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2019.3〜4


●5月15日…〔今日の良かった〕大阪堺の伝・仁徳天皇陵が世界遺産に!市街地に密集する49の古墳で構成される「百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群」がユネスコ諮問機関から「登録が適当」と勧告があった。6月からの世界遺産委員会で正式に決まれば、自然遺産を含め国内23件目の登録となる。
実は宮内庁が研究者の立ち入りを禁じているため、考古学的には仁徳天皇陵の埋葬者が誰なのか分かっていない。世界遺産登録を機に宮内庁は調査許可を。お墓の調査に抵抗があるとはいえ、人間違いのまま祀る方がよほど失礼だろう。毎日墓参者に「それ、私ではないのだけど…」と言い続けるのは、考えただけでも辛すぎる。
※正確には「仁徳」の名前は奈良時代の漢学者、淡海三船(おうみのみふね)が考えたものであり、時代が400年ほど異なるため、仁徳天皇自身はその名を耳にしていない。というか、初代神武天皇から第49代光仁天皇までの名は、すべて淡海三船が考案し命名したもの。

/『羅生門』『雨月物語』などに出演し、妖艶美で世界を魅了した京マチ子さんが12日に心不全のため95歳で他界した。海外で最も有名な日本の女優の旅立ちに合掌。マーロン・ブランドとも共演した。

●5月14日…〔今日の良かった〕昨日紹介した英国BBCの日本語版サイトに、さっそく忖度ゼロの鋭い記事を見つけた。それも平成最後の4月30日のもの。

→目立たないように、しかし強い意志をもって、陛下は繰り返し歴史修正主義者たちに対する軽蔑心を表してきた。2015年、戦後70年の節目で、安倍氏は談話を発表した。
「安倍氏は基本的に、日本がいま享受している平和と繁栄は、300万人の戦死者のおかげだと述べた」とキングストン教授は言う。
「翌日、陛下はそれを否定した。陛下は日本がいま享受している繁栄は、国民のたゆみない努力と、平和の存続を切望する国民の意識によるものだと、お言葉で述べた」
テレビ中継を見ていた何百万人もの日本人にとって、それは疑いようのない批判だった。
東京で開かれた園遊会では、右派の東京都の教育委員会委員が、国歌を斉唱するときには全教員を起立させると陛下に誇らしげに伝えた。
陛下は静かに、だがきっぱりとこう言って、その委員を諭した。
「強制になるということではないことが望ましい」

/この陛下の思いをなぜ日本の新聞・テレビは報道しないのか。あれだけ令和を記念した特番を組んでおきながら、この重要な部分を国民に伝えない。何をビビっている?

●5月13日…〔今日の良かった〕漫画家・大和和紀(やまと・わき)先生の『あさきゆめみし』のカラー原画が、アメリカ・ニューヨークのメトロポリタン美術館『源氏物語展』で展示中!出品されたのは原画計14点。メトロポリタン美術館でマンガ作品の原画が展示されるのは史上初。2009年に荒木先生の作品がルーブル美術館に展示されて以来の快挙。
※『あさきゆめみし』は1979年に連載開始。宇治十帖を含む「源氏物語」54帖を忠実に描いており、累計発行部数は1700万部。どのコマも絵画のごとく華麗に描写され、オッサンの僕が読んでも美しさにため息が出まくり。

//イギリスBBCニュースが日本語サイトを作ってくれていた!これからは毎日見たい。日本の報道メディアは国内ニュースが大半というか、新聞を開いても国際面が少なすぎる。
BBCはフォークランド紛争(英VSアルゼンチン)の際に、どの英国メディアもイギリス軍を「わが軍」と報じたのに、客観性を重視する意味で最後まで「イギリス軍」と言い続けたガチの骨太公共放送局。NHKと違って、社員は政治家との会食が禁じられている。親しくなり過ぎて忖度をしないためであり、視聴者から「メシ友だから擁護している」など色眼鏡で見られないためだ。
極右から「1日の最後に国歌を放送しろ」と言われて、セックス・ピストルズの王室皮肉ロック「ゴット・セイブ・ザ・クイーン」(リリース時は放送禁止になった曲)を流すという無双っぷりを見せたり、安倍首相の伝記の著者から暴行された伊藤詩織さんの密着ドキュメンタリーを撮ったのもBBC。
権力者に対して腰が砕けまくり、自主規制しまくりの日本のメディアとは異なる海外ジャーナリズムの日本語版サイト、国際情勢の勉強になるし、日本の政治が話題になるときはどんな風に世界へ伝えるのか注視したい。

//サイト開設20周年の今年、僕は誓った。墓巡礼で自宅不在じゃない限り、日記に必ず「今日の良かった」を書いていこうと。だけど、GW前は仕事の原稿の締め切りが一斉に前倒しになるため、4月11日から4月25日まで日記に空白期間があった。いかーん!そういうわけで、15日分すべて「今日の良かった」を加筆アップしました!この期間は科学的な発見、時事問題などいろんなことが起きています。元号「令和」の考察もあり、よろしければご一読を。

●5月12日…〔今日の良かった〕1999年5月12日にホームページを開設し、本日ちょうど20年になりました!読者の中には十年以上足を運んで下さっている方もおられると思います。長きにわたり訪問していただき、まっこと有難うございます!
当初のサイト名は『文芸ジャンキー(中毒者)・崖っぷちパラダイス』で、映画、文学、音楽、絵画、漫画コーナーと、お墓コーナーで構成。最初の1週間くらいは、アクセスが1日に8人、そのうち4人が僕自身…。当時のアクセスカウンターは自分の訪問もカウントされたので、必死こいて訪問していた時期もありました(笑)。

開設の前月までパソコンは専門家じゃないと操作できないと思い込んでいたので、パソコンを欲しいとすら思わなかったんですが、PCマニアの友人宅で「ためしにベートーヴェンって検索してみ」と言われて、言われるがまま打ち込んだところ、ズラズラズラっとベートーヴェンに関する資料ページが出てきて椅子から転げ落ちそうに!「これなら部屋でベートーヴェンのことを調べることが出来る!パソコンあったら家が図書館になるのと同じやん!百科事典を持ってるのと同じやん!」、その興奮と共に電気屋で富士通のFMVを購入(Windows 98)、そして同じ趣味の人と繋がりたくて文芸ジャンキーを開設しました。
“ベートーヴェン事件”に続く2度目の感動は、ニフティのパソコン通信のプロレス・フォーラムで、初めてリアルタイム・チャットを体験したとき。見ず知らずの、沖縄の人と2人で好きなレスラーのことを語り合った!大阪と沖縄は遠いのに!「なんと可能性を秘めた交流ツールなんだ」。一気に視界が開けた気がした。その後、Windows Meへのアップグレードに失敗して涙目に。

文芸ジャンキーで最初に人気が出たコーナーは、2003年1月にアップしたイケメン仏像の妄想バンド『ザ・IKEMENSのすべて』。このページに他サイトからリンクを頂き、初訪問され方が少し増えた。嬉しかったなぁ。
そして当サイト最大のブレイクとなったのが、03年4月にアップした『ジョジョ立ち教室』。公開初日、1時間毎に1万アクセスが来てサーバーダウンし、自分で自分のサイトが見られない状態が数日続いた。
当初は『ジョジョの奇妙な冒険・決めポーズ教室』という名称だったけど、舌を噛みそうなタイトルゆえ友人鬼教官と別名を考え「“ジョジョ立ち”が短くてキレもあってよくね!?」と『ジョジョ立ち教室』に改名。あのコーナーを作ったきっかけは、ジョジョ6部が最終回になったこと。それはもう、脱水症状になるほど号泣した素晴らしい最終回だった。次の7部はタイトルのみ判明し、連載開始時期は未定、ファンとして何か行動を起こさずにおられず、溢れるジョジョ愛を全世界にアピールしよう、ポージングなら言葉が通じなくても世界にメッセージを送れる、そんな思いで作成しました。
作者の荒木先生は映画、音楽、美術の造詣が深く、その知識を作品に反映しているため、ファンにもアート好きな人が多い。ジョジョをきっかけにアクセスして下さった方が、「ジョジョ立ちから入ったけど、いろんなコーナーを楽しんでます」「おすすめの映画を見ました」と声をかけて下さることがあり胸熱でした。

ジョジョの次は『月刊石材』連載などで墓マイラーとして少しずつ認知され、今年『笑ってコラえて!』出演のお陰で墓参コーナーのアクセスが増加!そんな20年目です。年に一度の読者交流会(オフ会)はサイト10周年を機に2009年から始めました。各自が好きなアートをリレー形式でプレゼンする1日を心から楽しんでいます。

思えばサイトを公開した1999年は、本当に牧歌的な時代でした。ノストラダムスの予言が大きなトピックになるくらいの。世界では数年前に東欧が民主化され、東西冷戦が終結、もう核兵器も通常兵器もそんなにいらないと、世界の軍事費は年々減少し、未来に希望を感じていました。このサイトも政治的なコメントはなく、僕は映画や漫画の感想を気ままに書いていました。
それが2001年9月11日にアメリカ同時多発テロが起き、世界の軍事費は再び上昇に転じ、終わりのない対テロ戦争でずっと軍事費は高止まり。さらに中国の軍拡、北朝鮮の核武装、米軍の支援要請などで軍縮の道は閉ざされました。

2001年はもうひとつ大きなことがあった。小泉政権が誕生し、政商・竹中平蔵が重用され、弱肉強食の新自由主義に日本は覆われ、「自己責任」だの「勝ち組・負け組」という、それまで日本社会にはあまり馴染みのなかった言葉が日常的に飛び交うようになりました。
小泉・竹中は非正規労働者の業種を広げ、経営者はそれまで従業員を(曲がりなりにも)家族のように扱っていたのが、役員報酬と株主配当金アップに血道をあげ、従業員の人件費をカット対象の「コスト」と見るようになってしまった。この風潮と比例して国内の自殺者は年間3万人を突破するようになり、しばらくその状態が続きました。

民主党政権になったときは大きな期待を寄せましたが、東日本大震災で悲惨な原発事故があったにもかかわらず、そして使用済み核燃料を10万年安全に保管できる土地もないまま原発を再稼働させて僕は激怒しました。さらには裏切りの消費増税。やると言ったことをやらず、マニフェストに書いてないことを熱心にやる姿に怒髪天。政権誕生時の小選挙区の投票率は70%もあり、日本人が投票所へ行ってました。それが今は50%を切る寸前。それだけ失望が大きかったわけで、日本人に政治離れをもたらした旧民主の議員は心底反省してほしい。

新自由主義とネット普及と最悪のタイミングで重なったのが、小林よしのり『戦争論』などで歴史修正主義が広まったこと。誤った歴史認識に基づいた多民族への蔑視がネットに広がり始め、それまでなら書店側が理性をもって店頭に並べなかったヘイト本を、紀伊国屋のような大型書店までが平積みするようになった。在日の方への酷いデマやヘイトスピーチ(憎悪煽動)も始まった。

本来なら理不尽な格差拡大や、歪んだ税制、既得権益に守られたいわゆる“上級国民”への抗議に向かうはずの庶民の義憤が、自分より弱い立場にある人へのバッシングに向かった。日本において匿名掲示板は最悪のヘイト発信地となった。海外では個人が意見を発信するときは本名が基本(だからフェイスブックも爆発的に普及)。
それは自分の発言に責任を持つということだし、匿名で書いていたらそもそも相手にされない。ところが日本にあっては、匿名で無責任に悪口を書くスタイルが大腕を振ってまかり通るようになった。“名無し”の1人になって、安全な場所から誰かを叩く。日本人は基本的に優しく温厚な人が多いのに、ネット掲示板には差別や罵倒が充満し、いまだにこのギャップに戸惑っています。

20年前、日本の侵略戦争の否定や元慰安婦への侮辱といった歴史修正主義がネットで広まり始めたとき、左派界隈は「こんな動きは自然消滅する」「相手にすることはない」とスルーを決め込んだ。そもそも高齢化したリベラル陣営はパソコンを使える人が少なく、ネットで歴史修正主義者とバチバチに戦う人がほんのわずかだった。大学教授や作家、芸術家にはリベラルが多いのに、ネットでは極めて存在感が薄く、一部の学者だけが戦っていた。結果、デマは消えるどころか、一度広がったデマは、後で正しい情報に訂正されても、もはやデマ拡散に訂正が追いつかなくなった。
僕は悩んでいた。一応はパソコンを使えるリベラル。とはいえ、芸術や文学の素晴らしさ、それを生み出す人間の生命の尊さを伝えたくてこのサイトを運営しており、幅広い人に訪れてほしかったので、感情的な衝突を生む政治ネタや宗教ネタはなるべく避けていた。特に、前年の『ジョジョ立ち教室』ヒットで新規のサイト読者が増えていたので、政治的に左に寄ったことを書いて読者が減るのを恐れていた。

2004年、僕は選択を迫られた。日記に政治ネタを書くか決断することになった。4月にイラクで日本人3人がイスラム武装勢力に人質にとられたからだ。解放条件はイラクからの自衛隊の撤退だった。
小泉首相は「撤退はテロに屈することになる」「人質の家族と会うつもりはない。会っても話すことがない」といい、ネットには「自己責任」論の嵐。知り合いのジョジョファンにも人質を糾弾する人がいた。
…だけど僕は、3人が自己責任と思えなかった。イラク戦争の開戦以来、ずっと状況を注視していたので、あの3人が安全なルートを慎重に選んでいることは分かっていた。そもそも、あの時点では外国人の人質事件がまだほとんど起きていなかった。人間の盾に加わるべくバグダッドに向かう人もいたくらいだ。3人が人質にされたのは、直前にイラクのファルージャで米軍が無差別攻撃(住民虐殺)を行ったため、急激に治安が悪化し、ファルージャに近づいた際に「日本は米軍を支援するな」と過激派に拉致されたんだ。

「危険を承知でイラク入りした3人にも責任はある」という人もいるだろう。じゃあ、それは死んで償わなければならないほどの罪なのか?ウラン弾の被曝状況を調べに行ったことが、ストリートチルドレンに食料を配りに行ったことが、首相から「死んでもやむなし」とされる大罪なのか。あの頃、自衛隊はサマワの基地から出られない日が続いていた。ならば形だけでも一時撤退して、治安が回復してから国連指揮下の派遣を再考してもいいじゃないかと思った。
そして声明文『イラクの人質事件について』(3人を見殺しにするな)をアップした。ここから、たくさんの人と意見を交わし、腹をくくって積極的に時事問題を採り上げるようになった。
僕は語らなきゃ駄目だと思った。歴代天皇陵124箇所をすべて墓参し、ニューギニアやソロモン諸島など、旧日本軍の戦跡で慰霊を行った保守属性を持ち、中国共産党の独裁を批判してチベットに心を寄せる一方、日本のタカ派政治家や歴史修正主義者に異論を語る人は多くないと思ったからだ。

とはいえ、連日のように歴史認識をめぐる苛烈なメールが届き、一時期、同じ様なやり取りに消耗してしまった。きちんと意見交換をすると、最終的に一致点にたどり着けるんだけど、すべての方とそのプロセスを繰り返すのは、とてつもないエネルギーが必要だった。日本軍の戦争犯罪については、学校がちゃんと教えないので、歴史修正主義者が知らないのも仕方ない部分もあった。
そこでこう考えた。「戦史年表を作ろう」と。なぜ日本が戦争に突入してしまったか時系列で追えて、しかも、日本軍の糾弾が目的ではなく、相互理解に繋がる年表を作成しようと。
そこで5年の歳月を費やして、2011年9月『愛国リベラル近代史年表シリーズ』を書きあげた。喧嘩腰ではなく、膝をつき合わせて歴史認識を語り合うための年表を。以来、右サイドからのメールが激減したので、気持ちが通じたんだと自分では思っています。

最後に。僕はライフワークの墓巡礼を通して、人間は常に事故や急病で予期せず生を終える可能性があることを日々痛感しており、底の浅い文章、それが生き恥を晒すようなものであっても、書かなければ何も伝わらないと、勇気を出してアップしています。
あと、40歳を過ぎて子どもを授かったので、寿命的に子どもと過ごせる時間は多くないので、父がどんなことを考えていたか、そして辛いときに古今東西の良い言葉と出会えるよう、僕がいなくなった後も言葉が届くようにしてあげたい。

2029年、30周年の時には僕も60代になり、知識も少しは増え、様々なコーナーが完成に近づき、今よりもっと充実したサイトになっていると思います。どうか皆さんもお身体を大切にして長生きされ、30周年、40周年と、このサイトを見届けて頂けると幸いです!これからも文芸ジャンキーをよろしくお願いします!!(^_^)v

●5月11日…〔今日の良かった〕プラごみによる海洋汚染が地球規模で問題になるなか、有害廃棄物の国境を越えた移動を規制するバーゼル条約の改正案が採択された。世界規模で廃プラの輸出入を規制する制度は初(先進国がリサイクル不能な汚れたプラごみを輸出し、後進国の輸入業者が海に捨てる構造があった)。法案はノルウェーが提案し日本も一緒に主導した。今後、自然に分解される植物由来のプラスチックに切り替えるなど、廃プラをなるべくなくす暮らしが必要だ。
※180以上の国・機関が締約しているが、肝心の米国は入っておらず世界から米国への圧力が必要。

●5月10日…〔今日の良かった〕本日「高等教育無償化」法が成立。2020年から低所得世帯の入学金と授業料が減免され、給付型奨学金が拡充される。住民税非課税世帯なら国公立大の年間授業料約54万円が全額免除され、私大も約70万円が減額されるほか、「返済不要」の奨学金として国公立大の自宅生で約35万円、私大の下宿生で約91万円が支給される。対象者は実に約81万人にのぼるという。欧州では何年も前から大学は無料もしくは年間で数万円程度、日本もこれで収入によらず進学できる。(ただ財源が、低所得者ほど負担増となる消費増税になってるのが本末転倒…)
※現在、既に奨学金返済で苦しんでいる人が多いため、山本太郎議員は過去に遡った救済策が必要と「奨学金徳政令」を主張しており僕も賛成。
※学生バイトが数十万規模で減ると予測され、人材確保のため時給が上がると見られる。

●5月9日…〔今日の良かった〕海外には家庭内の体罰を法で禁じている国がある。日本では“しつけ”を理由に死に至るまで児童虐待する事件が後を絶たず、同様の法整備が必要と感じていたところ、ついに国会で虐待防止強化の法案が審議入りした。これ以上悲劇を防ぐためにも今国会で成立させてほしい。すべての体罰が禁止されれば、これまでは周囲の人が「よその家のしつけに口出しはし難い」と遠慮していたケースで、「それは違法・犯罪だよ」と注意しやすくなる。

●5月8日…〔今日の良かった〕識者120人が選んだ『平成の10冊』を朝日新聞が発表。村上春樹さんが2作イン。参考にしたい。
(1)1Q84 村上春樹 新潮社 2009
(2)わたしを離さないで カズオ・イシグロ、土屋政雄訳 早川書房 2006
(3)告白 町田康 中央公論新社 2005
(4)観光客の哲学 東浩紀 ゲンロン 2017
(4)OUT 桐野夏生 講談社 1997
(4)火車 宮部みゆき 双葉社、のち新潮文庫 1992
(7)銃・病原菌・鉄 ジャレド・ダイアモンド、倉骨彰訳 草思社 2000
(8)博士の愛した数式 小川洋子 新潮社 2003
(9)〈民主〉と〈愛国〉 小熊英二 新曜社 2002
(10)ねじまき鳥クロニクル 村上春樹 新潮社 1994
リンク先には30位まで掲載されています。

●5月7日…〔今日の良かった〕今月3日に東京・有明防災公園で開催された『平和といのちと人権を!5・3憲法集会』の様子を、音楽評論家・護憲派の湯川れい子さんのツイートで知り、会場を埋め尽くす6万5千人の人の波に圧倒された。

  

いやはや、すごい人数。日本国憲法は、基本的人権の保障と戦争放棄をうたった美しいもの。そして国民を縛るものではなく、権力者を縛るために書かれている。
近年、日本人の政治離れは低投票率が示すように深刻なレベルに達している。そんな中、日本国憲法を宝のように感じている人が、こんなにたくさん集まって胸熱。
この日記にも何度か書いているけど、日本国憲法はけっしてアメリカ人が書いた押しつけ憲法ではなく、オリジナルは日本人の手によるもの。→

日本国憲法の実質的な起草者は福島県の憲法学者・鈴木安蔵(1904年3月3日-1983年8月7日)。鈴木は戦前の学生時代、軍事教育に反対して治安維持法違反“第1号”となる「京都学連事件」で摘発され、2年間投獄された。出所後、憲法学者となったが著書は発禁処分や伏せ字など厳しく検閲される。
鈴木は敗戦2カ月後の1945年10月末に「憲法研究会」を結成。翌月、経済学者の森戸辰男(反権力で東大を追われた助教授、後に文部大臣)、岩淵辰雄(政治評論家・元読売新聞政治記者、戦争の早期終結を目指して逮捕)、杉森孝次郎(元早大教授)、室伏高信(評論家・元朝日新聞記者)ら当時日本を代表する言論人が参加し、日本人の手による憲法作成に挑んだ。鈴木は政治にタッチしない天皇、“象徴天皇”という概念を生み出した。
12月、完成した憲法研究会草案(全58条)を首相官邸と連合国軍総司令部(GHQ)に提出。官邸は無反応だったが、GHQは高く評価し鈴木らの草案を土台として新憲法を2カ月で完成させる。1946年3月、日本政府が修正を加えた日本政府案が完成、さらに5月から帝国議会で修正審議を開始。草案執筆メンバーで国会議員になった森戸辰男は、GHQが草案から削った生存権(第25条/すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する)を復活させた。そして同年11月3日、ついに日本国憲法が公布される。
憲法第9条(戦力放棄)は、当時の幣原喜重郎(しではら・きじゅうろう)首相がGHQに提案したもの。マッカーサーは1958年の手紙に「戦争を禁止する条項を憲法に入れるようにという提案は、幣原首相が行ったのです」「提案に驚きましたが、わたくしも心から賛成であると言うと、首相は、明らかに安どの表情を示され、わたくしを感動させました」と明記している。原案を日本人が書き、さらに帝国議会でも審議され公布に至っており、いま、官邸、維新の会、日本会議が主張している「米国に押しつけられた」はまったく当たらない。

/酷いというか、官邸への忖度がえげつないのがNHK。3日の憲法集会を、当日夜7時のニュースはどう伝えたか。公共放送にもかかわらず、明らかに改憲派の意見が長くとられている。ストップウォッチで計測した結果、改憲派は2分33秒あったのに対し、護憲派は1分26秒しかなかった!公共放送がそんな忖度をしたらダメだろ。
それだけじゃない。最悪なのは「本日、憲法改正をめぐる双方の立場の集会がありました」といって映像を出しながら、参加人数を言わないし、会場の様子(聴衆)を改憲派しか映さなかった。改憲派は1100人、護憲派は6万5千人と約60倍も差があるのに!
1100名が参加した改憲派の集会は
会場にぎっしり人がいるのが分かるが
護憲派の集会は野党各党の代表が
演説している姿だけ!65000人はどこへ
19時のニュースはこの角度を1秒たりとも映さなかったため
視聴者は聴衆が何人いるのか最後まで分からず!画像元

フェイクニュースは、嘘の情報を捏造したケースだけがフェイクになるんじゃない。伝えるべき情報をカットして報道するのも、フェイクニュースと同じです。

●5月6日…〔今日の良かった〕初の韓国縦断巡礼から帰国。海外の墓巡礼は現地の方の手助けなしでは不可能、そして韓国では毎日のように沢山の方が手を差し伸べてくれました。出発前は知らなかった人物に数多く墓参。ソウルも地方の農村の人も、泣けるほど優しい。この6日間の体験は国同士で政治的緊張感が高まった時に、必ず役に立つと思います。ホント相違点より共通点がはるかに多いと日々実感。巡礼レポートをお楽しみに!

//テレ朝『報道ステーション』の劣化、ここに極まれり。僕は報ステとTBS『NEWS23』を録画しているんだけど、5月3日の放送を見て絶句した。この日は憲法記念日であると同時に、朝日新聞阪神支局の若手記者、小尻知博さん(29)が右派テロリストに殺害された日だ。『NEWS23』は毎日系だけど、朝日の小尻記者の死を重大に受け止め、命日の阪神支局の様子(遺品展示や祭壇での追悼)を伝えた。ところが、『報ステ』はまったく赤報隊事件に触れなかった!1秒たりとも!同じ系列の朝日の社員が殺されているのに!っていうか、放送時間が45分しかない『NEWS23』がしっかり伝えて、80分の放送枠がある『報ステ』が完全無視っておかしいだろう…。夜桜中継やドローンの話、長いスポーツコーナーを30秒だけ削れば、小尻記者のことを伝えられたのに。古館キャスターが去り、小川アナは飛ばされ、本当に『報ステ』は酷くなった。

【赤報隊事件】
「われわれは最後の一人が死ぬまで処刑活動を続ける」「言論の自由をまもれというが、そんなものは初めからない」(赤報隊・犯行声明文)。1987年5月3日(憲法記念日)、朝日新聞阪神支局が赤報隊を名乗る男に銃撃され、29歳の小尻知博記者が死亡、犬飼記者が指2本を失う重傷を負った。小尻記者は入社の志望動機に「特ダネよりも町ダネを。人間が好き」と書くなど、庶民の目線で世界を見ていた優しい人。犯人は1メートルの至近距離から無言で発砲、弾丸は小尻記者の左脇腹から入り脾臓(ひぞう)を突き破って胃の裏側ではじけ、200発の散弾粒が内臓や大動脈をズタズタにした。幼い子どもがいた小尻記者。最後の言葉は「ちくしょう…」。
犬飼記者は胸ポケットの財布、免許証、ボールペンのおかげで、弾が心臓の「2ミリ手前」で止まった。二本の指を失う。
自らと異なる思想を反日と断罪し戦後民主主義を否定した赤報隊。犯人の銃弾は自由な社会を求める僕たち1人1人に向けられたもの。

事件は時効となり、ご両親は他界された。母親の故小尻みよ子さん「寂しいです、悲しいです。でも、人にはそういうところ見せられない。私がいつもいつも泣いて暮らしたら皆さん迷惑でしょう。できるだけ(人前では)馬鹿なこと言ったり面白く言ったり…。つらいです。自分でもよくここまで生き抜いてきたと思う」。

  TBS『NEWS23』から(5/3)

●5月1日…〔今日の良かった〕令和元年。新天皇陛下、ご即位おめでとうございます。

//陛下が皇太子時代に語られた、戦後70年談話をいま一度胸に刻む。「戦争の記憶が薄れようとしている今日、謙虚に過去を振り返ると共に、戦争を体験した世代から戦争を知らない世代に、悲惨な体験や日本がたどった歴史が正しく伝えられていくことが大切であると考えています」

//平成から令和への改元を見届け、今夜から韓国の墓巡礼に出発します。18年前にソウルで世界遺産の宗廟のみ訪れたので、事実上、今回が初の本格的な巡礼です。メインは軍事独裁政権時代に民主化運動で犠牲になった大学生・李韓烈(イ・ハンニョル)君、そして軍による市民虐殺「光州事件」を初めて世界に報道したドイツ人記者ユルゲン・ヒンツペーター(映画『タクシー運転手』にも登場!)、死刑囚から大統領になりノーベル平和賞を受賞した金大中、善政をおこないハングルを制定した賢帝世宗大王、秀吉軍と戦い日本側からも敬意を集めた名将李舜臣、韓国で多くの戦争孤児を育てた「木浦の母」田内千鶴子、「韓国孤児の父」曾田嘉伊智、「38度線のマリア」望月カズなど日本人の墓を訪ねる予定。15名以上を墓参したいけれど、ハングルがまったく読めないのでどうなるか(汗)
※ソウル→光州→プヨ(白村江)→アサン→ヨジュグン→ソウルというルート。

//サイトは5月6日の夜に更新再開します!

●4月30日…〔今日の良かった〕天皇陛下の生前退位の願いが実現。長年にわたる国民への励まし、本当にありがとうございました、そしてお疲れさまでした。沖縄や被災地に心から寄り添う姿に何度も心を打たれました。どうか健康で長生きされますように!
※陛下は沖縄に11回訪問された。いわく「払われた多くの尊い犠牲は一時の行為や言葉によってあがなえるものではなく、人々が長い年月をかけてこの地に心を寄せ続けていくことをおいて考えられません」。

/マスコミは改元で浮かれているけれど、ここに至るまでどれほど皇室が安倍官邸に冷遇されてきたか、まったく報道しないのがきつい。詳しくは2年前の4月15日の日記に記している。首相は官邸の意に沿わない宮内庁の人間(風岡典之長官、西ヶ廣渉宮務主管)を懲罰人事で更迭してきた。どちらも陛下が心から信頼していた人物だ。憲政史上、皇室に報復した首相は安倍晋三氏だけ
それだけに、本日陛下が「退位礼正殿の儀」で、天皇としての最後の「おことば」で、「国民を代表して、安倍内閣総理大臣の述べられた言葉に、深く謝意を表します」といわれたときに、居たたまれない思いがした。マスコミはまともに報道しないから、多くの国民は皇室に対する官邸の傲慢さを知らない。

/2013年、安倍政権はサンフランシスコ講和条約の発行日1952年4月28日を「主権回復の日」とし「主権回復式典」を開催したが、天皇・皇后両陛下はこの「主権回復の日」に対し、「その当時、沖縄の主権はまだ回復されていません」と拒絶感を示していた。官邸の強い要請で式典に出席したが、式典の最後に「天皇陛下万歳!」の唱和で見送られた天皇は、側近に不満げな表情で「私はなぜこの式典に出ることになったのか」と漏らしていたという。

/2015年、陛下は終戦日に「さきの大戦に対する“深い反省”と共に、今後、戦争の惨禍が再び繰り返されぬことを切に願い」と、戦没者追悼式において史上初めて「反省」という言葉を盛り込まれた。これは歴代首相が式典で言及してきたアジア諸国への「加害と反省」を安倍氏が削ったことと真逆の姿勢だ。また、同年の陛下の誕生日会見では「満州事変に始まる戦争の歴史を十分に学び、今後の日本のあり方を考えていくことが、今、極めて大切なことだと思っています」と声明。多くの日本人にとっての戦争は米軍の大空襲であり原爆だけど、陛下はなぜそんなことになったのか、真珠湾攻撃よりもさらに遡って、1931年に中国東北部で日本軍が自作自演テロによって戦端を開いた「満州事変」に言及され、そこから戦争全体を考えよと促された。満州事変は15年に及ぶ日中戦争の発端であり、この戦争を続けるために資源を求めてアジアを南下し、米軍との開戦に至った。
満州事変以降、大陸の日本軍は(1)天皇の裁可がなくても(2)陸軍中央の許可がなくても(3)内閣が反対しても、勝手に戦線を拡大していった。日本が「白人からのアジア解放」をスローガンに掲げだしたのは1940年7月からであり、南京攻略の3年後だ。陛下や皇太子殿下が「歴史を正しく伝えていくことが大切」と語られるのは、「アジア解放」は後付けの理由であり、満州事変から始まったあの戦争を美化するなという事と僕は受け止めている。

/官邸がミサイル警報のJアラートを鳴らしていた頃、2017年9月20日に、天皇、皇后両陛下は“私的旅行”で埼玉県日高市の高麗(こま)神社を参拝された。かつて北朝鮮は“高句麗”と呼ばれ、平壌は都だった。高麗神社は高句麗の王族で来日中に母国が滅亡し、今の日高市一帯の高麗郡長になった高麗若光(こまのじゃっこう)をまつっている。当時の日本は高句麗から亡命してきた帰化人を高麗郡に集めていた。この高麗神社への訪問は「陛下の希望」で実現したという。両陛下は事前に研究者から「渡来人と渡来文化」について話を聞かれている。若光の子孫(60代目)を称し、境内を案内した高麗文康宮司いわく「陛下が来られることは想像もしていなかった。名誉なこととしか言いようがない」。歴代天皇で渡来人を祭った高麗神社を参拝したのは陛下が初めて
ミサイル問題で緊張感が高まるなか、このタイミングで北朝鮮と縁の深い、ある意味友好の象徴ともいえる高麗神社を電撃的に訪れたのは、明らかに政府・国民に向けたメッセージ。戦争を煽る政府をけん制し、先鋭化する一部の世論に冷静さを呼びかけたものとしか思えない。
陛下は2001年の会見で「桓武天皇の生母が百済の武寧王の子孫であると、続日本紀に記されていることに、韓国とのゆかりを感じています」と述べている。この頃は小林よしのり『戦争論』で生まれたネット右翼によって、ネット世界が急速に右傾化していた時期であり、“皇室の先祖に半島の血が入っている”とあえて陛下が強調されたことに大変驚いた記憶がある。
僕の目には、タカ派保守層が煽る右傾化の流れに、身体を張って誰よりも抵抗しているのが両陛下に見える。大手マスコミはそういう部分に注目しないから、気づいていない人も多く、それが本当に残念。

/陛下は「象徴天皇の務めが常に途切れることなく,安定的に続いていくことをひとえに念じ」られており、いま生前退位の恒久法を作っておかないと、次の天皇になっても2、30年で同じ高齢問題が生まれると、テレビ声明で国民に直接訴えられた。摂政を置くのではなく、退位を希望された。しかし、官邸は支持団体の右派勢力に配慮して、最初から「一代限りの特別法」ありきで、陛下の言葉に耳を傾けなかった。
日頃は大声で愛国だの皇室の伝統だの叫んでいる右派論客が、陛下が直接国民に訴えかけた退位恒久法制定の悲願をことごとく無視し、陛下を批判までして一代限りの特別法にしたことを、「尊皇リベラル」の僕は決して忘れないし、朝から右派論客が改元のお祝いをツイートしているのを見て、「さんざん陛下の切実な気持ちを踏みにじっておいて、何を祝福しているのか」と脱力している。

平成最後の日だから、素直にお祝いだけ書こうと思っていたけど、いっさい上記の件をマスコミが特集番組で報道しないことと、「退位礼正殿の儀」の「国民を代表して安倍内閣総理大臣」というのがあまりに辛く、一筆書いて平成最後の日記とします。令和が良い時代になりますように!
●4月29日…〔今日の良かった〕発売中の月刊『ラジオ深夜便5月号』にて6ページの墓マイラー・カジポン特集を巻頭カラーで組んでいただきました!ラジオで語った巡礼エピソードに沿った写真が掲載されているほか、デンマークまでレゴ創業者オーレ・キアク・クリスチャンセンのお墓に、子どもと「レゴブロックありがとう」を伝えに行った様子なども(公共放送では「レゴ」と言えず誌面のみで紹介)。価格は380円と良心的、興味のある方は是非。(^^)/

倉本聰さんと名前が並び超感涙 ベートーヴェンやNYの野口英世の墓

/ どひー!今夜NHKラジオの担当者から連絡があり、明日の『ラジオ深夜便』が特別編成になったとのこと!よって、残念ながら僕の「お墓偉人伝」は7/30に延期に…!それを前日に言いますかNHK(汗)。まあいい、これも人生、ネタにさせていただきます!
●4月28日…〔今日の良かった〕 「政府が民間を乗っ取るぞ、と民主社会主義への恐怖があおられています。しかし、いま私たちが本当に恐れるべきなのは、企業が私たちの政府を乗っ取ってしまったことです」
史上最年少の米連邦下院議員となった29歳のアレクサンドリア・オカシオコルテス氏(民主党)に期待。略称「AOC」の彼女は1年ほど前までNYのタコス店でバーテンダーをしていたヒスパニック。保守系の記者から「トランプ大統領はあなたのことを若いバーテンダーと呼んでいますけど?」と挑発され、彼女はこう答えた。「それが何か?バーテンダーだったことは何もおかしくないし、そのおかげで、私はこの国の医療保険制度がどんなにひどいのかを、彼よりも知っています。店を閉める午前2時にその日のチップを集めるのが、世界から自分への最大のご褒美。そんな経験がなければ、知りようもありませんよね」。
●4月27日…〔今日の良かった〕上映時間180分という超特大ボリューム『アベンジャーズ/エンドゲーム』、圧巻だった!シリーズ30作品で主役をはった全員に見せ場を用意し、広げに広げまくった風呂敷を見事にたたみきった!特にアイアンマンとキャプテン・アメリカのエピソードが秀逸。それぞれの第1作を見てから本作を見ると感動3000倍かと。単体映画としてみた場合は評価が下がるかもだけど、シリーズを愛してきた者にとっては満点です。黒人のブラックパンサーはかつて国連で「賢者は橋を架け、愚者は壁を造る」と分断が進む現代世界に警告している。本作はそのブラックパンサーとキャプテン・アメリカの絡みが素晴らしく…いや、これはネタバレになるのでよそう。とにもかくにも、2008年の『アイアンマン』から11年、長くドキワクの夢を与えてくれたマーベル映画の制作スタッフに心から敬意を表したい!ありがとう!
予告編 (2分半)
●4月26日…〔今日の良かった〕今夜のジョジョ5部アニメ、タイトルは『今にも落ちて来そうな空の下で』。生きる姿勢を問いかけてくる超重要回。5部だけでなく、ジョジョ全体を象徴するエピソードのひとつ。最高画質で録画予約スタンバイ完了!!
【追記】原作でストーリーを知っていても、ナランチャの悲痛な叫び声で落涙。最高の作画と演出、声優さんの名演技、ジョジョラーとして第28話に関わった方すべてに感謝。永久保存版です。

 
●4月25日…〔今日の良かった〕2年前から原子力規制委員会の委員長に就任している更田豊志氏、ほんと素晴らしい。昨日、規制委は「テロ対策施設の設置が期限に間に合わなければ、運転停止」と全会一致で決定。再稼働原発も対象であり、「延期救済」を求めた電力会社の意向を退けた英断に喝采を送りたい。義務づけられたテロ対策施設とは、航空機の衝突などに備えて遠隔から原子炉を操作できる緊急時制御室等で、むしろ「え?なかったの?」というレベル。スイスやドイツの原発では同様の設備を備えている。
過去に期限を5年先延ばししており、再延長を求める業界の声に更田委員長は「延期を繰り返したら、規制の精神にかかわる」と一蹴。期限を過ぎても一定期間は運転を認める案も「法的に健全ではない」と退けた
設置が遅れているのは、電力会社がテロ対策を本気で考えておらず、そして福島の事故前のように「国が何とかしてくれる」という甘えが残っているから。そう思わせたのが安倍政権であることを国民は認識しなくてはならない。骨のある更田委員長が、理不尽な理由で更迭されないことを願う。
●4月24日…〔今日の良かった〕人手不足にもかかわらず、コンビニ各社の本部が店主へ24時間営業を強要することが問題になるなか、コンビニ店主が求める時短営業を本部が一方的に拒んで店主に不利益を与えた場合、公正取引委員会が「独占禁止法の適用対象」とする方向で検討に入った。営業時間を縮めると人件費が減って店の赤字を避けられ、店主の過労も防げる。独禁法を積極的に使っていこう。
●4月23日…〔今日の良かった〕海自艦船が8年ぶりに中国訪問。日本と中国の間には尖閣諸島をめぐる問題など複数の対立要因があるけど、普段から交流を重ねることが不測の軍事衝突を避けるため重要。本日、中国海軍創設70周年を記念して山東省沖で開催された国際観艦式に、山村浩海上幕僚長が参加し、護衛艦「すずつき」を派遣したのはよかった。前回は幕僚副長を派遣しただけで艦船を出さなかった。観艦式には中国海軍の艦艇32隻と航空機が参加、国外からは日本、ロシア、インド、韓国など13カ国の艦艇18隻が参加。米国は中国駐在の武官のみが参加し、対応が分かれた。
●4月22日…〔今日の良かった〕先月他界した俳優萩原健一さんに寄せた、脚本家倉本聰さんのコメントをメモった。「彼が亡くなって桃井かおりがショーケンを「可愛くていけない魅力的生き者」だと追悼するコメントを出しましたが、まさにその通りなんですね。役者として天才的だけれど、人としてはいろいろよくない。ただ、ショーケンが表舞台から遠ざかったのは、日本の文化を成立させてきた「旦那」と「職人・芸人」の関係がなくなったことも影響しているかも知れない。金を出すだけの「タニマチ」ではなく、技や芸を目利きできるのが「旦那」。かつては、たとえ性格や行動に問題があっても、確かな技や芸を持っていれば認めるし、職人の側も応える、そんな関係がありました。自分も「旦那」でありたいと思ってきましたが、いつからかそんな存在は消えてしまった。70年代に出てきたショーケン、かおり、松田優作ら同世代のギラギラした若い役者たちには、明らかに上の世代とは違った「はみ出し者」の輝きがありました。役者としての力がある彼らを受け止める力量を持った制作側の人間もだんだんいなくなった。芝居がわかっている者は一握り、タレントばかりになってしまった。ショーケンの死は、そんな時代を象徴しているように感じます」。
●4月21日…〔今日の良かった〕衆院沖縄3区補選で「辺野古移設反対」を訴えた無所属新顔のジャーナリスト屋良朝博氏(56)が勝利。当選後、屋良候補は玉城デニー知事と肩を抱き合った。昨秋の知事選と2月の県民投票でも示されていた「辺野古反対」の民意がさらに今回も示された。沖縄はもう十分に国防に協力してきたので、基地移設の代替案は本土が考えないと。そして本土の人間が、安倍政権に工事の強行を止めさせねば。

//今日の統一地方選挙後半戦の投票率は市長選、町村長選、市区議選、町村議選のすべてで戦後最低を記録。市長選の平均投票率は47.5%、市議選は45.6%、東京区議選は42.6%。前から言ってるけど、投票率が半分を超えなかった場合は選挙無効にすべき。そのルールがあれば、行政は投票率をあげるためもっと積極的に動くだろうし、再選挙で再び何億円もの費用がかかることを考えると、投票に行かなかった人は税金がもったいないので投票に行くだろう。
義務投票制をとっているオーストラリアやベルギーでは、投票しないと罰金刑になり、フィジーやキプロスでは投獄される。日本の場合、社会の特性である「同調圧力」がハンパないので、罰則よりも選挙無効のルールが最も適していると思う。

//スリランカの首都コロンボでキリスト教会や高級ホテルを狙った8箇所の同時多発テロ、200人以上が犠牲に。教会が狙われたのは、3月にニュージーランドのモスクでイスラム教徒50人が殺害されたことの報復という。恐ろしい憎悪の連鎖。子どももたくさん死んでいる。どんな思想が背景にあろうと、目の前に小さな子どもいて点火スイッチを押せることが理解できない。子どもを殺しても天国に行けると考える狂信。どうすればこの過激思想と訣別できるのか…。
●4月20日…〔今日の良かった〕米大統領選でロシアがトランプ陣営に肩入れした「ロシア疑惑」で、マラー特別検察官が448ページに及ぶ捜査報告書のうち、約130ページを割いて10件の司法妨害疑惑を詳述。解任・更迭・偽装工作、あの手この手でトランプ氏が捜査を止めようとした実態が明らかになった。今後の追及は議会に託される。マラー特別検察官の勇気に敬意。
●4月19日…〔今日の良かった〕東京芸大がシルクロードを代表する中国・敦煌の世界遺産を「クローン文化財」として大規模に複製することに。観光ブームの中国では、年200万人の観光客の吐息に含まれる二酸化炭素で、敦煌・莫高窟(ばっこうくつ)の壁画がはく落、変色が進む。石窟の滞在を短くするのが急務であり、東京芸大が持つ「スーパークローン」技術(制作当初の姿を復元)、バーチャルリアリティーなどの技術を用いて、現存する735の石窟のうち138窟を再現し「莫高世界文化体験園」として見学拠点にするとのこと。実物を見た後にクローンを詳しく見学すれば、観光と保護を両立できる。芸大から海外への技術供与は初めてという。※芸大は唐の仏像を3Dスキャンしてロボットで発泡スチロールを成形し、唐代と同じ彩色を施して制作時の姿を再現した実績がある。
●4月18日…〔今日の良かった〕人気漫画『NARUTO』のアトラクション「NARUTO&BORUTO 忍里(しのびざと)」が淡路島公園にオープンしてびっくり。期間限定じゃなく常設なのが凄い。約8千平方メートルのエリアに「木ノ葉隠れの里」の象徴「火影岩」を再現した約10メートルのモニュメントがそそり立つ。森に囲まれた園内の立体迷路で忍者修行を体験、人気キャラの等身大人形が点在するなか、忍者になった気分で散策を楽しめるという。『NARUTO』全72巻の累計発行部数は2億部を突破。海外でも大ヒットしているから外国人もくるだろう。夜10時までやってるのも攻めてるなぁ。ぜひ荒木飛呂彦美術館&ジョジョの常設アトラクションも仙台に作ってほしい。
●4月17日…〔今日の良かった〕朝日のコラムによると、ハリウッド映画のロブ・ライナー監督『記者たち 衝撃と畏怖の真実』とアダム・マッケイ監督『バイス』が力作らしく、見てみたい。両作品とも、イラク戦争とブッシュ政権を題材に、愛国主義へ一撃をかましたもの。前者は911テロ後に愛国的空気が支配する米国社会で、徐々に政府の嘘を暴いていく記者の闘いを描く。後者はブッシュ政権の黒幕ディック・チェイニー副大統領の物語で、ブッシュ役のクリスチャン・ベールとチェイニー役のサム・ロックウェルが共にアカデミー賞候補になった。2作ともブッシュ政権を完膚無きまでにこき下ろしているとのこと。
昨年のスピルバーグ監督『ペンタゴン・ペーパーズ』(ベトナム戦争の実態を隠すニクソン政権VS記者)に続く、反骨のエンターテインメント映画。こういう作品が、ごく普通に商業映画としてロードショー公開され、お客さんも入り、オスカーにノミネートされるところが米国の懐の深さ。日本で最後に官邸の腐敗をとりあげた作品は何だろう。昭和まで遡らないとないかも(汗)。

//『子連れ狼』など漫画原作者の小池一夫先生が肺炎のため他界。享年82。小池先生は漫画家育成にも力を入れ、「小池一夫劇画村塾」を設立し、キャラ創作や動かし方、場面での活かし方などを伝えた。この塾からは「うる星やつら」の高橋留美子さん、「北斗の拳」の原哲夫さん、「グラップラー刃牙」の板垣恵介さん、ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズの堀井雄二さんら名だたるクリエイターがが世に出ている。小池先生のツイートには胸に染みる言葉が多く、これまでに何度も救われました。心から哀悼の意を表します。

亡くなる前月、3月29日のツイート→
「近いうちに命を失うことをつらつらと考えるに、まだまだ時間のある皆さんへ。死ぬぐらいなら学校に行くことはない。死ぬぐらいなら会社へ行くことはない。死ぬぐらいなら何者かになろうとしなくてもよい。死ぬぐらいなら何かを我慢することはない。好きなように生きれば良い、死ななければそれでよし。」(小池一夫)

小池先生のツイートで一番驚いたのはコレ→「科学戦隊ダイナマンの作詞をしていたことに皆さンに驚かれたのですが、他にも沢山作詞していますよ。マジンガーZ、グレートマジンガー、電子戦隊デンジマン、大戦隊ゴーグルファイブ、大戦隊ゴーグルファイブ、などです。そらにー、そびえるー、くろがねのしろー、懐かしー。東文彦って僕の別名です」
●4月16日…〔今日の良かった〕ネットで「世界一美しいスタバ」が日本にあることを知った。先月、富山で墓マイラー講演した際に、参加者の方が「世界一美しいスタバに行ってきました」と言っておられ、そのときは「?」だったんですが、その後、スターバックス富山環水公園店のことを知り、行かずに帰宅したことを悔やみまくり。同店では、ガラス越しに運河と桜、雪をいただく立山連峰が見事に調和した景色を楽しめるとのこと。スタバ本社主催の店舗コンペ「ストアデザイン賞」(2008)で最優秀賞を受賞し、「四季折々の景色が楽しめる」と評価、10年かけて口コミで広まった。年間に265万人が訪れ、なんと金沢の兼六園280万人に迫る勢い。今度富山に行くときは必ず足を運ぶつもり。
●4月15日…〔今日の良かった〕国の予算抑制や教育改革迷走で日本の大学は疲れ果て、深刻な危機を迎えている。ノーベル賞受賞者の梶田隆章氏や白川英樹氏らの呼びかけで2月に結成された団体「大学の危機をのりこえ、明日を拓くフォーラム」が活動を開始。梶田氏「研究費を減らしても競争すれば研究力が上がるという国の実験は、失敗したと思う」「基礎科学は世界各国でも基本的には国が支えており、日本もさらに国の予算を増やすべきだ」。山本健慈氏(元和歌山大学長)「地方の国立大が減ると、国民が高等教育に接する機会に格差が生まれる」。日本学術会議副会長・甲南大の井野瀬久美恵教授「国が進める大学改革は、教育・研究のためではなく、経営のために行われている」。徳島大・山口裕之教授「研究者を業績評価で競争させると、短期的な成果を求め、チャレンジングな研究をしなくなる。基本的な予算を保証した上で競争する方向に変えるべきだ」。第一線の研究者の提言に行政は耳を傾けてほしい。

//パリのノートルダム寺院が大火災で屋根が崩落。尖塔が倒壊していく映像は衝撃的すぎる。寺宝は取り出され、ステンドグラスも残った。復興は可能だ。
●4月14日…〔今日の良かった〕「令和」の発表から2週間が経ち、様々な学者の見解を読んで小膝ポンとなったものを2つ紹介。どちらも東大教授。「令和」の典拠として安倍総理が挙げたのは『万葉集』巻五「梅花(うめのはな)の歌三十二首」の序の「初春(しょしゅん)の令月(れいげつ)にして、気淑(よ)く風和(やわら)ぎ」。これは天平2年(730)正月13日、大宰府の長官(大宰帥)だった大伴旅人が園遊会を主催し、集まった役人たちがそのとき詠んだ短歌をまとめるとともに、漢文の序を付したもの。政府関係者には思いも寄らなかったメッセージが読み解けるという。

(1)日本文学研究者で『万葉集』の専門家、品田悦一(よしかず)・東大教授
「梅花歌」序とそれに続く一群の短歌はこう読み解ける。(令和の詠まれた)梅花宴の前年に、都では大伴旅人が深い信頼を寄せていた左大臣・長屋王が、藤原氏(藤原四子)の陰謀により「聖武天皇の皇太子を呪い殺した」と濡れ衣を着せられ処刑されている。
太宰府にいた大伴旅人は、長屋王事件を機に全権力を掌握した藤原四子に怒り、あいつらは都をさんざん蹂躙(じゅうりん)したあげく、帰りたくもない場所に変えてしまった。王羲之(大伴旅人が手本とした中国古典「蘭亭集序」の作者)にとって私が後世の人であるように、今の私にとっても後世の人に当たる人々があるだろう。その人々に訴えたい。どうか私の無念をこの歌群の行間から読み取って欲しい。長屋王を亡き者にした彼らの所業が私にはどうしても許せない。権力を笠に着た者どものあの横暴は、許せないどころか片時も忘れることができない。だが、もはやどうしようもない。私は年を取り過ぎてしまった。

−−これが、令和の代の人々に向けて発せられた大伴旅人のメッセージ。テキスト全体の底に権力者への嫌悪と敵愾心(てきがいしん)が潜められている。断わっておきますが、一部の字句を切り出しても全体がついて回ります。つまり「令和」の文字面は、テキスト全体を背負うことで安倍総理たちを痛烈に皮肉っている格好なのです。もう一つ断わっておきますが、「命名者にそんな意図はない」という言い分は通りません。テキストというものはその性質上、作成者の意図しなかった情報を発生 させることがままあるからです。
安倍総理ら政府関係者は次の三点を認識すべきでしょう。一つは、新年号「令和」が〈権力者の横暴を許さないし、忘れない〉というメッセージを自分たちに突き付けてくること。二つめは、この運動は『万葉集』がこの世に存在する限り決して収まらないこと。もう一つは、よりによってこ んなテキストを新年号の典拠に選んでしまった自分たちはいとも迂闊(うかつ)であって、人の上に立つ資格などないということです。
もう一点、総理の談話に、『万葉集』には「天皇や皇族・貴族だけでなく、防人や農民まで、幅広い階層の人々が詠んだ歌」が収められているとの一節がありました。この見方は30年前までは通念でしたが、今こんなことを本気で信じている人は、専門家の間には一人もおりません(注・歌の形式が貴族階級のもので、農民と接点がない)。高校の教科書も記述を避けている。安倍総理―むしろ側近の人々―は、『万葉集』を語るにはあまりに不勉強だと思います。(全文リンク

(2)中国思想史が専門の小島毅・東大教授
・書かれた当時の読み方なら「令」は「りょう」。当時の法制度は『律令(りつりょう)』、皇太子の文書は『令旨(りょうじ)』。大宰府で『万葉集』の観梅の宴を主催した大伴旅人なら『りょうわ』と読んでいる。
・「初春令月、気淑風和」からとったというが、「令」は「よい」という意味で「月」を修飾する。「和」は「(風が)穏やかになる」という意味。令と和には直接の関係がなく、結びつけるのは無理がある。
・「梅花の歌」序文は「古今」の「詩」(中国の漢詩)に詠まれた「落梅之篇」に触れる。咲き誇る花ではなく落ちゆく花で縁起が悪い。32首のうち旅人が詠んだ歌は「吾(わ)が苑(その)に梅の花散るひさかたの天(あめ)より雪の流れ来るかも」。梅が散る様子を雪にたとえており、寒々しい時代になるとの解釈もありうる。
・日本独自の元号といっても制度自体、中国から学んだもの。日本の文学は中国古典に多くを学び発展してきた。「梅花の歌」序文のお手本は、中国の古典・王羲之(おうぎし)の「蘭亭序(らんていじょ)」や、詩文集『文選(もんぜん)』の張衡(ちょうこう)「帰田賦(きでんのふ)」。『万葉集』出典と主張しても、中国古典にさかのぼる。「初の国書」という日本独自の文化をわざわざ強調する政府の姿勢が、大陸伝来の文化を基盤とする日本の伝統の成り立ちを軽視している。そもそも大伴旅人が観梅の宴を開いた大宰府は、唐や新羅の使節が訪れて交流した場所でもある。
・元号は中国や日本に限らず、東アジアの漢字文化圏全体が共有する伝統。「日中戦争の最中も昔の中国文明や儒教、漢詩の伝統には深い敬意が払われていた。(「令和」は)中国古典の『文選』と国書『万葉集』のダブル典拠とすれば、東アジア友好のメッセージが伝わったはずなのに」(小島)。

【追記】「令和」の出典となった万葉集の梅の花の句「初春令月、氣淑風和」には、中国に2つの元ネタがあり、王羲之(おうぎし)の「蘭亭序」については先述した品田教授が触れた。もう一方は後漢(25-220)の詩人・張衡(ちょうこう/78-139)の作品『帰田賦(田に帰る賦(ふ)=詩文)』(文選巻十五)にある「於是仲春令月 時和気清」。
題名の“帰田”は、「官職を辞し、故郷の田園に帰って農事に従うこと」を意味する。張衡は後漢の第6代皇帝「安帝」に召されて高官になるが、安帝は側近の専横を許し政治は腐敗、巡察中に32歳で急死する。その後、張衡は安帝の子・順帝(115-144)に仕えるが、張衡は迷信を否定し、正義感の強さから順帝の取り巻きにうとまれ、136年に都を追われ河間国に下った。河間国でも官吏の不正を激しく取り締まり民衆から喝采されるが、既得権益の恨みを買う。張衡は引退を望み「もう官を辞めたい」と願うが許されず、138年、田園に暮らす夢を『帰田賦』に「於是仲春令月 時和気清(仲春のよき月に、時は調和し気は清らかに澄んでいる)」などと綴り、翌139年に61歳で他界した。
張衡は科学者としても広く学問に通じ、2500個の星々を記録して天球儀を制作したほか、地動儀(地震計)を発明したり、円周率を3.16強とする近似値(インド・アラビア数学より400年も早い)を導き出している。張衡の地動儀は500km(東京〜京都くらい)離れた地震を感知することができた。現在、張衡の名は小惑星や人工衛星にもついている。
安倍政権が「令和」の元ネタとして張衡のことを言わず、『万葉集』の梅花詠だけをマスコミに語るのは、権力者の不正に厳しい張衡の話や「安帝」の名で、やぶ蛇になるのを恐れたからかも。
●4月13日…〔今日の良かった〕今月10日、岩手県出身の自民議員のパーティーで「(被災地の)復興以上に議員が大事」と失言というより暴言を吐いた桜田義孝氏が五輪相を更迭された。今も5万人以上が避難生活を送っているのに、被災者を軽んじるあり得ない発言。大臣更迭を「今日の良かった」に書かねばならぬほど、桜田氏は昨年10月の就任当初から議員の資質を疑わせる言動を繰り返していた。
・五輪相に就任して4カ月経ってもオリンピック憲章を読んだことがない。
・競泳の池江璃花子選手が白血病を公表した際、「早く治療に専念して頑張ってもらいたい」という一方で、「期待している選手なのでがっかりしている」「(五輪の)盛り上がりが若干、下火にならないか心配している」とデリカシーに欠ける発言。
・予算委員会では五輪大会予算の国の負担分「1500億円」を「1500円」などと繰り返し言い間違えたうえ、実際は1700億円だった。
・サイバーセキュリティ戦略副本部長を兼任しているがパソコンに触ったことがなく、USBメモリもよく知らない。英ガーディアン紙「もしハッカーが桜田大臣を標的にしても、何も情報を盗むことができない。彼は最強のセキュリティーかもしれない」。
・国会答弁で「防衛に関することは国防省だ」と、防衛省の名前を間違って記憶。
・就任会見で「東京オリンピック・パラリンピック競技大会」を「ぱらんぴっく、ぱらぴっく」など読むことが出来ず、4回間違えてそのまま終わる。
・東日本大震災について「国道や東北自動車道が健全に動いたからよかった。首都直下型地震が来たら交通渋滞で人や物資の移動が妨げられる」と事実誤認の発言。震災については2017年に当時の今村雅弘復興相が「東北で良かった」と発言し辞任に追い込まれている。

そもそも、国土交通省の塚田一郎副大臣(自民)が、「忖度発言」の責任を取って4月5日に辞任したばかり。塚田氏は森友問題で自殺者が出ているにもかかわらず、道路整備をめぐり首相と麻生氏の意向を「忖度した」と講演で発言。しかも、受けを狙うかのように「忖度」という言葉を繰り返した(僕は会場で笑い声が起きてビックリした。自殺した人の生命の重みがあの会場の人に伝わっていない)。
塚田氏の辞任で常にも増して言動に注意すべきなのに、そのわずか5日後に桜田氏の暴言。「復興より議員」で問題となったパーティーでは、聴衆に向けて「(乾杯前のあいさつが続き)がっかりしているんじゃないのか。『がっかり』という言葉は禁句なんですけど」と池江選手の件を冗談めかして語っている。言葉もない。辞任は遅きに失したというほかない。明らかに役職不適格なのに、これまで失言の度に安倍氏は「適任」だと擁護してきた。今回の辞任を受け、安倍氏は「任命責任は私にある」と語ったが、その言葉は何度目かと。責任があるのは分かってる。再発防止をどうるのか、再発したときにどう責任をとるのかを聞きたい。「任命責任は私にある」とお決まりの台詞だけを言って、それが責任を取ることと首相は思っていないか。

//安倍政権が外交的大失態。23カ国・地域が行っている原発事故をめぐる日本からの水産物輸入規制を、世界貿易機関(WTO)に“勝てる”と踏んで、まずは韓国を提訴した官邸だが、日本は科学的立証せず逆転敗訴。かえって輸入規制にお墨付きを与えるという裏目に出た。酷いのは菅官房長官や河野外相が「敗訴の指摘は当たらない」と強調していること。国際法の専門家からいっせいに「無理のある説明だ」と批判が出ている。政府は敗訴を否定する根拠として、第一審の判断「日本産食品の科学的安全性は認められた」との記載をあげているが、その文章は第一審の判決文(報告書)にないことが判明している。中川・中央学院大教授「日本の基準が国際基準より厳しいことと、科学的に安全かは同義ではない」。福永・早大教授「そもそも第一審で安全性の認定は行われていない。日本が訴えたのは韓国が日本産食品を差別的に扱っていることなどで、安全性自体の認定は求めなかった」。最近の官邸はいつもそう。なぜ翌日には嘘とばれることを平然と語るのか。敗北を脳内で勝利にすり替えて泥沼に落ち込んだ昭和の戦争指導者と同じ。この敗訴を理由に輸入規制を行う国が増えたらどうするのか。絶対に負けてはならなかったし、少しでも敗訴の能性があるなら提訴すべきじゃなかった。
●4月12日…〔今日の良かった〕昨日の朝日の社説『自由な言論 守り続ける覚悟を』が良かったので一部を紹介。

→自由に考え、自由にものを言う。そんな当たり前の行為が、不当に制限されることがあってはならない。民主主義の基盤を傷つける出来事が、最近も相次いでいる。
京都府南丹市は昨年11月、精神科医・香山リカさんの講演会を中止した。講演を妨害するような電話や、政治団体による街頭宣伝の予告が届いたためだ。露骨な嫌がらせに市は毅然とした態度で臨んでほしかった。警察に警備を依頼するなど対策は十分とり得ただろうし、似たようなケースで行政側の対応を違法とした最高裁判例もある。結果として圧力に屈した形になったのは残念でならない。
一昨年も同様の経緯をへて、香山さんの東京都内での講演会が取りやめになっている。当時、差別的な言動に反対するなど活発に発言していた香山さんは、ネット上で激しく攻撃されていた。今回の妨害行為の背景にも、香山さんの活動に対する敵意がうかがえる。
この例に限らない。憲法や基地問題などを取りあげた集会で、自治体が後援や共催を取り消す事例が絶えない。多様な言論を保障する責務の重さを、行政は認識してほしい。
許しがたい別の嫌がらせ行為もある。女性差別などについて積極的に発言する議員や弁護士に、頼んだ覚えのない商品が送りつけられてきた事件だ。
北九州市の村上聡子市議には昨夏以降、下着などが代金引換で配達された。加計問題で政権を批判した前川喜平元文部科学事務次官を招いて、講演会の司会をした後から始まった。「言論封殺の意図を感じる。こんなことをしても発言をやめはしない」と市議は話す。
残念なのは、こうした訴えを冷笑するような反応が一部にあることだ。ネットには「被害者アピールして何の意味がある」といった言葉が飛び交った。差別に反対する。政権に厳しいことを言う。憲法の大切さを論じる。これらの行為が攻撃対象にされるとは恐ろしい話だ。
恐怖が萎縮を生む悪い連鎖の中で、言論の場が狭まることを危惧する。おかしな風潮を広げないためには、いつ自分も標的になるかも知れないと想像力を働かせ、批判の声を静かに、しかし確実に上げ続けることだ。
●4月11日…〔今日の良かった〕国立天文台などの国際研究チームが、世界初となるブラックホール撮影に成功!世界6カ所の望遠鏡で約5500万光年離れた銀河M87にあるブラックホールを同時に観測し、解像度を「月面に置いたゴルフボールを地球から見分けられるほど」に高め、宇宙の真っ黒な穴を捉えた。ブラックホールに吸い込まれる際に周囲のガスが発するミリ波を観測し画像に変換、質量は太陽の約65億倍に相当するという。銀河の真ん中にブラックホールが存在することを決定づけ、銀河の成り立ちの解明につながる。

//一昨日(9日)、夜間訓練中に青森県沖で消息を絶った空自三沢基地所属の最新鋭ステルス戦闘機F35Aの左右の尾翼の一部が昨日発見されたが、まだパイロットの男性3等空佐(40代、約3200時間の飛行経験があるベテラン)が見つかっていない。「ノック・イット・オフ(訓練中止)」と3等空佐が伝えた直後に機影が消えたという。次期主力戦闘機として安倍氏がトランプに大量買い付けを約束し、計147機体制(一機約140億円)を目指してるF35の墜落事故は初めて。パイロットの命を守るためにもトラブルの原因調査が絶対に必要。編隊長として訓練を統率していた3等空佐の無事を祈ると共に、早く発見されるよう願っています。

//『ルパン三世』で知られる漫画家モンキー・パンチ先生が肺炎のため本日他界。享年81。北海道に生まれ、19歳で漫画家を目指して上京、僕が生まれた1967年に30歳で『ルパン三世』の連載をスタート。4年後にアニメ化され、本放送は視聴率が振るわなかったものの、再放送で人気に火がついた。ルパン、次元、五右衛門、不二子、銭形のとっつぁん、個性的で魅力溢れるキャラたちに会わせてくださり有難うございました。
●4月10日…〔今日の良かった〕“日本資本主義の父”渋沢栄一が最高紙幣に選ばれたのは経歴に相応しいし納得。単なる実業家ではなく日本国際児童親善会を作るなど民間外交のパイオニアとして、ノーベル平和賞候補に2度も選出されている。江戸期の天保年間から始まる人生は大河ドラマにもってこい。埼玉の農家に生まれ、21歳で江戸に出て北辰一刀流に入門。道場では勤王の志士に感化され尊王攘夷運動に傾倒。長州と倒幕運動をするため京にのぼるが、長州は「八月十八日の政変」で都を追い出されており、紆余曲折を経て逆に一橋慶喜(徳川慶喜)に仕え、幕臣となって新選組・土方歳三と浪士を捕縛したことも。
明治維新の前年に27歳でパリ万博を見学、ヨーロッパ諸国を歴訪し進んだ科学技術や経済制度に驚嘆する。明治政府の帰国命令を受けて横浜に帰着(養子は戊辰戦争で官軍と戦い自刃、さらし首に)。大隈重信に説得され大蔵省に入り、株式制度設立、貨幣制度の導入に尽力する。その後、民間から株式会社の設立を指導。日本初の民間銀行・第一銀行(みずほ銀行)、東京海上火災保険、日本郵船、サッポロビール、キリンビール、王子製紙、東京ガス、帝国ホテル、京阪電鉄、時事通信社、共同通信社など500以上もの企業の設立に関わった。また、商法講習所(現・一橋大学)や東京証券取引所設立にも携わった。
69歳からは社会公共事業に集中。日本赤十字社、癩予防協会の設立をサポートし、聖路加国際病院初代理事長などに就任。ワシントン軍縮会議の成功を願って渡米し、日米親善のため講演した。当時、“女子に教育は必要ない”という風潮があったが、渋沢は女子教育を重視し、勝海舟や伊藤博文らと女子教育奨励会を組織し、日本女子大学校の設立に協力した。
人生最期の年となった1931年、日本陸軍は満州に攻め込んだが、渋沢は中国で起きた大水害を心配し、「中華民国水災同情会」の会長となって義援金を募った。同年11月に91歳で他界。他の著名実業家は男爵位どまりのなか、子爵号を渋沢が与えられたのは、“公益”の姿勢が多くの人に感銘を与えた結果だ。
渋沢は「道徳経済合一説」を唱え、「富を貯め込むのではなく、社会に還元する必要性」を訴えている。彼は、岩崎(三菱)、住友、安田、三井といった明治の四大財閥創始者と大きく異なり、「渋沢財閥」を作らなかった。私腹を肥やすことが目的ではなく、「私利を追わず公益を図る」との強い信念を持っていた。
所得格差が広がる一方の日本。億単位の役員報酬を得る経営者がいる一方、低賃金にあえぎ借金苦で自殺する人も。渋沢が今の日本を見れば、内部留保に走って、富を社会にも自社の労働者にも還元しない経営者には喝を入れるだろう。
令和時代の日本が、まともな方向に資本主義国家として発展することを願っての新札の渋沢採用とあれば、僕はナイス人選と思う。
●4月9日…〔今日の良かった〕文部省に楯突いた反骨の細菌学者、北里柴三郎が新千円札に選ばれたことに驚いた。北里は1853年熊本生まれ。東大医学部を経て33歳でドイツ留学し、細菌学者コッホに師事。この当時、傷口から破傷風菌が入って感染する破傷風は、日常生活で発症しやすいうえ致死率が極めて高く恐れられていた。菌の出す毒素が中枢神経(特に脊髄)を冒し、激しい痙攣(けいれん)を起こして高熱を発し、重い場合はたった1日で死に至る。破傷風菌は熱湯で死なない。死者数は年間80〜100万人にのぼり、人類の大きな脅威だった。
留学3年目、北里は世界で初めて破傷風菌だけを取りだす純粋培養に成功。これだけでも画期的だが、北里は「治療・予防法の確立こそが重要」と研究を推し進め、やがて破傷風菌自体が毒なのではなく、破傷風菌が生み出す毒物が原因と気づく。そして翌年(37歳)、破傷風の毒素が含まれた溶液で動物実験を繰り返し、菌体を少量ずつ動物に注射しながら血清中に抗体を生み出す「血清療法」を開発した。実験で動物は致死量でも耐えられるようになり、その動物から採取した「血清」を他の動物に注射すると、なんとそちらも毒素に耐えきった!北里は自身が作り出した血清とワクチン接種による予防法で、世界の人々の生命を救う偉業を成し遂げた。この研究は後にジフテリアのワクチン開発にも繋がる。後にペスト菌を共同発見。
帰国後、彼を待ち受けていたものは先輩学者たちの嫉妬だった。文部省や東大医学部の教授陣から邪魔者扱いされ、自分の研究すら思うように進まなかった。一方、米国から研究所の場所と資金を提供するとの誘いがあり、これを知った福沢諭吉は「いかん、なんとしても頭脳流出を阻止せねば」と、自分の土地を提供し、北里が所長となる私設の伝染病研究所を建設した。福沢の没後、北里は恩に報いるため、慶大医学部創立に尽力し初代学部長となっている。 
1914年(61歳)、北里は新聞を読んで仰天する。自身の伝染病研究所が文部省の管轄になり、東大医学部の付属施設にするというのだ!しかも所長は北里ではなく、東大医学部の学長が兼任。これでは東大側が選ぶテーマしか、研究出来なくなってしまう。北里は「東大と文部省がグルになっては自由な研究が出来ない」と辞表を叩き付け、文部省に対抗して自ら私財を注ぎ込み北里研究所を作る決心をした。
北里が辞表を出したことを知った他の所員たちは、彼の下で働きたいと次々と申し出、ついには全員が辞表を提出した。守衛や事務員までが辞表を出したと聞いた北里は、人目を構わず号泣したという。文部省の伝染病研究所はもぬけの殻になった。翌年、北里研究所の開所式が盛大に行なわれたが、文部省からは一言の祝辞もなかった。
その後、日本医師会を創設し初代会長に就任。1931年、脳溢血のため78歳で他界した。この3カ月後、日本は大陸で満州事変を起こし中国東北部への侵略戦争を開始、310万人が死亡する十五年戦争の泥沼にはまっていく。生命を救うための医学研究に没頭していた彼にとって、生命が紙くずのように軽く扱われる戦争の時代を見ずに済んのは幸せだったかもしれない。
新千円札を手にしたとき、これらのことを思いながら肖像を見つめるだろう。
●4月8日…〔今日の良かった〕17人の肖像画が使われてた日本のお札の歴史で、これまで肖像に選ばれた女性はたった2人。明治時代1881年に発行された1円、5円、10円札の神功(じんぐう)皇后、そして2004年に採用された樋口一葉だけ。それもあって2024年からの新紙幣に女子教育家の津田梅子(1864-1929)が決定して良かった。江戸生まれの津田梅子は、わずか8歳で岩倉具視遣外使節に参加して渡米留学し、日本最初の女子留学生の一人となった。1900年に36歳で女子英学塾(津田塾大学)を設立、女子高等教育に尽力した。津田梅子が主人公のドラマはまだNHKがやってないので100%くるはず。
※新札の津田梅子の肖像写真が左右逆になってて、あれをそのまま使うと髪の生え際も逆でめっちゃ違和感がある。別の写真に変更するより、オーストラリアの20ドル、50ドルのように左側に人物を置いて良いと思う。昔の人物には右向きの肖像しか残っていない人もいるから、津田梅子が左側に人物配置されたお札の第一号になればいい。彼女は第一号が似合う。
※ちなみに神功皇后のお札は日本最初の肖像画入り紙幣でもある。
●4月7日…〔今日の良かった〕なんいうシューベルト愛!心から、『ふぃお〜ら旅に出る』のブログ主さんに敬意を表したい。シューベルトの生家、彼が通っていたカフェやレストラン、住んでいた家、ウィーンにあるシューベルトゆかりの建物を完璧に網羅。脱帽しました!

//今日の統一地方選挙の前半戦、大阪は知事と市長のW選挙になった。僕は維新の議員が給与をカットして財源にあてている姿勢、この部分は立派と思う。吉村市長は給料4割カットしているが、それに加えて退職金4千万を受け取らないという。天下り対策も彼らが言うとおり7割削減を実現したのなら、自民時代よりも頑張っている。ただ、大阪人の僕は維新には入れなかった。理由は−−

(1)松井知事に対する不信感
・森友疑惑の「西の本丸」
森友問題は元々は維新の問題。かつて安倍応援団だった籠池氏は「安倍晋三記念小学校」の設立を計画。だがお金も土地もないため、当初は土地を貸してくれと交渉していた。そして「土地から(架空の)ゴミが大量に見つかった」というシナリオを財務省が考えだし、国民の財産である国有地がタダ同然で与えられた。これはすべて大阪府が「認可適当」と判断したところから始まった。
大阪府の私立学校審議会は、経営資金、教員確保、カリキュラムの3点を問題視、長く認可を出さず継続審議としていた。それを急転直下でOKとしたのは維新・松井知事だ。なぜいきなり私学審の懸念が解決したのか松井知事には説明責任がある。
さらに公文書の改ざんで決裁文書から名前が削除された議員10人のうち半数が維新の政治家という高確率。与党議員でもないのに!維新議員は土地代の値下げなどを働きかけていた。安倍氏と昭恵夫人、麻生氏の名前が削除されたのは、政権中枢だからまだ分かる。維新議員の名前をごっそり消したのは、「松井氏への忖度」ではないのか。やましいところがないなら、どうして府議会で徹底調査を行う百条委員会の設置に維新は反対するのか。籠池氏は国会証人喚問で、「怒りを覚えた政治家は」と問われて「大阪府知事です」と即答。森友問題は終わっていない。
※繰り返すが、大阪では「松井知事が極右の小学校建設を認可。その過程が不透明」という問題だった。そこへ安倍氏の「私が関わってたら議員を辞める」答弁があって全国ニュースとなり、首相の答弁に合わせて官僚が公文書から昭恵夫人の名を消すなど改ざんを行い、現場の財務省職員が「汚い仕事をやらされた」と苦悩、自殺に至った。

・カジノを先頭に立って推進している
カジノはなぜ問題なのか。負けた人の賭け金が収益だからだ。サービス業やモノ作り産業のような新たな付加価値は全く生み出さない。これのどこが成長産業なのか。維新はカジノの経済効果を喧伝するが、誰かが不幸になったカネで発展しなくたっていい。
パチンコ依存症が社会問題になっているのに、大規模ギャンブル施設は不要。「カジノは依存症対策がある」というが、内容は「入場回数上限・月10回」「入場料6000円」。月に10回もカジノに行くって、それを依存症って言うんだ。わけがわからない。ギャンブル中毒になっている人にとって、6千円など全くハードルにならない。やめたいのにやめられず、家中の金を持ち出す。闇金で借金を繰り返す。それがギャンブル依存症の怖さ。暴力団のマネーロンダリングの問題もどうやって排除するか説明していない。カジノなんか大阪に必要ない。

・沖縄に対する無理解な態度
2016年10月、沖縄県東村(ひがしそん)高江地区で新型輸送機オスプレイのヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設を巡り、建設に反対してフェンスを揺らしている市民に向かって、大阪府警の20代の機動隊員が「どこつかんどるんじゃボケ、土人が!」などと暴言を浴びせた。松井知事はツイッターで「表現が不適切だとしても、府警の警官が一生懸命、職務を遂行していたのが分かった。出張ご苦労様」と投稿。僕は目が点になった。松井知事はまた「売り言葉に買い言葉」とも。いや、普通は同じ日本人に向って「土人が!」なんて言葉は出てこない。この言葉が日常的に機動隊員の中で飛び交っているから、このように抵抗なく飛び出す。いったい大阪府警は若手の機動隊員にどんな教育をしているのか。とんでもない上から目線の発言であり、松井知事が語るべきことは「今後は沖縄の苦難の歴史を胸におき、再発防止の指導を徹底したい」であり、「表現が不適切だとして」ではない。大阪から沖縄に行ってる機動隊員を知事としてねぎらう気持ちは僕も理解できるけど、「出張ご苦労様」は少なくとも同じツイートに入れるものじゃない。それは別ツイートで書くべき。こんな文面では、「土人」と差別発言された人の心の傷が癒えるどころか、塩を塗り込むようなもの。
※機動隊員から言葉を浴びせられたのは沖縄出身の芥川賞作家、目取真俊(めどるま・しゅん)さん(56)。なんというか…機動隊員は自分の年齢の倍ほどもある人に「土人が!」と言い放っているのか。目取さん「最初はすぐには理解できなかった。土人という言葉が“老人”に聞こえた。まだそれほど年寄りでもないから、なんで老人?後から考えたら決して珍しいことではない。沖縄に対する差別の中で南の島の遅れた地域という意味で言われていた」。

(2)吉村市長に対する不信感
大阪市とサンフランシスコ市は1957年以来、61年の長きに渡って姉妹都市であり、市民同士が交流してきた。ところが昨年10月、吉村大阪市長は自分の判断で勝手に姉妹都市を解消してしまった。理由はサンフランシスコの公用地に「慰安婦像が建立された」からだ。こんな理由で解消するとは信じ難い。世界的に性暴力が問題になっているこの時流にあって、真逆の方向に暴走する吉村氏。新たな慰安婦像の設置は「2015年の日韓合意に違反する」との意見がある。だが、今回の像は「朝鮮半島と中国とフィリピン出身」の若い女性3人が手を繋いでいる像であり、半島の慰安婦のみを対象にしていない。たとえ加害者は日本軍でも、この像から伝わってくるメッセージは、戦争という狂気の中で性暴力に晒された弱い立場の人を忘れてはいけないという思い。普遍的なメッセージだ。そもそもこの像の碑文には、日本へ謝罪や賠償を求める文章はない。それなのに、吉村氏は姉妹都市を解消した。僕は弱者への共感力に欠けた人物に、行政の長となってほしくない。
吉村氏が生まれる前から61年も続いていた歴史ある友好関係を、個人の考えで解消するなどもってのほか。姉妹都市解消の是非について吉村市長は市民に信を問うことがなかったので、この選挙が審判となる。でも、おそらく大阪の人間で姉妹都市解消の一件を知っている人は1割もいない気がする。まったく話題に上がってないから…。

  朝鮮半島、中国、フィリピン出身の女性たち

(3)維新のエース、丸山穂高議員のトンデモ言動
僕はテロ防止策は必要と思う。だけど、自公が強行採決した共謀罪は、捜査対象や犯罪に問われる条件について曖昧で、テロ集団だけでなく「一般人」にも捜査が及ぶ懸念が残ったままだった。だからこそ、慎重のうえにも慎重に議論を重ねて欲しかったのに衆院法務委(2017)での採決において、維新若手の丸山議員(当時33歳)は「もういいでしょう!これまでもう30時間以上質疑してきました!これ以上ピント外れの質疑ばかり繰り返し、足を引っ張ることが目的の質疑は、これ以上は必要ない!ただちに採決を!」。…質疑で“ピント外れ”の答弁をしていたのは政府側だ。金田法相の答弁が質問者と噛み合わず、内容もコロコロ変わるからラチがあかなかった。「30時間以上」というが、追加される罪状は277項目もあり、30時間で277の罪を検討すれば一つ6分しかない。各罪状が必要か不要か、乱用されないか論議せねばならぬのに、あまりに短すぎる。それのどこが「足を引っ張ることが目的の質疑」というのか。
そもそも維新の丸山議員はそれまで法務委員会の審議に来ておらず、この日初めて共謀罪関連で発言。どの口で「審議時間は十分」と言うのか。自民の別動隊に成り下がった維新はタチが悪すぎる。かつて治安維持法はアッという間に拡大解釈されて、国民は言論の自由が奪われ、多くの人が獄死した。大事な法案なんだから、審議の過程で浮かび上がった疑問点を納得できるまで話し合わないとあかん。

/今日の大阪W選挙は維新の大勝利に終わったけれど、2019年にこの大阪に暮らす者として、こういことにこだわっていた少数派もいたんだよと、未来の誰かに伝えるために記録しておきます。
●4月6日…〔今日の良かった〕クイーンが来年1月に来日公演決定。ヴォーカルは定評のあるアダム・ランバート。前回の来日、僕は「ヴォーカルがフレディじゃないバンドはクイーンにあらず」でライブに行かなかったけど、行った人が「最高のパフォーマンスだった」と絶賛していたので、今回はチケット争奪戦に参戦しよう。
●4月5日…〔今日の良かった〕朝ドラ『なつぞら』第4話、草刈正雄が素晴らしすぎる。ヒロインの“なつ”は戦災孤児。見知らぬ北海道の牧場で懸命に働き、初めて搾った牛乳でアイスクリームができる。
「美味しい美味しい」と食べている彼女に、開拓民の草刈爺が語りかける
「それはお前が搾った牛乳から生まれたものだ。よく味わえ。ちゃんと働けば必ずいつか報われる日が来る。報われなければ、働き方が悪いか、働かせる者が悪いんだ。そんなとこは、とっとと逃げだしゃいいんだ。だが一番悪いのは、人がなんとかしてくれると思って生きることじゃ。人は人を当てにする者を助けたりはせん。逆に自分の力を信じて働いていれば、きっと誰かが助けてくれるもんじゃ。お前はこの数日、本当によく働いた。そのアイスクリームはお前の力で得たものだ。お前なら大丈夫だ。だから、もう無理に笑うことはない。謝ることもない。お前は堂々としてろ。堂々とここで生きろ」

  
●4月4日…〔今日の良かった〕昨日の森鴎外に続き、芥川龍之介の『侏儒の言葉』を再読。芥川龍之介が自死したのは、陸軍が中国大陸進出のための謀略、満州事変を起こす4年前。『侏儒の言葉』には“当時”の軍人の横柄な様子を「小児のようだ」と酷評するなど反軍的な主張もあり、没後の1939年、軍人を侮辱しているという理由で検閲され、軍から改訂が命じられた。以下の2項は特に問題とされた。

〔小児〕軍人は小児に近いものである。英雄らしい身振を喜んだり、所謂(いわゆる)光栄を好んだりするのは今更此処に云う必要はない。機械的訓練を貴んだり、動物的勇気を重んじたりするのも小学校にのみ見得る現象である。殺戮を何とも思わぬなどは一層小児と選ぶところはない。殊に小児と似ているのは喇叭(らっぱ)や軍歌に皷舞されれば、何の為に戦うかも問わず、欣然(きんぜん)と敵に当ることである。
この故に軍人の誇りとするものは必ず小児の玩具に似ている。緋縅(ひおどし)の鎧や鍬形(くわがた)の兜は成人の趣味にかなった者ではない。勲章も――わたしには実際不思議である。なぜ軍人は酒にも酔わずに、勲章を下げて歩かれるのであろう?

〔武器〕正義は武器に似たものである。武器は金を出しさえすれば、敵にも味方にも買われるであろう。正義も理窟をつけさえすれば、敵にも味方にも買われるものである。古来「正義の敵」と云う名は砲弾のように投げかわされた。しかし修辞につりこまれなければ、どちらがほんとうの「正義の敵」だか、滅多に判然したためしはない。
日本人の労働者は単に日本人と生まれたが故に、パナマから退去を命ぜられた(注:パナマを支配していた米国が移民制限法を導入。ただし対象は諸外国すべてであり日本を狙い撃ちしたものではない)。これは正義に反している。亜米利加は新聞紙の伝える通り、「正義の敵」と云わなければならぬ。しかし支那人の労働者も単に支那人と生まれたが故に、千住(注:荒川区、足立区)から退去を命ぜられた(失業問題に困り行政が中国人労働者を退去させた)。これも正義に反している。日本は新聞紙の伝える通り、――いや、日本は二千年来、常に「正義の味方」である。正義はまだ日本の利害と一度も矛盾はしなかったらしい。
(略)わたしは歴史を翻(ひるが)えす度に、遊就館(靖国の軍事博物館)を想うことを禁じ得ない。過去の廊下には薄暗い中にさまざまの正義が陳列してある。青竜刀に似ているのは儒教の教える正義であろう。騎士の槍に似ているのは基督(キリスト)教の教える正義であろう。此処に太い棍棒がある。これは社会主義者の正義であろう。彼処(あそこ)に房のついた長剣がある。あれは国家主義者の正義であろう。わたしはそう云う武器を見ながら、幾多の戦いを想像し、おのずから心悸(しんき)の高まることがある、しかしまだ幸か不幸か、わたし自身その武器の一つを執りたいと思った記憶はない。

/漱石は『三四郎』で、日露戦争勝利に沸き立つ国民の様子に「日本は滅ぶね」と予言、森鴎外は軍籍でありながら乃木大将の殉死を美化せず『阿部一族』で反殉死を表明、徳冨蘆花や石川啄木は、大逆事件において無実の罪で処刑された左派活動家(幸徳秋水ら)を追悼。小林多喜二は資本家と軍が結託して労働者を貧困に突き落としていると『蟹工船』で痛罵して特高警察に虐殺され、その死を志賀直哉が嘆く。芥川も、言うときは言う作家だった。
●4月3日…〔今日の良かった〕森鴎外の短編『安井夫人』を読む。芥川龍之介の夫人による回想記によると、芥川25歳、夫人17歳のときに2人は婚約し、芥川は恋文に「私はあなたを愛しております この上愛せないくらい愛しております だから幸福です 小鳥のように幸福です」と書き綴り、初めての原稿料で蝶の形の帯留めを贈ってくれたという。そして鴎外の『安井夫人』を読むよう手渡されたらしい。いったいどんなことが書かれているのだろう、そう思って読んでみると−−

「お佐代さんは夫に仕えて労苦を辞せなかった。そしてその報酬には何物をも要求しなかった。ただに服飾の粗に甘んじたばかりではない。立派な第宅(ていたく)におりたいとも言わず、結構な調度を使いたいとも言わず、うまい物を食べたがりも、面白い物を見たがりもしなかった。」

このように、登場するお佐代さん(安井夫人)は贅沢を好まず黙って夫を支えるという、おそらく芥川が求めていた理想の細君の姿であり、僕が芥川夫人ならちょっとプレッシャーを感じるかも。(^^;)
また、以下のような印象的な一文があった。

「翁は自分の経験からこんなことをも考えている。それは若くて美しいと思われた人も、しばらく交際していて、智慧の足らぬのが暴露してみると、その美貌はいつか忘れられてしまう。また三十になり、四十になると、智慧の不足が顔にあらわれて、昔美しかった人とは思われぬようになる。これとは反対に、顔貌には疵があっても、才人だと、交際しているうちに、その醜さが忘れられる。また年を取るにしたがって、才気が眉目をさえ美しくする。翁はざっとこう考えた」

ここに書かれていることは、男性にもそのまま当てはまることと思った。自戒を込めて当日記に記しておこう。
●4月2日…〔今日の良かった〕映画の予告編だけで涙がにじんだのは久しぶり。フランスの作曲家ドビュッシーが1890年頃に書いた『ベルガマスク組曲』には、第3曲「月の光」(5分12秒)という神曲がある。この素晴らしいピアノ曲を、1974年に冨田勲氏がシンセサイザーに編曲&演奏(5分50秒)し、世界的な話題となった。そして来月31日公開予定の米国版ゴジラ『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の予告編(1分52秒)で、再びシンセサイザーで甦り、これがもう、映像の壮大さとあいまって、とんでもない化学反応を起こしている!!もともと良かったドビュッシーの曲が、神がかったものに!!繰り返して聴けば聴くほど、感電してしまう。
予告編で流れた曲は、必ずしも本編で使用されるとは限らない。どうか、このBGMを本編でも使って欲しい!映画『ソーシャルネットワーク』の予告編でレディオ・ヘッドの名曲「クリープ」の女性コーラス版がかかったのに、本編では最後まで流れなかったあの失望感、もうあんな悲しみは勘弁。この超ド級スーパー「月の光」を劇場の大ボリュームで聴かせてくれ〜い!!

//メルカリのホームページが90年代レトロ調になり話題になってるとツイッターで見て笑った後、この文芸ジャンキーパラダイスを開いて、既にネット・シーラカンスになっていることに愕然。
●4月1日…〔今日の良かった〕新元号の令和、賛否ありますが、これを機に現存最古の歌集「万葉集」(全20巻)を手に取る人が増えればいいなと思う。万葉集は仁徳朝の伝承歌から淳仁朝までの約130年間・約4500首と漢文の詩等を収録。大伴家持が編纂に携わったが最終的にまとめた人物は不明。
新元号の六つの原案は、「令和」「英弘(えいこう)」「久化(きゅうか)」「広至(こうし)」「万和(ばんな)」「万保(ばんぽう)」。個人的には江戸時代っぽい「万保」にして、享保の改革ならぬ「万保の改革」をやってほしかったけど、天保の飢饉・享保の飢饉のように「保」がつく元号は飢饉のイメージもあるので、落選したのかも。
とにかく、先述したとおり、「万葉集」に光が当たったという点は良かったと言っておく。

ちなみに「令」を辞書でひくと−−
【広辞苑 −令−】
(1)命ずること。いいつけ。
(2)おきて。
(3)長官。
(4)他人の家族などを尊敬していう語。

このように良い意味は4番目。現政権の沖縄に対する仕打ちや、公文書改ざんを「命令」されて自殺した財務省職員のことを考えると、「令」のイメージが、命令、号令、指令などに(僕の場合は)直結してしまう。だが、言葉が持つ意味は時代によって変わっていくもの。10年後には「令」の良い意味が1番目にくるような善政がこれから行われるよう切に願う。むろん、そうさせるのは国民であり、幸い今週末は統一地方選挙。誰に投票するにしろ、棄権だけは絶対に駄目。
●3月31日…〔今日の良かった〕4月21日(日)に名古屋で無料の墓マイラー講演決定!主催は旅行会社のクラブツーリズム。会場は名古屋中心部のセントライズ栄4Fです。とことんお墓愛を叫びます。無料なのでお気軽に!

申込みはリンク先のカレンダーから登録をお願いします。
午前の部(10:30〜12:30)
午後の部(14:00〜16:00)
【重要追記4/16】残念ながら申込みが最少催行人数に満たず中止決定です。まだ2万年早かったようです…。

〔内容〕墓巡礼の魅力を400枚のスライドを駆使して伝えます。心に残った国内外の偉人の墓や、旅先で体験した温かい交流について紹介。また、5月22日(水)に実施される京都の坂本龍馬、木戸孝允(桂小五郎)ら志士の墓参ツアーと、6/22(土)に同じく京都で開催される新選組や会津藩士ほか著名人の墓参ツアーのガイダンスも行います。これらは名古屋発のバスツアーですが、現在、関西在住の方が参加しやすいよう現地集合プランをクラブツーリズムさんは検討中とのこと!
●3月30日…〔今日の良かった〕誰かが愛する作品、それが音楽であれ、絵画であれ、熱く語っているのを聞くのが好きなんだけど、サイトのオフ会に参加されたこともある声楽家のみっきーさん(現在イタリア留学中)がブログにアップされた、映画『アリータ:バトル・エンジェル』のレビューが摂氏1万度の熱さでもう最高!16年前にジェームズ・キャメロンが実写化の構想を語った時からひたすら待ち続けたみっきーさん。ネタバレを避けつつ、昔からの原作『銃夢(ガンム)』ファンとして、期待が報われた歓喜の爆発をリミッター解除状態で叩きつけられてます。画像が多くてビジュアル的に分かりやすいし、後半は音楽の紹介まであり。
キャメロンの人望もあって、役者陣はクリストフ・ヴァルツ、マハーシャラ・アリなど旬のアカデミー賞俳優が出演している本作。予告編で主人公の瞳の大きさに戸惑う人がいるかも知れないけど、僕は映画が始まって10分後にはすっかり慣れてしまい、終わる頃にはむしろあの瞳にすっかり魅了されていた。

日本のコミックが海外で実写化されると、ドラゴンボールや北斗の拳のように残念な結果になりがち。でも日本のSFコミックをリスペクトしているキャメロン(制作・脚本)とロバート・ロドリゲス監督なら、安心して鑑賞できたし、実際、想像を超えるハイクオリティ作品になっていた。僕は4DXで鑑賞し、バトルロイヤル・レース“モーターボール”のド迫力にブッ飛び、劇場で原作者の木城ゆきと先生に「先生、圧倒的な映像作品に仕上がり、本当に良かったですね!待った甲斐がありましたね!」と心の中で吠えていた。
※モーターボールといえば、最近はスクリーン3枚を使った新しい上映形態「ScreenX」で楽しめる劇場があるという。『アリータ ScreenX版』のYouTube動画を見てポカーン。視界270度、これ実際に劇場で見たら失神すると思う(汗)。

『アリータ』は天文学的な製作費がかかっているため、続編を作るためには特大ヒットが必要であり、国内外でアリータ中毒の熱狂的ファンが「10回観た」「30回観た」とエールを送っている。近所で公開中の劇場があれば、皆さんも是非出撃を!

〔追記〕みっきーさんはサイト掲示板にもアリータについて投稿されており、以下の情報を書かれています。
『アリータ』の損益分岐点は約4〜5億ドル。2月末での世界興行収入は2億6577万ドル、遅れて公開された日本と中国でのヒットが鍵を握っているため、ネットの日本版予告には海外のファンから「続編の為にも映画館に行ってアリータを救ってくれ!」「中国・日本よ、アリータを支えてくれ!彼女は興行収入で悩んでる。あとは君達しか彼女を救えない!映画館に行ってくれ!」などと熱い応援が書きこまれていた。そして!先日『アリータ』の全世界興行収入が4億ドルを突破!
公開から1ヶ月半で100回鑑賞した人や、映画館を自費で貸し切って会社の同僚103人を招待した人がいるなど、完全にカルト映画と化してきているとのこと!

※みっきーさん情報では、イタリアではIMAX3Dの鑑賞でも13ユーロ(約1500円)。日本は映画が高すぎるよなぁ。
●3月29日…〔今日の良かった〕ネットの差別的書き込みが問題となるなか、昨日、米交流サイトのフェイスブックと日本のYahoo!ニュースが、「コメントの禁止・削除」に関する新たな運営方針を発表。

・フェイスブックは傘下のインスタグラムを含め、白人中心の国家を目指す「白人ナショナリズム」や、「白人分離主義」を称賛したり支持したりする投稿を禁止すると発表し、人種差別対策を強化するとのこと。ニュージーランドの虐殺事件が契機に。米国ではトランプが2017年に大統領に就任して以降、ヘイトクライム(憎悪犯罪)は2割も増加し、KKKをはじめ白人至上主義を掲げる団体は100団体から150団体に5割も増えた。排他的な感情は放置していると必ず先鋭化する。

・Yahoo!ニュースが策定した新しいコメントポリシーから、禁止行為の例。
特定の地域や家柄、障がい者、性別、職業、LGBTなどへの差別的な内容を含むコメント
特定の民族や国に対する差別やヘイトスピーチにあたるコメント
・被害者・被害者の親族、加害者・加害者の親族および関係者などに対する人権侵害、誹謗・中傷に該当しうるコメント
複数のアカウントを取得し、多くの意見として印象を扇動する行為
・特定のユーザーに対して執拗につきまとったり、あおりや誹謗・中傷を繰り返したりする行為
Yahoo!ニュースのコメント欄は長くヘイトの無法地帯だった。パトロール専門部隊が24時間365日対応しているといい、今後はレイシストが我が物顔で差別書き込みできない場所になることを願う。

/ニュージーランドのアーダン首相がイスラム教徒虐殺の容疑者を「暴力的な過激右派テロリスト」と呼び、オーストラリアのモリソン首相も「右翼の暴力的テロリストによる犯行を絶対的に非難する」と声明を出し、単なるテロ犯ではなく「右翼」(right-wing)と明確に区別した。
腑に落ちないのは安倍氏。アーダン首相に宛てた言葉に“右翼”は登場せず「卑劣なテロ攻撃を断固として非難します」「テロはいかなる理由でも決して許されません。共にテロと断固として戦う決意です」。
今回の事件はヘイトクライム(憎悪犯罪)であることが最大の特徴であり、そこに言及しなくてはこの事件の追悼にならない。なぜゆえアーダン首相やモリソン首相が語った「右翼」という言葉を使わないのか。安倍氏には排外主義への危機感をもっと持って欲しい。

/行政のトップである首相がヘイトスピーチやレイシズムに甘い態度をとっているせいか、ここ数日で役人による酷いヘイト騒動が2つ起きた。

(1)3月19日、厚生労働省の武田康祐・賃金課長が韓国金浦空港で泥酔、「韓国人が嫌いだ!」と大暴れして警察に身柄を拘束。本人は反省している様子が全くなく、フェイスブックで「なぜか警察に拘束されています」「変な国です」と投稿。帰国後も「酔っていない」「暴れたが相手には当たっていない」と言い訳をしていたが、ニュース番組で武田氏が空港職員にローキックや右ストレートを放つ証拠動画が流れて、大嘘をついていたことが判明。そもそも国家公務員が渡航する場合に必要な届け出をせず、お忍びで4日間滞在している時点で規約違反を侵している。こっそりと韓国に滞在していた理由は分からない。そして帰国時に金浦空港で職員から泥酔状態と判断され、搭乗を待つように言われて激高、職員に襲いかかった。
この時期、外務省は韓国の「3・1独立運動」100周年記念式典で反日感情が高まっているとして、渡航の「注意喚起」を発している。だが、独立運動がらみで日本人が暴力をふるわれた事件は一件も起きなかったし、結果的には日本の官僚が、わざわざ韓国に出向いて「I hate Korean! I hate Korean!」(韓国人が嫌いだ! 韓国人が嫌いだ!)とヘイト暴言を吐き、韓国の人に殴りかかるという真逆の事態に。国会では厚労省を震源とする統計不正問題で「賃金」が議論になっている只中であり、当事者の厚労省官僚が紛糾する国会をほったらかして言語道断の言動。
 
この武田氏は「安倍総理の強い思いを実現する」など安倍政権を持ち上げる発言を繰り返してきた安倍シンパのひとり。内閣参事官として「働き方改革」に取り組み、政府代表として講演。「アベノミクスの第2ステージ」「究極の成長戦略」とアベノミクスのアピール役を務めてきた。厚労省発行の「総合職入省案内」では、自身について「私は内閣官房一億総活躍推進室・働き方改革実現推進室の総括担当の内閣参事官として、安倍総理を直接支えながら取り組んできました」と紹介している。
海外では公の場で泥酔すると逮捕される国もある。武田氏は泥酔したうえに暴力事件を起こしており、民間企業なら懲戒免職でもおかしくない事例。しかも海外に行く際に必要な上司の承認も得ていない。それなのに、厚労省は武田氏を大臣官房付に更迭するにとどめる大甘の処分。安倍シンパだから忖度されたのか。
【追記】続報により、武田氏は事件発生の2日前の17日にも同空港でトラブルを起こし、飛行機への搭乗を拒否されていたことが発覚。どうしようもない。前々日の15日にニュージーランドで悲惨なヘイトクライムが起きたばかり。民族差別の危険性を世界が再認識している最中のこれ。

(2)3月25日、日本年金機構・世田谷年金事務所の葛西幸久所長が匿名でツイッターに人種差別的な投稿を繰り返していたことが発覚。葛西氏は韓国人について「属国根性の卑怯な食糞民族!」「在日一掃、新規入国拒否でリセットしましょう」などと投稿、野党議員についても「いるだけで金もらえるタカリ集団」と投稿していた。さらには、精神科医の香山リカ氏のツイッターに「さすが金梨花さん」などと事実無根の名前を挙げて返信。香山氏「外国籍の事実はないが、特定の民族への差別的な発言は非常にショックだ。民族差別を煽るような発言は、決して許されるものではない。より悪質なのは、障害年金の診断書を受理する立場の年金事務所の所長がヘイト発言を繰り返していたこと。私が審査した障害年金の申請者について、所長が不利益な扱いをしていないか心配だ。また、私の非公開の医師名(本名)を診断書で確認してネット上にさらしたのであれば、個人情報の漏洩にあたる」。
葛西氏は実名と所属を明かして運用していたインスタの投稿をツイッターに“誤爆”し、「ヘイト発言を繰り返していた人が、年金事務所の所長だったとは」と騒ぎになった。
葛西氏は過去に札幌年金事務所課長、大阪・豊中年金事務所長を務めている。日本年金機構は葛西氏について所長を解任、本部人事部付けに更迭し、調査の上で処分を検討するとのこと。

なんというか、厚労省や年金機構といった人々の暮らしに直接関わる行政の人間が、こんな常軌を逸したヘイトを垂れ流していることに気が重くなる。身元を特定された葛西氏は観念し、「私の個人的な発言により、傷ついた皆様に深くお詫びいたします」と謝罪しており、少なくとも自分が酷い発言をしている自覚はある。問題は、同じ内容のことを書き殴っている作家・百田尚樹氏や医師・高須克弥氏が、社会的な立場を失うどころか、百田氏は普通に連載を持ち続け、高須クリニックのCMを拒否するテレビ局もないこと。公務員なら更迭され、自営業なら許される、それが日本社会。変えていこう。

※高須氏は今月15日、ポーランドにあるアウシュビッツ強制収容所跡を管理、運営するアウシュビッツ・ビルケナウ博物館から抗議を受けている。高須氏がツイッターに「南京もアウシュビッツも捏造だと思う」と投稿したため、博物館側が日本語で「アウシュビッツは世界中の人々の心に絶えず忠告する史実だ」と書き込んだ。これに対し、高須氏は17日、反省するどころか「売られたけんかは買う」と投稿。僕は絶句した。最近はパートナーの漫画家・西原理恵子さんも慰安婦を侮辱する漫画を描いてるしほんと辛い。
高須氏は昨年11月、大西議員(国民民主)に敗訴している。CMが「イエス!○○」と中身がなく陳腐と議員に言われ、名誉棄損として訴えた。裁判官は「この程度の発言で評判は落ちない」と高裁が請求を棄却、高須氏の敗訴が確定した。…っていうか、橋下氏といい、スラップ訴訟(批判封じを目的に法外な金額を賠償請求)はやめてほしい。裁判所は国民の税金で運営されているのだから。

※3月20日の国会では少年院の男性法務教官による“ヘイト洗脳”問題も取り上げられている。この男性教官は以前から「中朝のキチガイ」「在日を送還しろ!」とヘイトスピーチをツイッターに繰り返し投稿。今年、百田尚樹氏の『日本国紀』の制作に携わった有本香氏に、「私は法務教官をしておりますが、自分の担当する寮でも宣伝しまくっています。副読本と併せて、保護者に差し入れを要求する子が急増中です。少年院に入るような少年はあまり勉強していない分、変に染まってないので洗脳…じゃなくて教育しやすいです」と投稿。法務省はこの法務教官の処分方針を示した。法務教官が百田尚樹氏の本で洗脳すると公言、それが許されると思わせる空気が既にあることに目まいがする。

※野党の立憲民主党にもヘイト騒動があった。夏の参院選に立候補を予定していた元東京地検検事で弁護士の落合洋司氏がツイッターに「韓国のようなごろつき、三等国家の大使館が、港区の中心部にあるのは目障りだし迷惑。国交を断ち、民間交流のための連絡所を、邪魔にならないところにひっそりと儲ければ十分だろう」などと投稿。法曹界の人間とは思えぬ書き込み。自民や維新の議員でもここまでは書かない。立憲民主党は「一連の投稿はヘイトスピーチであり、党としては到底、容認できない」として公認の取り消しを決め、枝野代表は「ヘイト対象とされた方、当該投稿を見た方、党にご期待を頂いている方、すべての皆さんにおわび申し上げます」と謝罪した。落合氏の書き込みは数年前のものではなく2月。しかも同種の内容が大量にある。なぜ公認にしたのか、立憲は組織として機能しているのか問われても仕方ない。再発防止体制を早急に確立しないと。

愛国心とは他国を憎むことではなく、自国の文化を愛すること。頭が良いはずの日本のエリート層が、こんなにも簡単に隣国や在日の人への憎悪感情にまみれてしまったことに暗澹たる気持ちに。韓国や中国の人に日本旅行は大人気なのに反日教育と騒ぐことはない。っていうか、歴史を正しく学べば、相手がもっているわだかまりも、同意は出来なくとも理解はできる
憎悪扇動がどれほど危険かは、ニュージーランドの事件が示している。あの犯人は「自分はごく普通の白人」といい、“普通でない”と判断した人間は殺したっていいんだと、幼い子どもまで射殺した。2019年に生きる僕らは、人間は憎悪を煽られるとブレーキが効かなくなる側面があることを、ナチスの蛮行、ルワンダの虐殺をはじめ、歴史から学んできたはず。これでは虐殺の犠牲者を2度殺すようなものではないか。だから、安倍氏には「テロは許さない」ではなく「右翼排外テロは許さない」と事件の本質をきちんと捉えて批判してほしい。
●3月28日…〔今日の良かった〕みうらじゅん氏の以下の例えに目からウロコ。

みうら氏
『(サッカーの国際試合のシーズンは)飲み屋さんでもテレビをつけますから、その季節にはみんなが一丸となって、サッカーの話になります。
隣の席のOLも、ヒゲを生やした社長さんまで、全員がおんなじ話題をする日々です。
ぼくとしては、国宝阿修羅展の話もしたいわけですよ。
おなじ飲み屋でおなじお金を払ってるのに、ずーーーーっとサッカーの話をされて、阿修羅の「あ」の字も出ない状態です。
格差社会とか、よく言われますけど、そんな疎外感を味わってる人の気持ちになったことがあるのか、と言いたいです。
それは貧富の差ではない、気持ちの差です。
世界レベルでいじめを受けている状態です。
そういうことが大きくなると、戦争とかになってくるんですよ。
国をあげてやることは体(てい)のいい戦争なんです。
ほんとうにサッカーが好きなら、「日本、日本」と言わずに「サッカー」と言えばいいんです。
国ではなく、「サッカー、サッカー」と、サッカーを応援してくださいよ。』(リンク元『ほぼ日刊イトイ新聞』

/ユーモアを交えたみうら氏の“物言い”。サッカーに限らず団体戦のスポーツは、無意識に「日本、日本」と言ってしまうもの。それが悪いことではないけど、みうら氏の視点を心の隅にとどめておきたいもの。
●3月27日…〔今日の良かった〕京都に住んでる知人が、「さくらの開花情報が知りたかったらここがおすすめ」と教えてくれた『京都・桜の名所開花情報』。こ、こ、これは使える!情報が新しいし、これまで墓参で行ってたお寺が、実は桜の名所だったと分かる新鮮な発見もある。なんていうか、各地の写真を見ているだけで目の保養に。眼福です!

//先日のイチロー選手の引退会見、最後の部分が印象に残った。「アメリカに来て、外国人になったことで、人の心をおもんばかったり、人の痛みを想像したり、今までなかった自分が現れたんですよね。この体験というのは、本を読んだり、情報をとることができたとしても、体験しないと自分の中からは生まれないので、孤独を感じて苦しんだこと、多々ありました。ありましたけど、その体験は未来の自分にとって、大きな支えになるんだろうと今は思います。だから、つらいこと、しんどいことから逃げたいと思うことは当然のことなんですけど、エネルギーになる元気な時に、それに立ち向かっていく。そのことはすごく、人として重要なことなんではないかなというふうに感じています」。

//大御所声優の白石冬美さんが昨日他界。享年82歳。僕の世代は、ガンダムのミライさん、イデオンのカーシャ、パタリロ・ド・マリネール8世、あしたのジョーのサチなど、思い出の多い声優さん。特にカーシャの「じゃあ、あたし達はなぜ生きてきたの!?」の叫びは、わが記憶の最深部に刻まれており、常にあの声が体内でこだましている状態。心から哀悼の意を表します。
●3月26日…〔今日の良かった〕ニュージーランドの面積は北海道を引いた日本の面積と同じくらい。人口は480万人だから福岡県よりちょっと少ないくらい。その小さな島国の女性首相が、凶悪な差別テロが起きた際に指導者が取るべき対応の手本を示している。
アーダン首相は38歳という若さ、そして世界で初めて首相在任中に産休をとった政治家として知られている。今月15日に白人差別主義者が50人のイスラム教徒を虐殺した翌日、アーダン首相は現地ヌールモスクを訪れ、「私たちが共通の価値観として掲げるのは多様性だ」とヒジャブ(イスラムの女性が髪を覆うスカーフ)を被って被害者家族を抱擁するなど、すぐさまムスリムコミュニティを守る行動に出た。これは事件後にイスラム教徒の女性から「怖くてヒジャブを被って外を歩けない」という声があがったことも理由だ。
(注)中東イランでは街中でヒジャブを外すと投獄されるため、ヒジャブが女性を抑圧していると、近年はヒジャブ義務づけ反対運動も起きている。アーダン首相の場合は、「怖くて被れない」という言葉へのリアクション、「連帯のシンボル」としての着用。

アーダン首相は自動小銃の所持を禁止する法案を議会に提出すると既に発表している。トランプと大違いというか、とにかく動きが速い。そして銃撃犯についての歴史的名演説を行った。
移民・難民はニュージーランドを自らの故郷に選びました。彼らは私たちの仲間です。このような差別テロを行った者は仲間ではなく、ニュージーランドには彼らの居場所はありません」
「私が彼(犯人)の名前を口にするのを皆さんが聞くことは決してないだろう。彼はテロリストであり、犯罪者であり、過激主義者だが、私が話す時は名前で呼ばない。皆さんも命を奪った者ではなく、奪われた人々の名前を語ってほしい。あの男は悪名をはせようとしたのかもしれないが、我々ニュージーランド人は彼に何ひとつ与えない。名前さえも」。
  

22日の追悼礼拝では、イスラム教徒5千人に加え一般市民1万5千人も参列。SNSで「調和のためにスカーフを」と呼びかけがあり、スカーフの女性が多かった。キリスト教徒の女性が、イスラムの隣人からスカーフを借りて着用したという。参列者「イスラム女性たち、安心してほしい」。
事件後、ニュージーランドのメディアには、容疑者ではなくアーダン首相の姿が繰り返し登場し、迅速な対応が称えられている。

//オーストラリアの極右アニング議員が「ニュージーランドの銃撃事件の原因は移民政策」「世界中でイスラム教徒が信仰の名のもとに人々を殺している」と発言、この議員に対して17歳の少年が頭に生卵ぶつけ、逆上したアニング議員はその場で少年の顔面を張り倒し、二発目を入れるところを周囲の大人たちに制止された。この様子は複数のカメラに映っており、巨漢の極右議員が無抵抗の子どもをぶん殴る様子は拡散され、「差別主義者の暴力性」が改めて知らされることになった。豪州のモリソン首相もツイッター上で「(移民政策が原因という)このような考え方がオーストラリア国内に、ましてや議会に存在する余地はない」と強く非難している。豪のネットでは「豪州に新たな英雄が誕生した」「よくやった卵少年」などの書き込みが相次いでいる。
●3月25日…〔今日の良かった〕昨日の番組を見た方から「芥川龍之介の本を読みたくなりました」「サイボーグ009の6巻を読みます」という感想をいただき、感無量。墓参りをする姿を通して、故人の作品や人生に興味を持ってもらえたら、それこそ墓マイラー冥利に尽きます!僕にとって故人への恩返しになります(涙)

//発売中の『音楽の友』4月号に「世界音楽家巡礼記(25)」を寄稿。今号はイタリアの作曲家・前編です!
●3月24日…〔今日の良かった〕本日、BSフジ『散策・お墓プラネット〜墓マイラーと行く!偉人メモリアル』が放送された!事前に見せてもらってないので、どんな編集になったのかドキドキしながら見てた。そして、見終わってすぐにディレクターさんに御礼の言葉を伝えた!文学や芸術が人間にとっていかに大切か、お墓とはいえ先人に直接お礼を言えることがどれほど嬉しいか、墓巡礼は感謝を伝える旅、重要な部分はすべて放送された!(番組の随所に「カジポン語録」が登場、笑)

自分で言うと恥ずかしいですが、なかなか良い番組になっていたかと!作家枠に漱石や芥川、画家枠に葛飾北斎、漫画家枠に石ノ森章太郎、音楽家枠にいずみたく、学者枠に伊能忠敬、番外編にねずみ小僧など、いろんなジャンルの人が入っていて人選が良かった。そして、北斎の墓を守るお寺でのご住職の貴重な墓トークがあり、ねずみ小僧の墓所でもお寺の方のトリビア情報をいただき、雑司ヶ谷霊園では世界墓マイラー同盟の同志・黒坂君による墓解説もあって、番組に深味が出たと思う。『サイボーグ009』第6巻名シーンの画像使用許可をとって頂いたBSフジさんに感謝。

そして最大の幸運は天気!前日と翌日は雨。撮影日だけが晴天!後半の芥川の墓地までずっと良いお天気。冬の雨に打たれながら傘を差して案内するのと、陽だまりの中で故人を回想するのは全然ビジュアル的に違う。墓前の花も風雨に凍えるより、暖かい陽射しの中で輝いてる方が絶対に良い。お墓参りという行為は、一般的に地味で少し暗いイメージがあるので、「恩人に御礼を言うのは楽しいこと」と伝えるためにも、晴れていることは超重要だった。ロケの朝、青空を見た瞬間に番組の成功を確信した。
私事だけど、半生が詳しく紹介された『笑ってコラえて!』と、具体的に墓巡礼の意義を伝えた『お墓プラネット』、この2本は車の両輪のように2つでワンセットであり、将来、ウチの子が大きくなって両番組を見たときに、父はどんな人生で、何を想って墓マイラーを続けていたか、メッセージの大事なところは伝わるだろう。そんなことを思う51歳の春。いつか地上波でもオンエアされるといいな。

  動画リンク(43分)

/番組のナレーションをされた方のブログに「あまりに感動的な内容で、原稿を読んでいて、思わず泣きそうになってしまいました」とあり、それを読んでこちらもグッときました。
●3月23日…〔今日の良かった〕本日の富山県での墓マイラー講演会、足を運んで下さった31名の方、本当にありがとうございました!遠くは、静岡、京都、東京、岐阜からのご参加。講座をする側としても胸熱でした。参加者に中学一年生の男の子がいて、ジョジョ好きかつ墓トークにも興味あり、彼の将来がとても楽しみです。
そして様々な経費がかかっているにもかかわらず、この講演を文化事業と位置づけ「参加費無料」として下さった主催の杉本工業所さん、その志に感動しました!懇親会もみんなが食べきれないほどの料理を用意して頂き、感謝×感謝です。

今回の富山講演は、僕にとってかつて体験したことがないほど話しやすく、講演後、理由を考えてみました。そして分かりました。理由はただひとつ、参加者の多くの方が、開始前に「“笑ってコラえて!”を見ましたよ」と声をかけて下さったからです!あの番組を見たということは、既に僕の人生、墓マイラーになった経緯を知っていて、当方は自己紹介を済ませた状態です。参加者の方とは「初対面だけど初対面じゃない」という不思議な関係になっています。
カジポンが何者か分かった上で来場されている=話を聞く態勢が最初からできあがっているのが分かり、それゆえに話しやすかった。「墓マイラー?何それ?なんか怪しい人だな」という警戒オーラをまったく感じませんでした。結果、最初からフルアクセルで講座ができ、2時間強を全力で駆け抜けました。ほんと『笑コラ』が取り上げてくれてよかったです。

懇親会の後の、喫茶店での2次会も楽しく、27歳のS君が「気温が下がっているから」と自分の着ているパーカーをくれたことに感激しました。端から見ると、51歳のオッサンが若者の身ぐるみを剥がすような光景であり、何度も「ほんとに良いの!?」と確認したのですが、彼はどうぞと言ってくれるし、初対面の人から着ている服をもらうのは初めてというレアイベント性もあって、本当に大阪まで着て帰りました。っていうか、今も部屋の中でそのパーカーを着てこの日記を書いてます。
富山では年内にもう一度講演する計画が進行中で、こちらは青空の下、初の野外ライブになりそうです。墓巡礼の素晴らしさを、またいろんな方と分かち合えますように。


2時間10分ノンストップで
墓巡礼の魅力を吠えたおしました

//前述した『笑ってコラえて!新春SP』が、奇遇にも本日関東エリアで再放送。これもほんとラッキーなことで、もともと再放送の予定はなかったものが、番組改編前&本放送が好評だったこともあり、土曜の昼間に再びオンエアされることに。再放送は時間が少し短いため、本放送が少し編集されているのですが、菅田将暉さんのコーナーと僕のコーナーはノーカットでそのまま残ったとのこと!
●3月22日…〔今日の良かった〕映画にはお墓が登場する名シーンがある。1971年公開の『小さな恋のメロディ』に11歳の2人(ダニエル&メロディ)が“墓地デート”(人が少ないから冷やかされない)をしているときに、ある墓石の碑文をメロディが読み上げる。
「愛する妻エラ、ここに眠る。50年の幸せに感謝を捧げる。1893年7月7日。夫ヘンリー、エラの元へ旅立つ。1893年9月11日。奥さんが死んで2カ月後よ」「すごく愛してたんだ」
亡き妻に夫が「50年の幸せに感謝を捧げる」と。石の墓なればこそ言葉が残り、想いも後世に伝わる。この映画のように親族以外の人にも…!(予告編
●3月21日…〔今日の良かった〕『法務省、集団への差別表現も削除求める』。共同通信の記事が伝えた3行の記事。内容の全文は「法務省がインターネット上のヘイトスピーチの削除対象について、個人に向けた差別表現だけでなく、集団に向けた表現にも広げるよう全国の法務局に通知したことが21日、分かった」、ただこれきりなんだけど、法務省はこれまで個人への差別のみを問題とし、集団(「韓国人」「中国人」等)に対しては「被害を特定可能な個人がいない」と不問にしてきた。今回の通知を機に、ネットに蔓延する民族差別、憎悪煽動に歯止めがかかることを願っている。
何度も言うけど、他国政府の政策に対する批判はOK、民族丸ごと侮辱したり見下すのはNG。“民族丸ごと”はナチスがユダヤ人にやったこと。

この通知がどれほど重要か。警察はレイシスト(差別主義者)に対して甘く、反レイシスト(カウンター)に対して厳しいという現実があり、レイシストは自分が公権力に守られていると悦に入ってヘイトを垂れ流しているからだ。3月9日に起きた京都の事件はその典型。
以下、 詳細を伝えるリテラ記事を要約&自分の意見をつけて解説。
→その日、観光客でごった返す京都の繁華街に4人のレイシストが集まった。彼らはかつて朝鮮籍の小学生が通う小学校に“授業中”に押しかけ、拡声器を使って「スパイの子」「日本から出て行け」「犯罪者に教育された子ども」と連呼、子どもたちは震え上がって泣きだし、多くの子にトラウマを植え付けた。この「朝鮮学校襲撃事件」では、メンバーの一部が威力業務妨害などで逮捕され、複数のメンバーに有罪判決が下った。さらに名誉毀損で約1200万円という高額賠償が命じられ、司法が「ヘイトスピーチは人権侵害行為」だと強い姿勢を明確に示した判例となった。それにもかかわらず、このヘイトデモは「朝鮮学校襲撃事件」の“10周年記念”として企画され、有罪判決を受けたK氏(元「在特会」副会長)も参加。

ヘイトデモのスタート地点・円山公園前にカウンターが集まったが、そこに立ちはだかったのが大勢の警察官たち。現地にはレイシスト4人が集まり、うち3人が車に乗車し、K氏ひとりが車道を歩いた。彼らは予想通り拡声器で「朝鮮人は朝鮮半島にさっさと帰れ」とヘイトスピーチを繰り広げ、円山公園から祇園、四条大橋を渡って観光客が往来する河原町通を警官に囲まれながら行進。途中から車は消え、何度も事件を起こしてきたK氏という、たったひとりのレイシストを100人を超える警察官たちが“護衛”したことで、京都のど真ん中でヘイトスピーチが公然と垂れ流されてしまった。
京大出身の作家・平野啓一郎氏のツイッター「国家の要人のSPでもあるまいし、馬鹿じゃないのか何が悲しくて税金でヘイトのボディガード代を出さなきゃいけないのか日本の異様さを国際観光都市が全力でアピールしてる」と非難。日本文学研究者のロバート・キャンベル氏「異様な光景。警官の膜にやさしくくるまれて流れるヘイトという毒魚」。
このデモではレイシストの車が出発しようとしたとき、カウンター市民が非暴力・無抵抗のシットイン(座り込み)で対抗。「ヘイトデモ中止!」と訴えたが、警察は市民を排除する一方、レイシストを乗せた車を大勢で何重にも取り囲んで守り車を出発させた。車中の人物はスピーカーを通してカウンターにこう叫んでいた。
「轢くぞ、轢くぞー! 帰れバーカ、バーカ」「おらおらおら。来いよお前ら、来いや来いや。おらおら。轢くぞ轢くぞ、いけいけいけ」
このような故意の暴力を公言する人物を乗せた車を、警官は何重にも守る…こうした“どっちの味方なんだ”案件は何度もあった。
・2013年、カウンター市民に対し警察が抗議プラカードを抑止したり、肉声の抗議に対しても取り囲みをおこなって現場から離れさせる処置。中心的なカウンターはその場にいるだけで警官に取り囲まれ、隔離され、「今日は逮捕するぞ」などの脅し。プラカードを規制する権限は警察にないし、無言で立っているだけで「逮捕するぞ」は越権行為。
・2016年JR川崎駅前で極右政治団体「新風」の街宣で、「これからヘイトスピーチをします」という宣言に対し、「デマを言うな」と声を上げた男性がヘイト街宣参加者十数名からリンチされた際、現場にいた多数の警官は、暴行を制止せず、現行犯逮捕もしなかった。
・同じ2016年、新大久保のヘイトデモに抗議していたカウンターの女性が、「警視庁」の腕章をした私服警官に首を鷲づかみにされ、女性が身を仰け反らせるほどの力が加えられた。
  「差別をやめて」と訴える148cmの女性を押し込む
国会で有田議員(現立憲)が「警察官は安全を図るためにヘイトスピーチに反対する人の首を絞めるんですか」と追及。警察庁長官官房の答弁は「道路上にとどまりつづけたため女性の肩に手を伸ばしたところ、結果的に女性の首に当たってしまい、そのまま歩道まで押してしまった」「首を絞めたというものではない」。映像では「結果的に首に手が当たった」というようなものではない。
警察は「デモが安全におこなわれるための警備」と言いながら、プラカードを掲げるという非暴力・無抵抗のカウンター運動に対して、時に直接的に暴力まで行使し、レイシストたちを守っている。これで差別主義者が増長しないはずがない。海外なら逮捕されるヘイトデモが、逆に日本では過剰警備によってレイシストに万能感を味わせている。僕は差別に荷担するために納税しているんじゃない。
●3月20日…〔今日の良かった〕24日15時からBSフジ『散策・お墓プラネット〜墓マイラーと行く!偉人メモリアル』(番組HP)にて1時間まるまる東京の著名人墓所を案内します!葛飾北斎、伊能忠敬、夏目漱石、芥川龍之介、石ノ森章太郎などなど!尊敬している恩人に、墓石とはいえ直接お礼の言葉を伝えることができる至福。これ以上の喜びはないです(キッパリ)。BSが映らないという方、まだ2日あります、これを機会に受信セットを揃えましょう!最近は良い映画もたくさんやってます。
関東地区の人は、前日23日昼の『笑ってコラえて!』再放送と合わせて墓マイラー2DAYSです!よくこんな偶然が重なったと驚いてます。っていうか、23日夜は富山で墓巡礼講演をやるので3つが2日間に集中(汗)
それにしてもBSフジ、番組URLが http://www.bsfuji.tv/hakamaira/pub/index.html と、中に墓マイラーの文字が入ってる。わざわざこのURLを収得したところに番組スタッフの本気を感じました!
●3月19日…〔今日の良かった〕ウルトラジャンプ4月号を見て仰天、東京&大阪で26万人以上が足を運んだJOJO展が、来年なんと九州に初上陸!『荒木飛呂彦原画展 長崎県美術館』は2020年1月25日〜3月29日の日程で開催。東京展が約1カ月ちょい、大阪展が1カ月半だったことを考えると、九州の人は2カ月超えでめちゃラッキーだね!実物原画はケタ違いにに発色が美しく、サイズも大きくて構図の迫力が異次元アップ、塗り重ねた筆先から荒木先生の息づかいまで伝わってくる。独自の生命力があり、印刷物とはまったく違〜う!一度原画に触れて感動すると、しばらくすると「またあの黄金体験を!」と原画ジャンキーになるので、今回のように東京、大阪とは別の年に日本のどこかで開催してくれると、定期的に“充電”できるのでホント嬉しい!
直近の大阪展から1年の間隔が
開くので、展示作品に追加される
ものもあると思う。
長崎展用のキーヴィジュアルと
なる新作絵に期待ッ!!
●3月18日…〔今日の良かった〕富山県にて講演決定!
日時は3月23日(土)18:00〜19:30、無料です!会場は富山県民会館704号室。墓巡礼の魅力をスライド上映と共に語ります!主催は地元の石屋さん「杉本工業所」。杉本さんは『笑ってコラえて!』の放送直後に「もっと墓巡礼の話を聞きたい、墓マイラーの想いを知りたい」と熱い感想を送って下さり、この講演が実現しました。
施設の使用料金や大阪から僕を呼ぶことで経費がかかっているのに、「石の墓の文化を守り伝えるために」との想いから無料で開催され、その心意気、志に胸を打たれました。
先着順で40名まで受付ますので、富山近辺の方、よろしければ是非!墓巡礼スライド400枚紹介します。
※申込み先の電話番号はリンク先のチラシに。オープンなフェイスブックですが閲覧できない場合は、杉本工業所に御電話076-472-0472をお願いします。
●3月17日…〔今日の良かった〕取り急ぎ、上映中の『キャプテン・マーベル』『アリータ:バトル・エンジェル』『ドラえもん のび太の月面探査記』どれも良かったです!知人が『スパイダーマン:スパイダーバース』(今年のアカデミー・アニメ長編賞)を絶賛しており、早く行きたい。

//ロックミュージシャンで俳優の内田裕也さんが他界。享年79歳。パートナーだった樹木希林さんが昨年9月に旅立たれて、わずか半年。
●3月16日…〔今日の良かった〕17日夜8時の『日曜美術館 奇想の画家たち〜江戸絵画に見る“前衛芸術”』(再)は永久保存版です!先週の本放送めっちゃ良かったです。江戸時代の超個性的な6人の画家、伊藤若冲、岩佐又兵衛、狩野山楽、曾我蕭白(しょうはく)、長沢芦雪(ろせつ)、白隠禅師の作品と人物に迫る45分。“異端”とされた画家たちが、今やこんなにも愛されている!

//昨日発生したニュージーランドのモスクでの銃乱射事件。犠牲となった50人には子ども2人も含まれている。血も涙もない凶行、ほんと酷すぎる。犯人はイスラム移民を敵視し、侵略者は出て行けと言うが、それをいうならニュージーランドは先住民マオリのものだ。そして豪州はアボリジニのもの。自分が白人の侵略者ということを棚に上げてる。犯人の論理なら、まず自分自身がそこから出て行けと。
犯人は低所得層の白人とのことだけど、もし仕事を移民に奪われて生活が厳しいというなら、問題をはき違えている。誰が好き好んで生まれ育った国を捨てて海を渡るだろう。経済や治安の問題で仕方なく見知らぬ土地に来ている。前者は構造的に固定化した“富めるものはより豊かに、貧しき者はより貧しく”という社会システムの被害者だし、後者は国家丸ごと武器商人のような大国が武器をばらまいたせいで治安が悪化した。
目の前の移民に仕事を奪われることは敏感なのに、「世界の超富裕層26人が世界人口の半分38億人の総資産と同額の富を独占している」ことを大問題と感じない。おかしいだろ、26人と38億人の資産が同じ額って…。国際NGO「オックスファム」によると、最富裕層がたった0.5%多く税金を払えば、現在教育を受けられずにいる子どもたち2億6200万人に教育を授け、330万人の命を救えるだけの保健医療を提供しても、余りある資金を確保できるという。諸悪の根源は、グロテスクなまでに広がりすぎた貧富の差。ここを改善しない限り、世界はヘイトクライム(憎悪犯罪)が続発する。
※シンガポールは国民の暮らしが安定しているから、イスラム、ヒンズー、キリスト、仏教、それぞの信者が互いに尊重しあい、主義主張を強要することもない。あの国を訪れるたびに、「こんな小さな国土で宗教衝突もなく犯罪も少ない」と驚く。将来に不安がなく、毎日きちんと食べていられるなら、他人がどの宗教であろうと憎悪感情は生まれない。第一次世界大戦の前は、中東パレスチナでさえパレスチナ人とユダヤ人とが仲良く近所づきあいしながら共存していた。
※犯人はトランプを支持しているという。ほんまトランプ、いい加減にしろと。憎悪を焚き付けるなと。
●3月15日…〔今日の良かった〕ジョジョ5部アニメの新エンディング曲、エニグマの『Modern Crusaders』(3分50秒)が神曲すぎる!これ途中からカール・オルフが作曲したカンタータ『カルミナ・ブラーナ』(2分16秒)の旋律やん!ちょうど歌詞の部分が運命論になっており、いかにも5部にあっている。これ以上ないというほどの選曲に震える。前回のエンディング曲は荒木先生ご自身のチョイスなので、このエニグマも間違いなく先生が選ばれたものだろう。ひょえ〜。
●3月14日…〔今日の良かった〕日テレ『笑ってコラえて!』のスタッフから連絡があり、僕が出演した新春スペシャル回が好評とのことで、3月23日土曜日の14時半から再放送されるとのこと!関東地区のみだけど、めっさ嬉しい。土曜日の午後なら、また異なる視聴者層の方に墓巡礼の魅力を伝えることができる。この再放送はゲストの菅田将暉さんというのが大きい。菅田さんがゲストの回でホントよかった。未見の方、ぜひ楽しんで下さいね!
●3月13日…〔今日の良かった〕僕が続けている墓巡礼は、感謝の言葉を伝えるのが目的だから、故人が芸術家の場合は基本的に作品に触れた後で墓前を訪れている。でも中には例外がいて、劇作家のアーサー・ミラー(1915-2005)はその1人だ。彼がピューリッツァ賞を受賞した代表作『セールスマンの死』は、演劇ということもあってなかなか鑑賞する機会がなかった(映画化されているけど、舞台版と同じではない)。それでも、彼がマッカーシズム(赤狩り)への警鐘を鳴らしていたこと、戦後アメリカが繁栄するなか社会の影を見つめ続けていたことを知っていたので、敬意を払っていることを伝えたくて墓参をした。そしてミラーの墓前で、『セールスマンの死』を見ることを誓った。ちなみにミラーはマリリン・モンローの3番目の夫でもある。
先日、BSの深夜番組で『セールスマンの死』全2幕(長塚圭史演出)がオンエアされ、ついに鑑賞できた。63歳の主人公ウィリー・ローマンの死に至る最後の2日間を描いた戯曲。ローマンを演じるのは風間杜夫さん。鬼気迫る入魂の演技に圧倒された。長年勤めた会社はリストラ、30代になっても自立できない2人の息子とはケンカばかり、ローマンは過去の思い出にすがるばかり。
一方、長男は長男で、父の過剰な期待で窒息寸前、「父さん、僕を解放してくれ!」の嗚咽が切実だった。妻リンダは最大の理解者だったのに、ローマンは八方塞がりで耳を貸す余裕がない。リンダが一番可哀想。労働者の使い捨て、親子の断絶、行き場のない若者など、1949年の作品だけど、現代でも問題は共通しており普遍性のある脚本だった。ローマンの最大の悲劇は、成長期のアメリカ社会にあった「幸福な家庭はこうでなければならない」という思いに縛られ過ぎたこと。「さもなければ不幸」、こんな考え方こそ自分も周囲も不幸にする…。

//昨夜のピエール瀧氏の逮捕は衝撃的だった。麻薬がダメなのは、それが暴力団など反社会勢力の資金源になるからだ。「健康被害が出ても自己責任だし」では済まない。同い年だから応援していただけに残念だ。一方、俳優としても引っ張りだこであったtめ、これまで無数の映画やドラマに出演している。公開を控えている作品もある。それら多数の人間の血と汗の結晶がお蔵入りになるのは、あまりに可哀想すぎる…。ここは本当に難しいところ。「ここまで大ごとになる」と示すことで、薬物と訣別する人間がいるかもしれない。だが、そんな判断ができる人なら、そもそも薬物にのめり込まないとも聞く。ほんと、どうすればいいんだろう。アナ雪のオラフのように子どもの人気キャラの声優を引き受けるならドラッグをやめるべきだし、自分の意思でやめられないならオラフ役を引き受けるべきではなかった。まったく、取り返しのつかないことを…。
●3月12日…〔今日の良かった〕先日BSでやっていた『最後の講義 みうらじゅん』が面白かった。この番組は“もし人生最後の講義とすれば何を語るか”というコンセプトで各界の著名人が教壇に立っている。
みうらさんは学生たちを相手に「人間は比較して生きているから不幸になる」「比較なんかしちゃいけない」と『比較三原則』を主張。比較三原則で比較を禁じているのは、「他人」「過去の自分」「親」。この三つと比較しそうになったときは、小さく「比較三原則」と呟いて我に返り、平穏な心を取り戻すという。僕もまったく同感で、20代の頃は他人と比較して何かと落ち込んだりしていたけど、墓巡礼に人生を捧げようと決意した30代以降は、もう比較をやめてマイペースで生きている。みうらさんの場合、そこに「過去の自分」まで入っているから一歩進んでいる。
みうらさん「自信満々のときって一番油断しているから、そういうときこそ小さい声で“比較三原則”と口に出すよう心がけている」。
講義ラストの“走馬灯プロジェクト”は圧巻だった。死ぬ直前に見るという人生の走馬灯を、先に映像で作っておいて、死ぬ前にそれを思い出して「何だかんだで良い人生だったな」と満足しながら死のうという計画。
みうらさん「走馬灯は記憶が編集した、人生のベスト盤になるらしい。僕は男子校でモテなかったから、そんな映像が1枚でも走馬灯に入ったらもったいない。だからいっぱいチョコをもらってることにし、死ぬ前に“あれ?そうだっけな”とか思いつつも、最期だし誰にも見せないし、“少し盛ってあるけど、まっいいか!”みたいな、そんな走馬灯を作ってきた」
「今からみんなこれを頭に焼き付けて、“つまんねえ人生だったな”と思ったときに、すぐこの映像に切り替えて死ぬように」。
上映された走馬灯は、大河ドラマのOPのように白い馬が駆け、スター・ウォーズのテーマ曲が鳴り響き、お乳を飲んでいる幸せな赤ん坊時代、テスト100点だらけの小学生時代、ラブレターをいっぱいもらった思春期、ラグビー部に入って優勝した思い出、他校の番長と夕暮れの堤防で殴り合って友情が生まれたこと、海外留学で卒業式に帽子を投げたこと、就職後は営業部トップの成績だったこと、クールな車で彼女とアメリカの西海岸をドライブしたこと(みうらさんは免許を持っていない)、自分のお葬式にいっぱい人が来ていること、そういった映像が次々と出てくる。エンドロールが映ると「ほら、こんなにいろんな人と関わってきたんだなぁ、1人じゃないんだ、ああ楽しかった〜!」、そう叫んで講義は終わった。みうらさんの人柄がにじみ出た、優しい講義だった。
●3月11日…〔今日の良かった〕東日本大震災から8年目、慰霊の日。正直、避難中の被災者の方がいまだ5万人以上いるので、“今日の良かった”という心境ではない。避難先での孤独死も多い。
強いて“良かった”を書くなら、「防災省」の創設の動きと、東北岩手出身の小林陵侑選手の奮戦。

現在、災害対応や被災者支援は主に内閣府の防災担当があたっており、定員は約90人だけ、幹部は各省からの出向で、2〜3年で戻るため、 防災や危機管理の知識が継承が困難だ。結果、避難所の質に格差が生まれるという同じ様な事態が繰り返されている。全国知事会や自民・石破元幹事長が提言している「防災省」は、単なる復興庁の後継ではなく、防災・減災から、復旧、復興までを総合的に担う役所を想定。専門的な人材を育成し、現場のノウハウを共有した災害対応に専念できる組織だ。専門職員がいれば過疎地向けの復興制度も作れる。地震や豪雨被害は毎年のように起きており、確実にやって来る南海トラフ巨大地震(250万棟全壊予想)や首都直下地震に備えるためにも、今から司令塔となる防災省を作っておくべきだ。

スキージャンプ男子のW杯で、岩手出身の小林陵侑(りょうゆう)選手(22)が日本男子初となる個人総合制覇達成の快挙を達成!W杯開始から40季目にしてついに日本人が制した。っていうか、日本初にとどまらず、欧州勢以外で初だ。まだ若く、今後の活躍が本当に楽しみ。

/先日、報道番組で東北の方が、「“復興五輪”から“復興”の二文字をとってほしい。東京が盛り上がっているだけで、福島には何の恩恵もない。五輪の開催地を決める際に、“復興”という言葉が利用されただけだ」と、憤っておられた。故ドナルド・キーンさんいわく「敗戦直後の日本はみんなが貧しかったから、自分が生きるので精一杯、困っている人を助ける余裕がなかったのもわかる。現代は違って、震災の被害を受けていない人がたくさんいるのに、被災者をもっと助けようとしないのが寂しい」。
●3月10日…〔今日の良かった〕菅田将暉さんが教師を演じたドラマ『3年A組 今から皆さんは、人質です』の最終回が素晴らしかった!マジでネット世代全員が見るべき必見作だった。こんなに良い最終回なら、もっと前から宣伝すればよかった!

舞台は高校。フェイク動画を拡散され、SNSの誹謗中傷に晒された女子生徒が自殺したことから、教師の柊(ひいらぎ)は生徒29人を監禁し、真犯人に迫っていく。事件解決まで10日間にわたり、ネットはいわゆる“祭り”状態の大騒ぎに。最終回で、主人公はこの事件をアレコレと噂するネット民に向けて、約10分にわたって、怒り、悲しみ、祈りにも似た想いを訴える。

柊「(自殺に追い込んだ人物を推測する全国のネット民に)お前たちはこの10日間でどれだけ自分の意見を変えた?信憑性のない情報を頼りに、どれだけ心ない言葉をネットで浴びせた?俺はそんなお前らの愚かな行動をあぶり出すために、この事件を引き起こしたんだよ!「関係ねー」じゃねえんだよ!これを娯楽としか思っていないアンタに言ってんだよ!おい!そこの!周りに流されて意見を合わせることしかできない、お前に言ってんだよ!お前ら(自殺した)景山の何を知ってたんだよ?会ったことねえだろ!話したことねえだろ!何も知らねえだろ!たいして知りもしねえのに、なんであんなに叩けるんだよ。「ウザイ」「キモイ」「死ね」、よくもまぁそんなゲスな言葉がポンポン出てくるもんだわ恥ずかしい。それだよそれ!そのお前の自覚のない悪意が!景山を殺したんだよ!お前らネットの、何千何万という悪意にまみれたナイフで、何度も何度も刺されて、景山の心が殺されたんだよ!
…フェイク動画が景山を苦しめたことに違いはない。けどあれは言わば、一次災害に過ぎなかった。あのフェイク動画を鵜呑みにしたお前たちが、誹謗中傷を浴びせた二次災害こそが景山を死に追いやった原因なんだよ!景山はネットの罵詈雑言によって、幻覚や幻聴を感じるようになった。彼女の気持ちが分かるか?お前らが浴びせた言葉の暴力が、彼女の心を壊したんだぞ!お前たちが、景山の命を奪ったんだ」

この言葉に対してドラマ内のネットの反応は「自由に言えるのがネットの良さでしょ」「ネットの意見を真に受けた景山が悪い」「傷つくならネットなんか見なきゃいいのよ」

そして柊「お前も!お前も、お前も!今まで散々正義感を振りかざしてきたくせに、分が悪くなった途端に、子どものように責任転嫁を始める。自分を正当化するのに必死だ。つまんねえ生き方してんじゃねえぞ!!」

ネット「ふざけんなよ、バーカ」「くっさwww」「暑苦しいwww」

柊「ふざけてんのはお前らだろーが!自分の親や、友達に面と向かって言えない言葉を、見ず知らずの他人にぶつけんなよお前のストレスの発散で他人の心をえぐるなよ、分かるだろ?俺の言葉が。お前らそこまでバカじゃねえだろ!気づいてくれ…。
いいか、マインドボイス(SNS)は誰もが気軽に繋がれる便利なツールだ。気の合う友達を見つけて、いつでもどこでもコミュニケーションがとれる。人によっては心の拠り所になるだろう、それも大切だ、否定はしない。けど…その一方で恐ろしい暴力装置にもなり得る。言葉は時として凶器になる。ナイフなんて比にならないくらい、重く、鋭く、心をえぐってくる。だから刻んで欲しいんだよ!右にならって吐いた何気ない一言が、相手を深く傷つけるかも知れない、独りよがりに偏った正義感が束になることで、いとも簡単に人の命を奪えるかも知れないってことを!そこにいる君に!これを見ているあなたに!一人一人の胸に刻んで欲しいんだよ。
他人に同調するより、他人をけなすより、まずは自分を律して、磨いて行くことが大切なんじゃないのか?ってか、そっちの方が楽しいだろ。その目も、口も手も!誰かを傷つけるためにあるわけじゃない!誰かと喜びを分かち合うために、誰かと幸せをかみしめるためにあるんじゃないのか?そうだろ!もっと人に優しくなろうぜ!もっと自分を大事にしようぜ!
…俺の言葉が…どれだけ届いているのか…。きっと、ほとんどの人間には痛くもかゆくもないないだろう。でも誰か1人でいい、君1人でいい、感情に任せた言葉が、景山のような犠牲者をつくるかもしれない、そう思って踏みとどまってくれたら、俺が今ここに立っている意味がある。そしていつかきっと、その1人が10になって100になって1000人になって行く、俺はそう信じてる!だからどうか、だからどうか!あなたに届いて欲しい。…聞いてくれて、ありがとう。Let’s think.」

−−事件の一年後、大きく世の中が変わったわけではないが、あるネットユーザーが「お前なんか死ねばいいのに」と文字を打ち込んだ後、EnterキーではなくBack spaceキーを推して削除する描写が映り、そこでドラマは終わる。ほんの少しでも誰かに届くことを願っていた、柊の言葉と想いは伝わっていた。

/ネットの大型掲示板では「氏ね」という言葉を目にせぬ日はない。あまりにも簡単に「氏ね」と書き込んでいる。人間が人間に対して、最も言ってはいけない、この言葉を。僕は怖くて自分の名前を何年も検索していない。20年前、このサイトを立ち上げた頃は、乱暴な言葉遣いをする者がいたら、周囲が「いくら匿名でもそんなことを言ってはダメだ」「ネットマナーを守れ」と諭したもの。いまやネットマナーなんて死語に近く、何でもありの状態だ。どうか、他者を攻撃するためのツールでなく、理解するためのツールに!
●3月9日…〔今日の良かった〕お寺の前にはよく良い言葉が書かれており、気に入ったものは写メってる。先日台東区で見かけたこの言葉は特にグッと来た。





難なき人生は
無難な人生
難あり人生は
有り難き人生

これを読んで次の三つの言葉を思い出した。
「恥じなんてかいてナンボだ。“失敗した”って事は“挑戦した”って事だからな。何もやんねーで他人の事笑ってる人生よりずっとマトモだ」(羽海野チカ『3月のライオン』)
「負け犬の本当の意味は、負けることを怖がるあまり挑戦しないヤツらのことだ」(映画『リトル・ミス・サンシャイン』)
「失敗を恐れるな。失敗することが罪ではなく、目標を低く掲げることが罪なのだ。大きな挑戦では、失敗さえも栄光となる」(ブルース・リー)
●3月8日…〔今日の良かった〕先日のNHKアニメ『ピアノの森』第16話「約束」、主人公カイがショパンコンクールに挑み、演奏後にポーランドの聴衆が「ナシャ・ポルスカ!(私たちのポーランド!)」と喝采を送ったシーンに感動した。日本人ピアニストに向かって「ナシャ・ポルスカ!」って、ショパンを弾く者にとって最大級の褒め言葉。第18話「レクイエム」では、ワルシャワの聖十字架教会に眠るショパンの墓が登場。ショパンは遺言で「私の葬儀でモーツァルトのレクイエムを演奏してほしい」と願ったことから、この教会ではコンクール期間中の命日にレクイエムを演奏している。墓マイラー的にも嬉しい回だった。

//昨日は森友問題で自殺に追い込まれた財務省近畿財務局・赤木俊夫さんの命日。たった一年前のことなのに、メディアはもう忘れ去っている。7時のNHKニュースは1秒も触れなかった。国民がメディアに「忘れるな」と言い続けるしかない。
●3月7日…〔今日の良かった〕今回、東京では巡礼2日目に遠藤周作『沈黙』のモデルになった“転びバテレン”の宣教師や“最後の宣教師”を墓参できた。

フェレイラ神父 (ロドリゴ)キアラ神父 シドッティ神父
(1)クリストヴァン・フェレイラ(1580-1650)…ポルトガル人の著名な司祭・神学者。29歳のときに来日、イエズス会の指導者として布教活動を行い尊敬を集めた。だが、キリシタン弾圧により53歳で捕縛され、5時間に及ぶ苛酷な拷問に耐えきれず棄教する(この時、中浦ジュリアン神父@天正遣欧少年使節は殉教)。その後、「沢野忠庵」の名を与えられ、日本の女性と結婚。フェレイラが殉教せず棄教を選んだことは当時のキリスト教社会に衝撃を与えた。江戸にて70歳で他界。墓所は谷中の瑞輪寺。娘婿で幕医の杉本忠恵の代々墓に合葬。

(2)ジュゼッペ・キアラ(1602-1685)※『沈黙』の主人公ロドリゴ司祭のモデル…イタリア人宣教師。『沈黙』ではフェレイラの弟子。棄教した宣教師仲間を救うべく密入国するも捕縛、激しい拷問を受け浄土宗に“転ぶ”。殉教した武士の後家を幕命で妻とすると共に、その男の「岡本三右衛門」の名を与えられた(妻の夫とは別人という説もある)。1646年から江戸小石川(文京区小日向)の切支丹屋敷に39年間も幽閉され(同屋敷の最初の幽閉者)、隠れキリシタンの吟味に協力、そのまま83歳で生涯を終えた。小石川無量院に葬られたが廃寺となったため、墓石は雑司ヶ谷霊園に移され、そこから子孫のイタリア人が持ち去った後、調布のサレジオ神学院に移された。一方、遺骨は最初の埋葬地にあると思われ、付近の小石川伝通院に「ジョセフ岡本三衛門」の名で供養碑が建立された。宣教師の帽子を被ったような墓になっている。墓碑銘は「入専浄真信士霊 貞享二乙丑年七月廿五日」。

(3)ジョヴァンニ・シドッティ(1668-1714)…イタリア人司祭。“最後の宣教師”。『沈黙』の神父ではないが切支丹屋敷の最終入牢者として有名。1708年に40歳で日本に潜入、捕縛される。新井白石の尽力もあり、「布教しないこと」を条件に助命され、切支丹屋敷に送られた(最初に入牢したキアラ司祭から62年後)。だが、6年後に監視役の世話係2人がシドッティから洗礼を受けたことが発覚し、屋敷内の地下牢に3人とも入れられ、10ヶ月後に衰弱死した。享年46歳。シドッティの死の10年後に切支丹屋敷は火災で焼失。そして没後300年となる2014年に切支丹屋敷跡地を発掘した結果、3体の遺骨が発掘され、DNAから1体がイタリア系男性と判明、年代からシドッティと確定した。残りの日本人2体は例の世話係と思われる。
切支丹屋敷跡地には洋墓風の記念碑があり、僕はこの石をシドッティの墓と見立てて追悼。隣りには、拷問で殉教した信者の墓石と伝わる「八兵衛石」が現存する(写真左端の小さい石塔)。
●3月6日…〔今日の良かった〕東京から帰宅。上京中、仕事の合間を縫って、前からお墓参りしたかった、女優川島なお美さんと、ミュージシャン・かまやつひろしさんの墓前に。2人は同じ麻布の賢崇寺に眠っている。
「お墓はその人そのもの」といつも感じているんだけど、お二人の墓石はまさにその典型。川島さんのお墓は石で出来た素敵な帽子を被っていて、墓前にはワインボトル、ロマネ・コンティの石像が置かれている。こんなオシャレな墓を見たことがない。戒名がこれまた美しく「秋想院彩優美俊大姉」というもの。夫の名パティシエ鎧塚俊彦さんが、心を込めて建立された。墓前は色とりどりのバラで埋め尽くされている。
かまやつさんのお墓は前面にザ・スパイダース時代のヒット曲「なんとなくなんとく」の楽譜(作詞作曲かまやつさん)が彫られ、その下に「Keep On」の文字。そして赤色の石を使ったギター、そして愛煙していたフランスの煙草ゴロワーズののモニュメントが置かれていた。う〜ん、カッコいい!お二人に合掌。※すぐ側に政治家・与謝野馨さんの墓。近隣の善福寺には、福澤諭吉と俳優原田芳雄さんが眠る。

   
●3月4日…〔今日の良かった〕先日のジョジョ5部アニメ第21話は、ギャングのボスのゲスっぷり(麻薬を街に流す&身バレ防ぐため娘を消そうとする&自分の利益の為だけに他人を利用)に激怒した同組織の幹部が、裏切ってボスに戦いを挑むという最高度に胸熱展開の神回。絶大な力を持つボスを裏切ることは、死を意味する。それにもかかわらず、一緒に戦ってくれる勇気のある仲間がいて、そのことに感動した幹部が、これまで見せたことがないウルウル瞳になり(普段は厳しい表情)、そこに全世界のジョジョラーがもらい泣き。
海外在住のジョジョ友が、ツイッターで教えてくれたコラ画像は、名シーンの表情をルーブル美術館など各地で展示しており、感動と爆笑が同時に来た!
 元ツイートはコチラ
 左の元絵はルーブルのモナリザ!
 このセンスが素晴らしい

いやはや、ブチャラティは愛されてるなぁ。そういや、ウチの子が2歳のときに、最初に好きになったキャラもブチャラティだった。
『ジョジョの奇妙な2歳児』(2分13秒)この動画、いつの間にかアクセス12万超え。その9割以上が海外のジョジョラー。

//今夜から上京し、テレビ局の方と東京の墓所を7カ所巡礼。無事にロケが終われば今月下旬に放送予定!詳細は近日中に。
●3月3日…〔今日の良かった〕一昨日の日本アカデミー賞にて是枝裕和監督『万引き家族』が8部門制覇!これを機に鑑賞する人がまた増えるといいな。
ところで、日本アカデミー賞がいまいち盛り上がりに欠ける要因のひとつに、本家アメリカは「ノミネート作から作品賞を選ぶ」ことに対して、日本アカデミー賞は「優秀作品賞に選ばれた5作品から最優秀作品賞を選ぶ」というややこしさにあるだろう。人物の場合は、優秀主演男優賞や優秀主演女優賞から最優秀を選ぶ。
…なんで日本アカデミー賞はこんなやり方にしたのか。おそらく日本の映画会社が宣伝の際に、「ノミネートはインパクトが弱いので“優秀賞”という言い方にしよう、それなら宣伝チラシに使える」と考えたのではないだろうか。ノミネートされるだけでも凄いんだから、受賞出来なくてもノミネートを誇れば良いのにねぇ。

【最優秀作品賞】「万引き家族」
優秀賞:「カメラを止めるな!」「北の桜守」「孤狼の血」「空飛ぶタイヤ」

【最優秀アニメーション作品賞】「未来のミライ」
優秀賞:「ドラゴンボール超 ブロリー」「ペンギン・ハイウェイ」「名探偵コナンゼロの執行人」「若おかみは小学生!」

【最優秀監督賞】是枝裕和「万引き家族」
優秀賞:上田慎一郎、白石和彌、滝田洋二郎、本木克英

【最優秀主演男優賞】役所広司「孤狼の血」
優秀賞:岡田准一「散り椿」、舘ひろし「終わった人」、濱津隆之「カメラを止めるな!」、リリー・フランキー「万引き家族」

【最優秀主演女優賞】安藤サクラ「万引き家族」
優秀賞:黒木華「日々是好日」、篠原涼子「人魚の眠る家」、松岡茉優「勝手にふるえてろ」、吉永小百合「北の桜守」

【最優秀助演男優賞】松坂桃李「孤狼の血」
優秀賞:岸部一徳、ディーン・フジオカ、西島秀俊、二宮和也

【最優秀助演女優賞】樹木希林「日々是好日」「万引き家族」
優秀賞:篠原涼子、深田恭子、真木よう子、松岡茉優

【最優秀外国作品賞】「ボヘミアン・ラプソディ」
優秀外国作品賞:「グレイテスト・ショーマン」「シェイプ・オブ・ウォーター」「スリー・ビルボード」「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」
●3月2日…〔今日の良かった〕浮世絵師・葛飾北斎(1760-1849)の傑作『北斎漫画』が、電子書籍で4カ月前に出ていた!『北斎漫画』は、北斎が人物、動植物、風景、妖怪、歴史上の偉人などを描いたイラスト大百科事典。1814年、54歳のときに第一巻が刊行され、最終第15巻が刊行されたのは、死後約30年が経った1878年!完結まで64年もかかった空前絶後の作品集。北斎はシリーズ15巻970ページを通して、約4000カットもの絵で森羅万象を描き尽くした。この労作について、北斎は「気の向くままに漫然と描いた画」と語り『北斎漫画』と名付けた。
まともに書籍で買えば数万円するので諦めていたけど、Kindle電子版なら1500円。紙のような味わいはないけれど、背に腹はかえられぬ、速攻で購入した。これからあまり知られていないマイナーなカットを見るのが楽しみだ。
●3月1日…〔今日の良かった〕以前からコンビニオーナーの極端に長い労働時間が問題になっていたが、ついに問題解決に向けた動きが出てきた。
セブンイレブン・ジャパンは契約時に「文書による特別の合意をしない限り、24時間未満の開店営業は認められない」と取り決めている。だが、東大阪市のセブンイレブンの店主は人手不足を理由に24時間営業をやめた。この店で働いていたオーナーの妻が亡くなり、オーナーは勤務時間が連日16時間超に。やむを得ず今月から営業時間を短縮したところ、本部から契約解除と違約金1700万円を求められたという。オーナーは勇気を出して本部の無茶ぶりをメディアにあかし、「非人道的な契約はそれ自体が無効と判断されるべきだ」と主張。他のオーナーと連帯して戦っている。
コンビニ加盟店ユニオンの執行委員長「コンビニのオーナーは、労働者なら過労死が認められるほどの長時間勤務が当たり前。人の命を大事にするのか、チェーンのイメージを大切にするのか、本部は真剣に考えてほしい」。
地方のコンビニだと、人手不足を補ってくれる外国人も少なく、時給1200円で募集しても厳しい。西日本のあるオーナー「深夜バイトの休憩時間を確保するため“45分だけ閉めたい”と相談したが、本部は“契約上ダメ”の一点張り。いっそやめたいとも思うが、違約金は6千万円といわれた」。福井県のセブンイレブンでは、昨年2月の豪雪で店員が出勤できなくなり、オーナーは断続的に50時間以上働き、妻も過労で救急搬送されたが、本部は閉めさせてくれなかったという。
外国なんか首都でも24時間営業は珍しい。ちょとくらい不便になっても、過労で命を危険に晒す人がいない世界の方が良い。お客様満足度で何度も第1位になっている北海道の「セイコーマート」は24時間営業を前提としておらず、24時間は全体の2割ほど。ずっと店を開けてなくても1位になれるんだ。







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