〜こいつぁシブいぜ!〜
★名作茶器ウットリ展示室(傑作30大茶器)
第1室 (第2室)
「ま、ゆっくり御覧なされ」
千利休
【 時代順に熱血展示!熱血解説! 】
これだけ超一級の茶碗が一堂に会することは、現実では“絶対に”起こり得ない!
ネットならではの涙チョチョ切れ、世界一豪華な茶器展示室をとくと味わってくれたまえッ!
●長次郎作 赤樂(らく)茶碗 銘『夕暮』 桃山時代
『夕暮』とは最高のネーミングだね。グラデーションも美しい!
●長次郎作 黒樂茶碗 銘『俊寛』 桃山時代 重文
利休が長次郎に作らせた今焼(当世風)の茶碗! |
《 重要!これはおさえたい! 》 樂焼(らくやき、樂茶碗)とは?…桃山時代(1500年代後半)に陶工の長次郎が、茶の湯に侘び(ワビ=NO派手)を求めた利休と出会いその思想に共感し、利休の為に茶碗を造り出したのが樂茶碗の始まりだ。樂焼は華美な装飾を嫌い、渋みと重厚さを重んじるが、厳粛なたたずまいの中にも、手びねり(ロクロを全く使わない)が生む温もりがある。巨大な窯(かま)による量産体制を組まず、家屋内の小規模な窯を使った一品制作を現在も続けている(業界では一度に数百個焼くのが普通)。“一碗一窯(窯内で焼く茶碗は一品のみ)”というこだわりが、気迫のこもった多くの傑作を生んだ。焼き方は急熱急冷。この方式で焼かれた茶碗は熱の伝わり方が遅く、手を湯の熱さから守り、同時に冷めにくくする。※楽焼で使用される土は80年以上も寝かされたもの。 “樂”の名は桃山時代の名建築「聚樂第」の「樂」に由来している(“樂”は長次郎以降に続く樂家の姓にもなった)。長次郎は禅思想や利休の侘び茶哲学を完璧に造形化し、黒色と赤色の樂茶碗を生み出した(白色は2代目から)。彼は単なる食事の為の器ではなく、茶の湯の為の芸術作品という新たな陶芸世界を作り上げたのだッ! 茶の湯とはせんじ詰めれば茶を飲むという、それだけの行為。しかし、安土桃山の茶人たちは、そこに工芸、絵画、書、建築などを融合させ、人間の内面世界や精神生活を豊かにする総合芸術に変えた。 長次郎から400年を経た現在の樂家は15代目。ここまで長い歴史を持つ陶芸一家は他に存在しない。歴代の樂家は、各々が生きた時代の中で真摯に世界と向き合い、独自の美意識を追求してきたのだ!(樂家は代々「吉左衛門」を名乗っている。「長次郎」は初代だけなので注意) 【歴代の樂家】 1.長次郎 2.常慶 3.道入(“のんこう”ともいう) 4.一入 5.宗入 6.左入 7.長入 8.得入 9.了入 10.旦入 11.慶入 12.弘入 13.惺入 14.覚入 15.当代吉左衛門 ※最も評価の高い名工は3代吉左衛門の道入。樂家では精神&技術の停滞を避ける為に、親子間でも技を伝えないという。 織部焼とは?…利休の高弟(高位の弟子)、古田織部の指導の下で作られたのが織部茶碗だ。ゆがみを強調した形状や、豊かな装飾性と多種多様な色合いで、ひときわ異彩を放っている。利休は秀吉と対立して秀吉から切腹を命じられたが、織部もまた大坂夏の陣で豊臣方に通じていたとして、家康から切腹の命を受けた。利休と織部は、時の権力者と対立しても自分の信念を貫く炎の師弟だ! 【メモ】小堀遠州は好みの茶道具に『古今和歌集』等の名歌にちなむ銘を付け茶会で楽しんだ。 |
●作者不詳 織部菊文(おりべきくもん)茶碗(美濃焼) 桃山〜江戸時代
織部茶碗の最高傑作“菊文”!美しい傾斜、グニャリと波打つ口造り(口元)、複雑に重なり合う
三色の釉薬、そして小窓に収まった一輪の菊。様々な要素が見事に調和した究極の芸術品!
●作者不詳 織部梅文(うめもん)茶碗(美濃焼) 桃山〜江戸時代
これまたユニークな形の茶碗だ。ボテッとした厚みのある口造りが、
どんな呑み心地なのかと好奇心をそそる。梅の文様がチャーミング。
●本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)作 白樂茶碗 銘『不二山』 江戸時代初期 国宝
雪を戴く富士に見えるのでこの名が付いた。作者の光悦はこの茶碗の箱に自分の名を
記したが、これが日本陶芸史上初の作家による作品への署名となった!国宝!!
(二つと同じものが出来ないので“不二”と命銘したとも言われている)
●本阿弥光悦作 赤樂茶碗 通称『加賀光悦』(銘ナシ) 江戸時代初期 重文
あわわ、こいつあ、炎とマグマで輝く火山じゃねぇかッ!
●本阿弥光悦作 黒樂茶碗 銘『雨雲』 江戸時代初期 重文
『雨雲』とは、コリャ上手い。確かに雨が雲から降り注いでいるようだ。剥き出しになっている
荒い土が、ワイルドな力強さを感じさせる。光悦は『雨雲』を造る際に、どの方向から見ても
柄が違って見える、何度見ても飽きの来ない完璧な作品を目指したとのこと!
●本阿弥光悦作 赤樂茶碗 銘『熟柿』 江戸時代初期
熟柿!おいしそう…。上の『雨雲』と同じ作者とは思えないよ。
★本阿弥光悦のお墓
●三代樂吉左衛門・道入作 赤樂筒茶碗 銘『山人(さんじん)』 江戸時代前期
名工の多い樂家の中でも、一番の天才名工といわれる道入の傑作。抑えた色合いの美しい
筒型茶碗だ。一般の家庭では湯のみ茶碗といえば筒型だが、茶の湯では真冬にのみ使用
される(少しでもあったかく飲んでね♪という気遣いらしい)。銘の『山人』も趣きがある!
●三代樂吉左衛門・道入作 赤樂茶碗 銘『寒菊(かんぎく)』 江戸時代前期
中央に刻まれた“樂”の一字! |
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