601.M★A★S★H('70)116分 米
※アカデミー賞(1971)脚色賞/カンヌ国際映画祭(1970)パルム・ドール
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602.ビフォア・ザ・レイン('94)115分 英・仏・マケドニア
民族対立を描きつつも、全編が詩心で包まれており深く心に残った。
※ヴェネチア国際映画祭(1994)金獅子賞、イタリア批評家賞(男優)、国際評論家賞
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603.民族の祭典('38)138分 独
※ヴェネチア国際映画祭(1938)ムッソリーニ杯外国映画
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604.或る夜の出来事('34)105分 米
※アカデミー賞(1935)作品賞、主演男優賞、主演女優賞、監督賞、脚色賞
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605.トミー('75)111分 英
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606.マーダーボール('05)85分 米
車椅子ラグビーに闘志を燃やすアメリカ・チームとカナダ・チームの選手を描いたドキュメンタリー。戦車のようにチューンナップした改造車椅子を激突させ、鬼の形相でボールを奪い合う男たち。その迫力に圧倒されて、可哀想とか同情とか、そういう感覚は吹き飛んでしまう。精神力もめちゃくちゃタフだ。超ポジティブ。恋愛も描かれており、色んな意味で目からウロコの映画だった。
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607.ジャッカルの日('73)142分 英・仏
フランス映画の傑作サスペンス。犯人を追う刑事がごく普通の中年おじさんの風体で、それがイーストウッドやM・ギブソンなど米映画のスーパーデカを見慣れた目には新鮮だった。
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608.ラストキング・オブ・スコットランド('06)121分 英
ウガンダの独裁者アミンが破滅していく姿をフォレスト・ウィテカーが怪演。大統領に就任した当初は改革の理想に燃えていたのに、手に入れた権力を失うことや暗殺を恐れるあまり、少しでも意に従わない人間を根こそぎ殺し始める。狂気は村単位の虐殺に繋がり、30万人もの国民がアミンに殺された。映画はアミンの主治医を務めたスコットランド人の若者の目線で綴られる。この医者がアミン暗殺を決意するクライマックスは実にスリリング。ウィテカーが演じたアミンは、喋ってる時は陽気な“子供”なのに、黙っている時はこの上なく不気味。怖すぎ。この年のアカデミー賞は名優ピーター・オトゥールが“初オスカー”を逃して可哀相だったけど、ウィテカーの演技を観て納得した。
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609.グリーン・カード('90)107分 米・仏・蘭
※ゴールデン・グローブ(1990)作品賞
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610.ダウン・バイ・ロー('86)107分 米・西独
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611.おかしな夫婦('70)97分 米
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612.ムトゥ・踊るマハラジャ('95)166分 インド
日本のインド映画ブームに火をつけた話題作。突然何の脈絡もなく始まる歌と踊り、そしてむやみに長い上映時間にクラクラ。あのムトゥの秘技“タオル廻し”がナイス!
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613.フロント・ページ('74)105分 米
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614.ワイルド・アット・ハート('90)124分 米
※カンヌ国際映画祭(1990)パルム・ドール
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615.荒野の決闘('46)97分 米
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616.ベティ・サイズモア('00)112分 米
心憎い良質の脚本と脇役陣の演技のうまさに、見終わって満足度高し。
※カンヌ国際映画祭(2000)脚本賞
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617.トッツィー('82)113分 米
※アカデミー賞(1983)助演女優賞/NY批評家協会賞(1982)助演女優賞、監督賞、脚本賞
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618.あなただけ今晩は('63)146分 米
※アカデミー賞(1964)音楽(編曲)賞
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619.ソフィーの選択('82)151分 米
※アカデミー賞(1983)主演女優賞/NY批評家協会賞(1982)女優賞、撮影賞
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620.青い凧('93)138分 中国
文化代革命って『覇王別姫』にしてもそうだけど、なんか、みんなハートより理念が加速してるんだよね。そして、他者にとても攻撃的。あの空気は辛い。
※東京国際映画祭グランプリ(1993)
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621.キリスト最後の誘惑('88)163分 米
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622.華氏911('04)112分 米
俳優ショーン・ペンが“ここに極悪きわまる腐敗政権が描かれている”と語った通り、これでもかというほどブッシュが叩かれていた。この映画が政治的に偏っているという批判は的外れだ。ムーア監督がこの映画で最も強く主張している「大量破壊兵器もなく、アルカイダとも何も関係ないイラクにブッシュが攻め込み、多くの民間人と米国兵の命が犠牲になっている」という事実に変わりはないからだ。 映画手法うんぬんといった批判は、情報部が報告した9.11の警告をホワイトハウスが無視したこと、ブッシュとビン・ラディン一族が利権で繋がっていること、政権トップクラスの連中が戦争ビジネスでボロ儲けしていること、こうした現実の前では取るに足らないことだ。テレビではオンエアされないような戦場のえぐいシーンも出てくるけど、子どもたちにハッキリと戦争はカッコイイものでも、ロマン溢れるものでもなく、狂気と残酷さが支配する生き地獄だと理解させる良い機会だと思う(特に米国ではね)。
ただ、手放しで絶賛はしない。反ブッシュの僕でさえ「こんな個人攻撃のやり方は逆効果だ」と嫌悪を感じるシーン(小学校の場面等)があるし、自分が米国人であれば“投票先くらい自分で決めるから政党名を出して指図してくれるな”、こんな風に思うだろう。賛否両論はあるけど、様々な意見を
聞いて自分で判断することが何より大切なので、見ておくべきだと思う。2時間ずっと他人の悪口を聞くのは(ブッシュがどんな男であれ)生理的に辛いけど、愛する者の死すべき理由が分からない遺族はもっと辛い。ムーアは新聞のインタビューで、“真の悪はブッシュではなくチアリーダーになって戦争を煽ったメディアだ”と語っていた。「主流メディアのエリート連中には、恥じ入って欲しい。あなた方が怠けてしなかったことを、(自分のような)こんな野球帽をかぶった高卒の男が世界中で映像を掘り起こし、補っているんだから」。ムーアよ、どうか長生きしてくれ。
※カンヌ国際映画祭(2003)パルム・ドール/NY批評家協会賞(2003)ドキュメンタリー賞
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623.モディリアーニ 真実の愛('04)126分 米・仏・独・伊・英・ルーマニア
モジリアニを追ってジャンヌが命を絶つ結末が分かっているだけに、モジリアニの亡骸にジャンヌが「待ってて」という言葉に号泣。ピカソ、ユトリロ、スーチンらが出て来て同時代の空気が良く伝わった。彼らが互いに相手を認めて向上し合う姿が良い。ただ、架空のエピソードはほどほどに!映画を観た人は混乱するよ〜。
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624.ラスト・タンゴ・イン・パリ('72)129分 仏・伊
狂ったマーロン・ブランドのお尻に目が点。小道具のガムがいい。
※NY批評家協会賞(1973)男優賞
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625.ゴースト・バスターズ('84)105分 米
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626.バグズ・ライフ('98)94分 米
無表情に虫を食う鳥の姿に戦慄が走った。カワイイ小鳥も虫にしてみりゃ怪物だもんな。虫たちの酒場シーンは圧巻!
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627.アンダルシアの犬('28)17分 仏
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628.料理長殿、御用心('78)112分 米
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629.エル・トポ('69)123分 メキシコ
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630.ザ・ロック('96)135分 米
アルカトラズ島を舞台にしたアクション・ムービー。アメリカ海兵隊の英雄がテロ犯になるが、その動機は友のため。ショーン・コネリー、ニコラス・ケイジ、エド・ハリスなど名優が揃い、敵味方で裏をかきあう。音楽も盛り上げまくる。このドンパチ映画を“元旦”の昼間に一人で観て、年始早々テンションがMAXに。
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631.アンタッチャブル('87)120分 米
※アカデミー賞(1988)助演男優賞
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632.ザ・コミットメンツ('91)118分 英
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633.赤い風車('52)123分 英・米
※アカデミー賞(1953)美術監督・装置賞、衣装デザイン賞/ヴェネチア国際映画祭(1953)サン・マルコ銀獅子賞
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634.地球に落ちて来た男('76)119分 英
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635.眺めのいい部屋('86)114分 英
※アカデミー賞(1987)脚色賞、美術(監督)賞、美術(装置)賞、衣裳デザイン賞/NY批評家協会賞(1986)助演男優賞、撮影賞
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636.カオス・シチリア物語('84)187分 伊
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637.ブルー・ベルベット('86)121分 米
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638.パルプ・フィクション('94)154分 米
※アカデミー賞(1995)脚本賞/カンヌ国際映画祭(1994)パルム・ドール/NY批評家協会賞(1994)監督賞、脚本賞
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639.ディーバ('81)118分 仏
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640.わが青春のフロレンス('70)111分 伊
※カンヌ国際映画祭(1970)女優賞
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641.太陽と月に背いて('95)112分 英
ヴェルレーヌのダメ男ぶりが最高。ランボゥを演じたレオ君はハマリ役に見えた。
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642.おしゃれ泥棒('66)126分 米
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643.沈黙の戦艦('92)103分 米
史上最強のコックさん!全然期待せずに観てたのが逆によかった。ブラック・ユーモアやジミ・ヘンの音楽も効いてたし、アクションもハンパじゃない。十二分に楽しめた。
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644.少林寺('82)100分 香港・中国
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645.サイレント・ムービー('76)88分 米
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646.シュリ('99)124分 韓国
これほどスタイリッシュなアクション映画を撮れる韓国の映画人に恐れ入った。日本の完敗じゃん!?…しかし、北朝鮮の人が見たら怒るだろうな(特に冒頭)。それを考えると、もっと点を下げるべきなのだが、ハリウッド映画がかすむほどの凄い映像に、まだ『ビックリ』の状態が続いているので、この点数だ。
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647.ジム・キャリーはMr.ダマー('94)105分 米
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648.CUBE('97)91分 カナダ
観てて窒息しそうになるホラー映画だった。この映画に比べりゃキャンプ場でアホヤングが殺人鬼に襲われる王道ホラーは、のどかなもんだよ。
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649.真夏の夜のジャズ('59)86分 米
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650.ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!('63)90分 英
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651.スーパーマン('78)144分 米
※アカデミー賞(1979)特別業績賞(視覚効果)
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652.グリーン・ゾーン('10)114分 米
米政府を信じて大量破壊兵器の探索部隊を率いる指揮官が、“最初からそんなものはなかった”ことを突き止めていくサスペンス。『ボーン・アルティメイタム』でCIAの暗部を描いたグリーングラス監督とマット・デイモンが再タッグを組んだということで、公開前から期待していた。終戦後にイラクの石油をアメリカ企業が独占したことや、ブッシュ&チェイニーが石油利権と密接に関わっていた点でも、この戦争を求めていた勢力が存在していたのは明らか。
デイモンはインタビューでこう語っている「僕は決して疑い深い方ではないが、あの頃は戦争を煽る声があまりにも突然あちこちから聞こえ始めて驚いたものだよ。“ちょっと待てよ、誰もそんな事を言っていなかったのに、どうしてそうなるんだ?”とね。9.11で皆ショックを受け、強い恐怖を覚えた。そんな心理のもとでは人はあらゆる方向に導かれがちだ。だが、僕は、サダム・フセインは9.11と何の関係もないと思っていた。多少でも知識のある人は、皆そう知っていたはずなのに、多くのアメリカ人が彼が関係していると信じたのは、真実と違うメッセージが大量に送られたせいなんだ」。
この高得点はイラク人の心の叫びが描かれていたから。主人公のミラー隊長は純粋に善意から「民主化させてあげよう」としていた。私欲もなく正義のヒーロー。ところが、そのミラー隊長でさえ自分の傲慢さに気付かされる。あるイラク人にこう言われるんだ「それ(民主化)は私たちが自分でやる。あなたたちに、この国のことは決めさせない」。これは重い。
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653.Mr.インクレディブル('04)115分 米
デフォルメされたキャラは現実に存在している訳じゃないのに、あまりに豊かな表情をする為、映画が始まって10分もすればアニメと言うことを忘れてしまっていた。背景のリアルさはもっとスゴイ。月夜の海のシーンはニセモノの映像なのに、あまりの美しさに目が潤んでしまった!物語は単純明快ながらも数多くの伏線が巧みに張られ、無駄なセリフが全くない。テンポもグッド。本当に楽しい2時間だった!ただし、ブラックユーモアが多すぎて子どもにはあまりお薦めできない(残酷なシーンもあるし…)。大人の為のコメディだね。
※アカデミー賞(2005)音響効果賞、長編アニメ賞/NY批評家協会賞(2004)アニメーション賞
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654.レッドクリフ Part I('08)145分 中国、香港、日本、韓国、台湾
あの『三国志』をロード・オブ・ザ・リングのような巨大スケールで映画化。良い映画だけど、戦いが冒頭とラストにしかなく、壮大な中だるみが用意されているので御覚悟を(笑)。最初のバトルでは、関羽、張飛、趙雲、諸葛孔明など、英雄達が最高に格好良く登場。彼らが銀幕に出てくると「ウオー!」と喝采が館内から聞こえた(ような気がする)。80万対5万の戦に繋がるクライマックスの激闘“八卦の陣”は、圧巻の映像に涙がハラハラ(あれだけの映像を作り上げた撮影スタッフの心意気と情熱に泣いた)。数の上で圧倒的に不利なのに、天才軍師・孔明の罠が次々と決まり(それもかなりエゲツない)、思わず敵である曹操軍の気持になって、マジで孔明が怖くなった(汗)。関羽の無双斬り、素手で馬を殴り飛ばす張飛の怪力ぶり、趙雲の二刀流、周瑜の回転ジャンプなど、戦い方にも個性があって見入ってしまった。ジョン・ウー監督はアクション映画の名手と言われるだけある。この映画の問題点は主に3点。(1)タイトルが“レッドクリフ”なのに、急遽2部作として公開されたことで、目玉の“赤壁の戦い”が後編に回されたこと。(2)敵ボスの曹操がただの極悪人。もっと曹操の良い面も描いて欲しい。漫画『蒼天航路』の曹操ファンは特に怒り心頭の様子。(3)最初にも書いた“中だるみ”。必要なエピソードとは分かるんだけど、ワンシーン、ワンシーンがことごとく長い。くどくど冗長。特に周瑜のラブ・シーンはあの100分の1でいい。包帯シーンにも妙なエロ演出は必要なし。トニー・レオンが記者会見で「ジョン・ウー監督はラブシーンの演出がヘタ」と言ってたけど、あれはジョークじゃなくマジだろう。テンポ良く編集すれば1本の映画にまとまったのに、ダラダラ見せて前後編にするのは如何なものか。総括としては、戦闘シーンが95点、ドラマパートが70点で83点くらいかなぁ。パート2も必ず観に行く。演技派の俳優が揃うなか、金城武や中村獅童は孔明や甘興を上手く演じていた。(とりあえず、野郎は見ておけ!)※仔馬の名前が“萌萌”(モンモン)っていうのに笑った。
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655.バットマン・フォーエバー('95)119分 米
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656.ザ・プレイヤー('92)124分 米
※カンヌ国際映画祭(1992)男優賞、監督賞/NY批評家協会賞(1992)作品賞、監督賞、撮影賞
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657.ジャスティス('79)119分 米
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658.デッドマン('95)121分 米
ジョニー・デップなればこその“いぶし銀”西部劇。
※NY批評家協会賞(1996)撮影賞
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659.ジム・キャリーのエースにおまかせ!('95)95分
ビデオで鑑賞中、お馬鹿な動物探偵に笑いすぎて呼吸困難になり、のた打ち回ってなんとか画面を消し、一命をとりとめた。こんなのウディ・アレン以来。J・キャリー恐るべし。
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660.インクレディブル・ハルク('08)112分 米・ブラジル
“音”を使った攻撃兵器にハルクが立ち向かうシーンに力が入った。荒唐無稽な話もE・ノートンが演じると引き締まる。
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661.許されざる者('92)131分 米
映像美には舌を巻いたけど、敵がそれほど悪人じゃなかったので、主人公の行動に戸惑ってしまった。
※アカデミー賞(1993)作品賞、助演男優賞、監督賞、編集賞/NY批評家協会賞(1992)助演男優賞
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662.8月のメモワール('95)125分 米
静かな映画だった。原題は「The
War」あの4人家族を結び付けている愛情が、演技を超えてスクリーンから伝わってきて、本物の家族にしか見えなかった。コスナーの抑えた演技が逆に光ってた。この路線でいけばいいのに!
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663.激突!('71)90分 米
スピルバーグ25才の作品!
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664.穴('60)124分 仏
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665.サボテン・ブラザーズ('86)105分 米
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666.ブッシュ('08)129分 米
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667.シービスケット('03)141分 米
敗者が再び誇りを取り戻していく再生の物語。「馬も人間も癒されたのだ」という言葉で締めくくられ、心が疲れたときに見るとグッド。
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668.ゴッドファーザーPART II('74)200分 米
前作のようなドンパチよりも、登場人物の内面描写に力点を置いたパート2。組織を守るためには肉親であろうと殺さねばならぬボスの孤独を描いている。(批評家に絶賛され、前作では獲れなかったアカデミー作品賞に輝いた)
※アカデミー賞(1975)作品賞、助演男優賞、監督賞、脚色賞、作曲賞、美術監督・装置
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669.マイ・レフト・フット('89)98分 アイルランド
※アカデミー賞(1990)主演男優賞、助演女優賞/NY批評家協会賞(1989)作品賞、男優賞
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670.X-MEN('00)104分 米
地味な物語だけれど、近年量産されている派手なだけで中身カラッポのスカスカ・ムービーとは質感が全然違うので、かなり好印象。
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671.ぜんぶ、フィデルのせい('06)99分 伊・仏
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672.カサンドラクロス('76)128分 伊・英
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673.存在の耐えられない軽さ('88)173分 米
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674.ボルケーノ('97)106分 米
火山弾が怖すぎ。地下鉄の救出劇はまるで宗教画のようだった。
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675.天使の涙('95)96分 香港
順位をつけるのが難しい。料理しているオヤジさんのビデオが一番印象的だった。派手な銃撃戦よりもね。
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676.スクリーム('96)111分 米
オーメンやエクソシストのような哲学ホラーでない、このアホヤング向けホラーがなぜベストに?答えは、犯人が誰かまったく分からんかったから。オチで犯人が分かったとき、思わず「一本!」と叫んだ!
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677.バスキア('96)108分 米
ウォーホル役のデビッド・ボウイがハマリ役過ぎる!あれを見るだけでも鑑賞した甲斐があった。80年代NYのポップアート・シーンがよく分かった。
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678.マイ・ビッグ・ファット・ウエディング('02)96分 米
大家族が出てくる賑やかなラブ・コメ。ギリシャの人々は元気があっていい。ただ、ヒロインの女性の顔がメル・ギブソンそっくりで、あれにはまいった。※劇中の結婚話は実話とのこと。
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679.蝶の舌('99)95分 スペイン
老教師と少年の心の交流を描いたもので、2人が森の小道を歩く場面は、まるで印象派の絵画のように美しい映像だった。自然界の秘密を語り合う場面も良い。それだけにスペインが内戦に入っていく後半の痛切さはハンパじゃない…。
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680.チキチキバンバン('68)143分 英
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681.続・夕陽のガンマンン/地獄の決斗('66)155分 伊
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682.ライムライト('52)137分 米
※アカデミー賞(1973)作曲賞
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683.わらの犬('71)115分 米
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684.美女と野獣/コクトー版('46)95分 仏
※カンヌ国際映画祭(1946)音楽賞
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685.Ray/レイ('04)152分 米
“ソウルの神様”レイ・チャールズの伝記映画。主演はジェイミー・フォックス。7歳の時に失明し、15歳で孤児となったレイ。音楽で身を立てる決意をした彼は、ジャズやゴスペルといった黒人音楽を融合させ、独自のサウンドを生み出し大ブレイクする。最も印象に残ったエピソードは、故郷ジョージアで州が主催するコンサートをボイコットした話。彼にとっては生地への凱旋公演になるハズだったが、「黒人はダンス禁止」など人種差別的な運営方針を知って、「差別のある会場では演奏しない」と急遽コンサートを中止した。メンツを潰されたジョージア州政府は、レイに対して「今後、ジョージアでの音楽活動を一切禁止する」と永久追放を勧告した。それから約20年後。州政府は「チャールズ氏は音楽の感動で社会を変えた」と公式に議会で謝罪し、レイの名歌「わが心のジョージア」を“州歌”として定めることを決定した。
劇中での母親の台詞も胸を打った。母子家庭であり、自分に何かあれば盲目の息子が1人で生きることになる。だから甘えたい盛りの7歳のレイを、愛ゆえに突き放した。“目が見えない”と泣くレイに「泣いちゃだめ。悲しんでいる暇はない。誰も哀れんでくれないわ。涙を拭いて。何かするとき2度までは手を貸す。でも3度目はだめ。それが世の中。お前は盲目でも頭はしっかりしてる。階段の数、扉への歩数をしっかり覚えなさい」。ある時、玄関でつまずいて転倒したレイは「ママ、転んだよ助けて!」と泣いた。部屋の隅にいた母は助け起こそうとして思いとどまる。息を殺して子供を見つめていると、彼は誰もいないと思って泣き止んだ。そして部屋の隅で鳴いているコオロギに気付くと、つかまえて手の中で聴いたり1人遊びを始めた。“大丈夫、息子は生きていける”そう思うと涙が溢れ、声が漏れた。「ママの息が聞こえた。そこでしょ?」「ママはここよ」「なぜ泣くの?」「…幸せだから」。忘れられない名シーンだ。
※レイは黒人の大学に20億円以上も寄付し、障害者への支援も熱心に行なった。
※アカデミー賞(2005)主演男優賞、録音賞/ゴールデン・グローブ賞(2005)主演男優賞
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686.昼顔('67)100分 仏
※ヴェネチア国際映画祭(1967)サン・マルコ金獅子賞、イタリア批評家賞、国際評論家賞
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687.ペレ('87)150分 デンマーク・スウェーデン
※アカデミー賞(1989)外国語映画賞/カンヌ国際映画祭(1988)パルム・ドール/ゴールデン・グローブ(1988)外国映画賞
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688.ノーカントリー('07)122分 米
アカデミー作品賞、監督賞、脚色賞、助演男優賞の4部門に輝いたサスペンス映画。原作はコーマック・マッカーシーの小説『血と暴力の国』で、凶悪犯罪が蔓延する米国の異常性を憂いた作品だ。テキサスの荒野で麻薬の密売人たちが仲間割れをして、撃ち合いの果てに全滅。そこに偶然通りがかった主人公モスは、現場に残った200万ドル(約2億)の大金が入った鞄をネコババする。麻薬マフィアは金を取り戻すべく殺人鬼アントン・シガーを派遣。モスはシガーの執拗な追跡から逃げ続けるが、次第に追い詰められていく--。オカッパ頭のクレイジーな殺し屋アントン・シガーを怪演したハビエル・バルデムは、その圧倒的な存在感でオスカーを受賞。冒頭の絞殺シーンは恍惚とした目が不気味すぎてトラウマになりそう。これまで色んな悪党を見てきたけど、『バットマン/ダークナイト』の“ジョーカー”と、このアントン・シガーの両者が一番恐ろしい。一般社会のルールや交渉が何も通じない。シガーの武器は酸素ボンベを改造した銃(家畜の屠殺用?)で、人間の頭や胸に空気の塊を撃ち込み殺害する。人間が神のように牛や豚の命を奪うように、シガーもまた神の如く人間の命を自由に扱う。シガーは気に食わない相手がいるとコインを投げて裏表を当てさせる。ハズレは死。そこには「たかがコイントスで左右されるくらい人生なんて軽いもの」と考えるシガーの哲学がある。事件の捜査を開始した老保安官(トミー・リー・ジョーンズ)は、行く先々で死体の山と出くわし、「なぜ金や麻薬のために人を殺せるのか」「もうついていけない」と悲嘆。そして新聞を読むと、他の州でも残忍な事件ばかり起きている。保安官は引退した仲間と「鼻にピアスを開けた緑の髪の子供が街を歩く世の中など誰が予想できた?」と嘆く。
この映画の原題は『No Country for Old Men(旧世代が住める国はない)』。この映画には何の解決も用意されておらず、常人には理解できない異常な暴力が淡々と描かれるだけ。BGMさえ一切流れない。なぜアカデミー賞で絶賛されたのか。日本人にはピンと来ない世界観だけど、金と麻薬を巡る殺人事件が続発する米国ではリアルな話であり、「こんな暴力だらけの異常な国に年寄りが住めるわけない」という悲哀が共感を生んだのだろう。様々な名画を抑えて本作が作品賞に選ばれたことが“病んだアメリカ”を象徴しているようだ。人々はもう、現実の“血と暴力の世界”にウンザリしているんだと思う。
※荒野での明け方の追跡劇は距離感が分からず凄い緊張感。シガーのドア・ロックの破壊方法も怖い。モスが部屋の中で電気を消して待ち伏せしてると、ドアの下から人影が見え、鍵がポーンと飛んで…怖ッ!最後の青信号のシーンが効いていた。コイントスはシガーにも当てはまるんだよね。
※アカデミー賞(2008)作品賞、監督賞、助演男優賞、脚色賞/ゴールデン・グローブ(2008)助演男優賞、脚本賞/ニューヨーク映画批評家協会賞(2007)作品賞、監督賞、助演男優賞、脚本賞
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689.僕たちのアナ・バナナ('00)129分 米
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690.エビータ('96)135分 米
公開時に劇場で観た時は、アルゼンチンの軍事政権史もゲバラのこともよく知らずに観てイマイチだと思ったが、最近ビデオで再見して、エビータの夫ペロンを英雄としてのみ描くのではなく、民衆の弾圧者という影の部分まできっちり描いてることに感心した。シリアスな歌詞と親しみやすいメロディーのアンバランスが功を奏している。
※アカデミー賞(1997)主題歌賞
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691.グリニッチ・ビレッジの青春('76)112分 米
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692.エンゼル・ハート('87)113分 米
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693.メリー・ポピンズ('64)140分 米
※アカデミー賞(1965)主演女優賞、作曲賞、歌曲賞、特殊視覚効果賞、編集賞
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694.バード('88)161分 米
※アカデミー賞(1989)録音賞/カンヌ国際映画祭(1988)男優賞、フランス映画高等技術委員会賞/NY批評家協会賞(1988)助演女優賞
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695.我が道を往く('44)130分 米
※アカデミー賞(1945)作品賞、主演男優賞、助演男優賞、監督賞、脚色賞、原案賞、歌曲賞/NY批評家協会賞(1944)作品賞、男優賞、監督賞
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696.マーティ('55)91分 米
※アカデミー賞(1956)作品賞、主演男優賞、監督賞、脚色賞/カンヌ国際映画祭(1955)パルム・ドール/NY批評家協会賞(1955)作品賞、男優賞
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697.ウディ・ガスリーわが心のふるさと('76)148分 米
※アカデミー賞(1977)撮影賞、音楽(編曲・歌曲)賞
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698.スピード・レーサー('08)135分 米・独・豪
こんなに面白い映画がなぜ大ヒットしなかったのか不思議!『マトリックス』で世界を驚かせたウォシャウスキー兄弟がまたやってくれた。40年前の日本のレース・アニメ『マッハGoGoGo』を実写化し、目が眩むようなド派手&極彩色の画面を通して「時速800キロ」の超ハイスピード・レースを完璧に再現!世界の映像クリエーターの度肝を抜き、観客を全く新しい映像世界に連れて行ってくれた(僕が劇場で見た時は客の9割がおっさん。まさに“おっさんホイホイ”映画!)。ハリウッド映画にありがちな「タイトルと主役の名だけ同じで後は全部別物」という原作冒涜映画とは全く異なり、原作のキャラを出し、原作と同じ装備、効果音まで同じという忠実ぶりで、ウォシャウスキー兄弟のジャパニメーションへのほとばしる愛を感じて泣きそうに。八百長や卑劣な反則技でレースを金儲けの道具にしている悪徳大企業のお抱えチームに、家族経営の小さな町工場で開発されたマッハ号で主人公が正々堂々と挑戦する。ここに往年のテーマ曲が流れてきては熱くなるなという方が無理。様々な改造車の秘密兵器がユニークで楽しく、クライマックスのグランプリ・コロシアムのゴールシーンは鼻血寸前!評論家の低評価など当てにならない。あのカーチェイスは大スクリーンで観て大正解。悪の栄えた試しなし!※CGがない時代は映画で出来ることに制限があった分、逆に映画制作者は楽だった。今は出来ることがありすぎて、新たな映像体験を期待した観客に「この程度か」「どこかで見た」と言われないよう、創造する苦しみをクリエイターは背負ってると思う。日夜苦闘している映像作家さん、応援してますッ!
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699.ドアーズ('91)141分 米
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700.クルージング('79)102分 米
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