最新文芸情報


2017.3〜4

●4月30日…鬼才・大友克洋の映画『AKIRA』は、サイバーパンクな映像と共に芸能山城組の音楽も高く評価されている。インドネシアの打楽器ガムラン・ジェゴクと青森ねぶた祭の「らっせーらー」の掛け声を組み合わせたサウンドはテンションが上がる。トランス度を強めたSOLIDSEEKERリミックスのことを友人に教えてもらい、なかなか良かったのでリンク(冒頭しばらく無音ゆえボリューム注意)。

//高名なフランス文学者で文化勲章の受章者、桑原武夫さんの遺族が京都市の中央図書館に寄贈した1万冊の蔵書が、遺族に無断ですべてチリ紙交換に出されたニュースに目まいがした。蔵書には、和漢籍や海外の文献など手に入りにくい貴重な本も含まれていたという。京都大人文科学研究所の高木博志所長「ノートや手紙、蔵書を分析することで桑原先生の学問全体の体系が分かるはずだった。失われたことは非常に問題だ」。京大教育学研究科の福井祐介講師(図書館情報学)は「碩学(せきがく、博学)の桑原氏の資料群だからこそ貴重なもの」。欲しがっている他の図書館もあったはず。これはあかんやろ…。

//生まれてこのかた、ファミレスで22時以降に注文すると10%割増料金になるって知らんかった。昨夜サイゼリアで初めて気づいた。注文するならそれまでにしとかんと。
●4月29日…これだけ各国から注視されているのに、今朝も北朝鮮がミサイル実験。米国にケンカを売り、中国のメンツを潰してまで撃つか。なんなのかね、この金王朝の滅亡に向けて突っ走っている感は。
●4月28日…近年の大河ドラマでは武田の軍師・山本勘助を主人公にした2007年の『風林火山』だけ、きちんと見ていなかった。第四次川中島合戦までの物語と分かっているから、“本能寺も関ヶ原もない、地味”というのが理由だった。ところが今春BSで再放送が始まり1話から見てるうちに、完全にハマった。勘助役の内野聖陽、信玄役の市川亀治郎の火花が散るような演技、重厚な音楽。硬派な作りが実に良い。キタコレだわ。

//うああ、4/17の日記で森鴎外の『高瀬舟』のことを『高瀬川』と書いていました!巡礼ページにはちゃんと『高瀬舟』って書いてるのに、なんで日記に高瀬川と書いてしまったのか。実際、2、3年前から誤字・脱字・記憶違いが多発しており、自分でも空恐ろしいものが…。メールで指摘して下さった読者の方、まっこと有難うございました!
●4月27日…昨日26日、映画「羊たちの沈黙」でアカデミー賞監督賞を受賞したジョナサン・デミ監督が、食道がんの合併症によりニューヨークで他界。享年73。トム・ハンクスがHIV感染者を演じオスカーに輝いた「フィラデルフィア」でも知られる名匠。トム「人の心がどれだけ広くなれるか、ジョナサンは教えてくれた。広い心を持てば、それがいかに自分の生き方や、自分の仕事の仕方を導いてくれるか、教えてくれた」。家族は供花の代わりに移民支援団体「移民のための正義を求めるアメリカ人」に寄付してもらいたいと希望を表明。「羊たちの沈黙」はアカデミー賞の“ビッグ・ファイブ”=監督賞、作品賞、脚色賞、主演男優賞、主演女優賞を受賞。オスカー史において、主要五部門を制覇した作品は、ほかに「或る夜の出来事」(1934)と「カッコーの巣の上で」(1975)のみ。哀悼の意を表します。

//うおお!22時からNHKがスノーデンの独占インタビューやってる!ロシアで収録!これ全日本人が見るべきものだ…。このタイミングでスノーデン特集、間違いなく共謀罪への警鐘。
●4月26日…最近のドキュメンタリーや文化番組のレビュー。
・『ETV特集 獄友たちの日々』(4/22)。30年も無実の罪で投獄されていた人など、冤罪事件に巻き込まれた5人の男性、「布川事件」の桜井昌司さんと杉山卓男さん(故)、「足利事件」の菅家利和さん、「袴田事件」の袴田巖さん、「狭山事件」の石川一雄さんが交流。獄中生活は5人合わせて155年にもなる。彼らは互いを「獄友」(ごくとも)と呼び、支え合う。
“支え合う”と言っても、大袈裟なことをするではなく、一緒に飯を食べたり将棋をしたりするだけなんだけど、そういう日常的なことを通して、袴田さんは“感情”を取り戻していった。番組は彼らが何を失い、何を得たのか、丁寧に取材していた。20歳で投獄され出所したときは50歳…想像を絶する人生。でも桜井昌司さんは、獄中では泣いても叫んでも仕方がないので、置かれている状況から良いことを探し出そうとしたという。“捕まったからこそ、親切で善意あふれるたくさんの支援者と出会えた。人間の良い面を見られた”と。番組の最後は桜井さんの次の言葉で締めくくられた。「何があっても人生って良いなって思うんですよね。普通の人から見たら冤罪で29年も刑務所にいたら、不幸とか悲しいとか思うでしょうけど、私はたくさんの善意の人(支援者)に恵まれて、支えられて幸せだったなぁと思うことがたくさんあったんですよね。その体験があるから、私の人生は不運だったけど不幸ではなかった、そういう思いでいっぱいです」「人生って失敗がいろいろあったり、間違ったこともいっぱいあったりする。でもそういうのがあっていろんな楽しさがある。刑務所生活をしたお陰でそれを知った。皆さんも何か辛いことがあったら、それが良いことと思って頑張って欲しい」。

・『100分で名著 三木清“人生論ノート”』(4/10)。三木は「偽善」について考察。偽善者が意識しているのは他人であり社会。彼らは他者からの評価や社会的な評判だけを気にして、求められた(安全な)役割だけを果たそうとする。つまり、善悪の価値基準を他人に預けて自分では判断しない。これを三木は「精神のオートマティズム」と名付けた。
1941年8月、日米開戦の4カ月前、翼賛体制の重苦しい空気が言論界に垂れ込めるなかで三木は記す「道徳の社会性(=個人よりも社会が優先されるべき、個人の幸福を唱えてはならないという考え方)というが如きことが力説されるようになって以来、いかに多くの偽善者が生じたであろうか」。そして“道徳とはこういうもの”と上から押しつけられる危険性に警鐘。
三木が筆をとったのは、“こんなやり方はおかしい”“これでは国がダメになる”と思っても、あえてそれを口に出さない言論人が、戦争前にたくさん現れ始めたのも理由のひとつ。三木は「発言内容の偽善」だけでなく「発言しないことの偽善」を指摘した。言うべき事を言うという、表現者の責任を決して忘れてはいけないと論ずる。
タレントの伊集院光「僕らは特に耳が痛い。彼は危険を冒してもこれを書いている。僕らは(仕事柄)誰がどう思うかということをすごく考えていて、それが“言わなきゃならないことを言わない”というふうになっているなら、反省しなきゃならない」「言論者、表現者の責任を考えよというと、言ったことの方の責任がクローズアップされている。“言って大ごとになると困るから黙る”(という判断)を責任ある態度と思ってた。表現の機会があったのに言わなかったことも“責任”なんだ」。
※三木清は出征して戦場を見た数少ない哲学者。兵役後に言語の力で戦争を総括しようとした矢先に、左翼の友人を家にかくまった罪で投獄され、終戦時に釈放されずそのまま獄死した。

・『世界のドキュメンタリー “極右”の誘惑 フランス ルペン支持者の本音』(4/25)。これまで極右に差別される側だった同性愛者やイスラム教徒までルペンに投票する人が出てきている。理由は、保守のサルコジに失望し、なんちゃってリベラルのオランドにも失望し、既存政党に“懲罰的投票”をするため。あと、ルペンが父ほどタカ派でなく、党幹部に同性愛者を起用している点など。とにかく、ルペン支持者に共通しているのは、選挙のときだけ綺麗事をいい、当選すると汚職・腐敗に走る従来の政治家への絶望感だった。特に民衆の味方とアピールしながら、実際は金融界に尻尾を振っていたオランドへの反発が凄い。
気になったのは、ルペン支持者が「極右国民戦線なら汚職しない」と強く信じていること。日本の極右政治家の金銭スキャンダル多発を念頭に言わせてもらうと、絶対にルペンの国民戦線も腐敗する。しかも、支持率が下がると、批判の目をそらすためレイシズムが牙をむく。“敵”を作ってガス抜きさせる。もしルペンが大統領になれば間違いなくそうなると予言しておく。

・『NHKスペシャル 激震トランプ時代(2)炎上ヨーロッパ 広がる“自国第一主義”』(4/27再放送)。欧州各地で排外主義が台頭するなか、ドイツは歴史的教訓から差別に強く反対している。もちろんドイツにも右翼はいる。でも右派の集会はその何倍もの左派のカウンターに包囲される。移民が犯罪を犯しても、2度とナチス時代のように人権を軽視しないと誓っている印象。番組の最後にケルン大聖堂の前にEUの青い旗を持って集まった市民たちが、“EU国歌”であるベートーヴェン第九を歌いながら行進しているシーンに泣きそうになった…。第九の歌詞は「♪時の流れで分断されたものは再び一つとなる/すべての人々は兄弟となる」だから。

//世界的に言えることなんだけど、愛国心にもいろいろあるのに、自分が決めた愛国心だけが正しくて、それ以外の愛し方をする人を売国奴と呼んで糾弾する流れがほんとイヤ。愛国心と愛政府心をごっちゃにしている人が多すぎる…。ネットには「選挙という民意で選ばれた安倍首相が嫌なら日本から出て行け」と書いてる人がいるけど、だったらあなたは鳩山首相や菅首相のときに日本から出て行ってたのかと。
●4月25日…今村復興相の「(震災が)まだ東北のほうだからよかった」発言、それ、復興大臣が一番言ってはいけない言葉だろ。2万人を超える人が亡くなっているのに、「よかった」という表現は正気の沙汰と思えない。議員としてというより、人としておかしい。佐賀県の人、もう次は落として下さい。酷すぎ。今村氏は自主避難者を侮辱した“前科”がある。自民執行部が除名せず、ただの大臣辞職で終わらせるなら、東北のことをその程度にしか思ってないということ。
●4月24日…放送50周年記念の『ウルトラセブン展』、26日から京都で。続いて大阪、横浜へ。これは行かねば!
●4月23日…14歳の藤井聡太君が将棋界のレジェンド羽生さんに勝ったのは衝撃的。とんでもない強さ。どんな棋士になっていくのだろう。

//本日20時Eテレ『日曜美術館』は画家ミュシャ特集!パリの華麗なポスターで知られるけど、晩年は祖国チェコ民衆の苦難を描き、ナチ秘密警察に投獄、他界という信念の人。21時Eテレ『クラシック音楽館』はドイツ各地のパイプオルガン弾き比べ。そしてなんとタルコフスキー監督の傑作SF「惑星ソラリス」で流れたバッハの超名曲「“主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶ”BWV639」やります!この曲がテレビでオンエアされることはめったにないので録画を熱烈推奨!
●4月22日…民進・枝野議員の発言だけど、公明支持の人は耳を傾けて欲しい。共謀罪の拡大解釈の危険を訴えている大事な内容。閣僚や役人に問いかけているようで、公明党の議員に問いかけている。
枝野議員「治安維持法は、成立当初は『国体の変革を求めること・私有財産制度を否認すること』が取締対象だったが、1943年、創価学会の初代・二代会長が治安維持法違反と不敬罪で逮捕された。創価学会は国体の変革を求めましたか?私有財産制度を否認しましたか?違いますよね。刑事法は法律上絶対に入らないと担保されないといけない」
いくら政府が拡大解釈しないと口約束しても、法案がそれを可能にしているのだから何の保証にもならない。
昨日だけで2つのほころびが。(1)これまで安倍氏は「一般人は捜査対象にならない」と言い続けてきたが、法務副大臣が「組織的犯罪組織と関わりがない一般人でも捜査対象になる」と初めて答弁。「捜査対象になる人数は限定的」とのことだが、「限定的」がどれくらいの規模か決めるのは政府当局。市民ではない。(2)衆院法務委員会で法務省の刑事局長の席に詰め寄った民進党議員に、自民党の土屋正忠理事が「テロ行為だ」とヤジを飛ばした。無闇にテロ認定しないと政府側が説明している国会で、自民の理事がこうも簡単に「テロ行為だ」とヤジを飛ばす異常さ。会議後、土屋理事は「民進の議員が刑事局長の机を叩いていたから」と説明。なんじゃそれは。あの時、民進は法務大臣の答弁を要求しているのに、刑事局長が無視して答弁するから、“あなたに聞いていない”と抗議していた。政府の方針に反対すれば、机を叩いただけでテロ行為になると。“言葉のあや”では済まない。法案の成立前からこれだ。
●4月21日…今夜の実写版『シンデレラ』を見ていて、思わず「そうだったのか!」と声をあげた。以前からどして午前零時の鐘で馬車はカボチャに、馬はネズミに戻ってしまうのに、ガラスの靴だけはずっとガラスのままか不思議だった。今回魔法をかけるシーンを注視していると、ドレスや馬車は別の物質を「変化」させていたのに、ガラスの靴だけは裸足というゼロの状態から魔法で作り上げていた!ガラスの靴は何かが変化したものじゃない!しかも魔法使いはわざわざ「靴の魔法は得意なの」と自分で言ってる。変化じゃないから戻らない、いや〜、スッキリ。

/そんなふうに1人で合点していると、こんなサイトを見つけてしまった。なんと300年前のシンデレラの仏語原文『ペロー童話集』には、馬車やドレスは動詞「etre change 変わる」と書かれ、靴だけは「donna 与える」となっていた。岩波文庫の『完訳 ペロー童話集』でも「ガラスの靴を与えた」と翻訳されている。そうだったのか、靴だけは贈り物だったのか。目からウロコだわ。
●4月20日…地球を20年前に飛び立った土星探査機カッシーニが、土星の輪の向こうに輝く地球と月の写真を14億kmの彼方から送ってきてくれた(NASAが公開)。土星からはこのように地球が見える。周囲は空気のない漆黒の空間。あの光の中に73億の人類と、数百万種の多様な生物が生きていると思うと胸にジンとくる。
カッシーニは13年間土星を観測してきたけど、今年の9月に役目を終えて土星に衝突、消滅するとのこと。ありがとうな、カッシーニ。
左側にうっすら見える光が“月”
この宇宙の静寂

なんだろうね…
ジッと見てると
なんか理由もなく涙腺が緩む

静かに浮かんでいる地球
あの小さな光の中で
「ここが違う」と誰かを差別する無意味さ
テロや戦争で他人を殺すことは
自分を殺すことと同じ−−
そんなふうに考えさせる1枚
自分の肖像写真のようにも見える
●4月19日…「目的はテロ対策じゃない」。沖縄の基地反対運動にも共謀罪は適用されると自民議員が明言。罰則対象の項目が277もあり、“2人から組織とみなす”という状況では、解釈次第でどんな口実でも検挙できる。テロと関係がなくても、原発のように国策に協力する企業の活動を妨害すれば業務妨害罪に。何度でもいう。テロ等準備罪の“等”こそ、政権が一番狙っている部分なんだと。北朝鮮の不穏な動きが続いており、国民には潜在的に不安感が増している。あれだけミサイル発射実験が続けば心配になるのは当たり前。けれど、テロ等準備罪は北朝鮮のミサイルと無関係だし、「国民監視法」「支配層・既得権保護法」が実態なんだから、成立させてはだめだ。既に法案の賛否は拮抗している。あと1回、北朝鮮問題で大きな動きがあれば、一瞬で法案が通りそうでハラハラしている。

//コラムニスト・小田嶋隆氏のツイッター、ほんとコレだ
→『失言で大臣が辞めなくなったのは、国民の側が失言の重大さを判定できなくなっていることの結果だと思う。国民が「辞めたということは重大な失言だったのだな」「辞めないのはたいした失言じゃなかったからなのだろう」と、結果からしか評価できないのなら、辞めない方が良いにきまっている。』
●4月18日…本日発売の『音楽の友』5月号に“世界音楽家巡礼・ショパン編”を執筆しています!
●4月17日…昨年、森鴎外の故郷の島根・津和野を訪れ、鴎外の分骨墓(本墓は東京三鷹)や生家へ。それに伴い巡礼コーナー『森鴎外編』を大幅に加筆!鴎外は作家であると同時に陸軍軍医のトップ、軍医総監になった人物。本来なら権力サイドの人間として体制擁護に走ってもおかしくない。ところが、明治天皇崩御に際し乃木大将が殉死したことで国内に殉死を美化する空気が漂うと、小説『阿部一族』を発表して“部下の命に対する権力者の無関心”を描き、他人の死に自分の尊い命を捧げることには何の意味もないと叫んだ。これはめちゃくちゃ勇気がいること。
あまり知られてないけど、鴎外は短編『沈黙の塔』で表現の自由の弾圧と戦ったり、『食堂』で明治天皇の暗殺未遂者として報道されている人物(大逆事件の幸徳秋水ら)に同情を示すことも含め、地位を失うことを恐れず信念を貫いている。『高瀬舟』では現代に通じる安楽死の問題に迫った。
退役後に帝室博物館総長に就任すると、当時の正倉院は皇室関係者など一部の特権階級のみに拝観が許されていたのを、「正倉院の宝物は国民全員の宝物なり」と、一般の研究者へ門戸を開いた。軍医時代に脚気の犠牲者を防げなかった黒歴史ゆえ、漱石に比べて大っぴらに讃えられない部分はあるけど、鴎外が持っていた反骨の義心を僕は伝えたいな。

※1910年、右傾化した朝日新聞は自然主義・社会主義が伝統的な価値観を破壊する思想として「危険なる洋書」を連載、オスカー・ワイルド、ニーチェ、モーパッサンなどを攻撃した。鴎外はワイルドの『サロメ』を日本に最初に紹介するなど、戯曲を多く翻訳していたことから、朝日は危険な洋書の共感者、警戒すべき文学者として鴎外の名を挙げ(妻の名までも掲載)、メディアにもかかわらず政府の発禁乱発に荷担した。
以下は鴎外『沈黙の塔』より→
「芸術も学問も因襲の目からは、危険に見えるはずである。なぜというに、どこの国、いつの世でも、新しい道を歩いて行く人の背後には、必ず反動者の群がいて隙を窺(うかが)っている。そしてある機会に起って迫害を加える。ただ口実だけが国により時代によって変る。危険なる洋書もその口実に過ぎないのであった。」
「芸術の認める価値は、因襲を破る処にある。因襲の圏内にうろついている作は凡作である。因襲の目で芸術を見れば、あらゆる芸術が危険に見える。」
大逆事件で幸徳秋水、菅野スガら12名が冤罪で死刑になると、随筆『文芸の主義』にこう記した。「無政府主義と、それといっしょに芽ざした社会主義との排斥をする為に、個人主義という漠然たる名を附けて、芸術に迫害を加えるのは、国家のために惜むべき事である。学問の自由研究と芸術の自由発展とを妨げる国は栄えるはずがない。」
※「交響楽、交響曲」は鴎外の作った訳語(造語の和製漢語)なんだけど、“響きが交わる音楽”=交響楽って良い言葉だなぁとしみじみ。

//スマホで当サイトを見ると、下の方に広告が出て困る。閲覧しにくいため“広告バナーなし”をポリシーにやってるのに、なんで契約してない広告が…。アクセスカウンター&解析は有料オプションを使ってるから引っ掛からないハズなんだけど…。
〔追記〕うわ、業者の説明によるとスマホは強制的に広告が出るシステムなのか!なんじゃそりゃあ!別のツールに乗り換えるべきか…。でも全ページのツール貼り替えなんて何日かかるか分からんぞ…。
〔追記2〕げっ、有料オプションの契約期間が終わってたのか!契約終了メールもない、自動更新システムもない、商売っ気がなさ過ぎだろ…。って思ったら、アクセスカウンターと解析はそれぞれ別料金で、広告非表示のためには各々別払い、合計で年間5000円だと?商売っ気ありすぎだろ…。でも忍者ツールズは抜群の安定性、細かい調整もいろいろ出来て便利。背に腹はかえられぬか…。
〔追記3〕お〜し、契約完了!これでスマホで見ても広告が出なくなった!皆さん、文芸ジャンキー・パラダイスを今後もよろしくお願いします!(そしてアマゾンの検索ボックスも活用…ゴホン、ゴホ)
※でも月々約400円と思えばそこまで高くないか。
●4月16日…“あの人の人生を知ろう”コーナーの『ゴッホ編』の最後に、一昨年にオランダで撮影したゴッホの生誕地や両親と暮らした牧師館、彼が絵の修行をした土地などの写真を追加しました。『ベートーヴェン編』にも加筆・画像追加しました。墓巡礼コーナーでは画家モネ編シェイクスピア編を大幅に加筆!中でもセザンヌ編は超ボリュームに。
●4月15日…全力で書きます。
天皇陛下の退位問題、陛下は退位のための恒久法を希望されているのに、官邸はあくまでも“一代限りの特例法”で押し切るつもりだ。「安倍官邸VS天皇家」で陛下が今まさに敗れようとしているんだけど、日本の右翼はこのまま陛下を見捨てるつもりなのか。本来なら、日本中の右翼が国会前に結集し「陛下が求める恒久法を!」と訴えるべき状況。日頃勇ましく軍歌を流していても、相手が官邸となった途端にこの存在感の無さ…。
一方、右翼が“反日”とレッテル貼りをしてきたリベラル側は、きちんと陛下のお気持ちを理解し、「天皇の意向に沿えば政治介入になるというなら、国民投票で解決を」と提案している。国民に『生前退位の条項を恒久的な制度にするのか』と聞くだけでいい。実にシンプル。世論調査では国民の8割が恒久法に賛成であり、国民の民意という形なら憲法的に問題ない。リベラルの僕が言うのもなんだけど、安倍・日本会議一派のようなエセ右翼ではない、本物の右翼はもっと気骨を見せて欲しい。「陛下のお気持ちを踏みにじるな」と訴えて欲しい。
陛下は昨夏の声明で「一代限りの特例法ではなく恒久法を」「摂政は置かない」「公務は減らさない」と3点を強調されていた。それなのに、安倍氏は自分に近い退位反対派の学者をかき集めて“有識者会議”を組織し、はじめに結論ありきの議論をさせ、“ほうら、有識者も恒久法に否定的”と無理やり特例法の流れを作った。同時に、官邸は不遜にも皇室イジメを行い、テレビでのお気持ち表明の報復として、陛下が信頼する側近を2人もクビに。
後世のために、陛下の切実な思いと、安倍一派のエゲツないやり方を、時系列にまとめておく。
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〔時系列整理・天皇陛下、退位恒久法を求める戦い〜国民の応援がなければ、このままでは陛下は官邸に敗北する〕

2016年7月10日、参院選で与党大勝。改憲派が勢いづく。

2016年7月13日、NHKが「陛下に退位のお気持ちあり」とスクープ。国会は皇室典範の改正を優先させなければならず、改憲ムードが吹っ飛ぶ。直後から官邸ではスクープの“犯人探し”が始まった。陛下を想う秋篠宮殿下の意を受けた宮内庁幹部(宮務主管)が、NHK記者を殿下に引き合わせる役割を担い、殿下を通じて“お気持ち”を内々に聞かされた記者がスクープという流れだった。

2016年8月8日、天皇陛下がテレビで退位のお気持ちを表明。公務の縮小に反対し、摂政を置くことも否定(摂政は根本的解決にならない)。これは自称保守・日本会議系の学者が、それまで「摂政を置けばいい」「公務を減らせばいい」と主張していたので、明らかにこれらの意見をけん制したご発言。僕は陛下が官邸・御用マスコミを信用できず、全部すっ飛ばして直接国民に語りかけたように感じた。また“象徴(天皇)”という言葉を6回も使うことで、自民改憲案の天皇の“元首”化に抵抗されているように思えた。

2016年9月26日、皇室を政治利用させぬよう官邸に楯突くような発言を繰り返していた宮内庁の風岡典之長官が退任に追い込まれる。風岡長官は陛下の忠臣だった。官邸にとっては面白くない“お気持ち表明”が決行されたことに「誰かが落とし前をつけないと駄目だ」(政府関係者)。

2016年10月1日、NHKに譲位という陛下のお心を伝えた宮内庁の西ヶ廣渉・宮務主管を官邸が事実上のクビに。西ヶ廣氏は宮家のお世話担当の責任者であり、陛下のお気持ちに間近で触れている人物。そして信頼されているからこそ、西ヶ廣氏はNHKとの橋渡しを託された。宮務主管に定年はなく前任者は10年務めたが、わずか2年半の退官であり、あからさまな懲罰人事憲政史上、皇室に報復した首相は安倍晋三だけ

2016年10月17日、安倍氏の諮問機関である有識者会議が発足(官邸が人選し、国会は無関係)。座長は今井経団連名誉会長。メンバー16人のうち“退位反対”を公言するカルト極右・日本会議系の学者、百地章(日本会議・常任理事)、八木秀次(新しい歴史教科書をつくる会)、櫻井よしこ(国家基本問題研究所)、渡部昇一(南京大虐殺の歴史捏造を正す国民会議)らが8人も選ばれ、さらに残りの退位賛成派も8人のうち6人が「特例法を容認」という、国民の大半が恒久法を求めている実態とはかけ離れたものに。特に渡部昇一氏は『WiLL』9月号で「皇室の継承は(1)種(たね)の尊さ(2)神話時代から地続きである、この二つが最も重要」「種(たね)さえ守り続ければいい」「それだけを考えればいい」と、陛下の活動や人間性を無視するような侮辱発言をしている。

2016年10月18日、『別冊宝島 天皇と皇室典範』において首相ブレーン、日本会議系の学者・八木秀次氏が「官邸は退位反対派に“おことば”の内容を事前に漏らしていた」と得意気に自爆告白。お気持ち表明の前週に官邸スタッフから“おことば”の概略を知ったという。官邸が極右陣営に「おことば」の内容を先に報告したのは、お気持ち表明に先手を打って反対派に備えさせ、カウンター的に反対論を流して世論が恒久法に傾かぬようにする狙いがあった。
※ちなみにこの八木秀次氏は、天皇・皇后が日本国憲法を高く評価していることに対して、2014年に『正論』誌上で「両陛下のご発言が、安倍内閣が進めようとしている憲法改正への懸念の表明のように国民に受け止められかねない」「宮内庁のマネジメントはどうなっているのか」と苛立ちをぶつけている。「天皇は我が国の国家元首であり、祭り主として『存在』することに最大の意義がある」(八木氏)

2016年11月7日、有識者会議の初回ヒアリングで平川祐弘東大名誉教授(日本会議別働隊「美しい日本の憲法をつくる国民の会」代表発起人)が“陛下はちょっとおかしい”と暴言。「ご自分で拡大された天皇の役割(被災地や戦地訪問等)を絶対的条件にして、それを果たせないから退位したいというのは、ちょっとおかしいのではないか」「外へ出ようが出まいがそれは一向構わないことであると、陛下に申し上げる方がいらっしゃるべきだった」。陛下は憲法に定められた“国民の象徴”の役割を果たすべく尽力されているのに、平川氏はまるで天皇がわがままで役割を拡大したかのように言わんばかり。なぜこうも上から目線なのか。この後、第2回ヒアリングで櫻井よしこ氏は「譲位ではなく摂政を置かれるべき」と退位に反対、陛下が否定していた「摂政」設置に執拗にこだわっている。

2016年11月30日、秋篠宮さまが51歳の誕生日に記者会見。陛下のお気持ちを聞いたのは「かなり以前」で、「折々にそういう考えがあるということを伺っていた」。その上でお気持ち表明について「考えてこられたことをきちんとした形で示すことができた、これは大変良かった」「様々な制限がある中、最大限にご自身の考えを伝えられた」。この会見は秋篠宮さまが涙目をされていたのが印象的だった。秋篠宮さまは2011年に「定年制はやはり必要になってくると思う」と話している。

2016年12月1日、天皇陛下の4歳の頃からの旧友がメディアで異例の証言。明石元紹氏(82)は幼稚園の頃から赤坂離宮で陛下と遊び、一緒に日光への疎開も経験。戦前から学友として交流が続いている。お気持ち表明の3週間前に陛下から電話があり、以下のように打ち明けられた。陛下はご自身のことを“僕”と呼んでおり、親密ぶりが伝わってくる。
「今度の(退位の)話については、僕は随分前から考えていた。天皇の在り方は歴史上いろいろな時代があった。特に明治以前の天皇については途中で譲位をしたり、いろんな形でいらした天皇はたくさんいる。それが、いろんな結果を生んだのは確かだ。けれど、譲位は何度もあったことで、僕が今、そういうことを言ったとしても、何もびっくりする話ではない」
「摂政を置いた方が良いという意見もあるようだが、僕は摂政という制度には賛成しない。(大正天皇のときに、昭和天皇が摂政になられたときに)国の中に二つの意見ができて、大正天皇をお守りしたい人と摂政の昭和天皇をもり立てようとする二派ができ、意見の対立のようなものがあったと聞いている。僕は、摂政は良くないと思う」
「この問題(退位)は僕の時の問題なだけではなくて、将来を含めて譲位が可能な制度にしてほしい
「天皇が元気なうちに譲位することは合理的だ。四六時中、象徴天皇としての活動ができないのであれば、若い世代にバトンタッチするのが当然」
私的な会話とはいえ、退位の在り方について陛下の具体的な考えがこれで明らかになった。明石さんは陛下からの電話内容を明らかにした理由について、「有識者会議の議論は陛下の考えとは違う意見が多く、陛下が気の毒だという義憤からだった」。有識者会議で退位を認めない意見があることについては「80歳を超え、すでに定年を迎えた高齢者にいつまでも働けと言っているのと同じ。大変失礼な発言だと思う」「友人の一人としては陛下の意をくんだ結論を早く出して欲しい」と訴えた。

2017年12月末、東京新聞のインタビューで有識者会議座長代理の御厨貴・東大名誉教授が“はじめに特別法ありき”。「十月の有識者会議発足の前後で、政府から特別法でという方針は出ていた。政府の会議に呼ばれることは、基本的にはその方向で議論を進めるのだと、個人的には思っていた」と吐露

2017年1月10日、「文藝春秋」17年2月号に陛下の旧友・明石氏が官邸の本音を暴露。明石氏は昨年7月に天皇からの電話を受けて、陛下の“本当のお気持ち”を官邸に知らせるために知人を介して麻生太郎副総理に打診。杉田博官房副長官を紹介され、ビデオメッセージ公開の2日前(8月6日)に首相官邸で面会すると、杉田氏から「恒久法は国会議員の総意を得るのは大変むずかしい」と言い放たれた。明石氏いわく「当時は、まだ有識者会議すら設置されていなかったころです。にもかかわらず、まるで一代限りの特例法で対処することを、すでに決めているような口ぶりでした」「あのときの杉田氏の態度を思い返すにつけ、有識者会議で専門家の意見を聞いているふりをしながら、実際には政府の方針は初めから決まっていたのではないかと、勘ぐらざるを得ません」。そして「安倍晋三総理はじめ、いまの政治家の方々からは、皇室の問題にきちんと向き合おうという姿勢が見られない」と強く批判。

2017年1月23日、有識者会議が「論点整理」を公表し、安倍氏に手渡した。“今の天皇に限り退位を可能とする特例法の制定が望ましい”と伝え、政府が検討する「一代限り」の方針を後押し。メンバー16人のうち、退位そのものに反対が8人、退位賛成だが一代限りの特例法で良いが6人、肝心の陛下が求める恒久法(皇室典範の改正)を支持したのはたったの2人!「論点整理」には恒久法への賛成意見10項目に対し、反対意見を倍以上の23項目もあげ、“一代限りの退位が望ましい”と強くにじませた。安倍氏に送り込まれた自称保守論客たちは、普段は「今の憲法は米国の押しつけだ!」と憲法を叩きながら、こういう時だけ「天皇の“お気持ち表明”は憲法に抵触する」と憲法重視のダブルスタンダード。

2017年4月11日、朝日新聞が宮内庁からのリークを掲載。1月23日の有識者会議の記者会見では、今井敬座長が“一代限り”とした理由として「譲位はもともと非常に問題」「皇統の継続に非常に問題がある」と語った。宮内庁関係者によると、この言葉に天皇陛下は“納得がいかない表情を浮かべた”という。天皇は立場的に政治的発言ができない。だから、“納得がいかない表情を浮かべた”という表現になる。この報道はケタ違いに重要だ。陛下の表情を近くで見ることが出来るのはごく僅かな人間だけ。これ以上ないというほど明確な意図のもとで、“納得がいかない表情を浮かべた”情報が国民へのメッセージとしてリークされている。だが、このニュースがテレビで大きな話題になることもなく、多くの国民は気づかずにいる…。
※官邸は譲位(退位)があたかも極めて異例のことのように印象操作しているが、第124代昭和天皇までの歴代天皇のうち、約半数の「58人」が譲位している。陛下は「譲位は歴史的にも驚くようなことではない」と周囲に語り、承久の乱など一時期をのぞけば、譲位があったからこそ平和に代替わりできたとの歴史認識も“繰り返し”口にされたという。

来週21日に(もはや“朝敵・逆賊”の)有識者会議が最終提言を出す予定。陛下に「ちょっとおかしいんじゃないか」と絡んだ平川氏や、「天皇は種さえあればいい」という失礼な渡部氏、「皇居の中で祭祀だけすればいい」の櫻井氏らが、どんな冷酷な最終提言をするのか心配だ。皇太子殿下はもうすぐ60歳。今回、議論を先送りしても20年後に同じ問題が起きてくる。だからこそ、陛下は子や孫のことまで考えて、退位を可能にする法整備を求めてこられた。この問題は何も難しくない。皇室典範第4条を次のように改正するだけでいいんだ。「天皇は、皇嗣(こうし、お世継ぎ)が成年に達しているときは、天皇自身の意思に基き、皇室会議の議を経て退位することができる」。
●4月14日…ネット掲示板に自称保守派が「今の天皇は愛国心が足りない」と書いてて椅子から転げ落ちそうに。安倍政権の誕生以降、これまで見た中で最強インパクトの書き込みだわ。
●4月13日…昨日のフィギュアスケート浅田真央選手の引退記者会見、ファンへの感謝の言葉から始まったので、目頭が熱くなった。
「長い選手生活だったんですけど、たくさん山がありました。でも、そのたくさんの山を乗り越えられたのも支えてくださった方々や、たくさんのファンの方々の応援があったからだと思っています。今日は感謝の気持ちを皆さんにお伝えできればと思い、このような場を設けさせていただきました」。
浅田選手、感謝したいのはこちらです。努力に努力を重ねて、誰も挑戦しなかったトリプルアクセルを五輪で成功させ、複雑かつ美しいステップでも魅了し、約10年にわたって感動を与え続けてくれた。僕は自分の半分ほどの年齢の浅田選手が健闘しているのを見て、何度勇気づけられたか。浅田選手は10代の頃からインタビューの受け答えがしっかりしており、競技とは別に人間性にも敬意を感じていた。本当にありがとう、そしてお疲れさま。ソチ五輪のフリー演技、一生忘れません。

//本日未明、リアルロボットアニメの金字塔『装甲騎兵ボトムズ』(1983)や、政治的大河ロボアニメ『太陽の牙ダグラム』(1981)でキャラクターデザインを手がけた塩山紀生さんが、埼玉県の団地火災で他界。享年77。突然の訃報、ショックすぎる…。中学でダグラム、高校でボトムズをリアルタイムで見ていた僕にとって、両作品は青春そのもの。ガンダムがブームになるなか、ボトムズのキリコ・キュービィーの似顔絵をノートに描いてました…。
●4月11日…4月14日(金)はアート番組の当たり日!早朝5時BSプレでミニマルミュージックの旗手スティーヴ・ライヒの80歳記念コンサート!21時半Eテレにて『ららら♪クラシック』は冷戦時代に幻のピアニストと呼ばれたソ連のリヒテル特集!そして深夜2時20分にBSプレで絵画に革命を起こしたセザンヌのドキュメンタリー!このセザンヌ特番、解説が分かりやすいし再現ドラマとかも凝っていて、近年の美術番組では屈指のお気に入りです!
●4月10日…日本最大の右翼勢力・日本会議の母胎が、新宗教“生長の家”(満州事変の前年に誕生)を追放された人々であると解説したテレ東ニュース番組の動画を見つけたのでリンク
この“生長の家”創始者、故・谷口雅春氏は「戦争は人間の霊魂進化にとって最高の宗教的行事」(詳細後述)という過激な信念を持っていたが、祖母の代からの熱心な信者である稲田朋美防衛大臣は、かつて講演会で谷口雅春氏の著作『生命の実相』を振りかざし、「私は谷口雅春先生の教えをずっと自分の生き方の根本に置いてきた」と熱弁している。谷口雅春氏は日本国憲法の改憲ではなく“破棄”を主張、明治憲法の復活を目指していた。

リンク先の資料2に掲載されている谷口雅春氏の主張を要約すると−−
・国家は我々の最高理念。国民は国家のために、一切をなげうって奉仕しなければならぬ。奉仕には戦争も含まれ、奉仕することそのことが喜びであり、個人という小さな理念的存在が、国家という最高の理念に包まれ向上できる唯一の道。出征のため親戚・友人に送られ旅立つ軍人の歓呼、それは見送る人も、見送られる人も、個の生命が最高の理念に包まれ向上する瞬間。

・『爆弾を抱いて、そのまま敵のトーチカ(陣地)に跳び込め!』、これに対して軍人はただ『ハイ』と答えて跳び込む、素晴らしい。たとえば、宗教の修行では教祖の命令通り跳び込まなくても、『修行が足りない!』程度で許されるが、それは修行の『型』をやっているだけ。それに、その命令者はあくまでも教祖という個人。
しかし戦争においては言葉通り肉体の生命が放棄せられる。軍隊の命令者は天皇であって、肉体の放棄と共に天皇の大御命令に帰一(きいつ※最後に繋がる事)する。肉体の無と、大生命(国家)への帰一とが、同時に完全融合して行われる。戦争は人間の霊魂進化にとって最高の宗教的行事だ。
※つまり、自爆攻撃を命令され肉体が吹き飛んだ瞬間に大生命=国家と完全融合する、だから最高の宗教的行事と主張。まさにカルト。アジア各地で多数の市民を殺害した侵略戦争という概念がここには全く存在しない。

・「多くの人たちは戦争の悲惨な方面ばかり見ていて、その道徳的、宗教的意義を理解しない。そして動もすれば戦争を忌避するのであるが、戦争は実に真剣な、否応なしに左右をいわずに、ただひたすらに至上命令に従うところの激しき宗教的行事なのである。」

・天皇はすべての宗教の原点。
「すべて宗教は、天皇より発するなり。大日如来も、釈迦牟尼仏も、イエスキリストも、天皇より発するなり。ただ一つの光源より七色の虹が発する如きなり。各宗の本尊のみを礼拝して、天皇を礼拝せざるは、虹のみを礼拝して、太陽を知らざる徒なり。すべてのもの、太陽にて生くるが如く、すべてのもの、天皇の大御いのちにて生くるなり。」
※この一文だけでも、公明党が日本会議を応援しているのは違和感。あまり話題になってないけど、3月30日に日本会議系の改憲集会に史上初めて公明党の議員が出席、それも斉藤鉄夫幹事長代行という幹部。登壇した斉藤議員は「1回目の(改憲)国民投票は必ず実現させる」と挨拶し、改憲に前のめりの姿勢をアピールした。ここまで来たか公明党!なんか絶望的になる。

「天皇への帰一の道すなはち忠なり。忠は、天皇より出でて天皇に帰るなり。天皇は一なり。ハジメなり。一切のもの、天皇より流れ出て、天皇に帰るなり。」
この苛烈な天皇崇拝と国家主義を掲げた谷口雅春氏率いる“生長の家”は、初代教祖の死後、次第に極右路線から離れ、2代教祖、3代教祖と時間をかけて歴史認識などの間違いを正していった。そして、その路線変更に反発し、あくまでも初代教祖を信奉する「原理主義者」のウルトラ極右は“生長の家”を追い出され、最終的に日本会議を組織した。

昨夏の参院選では、現在の生長の家が安倍内閣を公然と批判する声明を出した。
安倍政権は民主政治の根幹をなす立憲主義を軽視し、福島第一原発事故の惨禍を省みずに原発再稼働を強行し、海外に向かっては緊張を高め、原発の技術輸出に注力するなど、私たちの信仰や信念と相容れない政策や政治運営を行ってきた」
「同政権は、民主政治が機能不全に陥った時代の日本社会を美化するような主張を行い、真実の報道によって政治をチェックすべき報道機関に対しては、政権に有利な方向に圧力を加える一方で、教科書の選定に深く介入するなど、国民の世論形成や青少年の思想形成にじわじわと影響力を及ぼしつつあります」
現在の閣僚の8割が日本会議国会議員懇談会に所属しているといいます。これが真実であれば、創価学会を母体とする公明党以上に、同会議は安倍首相の政権運営に強大な影響を及ぼしている可能性があります」
わが国の総理大臣が、本教団の元信者の誤った政治理念と時代認識に強く影響されていることを知り、彼らを説得できなかった責任を感じるとともに、日本を再び間違った道へ進ませないために、安倍政権の政治姿勢に対して明確に「反対」の意思を表明します。この目的のため、本教団は今夏の参院選においては「与党とその候補者を支持しない」との決定を行い、ここに会員・信徒への指針として周知を訴えるものです」
「当教団では、元生長の家信者たちが、冷戦後の現代でも、冷戦時代に創始者によって説かれ、すでに歴史的役割を終わった主張に固執して、隠密的活動をおこなっていることに対し、誠に慚愧に耐えない思いを抱くものです。先に述べたとおり、日本会議の主張する政治路線は、生長の家の現在の信念と方法とはまったく異質のものであり、はっきり言えば時代錯誤的です。彼らの主張は、「宗教運動は時代の制約下にある」という事実を頑強に認めず、古い政治論を金科玉条とした狭隘なイデオロギーに陥っています。宗教的な観点から言えば“原理主義”と呼ぶべきものです。私たちは、この“原理主義”が世界の宗教の中でテロや戦争を引き起こしてきたという事実を重く捉え、遺憾の想いと強い危惧を感じるものです」

非常に鋭い指摘だ。ぶっちゃけ、昨夏に「“生長の家”が安倍政権を批判した」という話を聞いたとき、僕は“宗教右翼というイメージを誤魔化すためのカモフラージュでは?”と疑っていた。だけど、今回きちんと声明文を読んで、これは本気で極右思想と訣別していると実感。疑ったことを申し訳なく思った。
生長の家を追い出された過激思想の連中が、日本会議という国内最大の右翼組織を結成し、ときの総理大臣まで取り込み、同会議のシンパが閣僚の8割に達しているということを国民は理解する必要がある。もはや自民党は昭和の自民党と同じ政党ではない。

※谷口雅春氏を一点だけフォローしておくと、「戦争は人間の霊魂進化にとって最高の宗教的行事」等々と書いたのは、1941年という開戦の年であり、国内世論はイケイケの状態。戦争後期の南方戦線での日本兵の大量餓死、神風特攻、広島・長崎の原爆、そういう悲劇が起きる前の言葉。とはいえ、宗教家なのに戦争協力を行った点への反省の弁の記録は見当たらないけど…。
※関連ツイート/著述家・菅野完氏『「日本は右傾化した」という話は、「社会構造の変化による影響」というよりも、「(生長の家→日本会議の)一部のキチ○イ人脈が、40年近く全く同じ話を繰り返し叫び続けて知らず知らずに皆それに汚染された」としか思えないわけです』

//中国の習近平はいま金正恩に亡命を勧めているだろう。それが現実的な解決策。中国は北朝鮮の対外貿易の約9割を占めており、それだけ圧倒的優位な立場にあって金正恩を説得できないなら、中共政府は無能っぷりを証明することに。
●4月9日…フォークシンガーの加川良さんが、今月5日、骨髄性白血病のため他界。享年69。
僕が大学生の頃(80年代後半)、1970年前後の抵抗歌、反戦フォークにハマって、巷にたくさんあった中古レコード店をめぐり、中津川フォークジャンボリー(日本初の野外音楽フェスティバル。ウッドストックより先!)のLPを探したりしたもの。岡林信康さん、高石友也さん、高田渡さんなど、手に入ったレコードを大喜びして聴いた。そして、プロテストソングを集めたオムニバス盤に必ず入っていたのが加川良さんの代表曲『教訓T』(3分15秒)だった。

〈命はひとつ 人生は1回だから命をすてないようにネ 慌てると ついフラフラと御国のためなのと言われるとネ/青くなって尻込みなさい 逃げなさい 隠れなさい〉
〈御国は俺達死んだとてずっと後まで残りますよネ 失礼しましたで終るだけ 命のスペアはありませんよ/青くなって尻込みなさい 逃げなさい 隠れなさい〉
〈死んで「神様」と言われるよりも 生きて「バカだ」と言われましょうよネ きれいごと並べられた時も この命をすてないようにネ/青くなって尻込みなさい 逃げなさい 隠れなさい〉

3年前の西日本新聞に加川さんの貴重なインタビューが載っていた。加川さんが『教訓T』を歌ったのは23歳のとき。67歳になっても「歌う度に新曲」という実感があったという。原発事故や集団的自衛権などで、この曲を時代が新曲にしてしまう。
加川良さん「歌うたんびに新曲だと思えるんです。今は「集団的自衛権」というタイトルで歌ってます(笑)。歌詞は何も変えてません。「福島第1原発」というタイトルでもこのまま(当てはまるわけ)ですし。当時はベトナム戦争があってましたから反戦の歌だと思われがちですけど、ほんとは命の歌。生きているからこそ良き人と出会っていい時間を持てる」
「今、ヤバいなと思うのは戦争に行ったことがない、戦争を知らない人たちが政治を動かしている。僕らの小さい頃はまだ戦争を知ってる人がたくさんいた。戦争に行った人は皆、二度と戦争はするな、戦争は絶対やったらいかんと言った。今は戦争を知らない人が戦争やろうと言う、ような。それはお国のためというよりお金のためじゃないですか。でもね、この世界をつくったのは戦後生まれの僕ら。選挙で一人一人がちゃんと人を選ばないかんと思います…」。

※1991年の青森・六ヶ所村“いのちの祭り”に当時24歳の僕は大阪から向かった。初めて体験するテント持参の野外フェス。ライブを聴くだけじゃなく、アボリジニの楽器ディジリドゥを手に入れて練習したり、染め物のワークショップに参加したり、ジャニス・ジョプリンのTシャツを買ったり、何もかも新鮮だった。初日の夕暮れ時、丘の上の原っぱに腰掛け、120%リラックスしてライブを鑑賞していると、斜め後ろで同じように足を投げ出してのんびりライブを聴いているおじさんがいた。なんと、加川良さん(当時44歳、おじさんって書いたけど今の僕より若いじゃないか!)だった。おったまげてドギマギしてると、「どっから来たの?」「良い祭りだね」等々気さくに話しかけてきて下さり、ノートにサインして下さった。歌声の通り、本当に優しい方でした!哀悼の意を表します。
※追記…『教訓T』の後年のライブ動画があった。
※今回、岡林信康さんの『くそくらえ節』(7分24秒)、『がいこつの歌』(3分17秒)がYouTubeで見つけて仰天。昔、めちゃくちゃ探した発禁レコード。クリックひとつでこんな簡単に聴けるとは…!
●4月8日…政治学者ローレンス・ブリットがヒトラー(ドイツ)、ムッソリーニ(イタリア)、フランコ(スペイン)、ピノチェト(チリ)、スハルト(インドネシア)ら独裁者5人のファシズムを研究し、2003年に14項目の共通点を指摘。この『ファシズムの初期症候』は米ホロコースト記念博物館に展示されているとのこと。今の日本に当てはまりすぎて戦慄。

 
強情なナショナリズム/人権の軽視/団結のための敵国づくり/軍事の優先/性差別の横行/マスメディアのコントロール/国家の治安に対する執着/宗教と政治の癒着/企業の保護/労働者の抑圧/学問と芸術の軽視/犯罪の厳罰化への執着/身びいきの横行と腐敗/不正な選挙

//明日19時から大阪・通天閣そばの朝日劇場で、吉本ジョジョ芸人さんたちのジョジョライブ第2弾が開催されます!今年はジョジョ30周年、ファンとしてもいろいろ盛り上げていきたいですね。
●4月7日…尊敬していた作家が弱者の側に立たず二次加害者になっているWEB日記を見て、ショックで寝込みそう。もともと世の中のものを何でも茶化すのが氏のスタイルだし、騒動後「ぼくは戦争前から生きている人間だから、韓国の人たちをどれだけ日本人がひどいめに遭わせたかよく知っています」と記者に答えており(氏は82歳)、いわゆるネット右翼の悪態でないことは分かっている。だけど、それでも今回は少女像を性的対象にし、ここに書けないような酷い言葉で侮辱するのは一線を超えている。あの美しい作品、『時をかける少女』に触れる度に今回の発言を思い出すだろうし(それくらい破壊力がある)、ほんと辛いな…。

何度も言うけど、慰安婦の問題は、日本政府は「強制連行の有無」「どう連行したか」にこだわっているけど、世界で批判されているのはそこじゃなくて、「業者に騙されて慰安婦にされた女性を、どうして解放してあげなかったのか?なぜ自由を与えなかったのか?」であり、「本人の意思に反することを強要=奴隷状態」「行動の自由を与えないこと=強制連行」という認識で“強制連行された性奴隷”として問題にしている。被害者は今の高校生くらいの年齢だった女性も多く、軍が管理・募集している慰安所に連れて来られた以上、本来なら人道的措置として帰国のための旅費を負担してあげるのが人の道。きちんとこの辺のことをメディアが伝えないから、大型掲示板などでもセカンドレイプが終わらない。

元慰安婦の人が韓国社会でなかなか名乗り出ることが出来なかったのは、現在こそ元慰安婦に韓国の世論は同情的だけど、以前は「敵に抱かれた汚らわしい存在」として、猛烈な差別があったから。韓国は儒教社会で家のメンツが非常に重要。だから、一族に慰安婦がいることは恥ずべき事だった。多くの慰安婦が過去を秘密にして結婚しており、名乗り出られる訳がなかったんだ。
ところが日本の一部保守派が「慰安婦の強制連行なんてなかった」と言い始めたから、「私が証拠だ」とすべてを捨てて名乗り出た。親族から「一族の汚名になるからやめてくれ」という制止を振り切って、「日本が強制連行はないというなら、私の人生は何だったのだ」と。

証言をしたお婆さんの中には、韓国社会から“日本兵の慰み者”と差別されることを恐れるあまり、同情してもらうために戦時中の年齢を若く言ってしまったり、体験談に尾ヒレを付けて悲劇性を強調してしまった人もいる。その事情を無視して、日本の一部保守派は「嘘つきで信用できない」と切り捨てる。儒教社会の韓国で元慰安婦だったということを告白することがどれほど大変なことか分かっていない。僕は過去を語った元慰安婦を“勇気ある人”としてリスペクトしている。「少女像を撤去しろ」とか加害者の日本が指図することでさらに被害者を傷つけてて胸が痛い。“あの像は韓国が置いているのではなく、日本の強制連行否定派が置かせている”という共通認識が日本人全体に必要。自虐史観云々とは別次元の話。

※慰安婦問題については過去に徹底的に調べ込んで別ページを作ってます。タブー視されている日本人慰安婦にも触れており、未読の方は是非。
・「慰安婦問題は朝日新聞が最初に焚き付けた」→ウソ。読売新聞の方が先。詳細は上部リンクに。
・「河野談話は朝日のデマが原因」→ウソ。聞き取り調査や吉田報告と無関係。
・「強制した資料が見つからない」→ウソ。軍が廃棄しきれなかった関係資料は見つかっているし、河野談話の後も様々な資料が発掘されている。
・「慰安婦は高給だった」→話のすり替え。受け取ったお金は日本軍が現地通貨を廃して作った独自通貨=“軍票”であり、それはすべて敗戦と共に紙クズになった。しかも、この言い方ほど元慰安婦を侮辱するものはない。想像して欲しい。もしあなたが給仕や工員募集に応募したのに戦地へ連れて行かれ、性交を毎晩15〜20人も強要され(水木しげる氏は“80人”も目撃している)、「金をやるんだからいいだろ」と、札束で頬を叩かれる扱いを受けて納得できるのかと。
・「いつまで謝罪せねばならないのか」→開き直ってドヤ顔で二次加害する人間がいなくなるまで。
その他、別ページに全部まとめてます。
※慰安婦のことを勉強したい人は東京にある「女たちの戦争と平和資料館」(wam)に行かれることをお薦め。水曜から日曜のみ開館。昨年訪問していろいろ資料文献を購入しました。余談だけど、ここの職員の方がウチのサイトの「愛国リベラル近代史年表」をご存知で驚いた。オフ会以外であの年表を知っている人に出会ったのは初めて。
※2011年に「慰安婦問題はでっちあげ」の意見広告を賛同者として米紙に出した与野党の議員(すべて当時)
【自民党26名】安倍晋三(山口)、伊東良孝(北海道)、稲田朋美(福井)、金子恭之(熊本)、北村誠吾(長崎)、下村博文(東京)、新藤義孝(埼玉)、北村茂男(石川)、高市早苗(奈良)、竹本直一(大阪)、古屋圭司(岐阜)、松野博一(千葉)、山本有二(高知)、塚田一郎(参・新潟)、西田昌司(参・京都)、山谷えり子(参・比例)、山本順三(参・愛媛)、義家弘介(参・比例)、上野通子(参・栃木)、江藤晟一(参・比例)、岸宏一(参・山形)、岸信夫(参・山口)、有村有子(参・比例)、磯崎仁彦(参・香川)、熊谷大(参・宮城)、世耕弘成(参・和歌山)の26名。
【民主党(民進党)11名】柴崎正直(岐阜)、田村謙治(静岡)、花咲宏基(岡山)、福島伸享(茨城)、松原仁(東京)、三浦昇(山口)、向山好一(兵庫)、吉田泉(福島)、渡辺周(静岡)、金子洋一(神奈川/参)。長尾敬(大阪)は署名後に自民に鞍替え。計11名。野党もこの有り様。
この議員センセイたちになんと言えば目を覚ましてくれのか。「二次加害者」なんてヌルい言葉じゃなく、「あんたらは被害者から見れば二次強姦魔だ」ときつく言えば、少しはどんな酷いことをやったか考えてくれるのか。“日本人の誇りを取り戻すためにやった”と誇らしげな顔をしているが、世界の人権感覚からすれば、反省できない低モラルの国民と映り、日本人を貶めているだけ。
※森友学園事件や自衛隊PKOの日報廃棄事件でも分かるように、この現代でさえほんの1年前、ときには半年前の資料すら政権に都合が悪いと廃棄される。まして戦争終結時は徹底的に戦犯に不利になる資料は焼却されたわけで、それをもって「いくら探しても資料がない」とは被害者を馬鹿にというか、最悪の形で侮辱している。日本政府がイメージしている「銃を突き付けてトラックで強制連行」が実際にインドネシアで起きており(スマラン慰安所事件)、なぜ同様のことが他の地域で起こらなかったと断言できるのか。そういう狭義の強制連行が実際に軍命令で一度もなかったというなら、それを証明するためにもすべての資料を廃棄せず保存すべきだったんだ。「ここに当時の命令書はすべて保管してあり、どこにも軍命令の記載はない」と主張する為にも。なのに、徹底的に機密命令を燃やしたから、反論にまったく説得力がない。

//昼のニュースで米軍がシリア軍の空軍基地にトマホーク(巡航)ミサイル59発を叩き込んだと速報。その空軍基地から、3日前に子ども達を毒ガスで殺害した戦闘機が飛び立ったという。シリアでは2013年にも化学兵器で数百人が虐殺されたほか、他にも複数回化学兵器が市民に使用されてきた。トランプ大統領いわく「私はすべての文明国に対してシリアでの虐殺と流血の事態を終わらせるよう求める」「可愛い子どもさえ残酷に殺害された。どんな子どももこうした恐怖を味わうべきでない」「アサドの行動を変えさせる為の何年にもわたる取り組みは大きな失敗に終わった」「独裁者アサドは超えてはならぬ一線をいくつも超えた」。トランプ氏には複雑な感情を持っている僕だけど、シリアはアサドが君臨する限り悲劇が続くわけで、このトランプの呼びかけに同意…。ただし、主権国家(シリア)に対して他国がいきなりミサイルをブチ込むのはそれもまた国際法違反。国連決議も得ていない。そこに葛藤がある。

大きな懸念はロシアの出方。今回のサリン虐殺について、ロシアとアサドは「反政府軍の武器庫を爆撃したらそこに毒ガスがあった」と主張。攻撃前に米側からロシア側に事前通告し、ロシア人を避難させる配慮はあった。ロシアが冷静に対応してくれればいいが、事態の推移を注視。
※うーむ。日本で現地シリア人を支援しているパキスタン人男性「第三者の国がこういうふうに攻撃するのは賛成できない。結局、一般の人が犠牲になる。シリア人が平和的なやり方で解決した方が良い」。そう、本当はそれがベスト…。でも2011年に始まった内戦はもう6年目になり、状況は改善するどころかより酷く…。
※今回の攻撃で最も震え上がっているのは間違いなく金正恩。北朝鮮のミサイル実験もレッドラインを超えており、次にまた弾道ミサイルの実験をすればトマホークの雨が降る可能性があるからだ。おりしも今日は米中首脳会談。トランプは「中国が何もしないなら我々が解決する」と揺さぶりをかけている。理想的には中国が経済制裁で北朝鮮を締め上げて、金正恩を穏健路線に転じさせること。もし北朝鮮の核施設をミサイル攻撃して放射能汚染が起きれば、中国・韓国にも被害が出るためこのあたりは本当に難しい判断になってくる。
●4月6日…サンデー毎日に24年間も財務官僚を務めた民進党・岸本周平議員(60)の森友問題に関する話が載っていて、理財局内部を知る人物の言葉として紹介したい。
「明らかに大きな力が働いた。状況証拠は二つ。一つは、土地の評価を役人が自らやったこと(16年6月、国交省大阪航空局がゴミ撤去費として約8億円値引き)。これはあり得ない。土地の鑑定をなぜ第三者にやらせるか、それは役人が責任を取りたくないからだ。間違っていたら鑑定人を選んだ私が悪かったが、間違ったのは鑑定人だ、と言える。それを霞が関史上初めて役所が自分で評価した
「もう一つ、財務省も国交省も中央官庁がすべて籠池氏の要望に合わせ小学校の4月開校に間に合わせるよう一心不乱になって動いたことだ。役所と付き合えばわかるが、それもまたあり得ない不自然なことだ。僕らだったら1年延ばせと言う。官僚時代、実際にそういうことをやってきた」
「今度わかったことは、書類の保存期間について、役所が勝手に内規を作って、捨てていたことだ。これは国民が納得しない。税務署だって3年前の書類を引っ繰り返す。何で財務省は1年以内で捨ててしまうのか。法律で5年間保存しろとか、会計検査が終わるまで保存しろ、という制度改正にまで結び付けるべきだ」
あともう一人、若手の福島伸享議員(46)のコメントも問題の背景をきちんと指摘している。正直、民進の福島議員は野党議員なのに極右日本会議所属かつ米紙に元慰安婦への侮辱広告を掲載した二次加害者の一人だから人間性を疑ってるんだけど、今回のコメントは歴史の教訓に触れるなどまとも過ぎて驚いた。
「(森友事件の要因は複数あり、まずは)内閣人事局を中心にした霞が関官僚に対する官邸主導人事。小選挙区比例代表制の下での総裁への極度の権力集中。自民党内の人材不足。特に経世会、宏池会系の保守本流勢力が弱まった。それに野党第1党の民進党が悪いイメージを引きずったままきていること。ぽっかりとした権力の空白の中にできた構造であって、これは危険だと思う」
「一番深刻な点は、日本国家の中枢にある巨大官僚組織が、忖度(そんたく)とか首相のファミリーとか近しい人の意向で動き始めていることだ。しかも、それが一回動き始めると、首相が何の指示をしなくてもぐるぐると自動的に動く。学校建設のことで動くならまだいいが、別の話だったら怖い。(略)官僚機構がぐるぐるめぐりめぐって盧溝橋事件みたいなことが起こりうる」
「外で何か大事が起きた際、こういうガバナンス(統制)の仕組みの中で意思決定が行われたら、後世、後悔するようなことが起きかねないと思う。繰り返すが、先の大戦もそうだった。誰が始めたのかわからないまま、天皇陛下の実際の思いかどうかは別にして、その忖度の中で物事が進んで誰も責任を取らないまま終わった。それと同じようなことが、安倍政権の中で起きている、と言わざるを得ない」

//国会で安倍氏が「森友事件に私や妻が少しでも関わっていたら首相も議員もやめる」と啖呵を切っていた2月17日の衆院予算委員会の議事録が、自民の抵抗で国会HPに掲載されないという異常事態に。その後にあった籠池理事の証人喚問は既にアップされているのに、首相が追及された日付の議事録は他の日もまだアップされてない。こういうことをするから、ますます怪しまれる。自信があるなら堂々と公開せよ。

//シリアの化学兵器使用(状況から見て犯人はロシア支援のアサド政府軍)を受けての国連安保理の緊急会合、米英仏が提案した「シリアでの調査権限を国連に与える決議案」の採択について、ロシアが反対して採決は見送りに。マジでいい加減にしろプーチン!双子の赤ちゃんが毒ガスで死んでいる映像に何も感じないのか。イギリス代表「この残虐で無分別な攻撃を止めるだけのプランがロシアにあるのか。我々にはあるがロシアはアサドを守るために拒否した」。ロシアは代案を出せなかった。それなのに国連の現地調査に反対。狂った独裁政権を支持するプーチンに、いったいどうすれば考えを改めさせられるのか。
●4月5日…「今回の法律、共謀罪ほど拡大解釈ができる余地のある法律はない。法律が世の中の空気をがらっと一変させてしまうことがあると思う」(吉岡忍・日本ペンクラブ専務理事)
共謀罪(テロ等準備罪)はテロ対策と言いながら原案に“テロ”の文字がどこにもなかったように、明らかに国民から現体制、既得権益を守るためもの。『テロ等準備罪』の本丸はテロ等の“テロ”ではなく“等”。テロでなくとも、権力者に都合が悪いことは“等”に入ってしまい、軒並み弾圧される可能性がある。たとえ安倍政権が悪用しなくとも、別の政権が将来悪用しないという保証はない。
政府の答弁では何が“等”になるのか明確でないうえ、対象とされる罪が277項目もある。反原発運動や基地反対運動が、時の政府によって“企業活動を妨害”“公共の福祉に反する”と判断されれば、根こそぎ検挙されるおそれがあるし、この国の歴史の教訓は「権力者は必ずそれをやってくる」だ。LINE、メール、電話連絡でも“準備行為”と見なされて逮捕されることを政府は否定していない。

戦前に治安維持法ができたときも、「一般国民には関係ない」と言っていたのに、アッという間に内心の自由が奪われた。正確にいえば、国民自身が「こんな反政府的なことを言ったら、何か悪だくみを共謀していると思われかねない」と、自らお上に睨まれないよう“忖度(そんたく)”し、口をつぐんでいった。政府が手を下さなくとも、国民が自分たちから“自主規制”。日本人にはそういう簡単に萎縮する国民性があることを直視しないと。共謀罪は可決した翌日にいきなり社会が変わらなくとも、数年後には取り返しがつかなくなっている遅効性の毒物。
テロ対策は確かに重要だけど、すでに凶悪犯罪の準備などを処罰する予備罪・準備罪が約70あり、現行法で対応できる。先進国でトップクラスの治安の良さは、対応できている何よりの証拠。

政府は「犯罪の準備があって初めて適用するから心配するな」というが、条文は「資金又は物品の手配、関係場所の下見その他とあり、これほど恐ろしい“その他”はない。準備行為の定義が曖昧で、なんだって“テロ等の準備”にこじつけられる。ATMから生活費のために現金を引き出したときに、“それは○○の抗議運動に参加する交通費も入ってるだろう”と犯罪準備に認定されてしまう。大袈裟ではなく、条文はその解釈を可能にする文言になっている。著作権法までテロ等準備の適用対象になっている異常。

また共謀の有無を事前に知るために、幅広く電話の盗聴、メールの監視なども容認され、当然ながら密告推奨の雰囲気作りも出てくるだろう。社会が萎縮し、空気が一変する。非民主主義の中国や北朝鮮の脅威に備えるために、自分たちが中国・北朝鮮化するという本末転倒な世に。政権に都合の悪い人物に対しての、第三者の証言による身に覚えのない逮捕、冤罪の多発も容易に想像できる。

念押し。共謀罪はテロから国民を守るものではなく、支配システムを国民から守るためのもの。この先、格差社会の歪みがあちこちで噴出し、怒った国民が「1%の富裕層のための政治でなく、99%の庶民のための政治を」と叫んで立ち上がろうとした時に、速やかに不満分子を検挙・弾圧し、猛威を振るう法律。被害妄想とかじゃなく、共謀罪立件の口実として、それを可能にしているから問題に。拡大解釈につぐ拡大解釈は戦前から政府の得意技。絶対に成立させてはいけない。

※過去に3度廃案になった共謀罪法案でも、政府は「対象となるのは組織的犯罪集団に限られる」と説明してきた。公明の国対委員長までが「今回は団体の要件を厳格化したからこれまでとは違う」と事実と異なる説明をし、国民を誤った理解に導いている。
※そもそも、いくら「一般人が対象になることはあり得ない」「自然保護運動の座り込みが処罰対象になることはない」と答弁されても、一般人かそうでないのかを決めるのは権力側だし、自然保護運動が罰則の適用外という条文がどこにもないので、何の保証にもならない。憲法学者の9割以上が違憲と訴えてきた集団的自衛権の行使を閣議決定で簡単に容認し、目的のためなら積み上げてきた長年の憲法解釈を無視する。そんな政府をどう信頼せよというのか。
※安倍氏が「国際的に加盟していない先進国はわずか」と主張している“TOC条約(国際組織犯罪防止条約)”は、元々イタリア・マフィアのマネーロンダリング防止のための国際法で、テロ対策とはまったく無関係。共謀罪の適用を山口組など広域指定暴力団に限定していない時点でおかしい。
※しかも政府はこういうときだけ国際法の履行を主張するが、世界では常識になっている人種差別禁止法の罰則規定を批准していないし、労働法の分野は特に酷い。
国際労働機関(ILO)の第一号条約(1919年採択)は「労働時間は1日8時間」と定めている。残業を求める条件は厳しく、 「3週間の平均が1日8時間を超えてはならない」としている。つまり月曜に2時間残業させたら、火曜〜金曜のどこかで2時間早退させねばならない。日本のように長時間かつ恒常的な残業は固く禁じられている。これは第一号条約であり、基本中の基本だ。
だが、日本は98年も前に採択されたこの条約を批准していない。 同条約だけではない。ILOが採択した労働時間に関する条約約10本のすべてを日本は未批准だ。ILOの元理事、中嶋滋氏いわく「一本も批准していない先進国は珍しく、日本も早く批准すべきだという国際的な圧力がある」「もしも批准をしたら即、実態が条約違反に問われてしまう。批准しないのではなく、できないと言った方が正しい」。


//国内の文筆家約1800人で構成される日本ペンクラブ(会長・浅田次郎)。同団体が出している声明 『共謀罪に反対する』を以下に紹介。

→“共謀罪によってあなたの生活は監視され、共謀罪によってあなたがテロリストに仕立てられる。私たちは共謀罪の新設に反対します”
  私たち日本ペンクラブは、いま国会で審議が進む「共謀罪(「テロ等組織犯罪準備罪」)」の新設に強く反対する。過去の法案に対しても、全く不要であるばかりか、社会の基盤を壊すものとして私たちは反対してきたが、法案の本質が全く変わらない以上、その姿勢に微塵の違いもない。
過去に3度国会に上程され、いずれも廃案となった法案同様、いま準備されている共謀罪は、事前に相談すると見なされただけでも処罰するとしている。これは、人の心の中に手を突っ込み、憲法で絶対的に保障されている「内心の自由(思想信条の自由)」を侵害するものに他ならない。結果として、表現の自由、集会・結社の自由など自分の意思を表明する、あるいは表明しない自由が根本から奪われてしまう。
  しかも、現行法で、十分なテロ対策が可能であるにもかかわらず、共謀罪を新設しなければ東京オリンピックを開催できないというのは、オリンピックを人質にとった詭弁であり、オリンピックの政治的利用である。
  このような法案を強引に成立させようとする政府の姿勢を許すわけにはいかない。法案の成立を断固阻止すべきである。  2017年2月15日会長浅田次郎(リンク
●4月4日…シリア・アサド軍(政府軍)が市街地にサリンとみられる化学兵器を撃ち込み、赤ちゃんや子どもを含む100人以上が死亡。こんな残酷なことが2017年の現代に起きるのかと愕然。報道ではアサド軍を支援しているロシア軍の可能性もあるとのこと。安倍氏はプーチンとの蜜月ぶりをアピールしているけど、言うべき事は言わないと。
/一方、そのロシアでもペテルブルクの地下鉄が自爆テロの標的となり14名が犠牲に。大半が通学中の若者という。そして自爆したイスラム過激派と思われる犯人も22歳の歳の青年。まったくやり切れない。
●4月3日…仕事中に流す音楽を探していて、ブリジット・エンゲラーという59歳で他界したチュニジア出身のピアニストのことを初めて知った。この人が弾くショパンの『ノクターン(夜想曲)』、テンポもタッチもめちゃくちゃ好み。全曲をアップ(116分)してくれた異国の人に感謝。
●4月2日…1997年にネットの無料図書館として、著作権フリーになった文学作品を有志が手打ち入力してスタートした“青空文庫”。今年で20周年になり、その収録作品が1万4千冊を超えた。日本の法律では著作権が50年で消えるけど、もしもTPPに加入していたら70年に延期されていたので大ダメージだった。絶版になった文学作品が読めるという点でも青空文庫は貴重。20周年、おめでとうございます!

/宮沢賢治の著作は生前に2冊(各1000部)しか出版されておらず、『銀河鉄道の夜』『風の又三郎』『セロ弾きのゴーシュ』といった代表作は死後に発見された。でも、中原中也や草野心平など同時代の一部の詩人は、賢治が使う言葉の響きに、唯一無二の詩才を見抜いていた。童話集『注文の多い料理店』の序文とかホント良いので以下に一部を紹介。
→わたしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも、きれいにすきとおった風をたべ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。
またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、いちばんすばらしいびろうどや羅紗や、宝石いりのきものに、かわっているのをたびたび見ました。
わたくしは、そういうきれいなたべものやきものをすきです。
これらのわたくしのおはなしは、みんな林や野はらや鉄道線路やらで、虹や月あかりからもらってきたのです。
ほんとうに、かしわばやしの青い夕方を、ひとりで通りかかったり、十一月の山の風のなかに、ふるえながら立ったりしますと、もうどうしてもこんな気がしてしかたないのです。ほんとうにもう、どうしてもこんなことがあるようでしかたないということを、わたくしはそのとおり書いたまでです。
(中略)わたくしは、これらのちいさなものがたりの幾きれかが、おしまい、あなたのすきとおったほんとうのたべものになることを、どんなにねがうかわかりません。
※賢治がこう書いて紹介した9つの童話は「どんぐりと山猫」「狼森と笊森、盗森(おいのもりとざるもり、ぬすともり)」「注文の多い料理店」「烏の北斗七星」「水仙月の四日」「山男の四月」「かしわばやしの夜」「月夜のでんしんばしら」「鹿踊りのはじまり」。すべて青空文庫で読める。
●4月1日…フィンランド・ヘルシンキで開催されたフィギュアスケート世界選手権で、羽生結弦選手と宇野昌磨選手が金銀制覇!羽生選手はフリーで4種類の4回転ジャンプを全部成功させ、自己記録を更新する歴代記録最高の223点を叩き出し合計321・59点で逆転優勝!3年ぶり2度目の世界王者!今季5試合の全てで失敗していた"鬼門"の4回転サルコー+3回転トウループの成功は見ていて思わず歓声。着氷の美しさもハンパなく、スケート史で語り継がれるであろう完全試合。おめでとう!
※Dailymotionでこの動画(海外版)が見られます!永久保存版!(スケート動画は削除されやすいので視聴は早めに。権利問題を超えて、こういう伝説の演技はいつでも誰でも見られるよう、スケート連盟が公式サイトにアップして欲しい)
●3月31日…桶狭間の今川義元討死シーン全カットに怒髪天だった『おんな城主 直虎』だけど、前回めっちゃグッとくるセリフがあった。
「己を責めたとて死んだ者は帰らぬ。じゃが、生きておる者は死んだ者を、己の中で生かすことが出来る。例えば、偲ぶことで。例えば、習うことで。時には習わぬことで」(おんな城主 直虎/第12話)
偲ぶことは僕が墓マイラーを続ける理由だし、習うことは故人の生きる姿勢が勇気に繋がる。習わぬことは先人の過ちを繰り返さぬこと。こういうセリフが出てくるなら侮れない。
/子どもが見ていた録画アニメを「ちょっと待った!」と一時停止、メモらせてもらった→「トップヒーローは学生時から逸話を残している。彼らの多くが話をこう結ぶ。“考えるより先に体が動いていた”と」(僕のヒーローアカデミア/ヒーローノート)
●3月30日…この1枚の写真はすごいインパクトがあるな…。昨日の日記に日本政府が核兵器禁止条約に“反対”したことを書いた。その後、NYの国連本部で条約制定交渉会議が始まったけど、日本代表の席はやはり空席。そこでスペインのNGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」が“白い折り鶴”を置き、翼の部分に「wish you were here(あなたがここにいてくれたら)」とメッセージを記した。
そもそも、折り鶴は平和と核廃絶への願いの象徴として、日本が各国に発信してきたもの。特に、広島で被爆し12歳で白血病のため亡くなった佐々木禎子さんが闘病中に作った折り鶴は海外でもよく知られている。その折り鶴を、海外の人が折り、日本代表の席に置いている!僕は日本人として恥ずかしくなった。
先のNGOのメンバーは「日本の参加を重視している」「日本が来て、折り鶴が寂しい思いをしないよう連れ帰ってほしい」と声明を出している。だが、日本の政治家は与党だけでなく、野党も反応が薄い。政治家はこの写真を見ても何も感じないのか。米国の意向をときに“忖度(そんたく)”する必要性も分かるけど、こと核廃絶に関しては日本は絶対にあらゆる動きに参加するべきだろう。どうしても国家間のしがらみで賛成が厳しいなら、最悪採決で棄権すれば良い、せめて交渉会議に参加して核兵器の恐ろしさ、非人道性を訴えてくれ。それは日本にしか出来ない役割なんだ。参加国と非参加国の橋渡し役になってくれ。

  
空席の日本代表の席に白い折り鶴。ピュリッツァー賞をとってもおかしくない一枚

//先日のBS『N響 in ベルリン』で指揮者パーヴォ・ヤルヴィが語ったマーラー観を思わずメモ。「マーラーの交響曲第6番“悲劇的”はすべての奏者が限界に挑戦する。奏者だけでなく、指揮者、そして聴衆をも追い込む作品です」。我が意を得たりというか、まさにその“追い込まれ感”がマーラーを聴く快感になっているので、“そう、それよ、それ!”と嬉しかった。
●3月29日…化学兵器や対人地雷はあまりに非人道的として国際条約で製造・所持が禁止されている。ならば、非人道性の最たる兵器である核兵器が禁じられていないのはおかしい。近年、国連では核兵器の非所持国が力を合わせて核兵器禁止条約の成立を目指しており、“唯一の被爆国”である日本は本来ならその先頭に立つべきだ。ところが、核大国アメリカに気をつかい、こともあろうか核兵器禁止条約に反対し、昨日は交渉にすら参加しないことを表明!
日本政府は「核所持国が同意しなければ意味がなく、まずは罰則のない緩やかな条約を結ぶべき」という立場。わかっていない。広島が初めて核攻撃されてから72年も経っている。もうこれまでさんざん非核国は核保有国が自ら核を廃絶するのを待ち続けてきた。ところが核軍縮は遅々として進まぬばかりか、核保有国は増える一方だ。もはや、核保有国の理性に任せていては100年経っても廃絶できないと、世界の圧倒的多数である非核国が立ち上がろうとしているんだ。安倍政権は国民世論を調査することもなく、勝手に核兵器禁止条約に反対しているが、それが日本人の総意とは到底思えない。
本来なら、この一件をもって選挙で信を問うべき内容だ。ほんと、カンカンなんですけど。首相は野党の声に全く耳を傾けないので、公明党には連立解消を迫ってでも条約成立を政権に訴えかけて欲しい。マジで。

/上記の件、今朝の朝日社説がよくまとまっているので紹介
もはや日本政府が「被爆国として、核兵器廃絶に向けて世界をリードする」と言っても説得力はなくなった。広島、長崎の被爆者はもちろん、多くの国民の思いを裏切る行為だ。核兵器禁止条約の制定に向け、国連本部で開幕した最初の交渉会議で、日本の政府代表は不参加を表明した。100以上の非核保有国が参加する一方、米国、ロシア、中国などの核保有国や北朝鮮はボイコットした。
核兵器を「非人道的」とし、使用や保有を法的に禁じるのが交渉の目的だ。岸田文雄外相は不参加の理由について「核保有国と非核保有国の対立を深め、逆効果になりかねない」と述べたが、理解に苦しむ。
被爆国であり、米国の核の傘の下にある日本は、非核保有国と核保有国の「橋渡し役」を自任してきた。対立が深まっている今こそ溝を埋める役割は重要だ。核保有国と足並みをそろえる形で不参加を表明するとは、責任放棄もはなはだしい
核保有国は、核の抑止力に頼る安全保障政策が脅かされるとして、禁止条約に強く反対してきた。米国の大使は、会議場のすぐ外で約20カ国の代表とともに抗議会見を開いた。この反発ぶりは、禁止条約の必要性を逆に示したようにも思える
核兵器の非人道性を、核保有国の指導者はまず理解すべきだ。どの核保有国も状況次第で核を使う可能性を否定していない。条約ができれば、核の使用は国際犯罪になる。トランプ米大統領は「他国が核を持つなら、我々はトップになる」と発言し、核戦力の増強に意欲的だ。北朝鮮は核・ミサイル開発で挑発を繰り返す。「核を使ってはならない」と条約で明示すれば、こうした動きへの強い歯止めにもなろう。
岸田外相は、日本周辺の安全保障環境の厳しさも不参加の理由に挙げた。北朝鮮の脅威に加え、中国も軍拡路線をひた走るなか、禁止条約は米国の核の傘を損ね、望ましくないとの考えは、政府内に強い。確かに核軍縮は、地域の安定を崩さないよう注意深く進める必要がある。だからこそ日本は交渉に加わり、核の傘からの脱却は後回しにすることを認めるなど、より多くの国が賛同できる条約をめざして意見を述べるべきではなかったか。
オーストリアやメキシコなどの非核保有国は、7月までに条約案をまとめる意向だ。今ならまだ間に合う。日本政府は交渉の場にただちに参加すべきだ。

〔追記〕NHKニュースから抜粋
・広島市出身の被爆者「怒りを感じる」
日本が交渉に参加しないという方針を表明したことについて、国連などの場で核兵器廃絶を訴えてきた広島市出身の被爆者、サーロー節子さんは「日本は核軍縮に貢献していると話していたが、肝心なところを行っていない。北朝鮮の問題もあり、政治的な環境が整わないため、核兵器禁止条約は非現実的だと言っていたが、これまで完全に政治的な環境が整ったときはないし、おそらくこれからもない。それを待っていたら、いつまでたっても平和の話を進めることはできない。怒りを感じる」と述べ、日本の対応を批判しました。
・日本被団協「被爆者の期待と全く逆」
日本が交渉に参加しないという方針を表明したことについて、被爆者の代表として国連で演説を行った日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会の藤森俊希事務局次長は「日本政府はこれまで唯一の戦争被爆国という枕言葉をよく使ってきたが、その唯一の戦争被爆国は私たち被爆者が期待することと全く逆のことをしており、賛同できるものではない。日本政府は世界各国から理解が得られるよう、核兵器廃絶の先頭に立つべきだ」と述べ、日本政府の対応を批判しました。
・国際的なNGO「核保有国に失望」
ICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンのベアトリス・フィン事務局長は化学兵器やクラスター爆弾が国際法で禁止されたことを例に挙げながら、「まず核兵器を法的に禁止し、国際社会が拒絶する意思を示すことで廃絶が可能になる。核攻撃による影響は、国境を越えてすべての人に影響を及ぼす。禁止することで安全保障が達成される」と述べ交渉の意義を強調しました。

/先月は先月で、日本政府は国連の「平和に生きる権利」宣言にも反対してるんだぜ…。理由はこの宣言が生まれた背景がイラク戦争で多数の市民が犠牲になったことだから。で、有志連合に気を遣ってとのこと。この宣言に131カ国が賛成しているのに、反対した米英ら34カ国に加わった。100歩譲って棄権だろ。反対票なんて優先順位がおかしい。
日本政府が反対した「平和の権利宣言」の内容→
・第1条「すべての人は、すべての人権が保障され、発展が実現するような平和を享受する権利を有する」
・第2条「国家は、平等、正義および法の支配を尊重し、平和を構築する手段として恐怖と欠乏からの自由を保障すべき」
・第3条「国家、国連は、この宣言を実施するために適切で持続可能な手段を取るべき。市民社会は支援を奨励される」
・第4条「寛容、対話、連帯の精神を強化するため、国際・国家機関による平和教育が促進される」
・第5条「この宣言は、国連憲章、世界人権宣言および国際・地域文書に沿って理解される」
※発起人はスペインのNGO。「平和に対する人権規定を作って戦争に歯止めをかけたい」という動機。
●3月28日…住民目線の大津地裁が一年間運転差し止めさせてた高浜原発を、大阪高裁が再稼働OKとゴーサインを出しやがった。あのなあ!大阪高裁は「事故対策は十分」と言ってるけど、そこだけが問題じゃないんよ。再稼働で出る猛毒の放射性廃棄物はどうするんだって!地震大国の日本の、いったいどこに10万年も保管する場所があるというのか。いま現在、原発の電気を使っている人間は100年後には殆ど生きていないのに、自分が死んだ後も10万年も生物の生命を危険にさらす危険物質をこれ以上増やすなと。子孫たちに何の恨みがあってこんな猛毒を地中に遺すのか。今さえ良ければ、自分たちさえ良ければ、この100年さえ良ければあとの9万9900年はどうなっても良いという価値観で恥ずかしくないのか。無責任体質、ここに極めれり。狂気の世界。
※僕はとっくに関電との契約を解除している。

//次回最終回の『ガンダム 鉄血のオルフェンズ』、見てない人はED曲『フリージア』を聴いても平常心を保てるだろうけど、ラストに向け登場人物が次々と倒れ、サビを聴くと涙腺がガチでヤバイ…。敵も味方も哀しい運命の奴ばかり。オルガァアアア!
●3月27日…栃木で大きな雪崩事故。もしも雪崩に巻き込まれてしまったら、“雪の中をとにかくもがいて浮かび上がる偶然にかけろ”という人と、“伏せて丸まれ”という人がいる。後者の理由は(1)頭部の保護(2)顔前の空間確保(3)気絶時の凍傷による手足の損失防止。暴れるべきか、丸まるべきか。

//一昨日のTBS『報道特集』は、証人喚問後の籠池理事の最新独占インタビューを流し、なかなか見応えがあった。個人的には「(運動会の宣誓で)安保法制の時に“安倍首相頑張れ”と言わせたのは行き過ぎだったし反省している」という、教育内容への悔悟の言葉を聞けたこと、「安倍政権は大企業主義。消費税にしろ、虐げられた弱者のことについて力を込めていない気がする」という、安倍政権は保守ですらなく、ただの新自由主義内閣と語ってくれたのが良かった。
最後に言った「保守政権に対して反抗するつもりはなかった。その中(保守)にずっといれば安泰した生活が送れていたし、そこそこの立場も維持できたとは思うが、やはり“トカゲのしっぽ切り”になるのはいけないと思う」が印象に残った。
番組内で「公文書管理委員会」委員長代理の三宅弘弁護士が指摘していたこと、とても重要なので以下に書き出し。ほんと、財務省・近畿財務局が森友学園との交渉記録、面会記録をすべて破棄したのは大問題。
→「8億も下げたら会計検査院の対象になるのは分かりきっており、最低5年間は記録を保存する義務がある。故意に交渉記録を廃棄していたら刑法の公用文書等毀棄罪に該当。故意でないとしても公文書管理法違反。事態は重く、国会で笑いながら審議して貰うような話ではない。意思形成過程の文書を残そうという認識が政府全体で欠けている。ハッキリ言って理財局長の首が飛ぶ問題。自分たちが作った法律をちゃんと守らねば、戦前に情報隠ししたのと同じ様なことが起きてしまう危惧を持っている」。
※報道特集動画(24分)のアップ主さんに感謝。このアップ主さん、貴重なニュースを大量に保存しているなぁ。

//そしてまさか、あのウルトラ右翼・田母神氏のツイートを肯定的に紹介する日が来ようとは。氏の昨日の投稿→「南スーダンの日報問題で陸自が隠ぺいしたとか自衛隊に嫌疑がかけられているが陸自が隠ぺいして陸自に何の利益があるのか。南スーダンになんか行きたい自衛官はいない。戦闘があったら自衛隊は直ちに公表したいのだ。戦闘があったら撤退しなければならない。政治的事情がそれを隠ぺいしたのだと思う。」
●3月27日…花粉症で何が辛いって、クシャミするたびに腰に激痛が走ることですわ。腹筋に思い切り力を入れてクシャミしないと、腰が骨折するかと思われ。
●3月26日…優勝の涙。「泣かないと決めていたけど、すみません」(稀勢の里)。大相撲春場所、ケガをおして出場した横綱稀勢の里が逆転優勝、中継を観ていてウルッときた。すごい千秋楽だった。稀勢の里ありがとう。
●3月24日…NHK朝ドラ『べっぴんさん』、BGMがあまりに素晴らしいのでサントラを購入してしまった(ama)。ミスチルの主題歌の方ではなく“BGM”。朝ドラのサントラなんて初めて買った!メロディーラインが美しく、細かくリズムが反復するミニマル・ミュージックは実に心地良い。作曲者は世武裕子(せぶ ひろこ)さん。仏の音楽院・映画音楽学科を首席で卒業し、「ベティ・ブルー」「ラマン」で音楽を担当した“あの”ガブリエル・ヤレドに師事。1983年生というからまだ34歳。シンガーソングライターでもあり、sebuhiroko名義で活動している。しっとりした声質が良い。えらい才能の人が現れたなぁ。
/『あまちゃん』『あさが来た』『とと姉ちゃん』と、テンポ良く展開する明るい朝ドラが続いてきたけど、『べっぴんさん』は地味に物語が進行。最初は内気で煮え切らない主人公に面食らったし、このペースに慣れるまで3週間くらいかかったけど、今は役者さんが演じる、何でもない日常生活シーンに癒やされるほど激ハマり(特にノリオさん)。カメラマン、演出家が光を効果的に使っており、映画のように凝った画面がよく登場する。セリフより沈黙で感情を伝える場面も多い。物語がゆっくり進む分、各シーンの余韻を味わっている。主演の芳根京子さんは撮影当時19歳だけど、物語後半に入ってから子持ちの中年にしか見えず、改めて役者さんというのは凄いなぁと。日々のささやかな楽しみの15分間。来週で最終回。

//民間人の籠池理事が嘘をつけば偽証罪を問われる「証人喚問」で、公人の迫田英典・前理財局長、武内良樹・近畿財務局長が嘘をついても罰せられない「参考人招致」っておかしいだろ…。首相夫妻が関与してないなら、点数稼ぎをして出世したい官僚の仕業で確定なんだから、官僚の証人喚問は必須。
●3月23日…森友学園・籠池理事の証人喚問。
参院予算委証人喚問 9:55〜11:54(NHKとTBSのみ生中継)
衆院予算委証人喚問 14:30〜17:05
/とにもかくにも、無事に国会に到着(9:40)。命が心配だった。
/冒頭の10分が特に重要、籠池理事の自由発言タイム。
/「首相から100万円寄付があった」と言い切った!(10:11)
/僕と異なる歴史観、洗脳に近い幼児教育、助成金詐欺疑惑、いろいろあるけど、右派から孤立無援という状態で、毅然と陳述する籠池理事に胸を打たれる部分あり(10:23)
/質問者の自民・西田昌司議員、問題の発端となった国有地の格安払下げにここまで一言も触れず(10:55)→籠池理事「あなたの質問はまったく的外れ」に議場から笑い。
問題の本質は土地取引と学校認可。これに答えられるのは籠池理事ではなく官僚と松井大阪知事。
●3月21日…3月18日、ロックンロール創始者の1人で、特徴的なギターリフやダックウォークで知られるチャック・ベリーが老衰で他界。享年90。ロック界の伝説であり最初期のギター・ヒーローだった。「ジョニー・B・グッド」「ロックンロール・ミュージック」を大ヒットさせた。ジョン・レノン「ロックンロールに別の名前を付けるなら“チャック・ベリー”だ」。
●3月18日…名古屋の『ゴッホとゴーギャン展』や親族のお祝いなどで東海、信州に行くため次回の更新は3月21日になります!

//本日発売のクラシック専門誌『音楽の友』4月号(ama)にて、音楽家の墓巡礼記の連載開始です!初回はベートーヴェン御大!次号はショパンを取り上げ、予定では全24回になります。嗚呼、音楽の友!クラシック・ファンなら誰もが知っている老舗の専門誌(創立75周年!)。高校時代、吹奏楽部の部室で読み耽ったもの。4月号は小林研一郎さんが表紙であり、20代の頃にコバケンさんの指揮で『第九』やマーラー『復活』を歌った記憶が鮮やかに甦った。“聖地”に原稿が書けるなんて歓喜爆発、失神寸前。心を込めて毎号熱筆します!
 
表紙の一番上に“墓マイラー・カジポン「世界音楽家巡礼記」”!来たよ、来たよ、キタコレだよ!

//NHKの大スクープ、陸自の内部告発で判明したPKO日報のデータ消去、これは思想の右も左も関係なく、マジで大変なこと。
●3月17日…今週水曜(15日)に発売された『週刊実話 3/30号』(ama)の巻頭近くにフルカラー6ページで世界の偉人の墓を紹介しています!また今月刊行された『関西の寺あそび』(エルマガジン社/ama)には2ページのインタビュー記事が掲載されています。
『週刊実話』は今回が第5弾。僕の原稿の前は大量のヌード・ピンナップ、原稿の後は山口組の分裂ドキュメント。エロとバイオレンスの狭間に、シェイクスピア、ドストエフスキー、ミケランジェロ、コペルニクス、ニュートン、カール・マルクス、アンネ・フランク、マイルス・デイビス、フェリーニ、モーツァルなど21人の墓レポートが炸裂。同誌は8割がHな記事ゆえ立ち読みのハードルは高いですが、今回の偉人ラインナップは最強の布陣なので、読む機会があれば是非!墓マイラー・コーナーは明らかに“浮いている”し、読者のニーズがあるのか分からないのに、5回も掲載してくれた実話の編集部に感謝です。
『関西の寺あそび』はオールカラーで関西一円の名寺や美しい仏像を紹介しており、写真集としても成立する良本。情報誌エルマガは学生時代によく読んでいたので、同社と仕事が出来て胸熱。
偉人墓の掲載号の「週刊実話」と、
古寺仏像ガイドの「関西の寺あそび」
「実話」編集部は故人の肖像画&肖像写真を
用意してくれたので、グッと墓にも存在感が

//先月末にオンエアされたV6司会のTBS『アメージパング!』にビデオ出演し、ルーマニアの世界一“陽気な墓”について解説しました。関西では放送されておらず未見だったのですが、局の人が録画ディスクを送ってくれたので視聴。岡田准一さんとワイプ画面で競演していた!うおお!

//“限りなくクロ”の物証が急遽公開された。首相の否定をくつがえす“100万円の寄付金”の入金控え(振替払込請求書兼受領証)。入金日、金額、いったん籠池氏が“安倍晋三”と書いたのを修正液で消して森友学園と書きかえたという証言、すべてが合致している。ついにここまで。
〔追記〕民進が公式ツイッターで「寄付金を渡した」という見解を取り消しており、うかつにリンク先の情報を真実と言うのは危険な気もしてきた…。ただ、時系列として、こういうことがあったという記録のため、削除せずに残しておこう。
〔追記2〕今夜、菅野氏らジャーナリストたちがネット生中継で籠池理事の娘さんに電話取材した。やっぱ100万の受け渡しはあったと思う。細部が具体的過ぎるし不自然じゃない。こういうリアルタイムの取材を誰でも家で見られるって、すごい時代になったな。
●3月16日…今夕、森友学園の籠池理事の自宅で、籠池氏、社民・福島瑞穂議員、共産・小池晃議員、自由・森ゆうこ議員の4人が並んでカメラに収まっていた光景に仰天した。なんちゅう非現実的な空間。僕が森友学園問題について最初に日記で触れたのは2月12日。その時は、1カ月後にこんな展開になるとは夢にも思わなかった。現実が想像のはるか斜め上を行ってる。
/本日午後、生中継の最中、籠池理事が「安倍首相から寄付金があった」と証言。他局がドラマ再放送とかしているなか、フジテレビ『グッディ!』が間近でその声を拾った。よくぞ中継した!(中継時に背後で絶叫し続けてた元在特会大阪支部長のレイシスト女性にドン引き…)。フジはテレ朝やTBS以上に長時間この問題を扱っている。
首相から寄付金100万を受けたのは2015年9月5日、例の昭恵夫人の2時間に及ぶ校長就任講演の日だ。これが本当なら、寄付が違法でなくとも、「私や妻が小学校設立に関わっていたら議員辞職する」と宣言した安倍首相はチェックメイトに。
→ついに国会証人喚問が決定。3月23日に予算委員会で実施。証人喚問は参考人招致と異なり、偽証には罰則がある。いよいよ核心に迫るか。それまで籠池理事は何としても身の安全を。籠池理事は既に「日本会議」のバッジを外している(このブログ、犬猿の仲だった籠池理事と菅野氏の対面を間近でレポートしており実に興味深い)。
●3月15日…「保守の人は誰も助けに来なかった」「しっぽ切りはやめて頂きたい」(籠池理事)、この“日本会議”一派に裏切られたという絶望が、怒りに転じたということか。今日、籠池理事がわざわざ上京して、氏にとってはこれまで宿敵だったジャーナリスト菅野完氏の自宅へ。菅野氏いわく「内閣が2つくらい吹っ飛ぶ話を聞いた」。
これまで森友学園と籠池理事の教育方針を、安倍首相、稲田大臣の他に、ウルトラ保守の竹田恒泰、百田尚樹、青山繁晴、櫻井よしこ、田母神俊雄、曽野綾子、平沼赳夫、渡部昇一、中山成彬らは「素晴らしい」「真の日本人」と持ち上げてきた。ところが、ピンチなると「名前を勝手に使われた」「利用された」「会った記憶がない」「私は被害者」と、唖然とする手の平返し。
まったく保守界隈を信頼できなくなった籠池理事が最後に頼ったのは、ずっと自分を批判してきたジャーナリストという…。僕は歴史認識が籠池理事と正反対だし、児童虐待は容認できないけど、この裏切りのオンパレードには同情してしまう。
菅野氏は“本当の悪党”として、国税庁長官の迫田氏、大阪府の松井知事を名指ししている。そして籠池理事がマスコミの独占インタビューを受ける条件として、「迫田国税庁長官のコメントをとってくる事」とした。これはなかなか痛快で、役人側の本丸とされているのに、マスコミが怖じけついて何もしないことへの痛烈なパンチだ。一体、明日がどうなるのかも読めない。

“安倍記念小学校”と名付け、昭恵夫人を名誉校長に
迎えるほど安倍夫妻に心酔していた籠池理事。
それなのに「非常にしつこい」「教育者としていかがな
ものか」と国会で断罪され衝撃を受けただろう…
籠池理事「今回は保守の人は
誰も助けに来なかった」(動画元
●3月14日…これまで森友学園事件を最前線で取材&籠池理事を猛批判してきたジャーナリストの菅野完氏と、記者会見で菅野氏に立ち上がって激怒していた籠池理事が急接近、独占インタビューがネットにアップされる事態に。この急展開はまったく予想していなかった。仰天。
菅野氏のツイートは次のように変化した。
〔インタビュー前〕
・「籠池ファミリーが繰り返した「新左翼と共産党と朝日新聞が結託して、開校を阻止した」フレーズが、もう、ツボでツボでしゃーない。どんな並行世界の話なんだよw」
・「稲田朋美が、籠池のオッサンとの繋がりを必死に否定するのは、稲田朋美の実父・椿原の存在を否定したいから。 椿原は、チャンネル桜の関係者だし、関西保守運動の有名人だし、父親が関西保守運動の有名人だから、稲田は選挙に出てた。ここをつかれると、ガチで政権の基盤が揺らぐ」
〔インタビュー後〕
・「しかしこれ、籠池理事長が、何らかの容疑で、逮捕拘留されるんやったら、俺は今度は、籠池側に立って、徹底的に、行政の腐った連中の名前、バイネームであげて、全部書くぞ?悪いけど俺は、昨夜、全部聞いた。全部聞いた以上、籠池のおっさんとおばはんパクっても、おんなじことやで?」
・「籠池理事長との会話の記録も、インタビューの裏どり資料として入手した資料も、もう、バックアップもとってあるし、太平洋の向こう側もふくめたあちこちに撒いたし、どないなっても、大丈夫。塚本幼稚園の虐待疑惑を告発したのと同じ勢いと同じ手法で、行政側の悪い奴、全部晒したる。」
・「籠池理事長VS保護者&子供 って話なら、僕は、保護者と子供の側に立って、籠池理事長に「どやねん!」って言い続ける。 役所&政治家VS籠池理事長 って話なら、僕は、籠池理事長側に立って、役所&政治家に「どやねん!」って言い続ける。」
・「民進党の国会議員の連中は、どいつもこいつも揃いも揃って、クソばっかりやな。ネタくれネタくれってうるさいねん。お前ら自分で調べろよ。自分の足使えよ。頭使えよ。そんなんが野党やから、安倍みたいなのがのさばるんや。アホちゃうか。テレビ局よりウザい。」
・「民進党のガバナンスのなってなさ、頭の悪さ、センスの悪さは、野田が幹事長しとる段階で明らか」
「籠池の家の前にカメラマンを24時間貼り付けるリソースあるんやったら、あの土地取引の時に理財局長やった迫田の家の前にカメラマン貼り付けたほうがいい。まあ、いま、あいつ国税庁長官やから、メディアはビビってようやらんやろうけどな」

//演技派の渋い俳優として知られた渡瀬恒彦さんが他界。享年72。兄は渡哲也さん。主役はもちろん、脇役でも存在感を放っていた。朝ドラ『ちりとてちん』の落語の師匠、良かったなぁ。合掌。
●3月13日…政府が南スーダンに派遣中のPKO陸自部隊を5月末に撤収させると決定。同国は政府軍が市民や国連職員を襲うなど状況は泥沼化、自衛隊の宿営地近くにもロケットランチャーが着弾している。本当は隊員に犠牲者が出ないうち、すぐにでも全員帰国して欲しいけど、少なくとも5月で戻れることになったのは大きな前進。
/一方、派遣部隊の日報隠ぺい問題で新たな疑惑が浮上。“破棄した”とされていた日報を統合幕僚監部が持っていたことは既報の通りだけど、実は陸自も持っていたことが分かり、陸自幹部によると国会の答弁と合わせるため、上からの指示で削除したという。もし指示を出したのが稲田防衛大臣や政府閣僚なら大問題。仮に稲田大臣が指示を出していなければ、それはそれで本件が防衛大臣に知らされず秘密裏に行われており、大臣が文民統制できていないことになる(監督不行届き)。森友学園だけでなく、こっちも国会紛糾が確実。
※陸自隊員の内部告発によって明らかになったということは、もう自衛隊員の中に、この防衛大臣の下で活動したくないと思っている人がいるのだろう。
※別角度から見ると、次のようにも考えられる。森友学園事件で稲田大臣を切れば安倍首相も巻き込まれるけど、日報問題で稲田大臣を切れば防衛省の問題として首相は巻き込まれない。この算段の可能性も考慮しておきたい。

//籠池理事の長男が一緒に行動しているのは正解。僕は権力による“口封じ”を本当に恐れている。長男は体格も良くボディガードになる。
●3月12日…森友学園事件は、籠池理事が地検に逮捕されるのが早いか、国会に呼ぶのが早いかという勝負になってきた。国会に招致するなら地検が動く前に呼ばないと、身柄持ってかれると何もできなくなる。起訴されると、この事件について野党が何を追及しても、首相・閣僚は「現在係争中の事案につき、ここでコメントするのは差し控えたいと思います」で答弁から逃げられる。
森友学園事件の参考人招致をかたくなに断り続ける自民、公明は、籠池理事が逮捕されるのを待っていると思われても仕方がない。籠池理事が小学校設立にあたって補助金詐欺をやらかしたのはほぼ確実。建設費を3つの申請先に各々異なる金額で申請し約6千万円を手に入れている(日付や書式は同一なのに金額に3倍の開き)。さらにエリート校の海陽学園に推薦枠を持っているというのも虚偽だったし、籠池氏本人の経歴詐称の問題も。鴻池議員に商品券渡そうとしたのも贈賄で立派な犯罪。実際、Xデーまであまり時間がないんだよな…。

//森友学園事件では、誰よりも深く斬り込んでいるフリージャーナリストの菅野完氏のツイッター、いま殆どのメディア関係者がチェックしてるんじゃないかな。当初は森友側の不正を追及していたけど、今は籠池理事を都合の良いときだけ利用してきた保守のドンたちにターゲットを絞っている。あと、自分の足で情報を集めようとしない民進議員に激怒している模様。
●3月11日…東日本大震災から6年。追悼の日。

/いまだ12万人の避難民がおり、原発事故の収束も見えないなか、政府は毎年3月11日に開いてきた首相記者会見を打ち切ることを発表。理由は「震災から6年となり一定の節目を越えた」。“一定の節目”という言葉が出るのは早すぎないか。首相記者会見には質疑応答の時間があり、被災地復興の具体的な取り組みなど、大事な説明の場でもあったのに。

/一方、首相は質疑のない政府主催追悼式に出席、式辞を朗読した。だがこの式辞は、終わってから福島県知事から批判を受けることになった。なぜなら、式辞から初めて“原発事故”という言葉が消えたからだ。福島県の内堀知事いわく「“原発事故”という言葉が使われなかったことに県民感覚として違和感を覚えました。福島県は世界でも例のない過酷な原発事故によって甚大な被害を受けています。それは過去形ではなく現在進行形の災害であります」。
●3月10日…自民党の船田はじめ衆院議員が、ブログに「森友学園の異常さ」というタイトルで勇気ある書き込み。安倍サイドから睨まれようとも、自分の意見を明確にする自民議員が出てきたことを心強く思う。
→「私は国会議員であると同時に、作新学院という私立学校を、132年間代々稼業として経営してきた。30年ほど前に4年制大学を新設するため、約5000平米の国有地を払い下げてもらった。金額は忘れたが、関東財務局から提示された価格をそのまま受け入れた。価格面での交渉は全く行わなかった。
加えて大学設置認可(文部省:当時)と農地転用(関東農政局)そして国有地払い下げ(関東財務局)の決定のどれが優先されるかで、各役所間の調整が難航し、予定よりも2年遅れでようやく開校にこぎ着けたことを思い出す。多忙とストレスで担当職員1名が体調を崩してしまったこともあった。
議員の立場を利用してはいけないと、極力関連当局には顔を出さなかったが、立場上どうしても赴かなくてはいけない時は、議員バッジを付けず、議員名刺も持たずに行ったと記憶している。だから今回の国有地払い下げにおいて、財務局の提示価格の10数%だったことや、非常に短い時間で払い下げが決まったことを聞くと、どうしても特別の力学が働いたと思わざるを得ないのである
さらに報道によると塚本幼稚園の教育は、教育勅語や、中国や韓国を敵視するスローガンを暗記させるという偏向した内容であり、幼稚園教育要領を明らかに逸脱している。国論を二分した平和安全法通過に言及させる教育を、政治的素養や能力の整っていない幼児に施すことは、極めて異常である。
私の経営する作新学院幼稚園では、決してこのような偏向した教育は行なっていない。幼稚園教育要領に則り、特に自然や人間社会との関わりを重視し、自ら考え自ら行動できる子どもたちの育成に務めている。特定の価値観を、しかも暗記という方法で教え込むことは、我々の教育とは真反対にある。
過去の歴史が指し示す通り、国家の崩壊は、まず教育の崩壊から始まる。私たちは決して過去の轍を踏んではならない
」(全文
名誉校長に首相夫人が就任していた学校を堂々と批判!それも政府が参考人招致を拒否している状況下で。これよこれ。昔の自民はこうだった。全員が右へ倣えではなく、官邸が不利になろうと言うべき事はしっかり言う。提灯持ちをすることが与党議員の仕事じゃあない。船田議員、石破議員に続く、自民議員が出て来ることを切実に願う。
公明議員も参考人招致に反対し続ける同党執行部に文句を言って欲しい。民間人の国会招致は耐震偽造や電波法問題など前例は幾らでもある。「現時点で違法性がない」というのも屁理屈で、違法性があれば司法の出番だ。国民の財産である国有地が、9割引の格安で払い下げてられいる訳で、違法性があるかどうか調べるために国会で真相の説明を求めるのは当たり前。国民の財産を守れない国会の存在価値って何なのかと。そもそも、鴻池議員との接触は贈賄案件そのものだし。ホント頼む。
●3月9日…先日の『らららクラシック』は「スター・ウォーズ」「ジョーズ」「E.T.」「ハリー・ポッター」「インディ・ジョーンズ」、数々の傑作映画音楽を生み出してきたジョン・ウィリアムズ特集。氏は現在85歳。当番組で存命の作曲家を扱うのは初めてとのこと。僕は映画音楽を入口にクラシックの世界に分け入った。それゆえ、持論は“ベートーヴェンやシューベルトの時代より現代の作曲家が劣っているのではなく、才能は映画音楽の分野で開花している”。それゆえ、映画音楽がクラシックとして扱われてホント嬉しい。「オーケストラは300年にわたり進化してきました。それは私たちが受け継いできた素晴らしい遺産。先人が楽器を巧みに組み合わせた音楽を学ぶこと、それこそが私たちの人生であり愛なのです」(ジョン・ウィリアムズ)
オーケストラは300年かけて作り上げた最高の楽器。
●3月8日…岡田准一さんが石田三成、役所広司さんが家康を演じる映画『関ヶ原』(原作・司馬遼太郎)が8月26日に公開される。監督は原田眞人さん。原作は石田三成の人間的魅力にスポットが当たっており、猛将島左近がなぜ三成の家来になったかなど、これまで家康視点で描かれることの多かった関ヶ原ドラマに一石を投じるものになりそう。過去に関ヶ原を映像化した大河ドラマや映画は、予算不足やCG技術の未熟で約20万の兵が衝突する大規模合戦を再現できていない。2017年のCG技術なら、圧倒的な映像を創ることが出来るだろう。現代に甦った“天下分け目の戦い”、本当に楽しみ。公式サイトにはまだ予告編がない。早く予告編を公開して欲しい!
●3月7日…森友学園の工事関係者が自殺した。8億円値引きの根拠とされる土の搬出を請け負った建設会社の下請け業者。安倍政権や担当役人は「8億円は妥当」と言うがいまだ納得できるデータは出されていない。自殺した業者は「森友事件」の核心を握る人物だった。死者まで出した安倍記念小学校事件。これ以上犠牲者を出さない為にも、早急な真相解明を。長引けば長引くほど、関係者は追い詰められていく。(リンク
●3月6日…暗殺された金正男氏の息子キム・ハンソルさん(21)が「父は殺された」と動画で声明。彼が無事で良かった。オランダ、アメリカ、中国、台湾が協力して、ハンソルさんを安全な場所に移動させたという。彼は金王朝が“独裁国家”と明言しており、ハンソルさんがリーダーになってあの国を変えていけたらいいな。

//とっとと参考人招致を。本丸は籠池理事ではなく、元財務省理財局長・迫田氏。
●3月5日…大河『おんな城主 直虎』、桶狭間の戦いに向けてめちゃくちゃ盛り上げておきながら、まさかの今川義元の討死にシーン、全面カット!ええーっ!?春風亭昇太さんがこれまで入念に役作りをしてきたから、大河史に残る桶狭間になると思ったのに…!!っていうか、信長はどこ?信長もいなかったぞ?信長も義元も登場しない桶狭間なんか映像化する意味あんの?(涙)
●3月3日…安倍首相は「妻は公人ではなく私人」と国会で主張し、極右カルトとの蜜月ぶりを問題なしとしているけど、ファースト・レディは首相と並んで国家の顔であり、当然ながら公人だ。そして今日の国会で、昭恵夫人が安倍晋三記念小学校の名誉校長の就任演説をした際に、政府の人間が同行していたことが発覚した。昨日は山本太郎議員が昭恵夫人に専属の秘書が5人もついていることを明らかにしている。秘書5人の人件費は2900万円。こんな私人はどこにもいない。山本太郎議員「国会議員が雇える公設秘書は3人までです。5人も秘書がつく昭恵夫人は、国会議員よりも恵まれています」。通常、ファースト・レディの秘書は1名。異例の5人体制は安倍首相本人からの要請とのこと。

//保守の会・松山昭彦会長の2015年3月7日のフェイスブックに「ちなみに国会議員になる前の稲田朋美先生は塚本幼稚園の顧問弁護士だったそうです。驚きました」とあり、ネットで問題に。籠池理事のホラ話の可能性もあるが、本当なら稲田氏が防衛大臣の肩書きで、塚本幼稚園の教諭に優秀教員表彰したのも、その関係かと疑われる。この事実を明かさずに国会答弁を続けたきたのも野党に批判されるだろう。
よくこれだけ大きな爆弾が連日落ちるもの。森友学園は安倍内閣にとってパンドラの箱だったか。
  画像元
〔3/6追記〕午前の国会で稲田防衛大臣は森友学園の顧問弁護士という情報を否定。
〔さらに追記〕その後、顧問弁護士は稲田大臣の夫、稲田龍示弁護士とのこと。そして夫の所属する弁護士事務所代表が稲田大臣自身。答弁で「まったく無関係」と言っていたけど、もろに配偶者じゃん…。こういうのは訊かれなくても自分から言わないと。
〔3/13さらにさらに追記〕結局、森友学園の訴訟で弁護士として法廷に立っていたことが発覚。なんなんだこの人は…。

ちなみに自民の高村正彦副総裁はカルト宗教統一教会の顧問弁護士をしていた。閣僚の4分の3が日本会議派という異様な状況にワイドショーも気づき始めたか。

//森友学園問題では、民進党きっての右派、松原仁元国家公安委員長や、野田政権の文科相・平野博文氏の名前があがり始めた。どんどんやってくれ。民進に愛国カルト議員は必要なし(決まって原発推進派)。訣別の時。
●3月2日…僕はフジテレビと日テレだけが安倍晋三小学校問題を報じないことに怒りを覚えていたけど、昨日フジテレビの昼のワイドショー『グッディ』が、60分かけてこの事件を詳細に報じ、さらにはテレビ東京だけが持っていた“安倍昭恵名誉校長就任演説”の映像を、別角度から撮影したものを公開し、フジは未公開部分をたくさん流した。結果、昭恵夫人が完全にカルト幼稚園の思想教育に“心酔”していたことが明らかに。これまでのところ、全番組の中で、フジが最も攻めている。報ステやNEWS23よりもだ。司会の安藤優子さんは鋭い質問をしていた。フジにも報道人の魂があった!

  
FNNが“新映像入手”としてネットで公開している。洗脳は教育ではない。2週間は削除せずに残して欲しい。

/そして日テレ。こちらも昨夜の『NEWS ZERO』で籠池理事の買収工作を自民・鴻池議員が暴露した独自映像を公開。その中で、森友学園側は当初問題の土地評価額を「15億円」と見ていたことが明らかになった。それが1億3千万になったわけで、9割引どころじゃあない。各局の報道が出揃った。最も内容が酷いのはNHK。アリバイ的に報じるものの、内容は政府・首相の言い分だけを垂れ流し、野党の鋭い指摘は恣意的にカット。まるで野党がイチャモンをつけているかのような編集に唖然とする。

//山本太郎議員「アッキード事件」。賛否あれど分かりやすい。
●3月1日…グループサウンズ『ザ・スパイダース』のメンバーとして人気を集めた、ミュージシャンのムッシュかまやつさんが他界。享年78。“はじめ人間ギャートルズ”のED素晴らしい歌詞だった。追悼で「我が良き友よ」を聴く。






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