〜ジョジョ立ち教室・プレゼンツ〜
ジョジョの奇妙な冒険・感涙名場面50選(6)

第6部前編

【50選】 1部 2部 3部 4部前編 4部後編 5部前編 5部後編 6部前編 6部後編
【ミニ・コラム】 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15

(それぞれのシーンを具体的&詳細に研究する以上、完全ネタバレになります。未読の方は御注意を!)
※文章は左→右読みですが、画像は右→左読みでお願いします!

当コーナーは荒木飛呂彦氏&集英社とは一切関係が
なく、作品の著作権は荒木氏及び集英社に帰属します


ついに名場面50選も大詰め。ここからは、世界マンガ史上に類を見ない、壮大なストーリー展開(まさに神展開)をみせた第6部『ストーン・オーシャン』編に突入ッ!気合フルスロットルで作品の魅力を語っていきたいッ!

主人公は空条徐倫(ジョリーン)。フロリダに住む19歳。あの承太郎の娘で母は米国人だ。物語の発端は、雨中、恋人とのドライブ中に彼氏がヒッチハイカーをはねてしまう悲惨な事故から始まる。この彼氏がトンデモ男で、警察には車の盗難申請を出し、こともあろうに「徐倫が車を盗み彼女がはねた」と責任転嫁したのだ。悪徳弁護士の画策もあり、逮捕された徐倫はグリーン・ドルフィン・ストリート刑務所に15年収監というトホホ判決を喰らってしまう…!

囚人番号FE40536 雨の中、悲劇は起こった(64巻)

(シーン44)65&66巻 承太郎と徐倫の再会

徐倫は長年、父親に愛されていないと思い続けてきた。6つの時に、42度の高熱で死にそうになった時も父は日本にいて帰って来なかったし(64巻)、14歳の時に成り行きで仕方なく他人の車を奪ってしまった時も、父は急用を理由に警察署まで助けに来てくれなかった(72巻)。父が会いにくる時は“2、3年ママをほっとく”“離婚する”など悪い話ばかり(65巻)。こうした積み重ねが深い心の傷となり、スタンド能力が発現した時も、「父親の愛情なき幼児体験を送ってきたことで妄想しやすいのかも」(64巻)と考えるほどトラウマになっていた。

そんなある日、刑務所へ父が面会に来る。今さら何の用だと反抗する徐倫。「のこのこ父親面して来てんじゃあねェーッ!!あたしがこんな姿になって、やっと会いに来たってワケか?」「やれやれだぜ…」。承太郎の口からは「ヒッチハイカーは“はねられた”のではなく、前方に“投げ込まれた”のだ」、「お前をすぐに脱獄させる」など思いがけない言葉が出てきた。彼の調査によると、陰謀の黒幕は同刑務所の囚人ジョンガリ・A(元軍人、狙撃手)。この男は22年前にエジプトで倒されたDIOのかつての部下で、今もDIOを狂信的に崇拝しており、ジョースターの血が流れる徐倫を“好きな時に殺せるよう”に、刑務所へ放り込んだというのだ。





寂しかった徐倫は悪態つきまくり

3部で17歳だった承太郎も、
もう42歳。帽子のセンスはさすが
グリーン・ドルフィン・ストリート
刑務所。周囲を海に囲まれている

このままでは娘の命が危ない。父はスピードワゴン財団の協力で刑務所近辺に逃亡手段(小型潜水艇)を確保し、脱獄の手引きをする。ところが既に面会室そのものに罠(スタンド攻撃)が仕掛けてあった。室内には睡眠作用を持つ“酸”のような大気が満ち、睡魔で体が麻痺した父娘は椅子に座ったまま胃中の如く溶かされていく。一刻も早く部屋から脱出せねば死んでしまう!
親子の距離は約1.5m。承太郎は徐倫にスタンドを出せと命じた。彼女はかろうじてストーン・フリーを出せたものの、睡魔で動かすことが出来ない。「もう少し出せないか…あと数センチ…ちょっぴりオレの近くへ…」「?」「もうちょっと左側へ出て来てくれるとベストだが…まあいいだろう」「?」「今いち気に入らないがギリギリだ。これで面会室を出よう」「!」「オラアア!!!」ボゴオオォ!!スター・プラチナの強烈な左フックをアゴに受け、扉まで吹っ飛ぶ徐倫。衝突の衝撃でドアが開いた。「よし…やったな。オレを引っ張ってくれ」「ちくしょおおお…てめえ、こ…この痛み…脱出できたけど、このムカツキッ!」。

所内全体に扉の異常を知らせる警報(サイレン)が鳴り響く中、2人は先を急ぐ。焦った徐倫は階段を踏み外し転倒。「い、痛〜っ、くっ、階段…」「どこを見て走ってる?慌てるな…立て」承太郎が手を差し出すと、照れた徐倫は頬を染めて下を向いた。「つ…ついうっかり…えと…あ…ありがとう。でも、つかまらなくても一人で立てるから…」。しかし、承太郎は徐倫に手を貸そうとしたのではなかった。妻を通して送ったペンダントを娘が握ったまま転ぼうとしたので、瞬時にその手から抜き取り、それを返そうとしたのだった。「どうした?手を出せ。転ぶ時は気をつけるんだな。これを吹っ飛ばしたり失くしたりしたらどうするんだ」。
徐倫は自分の手を見つめて固まっている。「大切な物だ。お前が大切に持つのだ」「今転ぶ前にあたしの手から取ったの?」ケガや体の心配をせず、ペンダントのみを気づかう父。お礼を言った分、悔しさが込み上げた。バッ!徐倫はペンダントをもぎ取ると、父親に投げつける!「どうせあたしは厄介者。そんなに大切なら、てめーで持てッ!」バシイィ!

マジギレの徐倫。そりゃそうだ 父に優しくされ赤面する徐倫(だが誤解だった!)

「柱の陰に承太郎、階段の陰に徐倫…」そこへ看守に変装したジョンガリ・Aが銃を持って現れた。盲目だがスタンド(マンハッタン・トランスファー)で気流の乱れを読み、2人の正確な位置を把握している。承太郎は娘に逃げろと指示。「ヤツはこのオレが相手をす…」こう言いかけた時、彼は娘の頭上にマンハッタン・トランスファーが浮かんでいることに気づいた。トランスファーは弾道を変える中継衛星。「くらえ!」ジョンガリ・Aの撃った7発の弾がそこに向かう。承太郎は叫ぶ!「時よ止まれェェェー!!」静止空間の中で承太郎は驚愕した。なんと自分の背後に、もう一体の敵スタンド“ホワイトスネイク”が迫っていたのだ!「敵はッ!2人いたッ!!この背後のヤツが『真の黒幕』ッ!目的はッ!このオレだったッ!!」
※ホワイトスネイクの本体は“刑務所付き教会”のプッチ神父。DIOのかつての親友だ。プッチには他人の記憶やスタンドをディスクにして取り出す能力がある。以前に承太郎がDIOの館で発見し焼却した「スタンド研究ノート」についての記憶を彼は欲していた。ホワイトスネイクは全身に“ACTG”の四文字が刻まれているが、これはDNAに含まれる4つの化学物質、アデニン、シトシン、チミン、グアニンの頭文字だ。

「時が動き出すッ!徐倫!!」承太郎は彼女に体当たりし、自らがトランスファーと向き合う。「オラオラオラオラオラオラオラ!」彼は弾丸を全て弾き返した!だが娘を守ったゆえに、ホワイトスネイクの接近を許してしまう「『一手』遅カッタナ…空条承太郎…待ッテイタゾ、コノ時ヲ」。ドシバッ!ホワイトスネイクが承太郎の頭部に触れた瞬間、彼の“記憶”と“スタンド”が2枚のディスクになってズルリと出てきた「モラッタゾッ!」。






なんてこった!「記憶」も
「スタープラチナ」も奪われた!
DIO=神と崇める盲目のイケメン・スタンド
使い。3部ンドゥールを彷彿させる

ドンドンドンドンドン!ジョンガリ・Aが再び射撃してきた。徐倫はストーン・フリーで防御したが、承太郎はスタンドを出せず数発の弾丸をくらってしまう。ジョンガリ・Aが弾を込めている間に窓(鉄格子)を破壊して脱獄しようとした徐倫は、後ろを振り返って息を呑む。それは、出血し、壁にもたれ掛かっている父親の姿だった。
「先に行け…後から行く。20mで…海岸だ…」ズル…。狼狽する徐倫「ま…まさか…あんたウソでしょう?ケガしたの?ど…どこを?あんたのスタンドは鉄の扉だって壊せるし、弾丸なんかそんなもの簡単に弾けるスピードのはず」「敵は2人いた。いいか…聞くんだ」「う…撃たれたの?なんでかわせなかったのよッ!見えてる弾丸でしょッ!」「いいから聞け!」。
父親は、娘がどこにいても助けられるようペンダントに発信機を内蔵していたこと、潜水艇は発信機を自動追尾するようセットされ、彼女が海岸に行くだけでやってくるし、安全な場所でSPW財団が回収してくれる事を告げた。父がペンダントを大切にしていたのは、それが娘の命に係わることだったからだ。後はもう、彼女一人で逃げられる。
「分かったなら、行け…徐倫」「え…?」先ほど父に投げつけたペンダントを手渡される徐倫「こ…これって…あたし…さっき…。これって!!そんな…」「お前の事は…いつだって大切に思っていた」「……!」。娘は父が胸を撃たれていることに気づく。「何よそれッ!ま…まさか!そ…その胸…そ…そんな…」「行け!徐倫。血が少し出てるだけだ…すぐ後から行く…」「ウソよッ!今あんたはあたしをかばって、もう一人の敵から“何か”を奪われたから弾丸をかわせなかったッ!!」。




愛されていた!

「おまえの事は…
いつだって大切に思っていた」
ペンダントを持つ手が震える


そこにジョンガリ・Aの3度目の一斉射撃!ドンドンドンドンドン!…だが、徐倫は敵を見ようともせず全く動じない。既にジョンガリ・Aの銃口に糸状のストーン・フリーを結んでおり、弾丸の軌道をズラしていたからだ。「こっ!!これはッ!!いつの間に!」ジョンガリ・Aはストーン・フリーを引きちぎり4度目の射撃体勢に。「くらえ!!」。ドン。「え!…」なぜかジョンガリ・Aの体は反対方向の壁に向いていた。「なっ!」両膝から下を“糸”で結ばれ回転させられたのだ。
「うるせーぞ。あたし達は今、この窓から外に出て海岸へ行く…邪魔はするな…いいな…」「わ…わかった。銃は…す…捨てる」両手を挙げるジョンガリ・A。これは演技で、銃口の先にはトランスファーが配備されていた。
バッ!彼が引金を引こうとしたその時、ストーン・フリーの強力な右ストレートが顔面にめり込む。ドグシァー!
徐倫は超クールに言い放つ「別に捨てろとは一言も言ってないわ…。角度を見ていただけだもの。一番叩き込みやすいあなたの体の角度を…気に入るのは…もう少しアゴが右向いてくれた時だけ」
鼻血を流すジョンガリ・A「承太郎より先にこいつを仕留めておくんだった。最初に狙うのはこいつだった!」。「オラオラオラオラオラオラオラオラ!」ドゴドゴドゴドゴドゴ!
承太郎は薄れゆく意識の中で呟いた「徐倫の…この精神力なら…無事に生き延びる…な…」と。

※自分の心が傷つくのを恐れて、当初は父を「てめー」呼ばわりしていた徐倫。彼女はこの後、完全に過去と和解する。--“あたしの『父さん』は…あの人は…あたしが生まれる前から色んなものを守ってきた…あたしの側にいなかったのも…ママや…あたしを巻き込まない為だった…。『通じた』のよ…。今…父さんを理解出来たと体で感じる…”(72巻)。



●ミニ・コラムその8〜やっぱり親子 (注)画像は右→左読み

承太郎と徐倫やディオとジョルノは、血が繋がっている親子ゆえか口癖も似ている!

 

 
左は27巻の対ディオ戦。右は65巻の対グェス戦。徐倫は
承太郎と再会する以前から既に「オラオラ」を使っていた!
「やれやれだぜ」(14巻)と「やれやれだわ」(78巻)
この頃の父はまだ17歳で娘より2つ年下だ。こんな比較
が可能なのは約20年も続く大河作品ならではッ!

一方、ディオ親子の「ウリーィ!」。こっちの方が「オラオラ」より百年も歴史が古い。空条親子は承太郎が1970年、徐倫が1992年生まれで22歳差、ディオ親子はディオが1868年、ジョルノが1986年生まれで118歳差!



第60巻。ジョルノは父DIOと面識が
ないにもかかわらず、「ウリーィ」や
「無駄無駄」を好んで使っている!

第28巻。ジョセフの血を吸った後の
DIO。3部では「ウ」のスペルがU→Wに
変更されている。ここは試験に出やすい
のでジョジョラーは間違えないように。
第2巻。吸血鬼となったディオが
初めて血を吸った後の第一声が
「UUURRRYYY!!(ウリーィ!!)」




(シーン45)第69&70巻 エルメェスの悲憤

刑務所で徐倫と親友になったエルメェスは、わざと収監されていた。コトの始まりは3年前の事件。彼女には10歳年上の姉グロリアがいた。グロリアの夢は病に伏す父から受け継いだレストランを姉妹で経営すること。とても気立ての優しい姉だったが、ある夜ギャングの殺人現場を目撃してしまう。彼女の姿は見られなかったが、妹エルメェスを目撃された。グロリアは妹を守る為に警察に通報し保護を求めたが、数日後、見せしめとして殺されたグロリアがドブ川で発見された。その後、警察は犯人のスポーツ・マックスを逮捕したものの、証拠不十分で脱税や恐喝でしか立件できず、服役は長くて5年という判決だった。一方のエルメェスは姉に続いて父も病死、レストランも家族も全てを失った。獄中のマックスには護衛がおらず、復讐を胸に誓った彼女は仇討の好機と捉え入所したのだった。

エルメェスのスタンド『キッス』はシールの形をしたスタンド。それを貼られたモノは2つに複製され、剥がすとひとつに戻る。ある時マックスは通路の排水管にグロリアの写真が貼られていることに気づく。驚いて写真を剥がすと背面のシールも剥がれた。エルメェスの罠だ。「思い出したようだな。グロリアのことを…それでいい、あとはお前が叫び声をあげるだけだ」「ハッ」事前に2つに増殖していた排水管が、マックスの背後からスッ飛んで来て、彼を巻き込みひとつに戻った。バチィィィィーン!「ぐあっ…!」マックスは排水管の中に押し込められた!
パイプの中で叫ぶマックス「なんだこれはッ!おい…助けろ…!てめえ、そこで何をやっている…?おい聞こえてんのか?スグにオレを外に出すんだ!」「スポーツ・マックス…まだ分からないのか…あたしが誰か?…でもゆっくり考えろ。グロリアもお前にドブに捨てられた」エルメェスはマックスに、なぜ自分が始末されるのか理解させたかった。そうでなければグロリアも浮かばれない。マックスは沈黙している「……」。やがて彼女はパイプの横のハンドルを回した。復讐の時!汚水が流れ込む。ゴボゴボゴボ。「きさまもドブの中だァーッ!悲鳴を上げてみろォォォ!スポーツ・マックスッ!」。












パイプにめり込む 尾行中のエルメェス(注・女性) 優しかったグロリア

しかし、マックスの悲鳴は聞こえない。代わりにぶつぶつと呪文のような声が聞こえる「…闇の底から甦りし者、闇と共に喜びを…」。するとエルメェスの周囲に異変が起こった。何も見えないのに、動き回る音がするのだ。「何かが来るッ!!」スパアアーン!彼女が両手で顔面を防御した瞬間、右手の人差し指の先が飛んだ!「ウォリャアアアアアーッ!」自分の周りを闇雲に殴り蹴るエルメェス。「うしゃアアアアーッ!」バサッ、バサッ、バサッ。何かが羽ばたく音だ。「これはスタンドだ!!」エルメェスは首の血管をクチバシでつままれた。キッスで上着を2枚にし、それで“何か”を包み殴りつけると、近くの工作室で“鳥の剥(はく)製”が潰れた。「!?」。ドオオーン!突然、工作室の机や椅子が引っ繰り返り、今度はもっと大きな“何か”がやって来た。「速い!」思わず天井のパイプにぶら下がるエルメェス。バギィィン!尻尾のようなものがマックスのいるパイプに当たった。“このパワー、もしかして…そこの工作室にあったワニの剥製?ひょっとしてそれなのか?見えない「死骸」が動いてるってことなのか?”。排水管から水が漏れてきた。“くそっ!破壊してパイプから出ようとしてるって事かッ!”。

「エルメェス?何してるの?」そこにやって来たのが徐倫とF・F(知能を持ったプランクトンの集合体。新生物)。「徐倫!F・F!こっちに来るなぁぁぁーッ!!」バグオォォン!F・Fの左足がもげた!徐倫はとっさにストーン・フリーを張り巡らせ結界を作る。これなら姿が見えなくても接近すれば分かるハズ。徐倫「どこだ?なぜ糸の結界が揺れて反応しない?動けばどこかに必ず触れて位置が分かるはずなんだ!」。ガリッ、ガリッ。ワニの這って来る音が背後の頭上からする!ガボァァッ!徐倫の左肩がえぐれる。叫ぶエルメェス「なにィィィィィー!しまった、“見えない死骸”には上も下も関係ない…!」。F・Fはキレた「この野郎は…あたしの左脚を喰いやがった」。そして自分からワニのいる方向へ右腕を出した。徐倫は“喰いつかれるぞ!”と制止するがF・Fは聞かない。すぐ腕に歯がめり込んだ!だがF・Fは冷静だ「そう…喰いつかれる…。それしか、やらねーもんな、こいつのする事は。ちくしょオ…だがこれでOK!」。彼女は腕を噛み切られる前にワニの口内で指先をピストルに変形させ、自分の体液を固めたF・F弾を発射した!頭部を破壊されたワニは、もんどりうって倒れる。「やったぜ…!!」。

だが安心したのも束の間。エルメェスは排水管が戦いの衝撃で裂け、そこからマックスが這出た形跡(手形)を発見した!「こっ!これはッ!」。マックスは汚水の中で既に溺死しており、いまやヤツ自身が“凶暴な見えない死骸”となって復活していた。「グロリア・コステロの妹ッ!このオレに対してッ!よくもッ!うおおおおお!」。F・Fは失った水分を補給する為に戦線を離脱。徐倫は頭上を含め全方位に結界を張った。マックスの位置を確認しハイキックをくらわせ腕をヘシ折ったが、マックスは折れた腕でなおも殴りかかってきた。吹っ飛ぶ徐倫。傷つきながらも再び結界を張ろうとする彼女。「やめろ徐倫!ヤツはあんたの敵じゃあないッ!あたし個人の問題なんだ!」「もうそんな事を言ってる次元じゃない…あたし達は…とっくの前からヤツに追い詰められていたんだ…」。

いつしか刑務所の屋内墓地まで移動しており、周囲の墓石が次々と動いていた。マックスの能力“リンプ・ビズキット”は死骸を本能のままに動かす恐怖のスタンド。「どこに何体動いているのかわからないッ!!エルメェス!ここは脱出するしかない!復讐だとかホワイトスネイクの目的を知るとかは、ここを生き延びてからだ!」脱出しようとする徐倫。だがエルメェスは逆に墓地の中央へ向かおうとする。「“復讐”…重要なのはそれだぜ…徐倫。ここのどこかに潜んでいるヤツにとっても、それは重要な言葉のはず。ヤツはパイプの中であたしに溺れさせられた。恨みを晴らしたいと…“復讐”の気持ちで、今…いっぱいのはず。このあたしに自分の牙でとどめを刺しに来るのは、必ずヤツ自身だッ!」「ま…まさかあんた!ヤツと“相討ち”を!」「“復讐”とは自分の運命への決着をつけるためにあるッ!」

ブチン!ブチン!いっせいにストーン・フリーの結界が切れ始めた。「だめだッ!下がれエルメェスッ!5…いや7体は死体が糸を切って迫っているぞッ!」やがてエルメェスの目の前の結界が切れる。「バカなッ!やめるんだッ!エルメェスゥゥーッ!」「うおおおおお!」エルメェスの肩、腕、足が次々と噛まれていく。ドバッ!ドバッ!血しぶきが舞う。“必ず…来るはずだ…このあたしのとどめを刺しに…ヤツは”。ブシュゥ!バグゥゥ!ガシュゥゥ!さらに全身から血が噴き出す。“げ…限界…だ。気が…遠のいて…いく…”。「!」気を失いかけた瞬間、ついに頭を噛む者が現れた!メリィ…メリメリ。ガボァ!エルメェスは頭皮を噛み切られてしまった!だがしかし!彼女はシールで頭部を2つにしていた!
「そこだァー!スポーツ・マックスー!」ゴバッ!殴りかかるエルメェス!だが、いくら攻撃しても敵のボディに当たらない…なぜだ!?
マックス「クク…やるだろうとよォォ…思ってたぜ…物を2つに。もうその能力は喰らわねー」。透明になっているマックスは身体と頭部を切り離し、手で持った頭部だけで攻撃していたのだ。




腕や肩に噛み付かれる ブチン!ブチン!四方から迫って来る! F・Fの返り血を浴びたワニが見えた

「終わったーッ!とどめを刺すのはこのオレだああああーッ!」勝利を確信し、合体したマックスが再び噛みに来た瞬間、エルメェスは頭部のシールを剥がした。すると、さっき噛み切られた部分がマックスの体内から出てきて、エルメェスの頭に戻った!彼女の額は割れ流血したが、これによってマックスのボディの位置が完全にわかった!「お前の位置はわかったッ!完璧にッ!どこにいるのかッ!!狙う(頭部)のはその上方!顔面のッ!正中線上ッ!!」ボグシャア!エルメェスの右ハイキックがマックスの左顔面にヒット!「アギッ!」バギバギ、ボギィッ。
「いいか…この蹴りはグロリアのぶんだ…。顔面のどこかの骨がヘシ折れたようだが、それはグロリアがお前の顔をヘシ折ったと思え…」次は左フック!「そしてこれもグロリアのぶんだッ!」バギョオォォ!「ブゴッ!あぎゃ!」たまらず亡者の背後に隠れるマックス。「また隠れるつもりか?それはもうできない。今お前に“シール”を貼って頭を2つにした」「!!」「これを剥がせばお前も元に戻る。そして次のもグロリアのぶんだ。その次の次のも。その次の次の次のも…。その次の次の次の次のも…。」震え上がるマックス。ベリィィ!シールを剥がすと手元にあったヤツの頭部に逃げたマックスが引き寄せられてきた!「次の!次も!グロリアのぶんだあああーッ!これも!これも!これも!これも!これも!これも!これも!これも!これも!」ドゴドゴドゴドゴドゴ!タコ殴りにされ細切れになっていくマックス。やがて蒸発し、スタンドの消滅で亡者達も消えた。激闘に決着がついた。




「これも!これも!これも!これも!これも!」 強烈な左フック!!

エルメェスと徐倫の視線が合う。エルメェスは凄まじい出血のまま、かろうじて立っていた。とたんに彼女の瞳から涙が流れ落ちる。「なんか…急に涙が出て来て…。思いっきりさぁ、あんたのとこで泣きたいんだけれど…そんな時間…泣いてる余裕なんてないかもしれない」。エルメェスは気を失った。徐倫は彼女を抱きかかえて叫ぶ「F・Fゥゥーッ!どこにいるッ!手当てをッ!急いでくれーッ!!誰かーッ!!」。
エルメェス・コステロの復讐は終わった。

3年越しの復讐が終わった 「なんか…急に涙が出て来て…」 無言で見つめあう2人



●ミニ・コラムその9〜エルメェス“兄貴”の世界

エルメェスは仁義に厚く、その威勢の良い“男ぶり”から、女性キャラにも関らず「兄貴」と呼ばれている。
このコラムではイカした兄貴の勇姿を集めてみた。


最期の断末魔をあげる
敵を蹴り上げ「邪魔だッ!
どきやがれーッ!」(67巻)
過激な兄貴に徐倫が
思わず「ちょっと待って
エルメェス!」(67巻)
兄貴は陰口が大嫌い。「うるせーぞ
ハナくそッ!人の話に聞き耳立てて
見下してんじゃあねーッ!」(64巻)




カナベラル道路脇の巨大なワニに
「ゲロっ吐き野郎」「バーカバーカ」
(79巻)
エルメェスにフラれて、死のうとする
サンダー・マックイイーン。このエピソ
ードの兄貴はモテモテだった(66巻)
姿を現したリキエル
に吠える!(76巻)




●ミニ・コラムその10〜徐倫、かく成長せり (注)画像は右→左読み

65巻(ストーン・オーシャン2巻)で、まだ刑務所に入所して間もない頃の徐倫は、電話待ちの順番を抜かされて“ママの声を聞きたい”と涙をにじませていた。






「電話したい…声を聞きたい…ママの声を…泣きたくなってきた…」 30分も並んだのに…

しかし、70巻で懲罰房棟(独房)に放り込まれた徐倫は、強靭な精神力で読者を圧倒する。懲罰房棟はプッツン系の凶悪犯がいっぱい。徐倫は卑猥で下品な言葉を浴びせかけられ、ウン○を格子窓から投げ込まれたり、1日1回の食事にムカデやゴキちゃんが混じっていたりと過酷な目に遭うんだけど、彼女はへこたれないばかりか“もっと強くなる”と胸に誓う。ここまでタフなキャラは、少女漫画はもちろん、少年漫画の男性主人公でもあまりいないだろう。
「この場所であってはならないのは…『精神力』の消耗だ…くだらないストレス!それに伴う『体力』へのダメージ…!!あたしはこの『厳正懲罰隔離房(ウルトラ・セキュリティ・ハウスユニット)』で!!『やるべき目的』(※父のDISCを取り戻すこと)があるッ!必ずやり遂げてやる…そのためには…!くだらない消耗があってはならないッ!いや…逆にもっと強くなってやるッ!」









関係ない!「逆にもっと強くなって
やるッ!」体力をつける為に喰らう!
周囲の雑音を無視して我が道を往け!
貴重な1日1回の食事に
ゴキちゃんたちが…

くだらないストレスで
精神力や体力を消耗
してはならない!
独房初日。男囚たちが
「女が来た」とアホ全開で
扉を「ガンガン」叩いている



(シーン46)第74巻 F・Fとの別れ (注)画像は右→左読み

F・F(フー・ファイターズ)の死を語る前に、まず徐倫とF・Fの出会いを語らねば。F・Fはプランクトンの集合体。プッチ神父がスタンド・ディスクで知能を与えた新生物だ。プッチは自分に都合のいい情報だけを与えて、所内農場の納屋(ディスク保管庫)の番人にさせ、現場に近づく者を何人も始末させていた。
承太郎の記憶ディスクを追っていた徐倫とエルメェスもF・Fに殺されそうになる。F・Fはプランクトンゆえ、水辺だけでなく“人体の内部”にも、水分があればどこにでも移動できる強敵。だが、逆に水分がない場所では定期的に水を補給せねば干からびてしまう生物だった。徐倫達とF・Fは互いの裏の裏を読み合う壮絶なバトルを繰り広げ、ついにF・Fの体から水分を奪って瀕死の状態に追い込む。しかしトドメを刺そうとしたエルメェスを、徐倫は制止して水を与えた。「徐倫、なにやってんだアーッ!」「水をあげるわ…なんていうか…助けるのよ」「助けるだとォ〜!こいつは人間じゃあねぇーッ!」「人間じゃないならさぁー、逆に罪はないんじゃねーのォーッ!」。プッチに利用されていただけで罪はない、とF・Fをかばう徐倫。その後、F・Fは事故で死んだ女囚の身体を借りて徐倫の前に現れ「あたしはあんたを守りたい」と、頼もしい仲間になってくれた。
※この66巻と67巻にまたがって描かれたF・F戦はチェスのような頭脳戦の名バトル。ぜひ単行本を買って読もう!





強敵ほど味方になった時は心強い 「なんていうか…助けるのよ」 それでも水をあげる 登場時は恐怖の殺戮マシーン

徐倫&アナスイ(男囚。徐倫に惚れている)は遠隔操作型スタンド“ヨーヨーマッ”と戦い、F・Fは本体のDアンGを叩くべく別行動をとる(エルメェスはマックス戦で重傷、入院中)。
DアンGを追い詰めF・F銃(指先から体液を高速で発射して相手を撃ち抜く指銃)で狙いを定めた時、それまで謎だったホワイトスネイクの正体・プッチ神父が姿を現す。DIOの骨から再生した“緑色の赤ん坊”をDアンGは懲罰房棟で目撃しており、プッチは詳しい話が聞きたかった。

ここで作者の解説が入る--「F・Fが最も恐れる事…それは自分の『知性』が消失する事であった。徐倫と農場で出会ってからは…その後の事はなんでも覚えている。刑務所の公衆電話の変な落書きだとか、ベッドの毛布やゴミの匂い、扉の開閉の音やトイレの音…徐倫たちと世間話をし…足の指の形が変だと言って笑った事…全て記憶している…。だが農場以前のことは…ただ命令に従い…理由も知らないまま、ホワイトスネイクの“DISC”をひたすら守る…あの場所で何年間も生活したはずなのに…ある記憶はそれだけだ…機械のような記憶。生きるという事はきっと『思い出』を作る事なのだ…F・Fはそう悟っていた---。それを失うこと…それだけが怖い。(略)いい『思い出』が人間のエネルギーであり、それが細胞に勇気を与えてくれるのは間違いない。以前はなかった感覚だが今はある!それが『知性』なのだ!F・Fはそう悟っていた」。

プッチはF・Fに接近しつつ問いかける「私とDアンGのどちらを優先して倒すのか」。F・Fは一瞬迷った後、徐倫を救う為にDアンGを射撃。「一瞬考えたなッ!!その『差』が命とりだぁぁぁ!」ホワイトスネイクは手刀で弾道を逸らし、続けてF・Fの頭部を殴りつけた。F・Fのディスクがあらわになる。「お前に“知性”と“能力”を与えたのはこの私だ!返してもらうぞ…」。ディスクを引き抜かれそうになったF・Fは銃を自分のコメカミに当てた“徐倫のことを考えると勇気が湧いてくる。これこそが『思い出』なんだ…これが『知性』なんだ”。バゴアァン!
F・Fが撃ち抜いた自身の頭部から血液が飛び散り、DアンGの体に降り注ぐ。人間の肉体を失ったF・Fは素早くDアンGの体内に入った。「ホ…ホバッ、ホバィト、スネェェェ〜」ゴァパァァァン。DアンGは破裂。一方、F・Fも空気中にスタンドの姿がむき出しになった。

徐倫は400m離れた湿地帯にいる。「何分持つ?この露出した体で30秒か?それとも1分?水がいるッ!何としても徐倫と合流して神父がホワイトスネイクという事を知らせなくてはッ!」上半身だけになったF・Fは約20m先の水道に向かうがプッチに阻まれる。
「君は見たのか?奥の懲罰房で…何(赤ん坊)が生れたのかを。それは美しかったか?」「何を思ったかなぁ…えーと、えーと」「ハッ!ホワイトスネイク、後を見ろッ!」F・Fの下半身が水道にたどり着いていた!勝利の笑みを浮かべるF・F「やったぜ…体を分裂させて向こうに頭脳を移しておいた。脚が“司令塔”だ。これで水は手に入れたぜ」。「頭脳だと?プランクトンごときが私に向かって得意顔に解説を入れるんじゃあないッ!」ボゴア!ボォシュ!水を補給した途端、なぜかF・Fの体が崩れていく!「うおおおっ!こ…これはッ!ま…まさかッ!ぜ…全身がッ!こ…この“水道”はッ!な…なんだとッ!」「熱湯だ…地球上の水棲生物が生息可能な最高水温は32度以下らしい」。プッチは水を熱湯にするスタンドDISCをF・Fの体に挿し込んでいた「ううあ…うああ…徐…ゴボッ!うおああああ!徐倫ィィィイイイン!!」ドパァァーッ!F・Fの体は崩れ去った。「これでやっかいなモノはとり除いた。徐倫の居所は(F・Fの)DISCの記憶から読めばいい」。

 
なんてこった!全身が沸騰したF・F!

『ガー…応答しろ。ガーガガ…何があった…F・F…』。驚くプッチ。なんと、散ったF・Fの側に無線機が落ちている!F・Fは隠し持っていた無線機で仲間を呼んでいた!ホワイトスネイクが無線機を拾う「こ…こいつは誰だ!?」。その手に雨がポツポツ落ちてくる。『わかった…そういう事か…返事も出来ない事態というわけだな?』ゴロゴロ…雷鳴が響く。「こいつはーっ!『ウェザー・リポート』ッ!!」ザパァーッ!その瞬間、豪雨に!消滅寸前だったF・Fが少しずつ復活!体が半分になりながらも、徐倫の方へ這って行く。

「こいつッ!ウェザー・リポートに雨を降らせやがったッ!貴様を逃がすわけには行かないッ!」しかし土砂降りで前が見えず霧まで出てきた。その霧の中でF・Fは石を叩き、モールス信号でプッチの正体を伝えている。「バレた!」。…プッチは目を閉じて素数を数え始める。
※プッチはヤバくなると素数で冷静になる。「落ちつくんだ…『素数』を数えて落ちつくんだ…『素数』は1と自分の数でしか割ることのできない孤独な数字…わたしに勇気を与えてくれる。2…3…5…7…11…13…17…19」(69巻、毒蛙の中で)
「41…43…47…人が敗北する原因は…『恥』のためだ。人は『恥』のために死ぬ。あのときああすれば良かったとか、なぜ自分はあんな事をしてしまったのかと後悔する。『恥』のために人は弱り果て敗北していく」。

合流したF・Fとウェザーは懲罰房棟屋外の湿地帯で徐倫&アナスイと再会する。互いの無事を喜び、しばしの休息。そして悲劇は突然起きた。ズパアアアン!ウェザーの右腕がアナスイの背中を貫き、左腕はF・Fの顔面を打ち砕いたのだ。一瞬の出来事に茫然とする徐倫にウェザーの左フックが入り、彼女は吹っ飛んだ。口から血を吐くアナスイ「だ…誰を連れて来たんだ?F・F…」。ボロボロのF・F「まさか…まさかーッ!ウェザーじゃない!こいつは!こいつはッ!」。ウェザーの姿がホワイトスネイクに変わっていく。精神攻撃を得意とするホワイトスネイクが見せたウェザーの幻覚だった!(本物のウェザーはまだF・Fと合流していなかった)



倒れる3人!プッチ恐るべし! 「まさか…こんな…!」 胸を貫通!「誰を連れて来たんだ?」

「案内してくれて礼を言うぞ“フー・ファイターズ”。本物の“ウェザー・リポート”が追いつく前に…ここに来れた事をな」。アナスイ、F・F、徐倫、全員が同時に地面へ崩れた「101、103、107、素数は誰にも砕けない。長かったな…22年間」。プッチは徐倫を睨む「立て!承太郎の娘!君だけは一瞬早く急所へのダメージを防御していたな」。ドドドドド。「来ないのなら…こちらから向かわせてもらうッ!」プッチが足を踏み込んだ瞬間、右腕にストーンフリーが絡みつき手錠に変形した。手錠の先は徐倫の右腕に繋がっている。至近距離での戦い、つまり“手錠デスマッチ”に持ち込もうというのだ「お前から奪うべきものは3つ!『父の記憶』と!今F・Fから盗った『DISC』と!お前の『生命』だ!」。

ガシィィーン。鎖を引っ張りハイキックから連続パンチへ「オラオラオラオラオラ!」「ウオシャアアアア!」。徐倫は巧みに鎖をプッチの腕に巻きつけダメージを与える。左手から血を流すプッチ。「手錠は初めてか?あたしはあんたの陰謀で刑務所に来てから毎日のようにされている…」。「フン。果たして捕まっているのはどっちなのかな?」徐倫はプッチに触れたことでスタンドがDISCになり額から見えていた。「もはやユルユルで取り出せるぞ!額のDISCを守りながらどう戦うというのだ!」




徐倫「オラオラオラオラ!」 荒木先生のペンが唸る! 手錠デスマッチだ!

「ウリャアア!!」プッチは爪に十字架のペンダントを刺してリーチを伸ばし、パンチをギリギリでかわす徐倫の額に触れた。ズズ…。額からこぼれ落ちそうになったDISCが徐倫の視界を塞ぐ。「もらったッ!」プッチはトドメを刺すべく脳天へ手刀を落とした!「オラオラオラオラオラ!」「グハァ!!うおおおおお!」徐倫のオラオラ・ラッシュがプッチに直撃!“「目隠し」したのに…なぜ(場所が)わかった?繋いだこの手錠の振動の感触か!?ち…違う…凄みだ…こ…こいつ凄みで!私の攻撃を探知したんだ…。まずいッ!ホワイトスネイクはこいつとの戦いに向いていない…!!”。パワーとスピードでストーン・フリーに劣ることを察知したプッチは、咄嗟に承太郎の記憶DISCをアナスイの体に投げ入れた。

徐倫のオラオラが止まる「今投げたものは何だ!」。プッチは“死にゆく者の体内に入ったDISCは肉体が死ねば破壊される”ことを告げる。「どうするね?DISCを取りに行くか?この手錠デスマッチをまだ続けるのか!?」。承太郎のDISCは朽ち始めている。だが、もう一押しでプッチを倒せるところまで来ている!「空条徐倫ッ!もはや究極の選択ではないだろう!死に行くアナスイに引きずられてお前の父親が朽ちて行ってるんだぞッ!」「うおああああああ!」徐倫は手錠を解除してアナスイの元へ!「勝ったッ!やはり父親を選んだ!」プッチはこの隙に“緑色の赤ん坊(DIOの分身)”と融合し姿を消した。





追い詰めたのに! 喉元に承太郎のDISC! 「こいつ凄みで!」 DISCで前が見えないッ!

徐倫はアナスイの体から必死で父のDISCを抜き出そうとしたが一歩遅かった。DISCはアナスイの体内にズブズブと沈み込み取り出すことが出来なかった。「そ…そんな…こんなことが…バカな…そんな…だ…誰か!」青ざめて周囲を見渡すが湿地帯には誰一人いない。ただ風が吹くだけ。思わず立ち上がり絶叫する「近くに誰かいないのッ!だ…誰かッ!看守ッ!ここにいるわッ!医者が必要よッ!」。
F・Fは大半が蒸発。アナスイは血まみれで白目をむいている。彼は薄れゆく意識の中で呟く“聞こえ…るか?…おい…聞こえるか?F…F”。シューシュー。F・Fは蒸発音しかしない。徐倫は悲痛な叫びをあげている。“徐倫が悲しんでるぞ…ええ?…聞いてんのか?F・F…。いいか…良く聞け…残っているオレの知性と生命を全部お前にやる…徐倫のためにDISCを取り出せ!プランクトンのお前にしか出来ないッ!”。※アナスイはF・Fをずっと「プランクトン野郎」と馬鹿にしていたので、この「お前にしか出来ない」は実に胸を打つ。



「おい…徐倫が悲しんでるぞ…」 瀕死の彼。F・Fも蒸発寸前 周囲は360度、誰もいない…

F・Fの反応はない。“答えろよF・Fッ!お前が生きろッ!オレの体に何をしてもかまわないッ!もたもたするなッ!オレの意識が!消えていく…”。アナスイの血がF・Fの傍に流れていく。ブワアァ。F・Fがアナスイに入った!続いてアナスイの胸から承太郎のDISCが放出されていく。これに気付いた徐倫は驚き、そしてアナスイの体から魂が立ち昇るのを見て絶句する。F・Fはアナスイの体を彼に返し、自身の死を受け入れた。

「F・F、あなたなの?」「あたしの一番怖い事は…友達に“さよなら”を言う事すら考えられなくなる事だった。でも…最後の最後に…それを考えることが出来た」「な…なに言い出すのよ、え…F・F!!」F・Fは最後の力を使ってアナスイの傷を埋めたという。「さよなら…徐倫」「なに言ってるのよッ!バ…バカな事を!!」「あたしを見て徐倫。これがあたしの『魂』…これがあたしの『知性』…あたしは生きていた」「神父からあんたのDISC(フー・ファイターズ)を必ず取り戻すッ!そうすれば甦れるッ!!」「それはきっと別のフー・ファイターズ。あたしじゃあないと思う」。たとえ徐倫がF・FのDISCを他のプランクトンに与えても、それは別の存在なのだ。「これがあたしなの。さよならを言うあたしなのよ。最後にさよならが言えて良かった…徐倫。これでいい徐倫。これで…いいのよ」。F・Fは“一番怖い事”を阻止した事を喜びながら静かに消滅していく。ビュウウ。一陣の風が起きると、もうそこにはF・Fの魂はなかった。静寂。一人たたずむ徐倫「F・F…」。




F・Fは風に溶けた 別れの言葉を言えるのも生きた証 「あたしは生きていた」


●F・F追悼〜69巻のこのF・Fが好き!

“他人から認められたいなら自分を変える事が大切”こう思ったF・Fは、まず
好みの食べ物から変えていこうとする。パンを食べたい時はライス、コーヒーを
飲みたい時は紅茶を選ぶというように。で、徐倫にポークの逆を尋ねる。


徐倫「ブタの逆?チキンとかビーフとか?」
食堂の女「ブタの逆はシャケだぜ。ブタはゴロゴロした
生活だが、シャケは流れに逆らって川をのぼるッ!」
F・F「気に入ったーッ!!」
この時の痛快といわんばかりのF・Fの表情がめっさ良い!!



●ミニ・コラムその11〜「俺の心は俺のモノ」ボスに反抗する男たち (注)画像は右→左読み

ジョジョの大きな魅力のひとつに、個性的な敵キャラの存在がある。ボスに絶対の忠誠を誓っている者もいれば、あわよくば寝首を掻こうと企む者もいる。ここでは敵が反逆心を口にした場面を幾つか紹介しようッ!

【ホル・ホース→DIO/22巻】
(ホースの独白)「俺は強い方につくだけの男!心の底からてめーにゃあ忠誠を誓ってねーぜ!魂までは売らねえ!チクショーッ!おめー本当に強いのかッ!背後がスキだらけだぜ!肉体がまだ思うように動かせねえんじゃあねーのか!考えてみればジョースターたち4人と闘うより、こいつは今たったひとり!いっそのこと俺がここでこの野郎の頭をコッパみじんに吹っ飛ばした方が簡単にケリがつくぞ。(DIOの)財宝も俺のものだーッ!引き金をちょっと引くだけだッ!一瞬で終わりさッ!接近での暗殺こそ『皇帝(エンペラー)』の独壇場ッ!俺ならやれるッ!やれるぞッ!ブッ殺してやるッ!脳みそ床にブチまけやがれ、DIOさんよーッ!」


「脳みそ床にブチまけやがれ、DIOさん
よーッ!」帝王のことを“DIOさん”なんて
呼んじゃうのは、この男だけッ!!
“あの”DIOを暗殺しようとしたホル・ホースは、その
ヒョウヒョウとした性格でジョジョ屈指の人気キャラ。
※それにしても効果音の「メギャアーン」がスゴイ(笑)

【ホルマジオ→ナランチャに/51巻】
「“仲間”だとか“女”を守るだとかよォーッ、そんな『次元』の話をしてんじゃあねえぞ、ナランチャ…。ボスを倒せば何百億って利益を生む『麻薬のナワバリ』を手に入れる話をしてんだ〜。『何百億』だぜ…何人死んだってちっとも変じゃあねえ金額だ。オレたち(暗殺チーム)が手に入れるッ!もう後には引けねえェ〜!」(51巻)

すでに2人殺られている
「もう後には引けねえェ!」
ボスを暗殺して組織をのっとるぜ〜!
※ちなみにナランチャは小さくされて踏まれている(汗)

【リゾット/59巻】
(ドッピオ=ディアボロに)「オレはお前がボスから最も信頼されている側近の部下だとばかり思っていたッ!だがお前が…!!まさかお前がッ!楽しみだぞッ!お前がこのまま死んだ後!どんな顔になって死ぬかが楽しみだッ!勝ッた!!頭を切りとばすッ!とどめだ!くらえ『メタリカ』ッ!」(59巻)









「勝っていた…オレは勝っていたのに…」
(エアロスミスが…あうう…)
ブチャ・チーム6人が総力戦で対決した
ボスを、リゾットはただ一人で倒す勢い
さすがは暗殺チームのリーダー!
ボスをトコトン追い詰めた!

【チョコラータ/61巻】
「いいかセッコ…オレたちは無敵だ。強者は弱い奴らを支配してもいい資格があるのだ。いや…他人を支配しなくてはならない宿命が強い者にはあるのだ…。たとえそれがボスだろうとな…。私はこの闘いで…ついでにボスも乗り越えるつもりだ…」(61巻)

“ボス越え”を「ついでに」というあたり、
チョコの大物ぶりが伝わるセリフだ
ケータイでチョコの留守番メッセージを
聞いているセッコ。「オレたちは無敵だ」

【ラング・ラングラー/69巻】
「『ジャンピン・ジャック・フラッシュ』。最高だな。どんなヤツだろうと負ける気がしない。この刑務所に入って良かった…。ここで身につけたこの『能力』…この世でオレに出来ない事はないかもしれん。オレの未来はバラ色だ。正体さえ分かれば『ホワイトスネイク』だってその気になれば倒せるぜ…このオレがなあああああ」(69巻)






徐倫の仲間に
なってやれよ…
無重力空間を作るラングラー。ウェザー
と徐倫を窮地に追い込んだ強敵
「DISCのためにあんた敵を増やして
いるな…」プッチを“あんた”呼ばわり

【ヴェルサス/77巻】
「オレは今!これまでのわけの分からない人生の意味がはっきりと分かった!能力『アンダー・ワールド』!!だが…コントロールできる今…だからといって…それはこのプッチ神父のおかげだから感謝しろというのか?違う…!!オレにはもともと父親DIOの血が流れているのだ。神父…!!お前が一体どれだけ偉いというのだ?なんだったらお前もあの(墜落する)飛行機に乗せてやろうか?」(77巻)






「何だったらお前もあの飛行機に乗せてやろうか?」
この言い回し、めっさカッコイイ!(神父は左前方)
ずっとヘトヘトの人生を歩んできたヴェルサスだが、DIOの
血で誇りを取り戻す「オレには父親DIOの血が流れている」

もし彼らと対立せず協力しあえたら、主人公チームはもっと楽に敵ボスを倒せたのに…!特にリゾットは、勝っていたらブチャ・チームの以降の悲劇は起きなかったかも知れないって考えると…グッスン。



●ミニ・コラムその12〜その時ジョルノは?

プッチと一体化したDIOの生命力に引き寄せられてヴェルサス、リキエル、ウンガロという3人のDIOの息子がフロリダに集まったが、76巻にあるリキエルの解説文には以下の衝撃的な5行が記されていた!
   
ハチョー!ジョルノがフロリダにいた可能性があるって!?ディアボロを倒して10年が経ったジョルノ…見てみたい!っていうか、もしジョルノと徐倫が出会っていたら、黄金の精神が反応して速攻で味方になっていただろう。そして彼の『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』でプッチの行動をゼロに戻して勝利していたハズ!また、彼が亀を持参していれば承太郎とポルナレフ(トホホ状態だけど)の再会もあった。う〜む、妄想は果てしなく広がっていく。



●ミニ・コラムその13〜このコンビならきっと上手くいく

ジョジョは大長編ゆえに口癖や行動、ルックスが似ているキャラが時々いる。男女の場合、ベスト・カップルに認定したくなっちゃう(笑)。色々と組合わせはあると思うけど、ここでは気になる3チームをピックアップしてみた。
64巻のグェス 60巻のチョコラータ
この2人は口癖だけでなく首の角度まで全く同じ!まさに最凶カップル






SBR1巻/スティール氏 67巻/F・F 54巻/アバッキオ 70巻/スポーツ・マックス 74巻/ミューミュー
研究家の間では「チーム・カリメロ」と呼ばれている3人! 色違いの“フシギ眉毛”のお2人さん(笑)



(シーン47)第78&79巻 さらばウェザー

1972年6月5日アメリカ南部。深夜に某町の産院で、双子のプッチ(兄)とウェザー(弟)が産まれた。しかしその夜に一人の女性が自分の死産した赤ん坊とウェザーをすり替える。プッチは少年時代に母親から“死んだ”弟のことを聞かされ“なぜ同じ日に産まれたのに運命は自分ではなく弟を選んだのか、なぜ人に幸福と不幸があるのか、真の幸福とは何なのか”と考えるようになり、やがて神学校の学生となった。
16歳のプッチが教会の懺悔室を掃除していたある日、女性が涙を流して懺悔を始めた「神父様聞いて下さい、私は病に冒されて先が長くありません」。プッチはまだ学生であり、神父を呼びに行こうとしたが、彼女が語り始めた“人生最後の懺悔”の内容を聞いて愕然とする--「私は隣町の大きな屋敷に住んでいるプッチさんという夫婦の赤ん坊を16年前にすり替えたのです。息子(ウェザー)を失うことが怖くて出生の秘密を告白できないのです」。絶句するプッチ。

ウェザーの家は貧しく、彼は放課後にジュース運びのアルバイトをして家計を助けていた。どこまでも純粋で心から正義を信じている16歳の青年。ある日、配達先のレストランで客のバッグを盗んで逃げた男に、ウェザーは缶ジュースを投げて頭に直撃させ、バッグを取り返してあげた。持ち主は14歳の美しい少女。若い2人はほどなくして恋に落ちた。ペルラ・プッチ…それがこの少女の名前だった。

プッチが教会で衝撃的な懺悔を聞いて2ヶ月が経った。彼は両親に事実を話すべきかどうか思い悩んでいる。聖職者には、懺悔室の会話は絶対に他言してはならぬという掟があったからだ。しかし事態は急変する。ペルラが嬉々として自分の恋を話したからだ「パパとママには言わないで…ボーイフレンドが出来たの…知り合って2週間。すごく好き…。心が通じてるの…」。あまりに妹が夢中なので、“どんな男なんだろう”と調べ始めたプッチは、彼氏がウェザーと知って驚愕する。“弟と妹がッ!”世界中でこの事を知っているのはプッチだけだ。彼は誓う「妹を傷つける事だけは絶対に避けなくてはならないッ!」。






大切な妹が!
彼女を守らねば!
ペルラはドッキドキ

悪党に缶ジュースを
直撃、失神させる
この“すり替え”が
全ての始まりだった

プッチは町の“なんでも屋”の私立探偵に金を渡す。「あなたにして欲しい事は2つ。『何も質問しない事』『この2人を別れさす事』、それだけです」。ウェザーをゴロツキに脅させれば妹と別れるだろう、妹が味わうのは誰もが経験するただの失恋…そんなプッチの考えは最悪の結果を招く。その私立探偵はKKK(狂信的な白人優越主義者)の一員であり、ウェザーの母親が黒人と結婚していたことをつきとめる。デートを尾行していた男は、目の前でペルラとウェザーが“おやすみのキス”をした事に逆上した「あいつはッ!肌は白く見えるが黒人の息子ッ!」。

ウェザーは白い頭巾を被った十数人のKKK(メンバーには保安官もいた)にリンチされた。彼らは酒を呑みながらウェザーをボコボコに殴り、ペルラを羽交い締めにして自分たちへのキスを迫る。ペルラがゴロツキをビンタすると、男は彼女の顔面を強烈に殴りつけて言い放った「これはお前の兄貴の依頼だ。そしてそいつ(ウェザー)を産んだ母親の家にも既に火を放って来てやったぜ」。ウェザーは吠える「うおおおおお!」。
最終的にウェザーは崖の上の木に縄で吊るされ放置された。彼にはまだかすかに脈があったが仮死状態だった。だが、ペルラは死んだと思い込み「あたしの心の中にはもう…雨が降る事さえない」と呟き崖下の湖に身を投げてウェザーの後を追った。

「やめろ…妹に向かって十字を切ることなんかやめろッ!」引き上げられたペルラの亡骸に祈りを捧げる捜索隊にプッチは叫ぶ。「ペルラに罪はない…ペルラは恋をしただけなんだ。命を返してくれるならなんでもする。呪われるべきはこの私だッ!」彼は妹を抱きしめて慟哭した。




「ペルラは恋をしただけなんだ」 事件は最悪の結末を迎える KKKのゴロツキども

この後、親友のDIO(旅をしていた)から1年前に貰った「矢」でプッチにスタンドが発現し、ウェザーも双子ゆえに影響を受けて“能力”が目覚めた。DIOは言う「失われた生命は決して元には戻らないだろう…だが君が望むなら…深く願うなら…彼女の『記憶』は手にする事はできるだろう」。プッチが心底から願ったのは妹の復活。そして、記憶をDISC化する力が彼のスタンドとなった。「生きること」は「記憶の積み重ね」であり、その意味でペルラはプッチの手で復活したのだ(“ホワイトスネイク”発現の背景にはこんな悲しみがあった)。一方、意識を取り戻したウェザーはペルラの死を知って社会への憎悪と復讐心に支配され、凶悪トンデモ・スタンド“ヘビー・ウェザー”を身につけた。

ヘビー・ウェザー。虹の形をしたこのスタンドに触れた生物は体が“カタツムリ”に変化する、という恐ろしい能力だ。ウェザー自身もなぜ“カタツムリ”かは分からない。町を壊滅させたいという憎しみの心が具現化したもの、それが人々のカタツムリ化だった。
ウェザーが自分をリンチしたゴロツキを探り当てると、相手は報復を恐れて拳銃を彼に向けた。彼は男の腕をカタツムリのように溶かして銃口を反転させ、ピストル自殺させた。復讐を果たしたウェザーはペルラの後を追う為に、そして彼女を死なせてしまった自分への怒りから自殺を試みる。だが、天候を操る彼のスタンドが無意識に生命を守って自殺できない。ピストルを持てば弾倉が水浸しになって発射せず、崖から飛び降りれば突風が吹いてクッションになり、入水すると波が起きて岸に打ち上げられるというように。死ぬ事もできないので、益々怒りが心に満ちていった。
プッチは町全体にカタツムリが溢れていくのを見てウェザーに会いに行き、その絶望の記憶をDISCにして抜き取った。ウェザーは記憶を失ったことでこの世への憎悪も消え、ヘビー・ウェザー“悪魔の虹”は収まった。1988年の出来事だ。






悲劇の「記憶」は取り出された


ゴロツキを始末、仇は討った


DIOは矢を持って世界を旅していたことから、
人間の間の「引力」を信じて、第3部で配下と
なるスタンド使いを生み出していたようだ

それから23年後の2011年。フロリダ州オーランドの街に無数の“悪魔の虹”が出現した。プッチに従うDIOの息子ヴェルサスは、次第に“プッチ越え”を考えるようになり、密かにウェザーの記憶DISCを覗いて“ヘビー・ウェザー”の存在を知る。そして、徐倫との戦闘で追い込まれた彼は、街に混乱を引き起こすことで形成逆転を狙い、プッチから奪ったウェザーの記憶DISCを彼に戻したのだ。怨嗟の思い出が戻ってヘビー・ウェザーが発動し、街は大パニックに陥った。
※既に徐倫とエルメェスは脱獄し、続けてウェザーとアナスイも脱獄している。ウェザーは39歳、アナスイは25歳。

アナスイはウェザーの胸元を掴む「てめえの仕業なのかッ!?ウェザァアアアー!これは一体何してやがんだぁあああーッ!」「オレを殺すんだ…頼むぜ、アナスイ」「なに?」「オレは自分では自殺できない…オレを殺せばスタンドは止まるだろう。カタツムリ化する者に対し気の毒に思う気持もあるが、何かスカッとする気持も心の底にはあるんだ。オレは自分の人生を呪っている。自分でも止められない。プッチはオレが殺る!そして終わったらオレを殺せ…いいな」。ウェザーは、ペルラ、徐倫と承太郎、FF、全てのことを含めてプッチと最終決着をつもりだ。

ドバシャ!次の瞬間、ホワイトスネイクの攻撃でウェザーの右足半分が切断された!プッチはヘビー・ウェザー発動中にもかかわらず、ウェザーのすぐ側まで接近していたのだ!プッチは盲目の老女がカタツムリ化せずに平気で道を歩いているのを見て、一連の現象が“視覚”から来るものと悟り、自分の視覚をDISCにして抜き取っていた。彼はスタンド使い同士なら“相手の位置は感覚で分かる”という。アナスイはプッチにカタツムリを投げつけられ、触れてしまったことでカタツムリ化していく。
※人は思い込みだけで肉体の老化を早めたり若返ったりするが、ヘビー・ウェザーは光の中にカタツムリの映像を紛れ込ませ、それをサブリミナル(潜在意識)効果として見せることで、自身をカタツムリの仲間と脳の中枢で信じ込ませてしまう。また、虹に接触しなくてもカタツムリに触れると同化すると“思い込まされ”てしまう。

ゴホァッ!アナスイのダイバーダウンがウェザーの肉体に潜行し、失われた足の代わりとなった。立ち上がったウェザーのパンチが唸る。「うぐっ!」プッチは防御するが、“ウェザー・リポート”のパンチは風をまとっており、風圧で全身を吹き飛ばされた。アナスイはウェザーに叫ぶ「神父のスタンドはパワー型じゃない!至近距離ではお前の風圧の方が上だ!」。プッチは不利と見るや手元のガラス片で太陽光をアナスイに反射させ、一気にカタツムリ化を進めた。ダイバーダウンは消えウェザーは転倒。プッチは“もう一本もらっておく”とウェザーの右足も切断した「もう決して立つな」。
なおも攻撃しようとするアナスイをプッチは一喝する「安っぽい感情で動いてるんじゃないッ!『人』は天国に行かなくてはならないッ!お前らはそれを邪魔しているんだ…!少しばかりの人間が犠牲になったからと言って…『どこへ行かれるのですか?(ドミネ・クオ・ヴァディス?)』、お前らは『磔刑(たっけい)』だーッ!!」。
※プッチは自分のスタンドの力で『天国』に人々を連れて行こうとしている。その詳細は後に明らかに。

グサッ。プッチがアナスイを始末しようと足を踏み込んだ時、何かが足の甲を貫通した。なんと、ウェザーは大量に流れた自分の血液を槍の形に吹き上げて乾燥させ、プッチの周囲にズラリと血槍の「針の山」を築いていた!プッチが倒れれば全身が貫かれる。しかもウェザーは負傷したプッチの血を集めて、首元に新しい血槍を作り始めていた。ビキィイ!「なにィ!」徐々に槍先がプッチの首に食い込んでいく!「うおおおお!」。

さらにウェザーは風圧でプッチを自分の方に引き付ける。ズルッ、ズルッ。プッチは必死で踏ん張る「こ、この風圧!くっ…こいつのパワー射程の外に逃れなくては!一撃かわすだけだ…!かわせば既にウェザーの体力は限界のはずッ!」。プッチは地面の血槍をパンチで砕いた「貴様の血槍でも引き寄せてろッ!」。宙に舞った数本の血槍が風圧でウェザーに向かう。アナスイ「悪あがきだッ!そんな攻撃、なんなくかわせるッ!」。“そう…当然かわす”、かわした時に風圧の方向が変わる、その一瞬にプッチは反撃するつもりだ。

ドスドスドス!ウェザーの体に次々と血槍が突き刺さった!ドバッ!ウェザーは逃げずにわざと槍を受け、返り血を空中で固めてプッチと自分を繋げた!「…掴んだぜ。ついにお前をな」「ああっ」。ウェザーはプッチを引っ張りパンチを叩き込む!「うりゃぁああああ!」。ズドッ!ドゴオッ!左右のパンチがプッチのボディにめり込んだ!地面に仰向けに崩れるプッチ。アナスイ「ウェザーが…!ウェザーが神父を仕留めた!」。


返り血を凝固させ完全に捉える

血が喉元で血槍に!

周囲は血槍。“視覚”を
封じておりヘタに動けない
「オレを殺すんだ…頼むぜ」


「よ…よすんだウェザー。刑務所でお前を始末するつもりなら、いつだって出来たのだ。だが…いつかお前を救えると思ったから…『記憶』だけを奪っておいたのだ。これは私の都合の良い命乞いなんかではない。11…13…素数…17…」「お前は…自分が『悪』だと気付いていない…最もドス黒い『悪』だ…」。アナスイは息を呑む「神父の!あの絶望に怯えている顔ッ!」「19…や…やめろウェザー!お前は間違っているお前は私が生かしておいてやったのだッ!」「とどめだッ!エンリコ・プッチ!」ウェザーは倒れているプッチの顔面へ、威力MAXの風圧パンチを叩き込む!グオオオオ!

ドグオォォオ!そこへ車が突っ込んで来た!乗っていたのは、徐倫、エルメェス、そして敵対していたヴェルサス。全員がカタツムリ化しつつあり、“ヘビー・ウェザー”をとめにきたのだ。ハンドルをヴェルサスが握っていたが、ウェザーが地面に築いた血槍でパンク、スピンして路肩の車と激しく衝突した。中にいた徐倫たちは無事だったが、一瞬車に気を取られたウェザーの胸を、ホワイトスネイクの左腕が“貫通”した!(プッチは車が“見えない”分、ウェザーに集中していた)。ドドドドド。プッチ「ハァ、ハァ、運命は…味方してくれた。そうでなければ私は敗れていた」。



なんてこった! グオオオオ!プッチの断末魔! 恐怖するプッチ

徐倫達はウェザーを呼ぶ「ウェザー!」「なぜ返事しないんだ!?ウェザーッ!」。ウェザーが起こした風の向こうにプッチの姿を見つけた徐倫は、瞬時にバトルモードに入る「ストーンフリー!」。プッチは冷静だ「残りの日々を家族や恋人と楽しんだ方がいい。私を追って来ても無駄だし、私は勝つ…君らとウェザーが啓示を見せてくれた」。アナスイも共に攻撃したが、倒したと思ったプッチは巧みにヴェルサスと入替わっていた。
懸命にウェザーを探す徐倫。エルメェスが先に気付いた「徐倫、どこにいるのか分からないのか」。アナスイは
うなだれている。ウェザーの亡骸は、徐倫の後方の歩道でうつ伏せに横たわっていた。「は、早く病院へ!」「徐倫…風は止んだんだ」。「まさか」徐倫の体が小刻みに震える。



穏やかな死に顔 歩道の端っこにいた…

アナスイが静かに口を開く「君が思い悩む必要はない。死んでいたオレの心を生き返らせてくれたものの為には命を懸けられる。ウェザーもそうだったんだ。ウェザーは刑務所を脱獄して生き返ったんだ。オレには分かる。だから彼に対してあれこれ考えるな。彼はこの数日幸福だった。ウェザーは既に救われていたんだ」。
ペルラの事件から人間という存在に絶望していたウェザーは、徐倫、エルメェス、FFたちのように気高く真っ直ぐな魂を持つ者、信じるに価する者と出会って、“誰かの役に立ちたい”という人間らしい感情を取り戻していた。
アナスイはウェザーが握り締めていたDISCを徐倫に渡す。ウェザーはホワイトスネイクに体を貫かれた時、今から死ぬというその瞬間も仲間のことを考え、敵の能力を利用して自分のスタンドをDISC化していた。かつて孤独だったウェザーは仲間を思いながら死んでいった。
徐倫は両膝をつき彼のDISCをしっかりと胸に抱きしめる--「ウェザー…もう一度…もう一度、話がしたい。
あなたと、そよ風の中で話がしたい」

※この徐倫の最後の言葉は、ジョジョ史上に残る哀切なセリフだ。ウェザーは攻撃に風を使う為、彼を取り巻く風はいつも荒々しい風だった。徐倫は戦闘とは全く関係のない、穏やかで平和な“そよ風”の中で、もう一度話がしたいと泣くんだ…。






また仲間が散った 「そよ風の中で話がしたい」 形見を両腕で抱きしめる 魂は救われていた



ジョリーンとパパ 絵 Gさん

★第6部後編に続く


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