最新文芸情報


2012.3〜4

 4月30日…ガンダムの人気メカ、“ザク”と豆腐をコラボさせた『ザクとうふ』が、大ヒットしているという。群馬の中小企業・相模屋食料が3月に発売。ザクの機体カラーに合わせて枝豆風味であり、我らオッサン世代が酒のあてに買ってるらしい。“単にザクの形をしているだけじゃん”と記事をスルーしかけたところ、ザクとうふの公式CM動画を見て、笑いながらもカッコ良さにシビレてしまった!豆腐工場がまるでジオンの基地。ベルトコンベアに豆腐が流れているだけなのに、なんでこんなにシブイのだろう(笑)。
//ガンダムと言えば、お台場に等身大ガンダムが帰ってきましたね。それも、世界初のガンダム・テーマパークとして。ただ、リンク先の写真を見ると、なんだかガンダムが実際より小さく見える。2年前に静岡で見たときは、その大きさに圧倒されたのに…。これはすぐ背後にガンダムより大きな建物があるのが原因。あの建物がガンダムの腰程度なら、逆に巨大感が写真からも伝わってきただろう。なんで背後に空が見えない場所に置いたのかなぁ。なんか残念。
//「過労運転による事故がいつ起きてもおかしくない状況で貸し切りバスが運行されている」(総務省)。長距離バスを一人で運転しちゃいかんだろ…。そこはコストカットするところじゃない。
 4月29日…チャップリン、利休、チェ・ゲバラ、伊藤若冲…これまでに国内外の様々なマイ・ヒーローを紹介してきた『あの人の人生を知ろう』コーナー。その記念すべき50人目の人物として、ロシアの文豪ドストエフスキー編をアップ!忙しくて目を通す時間がない方に、どうしても伝えたいのは、ドストエフスキーは思想犯として死刑判決を20代に受け、リアルに死の恐怖を味わった人間ということ!彼は25歳の時に『貧しき人々』で文壇に華々しくデビューしました。その作風は一貫して社会の弱者、重税に苦しむ民衆への共感に満ちています。そして、ロマノフ王朝の皇帝・貴族たちが豪華な暮らしを送る一方で、言論・思想弾圧を行うことへの怒りを持ち、身分差別や農奴制度を無くす為、社会変革の必要性を痛感するようになります。28歳の時に反体制の地下組織に入ったのですが、当局のスパイの密告によって他のメンバーと共に一斉検挙されました。そして、下された判決が死刑。
処刑当日、銃殺場には3本の柱が立てられ、ドストエフスキーと同志たち21人は、3人ずつ7列に並ばされました。ドストエフスキーは2列目です。そして今まさに銃殺が始まろうとしたその時に、皇帝の恩赦が出て処刑が中止になり、シベリアでの4年間の強制労働に減刑されました。逮捕も、死刑判決も、すべて皇帝の“寛大さ”を宣伝するためのパフォーマンスだったのです。しかし、それがいくら仕組まれていたことであったにせよ、銃殺の列に並ばされ、数分後には絶命するという極限状況を体験したことが人生に影響を与えない訳はありません(僕なら処刑場で発狂しているかも)。そんな恐怖体験をした作家は殆どいないでしょう。しかも彼は、これほど辛い目に遭っているのに、流刑生活を終えて出所した後、大人しく沈黙を守っているのではなく、兄と政治思想誌を創刊し、当局から発禁処分をくらっています。彼の徹底的ともいえる反骨精神は「ガチ」です。
こうした前半生を経て、44歳から『罪と罰』の連載をスタートし、『白痴』『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』と、世界文学史に燦然と輝く重要作品、人類の遺産といえる金字塔をいくつも生み出しました。『白痴』には処刑直前の人間の心理が次のように書かれています。「処刑前の5分間について彼は時間の割り振りをした。まず友達との別れに2分間ばかりあて、さらに2分間 をもう一度自分自身の人生を振り返る為にあて、最後の1分間はこの世の名残りに、周囲の自然風景を静かに眺める為にあてたのです」。また、中編小説『地下室の手記』には次のような会話が出てきます。「死んでやるわ」「でも、可哀想だな」「誰が?」「生命がさ」。これらは彼の人生に裏付けられた深いセリフであり、どの作品にも泣ける言葉が出てきます。黒澤監督はドストエフスキーの魅力を“尋常ではない優しさ”と語っています→「僕らが優しいといっても、例えば大変悲惨なものを見た時、目をそむけるようなそういう優しさですね。あの人(ドストエフスキー)は、その場合、目をそむけないで見ちゃう。一緒に苦しんじゃう、そういう点、人間じゃなくて神様みたいな素質を持っていると僕は思うんです」。皆さん、ぜひドストエフスキー作品を味わいましょう!
※私事ですが、このドストエフスキーの墓への巡礼が墓マイラーになるきっかけでした。当時19歳。彼の墓前で頭が感動のあまりショートし、その後四半世紀にわたってずっとショートしたまま今日に至っていマス(笑)。
 4月28日…集英社の公式サイトに、荒木先生の久々の動画が来ましたね!今年52歳とはやっぱり思えない。/

先日、ウチのチビと鬼教官の
ジョジョ立ちコラボを紹介した
ところ、読者の方が画像を
加工して、鬼教官をスタンド化
(スタープラチナ)して下さった!
画像クリックで拡大
 4月27日…美智子皇后「祠(ほこら)のようなごく小さなものでいいので、できるだけ陛下のお側に埋葬して欲しい」。陛下「それなら合葬がよいのでは」--このやり取りをきっかけに、天皇や皇后が崩御した際の埋葬方法について宮内庁が土葬から火葬に変える方向で検討している。124代全員の御陵(ごりょう、墓)を巡礼して思ったのは、多くの皇后が天皇と遠く離ればなれに埋葬されていること。陛下も一人ぼっちで天皇陵で眠るのは寂し過ぎると感じているのかも知れないし、火葬で合葬という選択肢もあっていい。この件で一部の保守論客から「土葬という伝統が破壊されるのはいかがなものか」という声があがっているので耳を疑った。なぜなら飛鳥時代(703年)に持統天皇が崩御されたときに本人の希望で火葬にされてから、1000年近くも火葬が主流だったからだ。これは仏教思想が背景にある(釈迦は火葬にされた)。土葬が復活したのは江戸時代前期の後水尾天皇崩御時で、土葬を重んじる儒学思想からきている。記録上では火葬の天皇の方が多いため、皇室の伝統は火葬といっていい。夫婦合葬についてもちゃんと前例があり、天武天皇と持統天皇(女帝)は夫婦で同じ御陵に眠っている。昭和まで天皇は神だったから御陵が巨大になったとしても、今は本人の意思を尊重していいのでは。
/現天皇・皇后両陛下は、御陵について大きさを含めて可能な限り簡素なものを希望し、埋葬方法は日本社会で一般的な火葬を望み、“喪儀”に関しても国民生活への影響を少なくしたいと述べられている。昭和天皇の御陵は総工費約26億円、香淳皇后も約18億円。日本国民が長期の不況に苦しんでいるため、こうしたことも合葬案の理由のひとつになっていると考えられる。園遊会での「(学校現場での国旗・国歌は)くれぐれも強制にならぬようにお願いします」という発言にしろ、現天皇は権威主義から最も遠いところに身を置かれているとつくづく実感
//ツイッターは著名人には諸刃の剣。出演作や趣味について語ることが出来る一方で、不特定多数の人からの心ないツイートでボロボロになる人もいる。有吉弘行さんがスゴイと思うのは、どんなイジワルなツイートが来ても、斜め45度からの変化球でサラリとかわしてしまうこと。嫌味に全力でぶつからず、ユーモアで返しちゃう。感服!
 4月26日…都立霊園の一般墓地の倍率が約8倍に達するなど、大都市での墓地不足が深刻になるなか、東京の5大霊園のひとつ、小平霊園(東村山市)で樹木の下に遺骨を共同埋葬する「樹林墓地」が都立霊園で初めて完成。直径1.5m、深さ2mの穴が27カ所あり、約1万人分の遺骨が入るという。自然に分解される素材で遺骨を包み、最終的に骨が土に還る仕組み。“自然に還りたい”と希望する人に需要があると思うし、現実的な問題として、年収200万以下の国民が1千万人を超える格差社会で、墓石だけで100〜700万円、そこに高額な土地代(都内平均約250万)、毎年の管理費が加算される現状では墓を建てることもままならない。小平の樹林墓地の使用料は粉状で持ち込みの遺骨なら4万4千円で、毎年の管理料は無料(!)なのだそうだ(元記事)。
/この件はコメントが難しい。個人のポリシーとして樹木葬を選択するならそれで良いけど、経済上の理由で樹木葬“一択”にならざるを得ないのは、時代とはいえなんとも…。僕は墓石の形から個性を感じたり(例えば岡本太郎さん)、墓に刻まれた言葉や、墓誌に記された辞世の句、知らなかった略歴などに感動したことが何度もあり、墓所で意外な血縁・交友関係を知って驚くことも多々あった。作家・詩人の墓は自筆で刻まれている場合が多く、文字から温もりを感じる。生没年だけでなく、墓域には実にたくさんの情報が詰まっている。樹木葬ではそれらがいっさいないので、巡礼者にとっては寂しいものになるなぁ(もちろん、樹木葬を選んだこと自体が既に個性の象徴であると分かってはいるんだけど…)。
//大赤字と噂のSF映画『ジョン・カーター』、僕は楽しめたけどな。近日中に感想を書きます。
 4月25日…「“売れる作品”より“残る作品”を…って思ってるんだ」(編集王13巻)。マンガ業界を舞台に、少しでも良いマンガを必死に世に送ろうとする人々の奮闘を描いた『編集王』の作者、漫画家の土田世紀さんが昨日肝硬変のため43歳で逝去。近年は『同じ月を見ている』『ギラギラ』でも人気を集めた。骨太の作品を描く土田先生が、この先50、60になってどんな作品を生み出すのか楽しみだった…。ご冥福をお祈りします。※『編集王』では以下の言葉も印象に残った。/「花がなくなっても桜は桜に変わりねえよ。人目なんか関係なく毎日黙々と生きてるのさ」/「ネクタイ締めたリングもあるぜ!」/「何が表現の自由だ!何も表現してねえじゃねえか!」/「迷いのグーは開かれ…パーになったその右手は“家庭”をこぼれ落とし…“仕事”を掴もうと開かれたものに見えた」。
//マンガ業界を描いた作品といえば、ジャンプ連載の『バクマン。』が昨日の最新号で堂々完結。『バクマン。』は“読者アンケート”の重みや、連載打ち切り作品の決定過程など、“ここまで描いていいの?”と驚くほどジャンプ編集部の内幕をリアルに描写し毎回新鮮だった。この作品は、中盤あたりから何度も“自分の作品を理想的に終わらせたい”と願う漫画家側と、“人気漫画を一週でも長く連載させたい”と望む編集部との攻防が描かれてきた。主人公のライバルは「10週連続でアンケート1位になった時の褒美」が“自分の作品を終わらせること”だった。ジャンプ編集部はドラゴンボールにしろ北斗の拳にしろ、作者が終わらせたがっているのにそれを許さず、名作をグダグダにさせてしまう前科が目立つだけに、“よくこのテーマで掲載OKが出たな”と読んでて感嘆した。物語の後半では、たとえアニメ化が決定しても物語を失速させない為にアニメ放送前に連載終了したいと願う作者側と、タイアップで利益を上げるなど“大人の事情”にこだわる企業の論理がぶつかった。こういう裏事情をジャンプで描くのはタブーと思ってただけに目からウロコ。
/少年漫画はいかに読者が主人公に感情移入できるかが重要と思うんだけど、『バクマン。』がチャレンジャーと感じたのは、主役2人が感情移入どころか“敵認定”されてもおかしくない設定だったこと。個人的に求めている主人公像は、何度も失恋を体験し、何年もヒット作が生まれず、狭いアパートでラーメンをすすりながらも夢を諦めない男。そういう人物がついに成功するからこそカタルシスがあるし、応援したくもなる。ところが『バクマン。』では、主人公の漫画家コンビは、若くして成功して貧困生活の経験はゼロ、ルックスも良く、1人が10代半ばで超可愛い子と婚約、もう1人も10代後半でハッピーな結婚。トラウマ映画『耳をすませば』ほどの破壊力はないけど系統は近い。この設定でも主人公コンビを応援したい気持ちにさせたのは、彼らの性格がめっさ良くて夢を追い続けていたから。(以下チョイバレ→)殺伐とした漫画もそれはそれで読み応えがあるけど、最後の1ページを読んだ後に“お幸せに”と読者が呟けるマンガもホッコリできて良いね。主人公のライバルたちの“その後”に一切触れずに終わったので、スピンオフがあるかも知れませんね。
/『HUNTER×HUNTER』休載、『バクマン。』完結、『ONE PIECE』は混迷。その中で『ナルト』の健闘ぶりがスゴイ。一時期、中だるみしていたけど完全に復活!カブトもどうやら単なるプッツンキャラではなく、相当ワケありの悲しい過去がある模様。
 4月24日…日本の国立天文台がハワイ島マウナケア山頂に建設した口径8.2メートルの「すばる望遠鏡」が、これまでで最も古い銀河の集団「銀河団」の観測に成功!かみのけ座の方角にあり、地球からの距離は127億2千万光年とのこと。127億年!宇宙の誕生は137億年前であり、127億年というと、ビッグバンからまだ10億年しか経ってないことにある。従来から天文学の世界では最初の星は127億年前に生まれたと言われており、今回の観測したのは星の誕生“直後”の銀河団。そんな銀河まで観測できるなんて、すごい時代になったものだ。
※最初の星が生まれるまで宇宙には水素しかなかった。星は内部で核融合反応を起こし、水素→ヘリウム→炭素→窒素→酸素と軽い元素から順に次々と生み出し宇宙に放出した。ヒトの身体は水素、炭素、窒素、酸素の4大元素で95%以上が出来ているけど、これらの元素は127億年前から星々が作ってくれている(今回「すばる望遠鏡」が観測した銀河団は、4大元素を最初に作ってくれた頃のメンバーだ!)。僕らの身体は材料が揃ってから127億年がかりで作られたもの。自分で身体をギュッて抱きしめ、127億年を感じて欲しい。
//敦賀原発2号機の真下に活断層がある可能性が“濃厚”と確認された。よくまぁ、こんな場所に建てたもの。いかに建設前の地質調査が“はじめに建設ありき”でいい加減だったか分かる。



っていうか、デジタル朝日の図表を見たら、もんじゅも美浜原発も、活断層のすぐ近くにあるんですけど…(汗)
//黄砂がすごいですね。地元の生駒山が見えない。
 4月23日…5月5日の原発全停止を前に、福井県の大飯原発再稼働を強行しようとする原発マフィアと、事故が起きれば県境を越えて大被害をこうむる滋賀・京都など近隣自治体の攻防戦が佳境に。先週、滋賀県の嘉田知事と京都府の山田知事が発表した、大飯原発再稼働をめぐる野田首相あての7つの提言が非常に素晴らしい内容だったので紹介。
(1)原発の安全性や電力の需給見通しについての判断の中立性の確保…原発推進と安全対策を同じ経産省が行うことには無理があり、早急に原子力規制庁の設置が必要。電力会社が発表した電力需給の見通しを鵜呑みにせず、専門家による第三者委員会を設けて点検すべき。
(2)透明性の確保…東電原発事故の原因や電力需給の状況についての資料など、国民の判断基準となる情報を徹底的に公開すべき。
(3)福島原発事故を踏まえた安全対策の実現…津波対策の防潮堤など恒久的な対策が行われていない段階で、事故の教訓を反映した対策がどこまで出来ているのか問題点を明らかにすべき。
(4)運転再開の緊急性の証明…事故調査が終わっていない中で原発を再稼働する緊急性が本当にあるかきちんと証明すべき。
(5)長期的な見通しの提示…『脱原発依存』実現の工程表を示し、使用済み核燃料の最終処理体制を確立するなど核燃料サイクルの見通しを立てること。
(6)事故の場合の対応の確立…福島第一原発の教訓を徹底的に踏まえた、事故時の対策を作り上げるべき。
(7)原発事故被害者の徹底的な救済と福井県に対する配慮…原発事故被害者の救済を国は電力会社に任せることなく自ら徹底すること。福井県に対して全面的な配慮を求める。
--おそらく7番目の“福井県への配慮”は、これまで危険と背中合わせに関西へ電力を供給してくれた福井の人々への感謝と、現実問題としてこの先福井が原発マネーに頼らない予算計画を立てられるよう、国にサポートを求めているのだろう(国策で進めてきたのだから)。
提言を行った理由は「今私たちが何を問題にしているのか政府に正確に伝え、京都と滋賀が意見を統一し、府民・県民への説明責任を果たすことが必要だから」(山田知事)。東電の原発事故以来、嘉田滋賀知事と山田京都知事はずっとマトモなことを言い続けていて、隣人である大阪府民の僕は本当に心強い。松井大阪知事が弱腰気味なので、余計に頼もしく見える。
//またしても京都で車の暴走事故。原付免許すら持っていない無免許運転。厳罰化しようが無茶をする奴は平気で乗るので、免許証を差し込まないとエンジンをかけられない構造に出来ないものか。(“2人死亡”ってずっと報道されているけど、お腹の7カ月の赤ちゃんも助からなかったので3人と思う…)
 4月22日…『あの人の人生を知ろう』のチャップリン編が完成!チャップリンの映画は既に多くが版権フリーになっているので、作品の魅力を語る時に各シーンを具体的に動画リンクを付けて紹介出来るので有難いデス!“喜劇王”と呼ばれ、世界の人々に笑いを与えてくれたチャーリー。でも、彼が「自由の国」アメリカを追放されたこと(赤狩りで米国の敵として認定された)を知らない人も多いので、そのあたりのことを含め色々書いています。巡礼画像も新規に追加!
※チャップリンの映画をあまり観たことがない方、初鑑賞の際に爆笑した『街の灯』のボクシング対決(約4分、相手は強敵)と、『サーカス』に出てくる綱渡りシーン(4分。途中で命綱が外れる!)、特にオススメです!
//シリア政府、まったく停戦合意を守る気配なし。国際社会の動きがにぶいのはイラクやリビアほど石油がないから?(石油埋蔵量はイラクが世界第4位、リビアが10位、シリアは31位で英国やマレーシア以下)
//佐渡のトキにひなが誕生。放鳥されてから初めての孵化。自然界では36年ぶりとのこと。無事に育って欲しいですね。
 4月21日…もうすぐ5月なのに風邪ひきで発熱。テレビ放送が終わって緊張の糸が切れたっぽい。体が休息を求めており、ちょっと休憩。
//チャイコフスキーの名曲「ピアノ協奏曲第1番」を若き日のマルタ・アルゲリッチが弾いたレア映像が日曜(22日)深夜にBSプレミアムでオンエアされます!永久保存版!
 4月20日…昨夜の『ビーバップ!ハイヒール』。いやはや、自分があんなにアタフタしていたとは!特に冒頭。「落ち着け…」と言いながらお茶を飲んでいたシーンが編集でカットされずに残っていたとは(あわや放送事故)。冒頭でテンパっていたのは、打ち合わせと全く違う始まり方やアドリブ質問の嵐に、僕の1バイトしかない脳内ハードディスクがクラッシュしたから。その後、カメラが回ってないところで共演者の皆さんが優しく励まして下さり、なんとか最後まで完走。本当に焦った。(>_<)
/約90分をかけて収録したスタジオ・トークは放送時間の関係で半分近くカットされていたので(これは仕方ない)、この日記でいくつか補足しておきますね。
/まずペンネームのくだり。“カジポン・マルコ・残月”の由来は、カジポンが本名の音読み、“マルコ”は『母をたずねて三千里』と『墓をたずねて三千里』をかけたシャレであると同時に、主人公のマルコ少年が若干9歳でイタリアからアルゼンチンに渡った勇気と行動力へのリスペクト。マルコはアルゼンチンに到着するなり有り金を盗まれており、僕は海外で地獄を見ると「マルコは9歳で頑張ったんだ!なんぞこれしき!」と踏ん張った。“残月”は文芸研究家の象徴。月は太陽の光があって初めて輝くことができるように、文芸研究家も、ミレーやゲーテ、ベートーヴェンという芸術家・作家という“太陽”がいて初めて存在できる。僕の立場は“研究させていただく”というもので、評論する気は毛頭ない。“太陽”への感謝を忘れないという意味で月。ただし、満月であれば夜道を照らすこともできるけど、僕はほとんど世間の役に立っていないので、昼間のお月さまという意味で“残月”。「願わくば人類70億人の末席に座らせて下さい…」そんな思いのペンネーム。当然ながらこの長い解説が放送で採用される訳がなく全カットでした(汗)。
/次に、日本の著名人墓のVTRの前に、「海外で一番多く訪れた墓」という質問に答える形で、4度巡礼したベートーヴェンの墓写真のフリップを用意していたんだけど、ベートーヴェンへの熱い想いが長すぎたのと、隣りに眠るシューベルトとの間に自分も眠りたいという妄想カオス発言でスタジオが凍りつき、これも全カット。
/後半でブラマヨ小杉さんが「言いたいことは最後まで全部言えーッ!」とツッコミをいれてたのは、既に番組進行に支障を来たすほどカメラを止めていたので、“この墓の解説をしたいけどこれ以上進行を遅らせては…”とモゴモゴになる場面があったから。
/ジェームス・ディーンの墓のキスマークの話題に関連して、「オスカー・ワイルドの墓は世界中で一番キスマークが多い」という話をした時に、筒井先生が「女性だけじゃなく男もキスしにくるから」とトリビアを披露。ガッテン!
/ビリー・ワイルダー監督の墓碑に刻まれた「Nobody's Perfect(完璧な人間はいない)」(by『お熱いのがお好き』)が紹介された時、CM切り替え直前に僕が挙手していたのは、監督が95歳で他界したことを伝えたかったから。単に文言が良いだけじゃなく、95歳という人生の大先輩の墓に刻まれていたことで、墓前の僕は励まされたし気持ちがすごくラクになった。r(^_^;)
/『アメトーーク』で東京のバラエティは芸人さんのギャグが事前に台本に書かれていることがあると暴露されてたけど、この番組のギャグはガチ。出演者の頭の回転がめちゃくちゃ速く、特にブラマヨ吉田さんはオンエア以外の部分にも面白いボケがいっぱい。どの角度でボールを投げても全部拾ってもらえる。吉田さんに対する小杉さんの光速ツッコミも、その瞬発力の高さはさすがM-1チャンプ!
/収録では「最後に言っておきたいことはありますか」という質問があり、「マザー・テレサやアンネ・フランク、キング牧師の墓前には様々の国籍の墓参者がいる。人間は民族や文化が違っても、相違点より共通点の方がはるかに多い。それに…」と、いつもこのサイトで語っていることを話し始めたんだけど、これも説明が長すぎて全カット!もっとコンパクトに話をまとめる訓練の必要性を痛感!
/個人的に嬉しかったのは、最後にリンゴさんが「(地味な印象のある)墓マイラーは熱いということが分かった」、収録後に筒井先生が家の墓地の場所を教えて下さり「僕が入ったら会いにおいで」と言って下さったこと。筒井先生は「(色紙は)判も押したいし持ち帰って書くわな」とすごく優しい。日本SF界のカリスマであり、近寄りがたいイメージがあったので感動も倍増。(T_T)
/バラエティで墓をテーマにするという、視聴率を度外視した内容を通して下さった番組スタッフの皆さんに心から感謝しています。ゴッホ兄弟の再現ドラマも、最後の手紙700通のくだりで涙腺決壊寸前。本当に有難うございました!!
 4月19日…『ビーバップ!ハイヒール』、関西地区はいよいよ今夜の放送!オンエア後、後日談や放送時間に入りきらずカットされた部分などの話を書きますね。緊張してまた口内炎が。もう、まな板の上の鯉、というかメダカ状態。
※番組を見て当サイトに来られた方、墓コーナーの検索には、ジャンル別の目次やアイウエオ順の目次をお使い下さいませ!m(_ _)m
 4月18日…当サイトの読者にはジョジョ立ちの鬼教官ファンも多いので、今日は最近の彼について語ってみようと思う。昨日、東京からウチに遊びに来たので、この1年間の動向をいろいろ聞き、あらためて、身長190cmという巨体だけでなく、人生そのものも“規格外”と実感。
/彼は昨年まで6年間ほど、サラリーマンを吉良吉影の如く真面目にこなす一方で、ミュージカルに出演したりしてたんだけど、30代に突入することを機に、新しいことを始めようとして昨春退職。そこにあの震災がきた。初夏まで東北でボランティアをして、次の仕事に必要な英語を学ぶ為にシンガポールに語学留学。そこで、物価の高い英国や米国じゃなくても英語を学べることを知り、インドネシア、フィジー(英語が公用語)などに語学留学し、たまに帰国しては東北や豪雨被害のあった和歌山でボランティアをしていた。そして今年に入って2カ月滞在したベトナムで、20代半ばから考えていた有機栽培農業への関心を刺激される出来事や出会いがあり、またベトナムの人々と非常にウマが合ったことから、本気でベトナムに農場を開いたり日本語学校(現地は日本語ブーム)を開こうと活発に動いている。今年の後半からベトナムに再渡航し、そっちが軌道に乗ったらミャンマー(!)に打って出るそうだ。「おいおい、ほんじゃ海外に永住するのか」「いや、日本が好きだし帰ってくるよ」「いつごろ帰国するん?」「40歳前には帰ってくるつもり」。既に農場計画に賛同して20人くらい仲間が集まっている。こういうスケールのデカい話を、気負わずに笑いながらサクッと話すのがまたヤツらしい。12年前に出会って以来、「この先どんな人生を歩むんだろう」とずっと動向を見てきたけど、礼儀正しく天衣無縫、自由奔放だけど何も他人に押し付けないという離れ技を自然体でやってのける姿に驚き続けている。僕としては絶滅危惧種としてワシントン条約で彼を国際的に保護して欲しいくらい(笑)。
/そんなこんなで、あまり日本にいないものだから、ウチの風ちゃんにまだ会ったことがなく、“日本にいる間に”と会いに来てくれた。そしてやはりジョジョ立ちに関しては“鬼教官”であり、相手が2歳児であろうと容赦なくポージングを修正。鬼指導のお陰でイッキにジョジョ立ちらしくなった。
基本のレベル1 「メタリカ!」 「WRYYYYYY!」
※ポージングの指導前と指導後の角度の変化、鬼教官の他のミニ・エピソードなどは育児ブログにアップ!
※ちなみに今年は僕と鬼教官が友人を相手に初めてジョジョ立ち教室を開いてから10年目になる(そして来年が渋谷や大阪城イベントの10周年)。ジョジョ連載25周年であり、墓マイラー歴も25周年という、いろんなものが重なった年だ。
 4月17日…先月、掲示板で読者のシープマンさんやtmさんが紹介して下さったオーストラリア出身のギタリスト、トミー・エマニュエル(現在56歳)の音色が素晴らしくて聴き入ってます。トミーはホント気持ちよさそうに弾いていて、こんなふうに自由自在に音を出せたら最高に楽しいだろうなぁ。YouTubeにはたくさんの演奏動画があがっていて、弦をガンガンかき鳴らす『Guitar Boogie & Stevie's Blues』(6分29秒)、豪州の原住民の儀式をギター1本で再現した『Initiation(イニシエーション)』(約8分、ギターをパーカッションのように叩いている!)に感嘆。“ハワイのジミヘン”と讃えられるスーパー・ウクレレ演奏者ジェイク・シマブクロとビートルズ・ナンバーを演奏した『While My Guitar Gently Weeps』(2分52秒)にもシビレた。短い曲だけど1分を過ぎたあたりからラストまでの盛り上がり方が尋常じない!※シープマンさんが立てた「ロックギターよりロックなアコギ動画」という題のスレッドに大量の楽曲リンクがあります!
//18日21時からBSプレミアムで放送される『極上美の饗宴』。17世紀にローマのサンティニャツィオ教会に描かれたアンドレア・ポッツォ(1642-1709)の天井画がスゴ過ぎる。「世界初の3D」といわれるこの天井画、どこからが建物で、どこからが絵か分からない!
 
マジで大勢の人物が空中に浮いているように見える!(グーグル画像集
 4月16日…国内の主要美術館の年間スケジュールを総チェックし、『2012年おすすめ展覧会』コーナーをアップ!今年度にチョイスした展覧会は24本。雪舟筆「山水長巻」が出るほか(『大名文化の精粋』)、海外に流失した日本美術の里帰りがあり(『ボストン美術館展』)、ゴッホの「糸杉」も来日する(『メトロポリタン美術館展』)。アニバーサリー・イヤーである「ジョジョ」「ベルばら」は原画展が実現!イチオシはフェルメール「真珠の耳飾りの少女」やレンブラントの自画像が展示される『マウリッツハイス美術館展』。同館の改修工事にあたり、半年間もの日本への貸し出しが実現しました。是非、鑑賞の参考に!
 4月15日…引き続き“おすすめ展覧会情報”を作成中。来年5月頃までのスケジュール(展示予告)を発表している美術館が多い中、国立新美術館、東京芸大美術館、京都国立近代美術館、奈良国立博物館の4館は、いつも半年先くらいまでしか予定を出していないので、もうちょっと情報発信の努力をするべきでは(汗)。
//琉球新報と北海道新聞が「本当に電力は不足しているのか?」という素晴らしい検証記事を掲載!
琉球新報『原発を推進したい人々が、無理に電力不足を演出している』…「日本の火力発電の稼働率は5割以下で、7割まで引き上げれば原発はゼロでも供給は足りる。なぜ不足するのか。昨夏ならまだしも、今夏は震災から1年以上たつ。火力発電の再稼働が間に合わないというのは理由にならない。原発を推進したい人々が、無理に電力不足を演出しているのではないか」「原発から出る放射性廃棄物は最終処分法が決まっていない。処分には天文学的費用を要しよう。トイレのないマンションを売り出し、“他のマンションより安い”と宣伝するようなものだ」「枝野氏は電気料金値上げも示唆した。原発が稼働した方が安いかのような言動だが、まやかしだ。今回の事故は補償と処理を完全にするなら数十兆円かかる。そうした経費を計上せずツケを後世や住民に回しておいて、安上がりと吹聴するのは無責任だ」。
●北海道新聞「ほとんどの時間は電力不足を回避できる可能性」…関西電力の公表データを分析した結果、全原発停止が続いた場合でも、夏場に足りなくなるのはトータル58時間に過ぎず(昨夏比較)、率にして2.8%だけと判明。この短時間のピーク時対応さえしっかりすれば、再稼働を急がなくて済む。
/一方、今や脱原発派の最大の敵となった“原発利権のボス”仙谷由人・民主党政調会長代行いわく「電気の足りない真っ暗な中で生活をするわけにはいかない」「原発を止めたら日本は集団自殺になってしまう」。さんざん、電力不足は真夏の数日のみ、それも24時間ではなく昼間の短時間だけといわれているのに、なんで「真っ暗な中で生活」などと大袈裟に危機を煽るのか。“集団自殺”というなら、そもそも地震大国の日本に54基もの原発が乱立していること自体が自殺行為だ。
/それにしても、大飯原発の再稼働問題は地元である関西のメディアが電力会社の嘘をもっと批判するべきであり、遠くの沖縄や北海道の新聞記事におくれを取っている場合ではないだろう。
 4月14日…おおっ!民主党の原発事故収束対策プロジェクトチーム約40人が「(再稼働の前に)冷静な判断を政府に求める」との緊急提言!民主党の国会議員は約400人いるけど、今の再稼働の動きは野田政権の発狂4閣僚(野田、枝野、細野、藤村)が無理やり押し進めているため、“たった4人の男に日本を放射能汚染の崖っぷちに追い込む権利はない”と、まともな民主党議員たちがブレーキをかけた構図だ。素晴らしい!民主にも自民にも、まだ正常な議員がいる。彼らに全力でエールを送りたい。
/…と思っていたら、前原政調会長が再稼働に慎重な原発事故収束対策チームの荒井座長に辞任を要求!理由は「政府が再稼働を決めた場合、(民主党の党員なら)これを尊重すべきだ」。アホかと。独裁政権かと。中国共産党かと。“逆らうヤツは辞めろ”って、それなら一切対策チームや第三者委員会など必要ない。野田に代表選で投票した議員だって、野田がここまで安全対策を軽視する人間とは思っておらず、だから“ちょっと待った”となってるんだろ。頼むから野田や前原は「反論者はクビ」じゃなく、反対意見の内容に耳を傾けてくれ。毎日のように“これは酷い”という原発関連のニュースが続く。この辞任要求は破廉恥極まる。
/東京新聞によると暴走4閣僚は操り人形で、原発利権のドン・仙谷由人党政調会長代行がリーダー格の通称「五人組」「チーム仙石」が“真の黒幕”とのこと。「五人組」の顔ぶれは、仙谷氏、古川元久国家戦略担当相、斎藤勁官房副長官、そして枝野、細野。この5人には1億3千万人の命がカネに見えるのか。
//2012年度の全国おすすめ展覧会情報を作成中!これがけっこう大作業。完成後、アップします!
 4月13日…昨年秋に東京で「文芸ジャンキー/ミニオフ“映画を語ろう会”」を開催したところ、好きな作品や俳優のことを喋るという、たったそれだけのことがめちゃくちゃ楽しいことを発見!隠れ名作の話など、今後の鑑賞の参考になる話題もいっぱい!その後、“西日本でも是非”という声もあったので、5月に大阪で開催します!プロジェクターが使用できる会場なので、僕が編集したアカデミー賞の名スピーチ集なども紹介したいと思います。皆で好きな映画のことをマッタリ&気さくに話しましょう♪申し込み方法など詳細はコチラにて
//オフ会関連情報をもうひとつ。掲示板の方で読者の方が、東北方面でもミニオフ会を呼びかけられています。ルーブル美術館の東北巡回展を観に行こうというアート・オフです。当サイトのオフ会は基本的に大阪で開催されるので、東北の方はなかなか参加しづらいと思います。ですから、こういう形で読者間に繋がりが出来ていくのは、管理人としてもとても嬉しいです。読者の皆さんは基本的にシャイな人が多いと思いますが、このサイトを覗いている時点で共通点が多々あると言ってよく、同好の友と語り合える良い機会ではないでしょうか。(*^v^*)
 4月12日…情報解禁の許可が出たので記します!先日、民放の教養バラエティ番組『ビーバップ!ハイヒール』の収録があり、筒井康隆先生ブラックマヨネーズさんたちに、墓巡礼の素晴らしさを語ってきました!(関西地区の放送日は4/19木曜日23:17〜)
/昨日11日に発売された『TVガイド 関西版』の77ページに番組案内が出ており、そこには「歴史上の著名人の墓参りをする“墓マイラー”という言葉を生み出した文芸研究家のカジポン・マルコ・残月氏を迎え、墓参りの魅力を紹介。ゴッホ兄弟やマリリン・モンローの墓の写真なども取り上げる」と書かれていた。
/『ビーバップ!ハイヒール』は僕がオススメ番組情報で何度も取り上げている大好きな雑学バラエティで、美味しい“駅そば”から日本史の裏話、映画の予告編トリビアやアンデルセンの人生まで、あらゆる分野の興味深い知識を毎週紹介している。番組で初めて知った、知られざる偉人の墓を訪ねたこともしばしば。番組ディレクターさんから出演依頼のメールが来たとき、「なにーッ!!」とパソコン前で立ち上がった(後ろで椅子がひっくり返った!)。
/“緊張してロレツが回らなくなるのでは”“解説が支離滅裂にならないだろうか”、そんな不安がよぎったけれど、次の3つの理由が背中をプッシュ。
(1)恩返しのチャンス。墓巡礼を続けてきたのは、感謝の言葉を故人に伝える為だけど、サイトに墓巡礼レポを書くのは、それによって一般には知名度の低い偉人(鶴彬、ビクトル・ハラ等)の存在を、1人でも多くの人に伝えたいから。その主旨で言うなら、テレビはサイトよりもっと幅広い人にこの想いが届く強力な恩返しツール。
(2)墓をテーマにした地味な内容では視聴率を期待できず、これまで“墓マイラー・カジポン”を紹介してくれたのは、すべてNHKだった。今回初めて民放バラエティのスタッフが墓巡礼を取り上げてくれ、その心意気に胸が熱くなった。“よくぞ、この企画を通して下さった!”と感謝。
(3)ぶっちゃけ、今年で45歳。信長の時代なら寿命はあと5年。緊張でどんなに赤っ恥をかいても、残り時間は知れている。20代や30代前半に感じていた“笑われたらどうしよう”“無様な姿を見せたくない”という心配はとうに消えてしまった。
/収録に要した時間は約90分。実際に番組で使用されるのはその半分。あくまでもバラエティなので、真面目な話をしている部分はカットされ、コミカルな編集になっている可能性もある。“民放バラエティ”に出るという時点で、その辺は大人の事情と腹をくくった。今回の放送では約7分に及ぶゴッホ兄弟の再現ドラマが製作され、しかも僕の要望が通って弟テオがメインになった非常に貴重なものとなった。かねてからテオの優しい心、高貴な人間性をたくさんの人に伝えたかったので、もうそれだけで番組に出演した意味があった!
/ところで、これまでテレビの仕事は墓関連で3回、ジョジョ立ち関連で2回あったけど、いつも自宅にカメラが来て撮影したり、ロケに出かけたりで、テレビ局そのものに足を踏み込んだことは皆無。局内部(朝日放送)のスタジオというのはまっこと新鮮だった!噂に聞いていた様々な業界ルールは本当だった!ここから先はミーハー丸出しの文章だけど、スタジオ収録など最初で最後と思うから、今回だけは“おのぼりさん”的なことを書かせて下さい。r(^_^;)
●夕方の収録なのに「おはようございます」が基本のあいさつ。
●本番前に若い芸能人が楽屋あいさつ。僕ごときの楽屋にまで!
●楽屋にはゴージャスな幕の内弁当!
●本番前にメイク室に案内。収録後は“メイク落とし”をしてくれた。(プロのメイクさんの凄腕を体験。髭剃り跡が瞬時に消え、緊張で出来た口角のヘルペスも消滅。ブラマヨ吉田さんはとても良い人で、後方でメイクしながら「“ヘルペス1個など気にするな”って僕が言ったら説得力あるでしょ?」と笑いながら元気づけてくれた。
●スタジオの温度はかなり寒い。照明で出演者が暑いため。
●収録後はテレビ局名義のタクシー券!

収録風景。中央がリンゴさん、
右端がモモコさん(TVガイドより)
メイク室。メイクしてもらう
なんて生まれて初めて




楽屋表。筒井先生の他、
共演する江川達也さんや、
たむらけんじさんらの名
一番下に、怪しく「カジポン・
マルコ・残月」の名。国籍は
どこですかと聞かれまくった
朝日放送の楽屋。手前がブラマヨさんで、一番奥が作家の
阿刀田高先生だった。先生はギリシャ神話の解説を担当
本番前にディレクターさんや
ADさんとロケのVTRを見ながら
最後の打ち合わせ。DVDでは
なく、今もVHSを使っていた。
その方が確実なんだって!
収録後、楽屋に戻って
初めて弁当を開けた。
本番前はド緊張で、朝飯
も昼飯も喉を通らず!
腹ペコもあって旨さ倍増

/『ビーバップ!ハイヒール』は関西ローカルだけど、香川、岡山、沖縄、宮城、愛知、岐阜、三重、新潟、熊本、山形、愛媛、鳥取、島根でも、数週遅れでオンエアされています。エリア内の読者の方、どうぞオンエアをお楽しみに!
番組のスポット番宣動画!(15秒)※4/19まで公開
 4月11日…大阪府・市のエネルギー戦略会議が『原発再稼働に関する八条件』を提言!この内容が実に素晴らしいッ!作成メンバーには2人の博識な脱原発派、飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所所長)と古賀茂明氏(元経産省官僚。TPP賛成派で残念だけど脱原発は超ガチ)が加わっている。核廃棄物問題まで踏み込んでくれるとは!個人的にはこの『八条件』を額縁に入れて飾りたいほどのナイス提言。
1. 国民が信頼できる独立性が高い規制機関として規制庁を設立すること(今は規制側と推進側が経産省に所属。原発事故の「A級戦犯」原子力安全・保安院や原子力安全委員会が、同じ顔ぶれのまま再稼働の安全性を判断しているクレイジーさ。規制庁を環境省に置くと福島のように“SPEEDI の情報を隠せ”とか“メルトダウンを認めるな”という政治介入を許すことになる為、公正取引委員会のような独立性の高い3 条委員会として規制庁を設置するべき)
2. 新体制のもとで安全基準を根本から作り直すこと(まだ事故調査委員会の報告も行われておらず事故原因が究明されていない。調査結果をもとに、新たな規制庁の下で、電力会社と経産省保安院が作ったでたらめな安全基準を根本から作り直すべき)
3. 新体制のもとで新たな安全基準に基づいた完全なストレステストを実施すること(耐性評価は事故前のデータが基準になっており非現実的。原発推進派の斑目原子力安全委員長でさえ、一次評価だけでは安全じゃないと証言。人災、テロ、航空機落下まで視野に入れた二次評価を)
4. 事故発生を前提とした防災計画と危機管理体制を構築すること(事故時の放射能拡散シミュレーションを全原発地点で公開するなど、福島で機能不全だった国の危機管理体制を根本的に見直す。ヨウ素剤配布を含む緊迫した防災訓練の実施を)
5. 原発から100km程度の府県の住民同意を得て自治体との原子力安全協定を締結すること(原発事故が起きると放射性物質の拡散は100kmを超える。原発立地県だけの住民同意では意味がない。福井の場合、大阪を含む広域の自治体を対象とすべきだし、各自治体で住民による熟議を経たうえで「再稼働」が正式決定されること)
6. 使用済み核燃料の最終処理体制を確立し、その実現が見通せること(六カ所再処理工場と高速増殖原型炉もんじゅ、プルサーマルからなる核燃料サイクルは完全に破綻している。しかも、使用済み燃料は各発電所で溢れかえっており、2〜10年で満杯になる。大飯原発の使用済み核燃料プールはあと5〜6年しかもたない。その後は見通しがなく、この国の使用済み核燃料の長期的な管理方策はまったくのデタラメ。最終処分場の具体的な立地点と今後10万年間どう安全に保管するのか方法を提示すること)
7. 電力需給について徹底的に検証すること(電力会社は原発再稼働が不可欠であることを、完全なる情報公開と万策を尽くした上で証明すること。現在は再稼働の必要性を何も立証せず、再稼働以前に取ることができる対策もしていない。努力せず情報も出さず、原発再稼働なければ停電と脅すだけでは市民は納得できない。ピーク料金・格安料金の設定や揚水発電、企業の自家発電を含めた過不足見込みなどをすべて対策した上での説明であること)
8. 原発事故で生じる倒産リスクを最小化すること(もともとの原子力損害賠償法では役に立たず、福島原発事故後の原子力損害賠償支援機構でも、今後、現実の事故が起きたときには対応できないことは明らか。当面は最低でも数十兆円の供託金を原子力発電事業者で分担する制度・仕組みに見直す)
一般企業なら、事故原因を放置して人々を危険にさらすなら営業停止になるし、幹部社長は逮捕だ。それなのに、電力会社だけは誰も逮捕されないし、営業を認可した役人も責任を負わない。
//藤村官房長官いわく「再稼働は法的に何の規定もなく、関電がやろうと思えばいつでもやれるが、今回は丁寧に、丁寧にやっている」。はぁああああ!?なんで上から目線なのか。まるで関電のスポークスマンのような言い草!
//野田内閣に問いたい。非常用電源も免震棟も防潮堤もフィルター付ベント設備も、全部施工はこれからなのに、何で安全と言い切れるのか。仮に「電力が不足する」という言葉が本当だとしても、それは8月の話。まだ4月!再稼働なんて数日で出来るんだから7月までじっくり検討すれば良い。全原発が停止する5月5日に間に合わせたいだけなのがミエミエ。地震の活動期に入った日本。必ず巨大地震が来ることがわかっていて、国土も狭くて逃げる場所がないのに勘弁してくれ。
//あと、何度も言ってきたことだけど、関電の工程表はあくまでも福島原発事故は「津波破損説」のもの。多くの科学者が指摘している「地震破損説」を完全に無視している。メディアはもっとそこを突くべし!ジャーナリスト魂を見せてくれ!
//声優界の重鎮、青野武さんが75歳で他界(9日)。ヤフーニュースなどでは“ちびまる子ちゃんのお爺ちゃん役の…”と紹介されている記事が多かったけど、僕の世代なら断然“宇宙戦艦ヤマトの真田さん”じゃないだろうか。有名なピッコロ大魔王以外にも、ONE PIECEの“鷹の目のミホーク”、メタルギアソリッドのロイ・キャンベル大佐も青野さんだったことをウィキで知って、役柄の幅広さに改めて驚いた。ご冥福をお祈りします。
 4月9日…私事で恐縮なんですが、あまりに感激したので報告させて頂きます!当サイト発の造語「墓マイラー」が『現代用語の基礎知識』(1948年創刊)に初めて掲載されたのは2010年度版。同タイプの辞典『イミダス』『知恵蔵』が消滅するなか、孤高の存在として君臨する、60年を超える歴史を持つ辞典に載ったことは涙がチョチョ切れるほど嬉しかった。でも、「墓マイラー」が翌年も載る保証はなかった。広辞苑の改訂は約10年おきだけど、『現代用語の基礎知識』は年鑑ゆえ、新語・流行語が毎年追加される一方で、時代と合わなくなった言葉はどんどん削除されていくから。しかし!2011年に続き、新たな2012年度版にも残った!っていうか、「世相語」「外来語」の2項目に増えた!目次でも太字扱いに…うおお。

1500ページ強の大辞典!
ちなみに「ジョジョ立ち」は
6年連続で載っているッ!
造語が“外来語”に振り分けられ
ているのが可笑しかった。なる
ほど「er」が付けば外来語なのか

2010年は1ページ 2012年、2ページに!
2年の間に「バカの壁」は消え、色々変化してるけど、「バガボンド」と「墓マイラー」は、時代の壁を突破して残っている! (☆o☆)

あと、初掲載されたときは「歴女(レキジョ)」の説明の一環でひとくくりにされていたけれど、今回は独立して解説されていたのも有難かった。ただ、世相語の方は説明文が「歴史上の人物や有名人の墓を訪れる人たち。歴史ブームの流れ」とあったので、そこは違和感が。四半世紀前から巡礼を続けている僕としては、「歴史ブームの流れ」とかじゃなく、感覚的には“お盆・お彼岸の超拡大版”。つまり、「今の自分が存在しているのは過去のあなたのおかげです!」という“感謝の言葉”を伝えて廻る人が墓マイラー。父母に生命を授けてくれた祖先同様に、ベートーヴェンやゴッホ、黒澤監督、手塚先生など、誰1人が欠けても僕は存在しなかったゆえ、その御礼を伝えているのデス。
//
週末に上京した際、時間を工夫して雑司が谷の夏目漱石先生の墓参と、墓マイラーの間で噂になっている「谷中霊園の桜はハンパない」という言葉を信じて谷中を訪れた。どちらの墓地も忘れられないものに!
漱石先生の墓参は7回目なんだけど、
今回は墓前に“吾輩”の如く猫が!
先生の墓と猫という奇跡のコラボ!
ひょえ〜!墓地とは思えない
すっごい桜のトンネル!絶景と
いう噂は本当だったぜよ!
 4月6日…今週末は親戚の結婚式で上京するため、次回の更新は9日夜になります。番組情報3日分アップしておきます。※初の子連れ上京。なんとか上野でパンダを観たいもの。
//発売中の時計雑誌『クロノス日本版5月号』に連載の映画レビューを載せています。今号でピックアップしたのは1997年のハートフルなイラン映画『運動靴と赤い金魚』!幼い兄妹の悲喜を描いてモントリオール世界映画祭でグランプリを受賞した傑作だ。中盤まで物語の一部を紹介。
→映画の冒頭、主人公のアリ(9歳)は靴屋で修理してもらったばかりの妹ザーラ(7歳)の靴を帰り道で紛失してしまう。八百屋の軒先に置いて買い物していたところ、廃品回収業者が誤って持って行ってしまったんだ。涙に暮れるアリ少年。家が貧しくて新たに靴を買う余裕がないこと、また厳格な父親が怖くて紛失を知られたくないことから、アリは妹に頼み込んで秘密にしてもらう。翌日からは、一足しかないアリの運動靴を2人で履くことになった。
イランの小学校は女子が午前、男子が午後に別れているため、ザーラは授業が終わると一番に学校を飛びだして兄との合流地点へ猛ダッシュする。スリッパで待っている兄は大急ぎで履き替えて学校に向かって全力疾走!しかし結果的に遅刻を繰り返し教頭から問題児扱いされてしまう。妹の方も靴がブカブカであるため排水溝に片足が落ちたり、早く帰る為にテストの答案も急いで書かねばならず、大変な日々。何より他の女生徒が可愛い靴で登校しているのに、破れかけの汚れた運動靴だと恥ずかし過ぎる。妹が「もう我慢できない」と親に告げようとする度に、兄は新しい鉛筆や、先生から好成績の褒美で貰った金色のボールペンを妹にプレゼントして必死になだめる。ある日、ザーラは学校で自分の靴を履いた子を見つけた(廃品業者から渡った)。下校時に尾行して家を突き止め、兄を呼んで靴を返して貰おうとするものの、その子の父親は盲目で家も貧しいことを知り、何も言い出せずに引き返す…。そんな折、学校対抗マラソンの3等景品が運動靴と発表され、アリは妹のために出場を決意!遅刻しないように毎日走り込んでいる成果は如何に?
/---たった靴1足でこれほど心温まる作品が出来るとは。人間は誰かの為に頑張る時には普段よりも力が発揮されることを教えてくれる88分間の至福。ハリウッドのように大金をかけなくても、日々の小さな出来事の中にハートを掴む物語がいくらでもあることに気づかせてくれた。妹の為に必死で走るけな気さに、思わずスクリーンに向かってエールを送ってしまう。
マジッド・マジディ監督(兼脚本)の、子どもに寄り添う眼差しはどこまでも優しい。妹が汚い運動靴を目立たないようにしていると、体育の時間に運動靴で来たことを褒められ嬉しくなったり、排水溝に靴を落として泣いていたら(この追跡シーンはかなりドキハラ)おじさんが心配して助けてくれるし、アリが教頭に大目玉を食らっていると担任の先生が助け船を出してくれ、マラソンの応募期間が終わっても涙にほだされ受付ける体育教師など、子どもが傷ついてもすぐにフォローが入り、マジディ監督の温かい人柄が伝わってくる。些細なことで一喜一憂する子どもの心理が丁寧に描かれ、新しい靴に大喜びしていた遠い子ども時代の感覚を思い起こさせてくれる。
親父さんも実に良い味を出していて、家の中では頑固で怖いのに、庭師として高級住宅街に行くとドギマギしてシドロモドロになる。逆にアリの方が大人顔負けの対応をして、内弁慶の親父さんは「アリは凄いなぁ」とニッコリ目を細めて感心。親の愛がひしひしと伝わる名シーンだ。モスクでイスラムの聖者の話を聞いて、オイオイと涙ぐむ感受性豊かな親父さん。家の砂糖が底をつき、モスク用の砂糖を大量に預かっても、一部を拝借することは絶対にない。根っから真面目で、時にチャーミングな愛すべき好漢。
A・キアロスタミ監督の『友だちのうちはどこ?』にしてもそうだけど、イランという国は子どもを撮るのが本当に上手い。本作で主要人物を演じたのはみんなシロウトという。それなのに、カメラが回ってるの知ってるの?って思うくらい自然体だった。しっかり者でツンとしている妹が笑うとめちゃくちゃ可愛い。
最後に、この映画の大きな魅力として、日本人には縁遠い中東イランに暮らす庶民の生活が丹念に描かれていることもあげたい。男女が入替制になっている学校、巨大なナンの焼き方&包み方、路地の中央を流れる水、リヤカーを引いている塩交換屋さん、家で勉強する時は机を使わず床で書く、9歳で“もう大人”と説教され家の手伝いをする、挙手の時は人差し指を1本立てる、朝礼で女の子たちは「私たちは国の花です」と唱和、下町と高級住宅街は同じ国と思えないほど生活に格差がある、貧しくても母親は近所の老夫婦にスープを分け与え、老夫婦は御礼に木の実を分けるなど、作品の随所に生活感があり旅行者でもなかなか見ることのできない暮らしの細部が描かれる。流された靴を必死で追いかけるエピソードでは、豊かな物質文明にあって、靴一足がどれほど大切かを再認識させてくれる。
このサイトでいつも吠えているように、映画は国籍や文化が異なっても、人間は相違点より共通点の方がはるかに多いことを教えてくれる。911事件以降、何かと誤解されがちなイスラム圏。こういった作品に多くの人が触れることで、異文化に対する無知から生まれる恐怖が取り除かれていく。NHK朝ドラ『おしん』はイランで視聴率80%以上という日本を超えるメガヒットとなった。文化が違っても両国民の感性は似ているのだろう。もっと多くのイラン映画を日本人が気軽に楽しめる環境になりますように。(Ama※991円!/ネタバレ解説は映画ページにて)
//電力会社、政府、メディアが姑息なのは、年間を通して電力需要が厳しくなるのは、真夏の数日間(去年は2日だけ)で、しかも昼間の4時間のみで朝晩は余裕があることを言わずに、「夏に電力が不足する」としか言ってないこと。まるで夏の間ずっと24時間不足するみたいな言い方だ。要は数日間だけ昼間を乗り切る工夫をみんなでやれば、大地震で原発の配管が壊れる不安を感じながら暮らす必要はなくなる。
//今月から公開されるヒーロー映画のため歴代の仮面ライダー50人&スーパー戦隊173人と怪人97人&戦闘員165人のスーツアクター、計485人が集結してギネス級バトルを敢行したとのこと!
 4月5日…信じ難いことに、藤村官房長官が「原発再稼働に地元の同意は必要ない」声明。僕はこれまで当日記では、汚い罵り言葉を極力使わないように心がけてきた。大人げないし、自分の品性を低くし、読み手に不快感を与えるから。だがもう我慢の限界。野田豚、藤村官房、こいつらは純度200%のクズ。いま、頭に血がマックスまで上っているので、後でこの文章も書き直すと思うけど、僕だって感情のある人間なので、大噴火することはある。同じ日、東電が高濃度の放射性ストロンチウム(骨に蓄積する)を含む汚染水約12トンが漏れたと発表。そして愛知県では幼稚園給食から放射性セシウムが検出。そしてまた“直ちに影響ない”。これだけじゃなくていろんなものが合算されることを考えてくれ。第一、なんで検査をスルーして流通している?
※YouTube『今夏の電力は足りる』(15分)。電力会社は国民が節電を何もしていない一昨年の数字で試算している。そして昨夏の場合、電力が不足したのはたった2日だけ(それもピーク時の4時間のみ)。仮に今夏が去年より暑くても不足は一週間程度。それだけのために長期間国土が放射能汚染する危険と背中合わせで、脅えながら生きることはない。あと、ピークの時期だけ夜間に火力発電で電気を作って揚水発電所を稼働させれば良い(水を汲み上げダムに貯めておく)。
※今は1ドル80円強なのに、東電は値上げの根拠としている燃料費の計算を1ドル107円でやっていると埼玉県の上田知事が憤慨。1ドル80円で計算すれば914億円も削減できる。先日に続き再度言わせてもらう。「東電は人を怒らせる天才」。
※きっこさんいわく『ラジオでどっかの経済アナリストとやらが「精密機器の製造メーカーなどは一瞬でも停電したら大損害が出るところもある。こうした被害を食い止めるためにも原発は再稼働すべきだ」って言ってたけど、一瞬でも停電したら大損害が出るような工場なら絶対に自家発電を併用してるに決まってんじゃん』(リンク)。そうなんだよね。落雷で停電することだって普通にあるんだし。
※ぐっちーさん「安定的に供給ができなければハイテク工場が稼働できず、大量の電力を安定供給するには原発が必要で、環境にやさしい自然エネルギーでは代替できないという指摘。これも嘘です。その証拠に日本と並ぶ世界の工業先進国であるドイツはすべての原発を止めて、この5年間で自然エネルギーを倍増させましたが、ドイツ製の工業製品の品質が落ちたという話は聞きません。それどころか、日本の最先端工場は、安い労働力を求め、日本よりはるかに電力事情の悪い国に移動しています。中国なぞ一日に何度も停電しますが、各工場で自前の発電所を設備しているので問題はないのです」(リンク)。
※『大飯原発:関連工事 おおい町長が役員の会社が大量受注』…おおい町の時岡忍町長が取締役を務める会社が6年間に関電発注の原発関連工事を少なくとも65件、計4億4800万円受注!原発と利害関係の深い町長に公正な判断ができるのか?そういえば年500万円程度の農作物の被害を防ぐ為に、18億円を使って「獣よけフェンス」を作るというニュースも大飯町関連のニュースであったよね。18億÷500万=360年分!
//国民新党の“クーデター”、えらいことに。「消費税増税はしないことが連立の条件だったのに、民主党が約束を破ったので連立は破棄」と亀井代表がスジを通しているのに、他の6人が権力にしがみつきたいばかりに亀井代表を追放し、自見議員が新代表に就くという、実に醜悪な乗っ取り劇。国民新党がここまで最低とは思わなかった。
//7日のオススメ番組、大量です。
 4月4日…うおおおお!グーグル画像検索にあがった2人の浮世絵師、川瀬巴水(はすい/1883-1957)と吉田博(1876-1950)の作品群が素晴らしすぎる!両者は衰退した浮世絵を復興すべく新しい浮世絵版画=新版画を開拓。特に巴水は近代風景版画の第一人者として、「国内よりもむしろ海外での評価が高く、北斎・広重等と並び称される程の人気がある」(ウィキ)とのこと。以下の4点は全て巴水の浮世絵。
「松島双子島」 「増上寺の雪」
「船津乃秋」 「水戸涸沼広浦」
巴水の“錦帯橋の春宵”や“清洲橋、そして吉田博の“亀井戸”“光る海”などがこちらのリンク先に掲載されていマス。巴水は日本画をやってる人には超有名とのこと。僕は恥ずかしながらこの年になるまで知らなかったけど、むしろ両者のことを40代で知ることができて良かった。たまたま前述したリンク先を見たから知り得たものの、ヘタをすれば60、70歳まで知らない可能性だってあった。危なかった…!※10代や20代で巴水を知った人は、これから60年近く作品を味わえて良いですねぇ。
 4月3日…大河『平清盛』、面白いのに視聴率が下がり続けて、自分が制作に係わってるかのごとく胸が痛む。今回は裏番組にフィギュアスケートとなでしこジャパンがあったとはいえ、視聴率がワーストを更新し、11%台にまで落ちてしまった。今回の“祇園闘乱事件”は、鳥羽院と清盛が対峙するシーンの太陽光がめっさ劇的で息を呑んだ。季節感を伝える“セミしぐれ”も、時刻によってアブラゼミをカナカナに変えるなどこだわりが感じられて唸った。随所に聞こえる鳥の声を含めて平安京を満たす自然音を味わえた。源氏が平家を守ることになった場面もドラマとして面白いし、鳥羽院を演じている三上博史さんの鬼気迫る演技は、日本中で話題にならないのが不思議なくらい。前週の“宿命の再会”もここ最近で特に良く、前半は鳥羽院と璋子(檀れい)の死別が描かれ、水仙を手に持ったまま他界する璋子と、彼女の死因が疫病のために側で看取ることが出来なかった鳥羽院の悲しみが十二分に伝わってきた。後半は打って変わって清盛とライバル源義朝が互いに妻をめとるラブコメ。玉木宏扮する義朝の「そなたも産んでみるか」は大河史上もっともデリカシーのないプロポーズ(汗)。でも、義朝の性格がよく表れていた(“のだめ”の千秋の如くオレ様モード全開)。これで産まれたのがあの頼朝だもんね。
/友人数人と『清盛』視聴率アップのための改善点を話し合ったんだけど、問題点は次の2点に集中した。
(1)「平清盛、平忠盛、平家盛、平、平、平…で名前と顔が一致しない。宮中も、待賢門院=璋子と呼び方が場面によって変わるし、藤原氏も藤原○○がいっぱい。源氏は源氏で源為義、源義朝…」。これを解決するには、頻繁に家系図を出して、この人はどういう繋がりの人間なのかを図解と頼朝のナレーションで説明するしかない。特に平氏一門はとんでもない数なので、くどいくらいに解説してちょうどかも。
(2)「昔の言葉が説明もなく出てくるので何を言っているのか分からない」。たとえば、今回なら比叡山の僧侶が担ぐ神輿(みこし)を、劇中では「しんよ」と呼んでいた。“しんよ”なんて日常生活に出て来ないのだから、字幕で説明すべきと思う。こういう“しんよ”のような馴染みのない言葉が、1話につき5、6回は出てくる気がする。バラエティのようにセリフ全部をテロップにする必要はないけど、宮中の独特の専門用語などは、積極的に字幕で出すべきかと!

「我を射てみよ」と両腕を
広げる鳥羽院。
左端の影の部分に清盛が
座している。
超ドラマチックな構図!
 4月2日…3日は全国的に暴風雨(台風並み)になるとのこと。御注意を。
//「首相官邸ホームページ、4500万円かけリニューアル」の記事を見て、エイプリルフールのネタと思っていたらガチ報道でござった。4万5千円でも、45万円でもなく、4500万円!財政難で消費税増税を叫びながら、サイトのリニューアルに約5千万の血税を使える神経がまったくもって理解不能。同様の金額では、安倍首相が官邸に作っていた「美しい国づくり」会議が、半年間にたった2回の会議で4900万円の費用を使っていたのを思い出す。政治家や官僚には、他人の金(税金)を湯水の如く使う連中が多くて閉口する。っていうか、本当に問題なのは周囲に“その金額、オカシイんじゃないの?”と指摘する人間がいない(いても古賀茂明さんのように干される)というのが日本の不幸。
//サブアドレスとしてGmailを使ってるんだけど、あまりにも業者や海外からの迷惑メールが多すぎて仕事に支障をきたすほど。Gmailをやめればいいんだけど、多くの仕事で使ってきたので、変更連絡が大変ゆえ使い続けている。フィルターを使って「迷惑メール」フォルダに自動的に振り分けられるようにしてるんだけど、着信音がするのと、時々大事なメールが迷惑フォルダに入ってたりするので、結局、着信音の度にチェックせざるをえない。しかも迷惑フォルダを空にすると、ゴミ箱に移動するため、もう一度着信音がなり、今度はゴミ箱フォルダの中身チェックと、果てしなく無駄作業が続く。せめてゴミ箱フォルダ行きは自動で即削除するか、着信音が鳴らぬようにできないものか…。“在宅ワーカー募集”って内容の迷惑メールを大量に送ってくる業者を全警察力をあげて逮捕して無期懲役にして欲しい。
//テレ朝のモーニングバード、『そもそも原発は本当に経済的なのか?』(23分)、頑張って放送したと思う。以前なら圧力がかかってオンエア出来なかっただろう。いかに原発の発電単価が高価で無駄が多いかを分かりやすく解説していた。誤魔化しだらけの電気料金。
//『タイムスクープハンター』の第4期シリーズがオンエア開始!第3期は1時間枠になって時々ちょっとダレたけど、第4期は30分に戻ったので、ギュッと濃い内容になるんじゃないかな。
 4月1日…連ドラ『カーネーション』の最終回、登場人物がドラマの中で連ドラの第1話を見るという、メビウスの輪のように物語が繋がった素晴らしい幕切れだった。このアイデアを考えた人はすごいね。
//メビウス!ずっと日記で書くタイミングを逃していたんだけど、フランスの漫画家メビウスことジャン・ジロー氏が先月10日に亡くなった。享年73歳。無料で公開されている『赤十字誕生物語』(PDF)で、ジロー氏の美しい色彩や存在感のある人物を堪能できます。『AKIRA』の大友克洋氏がどれほど大きな影響を受けているか分かりますね。あと、ジャン・ジロー氏は宮崎駿監督と大親友で、娘さんに「ナウシカ」という名前をつけているとのこと!
//世界フィギュア女子シングル、鈴木明子選手が3位になり悲願の世界フィギュア初メダル。鈴木選手は27歳で、10代の若い選手に比べると体力的にもキツイと思う。それで表彰台にあがるのだから、どんなに多くの練習を重ねてきたか。メダル獲得という結果が出て本当に良かったですね。
//昨日の日記で触れた男子シングル・羽生選手の“魂のロミオとジュリエット”、動画を発見!この演技で表彰台にッ!(すぐに動画は消されそう。これは残して欲しいなぁ)
 3月31日…世界フィギュアスケート・男子シングル、なんちゅうハイレベルな戦いだったのか!昔は4回転ジャンプを成功しただけも表彰台が狙えたのに、なんと12人以上が4回転に成功!その激戦の中で、表現力に秀でた高橋選手が銀、羽生選手が銅で、日本男子史上初となるダブル表彰台!高橋選手は難しいスローなブルースをノーミスで滑りきった!最後のジャンプが決まった瞬間、なんかもう、我がことのように安堵感に包まれて目頭が熱く…。そして仙台生まれの羽生選手!彼は17歳の若さで表彰台に!ロミオとジュリエットのドラマチックな音楽に乗って、会場からこの日一番の拍手喝采を受けていた。優勝したパトリック・チャン選手は、最後こそ転倒したものの、2度の4回転は高さもフォームも美の極致!音楽のアランフェス協奏曲も良かった。アダム・リッポン選手は、まるで萩尾望都先生のマンガに出てきそうな、優しくエレガントな雰囲気。応援していたブライアン・ジュベール選手もノーミスだったし、まっこと見応えのある2012世界頂上決戦だった!
/スケートの試合中継は、演技そのものが素晴らしいのはもちろんだけど、音楽ファンにとっては未知なる名曲と出会える貴重な場でもある。初めて耳にする美しい曲がいっぱい。アボット選手が使用したミューズの『脱出創世記交響曲第3部』(4分43秒)は胸熱!試合が終わると気に入った曲を検索しまくった。
//毎年4月1日はいろんな企業ページがエイプリルフール・バージョンになるので楽しみですね。
 3月30日…四半世紀にわたり、これまで1600人以上の墓巡礼をして来ましたが、最も心に残った墓は誰かと聞かれたら、僕は「ビンセント&テオのゴッホ兄弟」と即答します。今日はゴッホの誕生日!それにあわせて、作成に約5年を要したページ、『あの人の人生を知ろう ゴッホ兄弟編』をアップ!人生や手紙のほか、代表作約40点と共にゴッホ兄弟の交流や、ヴィンセントと親しかった画家ゴーギャンの話なども語っています。これまでに見たすべてのゴッホ・ドキュメンタリーや、読んできたゴッホ関連本から、胸に響いたエピソードを時系列に沿ってまとめました。ビンセントとテオ、さらにはゴーギャンという3人の男が、いかに生き、そして、いかに死んだかを、あますところなく書ききったつもりです。心血を注いだページであり、皆さんお忙しいとは思いますが、一読して頂ければ幸いです。
※「私は絵の中で、音楽のように何か心慰めるものを表現したい」(ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ)
 3月29日…昨日の日記で福島原発2号機への注水がダダ漏れになっていることへの懸念を書きましたが、掲示板で読者の方から「(漏れてるといっても)タービン建屋側だけに漏らしていて、それをすくい上げて浄化し、また原子炉に戻している」「新たな汚染水は海には出ていません。あくまで敷地内での注水&汚染水ループのはず」と指摘がありました。そうであれば不幸中の幸いというか、海への流出を心配し過ぎるのも不安を煽るだけであり、昨日の記事は削除しました。このあたり、もう少し情報を集めてみます。
//民主党の輿石幹事長が、消費税増税法案の国会採決で反対や棄権などをした同党議員に対し「処分を行う」と発言。党議拘束をかけるという。なんだそれ…。(消費税の増税はしないという)公約を守ろうとする議員を、公約を破る側の議員が処分するって、クレイジーすぎる。ニュースでこれをドヤ顔でいう輿石東幹事長に超脱力(そもそも、この人は増税反対の小沢氏に近い人だったのに、いつの間に寝返った?)。
//“雑誌のプロが選ぶ1年間で1番凄かった雑誌”となる『雑誌大賞』に、昨年、荒木先生が表紙イラストを担当したファッション雑誌『SPUR10月号』が輝いたことを知った!(by@JOJOさん)。素晴らしい!実際、あの号はオールカラーの特別篇ジョジョもついていて、本当に充実していた。ファンには嬉しいニュースですね♪
 3月28日…東京新聞が「国内全原発はフィルターがいまだゼロ」と指摘。福島原発では排気筒にフィルターが付いていなかったため、大量の放射性物質をまき散らす結果を招いた。常識的には、同じ惨事を繰り返さないよう、放射性物質の排出を最小限にとどめるフィルターを大至急取り付けるはず。それが54基全部ゼロとは。この期に及んでも、電力会社はカネのかかる工事はやろうとしない(四社はベントフィルターの設置を決めたものの、決めただけで未工事)。
/東電は人を怒らせることの天才という記事が昨日また1本。「東電、値上げ請求拒否後に再契約した大口顧客に4月の値上げよりさらに高く料金設定」。東電の一方的な電気料金値上げに抗議して契約を拒否した工場などが、他の自家発電を行っている事業者と契約できずに再び東電と再契約を求めた場合、ペナルティー(?)として2割高い電気料金を請求するという。なんという殿様商売。これだから独占企業は!!
//このまま頭に血が上ったまま日記を終えるのも嫌なので、“これはスゴイ”と思った研究ページを紹介。リンク先の管理人さんは、サザエさんのEDのジャンケンポンを1991年から記録。11年間のデータをまとめ、“グーなら勝率が高い”という理論を導き出した。次の手の傾向も分析するなど、地道な探究に脱帽。※家系図間取りも研究。祖先の名前は磯野藻屑源素太皆(いそのもくず みなもとのすたみな)だそうだ。
 3月27日…ジュリー@沢田研二さんといえば、30代以上では誰もが知っているであろう昭和の大スター。その沢田さんが憲法9条を守る為に立ち上がり、2008年に東京ドームで『我が窮状(9条)』を熱唱した動画(3分40秒)を見つけ胸熱に。歌詞を書いたのも沢田さんだ。
「♪麗しの国 日本に生まれ 誇りも感じているが/忌まわしい時代に 遡(さかのぼ)るのは 賢明 じゃない/英霊の涙に変えて 授かった宝だ/この窮状(9条) 救うために 声なき声よ集え/我が窮状 守りきれたら 残す未来輝くよ」。2番以降には「老いたるは無力を気骨に 変えて 礎石となろうぜ」「我が窮状 守れないなら 真の平和ありえない」といった歌詞も出てくる。これはガチだ。リベラル派の僕でもたまげるほどの直球。
沢田さんいわく「9条も含めて、売れている頃は、そういうことは考えないようにしていました。考えて何かしようとしても、きっと周囲が止めると分かっていたから。でも、こんな年齢になったから、ちゃんと言っていかないと恥ずかしいよね。集会やデモの先頭に立って、ではないけど。だって自分に無理のない方法でやらないとしんどいでしょう。だから俳優の山本太郎くんと仕事がしたい。脱原発を主張していてつらいと思うから」。
沢田さんほど有名な人が、どれだけ右派からバッシングされるかわからない歌を歌い上げる、その勇気に脱帽。アメリカでは先日オスカー俳優のジョージ・クルーニーさんがスーダンへの人道支援に参加して逮捕されたけど、日本の芸能人は政治的主張をほとんどしないので、余計に沢田さんがカッコ良く思える。/今の憲法はとても便利で、自衛権があるから防衛力は確保できるし、またアメリカが国際世論を無視して始めた無茶な戦争には、9条を理由に“ちょっとムリ”と肩をすくめて中立を守ることができ、運用次第で最強の武器になる(米国が文句を言ってきたら“作ったのも押し付けたのもアンタじゃん”で終了)。問題は、日本標的の発射直前のミサイルを見つけた時に撃破できるかだけど、それですら得意の“自衛権の拡大解釈”で対応(先制)できると思う。ただし、過去の殆どの戦争が「自衛のため」の先制攻撃で始まっているので、300%ヤバイ状況であること&国際社会が理解してくれているという条件は必須。それでも、どうしても憲法の文言を変えなくちゃ気が済まないという政治家は、以下の法律とセットで頼む。
●戦争開始後、10時間以内に以下の者を順番に“最下級”の兵士として召集し、できるだけ早くこれを最前線に送り、敵の砲火の下で戦わせること。
1.総理大臣と閣僚、並びに次官。
2.上記の男性親族で20歳以上の者。
3.国会議員。ただし戦争反対の投票をした者は除く。
4.戦争に賛成した議員を選んだ選挙区の有権者から順番に徴兵(有権者の責任)。
5.“1”の妻、娘、姉妹等は、戦争継続中、最も砲火が接近した野戦病院に勤務すること。
●戦費について…戦費は戦争に賛成した議員の資産、及びその議員に投票した有権者の資産でまかなうべし。
(原案は1929年にデンマーク陸軍大将が起草した『戦争絶滅受合法案』)
//民主党の前原議員が消費税の論議“打ち切り”を宣言。もう完全に、09年夏に国民が投票した民主党とは別の民主党になっているので、前原議員は民主党から出て行って欲しい。野田も岡田もその辺も全部。公約を守る議員だけ残ってくれ。

 3月26日…イッキに6日分の日記をアップ済み。/3月21日にアップするつもりで制作していた第7回東京ジョジョリンピック(ジョジョの奇妙な大運動会)のレポページ。21日の夜あたりから“時が加速”し始めて、アッという間に26日になってしまった!やっと脱稿したので21日の日記にアップしました!また、それとは別に、ジョジョファンがイタリアで第5部ジョジョ立ちを敢行された投稿画像を読者のページに追加アップ!後半に“NEW”の印が入っている2名です(1人は昨年、もう1人が今年)。これで2004年から今年まで8年連続で、誰かがかの地でポージングを奉納したことになります!
//うおおおお!仙台(7月)と東京(10月)で荒木先生の原画展『ジョジョ展』が開催されると発表が!ついにこの日が!どれくらいの量の作品が展示されるのだろう!?井上雄彦先生の原画展や尾田先生の原画展がある度に、“集英社さんッ!ジョジョを!是非荒木先生をッ!”と雄叫びをあげてきた。悲願成就!そして願わくば、九州や関西のジョジョファンのために西日本にも巡回して欲しいッ!
 3月25日…東電の柏崎刈羽原発6号機が定期検査に入り運転停止。これで東電の原発17基がすべて止まり、全国を見ても残るはただ一基、北電の泊原発3号機のみ!政府・電力会社は何が何でも全原発停止という既成事実を作りたくないため、当初は4月に予定されていた泊原発の定期検査を、5/5に延期させた。それ以上は法的に伸ばせないので、子どもの日がXデーになる。日本全国の子ども達への最高のプレゼントだ。この間いろいろ書いてきたので簡単に再稼働容認の条件を書く。
(1)福島原発は津波の前に地震で壊れているので、全原発の耐震基準を見直す。
(2)福島原発と同じ配管構造の原発は建屋が水素爆発するので、ベント用の配管を独立させる。
(3)使用済み核燃料の処分方法を先に決める。どこに10万年埋めるのか。
(4)送電線を自由化し、消費者が自然エネルギーの電力会社を選んで購入できるようにせよ。
(5)“原発は発電コストが安い”という場合には、ちゃんと天文学的な費用になる廃炉コストも加算して比較すること。
最重要なのは1番。どんなに格納容器が頑丈でも、核燃料プールや各種配管の耐震性が弱ければ、未曾有の大災害になる。日本は地震活動期に入った。浜岡原発は止まっているけど、核燃料プールにはたくさんの燃料棒が入ったままだ。大地震で水が抜けたら、稼働してなくても核燃料火災になる。とにかく、耐震基準を早急に見直し、直下型が来ても120%安全と断言できるまで耐震工事を徹底して欲しい。
 3月24日…(つづき/福島第一原発4号機について)
「最も危険なのは4号機」というのは事故直後から言われていたけど、不安を煽りたくないのでこれまで日記では具体的に言及しなかった。でも、このドキュメンタリーでも現場の人間は4号機を名指しで危険視していることから、ヤバさを語ることにする。
(1)4号機の核燃料プールには核燃料棒が1535本も保管されている。これは原子炉に通常入っている燃料の2〜3倍分。チェルノブイリで飛び散ったセシウム量の8倍=過去に大気圏内で行われた全ての核実験で放出されたセシウム量に匹敵する。(2)核燃料プールは炉心と違って密閉されておらずむきだし。建屋が倒壊すると青空の下にさらされる。(3)燃料プールは建屋の最上階(5階)にあって不安定。しかも事故時の水蒸気爆発で全体の強度が弱くなっている。(4)プールにヒビが入って水が抜けたら、急激に温度が上がって燃料棒を包むジルコニウム合金が発火し、核燃料火災となる。官邸が作成していた「日本列島壊滅の最悪のシナリオ」がまさにこれで、半径250km圏内が汚染避難区域となる。250kmといえば、横浜、盛岡、上越までが入ってしまう。横須賀基地も汚染されることから、米原子力規制委員会(NRC)や米軍も4号機倒壊&燃料プールの火災を最も恐れていた。これだけでも考えるだけで怖くなるのに、さらに先がある。(5)4号機で大量の核燃料が大気中で燃え上がり、致死量の放射線が周囲に広がる。(6)人間は誰も福島第一原発に近づけなくなり、1〜6号機を冷やすことが不可能に。全機で火災が発生し、人類が体験したことがない核汚染となる(3号機には猛毒プルトニウムが入っている)。書いてるだけで心臓がバクバクする。原子力安全・保安院のシミュレーションでは、余震で4号機の燃料貯蔵プールが壊れて冷却不能になれば「約2時間で放射性物質が漏れ始める可能性あり」と結果が出た…。ただ、明るい話もある。これはもう、東電を信じるしかないんだけど、昨年7月末に東電は「4号機燃料プールの耐震補強工事が終わった」と発表している。プール底部に鋼鉄製の支柱32本を設置し、今後支柱をコンクリートで補強するという。支柱1本で40トンを支えられる。32×40で1280トン。プールは1400トンあるので微妙に足りないけど、あくまで補強であり元々の強度もある(と信じたい)。とにかく補強が終わるまで巨大余震が来なくて良かった。
/脱原発派の人はこのドイツのドキュメンタリーを拡散しているけど、4号機の恐怖を叫ぶだけじゃなく、既に書いたように、(1)応急の耐震補強工事は終わった(2)巨大クレーンの撤去に成功した、この2点を書いておく方が少しでも希望が持ててベターだと思う。
※東電の工程表では、プールから燃料棒の取り出しを開始するのは来年12月。頼むから取り出し完了まで大きな地震は来ないで欲しい。民主党の馬淵澄夫議員は事故直後に唯一建屋に入った政治家。馬淵議員は「4号機燃料プールは事故時に海水を注入した結果、通常よりもコンクリート等の部材の浸食が著しい状況」「燃料プール底部の補強工事のような応急措置ではなく建屋全体の耐震補強が必要。プールより下の階は、地下も含めてコンクリートを注入して固めてしまう方が良い」とブログに綴っている。馬淵議員は昨秋の民主党代表選挙に立候補していた。公約は消費税増税反対、天下り根絶、企業献金廃止、東電は法的整理(倒産処理)。僕は野田氏ではなく馬淵氏が党首になっていたらと、悔しくてたまらない。あの時の候補者5人の中では、古賀茂明氏も朝ナマで「馬淵さんがベスト」と言ってた。ところがフタを開けてみると、5人の中では最低の24票。終わった。
 3月23日…最近見た動画の中で最もインパクトがあったドイツのドキュメンタリー『フクシマのうそ』(29分15秒)。これはもう全国民必見の番組として、24時間ぶっ続け&全チャンネルでオンエアして欲しい。“29分も見ている時間がない”という方は、日本語字幕を書き起こしたサイトがあるのでザッとそちらを見るのもアリだけど、証言者の目や声というのはとても大事で、文字だけでは伝わらない真実味と説得力がある。でも、“文字起こしのサイトも読んでる暇はない”という人もいるかも知れないので、以下にメモったことを箇条書きします。
・福島原発を設計した米GE社の社員が定期検査に来て驚愕。「蒸気乾燥機の向きが逆に取り付けられているぞ!」。東電は問題を指摘しようとしたGEの点検者に、安全点検報告でデータの改ざんを要求した。っていうか、点検終了のサインしかさせない。設備点検中に亀裂を見つけたが、このGE技術者は解雇を恐れて10年間黙っていた。※僕は別番組で、この技術者(ケン・スギオカさん)が録画した検査状況のビデオに対し、東電社員が“亀裂が映った部分を消去せよ”と詰め寄り、自分の目で消去されたことを確認するまで帰らなかったと証言しているのを見たことがある)。
・東電の安全対策のずさんさに怒った現場作業員が、点検データ改ざんについて原子力安全・保安院に内部告発をしたところ、保安院は何の調査もしなかったばかりか、逆に告発者の名前と内容を東電に伝えて隠蔽に協力していた。
・こうした東電の隠ぺい体質、データの改ざん等が大きな問題となり、東電の原発17基がストップし、社長・幹部は辞任に追い込まれ、社員は懲戒を受けた。ところが皆新しいポストをもらい、誰も起訴されなかった。最高責任者だった勝俣恒久氏に至っては代表取締役に任命された。
・東電によるトラブル隠しが発覚した後、原発建設に抵抗した佐藤栄佐久元福島県知事は、メディアに土地取引の不正疑惑をでっちあげられ(記事を書いたのは原発政策担当の記者)、一銭も金銭を受け取っていないことが裁判で明らかになったのに有罪にされ、辞任に追い込まれた。※佐藤元知事いわく「原発監視機関の安全・保安院と推進機関のエネルギー庁が同じ経産相に属しているのは、警察と泥棒が一緒にいるようなもの」。
・1962年以来、東電副社長のポストは原発の監査を行うエネルギー庁のトップ官僚の指定席。また、東電から献金をもらっている国会議員は100人以上。
・「誰もが原子力村に閉じ込められている」(菅直人)※この動画を見ると菅氏は脱原発に傾いた為に、原発推進派によって事故のスケープゴートにされた印象を受けた(菅氏が東電に乗り込んだことが批判されているけど、叩いている人はそもそも正確な情報を首相に伝えようとしない東電の問題をスルーしているように思う。“東電は信用できないから現場で確認するしかない”と焦るのも分かる。原発は津波以前に地震で破損していたし、ベント=排気が遅れたのは東電が手動開放の訓練を一度もしなかったことが原因なのに、推進派の多くはいまだに菅氏の視察のみを事態悪化の原因にしている)。
・福島第一原発は、もともと海抜35mの場所に建設する予定だったのを、わざわざ地面を削って10mの高さにした。海水を吸い上げる手間が省けてコストカットになるからだ。
・原発を設計では加速度300〜450ガルの地震が来ることを想定している。だが、地震学者で国立極地研究所元所長の島村英紀氏は、最近の地震の加速度は「4000ガル(!)まで達した」と語る。たとえ格納容器が耐えられても他の配管は耐えられない。
・4号機の使用済み燃料プールには大量の使用済み核燃が冷却されている。その上の階には新しい燃料棒が保管されていて、非常に重い機械が置いてある(110トンのクレーン)。もう一度大きな地震がくれば建物は崩壊する。放射能はすぐに致死量に達し、1、2、3、5、6号機の冷却が…(番組では“この世の終わり”と言っていた)。
※吉報!3月5日に巨大クレーンの撤去に成功!これでプールにクレーンが落下することはない。(明日につづく)
//白鵬、強ッ!鶴竜を応援してたけど、さすがは横綱というか、同じ場所で2回も格下に負けられないという凄味があった。鶴竜もあれだけ押されて土俵を割らなかったのは見事。来場所が楽しみ!//BSプレミアム、春休みはムーミンの人形アニメだらけです。
 3月22日…日本は消費税の他にも様々な税金があるので、トータルで見れば他の先進国より税率が低いわけじゃない。公約と違うことをするなら、民主党をやめて新党を作れ。野田(もう首相とも呼びたくない)のように公約違反をする人間こそ民主党を出ていくべき。「消費税増税に政治生命をかける」…笑止。新党で好きにすればいい。
 3月21日…本日2012年3月21日は、ジョジョ・ファンにとって“宇宙一巡記念日”!それにあわせてこの冬開催された“ジョジョの奇妙な大運動会”『第7回東京ジョジョリンピック』のレポページをアップしました!開催日は12/24。「年末、クリスマス・イヴ、真冬の運動会」など様々なハードルを華麗にスルーした約120名の猛者が全国より集結!“NO JOJO,NO LIFE”を全身で体現したジョジョ紳士、ジョジョ淑女の熱きバトル!お楽しみあれ!(☆o☆)
空中ジャンケン Pヘイズ走る “圧迫祭り”絶賛開催中!
/ジョジョ×グリコのコラボを求めて遠征したんですが、トニオさんのプリッツ、どこにも売ってないんですけど!?「かるじゃが」「バキッツ」、美味しいね♪
 3月20日…サイト読者で熱烈な映画ファンのタラコフスキーさんが、先頃催された米国アカデミー賞の結果予想について、10部門中9部門正解、的中率90%という脅威の数字を叩き出し、映画ファンが集まるオスカー予想サイトにおいて、ノミネーション予想との合計ポイントで堂々の第1位を獲得!祝福ッ!彼とは昨年の東京での映画ファン・オフ会で会ったのですが、まだ20代半ば。ベテランの映画評論家でも9割正解というのは困難で、まだ若いのにすごいなと感服しました(ブログ※映画関連記事へのリンクは右サイドにあります)。
/3月8日の日記で“日本アカデミー賞授賞式、こうすればもっと盛り上がる”と、友人との会話をアップしたんだけど、後日、さらに話が続いたので友人が指摘したポイントを追記。
●米国アカデミー賞では主要部門以外の賞(技術部門等)でも受賞者が壇上でスピーチ&オンエアされるけど、日本はダイジェストで一気に発表してしまう。俳優ばかりフィーチャーして、映画を縁の下で支えている技術スタッフを蔑ろにするなんて言語道断。むしろテレビで大々的にスポットが当たる機会に彼らを紹介することこそが大事。
●twitter上に「客席にいる俳優やスタッフたちが『参加』してないよね。楽しんでない」というのがあった。この言葉に表されるように、俳優も賞に参加していて一緒に盛り上げようとしている米国アカデミー賞と違い、日本は俳優らが『お客様』または『来賓』として授賞式に出席しているため、距離が空いている感が画面からも伝わる。
●日本はすべてが生中継でなく、一部を途中から編集するという意味不明な構成になっているため、授賞式がテレビで放送されている間に、読売以外のメディアがネットで速報をアップし、途中で結果がわかってしまう。本家同様、完璧な生放送をし、結果が最後までわからないようにするべき。あと、スタジオでタレントがコメントするのも、生ならともかく編集された映像でやる(わざとらしく驚く)のは、茶番としか思えず寒いものとなっている。
●アメリカの映画賞の総決算としての意味合いもあるアカデミー賞と違い、興行収入を絶対視する日本アカデミー賞は、良い映画を見るときの指針にするのには不十分。良い映画を探す参考にするのなら、キネマ旬報や歴史がある毎日映画コンクール(日本アカデミー賞よりも古い)やブルーリボン賞といった映画賞、低予算ながらも質の高い映画を評価し、最近注目を集めている高崎映画祭の方がふさわしい。興行収入の絶対視は反対。善き映画ファンを育てない。
//再稼働寸前の福井・大飯原発について、これまでいろんな角度から「ちょっと待った!」と訴えてきた。だけど、毎回のように文章が長いと読者の皆さんも読むのが辛いと思い、なんとか短い動画で大飯原発の危険性を分かりやすく説明しているものがないか探していたところ、あった、あった、ありました!僕が“反骨の元官僚”として非常に信頼している古賀茂明氏の原発視察レポ(8分22秒)!この古賀さんは今月いっぱいで番組を降板させられることになった。キー局の中ではTBS系と並んで脱原発報道を行っているテレ朝系列でさえ、原発村の“古賀降ろし”の圧力に抗しきれなかったのか。本人も理由は分からないとのこと。ともかく、動画では大飯原発が抱えている数々の問題が古賀さんによって指摘されており、“今のままで再稼働は厳しいだろう”ってなると思う。防潮堤は工事すら始まっていないらしい。
※上の動画配信サイト“Dailymotion”ってYouTubeと違って欧州(フランス)の会社なんだね。YouTubeでは速攻で削除される脱原発路線の動画が、こっちではなかなか消されないので助かる。
 3月19日…今年の夏は全原発が止まっても電力が足りるのか?結論からいうと「最大6%の余裕がある」と国家戦略室・総理補佐チーム(菅政権)の調査で判明している。菅首相は原発事故の対応が後手後手にまわり、失策続きだったけど、2点だけ評価できることがある。敷地内を2本も活断層が走っており世界一危険な原発と言われていた浜岡原発(静岡)を停止させたことと、それと今夏の電力需給予測を“再計算”させたことだ。後者について説明したい。
昨夏、政府のエネルギー・環境会議は全原発停止の場合、「2012年夏は過去最高の猛暑だった10年夏の需要から試算すると、需要ピーク時に全国で約1割の不足に陥る」と公表していた。一方、菅首相は独自に発電所ごとの設備容量・稼働可能性、地域ごとの再生可能エネルギーの稼働状況など、試算の根拠データの提出を経産省に求め、総理補佐チームに再試算させた。その結果、風力、太陽光など再生可能エネルギー容量が759万キロワット(原発約7基分)あるのに、公表された試算では供給ゼロとなっていたり、一部火力発電所で定期検査による稼働停止時期を猛暑の8月に設定したり、大口契約者への「需給調整契約」(格安電気料金のかわりに利用削減あり)による削減見込みもゼロとしていた。夜間の余剰電力を昼間に利用する「揚水発電」の供給力も低めに設定されていた。そして、再生可能エネルギーなどを盛り込むシナリオで計算し直すと、電力使用制限令を発動しなくても最大6%の余裕があることが判明した。最初に発表された「約1割不足」は、再生可能エネルギーを殆ど加算しないなど実態を無視しており、電力会社の言い分をまとめた極端な試算。供給力を過小評価し、原発再稼働の必要性をやたらと強調している。さらに言うなら、国民が節電に協力しないという前提の試算だ。「約1割不足」という情報が正しくない以上、再稼働は無用と改めて言っておく。
/四国電力は「四国では原発の電気が4割を占めており原発は不可欠」と強く主張してきたが、1月に定期検査入りで伊方原発1〜3全基が止まっても、今冬電力不足にはならなかった。それどころか、四国の場合は休止していた火力を再開するなど「そもそも電力は余っていた」実態が明らかになった(主に関電に売っていた)。
/自民都議(鈴木隆道議員)が予算特別委員会で「放射能浴びた方がいい」と他の議員にヤジ。自民には河野太郎氏のように真摯に原発問題に向き合っている党員もいる。地方議員とはいえ党の品格にかかわることなので注意処分すらないというのはどうなのか。3月11日に政府主催・陛下列席の追悼式典があったのに、それに出席せずに地元でパーティーをしていた自民・林議員(政調会長代理)も党からお咎めなしなのか?
/「自動車は危険だけど便利だから使う。原発も同じ。むしろ自動車で死ぬ人の方が多いから原発は安全」という論調をいまだに目にすることがある。僕らが自動車や飛行機を使うのは、そこに代用できないメリットがあるからだ。原発は単なる発電システムの一つにすぎない。もし原子力からしか電気が作れないというなら、まだ説得力はある。でも、実際は石油、風力、水力、地熱、ガス、石炭、太陽光、様々な手段で発電可能だし、原子力はその中の一つに過ぎない。しかも原発の燃料のウランは約80年(埋蔵量550万トン、年間7万トン消費)で、石油より先に涸渇するうえ、放射性廃棄物は10万年も管理が必要だ。“10万年”と言われてもピンと来ないので過去と比較してみよう。10万年前といえば旧石器時代で、まだクロマニヨン人さえ誕生していない。アフリカにいたホモ・サピエンスがようやく旧人から新人へ進化し、旧人ネアンデルタール人と共存していた頃だ。それくらい長い年月を管理し続けねばならない危険な核のゴミを、僕らは“今さえ良ければいい”と後世の人々に残しているんだ。他に幾らでも発電方法はあるのに。
/原発推進派に一兆歩譲って再稼働を認めるとするならば、まずは大量の使用済み核燃料の安全な処分方法=10万年持つ容器を開発してくれ。ガラス固化した使用済み核燃料を地下に埋めても容器は最長1000年しか持たない。後の9万9千年はどうするのか。嫌味じゃなく、マジで頼む。既に使用済み核燃料だらけなんだから…。
 3月18日…野田政権と電力会社が再稼働に向けて猛烈な巻き返しをしているので、“ここが正念場”と微力ながら抵抗したい。先週、怒髪天を衝いたニュースが2つあった。
/2002年に国際原子力機関(IAEA)は重大事故の防災対策を厳しくした新しい国際基準を作成した。欧米の原発立地国の多くが導入したことから、日本の原子力安全委員会(内閣府)も遅ればせながら4年後の06年から検討を始めた。これに猛抗議してきたのが、経産省の原子力安全・保安院。保安院長である広瀬研吉氏が「既に原子力防災の態勢は整い、国民も落ち着いている。なぜ寝た子を起こすのか」と詰め寄ったほか、安全・保安院は再三にわたって文書で検討中止を求めて圧力をかけてきた。その内容が最悪で「防護措置区域を現行(半径約10キロ)から国際基準(同約30キロ)に変更すると、防災機材の整備を行う地域が拡大し財政的支援が増大する(カネがかかりすぎる)」「変更は原子力に対する国民不安を増大する恐れがあるため検討を凍結して頂きたい」と、人命軽視で実に高圧的。中には次のような逆ギレ文書まで送りつける始末「我が国の防災対策の現状に特に問題点が見いだされない。貴課は本件の社会的な影響の大きさも十分に認識していなかった。防災行政に責任をもつ当院(保安院)の意見、考え方を十分に確認せず、一方的に防災指針について改訂の検討を開始したことは、貴課の不注意と言わざるを得ず、誠に遺憾である」(06年6.15)。なんと、国際基準の導入を検討したことを、あろうことか“不注意である”と断罪しているのだ。
結局、内閣府・原子力安全委員会は経産省の原子力安全・保安院の要求に屈する形で導入を見送った。こうして、日本の原発の安全基準は、海外に比べて極めてお粗末なまま、5年後に東日本大震災に襲われた。導入していれば住民の避難指示が適切に出され、被ばく人口を大幅に減らせた可能性が高い(この当時の保安院長・広瀬氏は事故後にのうのうと内閣府参与に就任している。なぜ業務上過失致死傷罪を適用されないのか不思議)。
経産省の原子力安全・保安院は、原発に関する説明会で反対派ばかりにならぬよう電力会社に動員を求めたり、質問が反対派に偏らないよう、事前に作成した質問を原発支持派の地元の人に読んでもらうなど、数々の“やらせ”の要請が発覚している。今の僕は「原子力安全・保安院」と聞いただけで、怒りで血が沸騰しそうだ。原発を推進する「資源エネルギー庁」と規制する「原子力安全・保安院」が同じ経産省の中にあり、人事の交流もあるなか、どうしてマトモな規制が出来ると政治家たちは考えたのか。
/“怒髪天”ニュースの2つ目は、福井・大飯原発の再稼働問題。再稼働の手順は、安全評価(ストレステスト)の結果を原子力安全・保安院が「妥当」と判断→その保安院の判断を原子力安全委員会が「適切」と判断→首相、官房長官、経産相、原発事故担当相が安全を「確認」→地元自治体が「理解」、となるんだけど、肝心のストレステストは事故前の耐震基準のままだし、政府は2次テスト(事故が起きてしまった時の対応)の結果がまだでも「1次テスト(事故防止対応)だけで充分」と再稼働ありきで、全原発停止を目前にして(残り2基)、野田政権はなりふり構わず突っ走っている。めちゃくちゃな状況だ。脱原発派の僕は地元の良識ある判断に最後の望みをかけているんだけど、先週、藤村官房長官は「滋賀県は地元に含まれない」と表明した。IAEAの国際安全基準である「原発から半径30キロ圏内」に滋賀県の一部が含まれるうえ、“近畿の水がめ”と呼ばれる琵琶湖(この水源が汚染されると大阪も終わる)を擁する滋賀県が無視されて良いハズがない。嘉田・滋賀県知事が「全く理解できない。政府は福島の原発事故をどう思っているのか」「原発の近さ、怖さは東京からは見えない。関西の命の水源の琵琶湖を預かる者として、再稼働と防災が無関係というのは根っこから理解できない」と憤るのも当然。放射能汚染は県境を越えて広がっていくことが分かったのに、地元をごく狭いエリアに今も設定している野田政権の愚かさ!
 3月17日…発電とは全く関係ない費用を東電が電気料金に上乗せしていたことを東京新聞が年末にスクープし、これは大変なことになると思った。でもスルーしているメディアも多いので、この日記で騒いでおく。日本の電気料金は米国の倍近い。東京新聞は発電にかかる費用以外にどんなものが電気料金に加算されているが調査を試みた。その結果、次の事実が判明した。
・年8.5%のリフレッシュ財形貯蓄の利子(社員が500万預けたら年に42万も利子!)
・原発立地自治体への寄付金
・熱海などに所在する保養所の維持管理費
・社員専用の飲食施設「東友クラブ」や、接待用飲食施設「明石倶楽部」の維持管理費
・業界団体、財団法人への拠出金と出向者の人件費
・オール電化PRの広告宣伝費
・一人当たり年間8万5千円の福利厚生の補助
・PR施設(渋谷電力館とテプコ浅草館)
・健康保険料の70%負担(他企業の会社負担は50〜60%)
・年3.5%の財形貯蓄の利子(利子補てんがない企業がほとんど)
・総合グラウンドの維持管理費と減価償却費
・野球やバレーボールなど社内のサークル活動費
・女子サッカーチーム「マリーゼ」、東京電力管弦楽団の運営費
・社員の自社株式の購入奨励金(代金の10%)
・電力と関係のない書籍の購入代金
呆れて言葉もない。普通の企業は利益からこれらを出してるけど、東電は電気代として消費者に強制支払いさせている。東京新聞は「東電の手厚い福利厚生は、電力会社を選ぶことができない消費者の負担によって維持されてきた」と指摘。経産省は発電に関係ないものは電気代に上乗せするなといってるのに、何でもかんでも電気代に入ってる。おそらく、九電や関電など他の電力会社も程度の差はあれ似た状況ではないだろうか。以前に東電が経費を10年間過大に見積もって6千億も余分に電気代を支払わせてたという報道があったけど、あれだってまだ消費者に還元せずぼったくったままだ。
/通常、企業は利益を上げる為にコストカットの努力をする。ところが、電力会社はこれと真逆で、なるべく“コストをかけよう”と頑張ってきた。なぜか。電気料金は「発電所など固定資産に3%かけた金額プラス諸経費」で決まるからだ。「固定資産×3%」だから、建設費が高額の原発をたくさん抱えているほど、電気料金も高く設定可能で会社の儲けが増える。しかも電力会社は「使用済み核燃料=核のゴミ」も“資産”にカウントしてきた。理由は“将来再処理するので資産”。再処理計画は行き詰まっているのに!
電気を安い発電所で作る場合と高い発電所で作る場合、高い発電所で作った方が電力会社の利益になり、原発を運転すればするほど核のゴミ=資産も増えるとなれば、電力会社が原発建設に夢中になるのも当たり前。そしてここに、テレビの広告費や先述した社員の福利厚生が“諸経費”として加算される。独占企業だからいくら料金をあげても消費者は買ってくれ、究極の殿様商売。こういった総括原価方式をやめないと電気代は永遠に下がらないだろう。
/このような一般常識とはかけ離れた電気料金の算定基準や、発送電一体、地域独占を維持する為に、電力会社は政治家に莫大な献金をし(09年の自民個人献金は72%が電力業界、民主には労組が選挙支援)、経産省から天下りを受け入れ、マスコミを大量のCM契約で黙らせ、大学や御用学者を億単位の寄付金漬けにしてきた。もちろん、こういった“工作費”も、すべて電気料金を決める際の原価に入っている。あまりに酷い話だ。原発の安全性だけでなく、電気料金の公正さを求める国民的な盛り上がりが必要ッス!(事故後も東電は天下りを受け入れている)
 3月16日…公文書管理法は政府の意志決定の過程を検証できるようにするため重要会議の記録を残すよう定めている。東電福島原発事故の避難区域や退避方法など重要な決定を行ってきた「原子力災害対策本部」の議事録が作成されていなかったことは、今後同様の失敗を繰り返さない為の貴重な資料が永遠に失われ、まさに国家的、国民的な大損失。東電と政府が合同で事故対応を検討した「事故対策統合本部」の方も議事録が作成されていなかった。
議事録が残っていなければ、これほどの大事故なのに対応が今後の教訓に生かせない。失策であれば反面教師として後世に伝えることも出来るけど、それすらもできない。原災本部の会議は昨年11月までに21回開かれていたが未記録ばかり。理由は「業務が忙しく議事録を作成できなかった」。ふざけるなと叫びたい!後で“言った言わない”になる可能性が高いんだから、せめてICレコーダーの録音スイッチくらい押してくれ。もはや取り返しがつかず、当時の政権幹部は全員議員辞職してしかるべき失態と思う。事故対応のまずさの証拠が残ると困るので、わざと記録しなかったと見られても仕方がない。閉鎖的だった戦前の軍部でさえ、開戦に導く首脳陣の発言が記録されているのに、なぜ民主主義国家の現代日本で議事録がないのか。結局、記憶や証言を頼りに後日になって政府が作成&公開した議事録は76ページしかなかった。
一方、先月下旬にアメリカの原子力規制委員会が公開した福島の原発事故直後(3/11〜3/20)の10日分の議事録はなんと3200ページ!併せて録音内容も公開され、一言一句全てが明らかになっている。他国の議事録が3200ページなのに、当事者の日本がたったの76ページとはあまりに酷い。米側の議事録によると、米原子力規制委員会の委員長は事故5日後に3つの原子炉がメルトダウンすることを予測していた。片や日本政府がメルトダウンを認めたのは2カ月後。事実認識の甘さがここでも浮き彫りになった。元菅政権幹部は公文書管理法が2011年4月施行であることから、3週間前の原発事故に公文書がなくても違反でないと言い張るつもりだろうけど、法律が成立したのは09年6月であり、施行日を理由に逃げるのは政治家に相応しい態度ではない。
/…と、ここまで書いた時点で、日本政府は今回だけじゃなく、阪神大震災でも議事録を作成していないばかりか、それ以降の新潟県中越地震など大規模災害で設置された対策本部7会議の全てに議事録が存在しないことが分かった。公文書管理法の施行前とはいえ、政府が議事録をいっさい作っていないなど想像もしなかった。アメリカの国立公文書館の職員は2500人なのに日本は42人しかいないなど、あまりに非常時の経験を後世に活かすという意識が低すぎる。こんなのだから、災害の度に対応が後手後手にまわってしまう。あんなにたくさんの議員や官僚がいて、誰も疑問を感じていなかったことに目眩がする。
//早く映画やマンガなどアート・トークをしたいのに、よくもこれだけ次々と無視できない時事問題が起き続けるもの。
 3月15日…今週の土曜17日午後3時5分前後に福岡のRKBラジオ『あべちゃんトシ坊こりない二人』にゲスト出演します。墓マイラー・トークを10分ほどします。電波をキャッチできる方、よろしければお聴き下さい。m(_ _)m
//昨日、野田首相は「(原発再稼働に向けて)政府を挙げて説明し、理解を得なければならず、私が先頭に立たなければいけない」と、福井県の大飯(おおい)原発再稼働に向けて並々ならぬ意気込みを表明した。首相は早ければ今月中にも再稼働に向けて政治判断する方針だ。
大飯原発3号機&4号機のストレステストについて、原子力安全委員会の班目(まだらめ)委員長が「1次評価だけでは不十分」と認識を示しているにもかかわらず、首相は「1次評価の検証結果のみで政治判断を行っても問題なし」と語っている。呆れるほどの再稼働への情熱。NHK世論調査では運転再開「反対」と答えた人が「賛成」と答えた人の2倍以上となっているのに、国民の声を聞く気はないらしい。班目委員長といえば全電源喪失などの安全対策を軽視した人物として批判されてきた人物だが、その班目氏をして「1次評価だけでは不十分」と言わしめているのに、それでも再稼働に突き進む現政権はあまりに無責任すぎる。
/報道ステーションでは再稼働問題で最大のタブーとされている「原発は津波の前に地震で壊れていた」という疑惑を以前に勇気をもって取り上げている。もしも地震で壊れていたら、日本の全原発施設に耐震上の問題が波及し、再設計、補強工事という大変な事態となる。全原発の長期間停止は避けられない。古舘アナはそのことを3/11の特番で(圧力の存在を匂わせ)再検証できなかったことを悔やんでいた。コチラの動画『作業員の証言』(4分25秒)は“東電は終わったなと思った”など緊迫感に満ちている。年末には2時間もの検証特番をオンエアしており、リンク先で文字起こしされている。忙しい方の為に僕が注目した部分を以下に紹介。
・日本の原発は以前から配管のひび割れがあちこちで報告されている。ところが老朽化している福島第一原発で、地震による配管断裂に東電が全く触れていない。
・1号機の設計に従事した元GEエンジニア、デール・ブラインデンボー氏「マグニチュード9.0を超える地震は設計上原発が耐えられる規模を超えている。パイプ(配管)のどれかが破損していた可能性がある」。
・津波は敷地内に押し寄せたが、原子炉建屋本体は二重扉に守られ津波が入りこんではいない。それにもかかわらず短時間で放射線量が上昇したのは、地震で配管が破損したからではないか。
・日本では1982年以降、原発の機器を振動台で揺らし強度を測る実験が行われた。だが、福島1号機のような古いタイプの原子炉は実験が行われていない。
・第一原発から漏れたキセノン(核分裂時に発生するガス)は世界中に広まり、その量はチェルノブイリの2倍以上。キセノンの流れを遡ると漏れ始めた時刻は11日午後5時50分ごろ。
/報ステは「なぜ建屋が次々と水素爆発で吹き飛んだのか」という謎にも切り込んだ。その結果、重大な構造的欠陥が判明した。スイスの原発ではベント(排気)専門の配管が独立している。理由は他の配管と接合してしまうと、水素が流れ込み(逆流して)爆発する恐れがあるからだ。ところが福島第1原発は、新たに独立した配管を引かずに、コストカットのために他の弱い配管と接合した。この工事費のケチな節約が今回の水素爆発に繋がったという。爆発した福島原発と設計が似ていて、今後、ベントの時に建屋が吹き飛ぶ可能性がある原発は、島根原発2基、浜岡原発3基、志賀(石川)原発2基、柏崎刈羽原発7基、東海原発1基、福島第2原発4基、女川原発3基、東通(青森)原発1基の全国23基もある。「何が安全神話で守られていたかって言ったら、あえて言いますけれども、利権既得権がある原子力村が安全に守られていた」(古舘アナ)。
/13日の日記について加筆を報告。ある読者の方から「陛下のお言葉の核心は被災者への哀悼の意であって発電方法の是非ではない」と指摘を頂きました。もちろんその通りであり、そのための追悼式典と思ってあの日記を書いたのですが、確かに読み返してみると放射能問題がメインになっており加筆させて頂きました。それから、天然と人工の放射性物質についても説明不足の点があったので、(1)人工放射性物質の中でも、クリプトン88(半減期3時間)、キセノン135(半減期9時間)など“希ガス”は体内に蓄積されない(2)天然放射性物質ラドンは2時間で尿から出るので危険性は低いと思っているけど、世界保健機構(WHO)は「ラドンは低線量であっても肺癌(特に喫煙者)の危険性がある」「癌の原因の6%〜15%がラドンに起因」と警告している、などを追記しています。これらを踏まえ、「放射性物質の性質は種類によって違うため、○○という放射性物質の危険性が小さいからといって××という別の放射性物質の危険性も小さい、とは限らない。それを鵜呑みにせず、本当に危険性の程度が同じといえるのか調べておこう、そういう態度でいた方が安全だと思います」とご意見を頂き、これも追記しています。分かりやすいですね!
//4月17日に発売される『ジョジョの奇妙な名言集』、上巻&下巻の表紙は共に先生の描き下ろしで、歴代主人公と歴代敵ボスが総登場という豪華なものになってます!(Ama
 3月14日…震災から1年となる3月11日、テレビ各局は様々な特番を組んで震災や原発事故を検証した。その中で報ステ・キャスター、古舘伊知郎さんの“原発村”対決宣言が大きな話題となってネットを駆け巡っている。
/古舘伊知郎さんの“その発言”は特別番組の最後、生放送中に飛びだした。「今回このスペシャル番組で、(原発が津波の前に地震で壊れていたという)その追及をすることはできませんでした」「日本には“原子力村”という村が存在する」「地域で主な産業ではなかなか暮らすのが難しいという時に、その地域を分断してまでも積極的に原発を誘致した」「根本を徹底的に議論しなくてはいけない。私は日々の報道ステーションの中でそれを追及していきます。もし圧力がかかって番組を切られても、それは本望です。また明日の夜9時54分に皆様にお会いしたいです。おやすみなさい」。(音声のみ/2分53秒)
これには感動した。ネットには「ようやく大きな殻が一枚破られた」と書いてる人がいたけど、まったく同感。東電はずっと「原発は津波で壊れた」と主張しているけど、「本当は先に地震で壊れていた。放射性物質が漏れていた」という声が、複数の技術者や海外の専門機関からあがっている。だが、野田首相も大手メディア(スポンサーが電力会社)も聞く耳を持たない。それもそのはず、ストレステストは電源喪失の対応がメインであり、耐震性をイチから見直すとなれば、全原発の長期運転停止が避けられないからだ。だから、何が何でも再稼働させたい政府と電力業界にとっては、福島の原発が地震で壊れていては“ならない”んだ。古館氏はアナウンサー生命をかけてそこを指摘した。古舘氏ほど著名なキャスターでなければ、このような発言をすれば速攻で降板処分になっていただろう。今後、もしも古舘氏がクビになったら、この対決宣言が原因(圧力があった)と誰もが思うわけで、局の上層部としては逆に切ることが難しくなったのでは。(地震損壊説について明日の日記で詳細説明します)
/サウスカロライナ大学のティモシー・ムソー教授率いる生物学者らは、昨年7月に福島周辺300カ所を調査し、鳥の生息数が約3分の2に減っていることを突き止めた。この調査には立教大学、長崎大学、福島大学などの研究者も参加しているが、国内では殆ど報道されていない。在米邦人の方がムソー教授に詳しく話を聞いており、ブログに詳細が報告されている。「福島県の広い範囲での汚染のレベルは、チームが予想していたよりも高く、ホットスポットのいくつかは毎時100マイクロシーベルトを超えた。福島市、郡山市などの人口の多い地域には、放射線レベルが毎時1マイクロシーベルト(年間9ミリシーベルト相当)を越える場所があったが、このレベルは20年間の被曝を経験したチェルノブイリで鳥や昆虫に悪影響が“出る”ことが分かっているレベルである」とのこと。こういう大事なことはちゃんと報道すべきでは。
※こうした記事は日記で書きづらい。福島市や郡山市に生活拠点を置いている人は、仕事や学校のこともあって転居は容易に出来ないと思うし…。だからこそ、行政はホットスポットなどマイナス情報の周知を徹底して、該当エリアに子どもが近づかないようにしていかないと…。
 3月13日…まさかのジョジョ&グリコのコラボ!トニオさんがプリッツの箱にーッ!(だがしかし、うちの近所にセブンイレブンがないぜよ!)
//今上(きんじょう)天皇は昨年11月にマイコプラズマ肺炎で入院し、今年の2月には狭心症(心筋梗塞)が認められ、18日に冠動脈のバイパス手術が行われた。陛下は現在78歳であり、心臓手術のように大きなオペの後は、体力への負担もあり、長期のリハビリが必要なはず。それにもかかわらず、3月4日に退院したばかりで、さらに7日には右胸にたまった水を抜く治療も受けているのに、4日後(3/11)に開かれる政府主催の東日本大震災一周年追悼式に“どうしても出席したい”と参加を熱望された。それは失われた2万もの生命への追悼の言葉や、原発事故に関する重要な言葉を、自分の口から国民に伝えるためだった(これまで“談話”という形で放射能問題に触れたことがあるけど、ご自身の口で直接語りかけるのは初めて)。これが手術後初の公務だ。
野田首相は昨年12月に「冷温停止宣言」を出し、原発事故が収束に向かっていることを世界にアピールした。しかし、陛下は式典壇上で被災者への哀悼の意を述べられた後、次のように言葉を続けられた。「この震災のため原子力発電所の事故が発生したことにより、危険な区域に住む人々は、住み慣れた、そして生活の場としていた地域から離れざるを得なくなりました。再びそこに安全に住むためには、放射能の問題を克服しなければならないという困難な問題が起こっています」。
陛下は“原子力発電所の事故”“放射能の問題を克服せねばならない”と明確に言及され、これは野田首相の“収束宣言”とは正反対の見解だ。ドクターから“20分が限度”と忠告されるなか、無理をしてでも国民に伝えたかった被災者へのお見舞いの言葉と、収束宣言への違和感。陛下はまた「危険な区域」「再びそこに安全に住むためには」と指摘しておられ、これは裏を返せば“避難する必要がある”ということ。限界まで踏み込んだ発言と思う。現地へのお見舞い訪問を何度も続けられてきた陛下が、病を押して追悼式典に出席され、政府見解と異なる立場をとられたことに感動した。陛下が園遊会で話された「(日の丸・君が代は)強制になるという事でない事が望ましい」にしろ、今上天皇は本当にリベラルな人格者だと思う。 ※陛下の追悼動画(5分50秒)
御用学者や保守論客の一部にはいまだに「低線量被曝はむしろ健康に良い」「海外にはもっと高い放射線の地域があるがみんな元気」と吹聴している。彼らは天然の放射性物質カリウム40、炭素14(考古学の年代測定に応用)のように、生物誕生の頃から共存し、体内からすぐに排出されたり濃縮されない自然界の放射性物質と、原発で作られたセシウム、ストロンチウムなどの人工放射性物質(こっちは生物の体内で濃縮・蓄積される)を、意図的(?)に混同させており悪質極まりない。例えば、天然のカリウム40はどんどん体外へ出されるけど、原発由来の放射性ストロンチウムは骨に蓄積され半減期29年。まったく性質が異なるのに、両者のベクレルを比較することに何の意味があるのか。保守派であるならば陛下のご意向を尊重し(原発推進派の論客は大多数が保守派なので、あえて陛下の名を出します)、自然界と人工の放射性物質をごちゃまぜにして煙に巻くのは止めて欲しい。
※天然と人工の放射性物質の違い(7分16秒)
※厳密に言うと人工放射性物質の中でも、クリプトン88(半減期3時間)、キセノン135(半減期9時間)など“希ガス”は蓄積されず、逆に天然でもラジウム226は8割が排出されるものの2割が骨に蓄積される。でも、一般人が個々の名前を覚えるのは大変なので、“人工放射性物質は危険”と認識しておいて問題ないと思う。天然のラドンについては、体内に入っても50%が30分で消え、約2時間も経てば殆どのラドンが尿などから排出されるので危険性は低いと思っているけど、世界保健機構(WHO)は05年6月に「ラドンは低線量であっても肺癌(特に喫煙者)の危険性がある」「癌の原因の6%〜15%がラドンに起因」と警告している。
※炭素14やカリウム40は自然界にもともと存在している放射性物質であり、地球上で生きていく以上は共存していかざるを得ないので問題視しても仕方がない。それにプラスして別の放射性物質で被曝するのが問題 。
※読者の方から「放射性物質の性質は種類によって違うため、○○という放射性物質の危険性が小さいからといって××という別の放射性物質の危険性も小さい、とは限らない。それを鵜呑みにせず、本当に危険性の程度が同じといえるのか調べておこう、そういう態度でいた方が安全だと思います」とご意見を頂きました。分かりやすいですね!
/ところで、上記した天皇陛下の重要な追悼メッセージが、昼間の生中継ではノーカットでオンエアされたのに、夜のニュースでは放射能問題以外の部分だけが放送されたり、ツイッターの情報ではNHKの夜7時のニュースで「再びそこに安全に住むためには放射能の問題を克服しなければならないという困難な問題が起こっています」という核心にあたる部分から、「放射能の問題を克服しなければならないという」という部分がカットされ、「再びそこに安全に住むためには困難な問題が起こっています」と短くなっていたという。直接確認していないので100%事実なのか分からないけど、もしこれが本当なら陛下の思いを踏みにじる最低の編集だと断罪せねばならない。聞けば、1月に渡辺謙さんがダボス会議でスピーチした際も、原発事故に触れた部分を各局はカットしてオンエアしたという。これだけの事故が起きても、メディアはまだ“超お得意様”である電力会社の顔色を伺い続けていることに脱力。
/古館アナの“降板本望”宣言は明日に。
 3月12日…東日本大震災から1年目となる昨日、国内外のあちこちで脱原発の集会やデモが行われた。福島県郡山市では『原発いらない!3・11福島県民大集会』(呼び掛け人代表/清水修二・福島大副学長)が開催され1万6千人が参加。県立高校の生徒さんの「原発がなければ、被害に遭った人を助けに行けました」という言葉がズシリと胸に響いた。そうなんだよね…。東電や原発推進派が「原発事故では直接死者は出ていない、津波の犠牲者ばかり」と主張しているのを何度か見聞きしたけど、原発事故さえなければ20km圏内で助けを求めながら息絶えた人を何人も救助できたのだから、“直接の死因ではない”という言い方はデリカシーに欠けると思う。集会には作家・大江健三郎さんが参加し「原発に大事故が起これば、私たちは将来の人間から、人間らしい生活の場を奪うことになる」と訴えた。
/東京・日比谷公園では約3万人が黙祷。坂本龍一さんが「リスキーな方法で電気を作る必要はない」と自然エネルギーの活用を呼び掛け、約1万人が原発再稼働反対を訴えて国会議事堂を“人間の鎖”で取り囲んだ。東電本社や経産省の前をデモした60代女性いわく「原発推進の流れを作ってしまったのは私たち団塊の世代。若い人たちのために再稼働はおかしいと言い続けたい」。
大阪でも約7千人が参加した脱原発集会があった。また、“原発銀座”と呼ばれる福井県の敦賀市(14基立地)では、元原発労働者ら約15人が脱原発集会(1200人参加)に加わり「原発のない未来に向かって進めていこう」と呼びかけ、広島市でも市民ら約2千人が「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・フクシマ、ノーモア・ヒバクシャ」と訴えながらデモを行った。
/同日、海外で最も大きな脱原発ムーブメントが起きたのは、EUきっての“原発大国”フランス。なんと核関連施設が密集する南部で約6万人の“人間の鎖”を作った。これはフランスでも過去最大規模となる反原発の催し。6万と言えば東京の“人間の鎖”の6倍だ。家族4人と手を繋いだ参加者(50歳)いわく「フクシマの事故で行動を起こさなければならないと思った」。ドイツでは原子力関連施設周辺で2万人が廃炉を要求。75kmにわたって抗議のロウソクが点灯した。英国では原発周辺で約800人の市民が原発増設反対を訴える“24時間デモ”を敢行し、警笛や楽器を一斉に1分間鳴らすことで「政府の原発増設計画に沈黙しない」との意思を示した。
アジアでは台湾・台北市内で約5千人が「人類は原発を制御できない」と“さよなら原発”集会を開いて総統府までデモ行進。台中市や高雄市を含めた三都市で計約1万人が脱原発運動に参加した。韓国でも市民ら約千人が原発建設反対集会を開いた。
※韓国では釜山のコリ原発が全電源喪失事故を1カ月も隠していたことが大きな問題になっている。コリ原発は九州から海を隔ててすぐの場所。博多〜東京間よりも近い。
※日比谷公園に3万人集まったことを、多いと見るか、少ないと見るか。東電の原発事故の被害を受けていないフランスで6万人が人間の鎖を作ったことを考えると、深刻な被害の真っ只中にいる日本人が、その半数しか東京に集まらなかったのは、他国から見ても奇異に映るのでは。かくいう僕も、用事があって脱原発集会に参加できなかったので、あまり大きなことは言えないんだけど…。
/古舘伊知郎さんや天皇陛下の勇気ある原発批判については明日に。
 3月11日…今日で東日本大震災から1年。突如として断たれてしまった約2万人の尊い生命。特に幼児・子どもの死はあまりに不条理に思われ、僕は故人・遺族に手向ける言葉がまだ見つかりません。ただひたすらに、犠牲者のご冥福を心から祈るばかりです。
//各地で追悼式が催されるなか、僕は掲示板に読者の方が報告された、鎌倉の禅寺・建長寺で行われた神道・キリスト教・仏教の三つの宗教者による合同追善法要に胸が熱くなった。宗派を超えた追悼の祈り。その場にいた読者の方いわく「まずは神道を先頭に、続いてキリスト教、仏教の順に列となり、広い境内をゆっくり一巡していきます。神官・神父(牧師)・仏僧が100名近い列を成して、各々の祈りの言葉を唱えながら歩く姿は、ただそれだけであまりに荘厳で、私は動悸が止まりませんでした。そして14時46分になり一同が黙祷を捧げると、その3つの宗教者が建長寺の法堂に集まり、各宗合同による追善法要が始まります。私にとってそれは驚嘆の光景でした。仏教の法堂に、そして祭壇を前に、異なる三つの宗教が並び座して互いの法要に参加する。祓詞(はらえことば)・賛美歌・読経が代わる代わるに流れ、神官が神父が仏僧が、ただただあの大震災を悼み祈りを捧げる。不謹慎ながら、私はその姿の美しさに心が震えました。(略)災害は国も宗派も分け隔てなく平等にやってきます。ならば、人も分け隔てなく、悼む心と祈りを持てるのでは。私は今日、ひとつの“絆”を体験できました。その“絆”はとても美しく、私にとってそれは“アート”だと感じました」。世界には宗教を原因とした対立が数多くあります。追悼の思いという一点で心を重ね合えることを示した追善法要は、とても大切なメッセージを世界に伝えていると思います。※ヤフーニュースでも配信されていました。
//被災地から発信される様々な声の中で、僕は昨年12月に読んだ福島の元農家の方のブログが強く印象に残っています。被災地の農家を待っていたのは「綺麗な建前で武装した強者による搾取」というもの。そこには、米が業者にめちゃくちゃ安く買い叩かれている現実(米一俵5000〜8000円)、それが食品会社やら、外食産業に流れ込んでること、肉牛についても震災前に1750円/kgの相場が650円/kgになったこと、白菜は1玉98円など農家の実状が書かれていました。買い取り業者は「私共は復興を支援しております。食べて応援しましょう!」と言うため、“本心から応援したいなら、例年の定価で買ってくれ”と訴えられている。(以下、綴られていた怒り)「被災地支援を、弱者を自社利益のための口実に使うな。正直にはっきり言えよ、“私共は、農家さんの生活より、お客様の健康より、私共の利益が大事です”って。原発事故のおかげで国産米が安く仕入れられて嬉しいですって」「現地はこんな状態なのにマスコミは何やってる。そんなにスポンサー様が怖いか。(略)この国にジャーナリズムなんて存在しないという当たり前の事実はもう知ってるけど、それでも、利益の流れが解り易過ぎて泣けてくんだよ。せめてもう少し隠してくれよ。復興を支援だ風評被害だ言うんだったら、テメーんとこの社食で、例年の定価で買ってくれ」「本当に支援なんだったら、何で出荷した農家が泣いてるんだ。福島の農産物が安くなるのは仕方ないよ。安いものを買うのもしょうがないよ。ただ、それを利用した綺麗事をぬかしてんじゃねえ、現場は現場で修羅場なんだよ」。“せめてもう少し隠してくれ”という言葉に込められた、この深い絶望。例年の相場で買い取るという“支援”こそが、農家のメンタル面をサポートするためにも必要だし、消費者が安易に「格安」さだけをスーパーの弁当や和食チェーン店に求めるのは誤りと痛感した(リンク元)。
//今日は脱原発に関する様々な動きもあったけど、それらについては明日の日記で。
 3月10日…掲示板のレスがいつも遅くなって申し訳ないのですが、1月20日のトピック『アンビエントの調べ』は個人的に至福のスレッドでした!
/“アンビエント”は「あたり一面にある」という意味の形容詞で、日本ではアンビエント・ミュージックを“環境音楽”と訳している。この分野の開祖はフランスの作曲家エリック・サティで、彼が1920年に“意識的に聴かれない音楽”“家具のように日常生活を妨げない音楽”を目指して『家具の音楽』(第1曲・県知事の私室の壁紙、第2曲・錬鉄の綴れ織り、第3曲・音のタイル張り舗道)を発表し、これが同ジャンルの夜明けとなった。初演当時の次のユニークなエピソードが伝わっている。サティはコンサートのプログラムに「休憩時に演奏される音楽をくれぐれもお聴きなさりませぬように」とわざわざ注意書きを添えていた。果たして休憩時に『家具の音楽』(約12分※確かに意図通り何も感情に訴えてこない)の演奏が始まると、聴衆が席に戻って鑑賞しようとするので、サティは「おしゃべりを続けて下さい!」と必死に呼びかけたという。
それから時を経ること約60年。1978年に英国の作曲家兼ミュージシャン、ブライアン・イーノ(元ロキシー・ミュージックのシンセサイザー)が、空港のロビー用のBGMとして作曲した「ミュージック・フォー・エアポート」に“アンビエント・ミュージック”という言葉を初めて使用。以降、現代に至るまでイーノが提唱したアンビエントな楽曲が様々なミュージシャンによって発表されている。僕が最初に感動したイーノの楽曲は、4作目のアンビエント・アルバム『Ambient 4:On Land』(1982)に収められた『Unfamiliar Wind』(5分27秒)を聴いたとき。早朝の湖畔で霧に包まれているような空気感に理由もなく落涙した。2度目に聴いたときは、歌詞も何もないのに、深い思索の世界に入っていった。音楽が終わったことも気づかないくらいに。もう20年近く昔の体験だけど、掲示板のスレでそれらを思い出した。
//読者の方の紹介で個人的にグッと来たのは以下の5曲です。
『Abyss』(5分41秒)…坂本龍一とフェネスの共作。教授のピアノの一音一音が魂の奥底へ沈み込んでいく。曲名“アビス”は深海の意。背景の幻想的な機械音が彼岸から聴こえてくるよう。
『Nihon 日本のために』(4分16秒)…Goldmundことポートランド出身の音楽家Keith Keniffが、東日本大震災に襲われた日本のために書き下ろしてくれた鎮魂曲。まさに神曲。
『Candles』(2分30秒)…ジョン・ホプキンスの作品。2分半と短い時間で完全に独自の世界を構築している。Jon Hopkinsの名をメドレー・サイトに登録してリレー再生しまくり。浄化と恍惚のダブル。
『鏡の中の鏡』(10分10秒)…エストニアの作曲家、アルヴォ・ペルトの作品。天国的な響き!読者の方いわく「“静謐(せいひつ)”という言葉がぴたりと当てはまるような響きが美しいです。僕はよく寝る前にかけます」。
『Shenandoah』(5分50秒)…キース・ジャレットの作品。リンク先の夕暮れの海辺動画を見ながらこの曲を聴いてると、“人生いろいろあったよな”的な、なんともノスタルジーな気分に包まれた。画面拡大推奨!
 3月9日…今年1月23日に栗原真理子さんが癌で他界された。享年76歳。訃報を伝える記事を読んで、06年にお会いしたときはとても元気だっただけにショックだった。栗原真理子さんは被爆詩人で知られる栗原貞子さんの長女。母・貞子さんは32歳の夏に被曝し、爆心地から4キロの自宅にいて一命をとりとめた。原爆が投下された夜に広島市千田町の郵便局地下壕で赤ん坊が産まれた話を聞いた貞子さんは、終戦翌年に次の詩を書いた。
『生ましめんかな』(1946年)
こわれたビルディングの地下室の夜だった。/原子爆弾の負傷者たちは/ローソク一本ない暗い地下室を/うずめて、いっぱいだった。/生ぐさい血の匂い、死臭。/汗くさい人いきれ、うめきごえ/その中から不思議な声がきこえて来た。/「赤ん坊が生まれる」と言うのだ。/この地獄の底のような地下室で/今、若い女が産気づいているのだ。/マッチ一本ないくらがりで/どうしたらいいのだろう。/人々は自分の痛みを忘れて気づかった。/と、「私が産婆です、私が生ませましょう」/と言ったのは/さっきまでうめいていた重傷者だ。/かくてくらがりの地獄の底で/新しい生命は生まれた。/かくてあかつきを待たず産婆は/血まみれのまま死んだ。/生ましめんかな/生ましめんかな/己が命捨つとも
※実際にはこの産婆さんは生き延び、後年に子どもと再会している。
--原爆投下後の悪夢のような状況でも、新しく無垢な命が生まれてくることは希望であり、読み手に強烈なインパクトを残す。その場の匂いまで伝わってくるような臨場感。言葉に形容しがたい感動がある。この『生ましめんかな』の詩だけでも僕は貞子さんに墓巡礼をしたけれど、さらに衝撃を受ける詩を『生ましめんかな』のちょうど30年後に書いている。
『ヒロシマというとき』(1976年)
〈ヒロシマ〉というとき/〈ああ ヒロシマ〉と/やさしくこたえてくれるだろうか/〈ヒロシマ〉といえば〈パール・ハーバー〉/〈ヒロシマ〉といえば〈南京虐殺〉/〈ヒロシマ〉といえば 女や子供を壕のなかにとじこめ/ガソリンをかけて焼いたマニラの火刑/〈ヒロシマ〉といえば/血と炎のこだまが 返って来るのだ/〈ヒロシマ〉といえば/〈ああ ヒロシマ〉とやさしくは返ってこない/アジアの国々の死者たちや無告の民が/いっせいに犯されたものの怒りを噴き出すのだ/〈ヒロシマ〉といえば/〈ああヒロシマ〉と/やさしくかえってくるためには/捨てた筈の武器を ほんとうに/捨てねばならない/異国の基地を撤去せねばならない/その日までヒロシマは/残酷と不信のにがい都市だ/私たちは潜在する放射能に灼かれるパリアだ/〈ヒロシマ〉といえば/〈ああヒロシマ〉と/やさしいこたえがかえって来るためには/わたしたちは/わたしたちの汚れた手を/きよめねばならない
--僕がこの詩に出合ったのは高校時代。落雷を受けた気がした。それまで戦争に関する詩と言えば、被害者視点で書かれたものしか知らなかった。むろん、庶民が被害者視点になるのはやむを得ないと思う。国民は戦場の現実を知らされてなかったし、原爆も大空襲も実際に恐ろしいのだから。ところが貞子さんは、被曝しているにもかかわらず加害者としての日本に言及した。これは保守派と被曝者の双方からバッシングされる恐れのある、非常に勇気のいることだ。貞子さん以外に加害者としての詩を残した被曝詩人を僕はまだ知らない(だからといって他の被曝詩人を非難する気は毛頭ない。8月6日の地獄を味わえば、被害者としての思いが全面に出るのが普通だろう)。
貞子さんが05年に他界された時に、どうしても墓参したくて墓地を調べたけれど、どの文献にも記載されていなかった。そこで、長女の真理子さんに連絡をとって、“大阪から広島に墓参へ行きたい”と伝えると、なんと真理子さんは広島市内の自宅に招待して下さり、母・貞子さんの自筆の詩作ノートを見せて下さった。思い出話を色々聞かせてもらい、真理子さんは右傾化している世論(当時は小泉政権)を大変危惧されていた。貞子さんの墓地を文献で調べても記載されていないのは、広島から20kmほど北上した山間部にある集落(貞子さんの故郷/可部町勝木)の名もなき共同墓地で記載しようがないからだ。僕は真理子さんに地図を書いてもらったおかげで辿り着けたけど、自力では厳しかったと思う。真理子さんの冥福を祈ります。
墓前に立って圧倒されたのは、栗原家の墓域に「護憲」と刻まれた大きな碑文が建立されていたことだ。背面には憲法第9条。このような墓所は日本中探してもここだけだろう。死してもなお反戦平和のメッセージを訴え続けている詩人、それが栗原貞子さんだ。※改憲派の人も、たとえ意見は異なっても、この貞子さんの“本気さ”は認めてくれるのでは。いわゆるプロ市民とは説得力が違う。被曝体験に裏打ちされた護憲の叫び。

/訃報関連では、海外はホイットニー・ヒューストン一色だけど、日本国内でも、2月16日に往年の大女優・淡島千景さん(代表作『夫婦善哉』)が87歳で、2月23日に歌舞伎の名女形・中村雀右衛門さん(人間国宝)が91歳で、そして同月13日には『男はつらいよ』シリーズで団子屋の“おばちゃん”を演じていた三ア千恵子さんが90歳で旅立たれている。“おいちゃん”役は3代変わったけど、“おばちゃん”役は第1作から最後の第48作まで全部三アさんが演じきった。淡島さん、雀右衛門さん、三アさん、素敵な時間を有難うございました。
 3月8日…先日、第84回米アカデミー賞のレビューを3日間に分けて書いた後、その直後に開催された第35回日本アカデミー賞のレビューも書こうとメモを片手に視聴した。結果は『八日目の蝉』の圧勝(作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、助演女優賞!)。僕はまだ未見なので鑑賞次第コメントを書きます。
それはそうとして、米国のアカデミー賞だとあんなにスピーチをメモりまくったのに、日本アカデミー賞では最後までメモる内容がなかった…!けっしてスピーチ内容が悪かったわけじゃない。ただ、受賞する人はみんな同じ内容で、「撮影中にお世話になった方に心から感謝します」で統一されており、この日記であえて詳しく紹介するエピソードがなかった。見ていて違和感があったのは、司会者に深津絵里さんを起用したこと。僕は深津さんが好きだけど、彼女は主演女優賞にノミネートされてるし、プレゼンターとしても登場するなど、授賞式全体が“深津絵里オンステージ”という印象。バタバタとせわしなかった。他にも女性司会者に相応しい人はいくらでもいると思うんだけど…。
/日本アカデミー賞の視聴率は11.9%とのこと。あれだけの大スターが一堂に会していることを考えると、この視聴率は低いと言わざるを得ない。映画ファンの友人と、「なぜ“日本アカデミー賞授賞式”は本家ほど盛り上がらないのか」という話題になり、2人で検証してみた。
・「優秀賞」に選ばれた5本の中から「最優秀賞」を選ぶという方式が、緊張感を欠いているのかも。米国の場合は、ノミネート後は受賞か無冠かそのどちらかで、緊迫した空気が支配している。日本はとりあえず優秀賞を全員が受賞して、候補者全員にスピーチの場が与えられる。優しい演出だけど、ヌルさは否めない。
・米国に比べ司会が安全運転すぎる。毒舌家だけど相手の魅力も引き出す有吉弘行さんあたりが司会をすれば、司会のコメント自体も話題になって視聴率もあがるのでは。
・米国ではスターが出ていないマイナーな映画も作品賞にノミネートされるけど、日本は“興行収入”という成果がなければノミネートされにくい。
・米国は主題歌賞や作曲賞を紹介する華やかで大掛かりなステージがある。日本も導入すればショーとしての魅力も増すのに。
・スピーチに“時間切れ”がなく、長引くと音楽で巻きが入って強制終了というのも日本にはない。受賞者は時間が限られているからこそ、その中で心に残る名スピーチを残そうと頑張るんじゃないかな。このあたりも日本の授賞式がまったりしているように見える原因かも。
・なんでも米国式にすれば良いわけじゃないけど、米国は作品賞を題材にしたパロディ・ムービーが上映される。司会者が作品賞のコントをやったりもする。そういう笑いの要素が決定的に日本は欠けている。
・日本には『長編ドキュメンタリー賞』が存在しない!米国では『長編ドキュメンタリー賞』はスターが出ていなくても、映画人から同賞受賞作はリスペクトされている。マイケル・ムーアもこの賞で有名になった。一般的にドキュメンタリーは政治的(反権力)な作品が多いから、保守系の日テレや大手映画会社は同賞の創設を嫌っているのかと疑ってしまう。
・微妙に生放送じゃない。
・外国映画賞がアメリカ映画ばかり。でも『アバター』『ダークナイト』『グラン・トリノ』『硫黄島からの手紙』など、米国では作品賞を逃した名作が、日本ではちゃんと評価されているのは嬉しい!
…とまあ、こんな感じでした。もちろん異論は認めます。r(^_^;)
//朝の忙しい時にマグカップで簡単に朝食を作っちゃうレシピ集。混ぜてチンするだけのものばかりだけど、写真がどれも美味しそうで、片っ端から試してみたくなる♪
 3月7日…中国政府の言論弾圧は相変わらず酷い。“アラブの春”に感動した民主活動家が、ネット上に「広場はみんなのもの。足もそう。広場に行って選択をする時」「今こそ、自分たちで中国の未来を選ぶ時だ」という短い12行の詩を書いたところ、中国当局は“国家政権転覆扇動罪”を適用して懲役7年の判決を先月言い渡した。たった12行の詩で懲役7年!権力は軍隊も強力な治安警察も持っているのに、ネットに12行の詩を書く自由も与えず、しかも“国家転覆”などと騒ぎ立て、あまりのチキンぶりに呆れ返る。
//歴史上の人物や出来事の白黒写真をカラー化したものを紹介したサイトを見て、アンネ・フランクやリンカーンといった人物も新鮮だけど、後半の事件写真のカラー写真群に強いインパクトを受けた。中でもビキニ環礁の核実験は、天を衝く水柱の太さと、青い海&楽園のような南の島との対比が、核兵器の不気味さを際立たせていた。
/南ベトナムの独裁政権に抗議して焼身自殺した僧侶の写真は有名だけど、カラーにすると炎の熱さが伝わり、この僧侶の超人的な意思の強さに圧倒される(←僕はこれをグロ写真とは呼びたくないけど、苦手な人はクリック不要)。/もう一点見入った写真は、1863年7月に南北戦争の激戦“ゲティスバーグの戦い”で撮影された「死の収穫」(遠景の戦場写真)。静かに点々と横たわる兵士の亡骸が戦争の虚しさを物語っていた。※「死の収穫」のオリジナルを探していて南北戦争の写真ばかり多数収めた資料サイトを発見。日本では江戸時代末期にあたるんだけど、写真の鮮明さに驚いた。
//どわー、今年も花粉の季節がきた。朝から目がかゆいわ、クシャミ連発だわで、こりゃたまらん。
 3月6日…友人が「グーグルに腹が立つのでGmailをやめる」と伝えてきた。彼は最近、親友が癌の為に亡くなったんだけど、Gmailの受信箱ページに”癌”をキーワードとするあらゆる広告が出現し始め、極めて不愉快とのこと。グーグルはエジプトの民主化運動に協力したり、中国政府の検閲行動に猛抗議するなど、個人の思想や民主主義を尊重する企業だと思っていた。でも、ここ最近の個人情報収集は行き過ぎだと思う。
グーグルは欧州連合(EU)の導入延期要請を無視する形で、3月1日に利用者情報を統合した。YouTubeの利用(検索)状況、買い物履歴、アンドロイド搭載スマホからの位置情報すっぱ抜き、Gmailの内容を勝手にデータ化するだけでもやり過ぎなのに、同社はこの先クレジットカード情報も視野に入れている。僕らはグーグルに行動を丸ごと把握されてしまうのか。Youtubeで視聴した動画に関連した広告が直ぐさま出てくるのあざとさ。グーグル側は個人情報を外部に提供することはないと言ってるけど、他企業に買収された時に方針変更になる可能性もあるし、情報が1カ所に統合されている分、ハッカーに侵入されたら根こそぎやられてしまう。聞けば、リアルタイムウェブ監視システムを開発した会社は、グーグルとCIAが共同出資しており、Google EarthはCIAの協力で実現したこともあり、諜報機関から沢山の天下りを受け入れているという。なんか、どんどん胡散臭くなってきてるんだけど(汗)。グーグルはあまりに便利なため、僕はGmai、グーグルMAP、アースなども含めて頻繁に利用している。でも、検索ワードを集計するのはともかく、メールの内容までぶっこ抜くのは明らかにプライバシー侵害だ。もう現状で充分に便利な生活になっているので、これ以上個人情報を抜いて何かに利用してくれなくてけっこう。生活の隅々まで一企業が介入してくると、ターミネーターのスカイネットみたいな恐ろしさがある。
//先月、オバマ政権が暴力団・山口組に経済制裁を行った。米財務省は山口組の篠田建市6代目組長とナンバー2の弘道会・高山清司会長が「国境をまたいで人身売買や薬物取引で利益を上げている」とし、米国内の資産を凍結、米国の団体や個人に両名との取引を禁止した。米財務省は山口組が国内外で「薬物や人身の取引、強要、売春、詐欺、資金洗浄」などの犯罪に関与し、「推定で年間で数十億ドル(数千億円)」の収益を得ていると指摘。同省は日本の“ヤクザ”との対決姿勢を全面に打ち出しており、「日本の暴力団には約8万人の構成員がおり、麻薬取引や武器密売に加え、建設、不動産、金融業でフロント企業を使って、違法な収益を上げている」と糾弾している。
オバマ政権はヤクザの他に、冷酷非道で悪名高いメキシコの麻薬密売・武装組織「ロス・セタス」、イタリアのナポリを拠点とするマフィア組織「カモッラ」、旧ソ連圏を拠点とする犯罪組織「ブラザーズ・サークル」も金融制裁の対象としている
世界には約200カ国の国があるけど、日本はメキシコ、ロシア、イタリアと並んで米政府から名指しで巨大犯罪組織が国内にあると指摘されており、「国辱」といわれてもおかしくない。この4カ国に含まれていて、どこが法治国家なのか。メキシコ、イタリア、ロシアの場合は、警察内部に組織とズブズブ(っていうか組織の一員)の者がいて、撲滅が非常に困難になっている。特にメキシコは膨大な数の警官が殉職している。日本はまだそこまで状況が酷くない(ハズ)なので、この恥ずべき不名誉を払拭できるよう、国民が総力を挙げて暴力団を撲滅すべきだ。
//昨年から近所の映画館では、鑑賞前に超クールな“アウディA1”(45秒)の企業CMが流れる。何度も見ているうちにBGMのデジ・メタルな重低音にハマった。曲名を検索したところ、ボレタというバンドの「ローブグラインダー」という楽曲らしい。車のCMってスタイリッシュなのが多いよね。
 3月5日…映画ファンに嬉しいニュース。日テレには“金曜ロードショー”があり、テレ朝には“日曜洋画劇場”、フジには“土曜プレミアム”があってそれぞれ映画をオンエアしているけど、TBS系列では決まった映画枠がなかった。そこで、4月4日から「水曜プレミアシネマ」をスタートさせるとのこと!TBSの映画枠としては、1993年に終了した“水曜ロードショー”以来、18年半ぶりの映画専門枠新設。新番組として鳴り物入りでオンエアすることから、しばらくは最新の話題作を立て続けに持って来ると思う。放送開始が楽しみっすね!
//近年は昔の名作アニメやドラマを最新技術でリメイクするのがブームになっているけど、『宇宙戦艦ヤマト2199』の予告編(3分44秒※画面拡大推奨!)を見て思わず身を乗り出した!これまでに旧作で何度も見た第1話冒頭の艦隊戦が、超美麗映像で復活。戦闘シーンは絵コンテの一部をエヴァの庵野さんが描いてるといい、メカの動きの緩急から生まれる重量感が素晴らしい。この予告編、感動のあまり5回連続で再生してしまった。『さらば宇宙戦艦ヤマト』の土方艦長が出ているのも、今後の物語と接点が出来てグッド。監督は名匠・出渕裕氏。キャラデザが今風のお目々キラキラで、こればかりは超抵抗感があるんだけど、若者を新たなファン層に取り込む為には仕方がないことなのかも…。ブルーレイは5月に発売(Ama)とのこと、レンタルも同時に始まるといいなぁ。
//昨日レポを書き終わった米国アカデミー賞の中継はWOWOWで見た。視聴料が高いので、例年はアカデミー賞の時だけ加入して翌月に退会していた。今年はWOWOW3チャンネルのうちひとつが映画専門に特化したので、退会せずに残っているけど、今や100円で映画のDVDがレンタルできる時代だ。月額2400円も取るんだから、同じ映画ばかり再放送していては契約者をつなぎ止めておくことは難しいと思う。最も致命的なのは、NHK-BSなど一般BSの場合は録画作品を10回までダビングできるのに、WOWOWはいまだに「移動」(1回ダビング)しか出来ないこと。「移動」はオリジナルが消滅するので、編集に失敗したらそれでジ・エンド。マニアがWOWOWに加入するのに、マニアのニーズに応えておらず、経営サイドは「ダビング10」のシステムを早期導入するようマジ頑張って欲しい。
 3月4日…(つづき。第84回米国アカデミー賞レポ/ラスト)
●主演女優賞のプレゼンターはコリン・ファース。候補者のミシェル・ウィリアムズ(マリリン役でノミネート)に「初共演の時から尊敬していました。いつかは君のような役者になりたいと願ったものです。君は12歳、僕は35歳だったけどね」。
受賞したメリル・ストリープ(『マーガレット・サッチャー』)は1970年代、80年代、90年代、2000年代、10年代とすべての年代でノミネートされ(その数17回!)、『クレイマー、クレイマー』で助演、『ソフィーの選択』で主演に輝いている。誰もが認める大女優だ。とはいえ、多数ノミネートされても3回目の受賞は難しく、実に29年ぶりの栄冠となった。メリルのスピーチ「自分の名前を聞いた瞬間に視聴者の声が聞こえたわ。“またアイツかよ!”って。そんなの気にしないわ!(夫に感謝した後)私には37年前に出会ったもう1人の相棒がいます。ヘアメークの達人ロイ・ヘランド!『ソフィーの選択』から、すべての映画でお世話になってきました。全作品で組んできたんです!受賞は大きな栄誉ですが、私にとって一番大切なのは愛する友人たちと共に映画を作れることの喜びです。皆さん本当に有難う…亡くなった方は今も胸にいます(メリルは今年62歳)。幸せな俳優人生です」。※いわゆる裏方のヘアメーク担当者に、心を込めて感謝しているメリル。こういう気遣いが、多くの映画人から演技だけでなく人柄もリスペクトされる由縁だろう。
●授賞式のラストを締めくくる作品賞は、話題作2本の事実上の一騎打ちだった。3D映画でハリウッドの最新技術を駆使したSFファミリー映画『ヒューゴの不思議な発明』と、この現代にあって全編が白黒映像&セリフのないサイレント(無声映画)という全く正反対の性質を持つ『アーティスト』が最有力候補として注目されていた。栄冠を勝ち取ったのは『アーティスト』!『ヒューゴ』は良い映画だったし、『アーティスト』はまだ未見だけど、個人的にはこれで良かったと思う。『ヒューゴ』は3Dの技術を最大限に生かした、奥行きのある画面作りをしていたので3Dにして正解。でも、最近は何でもかんでも3Dで公開し過ぎる。「これって3D化の意味あったの?」と首を傾げながら劇場を出ることもしばしば。もし今回『ヒューゴ』が受賞していたら、「やはり時代は3D超大作!」と、ますます3Dだらけになってしまう。逆に『アーティスト』が選出されたことで、「昔ながらの白黒映像でもオスカーが獲得できる」「サイレントだって良質な物語は観客の心を揺り動かす」と立証され、低予算で映画作りに奮闘している映画人はめちゃくちゃ勇気づけられたと思う。これは同時に各地の弱小映画館の館長にも言えること。地方の小規模映画館には3D映画の上映設備がないところもたくさんある。昔ながらの映画が高く評価されたのは、そういったミニシアターの館長を感動させたのでは。
/授賞式に話を戻そう。『アーティスト』のプロデューサーの感謝スピーチの後、アザナヴィシウス監督が「大事なことを言わせて下さい」とマイクを握った。「最後に3人に感謝したい。ビリー・ワイルダーとビリー・ワイルダー、そしてビリー・ワイルダー、本当に有難う!」。ビリー・ワイルダー監督(10年前に他界)といえば『お熱いのがお好き』『翼よ!あれが巴里の灯だ』『七年目の浮気』『あなただけ今晩は』『サンセット大通り』など娯楽映画の王様。同時にアルコール中毒の実態を描いた『失われた週末』など優れた社会派作品も残している。その巨匠の名が3度も会場にこだまして授賞式が終わるという、映画界の祭典としてはこれ以上ない素晴らしい幕切れだった!※ワイルダー監督の母と祖母はアウシュビッツ送りになっている。悲しみを知る娯楽映画の神。
 3月3日…(つづき。第84回米国アカデミー賞レポ/その2)
●助演男優賞に輝いたクリストファー・プラマー(『人生はビギナーズ』)は、オスカー史上最年長となる82歳で初の受賞。舞台上でオスカー像を目線の高さまで掲げ「君とは2歳違いだけど、長い間会えなかったね。(場内笑)告白します。母に生んでもらった日から、私は受賞スピーチを練習していました。私のエージェントの“工作員”たちにも感謝しないとね。おかげで刑務所に入らずに済んだ。気の毒な妻エレインにはノーベル平和賞をあげたいです。毎日、私のことを救ってくれます」。
●司会ビリー・クリスタルのジョーク「僕は司会者になってから人の目を見れば心が読めるんだ。(ブラッド・ピットに)“早く終われ。明日は保護者面談が6件あるんだ”。(A・ジョリーに)“ビリー・ジョリーナって良い響きだわ”。(モーガン・フリーマンに)“皇帝ペンギンは20日間休むことなく極寒の地を進んでいく…”(場内爆笑)、(ジョージ・クルーニに)“ビリー、俺達のキスを撮っていたなんて”(場内爆笑)、(マーティン・スコセッシに)“2カメ、マーティンを撮れ!もっと寄れ、寄るんだ!いや近すぎる、シリアス過ぎる!”(場内爆笑)、(髭モジャのニック・ノルティに)“ガルルルルル…ウガーッ!”(場内大爆笑)」。
●脚色賞のプレゼンターのアンジェリーナ・ジョリーは、受賞者を発表する時にドレスの裾から大胆に右足を出していたので、名前を呼ばれた『ファミリー・ツリー』の脚色チームは壇上にあがるなり右足を前に出してポージングしていたのが可笑しかった。
●短編実写映画賞を受賞した『ザ・ショア』のテリー・ジョージ監督は近年までカトリックとプロテスタントが衝突していた北アイルランドに言及。「私たちの短編映画は宗派を問わず北アイルランドの人々が主役。彼らは30年間の戦いの後、話し合いで平和的に和解した。アイルランド人は話し上手だと世界に証明しました。この賞を彼らに捧げたい。ありがとう」。
●短編ドキュメンタリー賞は顔を傷つけられた複数のイスラム女性を描いた『セイビング・フェイス』。監督いわく「現地パキスタンで活躍する英雄たちにこの賞を捧げます。女性たちの形成外科医のジャヴァド医師、作品の題材となった女性たちのパワーと勇気に感謝します。パキスタンの変革の為に活動中の女性の皆さん、夢を諦めないで」。
●監督賞は『アーティスト』のミシェル・アザナヴィシウス(舌を噛みそう!)。この映画はまだ日本未公開だけど犬が登場するらしい。「(関係者に御礼を言った後)犬のアギー、私の言葉は分からないだろうけど有難う。そして、映画そのものにも感謝します。華麗な映像で私たちに喜びを与えてくれる。人生は時に素晴らしい。今日は最高の日です」。
●主演男優賞のプレゼンターはナタリー・ポートマン。候補者紹介の際、ゲーリー・オールドマンに「今回が初ノミネートとは誰もがおかしいと思っているはず」。そう言われて僕は驚いた。ゲーリーは『レオン』の悪役や『ダークナイト』のゴードン警部補など実力派の性格俳優と認知されているのに初ノミネートとは不条理。受賞したのはフランスの俳優ジャン・デュジャルダンで第一声が「良い国だ(アイ・ラブ・ユア・カントリー)」。スピーチの最後にフランス語で「メルシー・ボークー!」と絶叫した。立ち去る前にタップダンスを入れるなど愛すべき好漢という印象。
(つづく。残るは主演女優賞と作品賞!)
 3月2日…先日ハリウッドで開催された第84回アカデミー賞は、胸を打つスピーチや名場面の多い素晴らしい映画の祭典だった。以下、時系列に沿ってレポートします!
●冒頭は作品賞にノミネートされた9作品のパロディ。今回で9回目の司会を務めるビリー・クリスタルが、ノミネート作の中を旅していく。パロディと言っても、トム・クルーズやジョージ・クルーニら大物俳優が登場する超豪華版だ。ハリー・ポッターと宿敵ヴォルデモートに「なぜ仲良くできない!?」と声をかけるシーンがツボった。ジョージ・クルーニーとビリーが男同士でキスをするシーンがあり、これは現在共和党の大統領選候補者選びで、共和党員が同性愛者や同性婚に否定的な立場を表明していることから、わざと抗議の意味でやったんだと思う。途中からミュージカルになり、ノミネート作品の内容をビリーがユーモアたっぷりに歌い上げた。「♪スコセッシ映画なのにみんな無傷の“ヒューゴ”。ジョー・ペシもデ・ニーロもマフィアも出て来ない。パート2はいつもの調子で頼むよ」「♪意味不明だよマリック監督。“ツリー・オブ・ライフ”は難解すぎるよ、監督。解説してくれ、監督!」。
●外国語映画賞に輝いたのは、なんとイラン映画。今年に入って米国とイランは外交で火花を散らしており、仮想敵国扱いのイランが受賞したことは意味深い。受賞作『別離』のアスガ―・ファルハディ監督はこうスピーチした。「世界中のイラン人が喜んでいることでしょう。受賞だけが理由ではありません。政治家たちの間で戦争の可能性が語られ、攻撃的発言を交わしている中、本作ではイランの素晴らしい文化が描かれたからです。政治の影で身を潜めている、豊かな歴史ある文化です。あらゆる文化・文明を尊重し、対立や怒りを嫌う人々にこの賞を捧げます」。
●助演女優賞で初めてオスカーを受賞したオクタヴィア・スペンサーは、「サリー・フィールドのオスカー受賞時の表情を見て、天職と思えるもので表彰される気持ちを知りたくなった」とのこと。スペンサーの名が読まれた時、会場の俳優たちが総立ちになって拍手をした。若い助演女優に対して、ベテラン俳優がスタンディングオベーションすることは珍しく、よほど名演で魅せたのだろう。作品の邦題は『ヘルプ〜心をつなぐストーリー』。期待大。スペンサーは壇上でオスカー像を見つめて「最高のイケメンと並ばせてくれてありがとう」とジョークを飛ばし笑いをとった。
※彼女は黒人。受賞後のビリーのジョーク「オクタヴィアの受賞は感動的でしたね。僕は『ヘルプ』を見て黒人女性をハグしたくなりました。ビバリーヒルズにはいませんが」。
●編集賞は『ドラゴン・タトゥーの女』のカーク・バクスター&アンガス・ウォール。この2人は昨年『ソーシャル・ネットワーク』で受賞しており2年連続だ。壇上でいろんな人に感謝している時に、「それから…」とアガッて中断。「もう引き上げよう」「編集者(裏方)なんで、すみません」と恥ずかしそうにそそくさと退場する様子に好感。
●長編アニメーション賞『ランゴ』のプレゼンターはクリス・ロック。黒人の喜劇役者であり、今年司会を降板したエディ・マーフィーに絡めた発言をするか注目された。「僕はアニメが好きだ。アニメの世界なら(声優として)何にでもなれるからね。太った女性はスリムなプリンセスに、小さく弱い男は大きな剣闘士に、白人ならアラビアの王子、黒人ならロバやシマウマになれる(場内笑)」。これはもちろん、映画『シュレック』でロバの声をエディが担当していたことにかけたブラックジョークだ。さすがはクリス・ロック、笑いの中にピリリと毒がある。
(つづく。明日は助演男優のほか主要部門を中心に紹介!)
 3月1日…今年は日中国交正常化の40周年。両国の不幸な歴史を乗り越え、経済協力でEUや米国に対抗する力強いアジア圏を築いていきたいもの。その交流を通して、中国の誤った言論弾圧やチベット占領政策の改善を上手く求めていくことを、日本政府に期待している。
だが、40周年を祝って友好訪問団の往来が増えるなか、名古屋で信じられない出来事が起きた。河村たかし市長が姉妹都市の訪問団に対して「南京事件というのはなかったのではないか」と発言したのだ。これは、(1)歴史的事実(後述)と明らかに反している点、(2)友好・親善のために訪日してきた相手への外交上のマナー違反である点、(3)国交正常化40周年という記念の年である点、(4)そして何より相手が南京市からの友好訪問団であった点、これら4点から最悪の愚行と言える。
南京事件の死者数が日中で大きく異なるのは、南京近郊の戦いで殺害された村民たちも中国側は南京事件の犠牲者と見なしているからであり、南京城内の死者しかカウントしていない日本側と数字が異なるのは当然のこと。河村市長は対象にしている地域の範囲が違うことを知らずに、何を「数字があわない」と的外れな指摘をしているのだろう。
この件では、訪問団はとても大人な対応を見せ、その場で椅子を蹴って立ち去ることもなく、交流後に河村市長と握手を交わして記念撮影まで行った。河村氏の無思慮な言動に比べ、とても紳士的で立派だと思う。ところが、この訪問団は本国中国で猛烈なバッシング対象になってしまった。中国の愛国青年いわく「南京の虐殺を否定されたのに、反論もせず笑顔で握手し、写真に収まる恥知らず」というわけだ。訪問団はすっかり国賊扱いで帰国できなくなってしまった。河村市長がどんな歴史認識を持っていようがそれは個人の自由だ。しかし、どうしても、今のこのタイミングで、その言葉を、相手が立場を失うことも、中国全体で猛反発が起きるのを分かっていながら(中国紙は一面トップで伝えている)、絶対に言わなければならなかったことなのか。
愛知県の大村秀章知事は「(名古屋市と)南京市との交流も止まるなど外交問題になっている。(発言を)修正した方がいい」「南京の訪問団は中国に帰れていないと聞いた。記者会見ならいいが、訪問団に(直接)言うのは相手の立場がない」と批判。昨日の日記では僕がゲンナリしていた大阪の橋下市長も「首長が歴史的な事実について発言するときは政治的な思いだけでなく、外交関係のことも踏まえて慎重にすべきだった」「(歴史認識を)言ったところで現実的なプラスは感じない。こういう問題は歴史家が歴史的な知見に基づいて言論を戦わせればいい」と軽率さを指摘した
/河村市長はその後、発言の根拠として「目撃者がほとんどいない。かなり決定的」と述べ、撤回する考えのないことを強調するなど、自らの歴史の無知ぶりを前面に出し、恥の上塗りを続けている。中国側の証言だけじゃなく、日本軍の公式記録や攻略当日に兵士が現場で書いた日記(第16師団長や歩兵第七連隊、歩兵第66連隊、山田支隊など)、数字が出ている公式記録だけで殺害されたのは2万5千人以上。僕の感覚では2万5千人は大虐殺だ。捕虜ならば師団以上に設置された軍法会議、捕虜でないならば軍律会議の判決により処断すべきものであり、無抵抗で丸腰の人間を裁判なしで殺すのは文明国の所業ではない。 “何もなかった”というのはあり得ない。否定派の疑問に答えるとすれば、
(1)死体はどこへ?→揚子江に流したという証言を、日本側、中国側、居留外国人が残している
(2)そんなに殺す事は不可能→1994年、ルワンダ100万人虐殺は3ヶ月の間にナタやナイフだけで行なわれた。まして日本軍は重火器で武装している(南京掃討作戦も同じ3ヶ月間)
(3)事件後に南京の人口が増えている→陥落後も郊外で蛮行が続いており、国際安全区に人々が逃げ込んできた
(4)20万都市で30万殺害は無理→“南京”の範囲が日中で違う。中国側はかなり郊外まで含めた南京一帯、日本側は城内だけを南京と見ている
(5)その他、あらゆる南京事件否定派の意見は、外部リンクの『南京事件FAQ』でクリアーに回答されているので、否定派の方はそちらを参照されたし。※僕も独自に歴史年表で項目を作っている
/このように、南京の悲劇を語る物証がたくさん現存しているのに、河村市長は自分の愚かな発言がどれほど多くの人々を傷つけたか想像して欲しい。河村市長の父親は事件の8年後に南京に駐屯して親切されたから虐殺はなかったと考えてるらしいが、軍人を怒らせると処刑されるから親切にするのは当然だ。僕はプロの歴史家ではないし、文芸研究家に過ぎない。そんな僕でも知っている第一次史料を、何年も国会議員を勤め、名古屋という大都市の市長をやっている人物が知らないこと、そして市長の周囲の人間も誰も教えようとしないことが歯がゆくてたまらない。名古屋在住の本職の歴史家(大学教授など)はなぜ黙っている?どうして市庁舎に出向いてレクチャーしない?河村氏のせいで、日本人全体が中国侵略を今も反省してないように見なされるのは真っ平ゴメンだ。
//明日こそは米国アカデミー賞の話題を書きたい。






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