが手放しで絶賛したウディ・アレンの代表作。男女のすれ違いをコミカルに描いた。スクリーンから観客に向かって話しかる演出は、いっきに登場人物との距離が縮まり効果的!アレンは神経症気味の漫談芸人をひょうひょうとこなした。ダイアン・キートンのファッションがとてもオシャレ。
※アレンはそれまで自身が手がけてきたコメディより、ドラマ性を重視したことについてこう語った。「ぼくはやめようと思った…ただおどけたりする、これまでと変わらないコメディを。挑戦しよう、同じようなやり方ではなくおもしろいだけでもない、もっと深い作品を作ろうと考えた。たぶん、出来上がるものは別の価値をもつだろう、観客をおもしろがらせたり、励ましたりする作品。それはとてもとてもうまくいったんだ」
※アカデミー賞(1978)作品賞、主演女優賞、監督賞、脚本賞/NY批評家協会賞(1977)作品賞、女優賞、監督賞、脚本賞

 
258.レザボア・ドッグス('91)100分 米

鮮烈なバイオレンス描写を得意とする奇才タランティーノの初監督作品(当時28歳、脚本も担当)。完璧だったはずの宝石店襲撃計画が失敗し、裏切り者探しを始めるギャングたち。誰が潜入警官なのか?Mr.ブロンドが怖すぎる。従来のギャング映画とは明らかに一人一人の役者の存在感が違ったし、何よりも自分がまるであの倉庫に居合わせたかのような臨場感がすごかった。ラストがショッキングで見終わってしばし放心。
※椅子に縛られた警官、奴は真の漢(おとこ)だったな…。
※タイトルの意味は「掃き溜めの犬たち」。

  タランティーノの名前は一気に世界に知られた
259.遠い空の向こうに('99)108分 米
高校生4人がロケット作りに挑戦!何度も失敗を重ねながら友情を深めていく。NASA技術者の実話であり、エンディングにモデルとなった人々が映ったことで感動がより深まった。4人は「ロケットボーイズ」と呼ばれ米国の教科書に載っているらしい。

 
260.トロイ('04)163分 米
「人間ドラマが希薄」と方々で叩かれているので期待せずに見に行ったら、これがかなり良かった!原作は古代ギリシアの詩人ホメロスの叙事詩「イーリアス」。映画は長大な原作を上手くまとめていた。トロイア戦争の知識は文字として頭にあっても、あまりに壮大な物語で、現実感が全くなかった。しかし、この映画のスタッフたちはやってくれた!観客に千隻の大船団を見せ、視界の彼方まで浜辺を行進するギリシア連合軍の姿を見せてくれた。映画史上最大のスケールで合戦シーンを描きつつも、ベースになっているのは戦いの虚しさ、無常さという姿勢も良い(木馬作戦後のトロイ炎上のシーンはその最たるもの)。敵に対して敬意を持って戦う姿に胸が熱くなった。自軍の王より敵の王を尊敬するアキレスにしびれまくり。
『ロード・オブ・ザ・リング』で大軍同士の衝突は見慣れたハズなのに、魔物対人間と違って、人間対人間は両軍に感情移入できる分、より緊張感があったし、鬼神のようなアキレスと彼の部隊の戦いぶりから、当時の盾や槍の使い方も分かった。3200年前の物語世界に2時間もタイムトラベルできたのは、本当に貴重な体験だった!
印象的だったセリフはアキレスの「神々は人間に嫉妬しているんだ。人間には寿命があるから。世の全てのものは散る瞬間が一番美しい。命も限りがあるから美しい」。役者も頑張っていた。存在感No.1はトロイ王を演じた“アラビアのロレンス”P・オトゥールだけど、『ロード・オブ・ザ・リング』のレゴラス役、O・ブルームのダメ王子ぶりも良かった。あれだけ観客の気持ちをイラつかせるのは名優の証だ。そしてブラピ。熱演と共に、40歳とは思えないムキムキ筋肉が圧巻だった。映画の後、帰りの電車で自分のアキレス腱を眺めながら、この身体に彼の名前が刻まれていることに感動した。医学者や科学者でもないのに、名が人体の一部となっているってスゴイ。

 
261.鬼火('63)108分 仏

アルコール依存症の主人公が「人生の歩みは緩慢すぎる。自らの手で速めねば」とピストル自殺するまでの48時間を描く。映像の背後にゆっくりと流れるエリック・サティのピアノの調べが、見終わってからも頭の中を漂っていた。
※ヴェネチア国際映画祭(1963)審査員特別賞、イタリア批評家賞

 
262.モンティ・パイソン〜ライフ・オブ・ブライアン('79)93分 英

「人生はゼロから生まれゼロに戻るのだから、失敗しても何も損はしない」
何とキリストの生涯を絡めたパロディ(欧州各地で公開禁止になった)。この映画は内容に恐れをなしたスポンサーが降りてしまい、元ビートルズのジョージ・ハリソンがわざわざ映画会社を作って援助したという、いわくつきの作品だ。作品のテーマ“Always Look On The Bright Side Of Life”(いつも人生の明るい面を見つめて生きて行こうよ)に強く共感!

 
263.アラジン('92)90分 米

「さぁ、願いごとを言え」「君なら何を願う?」このやり取りは目からウロコ。そしてランプの魔人が答えた「自由」も奥が深い。魔人はゆっくり重厚に喋ると思っていたので、しゃべくりマシンガントーク(声はロビン・ウィリアムズ)が意外で面白かった。どんな名誉や富よりも“自由”が最も価値あることを教えてくれる良質ストーリー!
※アカデミー賞(1993)作曲賞、主題歌賞

 
264.ボギー!俺も男だ('72)89分 米

アレンの爆笑コメディ。『カサブランカ』が大好きで、ボギー(ハンフリー・ボガート)を崇拝している気弱な映画評論家が主人公。目の前に現れる幻のボギーに勇気をもらいながら恋愛に挑み、やがて“カサブランカ”を再現するかのようなシチュエーションに…。アレンが良い格好をしようとしてドミノ式に墓穴を掘っていくパーティー・シーンに涙が出るほど笑った。

  未DVD化
265.道('54)115分 伊

「夜空の星だって、道の小石だって何かの役に立っている。この世界に役に立ってないものはない。自分の方がいてあげてるんだ」。ザンパノの咆哮が夜の海にとどろく…“幸せなアン・ハッピーエンド”がこの世に存在していることを教えてくれた名画。ジェルソミーナのラッパが切ない。
※アカデミー賞(1957)外国語映画賞/NY批評家協会賞(1956)外国映画賞/ヴェネチア国際映画祭(1954)サン・マルコ銀獅子賞

 
266.イントレランス('16)180分 米

制作年は1916年!映画の黎明期に3時間の超大作が作られていることに驚く。“イントレランス”の意味は“不寛容”。D・W・グリフィス監督は、現代やキリスト時代など四つの時代を舞台に、不寛容が生み出す様々な悲劇を描き、寛容であることの大切さを訴えた。
※1989年に大阪城ホールにて、3面スクリーン&フルオーケストラという一大イベントで鑑賞。

 
267.チャイナタウン('74)131分 米

ロサンゼルスの水道利権を巡る巨大な陰謀に、ジャック・ニコルソン演じるアウトローな私立探偵が挑むミステリー。数々の映画ランキングで傑作の太鼓判を押されている。事件の核心に迫るにつれ、人間関係の異常さが明らかになっていき、全ての真相が判明した時に目まいが。ジョン・ヒューストンが不気味すぎる。主人公が叫ぶ「大金持ちのあんたは買えない物がないのに、なぜまだ金を増やそうとする!」は、利権を狙って他人を踏み台ににている世界中の金持ちに聞かせてやりたい。ヒロイン(フェイ・ダナウェイ)の結末について、監督のポランスキーは「あのラストでないと凡庸な映画になってしまう」と映画会社に抵抗し、意志を貫いたという。それが功を奏してアカデミー脚本賞を脚本家が受賞した。1974年に制作された伝説の映画なのに未見だった為に映画ファンとしてずっと負い目を感じていた。37年後にやっと観られて良かった。
※ノア・クロスはハリウッド史上屈指の悪役キャラクターとして知られる。
※アカデミー賞(1975)脚本賞/ゴールデン・グローブ(1975)作品賞、主演男優賞、監督賞、脚本賞

 
268.ナチュラル・ボーン・キラーズ('94)119分 米
史上最悪の殺人鬼カップル、ミッキー&マロリーの暴走と、精神的には彼らより悪質なマスコミを描いたオリバー・ストーン監督の問題作。原案はタランティーノ。後半の刑務所大暴動の場面は、ウルトラ・バイオレンスの連続。アニメが混じったり、手持ちカメラの映像になったり、今までの映画にない過激さだった。軽薄なTVリポーターを演じたロバート・ダウニー・Jr.の熱演がすごい。欧米では上映禁止となった国も出た。死というものをこんなに突き放して作られた映画は他にないんじゃないかな。
※ヴェネチア国際映画祭(1994)審査員特別賞

  ジュリエット・ルイスにしかこの役はやれん
269.カサブランカ('42)103分 米

社会的な混乱期にあって映画界は明るい希望を描き人々を元気づけてきた。往年の名作『カサブランカ』もそのひとつ。
本作は1942年、ナチス・ドイツとの戦争真っ只中で撮影された。制作中はまだドイツ軍が優勢であり、欧州の未来がどうなるのか分からなかった。カサブランカはフランス領モロッコ最大の都市。撮影2年前にフランスはドイツに屈服し、親ドイツ派が仏首相となってフランス中部のヴィシーに政府(ヴィシー政権)を樹立しており、カサブランカのドイツ将校は占領こそしないものの我が物顔で振る舞っていた。
一方、カサブランカには欧州各地からドイツの横暴を恐れ避難してきた人々がいた。避難民は皆が中立国のポルトガルから船でアメリカへ亡命を図ろうとしていた。アメリカ人男性のリック(ハンフリー・ボガート)が経営しているナイト・クラブは、リスボン行きの通行証(出国ビザ)を手に入れようとする亡命者の溜まり場だ。ある日、2人のドイツ人が殺害され通行証が奪われる事件が起きる。犯人はリックのクラブの客で小悪党のウガーテ。彼はリックに通行証を預けたまま逮捕された。その直後、クラブに一組の男女が現れる。反ナチ運動のリーダーで収容所から脱出したチェコ人のヴィクター・ラズロ(ポール・ヘンリード)と、その妻のイルザ(イングリッド・バーグマン)だ。2人はウガーテから通行証を入手する段取りだった。イルザはクラブの経営者がリックと知って驚愕する。リックもまたイルザを見て息を呑んだ。2人は独軍侵攻直前のパリで深く愛し合った仲だったのだ。
パリ時代のイルザは既にラズロと結婚していたが、夫はドイツ軍に捕まり収容所で死亡し、自分を未亡人と思っていた。結婚のことを隠していたのはラズロの意思で、妻を危険に巻き込まない為のものだった。パリが陥落し、リックとイルザは2人で脱出する約束を交わしていたが、折しもイルザの元へ“ラズロ生存するも病床”との報が届き、イルザはリックとの待ち合わせ場所に現れず看病の為に消息を断った。事情を知らないリックは虚しさを胸に抱き、一人カサブランカへ流れ着いたのだった。再会後、閉店した店で酒を煽りながら彼女を回想し、ピアニストのサムに思い出の曲「As Time Goes By 」を弾かせるリック。やがて、ラズロを危険視する独空軍の現地司令官シュトラッサー少佐は、彼を再び収容所へ入れるべく動き出す。
【以下ネタバレ文字反転】
イルザからパリでの愛が本物であったとこを聞かされたリックは傷心を克服し、夫婦をアメリカに逃がす為に通行証を渡すことを決意。かつてリックは反ファシズムの闘士で、イタリアのエチオピア侵攻ではエチオピア側を、スペイン内戦では義勇兵として人民戦線側を支援した過去があった。空港でリックと再び別れることを迷うイルザに「俺は粗野な男だがこんな狂った世の中を見過ごせない」「ラズロと行かなければ必ず後悔する。俺にはパリの思い出があるから大丈夫だ。君の瞳に乾杯」と告げ、飛行機の離陸を妨害しようとしたシュトラッサー少佐を射殺した。飛行機は無事に飛び立ち、一部始終を見ていたフランス植民地警察のルノー署長(クロード・レインズ)は、駆けつけた警官隊に「少佐殺害の犯人を捜せ」と命じリックを見逃した。署長もまた反ナチスの心を持っていたのだ。リック「美しい友情の始まりだな」。未来への希望を感じさせながら物語は終わる。

『カサブランカ』は公開翌年のアカデミー賞で、作品賞、監督賞、脚色賞に輝いた。2006年、全米の脚本家約1万人が所属する米脚本家組合(WGA)は「偉大な脚本歴代ベスト101」を発表し、『カサブランカ』を1位の最優秀脚本に選出した。実際映画史に残るセリフが多い。例えばリックと女友達の会話。「昨夜はどこへ行っていたの?」「そんな昔のことはもう忘れた」「今夜は会える?」「そんな先のことは分からない」。有名な“君の瞳に乾杯”は原文が「Here's looking at you, kid」。名訳であり、このセリフは劇中に4度も登場する。
ロマンティックなセリフがある一方で、常にブラック・ジョークが飛び交う映画でもあり、最後にルノー署長がミネラル・ウォーターの“ヴィシー水”の空き瓶をゴミ箱に捨て、蹴り飛ばすのも皮肉が効いている。ブルガリアの亡命若夫婦に逃走資金を与える為に、リックが自分の店に“勝たしてやれ”(わざとルーレットで負けろ)と指示するシーンは男気を感じさせる心憎い演出だ。
劇中で最も印象に残っているのは、リックの店でドイツ将校らが愛国歌『ラインの守り』を唱い、それに対抗してラズロがバンドに仏国歌『ラ・マルセイエーズ』を演奏させ、店内の客が総立ちになって大合唱するシーン。この場面のラズロは実にカッコ良くカリスマ的だ。銃弾を使わず歌でドイツ将校を蹴散らす上手い演出。今でこそ大戦でドイツが敗北することを知っているけど、この映画は現在進行形で欧州が燃えている中で作られたもの。ラズロが同志となったリックに「今度は俺達の勝ちだな」と言ったのは、反撃前の連合軍の決意を感じる。

ロマンス映画としては誰も悪くない三角関係であり、クランクインの段階では最後にイルザがリックとラズロのどちらと結ばれるのか決まっておらず、両パターンを撮影することになった。最初にリックと署長が去るラストを撮影し、出来具合が良かったことから別バージョンは撮られなかった(異なるラストもちょっと観たい気が)。
とはいえ“歌合戦”があったからこそ、観客はラズロとイルザが離れないことに納得できるし、男同士の友情が生まれるラストの爽やかさが高評価に繋がっているのは間違いない。「1942年制作」という時代の空気は特別なものがあり、そればかりは他の時代では再現不可能だ。
2011年、アカデミー作品賞に選ばれた歴代82作品の中で『カサブランカ』は第1位に選ばれた。これぞ映画の中の映画。面白いとか、面白くないとかの次元を超え、神格化された名作だ。

※イルザは事実上の二股状態となったけど、バーグマンの美しさが観客の思考力を奪い、“やむなし”という気持ちにさせるのかも(笑)。
※ボギーはダンディの代名詞だけど、リックは後半までけっこうウジウジしていて、イルザの件では器の小ささを感じるんだよね…(汗)。
※『リックの店』のモデルはモロッコのタンジールにある五つ星ホテル「エル・ミンザ」。
※撮影時、ボガードは42歳(劇中の設定は37歳)、バーグマンは26歳。
※ラズロの協力者が見せた指輪の「ロレーヌ十字」は自由フランスのシンボル。
※バーグマンは2年後に『ガス燈』(1944)でアカデミー主演女優賞を受賞し、ハリウッドのトップ女優に登り詰めた。現実のバーグマンは『カサブランカ』とは逆に、夫と子どものいる身でありながらロッセリーニ監督のもとへ走りハリウッドから追われた。
※アカデミー賞(1944)作品賞、監督賞、脚色賞

 
270.風の丘を越えて('93)113分 韓国

韓国で伝統芸能・パンソリを再評価しようという社会現象を引き起こし、ソウルだけで100万人以上の動員を記録した最初の韓国映画。
西洋音楽に人々の興味が映るなか、パンソリを歌い伝えようとする父子の物語。原題の「西便制(ソピョンジェ)」は歌唱法の流派。劇中で描かれる修行は厳しく果てしない。娘の視力を奪ってまでパンソリの根底にある“恨(ハン)”を理解させようとする父は酷いけど、芸を極めんとする向上心は本物であり完全には憎めないんだよね…。数年ぶりに再会した姉弟が演奏するシーンは泣ける。

 
271.ベルリン・天使の詩('87)128分 西独・仏

西洋絵画の天使といえば幼児だったり美少年というイメージがあるけど、この映画の天使はオッサンなのが新鮮。また、とても繊細な心を持っていて、“人間に恋すると死ぬ”という宿命を負っているのも感情移入しやすい。守護天使ダミエルに幸あれ。全編に挿入されるペーター・ハントケの詩が心に染みた。
※カンヌ国際映画祭(1987)監督賞

 
272.めまい('58)128分 米

高所恐怖症の元刑事を名優ジェームズ・スチュアートが演じ、ヒロインをキム・ノヴァクが演じた。謎が謎を呼ぶ展開といい、高所恐怖症を巧みに取り入れたアクションといい、ラストのインパクトといい、僕の中では本作がヒッチコックの最高傑作!見終わってからも引きずるくらいの内容が良いミステリーの条件かと。
※映画史上、初めてCGが使用された作品。

 
273.フィツカラルド('82)157分 西独

アマゾンの上流(奥地)にオペラハウスを建設しようとした男のロマン=狂気染みた野望を描く。首狩り族の襲撃に対し、船上からオペラ歌手カルーソーのレコードを蓄音機で流して防御するシーンに鳥肌が立った。
監督は鬼才ヴェルナー・ヘルツォーク。同監督は、この映画の撮影の為に320トンの蒸気船をリアルに山越えさせ、急流下りはぶっつけ本番であったという。
※カンヌ国際映画祭(1982)監督賞

 
274.ミルク('08)128分 米

自らが同性愛者であると公言(カミングアウト)しながら、全米で初めて公職(市政委員)に選出されたハーヴェイ・ミルクの伝記映画。「僕は40歳にもなって誇れる事を何もしていない」と語るミルクが、マイノリティの権利保護を訴えて政界へ飛び込み、48歳で射殺されるまでの8年間を描く。ショーン・ペンは指先までミルクに成りきっており、アカデミー主演男優賞に輝いたのも納得。アンチ同性愛のキリスト教宗教右翼から殺人予告が届くと、それを冷蔵庫に貼り「(脅迫状を)隠したりすれば恐怖に負けるけど、毎日見ていれば打ち勝てる」と語るシーンが印象的。サンフランシスコ市民に向けた演説も特筆すべきもの。「独立宣言にはこう書かれている“全ての人間は平等であり、奪うことの出来ない権利を与えられている”と。(同性愛者を弾圧する)全ての偽善者達よ、いくら努力しようとも、独立宣言からこれらの言葉を消すことは出来ない!いくら努力しようとも、自由の女神の台座からこれらの言葉は削れない!それがアメリカなのだ!イヤならこの国から出て行け!」。自由の女神像や独立宣言文という米国で最も大切にされているものを引き合いに、超保守派に対し“差別するなら米国を出て行け”とやり込めるのは痛快だった。
※アカデミー賞(2009)主演男優賞、脚本賞/全米映画批評家協会賞(2009)主演男優賞/NY映画批評家協会賞(2008)作品賞、主演男優賞、助演男優賞/LA映画批評家協会賞(2008)主演男優賞

 
275.敬愛なるベートーヴェン('06)104分 英・ハンガリー
ベートーヴェンの最後の4年間を描いた作品。モーツァルトを描いた作品には『アマデウス』という傑作があるけど、ベートーヴェンにはこれまで決定版がない。’94年の『不滅の恋』は良作だけどベートーヴェンに温かみがなく感情移入が難しかった。今回は名優エド・ハリスがエネルギッシュで愛すべき変人(笑)、我らが“歩く活火山”ベートーヴェンを見事に演じきった!(作曲シーンではベートーヴェンそっくりの筆跡で音符を書いてたほど)。本編は『第九』の初演4日前という超緊迫した状況からスタート。合唱パートの清書が未完成でテンパってる彼の下に、若き女性写譜師のアンナが助っ人で訪れる。アンナは架空のキャラだけど、実際の史実を織り交ぜながら、彼女の目を通してベートーヴェンが背負っている孤独、芸術の“生みの苦しみ”を伝えることに見事に成功している。彼女を演じたダイアン・クルーガーの演技も素晴らしく、中盤からは映画を越えて本当の師弟を見ているようだった。メインのストーリーだけでなく、19世紀に存在した素材だけを使ったこだわりのセットや小道具など、日常生活の細かい演出も見所。難聴のベートーヴェンがラッパ型の補聴器を持って散歩し、小鳥の声を聴こうする…そんな何気ないシーンがすごく良い。近所の住人はベートーヴェンの奇行に怒ってる人もいれば、「ここに住んでいればウィーンの誰よりも早く新曲を聴けるの」と喜ぶお婆さんもいたり(笑)。とにかく、第九が誕生する決定的瞬間や初演の現場に時空を超えて立ち会えるという、絶対にあり得ない体験をさせてくれた制作スタッフ全員に感謝!(監督さんは女性デス)。
※第九の歌詞に日本語字幕が出なかったのは許せない。これは日本の映画会社の責任。ベートーヴェンがわざわざ合唱を入れたのに肝心の歌詞を出さないなんて、配給元は何をやってるんだ!あれはもう犯罪。DVDには絶対入れるように。っていうか、今からでも歌詞入りとフイルムを全部交換して来ーい!(怒)
一番好きなシーンは(以後ネタバレ文字反転)→『第九』の初演直前にベートーヴェンが「これで音楽は変わる」って言うとこ!か、か、カッコ良すぎる!今から発表する曲で音楽史が変わると言いのける、この自信!シビレまくった!その他、最晩年の渾身の曲「大フーガ」で、聴衆が退屈してどんどん帰っていくシーン。音楽が時代の先を行き過ぎて人々から理解されない、あれは切なかった

 
276.ミリオンダラー・ベイビー('04)133分 米

アカデミー作品賞他主要4部門を受賞。もう若くはない女性ボクサーのマギー(ヒラリー・スワンク/主演女優賞!)と、老トレーナー・フランキー(C・イーストウッド/監督賞)の心の交流を、フランキーの親友(モーガン・フリーマン/助演男優賞)の目から描いたヒューマン・ドラマだ。冒頭、イーストウッドが作曲したノスタルジーなギターの音色に、モーガンの独白が重なった瞬間、あまりの渋さに卒倒しかけた。老いたイーストウッド(当時75歳)とモーガン(68歳)がスクリーンの中で並ぶと、たとえ黙ってても、その強烈な存在感に鳥肌が立ちっ放しになる。そしてヒラリー・スワンク…笑顔が素晴らしすぎ!僕は芸術でも学問でも、“何かを始めるのに遅すぎることはない”というのが信念だから、31歳の彼女がたとえ「プロを育てるには4年必要だ。30を過ぎてバレリーナを志すか?」と言われようと、不屈の精神&ガッツでリングに上がり、自分よりずっと若い選手と闘い続ける姿に魂が熱くなり、座席に半座りになってエールを送り続けた!主要キャラの3人は皆孤独で、痛みと悲しみが生活の一部となっているような人間だ。色んな人間の人生に触れる事が「生きる」ことであるなら、僕は意味のある時間を劇場で過ごしたと思う。物語の後半は衝撃的な展開になるけど、あのラストをアカデミー協会が受け入れ「作品賞」を与えたことが何かの救いになった気がする。
※アカデミー賞(2005)作品賞、主演女優賞、助演男優賞、監督賞
【ネタバレ文字反転】
後半はベイビーというより超“ヘビー”だった。暗いどころの騒ぎじゃない。タイトル戦で重傷を負い、全身麻痺、そしてフランキーに尊厳死を願う展開は、あまりの衝撃に涙すら引っ込んで、僕は茫然と画面を見ていた。彼女は「リングでたくさんの観客の声援を聴き、試合で色んな国にも行けて、私は本当に幸せだった。後悔はしてない」と言い、人生に納得して死を願った。そして最後は、この世の誰よりも信頼し、愛していたコーチに人生の幕引きをしてもらえた。そんなマギーを僕が「不幸」と決め付けるのは傲慢だと思うし、作品賞に選ばれるほど多くの人間の心を動かした点でも(僕は「賞」を神聖化しているのではなく、それだけ多数の人の魂を動かした事実を注視している)、傑作の名に相応しい作品だと思う(キリスト教圏ではタブーとなる自殺の手助けを、映画とはいえ映像で見せたイーストウッドはすごい)

 
277.戦場のピアニスト('02)148分 仏・独・英・ポーランド
ナチによる狂気のユダヤ人虐殺の嵐の中を、ボロボロになりながら生をつなぐピアニストの物語。目を覆うドイツ軍の凶行がこれでもかと出てくるが、同時に命懸けで主人公を助けてくれようとする人々も描かれている。主人公はいつ死んでもおかしくない状況に何度も直面するが、これらが全て実話というのが凄い。2時間半の間、満員の客席からは咳のひとつも聞こえず、皆が固唾を呑んで画面を見つめていた。視界の彼方まで続く廃墟のワルシャワ市街に絶句。
※アカデミー賞(2003)主演男優賞、監督賞、脚色賞/カンヌ国際映画祭(2002)パルム・ドール

 
278.ベティ・ブルー/愛と激情の日々('86)121分 仏
人間核弾頭といおうか、感情の起伏が激しい炎の女ベティをベアトリス・ダルが熱演。妄想大暴走。愛し過ぎたゆえの破局。恋とはここまでいくものなのか!?片眼に驚愕。ジャン=ジャック・ベネックス監督は2001年からもう10年も新作を発表していない。どうしちゃったのかな。

 
279.華氏451('66)112分 仏・英

近未来、人々はテレビからの情報だけが真実とされ、読書は反社会的行為として許されず、書物は発見次第消防士によって焼却されるようになる。主人公モンターグは本の魅力に取りつかれてしまった消防士。文芸ジャンキーとして、我らがモンターグに全身全霊でエールを送った!原作者はレイ・ブラッドベリ。
※文字を読むことが禁じられた世界が舞台であり、本作はオープニングのタイトル類が何も表示されない。
※華氏451度は摂氏約213.5度。華氏の温度から24度を引いて2で割れば摂氏の温度に近い。例)華氏100度(摂氏37.8度)=100-24÷2=38。

 
280.スティング('73)129分 米

賭博師同士のイカサマ合戦を描いた痛快娯楽作品。『明日に向って撃て!』の大ヒットを受け、ジョージ・ロイ・ヒル監督、ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォードが再結集して4年後に撮影された。「Sting」は“ぼったくる”の意。僕はどんでん返しに見事してやられた!あれはビックリするわ!
※アカデミー賞(1974)作品賞、監督賞、脚本賞、ミュージカル映画音楽賞、美術監督・装置、衣裳デザイン賞、音響賞

 
281.ポセイドン・アドベンチャー('72)117分 米

大晦日に大津波で転覆した豪華客船。天地が逆さまになっていくシーンは何度見ても戦慄。脱出のために生存者同士で助け合い、時には高貴な自己犠牲の精神で散っていく乗客たちに涙。スコット牧師の「神よ、助けて下さいとは言いません。邪魔をしないで下さい」が衝撃的だった。
ちなみに2006年のリメイク版は人間ドラマ皆無のアクション映画となり、ゴールデンラズベリー賞の最低リメイク賞にノミネートされた。
※アカデミー賞(1973)歌曲賞、特別業績賞(視覚効果)

 
282.2012('09)158分 米、カナダ

いやはや凄かった!マグニチュード10.9のウルトラ大地震、大噴火&火山弾の雨、エベレストまで到達する大津波、エメリッヒ監督自らが「これ以上の災害映像を作れない」といった、地殻崩壊仰天映像の数々。どれもあまりにリアルで、キャッチコピーの“これは映画か”みたいな心境になる。

宣伝で派手なスペクタクル・シーンが何度も流れたので、あれがクライマックスかと思ったら、その3段回先まで描いて世界崩壊を見せきった。監督は「祈りは助けにならないことを描きたかった」というように、宗教施設も容赦なく倒壊する(しかも信者に向かって倒れてくるとか非情!)。終末時のヴァチカンが描写されたのは映画史上初では!?ブラック・ユーモアも効いていて、ホワイトハウスの上に米軍の“とんでもないもの”が落下してくる。ストーリーはなきに等しいけど、目当ての“この世の終わり”を観られたので不満なし。方舟の搭乗券が10億ユーロ(1400億円)というのがあり得る値段設定で庶民には辛い。

 
283.スリー・キングス('99)115分 米

アメリカ映画は湾岸戦争から10年たって、やっとこの作品であの戦争の影の部分を見つめられるようになった。主人公はフセインの隠し財産を手に入れようとする米兵3人組。イラクの反フセイン派には、多国籍軍の誤爆で家族を失っている者がいて「フセインは狂ってるが市街地にミサイルを撃ち込むお前らも狂ってる」と叫ぶ。ある米兵がイラク人から「お前らはこれが欲しいんだろ!」と口から石油を流し込まれるシーンはインパクトがあった。主役のG・クルーニーはこのシリアスな映画への出演を熱望したといい、僕の中で彼のポイントが上がりまくった。

 
284.悪霊('87)116分 仏

アンジェイ・ワイダ監督がドストエフスキーの大作を映画化。テロリズムにとらわれた若者たちの狂気を描く。仲間同士の粛清に連合赤軍事件を思い出し、原作は予言の書にも思える。神の非力を証明するために自殺しようとするキリーロフの言葉が重かった。シャートフの美しい魂に合掌。

  未DVD化
285.アビエイター('04)169分 米

“アビエイター”は飛行士の意。航空ビジネスで財を成し、世界一の富豪になったハワード・ヒューズの物語。彼は骨の髄まで飛行機の魅力に取り付かれ、命をかえりみず自らがテストパイロットとなって最速記録に挑む。レオ君は真っ裸になって晩年の狂気を熱演。オスカー受賞を逃した時、レオ君的には“これでオスカーを獲れなかったらどれで獲る?”ってなったと思う。
※アカデミー賞(2005)助演女優賞、撮影賞、編集賞、美術賞、衣装デザイン賞/ゴールデン・グローブ(2005)作品賞、主演男優賞、作曲賞/LA映画批評家協会賞(2004)美術賞

 
286.デイ・アフター・トゥモロー('04)124分 米
パニック・ムービーだけど安易に作られたものじゃなく、ちゃんとメッセージ性も含まれていて思いのほか良かった!異星人が攻めて来るのでも、巨大生物が暴れるのでもなく、地球温暖化が世界を壊滅させるというのが斬新。米政府が温暖化防止条約京都議定書を離脱し、好き放題に振る舞ってる今、この映画をハリウッドが作ったということはとても意味があると思う!ド派手なCGを使った災害ムービーは食傷気味だけど、ロスやNYが、竜巻、大津波、超寒波で崩壊していく様は、本気で震え上がった!
大スターは出てないけど、そんなの必要ない。主役はあくまでも「地球」だ。物語がテンポ良く進むのでグイグイ引きこまれたし、ホント見せ方がうまいなぁと、感心しきり。※米国民がメキシコに不法移民としてなだれ込み、メキシコ側が国境を封鎖するのは皮肉。先進国が途上国に助けを求める展開に、創り手の心を感じた。エメリッヒ監督を見直したぞ!

 
287.マスター・アンド・コマンダー('03)139分 米
映画というのは、時も場所も全く違う環境に生きる人間の人生を体験させてくれるから面白い。一度きりの人生の中で、何人もの人間の生涯を追体験できる魔法のようなものだ。アカデミー作品賞にノミネートされた本作は、ナポレオン時代、つまり200年前の海戦を描いたものだ。骨太な作品で、最初から最後まで、主人公が指揮する英国船1隻と敵のフランス船1隻の、計2隻しか登場しない。CG全盛の今、大艦隊同士の砲撃戦など簡単に作れそうなものなのに、あえて1対1の死闘を2時間かけてじっくり描く姿勢に好感。敵の顔がハッキリ見える近距離で大砲を撃ち合うド迫力、相手の航路を読みあう頭脳戦、そして敵船や悪天候(自然)との戦いで散っていく仲間たち!特筆したいのは音響。最近の映画館はサラウンド(後方にもスピーカーがある)なので、航海シーンでは常に船体の“きしみ”が前後左右から聞こえてくる。おかげで映画を観る2時間の間、ずっと自分が乗組員の一人として乗船している気分だった(アカデミー音響効果賞受賞)。ただし、派手な砲撃戦があるとはいえ、映画全体は日常の航行シーンがほとんど。むさ苦しい男ばかり出てくる地味な映画で、物語的にもこれを観たからといって人生が変わるような話じゃない。でも、“ナポレオン時代の海に行く”という不可能な夢を可能にしたいと思う人なら、充分満足できる作品だ。
※アカデミー賞(2002)撮影賞、音響効果賞

 
288.ハリーの災難('55)99分 米
ヒッチコックのブラック・ユーモア、ここに極まれり!ある日、アメリカの片田舎の森でハリーという男の死体が見つかった。村には“自分が殺したのでは?”と心当たりのある人間が何人もいて、こっそりとハリーの死体を掘り返して死因を調べようとする。何度も埋められては掘り返され、安らかに眠ることができない“ハリーの災難”に同情。シャーリー・マクレーンのデビュー作。

 
289.ジョーズ('75)124分 米
当時28歳のスピルバーグの入魂の一作。25フィート(約8m)もある巨大人食いホオジロザメに、海洋学者、警察署長、漁師の3人が立ち向かう。ただの海洋パニックではなく、オヤジたちの友情や広島の原爆の話なんかも登場し、若い20代の監督が撮ったようには見えない。ジョン・ウィリアムズが作曲した音楽も恐怖の盛り上げに大貢献。
この映画の大ヒットにより、同類の動物パニック・ムービーが量産され、サメ襲撃モノだけで20本以上制作された。
※“ジョーズ”はアゴの意
※アカデミー賞(1976)作曲賞、音響賞、編集賞

 
290.カメレオンマン('83)80分 米
どんな人種にもカメレオンのように変身できる特異体質を持った主人公。誰にでもなれるということは、誰でもないということ。存在の不安をテーマにしたW・アレンのインテリ・コメディ。
※ヴェネチア国際映画祭(1983)イタリア批評家賞

 
291.バタフライ・エフェクト('04)114分 米
恋愛で誰かをトコトン好きになると、相手が別の誰かを好きになっても、恋を忘れるのは至難の業。その昔、失恋した友人を元気づける為の「A君を励ます会」を5人ほどで開いた時に、一人が「女なんかいくらでもいるぜ!」と言ったところ、A君が「いや、代わりがいない貴重な人だから惚れてるんだよ!」と吠え、A君は相手の女性の魅力を延々と力説し、一同は“なるほど、確かにそれほどの女性はそうそういない”という結論に達し、「励ます会」が「落ち込む会」になってしまったことがある。

こんなことを思い出したのは、好きな相手を忘れる為に悶絶している人に力を与える映画『バタフライ・エフェクト』を鑑賞したから。世の中の恋愛映画の大半は、勇気がなくて恋に一歩を踏み出せないでいる人を応援する内容であり、「その恋はもうあきらめようぜ」という映画は少ない。でも、実際の恋は成就しないことが多々あるわけで、僕らが本当に必要な作品は失った恋を“断念する勇気”を与えてくれるものだ。僕が観た映画で前向きに恋をあきらめるのに効果がある作品は、たったの4作品。『カサブランカ』『チャップリンのサーカス』『ラブ・アクチュアリー』、そしてこの『バタフライ・エフェクト』だ。

本作品は冒頭に次の言葉が出てくる「小さな蝶の羽ばたきが地球の裏側で台風を起こすこともある」(エドワード・ローレンツ/気象学者)。“バタフライ効果”とは、初期値のわずかなズレが、将来の結果に甚大な差を生み出すことをいう。人生で例えると、子供時代に何も考えずにした小さな行動が、20年後にはとてつもない影響を周囲に与えているというように。主人公は惚れた女性や親友が幸福に生きられるように、何度も過去に戻って関係をやり直そうとするが、“バタフライ効果”でその度に未来が予測不能なレベルまで激変してしまう。いったい彼は最後にどんな行動をとるのか、機会があれば観て欲しい。

この映画は辛い過去があっても、それを含めて今の自分があることを再認識させてくれる。
※DVD特典の別エンディングを観ると、やはり本編のラストしか選択肢はないと痛感した。
※“ポジティブ失恋”を描いた映画の最高傑作は『ラブ・アクチュアリー』。多数の登場人物がいろんな恋をして基本はハッピー展開なんだけど、失恋したマークという男性が映画史上に輝く名セリフ「enough now」(今はこれで充分)を残すんだ。ストーカー化せずに恋愛をあきらめる方法はたった一つ、この「イナフ・ナウ」しかないと思う。付き合えなかった時に、どこで満足するかだ。言葉を交わす、手紙を渡す、握手する、色々あるけど、マークは自分の気持を告白したこと、その一点をもって「イナフ・ナウ」と恋を締めくくった。最近よくある事件のように、「他の奴に渡すくらいなら殺して自分だけのものにする」なんて自分勝手で最低の考えは、「イナフ・ナウ」には微塵もない。“マーク教”の究極思想は、“相手がこの世に生きてくれてるだけでいい”、“同じ空気を吸えて言うことナシ!”、コレ。

 
292.黒いオルフェ('59)107分 仏
ギリシア神話に描かれた竪琴の名手オルフェとエウリュディケの物語を、リオのカーニバルに舞台を変えて再現。画面からリオの空気というか熱気が伝わってきた。音楽にアントニオ・カルロス・ジョビンのボサノヴァが使われサントラが大ヒット。ストーリーについて、個人的にミラはミラで可哀相な気が…嫉妬の原因を作っているのはオルフェだし(汗)。
※アカデミー賞(1960)外国語映画賞/カンヌ国際映画祭(1959)パルム・ドール

 
293.愛の嵐('73)117分 伊・米
イタリアの女性監督リリアーナ・カヴァーニが倒錯愛を描いた問題作。第二次大戦の13年後、元ナチス親衛隊将校のマクシミリアン(ダーク・ボガード)は、戦犯として訴追されることを恐れ、身分を隠してウィーンのホテルで働いていた。ある日、1人の女性宿泊客と目が合い愕然とする。彼女は強制収容所でもてあそんだユダヤ人女性ルチア(シャーロット・ランプリング)だった。マクシミリアンは元ナチの仲間から「口封じの為に殺せ」と言われるが、ルチアのことを愛しており殺すことができない。そして…。
この映画はユダヤ人社会やフェミニスト団体からどう見られているんだろう。かつての抑圧者を惚れていいのか。否、ルチアは惚れる惚れない以前に、官能で神経回路がショートしているような描写もある。女性監督だから許されているのか、これが男性の監督だったら猛批判を受けてもおかしくない。親衛隊の制服とユダヤの花嫁衣装が並ぶ構図が目に焼き付いている。

 
294.リバー・ランズ・スルー・イット('92)124分 米
「わが家では信仰とフライフィッシングの間に区別はなかった」。釣りを通して描かれる、父親と2人の息子の物語。柔らかな陽射しに包まれた川べりの風景がとにかく美しかった。見終わった後でも、肌に太陽のぬくもりが残っている。すごく悲しい物語なのにね。ブラッド・ピットはこの映画で人気に火がついた。監督はロバート・レッドフォード。
※アカデミー賞(1993)撮影賞

 
295.フェイス・オフ('97)138分 米
FBI捜査官とテロリストが顔面移植で顔が入れ替わるという荒唐無稽なストーリーなのに、ツッコミを入れる間もなくどんどん話が展開して、気がつけばアクション・シーンに手に汗を握っていた。さすがジョン・ウー監督。ニコラス・ケイジもジョン・トラボルタも、善人役の時はすごく良い人に、そして悪人役の時は卑劣感に見えてくるのが不思議!

 
296.フリーダ('02)123分 米
素晴らしい。女流画家フリーダ・カーロの伝記映画。主演女優サルマ・ハエックは圧巻の演技でフリーダ本人にしか見えなかった。フリーダは18才の時にバス事故で全身を20ヶ所以上も骨折、鉄棒が腰を貫通する悲劇にあう。命は取り留めたものの47才で亡くなるまで32回も手術を繰り返し、肉体の苦痛は続いた。恋愛でも地獄を味わうが、その苦しみの中でも運命に毅然と立ち向かい、彼女はカンバスに自分の内面を刻み続ける。映画はその激動の人生を見事に描き切っていた!音楽も全曲ハズレなし。エドワード・ノートン、アントニオ・バンデラス、ジェフリー・ラッシュという豪華な脇役陣にもびっくり。
※アカデミー賞(2003)作曲賞、メイクアップ賞

 
297.チャップリンのサーカス('28)72分 米
サーカス団の女性に一目惚れした我らがチャーリー。綱渡りの最中に猿たちが群がるシーンに腹を抱えて笑った。『モダン・タイムス』や『黄金狂時代』に比べると知名度が低い本作だけど、なんのなんの!映画史に刻まれるべき名作喜劇っす!カラクリ人形に成りきるシーンも爆笑。ラストの演出が心憎いもので、“あれ、目から水が…なんだろコレ…”ってなった。

 
298.オズの魔法使('39)102分 米
魔法の国オズへ竜巻で運ばれた少女ドロシーと愛犬トト。故郷カンザスへ戻るため、彼女はオズの魔法使いに助けを求めるべく旅に出る。旅路で出会った、知恵のないカカシ、心がないブリキ男、勇気のないライオンも、足りないモノを手に入れるために旅に加わった。この3人(3匹?)が実に良い味を出している。
現実世界がモノクロ、魔法世界がカラーという構成。1939年の時点でこの美しいカラー・ファンタジーを制作していたことに驚愕。真珠湾攻撃はこの2年後。『白雪姫』でも思ったけど、宣戦布告前にこの映画を観ていたら、開戦に躊躇したと思うんだけどな…。
※原作はライマン・フランク・ボームが1900年に発表した児童文学。
※アカデミー賞(1940)作曲賞、歌曲賞

 
299.アポカリプト('39)102分 米
前作『パッション』で観客をエルサレム・ゴルゴダの丘に連れて行ったメル・ギブソン監督。徹底した時代考証は衣装や小道具だけでなく、キリストのセリフ(古代アラム語)にまで及び、見る者の度肝を抜いた。そして今作ではマヤ文明の中心地へ観客をタイムスリップさせる。もちろん全編マヤ語だ。主人公の青年は中南米の密林で平和に暮らす少数部族。ある日マヤ帝国の奴隷狩りに会い、村は壊滅し妻子と引き離される。奴隷は太陽神への生け贄であり、心臓を取り出される運命にあった。主人公は妻子と再会する為に決死の逃亡を敢行。迫りくる追っ手を振り切るべく、逃げる、逃げる、逃げる。後半はずっとジャングルを走り続けており、見てるだけで胸がゼーゼー苦しくなる。しかし、走りながらも頭脳戦で不利な状況からランボー並に反撃していくのがカッコイイ。凄惨な場面が多いので万人にお勧め出来ないけど、マヤ帝国に行ってみたい人は是非。密林が開けてマヤの全景を見た瞬間、スケールの大きさに絶句するだろう。ラストも劇的な終わり方だ。

 
300.フレンチ・コネクション('71)105分 米
ニューヨーク市警の豪腕刑事“ポパイ”ことドイル(ジーン・ハックマン)が、フランスからの麻薬密輸組織を壊滅させるべく奔走。高架鉄道とのカーチェイスは必見!映画史上、1、2を争う、有名なカーチェイス。NY地下鉄での尾行シーンも観客への見せ方が巧みで、編集者の職人芸に脱帽。
※アカデミー賞(1972)作品賞、主演男優賞、監督賞、脚色賞、編集賞/NY批評家協会賞(1971)男優賞

 


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オヌシは 番目の旅人でござる