〜ジョジョ立ち教室・プレゼンツ〜
ジョジョの奇妙な冒険・感涙名場面50選(5)
第5部後編
【50選】 1部 2部 3部 4部前編 4部後編 5部前編 5部後編 6部前編 6部後編
【ミニ・コラム】 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
(それぞれのシーンを具体的&詳細に研究する以上、完全ネタバレになります。未読の方は御注意を!)
※文章は左→右読みですが、画像は右→左読みでお願いします!
当コーナーは荒木飛呂彦氏&集英社とは一切関係が なく、作品の著作権は荒木氏及び集英社に帰属します |
(シーン38)58&59巻 リゾット激闘 パッショーネ・暗殺チームのリーダー、リゾット・ネエロ。「暗殺」という汚い仕事をする者は、必要な時だけ利用され、決して誰からも信頼されない。組織が暗殺した政治家やライバルの極秘情報を握る暗殺チームが大きな力を持つことを防ぐ為(或いは裏切りのダメージを最小限に抑える為)か、ボスは重要な縄張りを彼らに与えず、リゾットはそのことに反感を抱いていた。彼の部下2人(ソルベとジェラート)はボスの正体を調べ始めた途端に酷いやり方で処刑され、リゾットのチームはボスを「暗殺」する腹をくくった。目的が“ボスを裏切り組織を乗っ取る”という点では、ジョルノとリゾットは共通している。
ボスの生まれ故郷サルディニア島。当時18歳のボスがトリッシュの母とデートをした海岸へ、ブチャ・チームが手掛りを探しにやって来ると思ったリゾットは、海岸の近くでドッピオという若者と遭遇する。このドッピオ、小心者でいつもオドオドしているが、実は二重人格で彼こそがボス(ディアボロ)だった!ボスはアバッキオが海岸で過去を再生するのを阻止する為にやって来たのだ。リゾットはワケアリの海岸を訪れたドッピオを怪しんだが、威嚇でナイフを投げた時のドッピオの悲鳴やビビリ具合から「こいつの表情には演技ではない本物の“おびえ”がある…ただの観光客だ。無害な一般人の小僧だ」と判断した。 ところが、ドッピオへの疑いが晴れかけた時に事態は急変する。ナランチャのエアロスミスが遠方で海岸を偵察し始め、ドッピオは思わず飛行音の方を振り向いてしまう--スタンド使いにしか聞こえないハズのその音に反応してしまったのだ! 「お前もあの音が聞こえたな?用心深く偵察しているぜ…ヤツらがついに!ここに来た…!」リゾットは“この場所”に来たドッピオを、ボスに相当信頼されている部下と結論付けた。戦闘開始ッ!! 「う…なん…だ!?の…のどの中が…おええええええええぇ!」いきなりドッピオの口から大量にカミソリが、続いて無数の釘が出てきた!リゾットの能力『メタリカ』は半径10m以内の『磁力』を操作するものだった。彼はドッピオの血液中にある鉄分を『磁力』でコントロールし、釘やハサミに変えて体外に出させたのだ(血液に酸素を運ぶ鉄が不足すると人は死ぬ)。ボスの『キング・クリムゾン』は射程が2m、『メタリカ』の5分の1しかない。反撃の為にリゾットへ接近せねばならないが、リゾットはカメレオンのように地表の鉄分を身にまとって姿を消し、正確な位置が分からない! 「すぐにまた襲って来るぞ!」とパニくるドッピオ。その時、彼の頭の中で電話が鳴った。「とおるるるるるるるる…」二重人格のドッピオは妄想のケータイでディアボロと会話し始める。ディアボロはアドバイスした「私のドッピオ…落ち着いて“エピタフ”(=10秒先を知る能力)を使え。未来の動きを予知し、2m以内に近づいてキング・クリムゾンを叩き込め!」。
エピタフ発動!未来に切断された右足首が見えた。ディアボロ「何を見た!」「ボス…間違いなくこれから足が吹っ飛ばされる」「すぐにそこを移動しろ!画面を見ておきながら、なぜすぐに移動しないッ!」「ハァハァ…(鉄分がたりず)足に力が入らないんです」「いいからその場を離れろ!もろにやられるぞ!」「ボス…お言葉ですが…動かない方がいいんですよ」。ドッピオには策があった。岩場で捕まえたカエルを自分の前に置いたのだ(カエルの体内にも鉄分はある=異変があった方向からリゾットはやって来る)。カエルの中でカミソリが生成された瞬間、ドッピオはその先にキング・クリムゾンでハサミを投げつけた!ドス!バギバギ。ザックリと切断されたのはリゾットの右足首だった! 後方へ倒れるリゾット「バカなッ!お前“予知のような能力”を持っているな。でなければオレの位置と攻撃方法が見抜けるわけがない…」。リゾットは暗殺チームを率いて何度も実戦を経験し、様々な修羅場を経てきた男だ。思いがけない反撃に一瞬驚いたものの、すぐに体制を立て直すと冷静に千切れた足首を磁力で引き寄せ、元通りに合体させた。「(ドッピオに)お前は何者だ…最初は何も出来ない小心者だった…今は自信に満ち溢れた者の目をしている。まるで2人いるかのようだ…ひょっとしてオレは…自分が気づいていない以上に!オレが求めるべきものに!近づいているのかッ!」。 次の瞬間、ドッピオは無数のナイフに包囲された(リゾットが地表の鉄から作ったナイフ)。キング・クリムゾンがブロックしたが数本のナイフが上半身に刺さり、そこからの流血でさらに鉄分が体外へ出て行く。もはやドッピオは呼吸をしても酸素が体内にほとんど取り込まれなくなった! リゾットがいるのは入り江の丘。眼下の海岸にナランチャ、ブチャラティ、アバッキオがいるのが見えた。「さてと…お前がこのままヘバるのを待つか、メタリカの一撃でトドメを刺しに行くか」。エピタフを発動したドッピオは驚愕した。映像では、リゾットに頭を半分えぐられてしまうのだ!「き…来たッ!右側から回り込んで来るッ!」周囲に落下したナイフを掻き集め、リゾットの最後の攻撃を待ち構えるドッピオ。 ディアボロはドッピオと入替わろうとして焦る「それ以上何もするなドッピオッ!体力を消耗するな。私は既に今そこに向かっている!あと数秒かかるが私がリゾットの相手をするッ!(ドッピオは予知しかできないがディアボロは不利な未来を消し飛ばす事が出来る)」「数秒ですって…もう間に合わないッ!今にもヤツは攻撃してくるッ!殺られるのはこのオレだッ!だからオレが殺る!」「こらえて待てッ!お前に2度も位置を見つけられる相手ではない!」「“探せる”…としたら?ボス?ヤツの“位置”が…分かるとしたら?」。ドッピオは1本のナイフを指先に水平に置き、メタリカの攻撃(磁力)の方向を指し示すのを待った。「オレの体から鉄を引っ張る力があるはずだッ!そこだ、リゾットオオオオオオ!」ナイフが動いた方向へ、握り締めたナイフの束を投げるドッピオ!ドシュゥゥ! 「それをやると思ったよ」背後からリゾットの声!「残念だったな…お前が探知したのはぶった切られた足の中の“メタリカ”の磁力だ。(分離して)そこに置いといたんだよ」。
「(ドッピオの額からカミソリが出てくる)うあああああああ!」「16世紀のドイツでは既に診断・確認されていたという…この世には複数の人格を持つ人間がいて…それは精神だけではなく、肉体も、筋力も別人となり、言葉すら別の言語になるケースもあるという…。オレはお前がボスから最も信頼されている側近の部下だとばかり思っていたッ!だがお前が…!まさかお前がッ!」「うおおおおおおお」「勝ったッ!!頭を切り飛ばすッ!とどめだ、くらえ『メタリカ』ッ!」 ドガガガガガ!リゾットの背後から機銃の音!「ガハッ!…え…?…え!」振り向いたリゾットの目に映ったのはエアロスミス!先ほどドッピオが投げたナイフの束は、眼下のナランチャたちに向かって投げたものだったのだ!そして今やドッピオは消え、ディアボロがそこにいた。「鉄分を抜かれた私の血液が酸素を運ばないというのなら、昆虫やカエルのように弱々しい呼吸なのだろう…今“エアロスミス”が探知しているのは!お前の“呼吸”だけだリゾット!!」ドババババババ!2度目の機銃乱射!リゾットの“メタリカ入りの鮮血”がディアボロの頭にかかった。そこだけが背景に溶け込み、まるで頭がえぐられたように錯覚で見えた。ディアボロ「なるほど、ドッピオが見た画面と“予想が同じ”ではあるな…」。 あお向けに崩れゆくリゾット「勝っていた…オレは勝っていたのに…」。
虫の息のリゾット「ついに…オレ…は…つか…んだ。あんたの正体を…最後に顔を見せてくれ。逆光でよく…見えない」「それ以上…ここでその会話をすることは許さない…リゾット・ネエロ。お前はここまでやれた事を暗殺チームのリーダーとして“誇り”にして死んでいくべきだ…あの世でお前の部下たちも納得する事だろう」。ディアボロは、“じきにブチャたちがやって来る、プロシュートやホルマジオら部下を葬ったブチャ・チームの前で死んでいくのは屈辱だろうし、しかも連中はお前をあっけない敵と思っている、もし奪った“鉄分”を戻せば私がトドメを刺してやる”と持ちかけた。 かすかな声でリゾットは答える「ひと…はし…な」「よく聞こえないぞ…すぐに鉄分を戻すのだ…」耳を寄せるディアボロ。「ひとりでは…死なねえ…今度はオレが…利用する番だ、“エアロスミス”を…くらえ…!!」リゾットは最後の力でディアボロの服を掴んだ。彼はエアロスミスに自分の返り血を浴びせ、そこにメタリカをくっ付けていた!ナランチャはエアロスミスに付着したメタリカに攻撃されると思い、三度目の機銃掃射を敢行!リゾットはディアボロと共に蜂の巣になる覚悟を決めていたのだーッ!ドガガガガガ! 「キング・クリムゾン」ディアボロはとっさに時間を0.5秒だけ消し飛ばして身をよけ、リゾットだけが穴だらけになり絶命した。ディアボロはリゾットの亡骸にこう呟いた--「見事だリゾット・ネエロ…『誇り』は失わずに命を絶った…」。
※なんという運命の皮肉!ナランチャが邪魔をしなければ、リゾットは勝っていた!ここでディアボロが死んでいればこの後の悲劇は起こらなかった…。それにしても!ジョルノやブチャが絡まない、敵ボスと暗殺チーム・リーダーの一騎打ち!こんな決戦、誰が想像しただろう!いわばサブキャラ同士の戦いでこれほど読者を熱くさせるとは…荒木センセ、すご過ぎッスーッ!! (シーン39)59巻 今にも落ちて来そうな空の下で〜アバッキオの死 (注)画像は右→左読み ディアボロがブチャ・チームの中で最も恐れていたのは、ブチャやミスタではなく、アバッキオだった。15年前にトリッシュの母親を撮影した海岸でムーディ・ブルースが過去を再生すると、自分の顔(容姿)がバレてしまうからだ。これは、長年かけて自身の正体に繋がるものを抹消してきたディアボロにとって、絶対に避けたい事態であり屈辱的なことだった。
ブチャとナランチャがリゾットの亡骸をチェックしている間、ミスタ、ジョルノ、トリッシュは亀の中で待機し、アバッキオは一人でムーディー・ブルースを再生していた。近くでは10名ほどの若者たちがサッカー遊びをしている。再生に必要な時間は8〜10分間。カシャ、カシャ、カシャ、どんどんムーディー・ブルースのメーターが過去を遡っていく。と、そこにサッカーボールが転がってきた。アバッキオがボールを返してやった瞬間、キング・クリムゾンのパンチがアバッキオの胴体に穴を開けた!若者たちの中にドッピオ(ディアボロ)がいたのだ…!
この先のエピソードを紹介する前に、まず52巻で描かれたアバッキオの過去に触れなくてはならない-- アバッキオは高校を卒業後、純粋な正義感と人々を守りたいという思いから警官になった。ところが、命がけで悪党を捕まえても、法律はカネさえ積めば寛大に保釈してしまう。やがてアバッキオは「オレがこいつらを逮捕しても保釈金を払って出てくるだけだ…カネを払うのが“オレへ”か“裁判所と弁護士へ”かの違いだけだ」と思うようになり、悪党が悪事を働いていても、ワイロをもらって見逃すようになる。そんなある夜、老人の家が強盗に襲われていると通報があり、アバッキオは同僚と2人で現場に駆けつけた。二手に分かれて突入した瞬間、彼は逃亡する犯人と鉢合わせた。
「(銃を向け)動くな!逮捕するッ!」「や…やあ…あんたか…」犯人はポン引きで、かつてアバッキオがワイロを受け取った男だった。愛想笑いを浮かべながら“見逃してくれよ…”という犯人。しかし強盗を見逃すわけにはいかない。「だめだ…逮捕する!」「なあ…よく考えなよ…オレを逮捕したら、あんたがオレから…ワイロを受け取ってる事もバレちまうんだぜ…」思わずひるむアバッキオ。その隙に犯人は背後に隠し持っていた銃を抜いた! 「何してるアバッキオッ!!そいつ銃を持っているッ!」ちょうどそこに来た同僚はアバッキオに体当たりして彼を救い、自らが犯人の弾を浴びる。即死だった。アバッキオの未来はそこで終わった。汚職警官として罰を受けただけでなく、自分の行動が原因で相棒を死なせるという、一生外すことの出来ない十字架を背負うことになった--。
ジャンプ連載時、ボスの攻撃を受けて瀕死となったアバッキオが描かれた次の号を、ジョジョラーは固唾を呑んで待ち続けた。いったいアバッキオはどうなってしまうのか。発売日に恐る恐るページをめくると、あれれ?アバッキオのケガが治ってレストランでパスタを食べている。これはどういうことだ?サブタイトルは『今にも落ちて来そうな空の下で』。
食事をするアバッキオのテーブルの下でガチャガチャと音がするので覗き込むと、警官が床に散らばったビンの破片を集めている。前夜に側の歩道で強盗があり、被害者はビンが割れるほど殴られたという。警官は粉々になったガラス片を集めて指紋を採ろうとしていたのだ。アバッキオは思わず訊いた「犯人がずる賢い弁護士とかつけて無罪になったとしたら。あんたはどう思って…そんな苦労を背負い込んでいるんだ?」。
警官は手をとめて答えた「そうだな…わたしは“結果”だけを求めてはいない。“結果”だけを求めていると、人は近道をしたがるものだ…近道した時真実を見失うかもしれない。やる気も次第に失せていく。大切なのは『真実に向かおうとする意志』だと思っている。向かおうとする意志さえあれば、たとえ今回は犯人が逃げたとしても、いつかはたどり着くだろう?向かっているわけだからな…違うかい?」。
警官の真っ直ぐな瞳を見て、思わず目をそらしうつむくアバッキオ「…羨ましいな。以前オレは…警官になりたいと思っていた…子供の頃から…ずっと立派な警官に…なりたかったんだ…。かつてあんたのような“意志”を抱いていた事もあった…でもだめにしちまった…オレって人間はな…くだらない男さ、何だって途中で終わっちまう。いつだって途中でだめになっちまう…」「そんな事はないよ…アバッキオ」「え?…」「お前は立派にやってるじゃあないか…“意志”は同じだ…お前が警官になったばかりの時抱いていたその“意志”は…今…お前のその心の中に再び戻っているのだよ…アバッキオ」。
驚いて息を呑むアバッキオ「なんでオレの名を…知っているんだ?…そういや…あんた…前にどこかで会った事が…ある」「……」。アバッキオはヨロヨロと立ち上がり、店の前のバスに向かおうとする「もう行かなくては…オレは仲間の所に戻らなくては…!!」「忘れたのかアバッキオ!?お前はあれに乗ってここに来たのだ。ここは終点なんだ…もう戻る事はできない」。額から汗を流し愕然とするアバ「あ…あんたは…!!そうだ!!あんたはッ!!あんたはオレがワイロを受け取ったせいで撃たれて殉職した…!!」。警官はとても穏やかな表情だ「アバッキオ…お前は立派にやったのだよ…そう…わたしが誇りに思うくらい立派にね…」。
この『今にも落ちて来そうな空の下で』の章は、アバッキオが絶命する直前に見た精神世界の話だったのだ。
僕は殉職した警官が言う“結果だけを求めていると近道をしたくなるし、真実を見失う。大切なのは向かおうとする意志。それさえあればいつかはたどり着く。向かっているのだから”というメッセージに、一体どれだけ救われたか分からない!僕らはテレビや雑誌から毎日のように「早く成功しろ」と脅迫されている。常に他人と比較されスピードを要求される。その中で出合った同僚警官の言葉は、僕が人生に対して感じていた息苦しい焦りを取り除いてくれた。このメッセージに出合えただけでもジョジョを読んできた甲斐があった!(荒木先生、有難うございますーッ!!) (シーン40)60巻 チョコラータへの無駄無駄122連発 パッショーネには、非道なディアボロでさえ「2人は怪物だ。本来は生かしておきたくはなかった」と忌み嫌う、
“最低のゲス”がいた。チョコラータとセッコだ。チョコは人の“死”や“痛み”を観察できるから医者になったという冷酷な男。しかも彼は、死に行く者が生きようともがく必死の形相をビデオで撮影し、それを鑑賞して生きている実感を味わうという悪魔のような男だ。手下のセッコはチョコの元患者で、ペットのようにチョコになついている。
チョコラータのスタンド“グリーン・ディ”は無差別に生物を襲う凶悪カビ。被害が広範囲に及ぶのでボスによって封じられていたが、対ブチャ・チーム戦で使用許可が出た。ローマ市内までブチャ・チームを追跡したチョコは、380万人が住む大都会の真っ只中でグリーン・ディを発動した。次々と肉体が朽ち果てていく市民たち。人喰いカビの猛威を見たブチャラティは叫ぶ「ばかなーッ!ローマ中をやったら…ッ!!ローマにだって“組織”の者はいるッ!!ボスにとってもダメージのはずだ!!」。 ※ディアボロは今回のような非常時の為にチョコラータを配下にしていたが、ブチャ・チームがチョコに倒された後は、自分でチョコを“仕切る”(始末する)つもりでいた。それほど危険なスタンド使いなのだ。実際チョコには野心があり、セッコに「他人を支配しなくてはならない宿命が強者にはあるのだ…たとえそれがボスだろうとな…私はこの闘いで…ついでにボスも乗り越えるつもりだ…」と耳打ちしている。
多くの無関係の人命を奪ったチョコラータに対するジョルノの怒りは凄まじく、チョコに叩き込んだ怒りの鉄拳「無駄無駄ラッシュ」は、第3部で承太郎がスティーリー・ダンにブチ込んだオラオラ53連発をはるかに超える、ジョジョ史上最長のラッシュとなった!なんと8頁に渡って20+29+30+3+9+30+1の計122回の鉄拳が炸裂するのだーッ!! ●参考資料〜承太郎によるスティーリー・ダンへの「3ページ・オラオラ/53連発」(第18巻)
●ジョルノによるチョコラータへの「8ページ・無駄無駄/122連発」
“堅気の連中には手を出さない”という悪党同士の最低限のルールすら持たぬチョコラータに対し、荒木先生はジョジョ全80巻の中で最長のタコ殴り制裁を叩き込んだのだ! (シーン41)62巻 ナランチャの死 ローマ、コロッセオ。スタンドに「矢」を刺すと、新しく大きな能力が手に入ることを発見したポルナレフは、ブチャ・チームの助っ人として現れた。ディアボロとの戦いの中で発現したポルナレフの新スタンド“チャリオッツ・レクイエム”は、眠らせた人間の体から精神だけを引き出し、近くの者(動物)と入れ替えるというトンデモ能力で、ジョルノとナランチャ、ミスタとトリッシュ、ポルナレフと亀(!)が入れ替わった。ブチャの精神はディアボロに入ったので、当然ながら一同は“この中にボスがいるはずだ”と、まだ目覚めぬブチャラティの体を包囲した。
勝利を確信するナランチャ「これで…これで終わるぜ!」。親の愛を知らず、子どもの頃から学校に行かずに社会の裏道を歩いていた彼。でもフーゴに頼んで算数を教えてもらうなど、心の底には勉強したいという気持があった。ナランチャは皆に言う「オレ…故郷に帰ったら学校行くよ…頭悪いって他のヤツにバカにされるのもけっこういいかもな…。アツアツのピッツァも食いてえ!ナラの木の薪で焼いた故郷の本物のマルガリータだ!ボルチーニ茸ものっけてもらおう!」。 ブチャラティは、目覚めて立ち上がろうとする自分の体に対し、「ヤツを射殺するのだ」とミスタに射撃を命じる。ミスタは胸に2発撃ち込み、ブチャのボディはもんどりうって痙攣する。 ブチャ「念の為だ。両脚にも撃ち込め」。ミスタがトリッシュから予備の弾を受け取ろうとした瞬間、時間が“飛んだ”。ミスタの足元に弾が4個転がっているが、誰も弾の落下した音を聞いていない。ポルナレフは叫ぶ「飛んだぞ!!今!時間が数秒消し飛んだぞッ!確かにッ!」。
ミスタは4の数字は不吉だからもう1個弾丸を落としてくれとトリッシュに頼む。 エアロスミスのレーダーで警戒すべきだと判断したブチャが命じる「ナランチャ!周囲はどうなっているッ!他に近づく者はいないかッ!」。ところが振り向けばナランチャ(体はジョルノ)はいない。血だまりの中にテントウムシのブローチが落ちているだけだ。その血は壁を伝って上から流れていた。 ブチャ、ミスタ、ジョルノ、トリッシュがゆっくりと見上げると…切断された鉄格子にナランチャが串刺しになっていたッ!!
ケガを治そうと体に触れたジョルノの声が震える「『空洞だ』…貫かれた傷は完璧に僕の“ゴールド・E”が治した。だか、すでにいないんだ…すでにいないんだ。ナランチャはもう…行ってしまった…。間に合わなかった…『空洞』なんだ…」。魂が空っぽだったから、ジョルノは自分の体に容易に入れた。 ミスタ「ナランチャアーッ!!」。トリッシュは絶句している。ジョルノ「あまりにも…あっけなさ…すぎる…」。ブチャ「ヤツ(ボス)はまず“レーダー”を叩いたのだ!自分が(レクイエムが持つ矢を)追跡していることを見分けさせない為に、エアロスミスを叩いたのだ!」。 ボスのキング・クリムゾンを倒す為には、何としても矢のパワーを手に入れる必要がある。今すぐこの場を立ち去り、自分たちもレクイエムを追わねばならない。ジョルノはナランチャに語りかける「君は…ここに…おいて行く…。もう誰も君を…これ以上傷つけたりはしないように…決して…。だが君を必ず故郷に連れて帰る」。ナランチャの周囲の石壁をジョルノが植物に変えると、亡骸はたくさんの花々で埋まっていった。ブチャ・チームの最終決戦はまだ続く。
※少年マンガの王道から言うと、メイン・キャラの死は敵との数十ページにわたる壮絶な激闘の果てに描かれるものなのに、ナランチャは読者がページをめくれば死んでいた。ジョルノが“あっけなさすぎる”と言ったように、攻撃を受けるシーンもなければ、死に際のセリフもない。チームのムード・メーカーであり、皆に愛されたナランチャを、荒木先生も大好きだったハズ。そのナランチャの死をあえて“あっけなく”描くことで、死は美しいものでも劇的なものでもない、生命はもろく、はかなく、大切なものだと伝えているのだと思う。マンガを盛り上げる“イベントとしての死”ではない分、逆にリアルな死だった。 有難うナランチャ!君を忘れない!! ●ミニ・コラムその7〜ドッピオとディアボロ ジョルノたちがナランチャの亡骸に別れを告げてコロッセオから去った後、人知れず孤独に息絶える者がいた…ブチャラティの体を借りていたドッピオだ。ナランチャは仲間の涙と花で見送られたが、ドッピオはブチャの肉体の死と共に誰にも見届けられず独り寂しく死んでいく…。
「ボス…そこに…いた…のですか?そんなところに…眠くなって体から魂が…引きずり出された瞬間…このままだと…まずいから“行く”…と言ったのは…そいつの“体”(ミスタ=トリッシュ)…なんですね?確かにそこにいるのなら…ボス、完全にぼくたちの勝ちだ!フフ…フ。でも…さびしいよォ…ボス。いつものように電話下さい…待ってます…電、話」--ドッピオ、絶命。
ドッピオという名はイタリア語で“2重”という意味。ディアボロの中でドッピオがいつ生れたのかは分からない。故郷の村での少年時代の評判は「臆病でどんくさいヤツ」(61巻)だったから、或いはドッピオの中にデイアボロが生れたのかもしれない。いずれにせよポルナレフが“人の精神は幼少の時に受けた衝撃などが原因で「心」に亀裂が入り、その部分が年齢と共に別の「人格」に育っていくことがあり、独・英には顔や肉体までが別人のようになる事例がある”(62巻)と解説していることから、幼年期のディアボロに彼の心を粉々に打ち砕くようなツラい出来事があったと考えられる。 ディアボロはキング・クリムゾンという絶対的な能力を手に入れながらも、ディオ、カーズ、吉良と違って、自らに対する圧倒的な自信を持てなかった。 「未来という目の前にポッカリ開いた“落とし穴”を見つけ!それに落ちる事がなければ、人生は決して“沈む”事がない。“絶頂”のままでいられる!私を脅かす“落とし穴”は塞がねばならないッ!」(56巻) 「恐怖というものは思いもよらぬ過去からやって来る…オレはこれを恐れていた」(59巻) 巨大マフィアのボスともあろう者が、いくら身元に繋がるからと言ってもまだ15歳の娘を“落とし穴”と恐れ、“恐怖”の対象として震えあがっている構図は何とも情けない。また、ソルベとジェラートに対する極端に残酷な制裁は、「小心者」ゆえの、臆病さの裏返しに他ならない。 「これは“試練”だ。過去に打ち勝てという“試練”とオレは受け取った。人の成長は…未熟な過去に打ち勝つことだとな…」(61巻)。トリッシュの存在だけではこんな言葉は出てこないだろう。ディアボロには自分の弱さが原因の「屈辱的な過去」が幾つかあり、それら全てのトラウマを克服しようともがいているようだ。 「いいか、ドッピオ…恐怖というものは打ち砕かなくてはならないのだ!それは、今なのだ…今!絶対に乗り越えなくてはならない!それが『生きる』という事なのだッ!」(59巻) 孤独なディアボロはいつも自分で自分(ドッピオ)を励まし続けていた。常に部下の裏切りを恐れ、執拗に何度も自分自身にエールを送る姿を見ていると、卑劣な敵でありながら哀れみを感じてしまう。精神力がタフでないディアボロは、他部のボス・キャラと比べて僕らに一番近いのかもしれない(ディオやカーズは傲慢すぎるし、プッチは独善的すぎ、吉良は性癖が殺人だから僕らに近いと困る)。 《ドッピオは彼なりに『真実』に到達しようとしていた!》 ドッピオは登場時に「犬のマスコット」でボスと喋って以来、マッド・キャラ的な印象を読者に与えていたが、リゾットとの激闘で「覚悟」を見せて急成長し、サルディニアを離脱してからはアイスクリームやタバコ電話を使わず、“子供用のオモチャ電話”、“コードの切れた本物の受話器”とワンステップごとに「成長」し、死の直前にはついに“本物のケータイ(!)”に手を伸ばしている。携帯電話が彼にとって『真実』の象徴であれば、ドッピオは彼なりに、妄想やまやかしではない人生の『真実』に近づいていたといえる。
《参考資料…ネーミング表》 ドッピオが“2重”という意味を紹介したので、他のキャラについても載せておきます。 1.ブチャ・チーム
2.暗殺チーム
3.幹部、親衛隊、その他
※ちなみに「DIO」はイタリア語で“神”!! (シーン42)63巻 死闘決着〜ブチャラティの死、ディアボロ無間地獄 ※魂の入替え状況整理…トリッシュ(中身はミスタ)、ディアボロ(ブチャラティ)、ジョルノ(同じくジョルノ)、ミスタ(トリッシュとディアボロの2人)
ミスタのボディに潜んでいたディアボロは、キング・クリムゾンの射程に入ったジョルノを攻撃、その右腕を切断した。とっさにスパイスガールを発動してジョルノを助けようとするトリッシュ。だが、ディアボロの真の目的は彼女にスタンドを出させることだった!スパイスガールの喉元を握ってトリッシュを失神させ、ミスタの体を完全制圧したディアボロは「矢」を奪取する為にチャリオッツ・レクイエムに向かう。 チャリオッツ・レクイエムに攻撃を仕掛けると全く同じ攻撃が跳ね返ってくる為、どうやって「矢」を奪うかが問題だった。ディアボロは、レクイエムの影が太陽の方向とは関係なく、常にディアボロと正反対に伸びていたことから、レクイエムの正体を人が照らし出す「心の影」と見抜いた。レクイエム自身が「心の影」だから、レクイエムを攻撃することは自分を攻撃することになったのだ(影ゆえに全身が黒く顔も不鮮明)。
ディアボロが自分の精神(K・クリムゾン)の背後で輝く『光』にダメージを与えると、レクイエムは半壊し「矢」を手放した(トドメを刺さなかったのは、レクイエムが消えると自分の肉体に魂が戻ってしまい、目の前にある「矢」から離れてしまうから)。 ※この非常に暗示的なシーンは、「自分が作った心の影」を乗り越えた者だけが、つまり「影」という自分自身に打ち勝ち、運命を乗り越えた者だけが「矢」を手にすることが出来ることを象徴するものと僕は解釈している。
「掴んだぞ…“矢”を!このディアボロがッ!!掴んだッ!!」。だが、そう歓喜した瞬間「矢」の柄が折れ、矢じりが落下した。ジョルノを攻撃した時にディアボロの腕にかかった返り血が、「ゴールド・E」で無数の蟻に変化して柄を噛み切ったのだ。ディアボロ、ブチャラティ、ミスタが、落ちた「矢」に突進する。ミスタはピストルズで「矢」を弾かせようと射撃したが、ディアボロはエピタフで弾道を読みことごとく防いだ。 ディアボロは勝利を確信して叫ぶ「(他人の精神を支配できる)“矢”の真の能力を知ることができたのはッ!『贈り物』だッ!自分の過去を乗り越えた運命からの“貢ぎ物”だったなあああ!」。
「矢」を手に入れたディアボロはすぐに自らの手を刺す。「貫いたぞッ!」…だが、何も変化が起こらない。焦るディアボロ「貫いたのかッ!?つ…貫けていないッ!ど…どこか!?何かおかしいッ!!」。
クリムゾンの手から「矢」がすり落ち、入替わった魂が元に戻り始める。「これはッ!!まさかァァァァ…!!」。 ディアボロがチャリオッツ・レクイエムに目をやると、崩壊するレクイエムの前にブチャラティが立っていた。
「予測できるのは…ボス。“矢”や“弾丸”の動きだけか?オレが何をするかは予測できなかったな…」。ブチャは自身の『光』を完全に破壊することでレクイエムにトドメを刺したのだ。ディアボロは自分の肉体に引き戻され「矢」から離れていく。ブチャの思惑通りになった。ただし!コロッセオにあるブチャの肉体は既に命尽きており、レクイエムを消滅させることは、ブチャ自身も消えてしまうこと。それを承知での行動だった。 茫然と立ちすくんでブチャの魂が消えるのを見つめるジョルノに、彼はこう言い残していく--「あとは…ジョルノ…任せたぞ」「ブチャラティ…あ…あんたの“体”は…今、コロッセオにあるあの“体”は!!」「ジョルノ…オレは…生き返ったんだ。故郷…ネアポリスでお前と出会った時…組織を裏切った時に…に…な…。ゆっくりと死んでいくだけだった…オレの心は…生き返ったんだ…お前のおかげでな…。幸福というのはこういうことだ…これでいい。気にするな…みんなによろしくと言っておいてくれ…」。
ブチャラティの魂は天高く溶けていった。
今や、「矢」はジョルノの右手に握られていた。 ディアボロは歯ぎしりする--“ここは『退(ひ)く』のだ…「矢」から身を隠し反撃の時期を待つ…。ここで一時『退く』のは敗北ではない…!!オレは頂点に返り咲ける能力があるッ!”。
背中を向けると、横たわるトリッシュのか細い声が背後から聞こえた。「逃がさないで…ジョルノ…あいつを…決して…逃がしたら…身を隠される…。感じたの…今あいつが一歩退いたのを…」。ディアボロは娘に見下された屈辱感で固まった。ジョルノはディアボロを睨み付けている。 顔がこわばるディアボロ「だめだ…やはりこのオレがここで…逃げるわけにはいかない…!!“誇り”が消える…ここでこいつらから退いたら!!オレは“帝王”だ。オレが目指すものは『絶頂であり続ける』ことだ。ここで逃げたら…その『誇り』が失われる。次はないッ…!」。クリムゾンの射程は2m。ディアボロはジョルノに向かって突進しつつエピタフを発動、一方ジョルノはゴールド・Eの胸に「矢」を突き刺した。 「礼を言うぞ…我が娘よ…お前が“逃げる気”だと言ったオレに対する侮辱の言葉で…!我が“誇り”は失われずに済んだッ!退かなくて良かった…もし逃げていたなら…この“予知”を見ずしてやり過ごしてしまうところだったッ!」エピタフが見せたのは、“矢”がゴールド・Eに吸収されず、地面に落ちる未来だった。果たして実際に「矢」はジョルノを貫通して背後に落ち、彼は痙攣している。ミスタ「逃げろジョルノーッ!」帝王は吠える「とどめだァーッ!」。ゴールド・Eの顔面にK・クリムゾンのパンチが強烈に叩き込まれた!「“帝王”はこのディアボロだッ!!依然変わりなくッ!」。
ドクン、ドクン、ドクン。ゴールド・Eは顔面から全身に亀裂が走り、ボロボロと砕けていく。敗北したのか?否!内部から新しいスタンドの姿が現れ、一度落下した「矢」は新スタンドの誕生を待って再び体内に入り額へ収まった。トリッシュが叫ぶ「あれはジョルノのレクイエム、『ゴールド・E・レクイエム』!」。 ジョルノが口を開く「生き残るのは…この世の“真実”だけだ。真実から出た『誠の行動』は…決して滅びはしない…。ブチャラティは死んだ…アバッキオも…ナランチャも…しかし彼らの行動や意志は滅んでいない…。彼らがこの“矢”を僕に手渡してくれたんだ。あんたは果たして滅びずにいられるのかな?ボス…」。
G・E・レクイエムが指で軽く小石を弾くと、猛烈なスピードでディアボロの体を貫通した。ディアボロは動揺したが、自分の能力を信じて腹をくくる“ヤツはただパワーがアップしただけだッ!脅威ではあるが「予知」ができるオレには乗り越えられないことではないッ!このディアボロはいつだって危機を乗り越えて来た「帝王」なのだッ!”。 彼はジョルノを指差す「いい気になって知った風な口をきいてんじゃあないぞッ!!ジョルノ・ジョバーナ、お前には死んだことを後悔する時間をも…与えんッ!!『キング・クリムゾン』!!我以外の全ての時間は消し飛ぶッー!」エピタフはクリムゾンの左ストレートがジョルノの心臓をブチ抜く未来を見せた。「やったッ!勝ったッ!未来は我が『K・クリムゾン』の動きを選んでくれたッ!終わったァァァーッ!!」。
ところが、クリムゾンが実際にパンチを出そうとするとなぜか腕が戻ってしまう。それだけじゃない。周囲を見ると蜂が後ろ向きに飛び、ミスタの弾丸が拳銃に戻り、流れた血液が傷口に戻り、落ち葉が枝に向かって上昇している。「なっ!!なんだッ!?まさかッ!これはッ!消し飛ばした時間が『逆行』しているのかッ!!まっ…まずいッ!!!」。G・E・レクイエムの能力、それは他者の動作や意思の力を全てゼロに戻すものだったッ! ジョルノ、怒涛の反撃ラッシュ!「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄」ドゴ、ドゴ、ドグ、ドグオ!「ぶががおおおおおおおっ!くおのッ!!ガキィガァァア!!」「無駄ァーッ!無駄無駄無駄無駄無駄無駄アァァァァ!」ズドッ、ドッ、ドッ、ドッ!ボゴオォッ!
ディアボロは全身から血しぶきをあげ、橋の上からティベレ川に落下した。ドッパァァァーン、ガボガボガボ。 欄干に駆け寄るトリッシュとミスタ。トリッシュ「さっ、探してッ!ジョルノッ!あたしにはまだヤツが生きてるって感じるわッ!」。ジョルノは冷静だ「いや…探す必要はない。全てはもう終わっている…ヤツはもうどこへも向かうことはない。“死ぬ”という真実にさえ到達することは決して…『無限に』終わりのないのが『終わり』、 それが『ゴールド・E・レクイエム』」。
…ディアボロはどうなったのか。彼は虫の息で川から排水溝に這い上がったが、そこで麻薬中毒者に腹をナイフで刺されてしまう。言わば自分が広めた麻薬によって、その命を奪われるのだ。傷口を押さえて悶絶するディアボロ「この痛み…こんなところで!オ…オレはッ!ディアボロだぞッ!こんな…ヤツにッ!!うおおおお!」。意識が戻ると彼は死体置場に寝かされていた。「これより検死を始める」検死官はディアボロが生きていることに気づかず、腹を引き裂き肝臓を取り出した「ぐあああああ!」。次の瞬間、今度は夜の街角に彼はいた「ここはどこだ?ローマじゃないようだが…」。背後から犬に吠えられ、驚いた彼はバランスを崩して転倒する。と、そこに車が突っ込んで来た!「なっ!なんなんだこれは!?さっきから変だ…こ…こんなつまらないことで…」。次の場所は郊外の民家のそば。「うずくまっておじちゃん、オナカ痛いの?」人形遊びをする女の子に背後から話しかけられ、震え上がるディアボロ。「ハァー、ハァー、オ、オレは、何回死ぬんだ!?次はど…どこから…、い…いつ“襲って”くるんだ!?オレは!オレはッ!オレの側に近寄るなああーッ!」。 G・E・レクイエムに倒されたディアボロは「死んだこと」さえもゼロに戻り、様々な形で永遠に死に続けるのだ。 ※これはめちゃくちゃ怖いッ!!
こうして、敵味方を含め多くの犠牲者を出して戦いは終わった。ジョルノ入団前のブチャ・チームのメンバーはミスタだけになってしまった。まだブチャが死んだことを知らないミスタやトリッシュは、ブチャの体があるコロッセオに早く戻ろうと無邪気にジョルノをせかす。2人の後ろ姿を見ながら、ジョルノは自身に力強く誓う--「去ってしまった者たちから受け継いだものは、さらに『先』に進めなくてはならない!!」と。 ディアボロとの最終バトルが終わり「第5部・完」と出る前に、荒木先生はエピローグ『眠れる奴隷』を挿入した。通常、エピローグというと後日談が描かれるものだが、『眠れる奴隷』はブチャラティとジョルノが“出会う以前”の過去が語られる、一風変ったエピローグだ。新たに登場するスタンド使いはスコリッピ。後述するけど、決して派手な能力じゃない。だから連載時は、リゾット、チョコラータ、セッコ、ディアボロと強力スタンドで盛り上がってきたその反動と、ボス戦が終わったことで気が抜けたことで、僕は愚かにもこの超重要エピローグを流し読みしていた(ぶっちゃけ「ディアボロ戦で終わればテンポ良かったのに」と“当時は”思っていたことを、ここに告白したい)。
でも、後に読み返して分かった。僕はアホだった、なぜこのエピローグの素晴らしさに気づかなかったのか!
5部における作品メッセージの殆どが、このエピローグに集約されていると言ってもいいッ! エピローグはレストランにいたブチャ・チームのもとへ花屋の親父さんが訪ねてくるところから始まる。親父さんは17になる一人娘を半年前に失っていた。彼氏のマンションの屋上から“石ころ”を抱えて転落したのだ。警察はろくに調べようともせずに自殺と決め付けたが、「娘は決して自殺するような性格の子じゃない。男に殺されたか、そうでなかったとしても、あの屋上で何が娘をそこまで追い詰めたのか知りたい」とブチャに“真実が知りたい”とすがる。
ブチャは心を動かされるが、彼には他の任務があった。空港を仕切る“涙目のルカ”が誰かに殺られたので、その調査を幹部ポルポに命じられていたのだ。 ブチャはミスタにテープレコーダを渡すと「男の口を割らせろ」と一任した。その瞬間、ミスタの側に50cmほどの丸い“石ころ”が出現する(この時は店の置き物と思って無視)。 事件が起きたマンション。7階に住むその男は若い彫刻家で名をスコリッピと言った。エレベーターに乗ろうとしたミスタは、中にレストランで見かけた石ころがあるのを見て、とっさに弾丸を撃ち込む。「『スタンド』だ…!!
この件は…『スタンド使い』が関っている事件だ。そしてこれはッ!なんなんだ!?この石は!?」表面が砕けた石ころの内部から、何とブチャラティの姿が出てきた(それは口から血を流しているように見えた)。 エレベーターの扉の陰にスコリッピが潜んでいることに気づいたミスタは、問答無用で左手を撃ち抜き、膝蹴りを喉元に喰らわせると、後頭部に銃口を突きつけ“尋問”を開始した。「てめーはなぜブチャラティを知っているッ!?」「ブチャラティと言うのか?彼の名は…!?彼に会わせてくれ…一緒に来てるんだろ?彼の人生に関る事なのだ」。
ドゴッ!さらに右手を撃つミスタ「なめてんじゃねーぞッ!おめー、花屋の娘も殺したな!?おめーの目的は一体な……!!」そこまで言いかけてミスタは『石』が消えていることに気づいた。どこにもない。「てめー何やってんだァ、コラーッ!」。
顎にグリグリと銃口を押し付けられたスコリッピは、唐突にミケランジェロの彫刻論を語り出す。いわく、ミケランジェロは形を決めてから彫り始めるのではなく、もともと石の中に『運命』として定まっていた形を彫り出しているだけだ、と。「何言ってんだこの野郎ォーッ!」「あの『ブチャラティの形』も僕が彫ったわけではないし、君の銃弾が彫ったものでもない。あれは『運命の形』なんだよ…像は胸に穴をあけられ血を流していましたね?数日後か…或いは数か月後か分からないが、ブチャラティは近いうちそうやって死ぬ(※実際ブチャはキング・クリムゾンのパンチに胸を貫かれた)。我々はみんな“運命の奴隷”なんだよ。“ローリングストーンズ”(=『石』)に彼が触れれば苦しまずに死ねるんだ。せめて彼の言い残す言葉を聞くために会ってやりたかったが…」。 ※レストランでの『石』の出現シーンを思い出して欲しい。発動のきっかけは、ブチャが空港に向かい始めたこと。それはジョルノと出会いボスを裏切ることを意味し、やがて殺されることを示していた。 「てめーブチャラティに何かしようとしてるらしいが!すぐに『石』を戻せ!」。ミスタは6発入る拳銃に3発だけ弾を込めると銃口をスコリッピの口の中にねじ込み、ロシアン・ルーレットを始めた。「運命ってのはコー使うんだ!」バシン!「言ったろう…もう僕にはどうすることもできない」バシン!「さっさと戻すんだこの野郎ォォォォォーッ!」バシィン!ミスタの額から汗が吹き出る。一方、スコリッピは一滴の汗もかかず冷静そのものだ。
スコリッピ「花屋の親父…脚が悪かったろう…彼はまだ知らないことだが、あれは内臓の病が原因で起こる初期の症状だそうだ…しかし彼は助かるだろう。娘が死んだ時、彼女の臓器が“臓器バンク”に保管されていて移植されるからだ」。彼の話を続けるとこうだ。『石』は死が迫っている者の前に現れ、触れた者を安楽死させる能力がある。娘は父の死から数か月後に同じ病気で死ぬ運命を知り、同じ死ぬなら、健康なうちに父の為に死のうと『石』を抱きしめた。『石』は娘を苦しませずに、しかも臓器の細胞が崩れないように殺してくれた。 「てめーが殺しといてなんだ、その言い草はあぁーッ!!」次は弾が出る。バシィン!「な!?」不発だった! 「僕はまだ“死ねない”…『石』がまだ僕の死を彫ってないから…。君にはもう僕を撃つ意志はない。違うかな?」。ミスタは一瞬固まり、銃のグリップで相手を殴りつけた「な…なんなんだ!?こいつは…ちくしょうッ!こ…こいつの言ってることはいったい!?フザケやがってッ!」。 ※スコリッピはキリストをモチーフにキャラが造形されている。人々を苦しみから救う為に発動する能力“ローリングストーンズ”を、慈悲の象徴として荒木先生は描いているのかもしれない。死と救済という相反するものがペアになっている、空前絶後の能力。これを「残酷」というのは他人事だから言える事で、承太郎が「この世のどんなことよりも優しい能力」といった仗助の“クレイジー・ダイヤモンド”と並ぶ、最も温情あるスタンド能力じゃないだろうか。
ミスタは仲間と相談する為、フーゴのケータイにかけた。すると、空港へ行ったはずのブチャが、このマンションに様子を見るため向かったという。『石』はどこかへ行ったままだ。ミスタは戦慄に襲われ、失神していたスコリッピを揺り起こす「おい!目を醒ませ彫刻野郎ッ!どうすればブチャラティの所へ向かった『石』を止められるんだ!」「う…う……」。ミスタは思わず膝をつく「た…頼む…教えてくれ…オレはどうすればいいんだよ…。ブチャラティには絶対に『石』を触らせるわけにはいかねえ…!決してだ…!お願いだ…教えてくれ…」 「……『石』には逆らわず…受け入れた方が…楽なのに…」。スコリッピは、『石』を破壊するか形を変えるしかないという。だがその方法は彼にも分からない。 マンションの外へ向けて発砲したピストルズNO.1から、ブチャは階段で7階へ上がっており今まさに眼前に転がる自分の形をした『石』を調べようとしていると連絡が入った。ドドドドド。「なんだってエエエエーッ!」。4階エレベーターにいたミスタは天井へ残ったピストルズを全弾撃ち込み7階へ急ぐ。ピストルズはブチャの指先で『石』に命中し、『石』は階下に転がった。ブチャが驚いていると、『石』は再び近づき始める。ローリングストーンズを動かすエネルギーは、「運命」というどうすることも出来ないパワー。4部吉良の爆弾戦車のようにどこまでも自動追尾してくるのだが、その理由はブチャラティを安楽死させるという“深い優しさ”からなのだ。
「スティッキー・フィン…!」ピストルズが叫ぶ「攻撃シチャアダメダァーッ!触レタラやばいンダァァーッ!!」さらに弾丸が命中し、ミスタが駆けつけた。「ミスタ!」ミスタは自分の体で『石』を押さえ込み、ブチャが指一本でも触れたら死ぬこと、早く下へ逃げて、マンションから遠くへ離れてくれと訴える。すると『石』はズブズブと床に沈んで建物内を移動し、今度はブチャの頭上から落下してきた。ミスタ「しまったァーッ!上だァァ、ブチャラティイイイイイーッ!」もうダメなのか! ビィィィイイイイ。一瞬の差でブチャはジッパーで壁面に穴を開け、『石』を避けて外壁にぶら下がった!ところが『石』もジッパーにめり込み、強引に壁の外へ飛び出してくる。
再びブチャの頭上へ落下する『石』。ブチャが観念しかけた時、『石』の軌道がずれた。ミスタが飛び降り、『石』を抱きかかえたのだ。ミスタはブチャの横を落ちていく「このまま地面に叩きつければブチ砕くことができるぜェーッ!」。驚愕するブチャ「ばかな、ミスタァァァーッ!」。ドグシャアアァァ!ゴバ!ミスタは車の屋根に落ち、『石』は地面に激突して粉々になった。ミスタは出血しているが生きている「確かに…その通りだった…自分の姿が『石』に彫られてねえってなら…それは…まだ…死ぬ時期では…ない…ってな…。オレの形は彫られてなかったからな…飛び降りても死なねえーってことだぜ…」。一方、ペシャンコになった車の中には、ミスタが忘れたテープレコーダーを届けに来たフーゴがいた「(ミスタに)このボケ…」。
ブチャラティはこの後、“涙目のルカ”の調査で空港へ向かう。ブチャたちが『石』の破片に背を向けて歩き始めると、風に吹かれて破片はサラサラと散り始める。それを見ていたスコリッピが呟く「逆らわずに…『石』を受け入れれば『安楽』に終われたのに…」。なんと、粉末になった『石』は新たに3人の顔を作った!その3人とは、アバッキオ、ナランチャ、ブチャラティ!先ほどまではブチャ1人の命が消えることを予言していたのに、ブチャが「幸福な死」を拒否した為に、さらに2人の命が奪われることになったのだ。「彼らはこれで『苦難への道』を歩み、そこで何人かは命を落とすことになる!しかし…(彼はマンションを見上げる)彼らは全員こうなのか?あそこから飛び降りて『石』を破壊するとは…あのブチャラティという仲間の為に…!!平気で…」。 やがて破片は風ですべて飛び去り、スコリッピは遠ざかる3人の後ろ姿をジッと見届ける--
「彼らがこれから歩む『苦難の道』には何か意味があるのかもしれない…。彼らの苦難が…どこかの誰かに希望として伝わって行くような、何か大いなる意味となる始まりなのかもしれない…。無事を祈ってはやれないが、彼らが『眠れる奴隷』であることを祈ろう…目覚めることで…何か意味のあることを切り開いて行く『眠れる奴隷』であることを…」。
『眠れる奴隷』。僕らは日常生活で“これも運命だよ”“運命だから仕方ない”、そんな言葉に出合うことがある。運命=死と捉えた場合、王様であろうと法王であろうと、人間はいつしか必ず死ぬわけで、その意味において人間は運命の奴隷だ。ただし奴隷には二通りいる。運命が決まってるからと何もせずにいる“眠ったままの奴隷”と、たとえ運命が決定されていても、そこに至るプロセスを意味あるものにしようと立ち上がる“目覚めた奴隷”とだ。 スコリッピ戦の後、ジョルノと出会ったブチャやミスタは「黄金のような夢に賭けようジョルノ・ジョバーナ」(ブチャ/シーン28)、「真の“覚悟”はここからだ」(ミスタ/シーン34)と、次々と『眠れる奴隷』から目覚めていく。ボスに反抗する「苦難の道」を選んだ彼らが意味のある人生を送ったことは、ブチャの最後のメッセージに現れている「オレたちはそれを解き放つ(眠りから覚める)ことができた…それが勝利なんだ」。「死」という結末は変えられなかったが、スコリッピのマンションで安楽死する事と、ディアボロを追い詰めて死んだ事は、そこに至るプロセスも、人生の意義も全く違う!ブチャラティは意味のある人生を送ったと納得して死んでいった。 ※ブチャはジョルノと出会っていなければ、こんなに早く死ぬことはなかった。もっと長生きして、人望の厚さからパッショーネの中核となっていただろう。だから、ジョルノは消えゆくブチャの魂を見て、すぐに言葉が出なかった…。それに対し、ブチャは「気にするな」と言う。ネアポリスで子どもにまで麻薬が流れても、組織が命ずるまま“駒”として動いていた生活は、息をしていても死んだも同然だった。ブチャは「お前のおかげで生き返った」とジョルノに感謝し、「これでいい」と果てていく。死んでしまうのに“これでいい”というブチャの言葉、ブチャの昇天シーンは読むたびに泣けてくる。 ブチャラティはジョルノと出会うことが決まった時点で死が避けられなくなり、『石』に姿が刻まれた。“優しい”ローリングストーンズは、ブチャがボスから胸に穴をあけられる前に“幸福な死=安楽死”を与えようとする。しかし、ブチャが『石』を拒否した為に、アバッキオやナランチャまでが死ぬことになった。では彼らは無駄死にだったのか?NO!誰が欠けてもボスを倒すどころか、正体にすら辿り着けなかった。だからジョルノは最終決戦でG・E・レクイエムをボスに叩き込む前に「真実から出た“誠の行動”は決して滅びはしない…ブチャラティは死んだ…アバッキオも…ナランチャも…しかし彼らの行動や意志は滅んでいない」と3人の名前をあげ、ラストに「去ってしまった者たちから受け継いだもの(黄金の精神)は、さらに『先』に進めなくてはならない」と、3人の魂が自分の中で息づいていると締めくくった。死は終わりではない。ジョルノが「この“矢”は破壊しない」と消滅させずに残したのは、何もなかったことにするのではなく、ここに至った過程を全て受け入れ前進するという決意表明だ。クーッ、カッコいい! ※“矢を破壊しない”と聞いてポルナレフが「それでいい…ジョルノ。それが生き残った者の役目だ」と語ったのは、アブドゥル、花京院、イギーのことを思って言ったのだろう。 ※これを書いてて、耳が聞こえなくなっても作曲を続けたベートーヴェンの次の言葉を思い出した「今、運命が私をつかむ。やるならやってみよ運命よ!我々は自らを支配していない。始めから決定されてあることは、そうなる他はない。さあ、そうなるがよい!そして私に出来ることは何か?運命以上のものになることだ!」。 なぜ荒木先生は最後にこのエピローグをつけたのか。しかも、今まさにブチャがジョルノと出会おうとする、その直前のシーンを選んで。それは、作者として「どうしてもこれだけは伝えておきたい」(第5部の核心といっていいほどの)ことがあったからだと思う。 僕は最後のスコリッピのセリフを、荒木先生が読者へ向けて送った言葉と受け取った-- 「彼ら(ブチャ・チーム)がこれから歩む『苦難の道』には何か意味があるのかもしれない…。彼らの苦難が…どこかの誰かに希望として伝わって行くような、何か大いなる意味となる始まりなのかもしれない…」 ここでいう“どこかの誰か”とは、彼らの物語の一部始終を知っている僕たち読者だ。僕らはブチャが『石』で死ななかったことで、アバッキオとナランチャまでが死んでしまうことを知っている。しかし同時に、彼らの死(苦難)が無意味でなかったことも、最後にディアボロを倒したことで分かっている。ジョルノ一人ではボスに勝つどころか、辿り着くことさえ出来なかったろう。ブチャが『幸福な死』を拒絶したことで彼らに出会いが訪れ、ボスを倒せたのだ。 荒木先生のメッセージは現実世界に生きる僕らに向けられている。ジョルノたちが見せてくれた「友を大切に想う気持」や「自分の信じた道を突き進む勇気」、「絶望的な運命に立ち向かう覚悟」。こうした全ての『黄金の精神』が、“人間はこんなに素晴らしい”という『人間賛歌』になり、僕らが日々の苦難の道(人生)を生きていくうえでの希望となってくれたら、そんな祈りにも似た思いを僕は受け取った。 「所詮、マンガなんか架空の物語だ」こう言う人もいるだろう。しかし、作者の心を込めた読者への言葉は、“架空”のマンガの枠を超えて、散っていったブチャ・チームの面々の生きる姿勢と僕らの人生とを繋げる“架け橋”となった。 「何か大いなる意味となる始まりなのかもしれない」--彼らの死を無意味にするか、意味あるものにするか、それは今後の僕らの生き方にかかっている。 ジョジョの奇妙な冒険。たとえ人生が苦難の道であっても、生きていく力と、前進する勇気を与えてくれる、真に美しく力強い作品だ。声を大にして荒木先生と全ての登場キャラに叫びたい--「ディ・モールト・グラッツェ!!(超大感謝!!)」。
つくづく、JOJOは良い。本当に。 【5部オマケ追記】 ★5部エピソードはたった9日間の物語!しかも、カプリ島からローマの最終決戦までは5日間しかない! 2001年の春の物語(康一「21世紀になって早3カ月がすぎました」47巻。春休みの旅行)
(1日目)3月29日…康一との出会い、涙目のルカ、眠れる奴隷、ブチャラティ戦、午後3時に入団テスト開始→ブラックサバス戦
(2日目)3月30日…午後3時にパッショーネ入団、アバ茶事件
(3日目)3月31日…ポルポ死。ポルポの死亡時刻はナレーションが「昼食時」、ホルマジオ情報が「午前9時25分」。通常、ナレーション=作者だから“昼食時”が正しく、ホルマジオの情報はボスが流したフェイクだろう。ズッケェロとサーレーは当初ローマにいた。ポルポ死亡&隠し財産の噂を聞いて、ローマからネアポリスに移動し(鉄道90分)、ズッケェロはブチャラティを尾行。同日、ポルポ葬式。※サーレーは昼過ぎにカプリ島に着いていることから、この日ではなく翌日の昼と考えるのが自然。
(4日目)4月1日…たった1日で7人とバトル!ブチャチームはイスキア島を迂回してカプリ島へ。ズッケェロ戦(ズッケェロ「(船の位置は)カプリ島まで片道2時間以内の距離」)、サーレー戦(サーレーと戦う前にミスタはカプリ島でピストルズに昼食を食べさせている)、トリッシュ護衛開始。カプリ島から陸地(ソレント半島)はすぐ。【確定】ホルマジオ戦(ホルマジオ「昨日ポルポが死んだ」)、イルーゾォ戦(ブチャ「隠れ家からポンペイまで車で1時間」。フーゴの腕時計によると15:45に戦闘終了)、ペリーコロ自殺(駅に亀を置いた後)、プロシュート&ペッシ(16時35分発フィレンツェ行き乗車)、メローネ戦。
(5日目)4月2日…早朝4時43分にギアッチョの攻撃(DISCゲット後15分以内にサン・ジョルジョ・マジョーレ島に上陸)、ディアボロ初戦、フーゴ離脱、スクアーロ&ティッツァーノ(朝食中)、ノトーリアス・B・I・G(ノトーリアスが殴った時計が10時16分。沖合50kmに墜落)。物語を3分の2過ぎても、ジョルノがアバッキオからずっと新入り扱いされていたのは、この時点でまだ一昨日に会ったばかりだから。
(6日目)4月3日…空白。50kmも泳いで全員ダウンしていたのかも(笑)。
(7日目)4月4日…空白。引き続きダウンか。
(8日目)4月5日…ドッピオVSリゾット(この夜ブチャがドッピオに、“今朝の傷”=リゾット戦と言ってる)、夜半にチョコラータ&セッコ戦(セッコいわく「3日前にノトーリアス・B・I・G戦」)、ポルナレフのレクイエム。※コロッセオでブチャはトリッシュについて「初めて関わったのは4日ほど前のこと」と言ってる。あれ?カプリ島は5日前のはずでは…?コロッセオのブチャはフラフラゆえ記憶の混濁か。
(9日目)4月6日…コロッセオで目覚めたジョルノの時計は「(4月)6日5時39分」。最終決戦(チャリオッツ・レクイエムを追跡するディアボロ「朝日は東の空にあるのに」)。ディアボロ無間地獄。
【参考】ジョジョ各部の作中経過日数 1部:約8年 2部:約2ヶ月 3部:約2ヶ月。承太郎拘置所、花京院戦、ホリィ発病&日本からエジプトまでの50日間 4部:約3ヶ月 5部:9日 6部:3ヶ月〜数億年 7部:116日 ★第5部にも承太郎は出ている! よく「承太郎は3部、4部、6部に出ているジョジョを代表するキャラ」と言われているけど、正確には第5部にも出ている!47巻で康一君と会話しており、ちゃんと“5部承太郎オリジナルの服と帽子”になっている!
★第6部名場面集へ★ ※ジョジョ立ちinイタリア〜第5部の舞台を訪ねて |
★ジョジョ美術館第5部キャラ館 ★ジョジョ・コーナー総目次 ★魂のマンガ・名作ベスト100 ★恩人マンガ家巡礼写真館 |
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