第1部
(シーン1)2巻 ジョナサンVSスピードワゴン
チンピラ時代のスピードワゴンが仲間と3人でジョナサンを金目当てに襲い、返り討ちにあう。3人ともボコボコにされるが、スピードワゴンはジョナサンが手加減していることに気づく。新たに大勢の悪党仲間がジョナサンを取り囲むのを見て、彼は叫ぶ「やめろみんな!その紳士に手を出すことは…このスピードワゴンが許さねぇ!」「紳士?」「ひとつ聞きてえ!なぜ思いっきり蹴りを入れなかった?あんたのその脚ならよォ、俺の顔を
メチャメチャにできたはずなのによォ!」「蹴る瞬間、君にも父や母や兄弟がいるはずだと思った…君の父親が悲しむことはしたくないッ!」。スピードワゴンは驚嘆する“外見や服装だけじゃねえ正真正銘の紳士ってわけか…こいつは精神的にも貴族だ…気に入ったぜッ!”「あんたの名前を聞かせてくれ…」「ジョナサン・ジョースター」。
※このスピードワゴンとの出会いの場面がなければSPW財団もなく、後世の物語が成立しない!
これぞ歴史的瞬間!!(雪も良い!!)
(シーン2)4巻 ジョナサンVS黒騎士ブラフォード
16世紀、エリザベス1世に騙され女王メアリー・スチュアートと共に処刑された誇り高き剣士ブラフォード。彼はディオに操られゾンビとして復活するも、ジョナサンの有名な決めゼリフ「震えるぞハート!燃え尽きるほどヒート!!刻むぞ血液のビート!山吹色(サンライトイエロー)の波紋疾走(オーバードライブ)!!」と共に波紋を叩き込まれ身体が溶け始める。だが「俺は…黒騎士ブラフォード、これしきの痛みッ!へこたれぬわッ!」と、なおも剣をジョナサンに振り下ろす。ところがジョナサンは逃げようとしない。ブラフォードはジョナサンの顔面に刃を当てたまま攻撃を止める。しばし沈黙する2人。ジョナサンは言う「あなたは今…『これしきの痛み』と言った…『痛み』…と。あなたは『痛み』を感じている!」。ブラフォードは生命エネルギーの波紋を流されたことで、蒸発しながらも、人間としての「痛み」を、高潔な魂を取り戻していた。「だから僕はあなたとの戦いを止めた…だからあなたは剣の攻撃を途中で止めた!」この言葉を聞き、ブラフォードの憎しみに歪んだ顔が“母親と会話する息子のように安らいでいる顔”(byスピードワゴン)になった。「お前…俺が途中で剣撃を止めると…そこまで信用して攻撃してこなかったのか!そこまで人間を信用できるのか!フフフ…この『痛み』こそ『生』のあかし。この『痛み』あればこそ『喜び』も感じることが出来る。これが人間か…。奇妙な安らぎを俺は今感じる。もう世への恨みはない…こんな素晴らしい男に、こんな暖かい人間に最後の最後に出会えたから…我が女王の下へ旅立とう…。三百年たった世界の友人よ、お前の名を聞かせてくれ」「ジョナサン・ジョースター!」「ジョナサン…この俺の剣に刻んであるこの言葉をお前に捧げよう!」彫られていた言葉は『LUCK!
(幸運を)』。「そして君の未来へこれを持って行けッ!」ブラフォードは血文字でPを書き加えてジョナサンに贈り消滅する--『PLUCK』(勇気をッ!)。
哀しみの黒騎士ブラフォードの最期
(シーン3)4巻 ツェペリの死
50歳のツェペリは25歳の時、師のトンペティから自分がどんな状況で死ぬのか予言を受けていた。「ついに来たか、あの予言の時が。これが運命なら、あるがまま受け入れよう!」タルカスの攻撃で苦しむジョナサンを見たツェペリは、全てが予言通りだと確信しながら、ジョナサンを助けるために死地におもむく(この、目を見開き、足を踏み出して突き進む時の表情がいい)。結果、彼のもとに辿り着けたものの、身体はタルカスに切断されてしまう。上半身だけになったツェペリは虫の息のジョナサンの手を握り、自身の全生命エネルギーを与える。「わが…究極の…わが究極の奥義…ジョジョに捧げる。ジョジョ、継いでくれ、わしの意思をー!!究極!深仙脈疾走(ディーパス・オーバードライブ)!!」。“フフ…JOJO、私の生命エネルギー全てを捧げたぞ”瞬時にして白髪になるツェペリ。絶叫するスピードワゴン「こ…こんな!こんなこと!残酷すぎる!お…おっさん!ツェペリのおっさあーん!」。爆発ジョナサンはタルカスを3発で粉砕。作者の言葉が入る--“そしてジョジョはまた受け継ぐ。彼の生き方とその精神を…”。
※「ジョジョ」はこの頃から既に“去った者の意志や精神を受け継ぐ”ことが重要テーマのひとつになっている。
※P.132は特に間の取り方が絶妙!1コマ目:自分が死ぬと分かっていてタルカスに向かうツェペリに、スピードワゴンが背後から声を掛ける「ツェペリのおっさん!」。2コマ目:ピタッと立ち止まるツェペリ。3コマ目:緊張の汗を流して振り向くツェペリの目元のアップ。4コマ目:黙って見つめるワゴンの目のアップ。5コマ目:絵の白黒が反転しワゴンが「気をつけろよおっさん!」。6コマ目:返事をせずにクルッと前を向きなおすツェペリ。7コマ目「いくぞ!ジョジョ!」このコマには人物が描かれず、声とツェペリが歩いた後に舞う埃しかない。8コマ目:
タルカスの目線で描かれた、ザッザッとこちらに向かって力強く歩み寄るツェペリ。この緊迫感!
※スピードワゴンは以後、形見となったツェペリの帽子を被っている。
ツェペリ、壮絶死!!
(シーン4)5巻 ジョナサンVSディオ最終決戦
「幸…わせ…に…エリナ」これがジョナサンの最期の言葉だった。エリナと赤ん坊(リサリサ)を逃がした後、炎上しながら沈んでいく船の中で、ディオ(頭部)を胸に抱え込むジョナサン。彼はディオの攻撃で喉に穴が開き、呼吸が出来ず波紋も練れない。必死になってディオは彼を説得する。「離すんだ、考え直せジョジョ。お前に永遠をやろうではないか!その傷も治す…エリナと永遠を生きれるぞ…ジョジョ!」だが反応はない。ジョナサンは目を見開き微笑していた。「…ジョジョ!?こいつ…死んでいる…!」。敵より主人公が先に死んでしまうという、衝撃的な第1部の最後だった!
「幸…わせ…に…エリナ」--ジョナサン絶命。
※ここでエリナが生き延びたからこそ、ジョージ2世が生まれ、ジョセフが生まれ、ホリイと仗助が
生まれ、承太郎が生まれ、ジョナサンの死から103年後にジョリーンが生まれた!!
第2部
(シーン5)7巻 シュトロハイムの自爆
“柱の一族”サンタナに弱点の太陽光を浴びさせるべく、屋外に続く扉に向かうシュトロハイム。だが、左足をサンタナの触手に掴まれてしまう。ドアに手が届かない!「あと!数センチのところで!おい、ジョースター!!
ひとつ頼まれてくれるか!!俺の脚を切断しろッ!!そうすればあの扉に手が届く!」「な…なにィー!オレにそんな残酷なことやれってのかーッ!」「はやくしろーッ!」「うるせーッ!医者でもねえ俺にそんなこと頼むなッ!」「俺は誇り高きドイツ軍人!その程度の覚悟は出来てこの任務についておるのだーッ!お前らイギリス人とは根性が違うのだ、この腰抜けめがッ!」「やかましいッ!そんなに切って欲しけりゃ切ってやるぜーッ!
このナチ公ーッ!!」「ああ切って欲しいのだーッ!!」「(くっそーッ、腰抜けかと思っていたが、こいつ土壇場で底力のある男だぜ!考え方は違えど敬意を表すぜシュトロハイム!)すまねえ!ウオオオオーッ!」ドガッ!ジョセフは斧を振り下ろし、シュトロハイムは扉を開けた。ピッカアーッ!差し込む日光!やった!…と思いきや、なんとサンタナはシュトロハイムの傷口(脚の断面)から、彼の体内に“ズルン!”と逃げ込んだ。「うおおおおおおおーッ!お、俺の脚の傷口から体内にィイイイイイ!!」「な、なんてこったッ!」。自分の体を抱きしめてワナワナ震えるシュトロハイム「お、お、俺の体内にッ!サンタナがッ!」。次の瞬間、手榴弾を手にしたシュトロハイムの姿があった。「こうなったら俺はもう助からん…自分ごとこいつを吹っ飛ばす覚悟よ!人間の偉大さは恐怖に耐える誇り高き姿にある--ギリシアの史家プルタルコスの言葉だ。フフフ、さらばだいまいましいイギリス野郎…」「やめろ!」ドゴーン!爆風で倒れるジョセフ。転がりながら涙を浮かべて叫ぶ「ちくしょうーッ!このヘッポコ軍人め、かっこつけやがってーッ!!」。
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左にJOJO、右にシュトロハイム。この劇的な構図を見よッ!! |
実はスゴい男だったシュトロハイム |
(シーン6)10巻 シーザーの死
太陽の光を反射させるシャボン・レンズで「戦闘の天才」ワムウをギリギリまで追い詰めたものの、逆転の『神砂嵐』をくらって大量に血を流すシーザー。なおも立ち上がろうするシーザーに「やめろ…もう勝負はついた」とワムウ。シーザーのパンチには威力がない。「みろッ!既に微量の波紋でさえ練ることが出来ぬほど多量の出血!つまりお前はもう助からない!」。自分が流した血で滑り転倒するシーザー。だが彼は倒れる瞬間、ワムウから解毒剤入りのピアスをもぎとった(毒を仕込まれたジョセフの為に)。「なぜ貴様がピアスを!」「し…死ぬのは…怖くねえ…ぜ。だが…俺は誇り高きツェペリ家の男だ。その血統を受け継いでいる」--“父さんはこの俺を息子と知らなくても自分の命を犠牲にして救ってくれた…爺さんもJOJOの祖父ジョナサンの為に波紋の力を与えて死んでいったというぜ…”--「こ、こんなこと、人間でねえ貴様なんかに喋っても分からなねーだろうがなァ」--“だからオレだって、なんかしなくっちゃあな…。カッコ悪くてあの世に行けねーぜ…”--「俺が最期に見せるのは代々受け継いだ未来に託すツェペリ魂だ!人間の魂だ!JOJOー!俺の最期の波紋だぜー!受け取ってくれーッ!」。直後、絶命したシーザーに天井が落ちてくる。
シーザーの亡骸は瓦礫に埋まり、ピアスの入った真っ赤なシャボン玉だけが浮かんでいた。ワムウは呟く…
「ヤツの血で作ったシャボン玉か…割れない所を見ると、最期の波紋を絞り切ったようだ…。まだ波紋を練れるとは思わなかったが、仲間のため、これを残すため…さっきは波紋を込めず俺を殴ったのか…」。ワムウはシャボン玉を割ろうとして思い止まる。「くれてやる…人間のようにセンチになったからではない…俺にとって強い戦士こそ真理…勇者こそ友であり尊敬する者!!俺はお前のことを永遠に記憶の片隅に留めておくであろうシーザー。シャボン玉のように華麗ではかなき男よ」。一歩遅れて到着したジョセフは瓦礫の下からシーザーの血が流れ出しているのを目撃した--「シィィザーァァァッ!うああああああああーッ!!」。
※シーザーが敗北したことを知ったリサリサは、当初、冷静さを装っていた(煙草は逆さまだったが)。だが床に流れ出したシーザーの血を見た時に、リサリサの両眼から一気に涙が溢れ出した。
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「シィィザーァァッ!!」 |
ワムウもまた漢(おとこ) |
ツェペリ家の男として、未来を信じ
人間の魂を見せつけて散る! |
(シーン7)11巻 ジョセフVSワムウ
ジョゼフに必殺技の『神砂嵐』を破られたワムウ。「ま…まさか、こんなことが…」1万2千年という時を生きてきた彼は、見下していた人類によってダメージを受け“自信”と“誇り”が崩れ去り茫然自失となる。次にワムウが
とった行動は、自分の両目を指で突くことだった。「なまじ目が見えたから、視力に頼っていたから…ヤツに虚を突かれた」。角で風の流れを読みジョジョの動きを感じることにしたワムウには凄みがある。ジョセフは叫ぶ
「それくらいで気圧(けお)されてたまるかーッ!!俺たちはシーザーを失っている!それに比べりゃあ、てめーの目玉ぐらい下らねーぜッ!」。
その後も相手の行動の先を読む頭脳戦、肉弾戦の死闘が続き、ついにジョセフのボウガンが放った鉄球が
ワムウの胸板を貫通する。鉄球は波紋を帯び、ワムウの傷口が溶け始める。波紋で両腕を封じられたワムウは馬上から回転蹴りを試みるが、ジョセフの反撃に合い、両足をも波紋で破壊される。地を這う形になった
ワムウ。彼は言葉を絞り出す「な、何ということだ、このワムウ…何てざまだ、このワムウ!1万2千年を
生きた肉体が、こんな無惨になりさらばえて可哀想によ…」。
手足は波紋傷で溶け始め、もう頭の角しか残っていない
ワムウは残された最後の力を使って最終奥義(角から風を出し、かまいたちを作る)を発動する「風の最終流法(ファイナルモード)『渾楔颯(こんけつさつ』!!」。岩をも切断する風にジョセフは窮地に追い込まれるが、ワムウが風を起す為に体内へ空気を取り込んでいることに気づき、火炎瓶を投げてワザと切断させる。大気に飛び散った油が吸い込まれたことを見届け、JOJOはシーザーのバンダナに火を放った「シィーザァァー!
頼むぜーッ!!!」。バンダナは切断され細切れになったが、なおも燃えながらワムウの体内に吸引されていった--「ワムウ、貴様は戦士としてはスゴかった…だが俺にはシーザーという強い味方が最後までついていたのさ」。ボゴオオオン!ワムウは体の内部から爆発した!!
--頭部のみが地上に残り、リサリサは“復元する前に拳からの波紋で完全に消滅させよ”とジョセフに命じる。ワムウに歩み寄るジョセフ。
「つ…ついに決着が着いたな…JOJO」「ああ」「シーザーの…仇を打ったな」「そうとも…!」「では…やるがいい…とどめを…」「そうかいッ!!」ドッゴオーン!ジョセフの拳はワムウの頭上をかすめ石畳に叩き込まれた。彼は拳から流れる血をワムウの傷口に垂らした。「何の真似だ!?」「お前の首から出ている煙は爆発の煙ではない!…それは“波紋傷”の煙だ!先に胸や脚にくらった波紋は、既に全身に回っていたようだな。おめーらにとって波紋がどんなに苦しいかはよく知っている。もう治すことは出来ねえが、俺の血でせめて痛みを和らげて死にな!」「貴様ッ!このワムウに…生き恥をかかせる気か、やめろ!敵からの情けなどいらぬッ!」
「情け?今お前は情けと言ったのか。なら、なぜお前はシーザーのシャボン玉を割らずに残しておいたんだ?情けからか?」「それはあの男が…誇り高き戦士だった…からだ!戦士への敬意の為だ!はっ!」
「“まさかJOJO貴様”と驚く」「まさかッ!JOJO貴様!」「そうさワムウ!戦いは戦いで別。シーザーの悲しみは悲しみで別…。俺もなぜかあんたに対して敬意を払いたくなったのさ…この血はあんたへの“敬意”なんだ…」「フフ…完敗だよ。JOJO、どうやらお前は俺より戦士としても高みに立った様だな…」。
この時、吸血ゾンビ軍団が「あんのやろォォ、ブチ殺せェェェェ!」とジョセフ&リサリサに襲いかかった!激怒するワムウ「まていーッ!!貴様らッ、何をする気だーっ!!この外道どもがーッ!!」。自分の角が折れるまでジョセフを守るワムウ。「ワムウ!なぜ…!?」「このワムウ…最期までカーズ様の味方だが、吸血鬼どもには手出しは許さん。さあ、解毒剤を飲んでみせてくれ。俺が消滅しちまわないうちに」だがワムウは目も見えず角も折れている。「分かるのか…」「触覚も目も言葉もいらない…伝わるよ…動作だけで充分だ」。ピアス(薬)をかじるジョセフ。「悔いはない…心からお前の成長が見れて良かったと思うよ。俺はお前に出逢うために
1万数千年もさまよってたのかも知れぬ」。
シューと音を出しながら蒸発していくワムウ「さら…ば…だ…JO…JO…」。
作者の言葉が入る『ワムウは風になった--JOJOが無意識のうちにとっていたのは「敬礼」の姿で
あった--涙は流さなかったが、無言の男の詩(うた)があった--奇妙な友情があった--』。
『風の流法(モード)』の使い手だったワムウが最後は“風そのもの”になるという、これ以上は考えられない鳥肌フィニッシュ。死闘の後の「伝わるよ…」という優しく穏やかな語調にウルウル。ジョジョ史上5本の指に入る感涙ベストバトルだった!!
(シーン8)12巻 究極生物カーズの誕生
ジョセフに波紋疾走を右腕に叩き込まれ、尖った水晶石の岩盤に高所から落下したカーズ。体中に水晶が刺さり、しかも腕からは波紋傷が上っていく。人類の勝利は目前だ。だが、シュトロハイム(機械ボディで復活)率いるナチス親衛隊がカーズを包囲し、紫外線照射装置でトドメを刺そうとした瞬間、カーズはエイジャの赤石が
ハマッた石仮面を装着した!紫外線は赤石で極限まで増幅されカーズの体内に流れ込んだ。カーズの体は黄金の輝きに包まれ、体内と全宇宙が一体化する感覚を味わう。
シイイーン。静まり返り、固唾を呑む人間たち。グン!と立ち上がるカーズ。同時に石仮面がバラバラと砕け落ちていく。カーズの体の一部がリス、花、蝶など様々な動植物に変容していく。
そのとき、地平線の彼方に太陽が!「や…やった!夜明けだッ!カーズは太陽の光に弱い!」シュトロハイムは叫ぶ。しかし!カーズは昇る朝日を背にして不敵に笑う「フフフフ、フハハハハ!」。老スピードワゴンは絶句する「いかァんッ!ああ大変なことに!絶対にまずい!究極の生命とはあらゆる生物の全ての能力を身に付け、全ての生命を兼ねる!そしてあの!美しい!なんという輝き!今まで見た何よりも美しい。あの太陽をついに克服したぞ!や…やつは無敵になった!弱点はもうヤツにはない!波紋もヤツには効かないッ!不老不死!不死身!誰も倒せない!“究極の生命体”(アルティメット・シング)カーズの誕生だッーっ!!」。
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何にでも変身、史上最凶の敵! |
朝日を背に立つ究極生物!! |
砕けた石仮面 |
※連載当時、このあたりは極度の興奮と緊張で、1ページめくる度に心臓発作になりかけた。地平線の巨大な太陽を背に立つカーズは、敵ながらあまりの神々しさにシビレまくったーッ!!
(シーン9)12巻 ジョセフVSカーズ〜ラスト・バトル
不老不死で全生物の長所を兼ね備えた究極生物カーズ。人々が絶望に打ちひしがれている中、「たった一つだけ策はある!とっておきのやつだ!」とクールなジョセフ。シュトロハイムたちが息を呑む。「フフフフ…逃げるんだよォォォーッ!」全力で走り去るジョセフ。カーズは“ワムウとエシディシの復讐とけじめ、貴様だけは殺す!”と腕を翼に変えて追って来た!ジョセフは軍用機に飛び乗って逃亡する。羽の一部をアルマジロの甲羅のように硬質化させ、コクピットに撃ち込んで来るカーズ。羽はピラニアになりジョセフに食らいつき、続いて巨大なタコになってプロペラ・エンジンを解体した「ぎゃあーッ!信じらんねーッ!」。
炎に包まれる機体。パラシュートで脱出したジョセフにカーズが襲い掛かる。だが、ぶら下がっていたのは布を束ねた人形だった。ジョセフはまだコクピットにいたのだ!操縦桿を握ってカーズに体当たりし、眼下のイタリア・ヴァルガノ島の火山に突っ込んで行く。
「やつはこの“地球”に現れた完全生物!しかしその“地球”ならッ!生命を誕生させたこの“地球”なら、あの生物を葬ってくれるかも知れねえッ!“火山”の溶岩にヤツを突っ込んでブッ殺してやるぜーッ!」。機体から離れようとしたカーズは、飛行機の翼に潜んでいたシュトロハイムのロケットパンチで再び機体に串刺しになった
「カーズ…この飛行機は貴様の棺桶よ!」。火口に落下する直前、シュトロハイムは脱出したジョセフを空中で抱きかかえ着地する。機械化された下半身は粉々になったが、ジョセフは流血しつつも何とか無事だった。
火口の中で咆哮するカーズ「オゴォアアアアア!」溶岩で皮膚がドロドロになっていく。「プロテクターだ!貝や!カニのような!プロテクターを身にまとうのだッ!」ボディを甲羅が覆う。だが溶岩の温度は岩をも溶かす1000度!「き…きかぬ!」カーズは溶岩の海に沈んだ。拳を振りかざすジョセフ「や…やっつけた!ついに
カーズを!やっつけたぞォォォォ!」。
だが!喜びも束の間、足元の岩盤の割れ目から鋭利な刃が空を斬り、ジョセフの左腕が宙を舞った!溶岩流の中から現れるカーズ。ヤツは“泡状”のプロテクターを身にまとって生き延びたのだ。“泡”なら溶岩と肉体の間に空気の層が出来、熱をシャットアウト!表面が燃えても次々と泡を生産すれば活動可能だ。カーズはついに“地球”をも克服してしまった!腕を押さえてジョセフは絶叫する「うああああああああ!」。「ンンンン、いい声だ!実に良い響きだ…その絶叫を聞きたかったぞ、JOJO!」。震えるシュトロハイム「か…『神』だ!や…やつは『神』になったんだ…!我々…人間は、か…『神』にだけは勝てない!服従しかないんだ!」。
満足気にJOJOの絶叫を聞く 便利な泡状プロテクター
「おああああ!くらえ!波紋疾走!」ジョセフは挫けず波紋蹴りをみまった!「波紋?波紋疾走だとォーッ!」カーズはジョセフの膝を肘で砕いた「フン!」。「うがァァァ!」ジョセフの膝が溶けている「バ…バカなッ!俺の脚が溶けるこの効果は!」「そうだッ!波紋だよォ!このマヌケがァァーッ!太陽を克服したこのカーズに出来ないと思ったのかッ!このウスノロめがァ!」。人間とて強い直射日光を浴びれば火傷で水ぶくれになるが、カーズはその数百倍の波紋を練ったため、JOJOの脚の肉が液体化し始め、さらに気化していく“決定的だ…俺はこれから死ぬんだな”。シュトロハイムも動けず、生きながら蛇にのまれる蛙の気持ちを理解した。カーズは勝利を確信し、トドメの波紋を練った!コオオ(波紋呼吸)!「無限の谷底へッ!溶けて流れ落ちろォォォォ!」。
カーズがメガ波紋を流そうとしたその時、ジョセフはとっさに“波紋増幅器”である『エイジャの赤石』をかざした!ギャドン!赤石を突き抜けたメガ波紋はジョセフの手も貫通し、スーパー爆裂メガ波紋となって地面に流れ込んだ!そのエネルギーは一気に噴火活動のパワーとなった!足元で大噴火が起こり、ジョセフとカーズは岩盤ごと押し上げられたッ!2人を載せた岩盤はどんどん空に上昇する。「フン!鳥に変身して逃れてやるッ!」ところが、羽ばたいた瞬間、先ほど切断されたジョセフの手が、下から“ドスッ”と胸元に突き刺さった。
「カーズ、貴様は『これも計算のうちかJOJO』…と言う」「これも計算のう…」ドゴドゴドゴドゴ!JOJOの腕に気をとられた一瞬がカーズの運命をわけた!避けられる筈の下からの灼弾岩にさらに押し上げられた!!ジョセフは天に消えて行くカーズに吠えた「当たり前だぜッ!このJOJOは何から何まで計算づくだぜーッ!(本当は違うけどカーズが悔しがるならこう言ってやるぜ!ケッ!)」。
カーズの頭上に星が見えた「星!?バ…バカなッ!」※実際に火山の噴射物は大気圏外まで吹っ飛んでいく事例がある。地球のパワーをもってしてもカーズを殺すことは出来なかったが、地球はカーズを大気圏外に追放したのだ。
ジョセフは力尽きて突っ伏した“終わった…お婆ちゃん、シュトロハイム…スピードワゴン、スモーキー…そしてリサリサ…皆あばよ”。
薄命はジョースター家の宿命なのか!?
「宇宙空間だと!?」眼下に地球を見下ろし虚空の暗闇に浮かぶカーズ。「フンッ!体内から空気を噴出させて!その圧力抵抗で軌道を変え!地球へ戻ってやるわ!」バリッ!背中から6本の管が現れ空気を噴射した!みるみるカーズの顔が引きつり凍結していく!「ぎぃゃぁぁあああ!だ…だめか!こ…!凍るッ!く…空気が凍ってしまう!外に出ると凍ってしまうッ!き…軌道を変えられん、も…戻れんッ!」。
作者の結びの言葉が入る『カーズは2度と地球へは戻れなかった…。鉱物と生物の中間の生命体となり永遠に宇宙をさ迷うのだ。そして死にたいと思っても死ねないので--そのうちカーズは、考えるのをやめた』。 ※JOJOは運よく海に落下してヴェネチアの漁船に救助された。そうこなくっちゃ!(*^o^*)
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カーズは考えるのをやめた |
「RRRRRYYYEEEEE!宇宙空間だと!?」 |
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●ミニ・コラムその1〜カーズにだって良い所はある!
カーズはリサリサ戦の「勝てばよかろうなのだァァァァッ!!」(影武者で騙まし討ち)のインパクトが強すぎて、“卑劣”“姑息”というイメージが定着してしまったが、よく読めば良い所もあったりする。
〔9巻〕子犬を助けるカーズ※右から読んでね!
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チンピラを成敗、
小犬セーフ |
腕から刀!
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小犬、大ピンチ!
(カーズは歩道) |
チンピラの
暴走車接近 |
カーズに甘える小犬
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〔10巻〕足下の花をよけるカーズ
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着地成功!その“ある物”とは…
小さな花だった!カーズは雪中と
いう厳しい環境の中で懸命に
生きる花を踏みたくなかったのだ! |
戦闘中に崖から落下した彼は、“ある物”
が地面にあったので、それを避ける為に
こんなに必死こいて横っ飛びをした!!
(ありえない) |
ワムウが逆
転してホッ。
彼をこんなに
心配してた |
「エシディシが死を賭して郵送して
くれた!その意志を無駄に出来な
い!」と、クールを装いながらも、
実はとても友情に厚かったカーズ |
崖から落ちる直前のカーズは平気で何人も人を殺めていたので、それに続く小花をよけているカットは非常に印象的だった。生物界の頂点に君臨しているからこそ、命に対して極めて平等に接することができるのかも知れない(カーズは影武者がいたけど、ワムウの死の直後に過去を回想してるし、殆どが本人だろう)。
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絵 ニューさん |
第3部
(シーン10)14巻 アヴドゥルVSポルナレフ
DIOの手下として現れたポルナレフ。巧みな剣さばきでアヴドゥルの炎を切断し得意になっていたが、地中からのC・F・H・S(クロス・ファイヤー・ハリケーン・スペシャル)に気がつかず、炎に包まれる。「炎に焼かれて死ぬのは苦しかろう。その短剣で自害するといい…」倒れたポルナレフの眼前に、短剣を残して立ち去るアブドゥル。
ポルナレフは短剣を取ると、背中を向けたアブドゥルに投げようとしたが、思い直して自分の喉元に刃を突き立てる。「自惚れていた、炎なんかに私の剣さばきが負けるはずがないと…(彼は短剣を捨てる)フフ…やはりこのまま潔く焼け死ぬとしよう…それが君との闘いに敗れた私の、君の“能力”への礼儀…自害するのは無礼だな…」。アブドゥルは驚いて振り返り炎を消す。「あくまでも騎士道とやらの礼を失せぬ奴!しかも私の背後からも短剣を投げなかった…!DIOからの命令をも越える誇り高き精神!殺すのは惜しい!」。肉の芽を除去されたポルナレフは旅の仲間になった。
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自害するのは無礼だから焼け死ぬと言うポルポル。アッパレ!! |
(シーン11)19巻 アヴドゥルとの再会
願いを3つまでかなえるというカメオに「金持ち」「妹の復活」「アヴドゥルの復活」を願ったポルナレフ。金貨やJ・ガイルに殺された筈の妹が現れるがそれらは土で出来たものだった。蘇った妹は“まだ体が完全に出来てないから肉を食べたい”とポルナレフに噛み付く。ポルナレフは泣きながら「妹を消してくれ!土に戻してくれ!」とカメオに頼むが、「既にアヴドゥルが蘇っている」と却下される。妹とアヴドゥルの土人形に追われるポルナレフ。妹は飛び掛ってポルナレフの肩を食いちぎる。「お前たち…もういい!土に帰ってくれ!お願いだッ!来ないでくれェーッ!」。意識が遠のいていくポルナレフの目に2人のアヴドゥルが映る。“幻覚を見るとは本格的に死が迫ってきたってことか…”。だが、幻覚ではなかった!本物のマジシャンズ・レッドが土人形を打ち砕いた!
「モハメド・アヴドゥル!」「YES,I AM!チッ♪チッ♪」インドのホル・ホース戦の顛末を聞かされたポルナレフは、涙を浮かべて呟く「3つめの…第3の願いだけは本物だ…かなった…」。
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ポルナレフがどんなにアヴドゥルの事に
ついて責任を感じていたかが分かる涙 |
アブドゥルの有名な「 YES,I AM! 」
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(シーン12)20巻 ンドゥールの死
水を自在に操る盲目の刺客ンドゥール。承太郎は次々と仲間が倒れていく中、スタープラチナをボディに叩き込んで激戦を制する「安心しな…手加減してある…致命傷じゃあない」。だが次の瞬間、ンドゥールはスタンドで自らの頭を打ち抜いた。DIOの情報を聞き出される前に先手を打ったのだ。「バカな、自分のスタンドで自分を!」「喋るわけにはいかないよ、あの方にとって少しでも不利になることはな…フフフフ」「てめーら、何だってそんなにしてまでDIOに忠誠を誓う?」「(スタンドがあるので)子どもの頃から死の恐怖はなかった。どんなヤツにだって勝てたし犯罪や殺人も平気だった。そんな俺が初めて、この人にだけは殺されたくない、と心から願う気持ちになった。その人はあまりにも強く、深く、大きく、美しい…そして、この俺の価値をこの世で初めて認めてくれた…この人に出会うのを、俺はずっと待っていたのだ。死ぬのは怖くない、しかし、あの人に見捨てられ殺されるのだけはいやだ。悪には悪の救世主が必要なんだよ。フフフフ」。ンドゥール絶命。
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敵がただのヤラレ役ではなく、信念と誇りを持って戦っているのも「ジョジョ」の特徴!! |
(シーン13)24巻 イギーVSペットショップ
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ジョジョ24巻の“トコトコ”イギーのかわいさは異常!(笑) |
DIOの館を警備している極悪ハヤブサのペットショップ。館に近づくものは、人間であろうと犬であろうと容赦なく殺す。偶然、館を発見したイギーは「俺はDIOとは関係ない。むりやりエジプトに連れて来られて、たまたまジョースターたちと一緒になっただけなんだ。闘うのなんてごめんだぜ!こんな凶暴なヤツと一文の得にもならねえ闘いをして、危険な目にあう気はさらさらねえぜッ!」と立ち去ろうとする。ところが、迷子の飼い犬を探して少年が館の門をくぐるのを見て、イギーはペットショップの前に立ちはだかった「やれやれ…犬好きの子どもは見殺しには…できねーぜ!この鳥公!来るなら来い!ブッ殺してやる!」。
だが鳥公はメチャクチャ強かった。氷を操るスタンドで、何発も“つららミサイル”を撃ってきた。下水管に逃げ込むイギー。なんとか砂で分身を作って囮にし、敵の腹にダメージを与えた。しかし、鳥公は傷口を凍らせて止血し、一気に下水道を氷河にする。イギーは左前足と氷がくっついてしまった!「なにィィィーッ!しまったッ!足が取れないッ!」そこに飛んでくる氷の弾丸。イギーは自分で足を切断し、外の川に脱出した。「足を捨てなければやられていた…」水中に砂でドームを作り、傷を癒すイギー。だが鳥公はドームにつららミサイルを放ち穴を開ける。パニくるイギー。正面に現れた鳥公は、口を開け眼前でミサイルを射出しようとした。イギーはとっさに
ドームを潰し、その空気圧で鳥公に突進、口ばしに噛み付きバキバキと砕いた。間一髪の逆転勝利!だが、
川面に浮かぶイギーは体力の限界。「やった…やっつけたぞ鳥公め…ざまあみろ…。しかし…も…もうだめだ…出血も酷いし、岸まで泳ぐ…気力も…ないぜ…お、溺れる。何のトラブルもない…人生を送るはずだったのに…ちくしょう…ミスったぜ…」ブクブクと沈んでいくイギー。ザバァッ!飛び込んで助けてくれたのは例の少年だった。イギーの耳に少年の声が響く「死んじゃだめだよ、ガンバルんだよ!」。
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セリフがないことで逆にイギーの色んな感情が読み手に流れ込んでくる |
※エジプト神話基礎知識→エジプト神話におけるホルス神は天空の神にして最高神(最高神は初期の太陽神ラーから冥界神オリシスに変わり、そしてホルスに変遷)。冥界の神オシリスと自然の女神イシスとの子で、頭部は隼で体が人間。父オシリスが弟の邪神セトに殺害されたことから、ホルスは伯父のセトを討って復讐を果たしエジプト王(ファラオ)となった。そして王権の守護神としてエジプト全土で崇められてきた。
また神話では、死者はオシリス神の法廷で審判(計量)を受ける。自分の心臓と「真理神マートの羽」をアヌビスorホルスが天秤にかけ、釣り合いがとれればオシリスが永遠の命を与え、好きな生き物に転生できた。だが、心臓の方が重ければ罪人として怪物アメミットに魂ごと食べられた。
(シーン14)26巻 イギーの死
亜空間に潜み、突如として現実空間に現れては、物質(人間)を削り取っていく恐怖のスタンド使いヴァニラ・アイス。最初にヴァニラの攻撃に気づいたのはアヴドゥル「一体なんだコイツはーッ!バカな、イギーの鼻にも私の炎にも反応していないのに、いきなり現れた!!」。彼はポルナレフとイギーを突き飛ばして自分が犠牲になり、腕だけがこの世に残った。愕然とするポルナレフ「な…なんだ、こ…この腕は…おい!アヴドゥルどこへ行った!?アヴドゥルーッ!!」。
“敵はどこから現れるんだ!?”ポルナレフとイギーは背中合わせに全方角を注視する。今度はポルナレフの足元から現れ、彼の左足首から先を削りとっていった。イギーは砂で偽DIOを造り、ヴァニラを背後から攻撃するが見破られて偽DIOは粉々にされた。「よくも!このクソ犬がッ!私にDIO様の“姿”を破壊させたなァァーッ!」プツンとキレたヴァニラはイギーをスタンドで攻撃せず、直接自分の足で蹴り上げた。「蹴り殺してやるッ!このド畜生がァーッ!」ドゴッ!ドガッ!ドゴッ!「やめろォォーッ!ヴァニラ・アイス!」ポルナレフは攻撃と同時に砂を巻き上げた。空気中に漂う砂から、移動中のヴァニラの位置を捉えようというのだ。いったん亜空間に入ったヴァニラが姿を現した瞬間、チャリオッツの剣が口内を突き刺した!しかし、逆にポルナレフは左手と左腿の半分を呑み込まれてしまう。
再び亜空間に消えたヴァニラは円を描きながら接近してきた。円は徐々に小さくなり、直撃するのは時間の問題だった。一方、イギーは片目を潰され、へし折られた骨が何本も肺に突き刺さり大量に出血していた。万事休す。ポルナレフは死を悟り、イギーだけでも逃がそうと、チャリオッツで掴んで部屋の隅に運んだ。あと数秒でポルナレフはこの世から消える…。
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中央にいるポルに向かて円を小さくしていくヴァニラ |
腕だけが残ったアヴドゥル |
「ガボッ」ポルナレフを見ていたイギーは、血を吐きながらヨロヨロと立ち上がりザ・フールを出そうとした。驚くポルナレフ「じっとしてろバカ…おめえはそれ以上動いたりスタンドパワーを使ったら、折れた骨が肺に食い込んで間違いなく死ぬぜ!砂の中に隠れて死んだふりしてろッ!」。足に力が入らず崩れるイギー。だが震える足で再び立とうとする。「おい、何を気取ってんだバカ!おめーは生き残ってこいつのことをジョースターさん達に教えろ!」。ヴァニラがついにポルナレフの背後に迫った「あばよ。イギー」。ポルナレフのイヤリングだけがその場に残った…。
戦いを制したヴァニラが姿を現す。するとなぜか頭上から血が落ちてくる。なんとザ・フールがポルナレフを天井まで持ち上げていたのだッ!「イギー、スタンドを使うなとあれほど言ったのに…カッコつけやがって」「ガハッ(血を吐くイギー)」「あれほど言ったのに…」ポルナレフの頬を涙がつたう。イギーは「ニヤリ」と笑うと力尽きて死ぬ。「イギィーイイイイー!!」。イギーが絶命するとザ・フールも消えた。落下するポルナレフはそのままヴァニラの脳天をチャリオッツで貫き、ヤツの首をゴキンと回転させる。そして吸血鬼化していた体を太陽の中に放り込み蒸発させた。ヴァニラの体から発生した煙が空に昇って行く。一瞬その形がアヴドゥル&イギーに見えた「ア…アヴドゥル!イ…イギー!」。煙はやがて消える。「(まだDIOとの対決が残っており)今の俺には悲しみで泣いている時間なんかないぜ」そう言って立ち上がろうとするポルナレフの手の甲に、しずくが次々と落ちるのだった…。
※波紋を使わずに吸血鬼を倒したポルナレフとイギーの強さは特筆すべき!
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笑いながら死んでいくイギー |
ポルナレフ男泣き |
ヴァニラの頭上でポルナレフを包み込むザ・フール |
(シーン15)27巻 花京院の死
花京院は子どもの時から自分のスタンドを見る度に“きっと一生親友はできない”と思っていた。なぜなら友達は誰もスタンドが見えなかったからだ。“見えない人間と真に気持ちが通うはずがない”と孤独感を深めていた。そう、ジョースター達と出会うまで。花京院はDIOと戦いながら自問する“(死んだ)アヴドゥルとイギーのことを考えると、背中に鳥肌が立つのはなぜだろう。それは目的が一致した初めての仲間だったからだ!”。
DIOを倒すべく「法皇(ハイエロファント)の結界」を張り巡らす花京院。「くらえッ!DIOッ!半径20m、エメラルド・スプラッシュをーッ!」渾身の力を込めて発射する。だが、DIOはザ・ワールドで時を止め、花京院の上半身をパンチで撃ち抜き(胴体を貫通)吹き飛ばした。次の瞬間、花京院の体はビル屋上の給水タンクにめり込んでいた。
「い…いったい…何が起こったのだ…やられてしまったのか…う…動けない…。だめだ…致命傷のようだ。声も出ない。指一本さえ動かせない…。今…カイロは5時15分か…日本は時差があるから夜の12時頃か…父さんと母さんは何をしているのだろう…もう眠っているのだろうか?心配かけてすみません」。
そして彼は、薄れゆく意識の中で、なぜ少しの時間差もなく「結界」が「同時」に切断されたのか考え、「時」が止まっていたという答えに辿り着く。「つ…伝えなくては、このことをッ!この恐ろしい事実をなんとかして…。なんとかしてジョースターさんに伝えなくては…このままだと…皆が負けてしまう…!」。花京院はDIOと戦闘中のジョセフに伝えようと、最後の力を振り絞って時計台にエメラルド・スプラッシュを撃ち込む。時計の針を破壊して、時計を止めたのだ。「さ…最後の…エメラルド・スプラッシュ…。メ…ッセージ…で…す。これが…せい…いっぱい…です。ジョースター…さん、受け取って…下さい…伝わって…下さい…」--花京院典明、死亡。
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花京院もまた逝く… |
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パンチが貫通。圧倒的なパワー! |
(シーン16)28巻 100年の因縁に決着
時を止める『ザ・ワールド』を身につけたDIOは、帝王とも言うべき強さだった。承太郎は死んだふりをしてDIOの隙を引き出そうと、自分の心臓をスタープラチナで握って鼓動を止めるという荒業までやる羽目になる。そこまでして会心の一撃をDIOに叩き込んだ承太郎だったが、DIOは逃走中に策をめぐらしジョセフの血を吸うことに成功する。首から下がジョナサンの肉体であったDIOは、ジョースター家の血を何より求めていたのだ「馴染む。実に!馴染むぞ!フハハハハハハハ!この肉体は100年前のジョナサン・ジョースター…今吸い取ったのは、その孫ジョセフの血…そしてわざわざここまでオレを逃してくれたのは承太郎…お前自身だ…クックックッ!ジョースターの血統というのは我が運命という路上に転がる犬のクソのように邪魔なもんだったが…最後の最後はこのDIOに利用されるのがジョースターの宿命だったようだ…!フハハハハハハ!」。
パワーアップしたDIOは、それまで5秒だった静止時間を9秒まで延ばすようになった「100年前に不老不死を手に入れたが、これほどまでに絶好調のハレバレとした気分はなかったなァ。フッフッ、ジョースターの血のおかげだ。本当に良く馴染む。最高に『ハイ!』ってやつだアアアアアハハハハハハーッ!」。
だが、一方で承太郎もまた、DIOとの激闘の中で同じ能力を開眼させていく。2秒だけでもDIOの静止時間の中を動けるようになった!両者の能力が共通していたのは、DIOの体が祖先ジョナサンの体ということも大きく関係しているのだろう。
うち捨てられたジョセフの体を見て承太郎はキレた「や…野郎!こんなことを見せられて頭に来ねえヤツはいねえッ!」。
「クックックッ、最終ラウンドだ!いくぞッ!『世界』(ザ・ワールド)、時よ止まれッ!」。承太郎は最初こそ反撃してDIOの拳を砕いたが、動けなくなった後はボコられて吹っ飛ぶ。「間髪入れず最後の攻撃だッ!正真正銘、最後の時間停止だ!これより静止時間9秒以内にッ!カタをつけるッ!ザ・ワールド!」。
ところが5秒経っても承太郎の視界にDIOが現れない“(DIOが何を策していようが)俺が思う確かなことは、てめーのツラを次に見た瞬間、オレはたぶん… プッツンするだろうということだぜ”。6秒経過!“来やがれ…DIO…”。7秒経過!突然、承太郎の頭上に大きな影が落ちる。DIOは巨大なロードローラーを落下させたのだ「ロードローラーだッ!」。 プッツーン!下から仰向けでオラオラ・ラッシュをローラーにブチかます承太郎と、上から押し潰すべく無駄無駄・ラッシュを繰り出すDIO。「オラオラオラオラオラオラオラオラオララオラ!」「もう遅い!脱出不可能よッ!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァーッ」ドコドコドコ!ガンガンガン!8秒経過!「WRYYYY!ブッ潰れよォォッ!」「オラアアーッ」ドグシアァ!ローラーは着地した。9秒経過…!ローラーの上に仁王立ちするDIO「不死身ッ!不老不死ッ!スタンドパワーッ!取るに足らぬ人間どもよ!支配してやるぞッ!!我が“知”と“力”のもとにひれ伏すがいいぞッ!」勝利という美酒に酔いしれるDIO。
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ロードローラーの上下でオラオラVS無駄無駄ラッシュ |
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ジョセフから吸血直後のDIO。絶好調! |
「(どれ、承太郎の血でも吸い取っておくか…)な…なんだ?体の動きが、に…鈍いぞ!?ち…違う、動きが鈍いのではない…、う…動けんッ!ば…ばかな、ま…全く…体が動かん!?」「11秒経過だぜ。動ける時間はそこまでのようだな、DIO」。なんと承太郎が後ろに立っていた!「 俺が時を止めた…9秒の時点でな…そして脱出できた… やれやれだぜ…」グアギィッ!スタープラチナの蹴りがDIOの両脚をバキバキに砕く「時は動き始めた」「うぐう!」。
「その脚が治癒するのに何秒かかる?3秒か?4秒か?治ったと同時にスタープラチナをてめーに叩き込む!かかってきな!」ビシ!ビシ!脚から骨が治っていく音が聞こえる。「『抜きな!どっちが素早いか試してみようぜ』というやつだぜ…」。DIOは心の中で笑う“このDIOにあるのはシンプルなたったひとつの思想だけだ。『勝利して支配する』!過程や…!方法なぞ…!”「どうでもよいのだァーッ!」DIOは膝の傷から承太郎の目に血を発射した。「どうだ!この血の目潰しはッ!勝ったッ!死ねいッ!」ザ・ワールドの左ハイキックが承太郎に迫る!目をつぶったまま繰り出されたスタープラチナの右ストレートとキックが衝突した!
ビシ…ビシ!ビシ!驚くDIO!ザ・ワールドの脚に亀裂が走った!「なっ…!」バコ!脚が砕ける!亀裂は下半身から全身へとみるみる広がってゆく!!「うぐおおおああああ!?なああにィィイイイッ!」DIOの肉体自身も真っ二つに裂けて行く!!バギィアァァ!!「ば…ばかなッ!こ…このDIOが…!このDIOがァァァァァァ〜ッ!!」バグオーッ!ドガパァーッ!!ついに100年の戦いに決着がつき、DIOは崩壊&砕け散った。「てめーの敗因は…たったひとつだぜ…DIO…たったひとつのシンプルな答えだ…『てめーは俺を怒らせた』」。--DIO完全敗北…死亡。
夜明け。承太郎とSPW財団に応急手当を受けたジョセフが並んで立っている。その目の前でエジプトの地平線から昇る朝日が、DIOの残骸を蒸発させていく。2人は心の中で語りかける…『花京院!イギー!アヴドゥル!終わったよ…』。
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『花京院!イギー!アヴドゥル!終わったよ…』 |
そういうことだ |
崩壊するDIO |
※太陽の光で消滅したDIOを見届けて、承太郎がポツリと言う「戻って来ねえものが…多すぎるがな…」に旅の仲間を半分も失った悲しみが集約されていた…。そして空港でポルナレフが別れ際に言う「つらいことがたくさんあったが…皆がいたからこの旅は楽しかった」もたまらなかった…! (>_<) ジーン
●ミニ・コラムその2〜ジョジョの奇妙な誤植
ジョジョ名場面も3部までアップ完了。このコラムでは、第1部と第3部に集中している単行本のド派手な誤植を紹介ッ!!
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26巻 |
22巻 |
16巻 |
2巻 |
1巻 |
Xザ・クール ○ザ・フール |
X9柱神
○9栄神 |
Xうっおとしいぜ
○うっとおしいぜ |
X見たくないはない
○見たくはない |
X何をするだァーッ
○何をするんだーッ |
愚者と書いて
クールと読む…
カ、カッコイイ! |
カーズやワムウら
“柱の男”が9人も
いたとはホルも驚愕 |
キレすぎて何を
言ってるのか
分からん承太郎 |
ジョースター
卿ショック
でアホに |
最も有名な誤植。
田舎っぺ用語に
なってしまった |
※サイト読者のチャルコさんから、「ラバーズ戦で花京院とポルナレフのピアスが入替わってます!」とのトリビア・メールを頂きました。まさに「あっ!」って感じです。この2人は仲が良かったので交換したのかも知れませんね〜。(*^o^*)
単行本18巻30ページ4コマ目っす
第15巻では“魔術師の赤”が『魔法使いの赤』に!なんかアブさんが魔法少女みたいで可愛い。
※27巻には読書中のウォーリーがいる。ヒマな時にウォーリーを探そう(笑)。
※米国で01年に911テロ事件が起きた時、ジョジョファンの間では第20巻の“ボインゴの予言”が話題になった。荒木先生いわく「自分でもなんでこんな絵を描いたのか分からない」。
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ボインゴは漫画で未来を予言するスタンド使い。
その予言に事故死する若者が登場した。この回が
掲載されたのは90年で、テロ事件より11年も昔!
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背後(左下)には不気味
に笑う飛行機が飛び、
その上にはイスラムを
象徴する三日月の絵
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死んだ若者の服には、
何と大きく「911」の文字!
(第20巻)
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ボインゴの予言では若者が事故に遭うのは「10時半」。2つ目のタワー(北棟)が崩壊したは10時28分でほぼ同じ時間。ヤバすぎるほど一致。さらに掲載された第20巻の“20”は「9+11」。あり得ない…。
※「DIOの棺はエリナが使ったのでは?」という疑問について。ワンチェン用にもう1個あったとする説、棺は二重底でエリナ救出後にDIOと共に沈んだとする説がある。
※ジョジョでは3部以降もラスボスが時間に関する能力を持っているが、1部の石仮面を被ったディオも、究極生命となったカーズも、「時の流れを克服した」という意味では、時間関係の能力保持者といえる。
●ミニ・コラムその3〜三大激変キャラ
ジョジョ全巻の中には、初登場時から時間を経るにつれ、同一キャラと思えないほど外見が変貌を遂げるケースがある。ここに、カーズも腰を抜かすような肉体変化を見せつけた三者を紹介しようッ!!
1.イギー/トンマ顔→精悍な顔つきに進化 |
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2.間田敏和/イケメン長身→ホビット化 |
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24巻 「鳥公!
来るなら来い!」 |
20巻 コーヒーガムを
食べている |
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37巻 露伴の
ヘソほど |
31巻 185cmくらい?
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3.ナルシソ・アナスイ/女性→男性。華麗にミラクル・チェンジ!
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72巻 髪は伸びたがマッチョな男に。
帽子と服の模様で同一人物と確認できる |
66巻 体つきは明らかに女性 |
(追記)小林玉美/彼も相当ホビット化している!
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こちらも31巻。一気に2.5頭身!次第に小さくなった
間田と比べて、同じ巻の中でホビット化した分、むしろ
玉美の方がインパクトはデカいかも。彼に何が!? |
31巻 足も長く康一君よりはるかに巨体
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いろんな部分で『奇妙な冒険』を楽しめるのがJOJOの尽きぬ魅力!!(*^o^*)
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