アラブ館
トルコ・チュニジア展A
(1994年)
(トルコ・カッパドキア地方)
まるでナウシカの世界。風の谷に迷い込んだようだ。どの家も屋根がハトのフンでできている
のもユニーク!この辺にある地下都市には、間違いなく度肝を抜かれる。千年以上も前から
地下8階をこえる古代都市があり、1万5千人が暮らしていたというんだから!実際ワシもこの
目で見るまでピンとこんかったが、地下に井戸、学校、礼拝所、宴会場、家畜部屋、トイレ、
果てはワインの蔵まであり、それはもう、たまげたのなんの!キッチンには排煙システムや汚水
を流す溝があり、生命線といえる通気孔は至る所に完備されていた。戦の時は地上の城と違っ
て火矢が怖くないし、各階の仕掛けで侵入した敵を閉じ込めたりと、最強の砦になったという。
(同、カッパドキア) 左写真はキノコ型の奇岩群。黒い部分が溶岩、白い部分が火山灰だ。なんかカワイイ。 右写真はまるで恐竜の背骨のよう。これが人工じゃなく自然にできたなんてホント不思議! |
カッパドキアで3時間近く一緒に歩いていた犬。見知らぬ土地で犬と旅をするのは
なんとも不思議な気分だった。温かい気持ちになって孤独感が和らいだ。
(700万人都市イスタンブール)旧コンスタンチノープル
1日5回、コーランの響きがこの街に満ちる。どこもかしこもモスクだらけだ。ヨーロッパから
すぐに行けるのに異国情緒ありまくり。人は優しいし、トルコ料理はおいしいし、交通網だっ
て充実してる。ワシにとっては旅先ナンバー1じゃ。特に夜のモスクの美しさは格別なのだ。
林立する尖塔が美しい、モスクの傑作“ブルー・モスク” | こちらは赤いモスク“アヤ・ソフィア” |
一時は十字軍の占領を受け、キリスト教圏にあったイスタンブール。アヤ・ソフィアは
モスクでありながら天井ドームや内壁にキリスト教文化の形跡が残っている。
(トルコ・消えたバス運転手)
事件はカイマクル村からギョレメ村へ向かう途中に起こった。おもむろにバスが停車したと
思ったら、運転手が降りてしまったのだ(左写真)。乗客は、眠っている地元の人が1人、
カップルのフランス人・パッカーと、30代イギリス人・パッカーで、ワシを含めて5人だった。
パッカー同士で顔を見合わせたが、全員が同時に肩をすくめ、事態の成り行きを見守った。
誰もあわてなかったのは、すでにこのトルコ中部へ来るまでに、アラブ時間の免疫がついて
いたからだ。結局今回のオチは次のようなものだった。バスとすれ違い様に農家のトラックが
「食え!」とスイカを投げ込んできたので、運転手がそれを冷やす為に民家の水道を借りに降
りたのだった(写真で路面が濡れたのはその理由。彼はスイカを両手で持っている)。
その後、左写真のガラス越しに見える食堂へナイフを借りに行き、乗客みんなに食べさせて
くれた。この間、約30分。午後3時の日差しはキツかったが、バス内はけっこう風通しも良く、
美味しくいただいた。ごちそうしてくれた運転手の配慮に驚いたが、スイカを放り込んでくる農家
もすごいと思った。3人の旅人をチラッて見たら、黙々と食べていた。何か可笑しな空間だった。
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