最新文芸情報


2016.7〜8

●8月31日…『シン・ゴジラ』に隠れてまったく話題になっていない『X-MEN アポカリプス』。ネットを検索しても、あまり評価が高くない。公開終了が迫り、シリーズ全作品を見ているという、なかば“義務感"からレイト・ショーへ。感想は…うおおおおおおおおおおおおお!!個人的には文句ナシ!!映像の迫力は間違いなくシリーズ最高峰だし、物語の中盤で世界中の核兵器に“とんでもないこと"が起きる!それもBGMのベートーヴェン交響曲第7番の第2楽章に合わせて!!!核兵器のあのシーンを見られただけでもチケット代の価値はあった。人類の遺志とは関係ない現象とはいえ、あれはリベラル派の夢。明日9月1日は「映画の日」で安いので、SFアクションが好きな人は是非劇場へ!90点(甘いかなぁ)。
※とはいえ、観賞前に『X-MEN ファースト・ジェネレーション』だけは絶対にDVDで観ておく方が良い。内容が密接にリンクしている。当シリーズはあのアウシュヴィッツ強制収容所から物語が始まっており、ケネディ時代のキューバ危機も描かれた。その意味でもハリウッドで量産されるSFアクションの中でも異色SFヒーロー・シリーズと言える。
予告編(2分40秒)ド迫力。
※『X-MENシリーズの時系列整理』(5分30秒)
●8月30日…本日21時BSプレミアム『男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け』は、社会の不正義への怒り、芸術の真価などを描き込んだ、寅さんシリーズの社会派異色作にして最高傑作!寅さん、画壇の大御所、苦労人の 芸者が織りなす人情物語。マドンナを太地喜和子、日本画家を宇野重吉が好演!※第17作

//北海道、岩手で記録的豪雨。川の氾濫と流木で、岩泉のグループホームでは9名が犠牲に。痛ましい。東北地方に太平洋側から台風が上陸したのは、観測史上初とのこと。
●8月27日…以前から観たかったジョージ・クルーニーの『ミケランジェロ・プロジェクト』(原題モニュメンツ・メン/2014)をDVD観賞。第二次世界大戦後期、ナチスに略奪された絵画・彫刻などの美術品を奪還すべく編成された特別チームを描いた実話だ。ヒトラーは“総統美術館"を建設するため、フランス、オランダ、ベルギーほか占領地からミケランジェロ「聖母子像」など数万点の美術品を奪い、一方でピカソなど前衛画家の作品は退廃芸術として焼き払った。“特別チーム"といってもエリート兵士ではなく、美術館の年配の館長など美術専門家ばかりで戦闘はど素人のチーム。それもたった8名ほど。彼らは美術品を追って命がけでドイツ軍に迫り、命を落とすメンバーもいる。だが、アートに関心の低い友軍の将校は冷ややかで、彼らに協力的とは言えない。
ジョージ・クルーニー扮する隊長(ハーバート大付属美術館長)の言葉「この作戦は成功を期待されていない。上層部の本音は“戦争で大勢死ぬ。美術品なんか知るか"。でもそれは違う。我々が戦っているのは文化や生き方を守るためだ。家を焼き多くの人々を殺しても、いつかやがて人の数は増える。だが、文化や歴史を破壊してしまったら…すべては無となり、後にはただ灰が舞うだけだ。それがヒトラーの狙いだ。絶対に阻止しなくては」。
美術品を保護しようとした仲間が散った後の言葉。「“命より尊い美術品はない"と私は言ったが、それは間違っていた。美術品は歴史であり、歴史は“命の蓄積"だ。勇敢な者たちが命をかけて守ろうとした。彼らのためにもやりとげよう」。つまり、美術品にはそれを命がけで守ってきた無数の人間の生命が込められており、美術品は命そのものということ。ジョージ・クルーニーは自ら本作のプロデューサーも引き受けるほどの気合いの入れよう。マット・デイモン、ビル・マーレイ、ケイト・ブランシェットなど脇を固める俳優も名優が揃っている。映画はヒットしなかったけど、良心の塊のような作品だった。85点。
●8月26日…万引きを強要され、拒否した16歳の少年が殺害された記事を読み憤慨。こちらには「赤色の服を着て行動するパズルのメンバーらは、バイクの窃盗や現金を脅し取ったりすることで知られていた」、“知られていた"って…なんで警察も地域社会も、カラー・ギャング「パズル」が犯罪を繰り返しているのを分かっていて放置していたのかと怒り。

//台風が同時に3つも日本に。こんな天気図、初めて見た。本気で警戒しないと。

  10号、進路がジグザグなのがやっかい
●8月25日…今夜の報ステ。障害者施設やまゆり園の事件から1カ月。紹介された遺族の手紙「この国には優生思想的な風潮が根強くありますし、全ての命は存在するだけで価値があるということが当たり前ではないので、とても(被害者の名前を)公表することはできません」「加害者に似た思想を心の奥底に秘めた人や、このような事件の時だけ注目して心ないことを言ってくる人も少なからずいるでしょう」。2001年、小泉・竹中政権が新自由主義の弱肉強食路線に舵を切った頃から、この国には弱者は弱者であることが罪のように断罪される風潮が急速に広まった気がする。ネットの世界は特に酷く、読むに耐えない酷い言葉を、事件後も見かける。“全ての命は存在するだけで価値がある"、そういったメッセージを現政府が強く発信してくれればいいが…。
●8月24日…1925年に制定されたオリンピック憲章(1914年起草)は、その第57条で「IOC(国際オリンピック委員会)とOCOG(オリンピック競技大会組織委員会)は、いかなる国別の世界ランキング表も作成してはならない」と定めている。根底にあるのは、第6条「オリンピック競技大会は、個人種目または団体種目での選手間の競争であり、国家間の競争ではない」という思想。国威発揚に利用させないという思いもある。メダル授与式の国旗掲揚や国歌演奏は、あくまでも選手を称えるひとつの方法という位置づけだ。
一方、NHKをはじめ日本のマスコミは、ニュースの度に「日本のメダル数は世界で何番目」とランキング表を作っていたが、これは五輪精神に反するもの。銅メダルの選手が「日の丸を背負って戦ったのに銅メダルで申し訳ない」と謝っているのを聞くと、日本のメディアがオリンピック憲章とは異なる価値観で選手を追い込んでいると感じてしまう。もちろん、“日本代表として金を獲れて良かった!"と喜んでいる選手を否定するつもりはないし、プレッシャーがバネになり記録が出る選手もいるだろうけど…。
ただ、選手が国家から離れて、純粋に個人として世界のアスリートと対決することを楽しめたら、そして僕らの社会に五輪精神が共有されていれば、かつてマラソンの円谷幸吉選手が自死を選ぶようなことにはならなかったと。円谷選手が他界したのは1968年。もうすぐ50年になる。次の東京五輪では、国別のメダルランキング表から解放された選手のプレーが見られたら良いな。どの選手も精一杯頑張っているのは十分に分かっており、期待に応えられなかったといって謝る必要はないっす!

//台風10号やばいな。週明けに本州直撃しそうだ。
●8月23日…7日の日記にリオ五輪の聖火台の美しさについて、8日の日記に天皇陛下の退位“お気持ち"表明について追記しました。
●8月22日…ベルギー出身の伝説的ハーモニカ奏者トゥーツ・シールマン氏が本日他界。享年94。『セサミストリート』テーマ曲のハーモニカが有名だけど、映画ファンとしては『真夜中のカーボーイ』の哀愁を帯びたハーモニカが忘れられない(YouTube 4分28秒。たまらん!)。ギタリストとしても著名で、デビュー当時のジョン・レノンは、トゥーツに憧れてギター&ハーモニカのスタイルになった。合掌。
●8月20日…山陽・山陰の中国地方を一週間で2000km運転し、本日、生還。山中での脱輪など、ヘトヘトで身動きとれず、布団に直行します。
●8月15日…敗戦の日。本日、日本武道館において、先の大戦で犠牲になった310万人を慰霊する全国戦没者追悼式が開かれた。天皇陛下は「ここに過去をかえりみ、深い反省とともに、今後、戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い、全国民と共に、先陣に散り、戦禍に倒れた人々に対し、心から追悼の意を表し、世界の平和とわが国の一層の発展を祈ります」と述べられた。陛下が「深い反省」というお言葉を使われるのは、戦後70年の昨年が最初で、今年も盛り込まれた。一方、安倍氏は式辞で、歴代首相が言及してきたアジア諸国への「加害と反省」には今年も触れなかった。安倍氏は保守派でありながら陛下のお気持ちをくみ取れないのか、わかっていてスルーしているのか。
●8月12日…帰省や西日本・中国地方の墓巡礼&史跡取材などで、しばらく更新がストップします。次回の更新は8月20日(土)を予定しています。
今回は、ようやく完成した地図、『文芸ジャンキーMAP・中国地方編』の赤印(バルーン)を中心に巡って行きます!※バルーンをクリックorタップすれば説明が出ます。

//メディアが五輪報道で盛り上がる一方で、本日、伊方原発が再稼働した。耐震基準や住民の避難経路確保に不安を残したままの再稼働。何より、使用済み核燃料をどこに保管するかという超重要な問題がまったく解決されてない。それを指摘するメディアはほぼ皆無。五輪報道も大事だけど、こっちも本当に大切なことなのに…。こんなことでいいのか。
●8月11日…トーヴェ・ヤンソン『ムーミンパパの思い出』は、ムーミンパパが“ムーミン捨て子ホーム"の階段に置かれた捨て子時代から、いろいろ苦労したり、恐ろしい冒険にあったり、一人で悩んだりしながら、とうとうムーミンママに巡り逢うところまでが書かれている。スナフキンの父親ヨクサルや、スニフの父親ロッドユールも登場。序章はムーミンパパのこんな言葉が綴られている「わたしはわたしの青春時代を、かなしい気持ちで、ふりかえっています。それをいま書きつづるところなのです。この思い出の記を書くペンは、わたしの前足の中で、まだまよってふるえています」。第一章には“ムーミンパパが、その思い出をここまで書いたとき、じぶんのふしあわせな少年時代が、あんまりあわれなので、筆をはこびながらも、あらためてショックを受けたほどでした"という一文も。第6章ではおばけに会うんだけど、登場人物の反応が面白い。ミムラ「こんにちは、ほんもののおばけにあえるなんて、うれしいわ。スープを一ついかが」。ムーミンパパ「ねえ、おばけくん、ぼくの家に住む気はないかい?ぼく、ひとりぼっちなんでね。そりゃ、ぼくはこわがりやじゃないけど、夜になると、とにかくちょっとさびしいからね…」。こう言われたおばけは青くなり「地獄のいぬどもにかけて…」と言いかけるけど「それはまあ、ごしんせつにありがとう」と言い直す。
要するに、優しさと繊細さがたっぷり詰まった魅力的な本であり、それは訳者である小野寺百合子さんの名訳=日本語の言葉の選択に寄るものも大きい。

/その小野寺百合子さんが陸軍少将・小野寺信の妻で、夫婦で日米開戦を阻止しようとスウェーデンで諜報活動を行っていたことを、先日のNHKドラマ『百合子さんの絵本〜陸軍武官・小野寺夫婦の戦争』で初めて知った。夫婦を演じた香川照之さんと薬師丸ひろ子さんの熱演もあって、素晴らしいドラマになっていた。
小野寺氏は、戦前、戦中とストックホルムで主要国の動向を的確に分析し、アメリカとの戦争に徹底して反対したが、「戦えば日本は負ける」「ドイツは敗北する」という内容の暗号電報は、軍部首脳から“弱腰"として揉み消された。小野寺夫妻は冷遇され、逆に現実を直視しない楽観的な分析を行った武闘派の外交官や諜報部員が出世していった。都合の良いものだけを見ようとする日本の戦争指導者たちに、小野寺夫妻の必死の訴え(「日米開戦不可ナリ」)はついに届かず、日本は焦土となる。戦後、関係者の座談会に出席した小野寺少将は、他の参加者が「当時は仕方なかったんだ」と、過去から教訓を学ぶ姿勢が皆無であることに絶句する…。このドラマは実に丁寧に作られた良作であり、今後アンコール放送が幾度かあると思うので、機会があれば是非。

/『ムーミン』の作者トーヴェ・ヤンソンはフィンランド人だけど、母はスウェーデン人、父もスウェーデン系フィンランド人であり、『ムーミン』はスウェーデン語で書かれている。それゆえ、スウェーデンに赴任して言語をマスターした小野寺百合子さんが、戦後にムーミンを翻訳したのだと、すべてが繋がった。
この夏、小野寺夫妻のお墓参りをして、感謝の言葉を墓前で伝えようと思ったら、まったくネットに情報が出ていない。岩手県出身だから、盛岡に眠っているのかも…。『ムーミンパパの思い出』、また読み返そう。
●8月10日…8月1日〜6日まで日記を追記。
●8月9日…仙台で5日〜14日まで開催されているジョジョイベント、めっさ盛り上がってるみたい!アニメ第四部の舞台が杜王町=仙台だから、各界を巻き込んでかなり大規模なコラボが展開されいる模様!

//体操男子団体、12年ぶりの金メダルおめでとう!!早朝、生中継を見ていて感動した!!
8月8日…本日、天皇陛下が退位のお気持ちを表明された。主な内容は
(1)公務の縮小には反対=だからこそ退位。
(2)摂政を置くことに否定的=摂政は根本的解決にならない。
(3)“象徴"としての天皇が代々安定して続いていくよう希望=“元首"が天皇の大日本帝国に戻らない
(4)もし自分の身に何かあっても、昭和天皇のときのように国民が経済活動を自粛・萎縮するのは本意ではなく、葬儀も簡素でよい。
6分間の“お気持ち"で全体から感じたのは、陛下の深い優しさと“護憲"の思い。摂政を置いても、自分と同じ苦悩を再び子や孫が体験することになると摂政に反対。“葬儀では国民に迷惑をかけたくない"というのは、昭和天皇の崩御前後に中止・延期になった各種イベント(テレビ番組も)が多く、それを念頭に置かれてのお言葉だろう。常に国民の平安ために祈られている陛下、その優しさに改めて胸を打たれた
憲法で政治的発言を禁じられるなか、陛下はギリギリのラインで意思表示されていた。特に印象に残った&めちゃくちゃ重要なのは、「象徴天皇が途切れることなく安定的に続いていくことを念じる」として「象徴」という言葉を“6回"も強調して語られたこと。安倍自民の改憲案には「天皇は元首化」と明記されており、陛下からの“元首ではなく象徴が相応しい"とのメッセージと僕は受け取った。宗教右翼(日本会議、神社本庁、統一教会など)の論客は、「公務を縮小しても天皇のままでいて欲しい」「摂政という案もある」と言っているが、その両方に対して、陛下は「公務縮小も摂政もダメ」と否定しており、6分間で保守急進派への楔(くさび)を打ち込んだ。この先、元首や摂政にこだわる保守論客は、世が世なら“朝敵"だ。
最近のニュース番組は、陛下が政権の意向にそぐわないリベラルな発言をすると、NHKでさえその部分をカットして放送する。政権・マスコミが信用できないから、それらをすっ飛ばして直接国民にノーカット放送で語りかけたように感じた。陛下の望む形で退位できるように願っています。
●8月7日…リオ五輪、開会式に登場した聖火台の、あまりの神々しさに鳥肌!小さな黄金の円盤や無数の球がゆっくりと回転し、その中央で聖火が太陽のように光輝いていた!もう今後100年間は毎回、これを使い続けて良いレベル。生物のようにウネウネと回転している姿は、そのゴールドのカリスマ感と相まって、まるでファンタジーRPGのラスボス、イデオンの最終兵器、エヴァの使徒的なオーラを放っていた。
太陽と聖火が融合 スクリューのように回転している
横から見ると全く別の物体!(動画 デザインした人はマジ天才

/リオ五輪、水泳男子400m個人メドレーで萩野選手が金メダル!幸先のよいスタートっすね!
●8月6日…今夜放送されたNHK『決断なき原爆投下〜大統領71年目の真実』は、丹念に歴史の事実を掘り起こした、語り継がれるべき傑作ドキュメンタリーだった。
取材班はコロラド州の空軍士官学校に4カ月交渉を続け、未公開録音テープの再生を実現。それは原爆計画責任者のレスリー・グローブス元准将のインタビューで、軍が正確な歴史を記録に残すために2時間にわたって聞き取りを行ったものだった(こういうところが米国は素晴らしい。後世の人間が検証できる材料を残している)。元准将は録音の3ヶ月後に心臓病で他界しており、いわば間一髪で記録されたものだった。
第二次世界大戦末期(1945年4月)、トルーマン副大統領は急逝したルーズベルトの後を継いで大統領に就任した。トルーマンはそれまで米国が原爆を作っていることも、核兵器が何たるかも、何も知らされていなかった。グローブス准将は1945年末までに原爆を17個も作ろうとしていた。ターゲットとなった17カ所は、広島、長崎のほか、川崎、横浜、東京湾、名古屋、京都、大阪、神戸、呉、山口、下関、小倉、八幡、福岡、熊本、佐世保。文字通り、大量投下する気だった。
グローブスが最初の投下地として強くこだわったのが京都。「京都は外せなかった。最初の原爆は破壊効果が隅々まで行き渡る都市に落としたかった」。京都は盆地で爆風の凄まじい収束がある。最も大きな破壊効果を得ることで、グローブスは原爆の有意義さを証明しようとした。
ところが陸軍長官ヘンリー・スティムソンが「京都は認めない」と投下に反対。実は、スティムソンは戦前に京都を2度訪ねて気に入っており、多数の市民が犠牲になると分かっていた。スティムソンの日記「この戦争を遂行するにあたって気がかりなことがある。アメリカがヒトラーをしのぐ残虐行為をしたという汚名を着せられはしないかということだ」。

京都破壊にこだわるグローブスは、京都駅や紡績工場を軍事施設として虚偽の報告書まで作成し、6回以上もスティムソンを説得しようと試みたが、最後まで京都への原爆投下は認められなかった。
7月16日、ニューメキシコ州で世界初の原爆実験に成功。グローブスは戦争が終わる前に原爆を使わなければならないと考えた。天文学的な国家予算(当時22億ドル)を使った原爆を使用せずに終戦となれば、“何の為に造ったのか"と議会から厳しく追及される恐れがあった。責任者として原爆の効果を証明する必要があった(酷い話)。
ヤルタ会談の密約でソ連参戦が8月8日頃と分かっていたので、それまでに落とさねばならない。一方、グローブスの焦りに気づいたスティムソンは、トルーマンに「仮に一般市民が暮らす京都に原爆を落とすという理不尽な行為をすれば、戦後、和解の芽をつみ日本が反米国家になる」と進言(7/24)。この翌日のトルーマンの日記「私は原爆の投下はあくまでも軍事施設に限るとスティムソンに話した。決して女性や子どもをターゲットにすることがないようにと言った」(7/25)。
なんと…トルーマンは市民に対する原爆投下に反対していた。

その後、軍は京都を諦め、広島、長崎、小倉、新潟をリストアップ。「広島は軍事都市である」とここでも虚偽の報告があがった。カリフォルニア大学ショーン・マローイ准教授「報告書は広島が“軍事都市"だと伝わるよう巧みに書かれていた。目標選定を行っていたグローブスらが大統領を意図的に騙そうとしていた」
スティーブンス工科大学アレックス・ウェラースタイン准教授「軍は原爆によって一般市民を攻撃することはないと見せかけた。トルーマンは広島に原爆を投下しても一般市民の犠牲はほとんどないと思い込んでしまった」。このように原爆投下は軍の主導で進んでいった。

8月6日、トルーマンはポツダム会談の帰途で大西洋の船上にいた。原爆投下の一報を聞き、船内で演説を収録、それはあくまでも軍事目標に絞ったというものだった。「先ほどアメリカ軍は、日本の軍事拠点ヒロシマに一発の爆弾を投下した。原子爆弾がこの戦争を引き起こした敵の上に解き放たれたのだ」。
8月8日、トルーマンはホワイトハウスに戻って真実を知る。スティムソンの日記「私は大統領に原爆投下直後の広島の写真を見せた」。写真を見たトルーマン「こんな破壊行為をした責任は大統領の私にある」。軍の狙いを見抜けなかったことに責任を感じていた。
軍の動きは速く、トルーマンが広島の写真を見た半日後に、2発目が長崎に投下される。8/9のトルーマンの手紙「日本の女性や子供たちへの慈悲の思いは私にもある。人々を皆殺しにしてしまったことを後悔している」。長崎投下の翌日、トルーマンは全閣僚を集め、「これ以上の原爆投下を中止する」と命じた。「新たに10万人、特に子ども達を殺すのは、考えただけでも恐ろしい」。
グローブスは3発目の準備をしていたが投下できなくなった。

長崎投下後、トルーマンはラジオ演説で原稿にない言葉を付け加えた。それが「戦争を早く終わらせ、多くの米兵の命を救うため原爆投下を決断した」というものだった。米社会ではこの、後付けの理由「命を救うために原爆を使ったという物語」が今も信じられている。
印象に残ったのはグローブスが言った「大統領は市民の上に原爆を落とすという軍の作戦を止められなかった。いったん始めた計画を止められるわけがない」という言葉。ある意味、日本も同じだった。いったん動き出せば計画を止められない。軍は大統領を騙してでも作戦を遂行しようとするし、日本も昭和天皇に戦場の真実を隠して戦線を広げていった。
番組の最後に被爆者の男性がトルーマンの日記を読んで「大統領は市民の命が失われることに思いを至さなかったわけではないのか…それを押し切れなかったということ、それが残念だ」と、うつむいたままおっしゃっていたのが印象に残った。
過去から学んだことを未来に活かしていくことが我々の役割。当番組のすべてのスタッフに敬意を払いたい。
●8月5日…米軍新基地建設に抵抗する沖縄を、国が提訴した辺野古違法確認訴訟。今日の第1回口頭弁論で証言台に立った翁長知事の言葉は、これまでよりも怒りが込められたものだった。ヤマトンチュー (本土の人々)は、“日本政府が言われたこと"として片付けるのではなく、自分たちに向けられた言葉として噛みしめるべきだ。
翁長沖縄県知事「先の参議院議員選挙など、多くの選挙で示された沖縄県民の民意を全く無視し、過重な基地負担を将来にわたって固定化し続けようとしています。自国の政府にここまで一方的に虐げられる地域が沖縄県以外にあるでしょうか47都道府県の一つに過ぎない沖縄県を、政府が総力を挙げてねじ伏せようとしています。この裁判は、単に今回の国の関与の是非のみが問われているだけではなく、地方自治の根幹、ひいては民主主義の根幹が問われている裁判でもあると思います」。
●8月4日…2020年の東京五輪に、野球・ソフトボール、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンの5競技が追加決定!茶帯とはいえ空手界の端っこいる僕としては、オリンピックという舞台でどんな空手の達人&演技を見ることが出来るのかめっさ楽しみ。空手の金メダリスト、カッコいいなぁ。スポーツクライミングもドキドキして手に汗握りそう。スケボーやサーフィンは人間離れした演技が見られるだろう。野球は大リーグからどれくらい選手が参加できるかが、盛り上がりを左右する。ソフトボール、金をめぐる熱いドラマに再び期待!
●8月3日…第3次安倍再改造内閣が発足した。注目したのは2点。まず、石破茂・前地方創生相が入閣要請を固辞したこと。次期総裁を狙っての判断であり、自民内に安倍一派に対する対抗勢力が育って欲しい僕としては“良し"って感じだ。石破氏はタカ派的な発言もあるけど、先の戦争を侵略戦争と明言し靖国派とは距離を置いている。新幹事長の二階俊博氏が「(安倍氏の)党総裁任期の延長」を主張して僕は“カンベンしてくれ"絶句したけど、石破氏は「(任期延長の議論以前に)やらなければならないことの優先順位を間違えてはいけない」と二階氏をけん制し、もう一人の次期総裁候補・岸田外務大臣も「3年の任期のうち、まだ1年も立っていない。任期のさらに先のことを今から話すのは、ずいぶん気の早い話ではないか」と疑問を呈した。石破氏&岸田氏を全力で応援したい。次の注目点は…もうホント憂鬱なんだけど、自民の中のタカ派中のタカ派、過去に核武装さえ視野に入れた発言をした稲田朋美・前政調会長が(よりによって)防衛相に起用されたこと。秋以降、自衛隊は安保法制に基づいて海外派遣されるのに、トップが史上最もタカ派の防衛相であることが不安でならない。稲田氏は日本最大の右翼団体・日本会議のホープであり、宗教右翼・統一教会系のセミナーで講演したこともある。
「国民の一人ひとり、みなさん方一人ひとりが、自分の国は自分で守る。そして自分の国を守るためには、血を流す覚悟をしなければならないのです!」(講演会での発言)
「靖国神社というのは不戦の誓いをするところではなくて、『祖国に何かあれば後に続きます』と誓うところでないといけないんです」(「WiLL」2006年9月号/ワック)
稲田氏は毎年8月15日に靖国参拝を行っているが、「防衛大臣」が行くとなるとこれまでと話が違ってくる。稲田氏は「参拝は心の問題」という。僕も靖国での再会を信じて散っていった兵士や遺族の気持ちを大事にしたいと思っている。でも「心の問題」を主張するなら、「被害者の心の問題」も大切にして欲しい。自分の心の問題だけが重要で、他者の心の問題なんかどうでもいい、そういう考えには賛同できないし、政治家がそれではダメだ。どうしても8月15日に行きたいなら、防衛大臣を辞めて行って欲しい。それが無理なら、公用車は使わず、記帳の際に“防衛大臣"の肩書きを書かないで欲しい。それなら、「私人として参拝した」というお約束の説明もギリギリ通るかも知れない(それでも周辺国は猛反発するだろうが…)。昭和天皇も今上天皇も、戦争指導者が合祀されてから靖国には参拝していない。中国が問題視する前からだ。そこのところを稲田氏にはよく考えてもらいたい。南方戦線で死んだ日本兵の大半は、戦死ではなく餓死であり、補給を軽視して兵士を餓死させた指導者たちが、同じ神社で祀られているということを。
※稲田氏は「私は、谷口雅春先生の教えを、ずっと自分の生き方の根本において参りました」と語っているが、新興宗教「生長の家」創始者・初代総裁の谷口雅春は「戦争は人間の霊魂進化にとって最高の宗教的行事」という教えを説いているとのこと。こういうカルト思想は、ほんとシャレになってない。

/本日午前、北朝鮮が弾道ミサイル2発を発射した。最近は“乱射"と言っていいほど、狂ったように撃ちまくっている金正恩だが、今日のは秋田県の沖合(西方約250キロ)に落下しており、金正恩政権下では初めて日本の排他的経済水域(EEZ)内に落としてきた(EEZ内の落下は1998年の三陸沖の太平洋以来2度目)。ミサイルの破片が付近で操業中の漁船に当たる可能性もあり、これまでとは別次元。“またか"というものじゃない。このクレイジーな蛮行を止めるために、金王朝に最も影響力を持つ中国の協力が必須だが、8月15日次第でまた安倍政権とギクシャクしたら連携できなくなる。中国も独裁政権だし、尖閣諸島や南沙群島という頭の痛い問題があるけど、現実問題として北朝鮮は中国抜きだと舐めてくる。そしてこのような時期に閣僚が靖国に行くと、日本は国際社会を味方につける必要があるのに、中国が「それ見たことか、日本はまったく侵略を反省していない」とプロパガンダに使われてしまう。ネットを見てると「靖国に行って軍備強化さえすれば問題が解決する」と言わんばかりの意見が多すぎて目まいが。それこそお花畑と思う。
●8月2日…先月下旬にフジ『嵐ツボ』の番宣に“墓マイラー"として出演し、墓巡礼の魅力を語り出演したんですが、大阪ではオンエアされなかったので未視聴だったところ、担当の方がDVDを送ってくれた。番組では“墓マイラー"について「文学や映画、芸術を通して、自分に影響を与えてくれた歴史上の偉人に感謝を伝えるため墓参りをする人」と、ちゃんと大事な部分をナレーションで付けてくれていた。この説明があるとないとで全然違う。取材スタッフから「お墓に行って必ずやることは何ですか」と質問され、僕は「その国の言葉で“ありがとう"と最初に伝える」と回答。ロシアならスパシーバ、フランスならメルシーという具合に。
取材VTRを見ていた嵐の5人は、大野さんがモーツァルトの墓に反応し、二宮さんはバッハや芥川龍之介など内外の墓を見て「全世界共通だよね、墓を綺麗にするのは」とコメント。相葉さんと櫻井さんは巡礼先が「100カ国2300人」という部分で「おお〜」。松本さんは手塚先生の墓を見つめていた。時間にしてわずか2分だけど、バラエティー番組では扱いにくいであろう、お墓というものをあえて取り上げてくれた制作者に感謝したい。なんといっても、嵐のメンバーに墓マイラーという存在を知ってもらえたのが嬉しい。(ただし!BGMが『千の風になって』は違うだろ〜。いや、名曲だし僕も好きだけど、「そこに私はいません、眠ってなんかいません」という言葉と、お墓のスライドの組み合わせはシュールすぎる…汗)
自宅で墓トーク。後方の少年ジャンプは→ ジョジョ新連載の1987年第1・2号!

//山陽・山陰の中国地方に兵庫県を含んだ各地の名所&著名人墓地マップを作成中。3年越しの作業は最終段階に入っており、もうすぐアップできるかと!
●8月1日…昨年11月に大横綱だった北の湖前理事長が他界したばかりなのに、今度は元横綱・千代の富士(九重親方)の訃報。享年61。千代の富士は鋭い眼光と筋肉質な身体から“ウルフ"と呼ばれ、僕の中学〜大学時代までずっと横綱をはっていた。忘れられないのは、1981年1月場所の千秋楽。関脇時代の千代の富士が、優勝決定戦で北の湖を破って初優勝。テレビにかぶりついて見ていた。瞬間最高視聴率は65.3%で、今に至るまで大相撲中継の最高記録になっている。
/それにしても61歳は若い…。命を奪ったのはすい臓癌。すい臓癌は早期発見が非常に難しく、進行は早く、見つかった後も治しにくい為、トップクラスの難治療癌。発見から5年後の生存率は9%しかない。人類がすい臓癌に勝利できる日が早期に到来せんことを。
●7月31日…ゴッホは晩年にカミソリで自分自身の左耳を切る事件を起こしている。これまで伝記や美術本ごとに「耳の上半分を切った」「耳たぶを切った」「全部切った」など、書いていることがバラバラだったけど、先日主治医のスケッチが初めて公開された(情報を下さった読者のSさん有難う!)。これを見ると、“上半分"というレベルではなく、ほぼ根元からバッサリいってる。画家の共同体づくりの夢破れ、親友ゴーギャンとの破局が決定的になり、弟夫婦に赤ん坊ができて画業への金銭援助がなくなるという不安…絶望に押し潰されて手に取ったカミソリ。胸が締め付けられるスケッチだ…。

  この事件の1年3カ月後にゴッホは自死を選択。享年37。

//都知事選は小池候補の圧勝。2位の増田候補に100万票、3位の鳥越候補にはダブルスコア強の大差をつけた。小池候補は「財政の透明化」「待機児童解消」「都議会解散して都政刷新」等を公約していた。そこは賛同できるポイントであり、少しでも善政を行って欲しい。
それにしても…リベラルは…悲しさよりも虚しさが残る結末だった。鳥越氏は街頭演説が2候補より圧倒的に少なく、メディアの討論会にも出て来ないし、週刊誌のスキャンダルに明確な反論ができず人権派弁護士の宇キ宮さんを納得させることが出来なかった(何も問題がなければなぜ鳥越氏が相手女性側と話し合いの場をもったのか)。宇キ宮さんの応援演説がないことが、選挙民の気持ちをさらに離れさせてしまった。しかも投票日の前日に民進・岡田党首が“次の党首選に出ない"と謎の宣言。知事選の結果を待たずに敗北宣言したようなもの。これでは現場もたまらないだろう…。
政策論争を真正面から挑んで、徹底的に都政のあり方を論争して、その結果、野党統一候補が負けたのなら、まだ納得もいく。今回は負け方としては最悪の部類に入る。リベラルはこれから宇キ宮さんをどんどんメディア露出させて知名度をさらに高め、都民に“政策の宇キ宮"を浸透させないと…。
次は衆院選。現在の選挙制度で1人区を制するためには、野党統一候補路線を続けるしか選択肢はない。

//『シン・ゴジラ』の最終予告編(1分32秒)。戦闘シーン、けっこう重要な場面も出ているので、情報白紙で観たい人は、本編鑑賞後に観た方がいいかも。
●7月30日…諸君!『シン・ゴジラ』を観に行くなら絶対に4DXで!迫力が100倍は違うッ!!料金がちょっと高めになるけど、ゴジラの足音と同時に地響きで座席が揺れる冒頭だけで、僕は“これはもう金額の問題じゃない!男として、否、オッサンとして、ロマンを求めるか、求めないか!それだけだ!"となった(笑)。近所に4DXがなければ他県に行ってでも観賞することを強く進言します。
海のシーンでは水しぶきが、バトルシーンでは煙が出てくるため臨場感がすごい。風だって吹いてくる(どういう仕掛け?)。社会性・悲劇性は1954年の第1作に及ばずとも、平成ゴジラでは別格の仕上がり。ハリウッド版よりはるかにテーマ性はある。何より庵野監督をはじめ、スタッフの「本物のゴジラ映画を撮る!」という情熱がヒシヒシと伝わってきたのが嬉しい。伊福部サウンドもガンガン流れ、過去作品へのオマージュもたっぷり。劇場版エヴァの新作公開が遅れまくってるけど、この本気の寄り道なら納得。ありがとう。90点(甘めの点だけど、ひとつの到達点を見せてくれたことへの感謝)。

※“会議シーンが多すぎ"と批判もあるけど、実はゴジラ第1作だってゴジラが上陸したのは十数分だけなんだよね。そのペース配分を知っているから、僕は会議パートも受け入れられた。
※俳優が脇役に至るまでかなり豪華。途中で“逆にこの映画に出てない日本の俳優はいるのか?"って思った(笑)。
※中盤、富野アニメ『イデオン』のファンとしてテンションが上がった。
※ネタバレ文字反転→クライマックスのゴジラの口への“注水"は、あの特別車両の放水車といい、福島原発の事故直後を思い出した。放射性物質を撒き散らすゴジラ(原発)を日本人の叡智で鎮めたい、そんな思いを僕はスクリーンから感じていた(ゴジラが吐き出した放射性物質が半減期の非常に短いものだっというラストのオチも含めて)。

  戦闘ヘリと4DXは相性バツグン!
●7月29日…日本を代表するピアニストの一人、中村紘子さんが26日に他界。享年72。中村さんは15歳で日本音楽コンクール1位特賞に輝き、1965年(21歳)の第7回ショパン国際ピアノコンクールでは、日本人として10年ぶり2度目の入賞となる4位入賞と、最年少者賞を同時に受賞した(この時の1位はあのマルタ・アルゲリッチ)。19歳の中村さんが演奏したショパン演奏(23分)に追悼リンク(1963年録音)。19歳にしてこの情感…!僕が最初に覚えた日本人ピアニストだった。
※中村紘子/ショパン『別れの曲』(4分12秒)
※ホロヴィッツのカムバック演奏会に際し、チケットをゲットするためカーネギー・ホール前に徹夜で並んだ逸話がある。
●7月28日…今夜の報ステ、事件のあった障害者施設に過去に通っていた人が、献花台の前で「障害者が何をしたっていうんですかぁああ!」「ここで救われたんです」と泣き崩れていたのが胸にきた…。

僕らが住んでいるこの日本に、何が起きているのか。“税金がもったいないから殺せ"とか、命のことを語る時に、なんでお金の話が出てくる?いま、こういう冷酷な価値観で実際に人が殺されたことに、改めて戦慄する。あの犯人を生みだしたのが今の日本社会なんだ。

知的障害のある人と家族で作る「全国手をつなぐ育成会連合会」が出した緊急声明を以下に一部紹介。

→事件の容疑者は、障害のある人の命や尊厳を否定するような供述をしていると伝えられています。しかし、私たちの子どもは、どのような障害があっても一人ひとりの命を大切に、懸命に生きています。そして私たち家族は、その一つひとつの歩みを支え、見守っています。事件で無残にも奪われた一つひとつの命は、そうしたかけがえない存在でした。犯行に及んだ者は、自らの行為に正面から向きあい、犯した罪の重大さを認識しなければなりません。

また、国民の皆様には、今回の事件を機に、障害のある人一人ひとりの命の重さに思いを馳せてほしいのです。そして、障害の有る無しで特別視されることなく、お互いに人格と個性を尊重しながら共生する社会づくりに向けて共に歩んでいただきますよう心よりお願い申し上げます。

【障害のある人たちへの声明文】

容疑者は、自分で助けを呼べない人たちを 次々におそい、傷つけ、命をうばいました。とても残酷で、決して許せません。亡くなった人たちのことを思うと、とても悲しく、悔しい思いです。
容疑者は「障害者はいなくなればいい」と 話していたそうです。みなさんの中には、そのことで不安に感じる人も たくさんいると思います。そんなときは、身近な人に不安な気持ちを話しましょう。みなさんの家族や友達、仕事の仲間、支援者は、きっと話を聞いてくれます。そして、いつもと同じように毎日を過ごしましょう。不安だからといって、生活のしかたを変える必要はありません。

障害のある人もない人も、私たちは一人ひとりが大切な存在です。障害があるからといって誰かに傷つけられたりすることは、あってはなりません。もし誰かが「障害者はいなくなればいい」なんて言っても、私たち家族は全力でみなさんのことを守ります。ですから、安心して、堂々と生きてください。(全文
●7月27日…昨年Eテレで放映された『それはホロコーストのリハーサルだった〜障害者虐殺70年目の真実』の内容をもう一度紹介。
ナチスや独の医師たちはホロコースト(ユダヤ人虐殺)の前に、障害者や精神病患者を「国家の役に立たない」「戦争予算の足を引っ張る」と大量に殺害していた。1933年、政権をとったナチスはすぐさま「断種法」を制定して障害者から生殖能力を奪い、1939年にそれが“T4計画”と呼ばれる殺害計画にエスカレート。ナチスはうつ病、統合失調症、てんかん、パーキンソン病、アルコール中毒、傷病兵等を片っ端からガス室に送り、 南独など6カ所以上の施設で、最終的に20万人以上を殺害した。南西部の精神科病院では(ガス)シャワー室に50人を押し込み、毎日120人を殺害していた。
このT4計画が中止になったのは、ひとりの聖職者が勇気を出して抗議したからだ。1941年夏、独北西部ミュンスター大聖堂のフォン・ガーレン司教は次の説教を行った。
貧しい人、病人、非生産的な人、いて当たり前だ。私達は他者から生産的であると認められた時だけ、生きる権利があるというのか。非生産的な市民を殺してもいいという原則ができ、実行されるならば、我々が老いて弱った時に我々も殺されるだろう。非生産的な市民を殺してよいとするならば、いま弱者として標的にされている精神病者だけでなく、非生産的な人、病人、傷病兵、仕事で体が不自由になった人すべて、老いて弱った時の私達すべてを殺すことが許されるだろう」
ナチ秘密警察は司教の説教原稿を奪おうとしたが、多くの市民が説教を書き写して全国に郵送し、国民世論の反発を恐れたヒトラーは、司教の説教からわずか20日後にT4計画を中止させた。
※ただし、ガス室はアウシュヴィッツに移設され、T4関係の医師はユダヤ人虐殺に関わっていく。現場となった精神科病院裏手の集団墓地跡に、次の言葉が刻まれた記念碑が建っている「人間よ、人間に敬意を」。

//都知事選、今日になってやっと鳥越候補から宇キ宮さんに正式に応援演説の要請。あと4日しかないのに。遅すぎる、あまりに遅すぎる。
●7月26日…神奈川の障害者施設で起きた大量殺人事件の報道にショック。死者19人、負傷者25人(うち重傷20人)。平成に入って最悪の死者数。犯人は元職員という。今年2月に衆議院議長の公邸を訪れ、「障害者を470人抹殺する」と書かれた手紙を警備にあたっていた警察官に渡していたという。その時点で拘束できていれば…。ネットで犯行予告すると逮捕で、衆議院議長だとスルーというのもよく分からない。
●7月25日…米大統領選、クリントン候補はサンダースを副大統領に指名しなかったのか。なんと愚かな。指名していれば票を取り込めたのに。サンダースには熱心な支持者が多く、クリントン候補を“ウォール街の代理人"と見ている。
/日本の鳥越候補もそう。政策論争が深まっていない。宇キ宮さんを副知事に迎えたいと高らかに宣言すれば、宇キ宮票を期待できるけど、今のままでは小池候補に入れる人が少なからず出てくるかと…。文春砲は左右無関係に全方位発射。
●7月24日…ドーピング問題で揺れる五輪ロシア選手団。全面出場禁止と宣告されていたけど、薬物をやってない無実の選手まで出場できないのは可哀想…そう思っていたら、一部救済措置がとられる模様。よかった。
●7月23日…昨日の報ステ、沖縄の米軍ヘリ基地建設をめぐる建設反対派の住民たちと機動隊の衝突を伝えていたんだけど、機動隊の荒っぽさに絶句。県中部の高江地区は、西側に米軍ヘリ発着場が近年作られ、今度は東側と北側にもヘリ発着場が建設されることに。南側は海に面しているため、陸地は全方位が米軍ヘリ基地となり、凄まじい騒音になる。墜落事故の危険度も上昇。北部訓練場の敷地返還の条件とはいえ、先に住んでいた村民を無視しすぎ。
“これはたまらない"と、村民たちは工事機材の搬入を防ぐ為、2年間にわたって抵抗していたところ、安倍政権は参院選の翌日から機動隊の増強を開始、県外から集めた機動隊員の数は500人。全村民の3倍以上に。そして昨日、ついに問答無用の“排除"が始まり、座り込みをしていたご年配も若者も、ごぼう抜きされていった。住民1人につき機動隊5人が両手足と頭を持ち上げて。バリケードにしていたマイカーは片っ端から撤去された。その間、7時間。選挙当日まで2年間こんな荒っぽいことはしなかったのに、終わった途端にというのが露骨すぎる。
北部にヘリ基地、南部には辺野古基地。沖縄では2014年の衆院選で自民候補が落選、今回の参院選で安倍政権の現職大臣が落選し、現在、自民の国会議員が1人もいない状況になっている。これが沖縄の民意。
翁長知事「沖縄県民は長年にわたり過重な負担に耐えながら日米安全保障体制に尽くしてきているにもかかわらず、強硬に工事に着手する政府の姿勢は到底容認できるものではなく強く抗議致します」。
高江の住民「沖縄の人たちを国民と思ってない。これだけの基地を沖縄に集中させて、あまりにも酷すぎる。よくこんなことができるなと」。
※報ステでさえ、このニュースがポケモンのニュースよりも後というのが、本土の関心の低さを表している。
〔追記〕現場にいたジャーナリストの報告。機動隊が女性の首にロープをかけた。
●7月22日…8日前にフランス・ニースで大規模テロがあったばかりなのに、今度はドイツ・ミュンヘンのマクドナルドで18歳の若者が銃乱射、死傷者25人、うち死者9人(8人はまだ10代)。10歳前後の子どもも撃たれており、本当に酷い。ドイツ南部では4日前にもテロがあり射殺された犯人がまだ17歳のアフガン人少年ということで衝撃が走った。でもなぜドイツ?欧米の中でもドイツはイスラム出身者に対する差別は比較的少なく、メルケルは難民の境遇にも理解を示していたじゃないか。イスラム国支配圏から住民が逃げないようにするために、ドイツに移民拒否の空気を作ろうとしているのか?
経済格差を小さくし、暮らしが安定すると、人は憎しみが減り寛容な精神が育まれると信じてはいるのだけど…。リンク先(自爆テロを正当化する側の論理)の殉教マインドや、シーア派とスンニ派の根源的な対立にどう向き合えばいいのか…。
〔追記〕今回の犯人はイスラム過激派との接点がなかったとのこと。所持弾薬は300発。18歳の若者が銃器を入手できることも問題。
●7月21日…リリースされた『pokemon go』、本当に家の近所の地図にモンスターが出るんだ。えらい時代になったもんだ。ただ、これをやってると位置情報が常にグーグルに把握されるわけで、真の目的はそっちのビッグデータ集めという気がしないでもないが…。
※ガチのバトルは休日にやるとして、ニックネーム登録は早い者勝ちなので、それだけは先にやっておいた方が良いかも。最初のバトルのときに名前の登録を要求される。
※似たようなタイトルの別ゲームが大量に発生しているので要注意。
※最大の注意点→とんでもなくバッテリーを消費するらしい。
※内閣府から異例の注意喚起。遊ぶ前にこれは目を通した方が良い。
●7月20日…朝ドラの『とと姉ちゃん』、めっさいい。前作の『あさが来た』は歴史上の人物が多数登場する神ドラマで、幕末編では朝ドラに新選組が出たりした。それに比べれば昭和前半が舞台の『とと姉ちゃん』は、庶民が日々を生き抜く姿が中心になっており、当初は地味な印象がぬぐえなかった。でも主人公常子(高畑充希)の前向きな生き方、明るい性格に惹かれ、気がつけば心から彼女、三姉妹を応援していた。今週、物語は佳境に入り、いよいよ念願の婦人雑誌(『暮しの手帖』)が創刊される。出版人を演じる唐沢寿明、及川光博らの好演も光る。ひとつの雑誌が出来るまで、そこに関わる人々の熱量がハンパなく、とても刺激的。モノを生み出す現場は実に熱い。大満足。
●7月19日…これがいわゆる自主規制というやつか。『クイズダービー』『世界丸ごとHOWマッチ』など人気バラエティーで司会を担当したタレント・大橋巨泉さんが82歳で他界されたニュース。安倍政権に甘い大本営NHKも、リベラル寄りとされている報ステも、番組内で巨泉さんが連載誌(最終回)に記した“遺言"を途中までしか放送しなかった。
オンエアされたのは『今のボクにはこれ以上の体力も気力もありません。だが今も恐ろしい事や情けない事、恥知らずな事が連日報道されている。書きたい事や言いたい事は山ほどあるのだが、許して下さい』。
そしてここから先が放送されなかった部分。『しかしこのままでは死んでも死にきれないので、最後の遺言として一つだけは書いておきたい。安倍晋三の野望は恐ろしいものです。選挙民をナメている安倍晋三に一泡吹かせて下さい。7月の参院選挙、野党に投票して下さい。最後のお願いです』
結果的に選挙で野党は敗北したけれど、この「一泡吹かせる」という表現が巨泉さんらしくて良いと思う。なんというか、額に青筋立てて「自民打倒!」と叫ぶのではなく、安倍晋三をギャフンと言わせる、そういうニュアンスの言い方のほうが、幅広く受け入れられやすいと思った。時の政権との戦いは、悲壮感があるとしんどいもんね。(参考リンク
※巨泉さんの他界は今月12日。盟友・永六輔さん逝去の5日後だ。文字通り、後を追うように旅立たれた。合掌。
●7月18日…『ポケモンGO』が世界レベルで空前のヒットとのこと。米国ではポケモンGOが叩き出した売上げが、他のすべてのゲームアプリの総額を上回ったというから完全に社会現象だ。
日本ではマクドナルドが拠点になるらしいけど、わが街のマクド、昨年末に潰れたんだよな…。
ポケモンGOは“歩きスマホ"を助長し、実際に事故やトラブルも起きているようだけど、海外では自閉症の子が外交的になったなど、プラスの話題もある。
※原発の敷地内や、アウシュヴィッツ博物館にポケモンが現れる設定のままリリースしたのはどうかと思う。そんなの、業者が設定をちょっと変えるだけで対応できそうなものだけど。「ここには出ない」という場所も必要。
●7月17日…天皇陛下が健康上の理由で皇太子に譲位を希望されているとのNHKのスクープに驚いた。報道があったのは13日。“尊皇リベラル"を自認する者といて、続報を待ってコメントしようと思ったけど、その後、何も新しい情報がない。
不可解なのは宮内庁がこのスクープを頭から否定していることだ、ならばNHKの“世紀の大誤報"かと思いきや、宮内庁がNHK側に公式に抗議したという話を聞かない。
内容が内容だけに、これが誤報だと現場ディレクターのクビが飛ぶだけじゃなく、NHK会長は辞任不可避。完璧に裏がとれたから報道したとしか思えない。現にNHK側は誤報のお詫びを出していない。宮内庁が否定しているのは、憲法で天皇の政治的言動を禁じているため、建前上は否定するしかないのだろう。NHK的にも、リークした人物が罰せられぬよう、“宮内庁関係者"としか情報元を明かせないのだと思う。

このスクープについてのリベラル側の意見は「改憲への抵抗」「官邸による政治利用」の2つに分かれている。
・護憲に立ち上がった説…このような重大事が、天皇誕生日や新年の会見ではなく、与党圧勝の参院選直後に公表されたことに注目。かねてから繰り返して護憲発言を繰り返し、政治的言動ギリギリのところで安倍政権・改憲勢力に抵抗されていた陛下が“最後の切り札"を使った、という説。
「戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました。戦争で荒廃した国土を立て直し、かつ、改善していくために当時の我が国の人々の払った努力に対し、 深い感謝の気持ちを抱いています。また、当時の知日派の米国人の協力も忘れてはならないことと思います」(2013年、今上天皇・誕生日に際しての会見)
このように、右派の“押しつけ憲法論"に異議を唱えるように、わざわざ「米国人の協力」への感謝を陛下は述べておられる。
同年、美智子皇后も同じ主旨で気持ちを表明されている。
「この1年も多くの親しい方たちが亡くなりました。阪神淡路大震災の時の日本看護協会会長・見藤隆子さん,暮しの手帖を創刊された大橋鎮子さん(カジポン注:朝ドラ『とと姉ちゃん』のモデル),日本における女性の人権の尊重を新憲法に反映させたベアテ・ゴードンさん,映像の世界で大きな貢献をされた高野悦子さん等,私の少し前を歩いておられた方々を失い,改めてその御生涯と,生き抜かれた時代を思っています」(2013年、皇后陛下誕生日に際して)
ここに出てきた唯一の外国人、ベアテ・ゴードンさんこそ、GHQに属して日本国憲法を書き上げた主要メンバーの1人。あえてゴードンさんの死を悼む姿勢を見せる、美智子皇后の気持ちに保守論客は気付いていないのか、或いは気付いているのにわざと無視しているのか。
陛下は昨年の戦没者追悼式で、例年と異なり新たに「さきの大戦に対する深い反省と共に」という一文を追加された。戦没者追悼式において「反省」という言葉が盛り込まれたのは昨年が初めて。前日に安倍首相が出した戦後70年の“安倍談話”が「反省」を使わなかったことと対照的だ。昨年は元旦の段階で、「(戦後70年目であり)この機会に,満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び,今後の日本のあり方を考えていくことが,今,極めて大切なことだと思っています」と述べられ、日本人とって“先の戦争"は太平洋戦争ではなく、「満州事変に始まる」アジア侵略から始まっていると言及されている。
また、今上天皇は地方の護国神社を訪れる際に、必ずA級戦犯(戦争指導者)の合祀が“ない"ことを確認されていることも忘れてはならない。
改憲勢力が3分の2を突破したが、これから皇室典範を変更せねばならず、その作業に1〜2年は要するといい、安倍氏の任期が終わってしまう。次の衆院選をまたぐ可能性もある。さらに言えば、退位後は憲法上の“天皇"ではなくなるのだから、政治的発言も今より許されるだろう。
こうしたことを踏まえて、ネット上にはスクープ報道の翌日には、早くも動画『総統閣下は天皇陛下が生前退位の意向を示した事にお怒りのようです』(4分)がアップされている。

※“未来の辞典"パロディ/匿名掲示板より→
【平成事変】(へいせいじへん)…2016年(平成28年)7月13日、平成天皇の譲位発表により安倍内閣の朝敵認定を引き起こした事変。安倍晋三内閣(政権与党・自民党)は露骨な金権政治や虚偽の公約、ネットサポーターズクラブ動員、報道管制、数字の恣意的引用を含む選挙活動CMなど手段を選ばぬ強権政治により、参院選で改憲勢力3分の2に漸近した。また、安倍首相はIS(イスラム国)挑発事件による対テロ戦争や、南シナ海で起きうる中国軍との有事接触へ自衛隊派兵を仄めかしつつ、改憲による交戦権確保に向け準備を進めつつあった。他方、戦中の経緯より平和国家建設を謳う日本国憲法を遵守する旨を常々述べてきた平成天皇は、数年前より暖めてきた腹案として譲位の意向(譲位の勅)を、参院選勝利に酔いしれる自民党に冷や水を浴びせるのに絶好な参院選終了3日後の時点で、宮内庁の親天皇派を通じ、NHK含む主要報道機関へ一斉に発表させ大きな国際ニュースとなった。官邸は慌てて親安倍派の宮内庁次官にこの件を否定させたが時既に遅く、安倍内閣側は当事変により改憲の大義名分を失うと共に、天皇の意向に対し万策尽きてノーコメントという失態を演じ、朝敵認定されるに至った。


・官邸による政治利用説…これを機に、皇室典範の改正ではなく、一気に憲法改正に持っていこうとする安倍政権の策略説。「憲法には譲位についての規定がなく、陛下の健康問題もあり、この部分だけでも速やかな改憲を」と主張した場合、国民投票で過半数を得られる可能性が高い。安倍氏としては、本丸の緊急事態条項設置や9条改正は出来なくとも、戦後初めて改憲を成し遂げた首相として語り継がれる“栄誉"を手にすることが出来る。NHKの籾井会長は安倍氏と同じ思想を持った同志であることも、この疑念を膨らませている要因。
一度でも憲法改正の国民投票を実施すれば、次に向けて国民の心理的ハードルを下げることが出来るというのもあるだろう。果たしてこのとき、リベラル側は「皇室典範を変えれば十分」とどこまで抵抗できるか。
※っていうか、それこそ安倍氏の十八番“解釈改憲"をすれば良いんじゃないのって思うけど。あの憲法学者の9割が違憲と判断した集団的自衛権行使を、憲法を変えずに可能にしたことを思えば、反対者も少ないし容易のはず。

真相が何であれ、ひとつだけ言えるのは、保守カルト“日本会議"の小堀桂一郎副会長が主張する「天皇陛下の生前退位は事実上の国体の破壊に繋がる」は完全に的外れということ。日本史を勉強すればすぐに分かることだけど、歴代天皇の約半数は生前に譲位を行っており、わが国の歴史では何度も繰り返されてきたもの。別にそれで日本はバラバラに破壊されていない。
報道によると、陛下は「天皇としての公務を減らすのは不本意ゆえ譲位したい」と考えておられるのに、高市総務相は「公務を減らしてでも陛下のままでいて欲しい」とコメントしており、“公務を減らしたくない"という陛下の思いがまったく高市総務相に伝わっていない…。

どうか、陛下の願いがベストな形で実現されますように。

〔追記〕内田樹氏のツイッターから『生前退位問題、自民党は恐慌状態のようです。改憲のスケジュールが狂ってしまうし、何よりも陛下が生前退位を選ぶということ自体が自民党改憲草案が思い描く「終身国家元首」としての天皇という統治装置の原理を否定するものだからです。自民党は天皇制を「反対派を抑圧し、国民を黙らせることのできるたいへん使い勝手のよい統治装置」だとしか考えていません。ただの「装置」なので、陛下がが彼らと違う政治的信念を抱くことは「あってはならない」のです。これほど露骨に不敬な政権は近代史上はじめてでしょう』
●7月16日…都知事選、鳥越さんが発表した選挙公約を見て目まいが。宇キ宮さんが立候補を取り下げたのは、鳥越さんが宇キ宮さんの公約を出来るだけ取り入れると約束したから。丸ごと取り入れるのは無理としても、6〜7割は引き継いでもらわないと、何年も前から都政改革の構想を抱いていた宇キ宮さんが浮かばれない。でも、実際に意向が反映されたのは3割程度…。特に「原発再稼働反対」「ブラック企業対策条例」「都政をチェックする都民評議会」、この3つが言葉として入っていないのは残念すぎる。

【子どもの貧困】
〔宇キ宮公約〕
・公立の小中学校の完全無償化をめざす。学校給食を無償化。夏休みでも給食を無料で食べられる制度を検討。さらに、都独自に返さなくてもいい奨学金制度を創設。
〔鳥越公約〕
なし。完全カット。
→子どもの貧困率が深刻になっている今、給食無償化や、給付型奨学金は緊急の事案。なぜ不採用にされたのか…。

【原発】
〔宇キ宮公約〕
・東京都は東電の大株主。原発再稼働と原発輸出に反対。小規模太陽光や小水力・バイオマスなど、再生可能エネルギーの普及を促進。
〔鳥越公約〕
・原発に依存しない社会に向け、太陽光やバイオマスなど、再生可能エネルギーの普及に取り組みます。再生可能エネルギー割合8.7%から30%を目指す。
→再生可能エネルギーの数値目標はあるが、肝心の「再稼働反対」の文言なし。

【ブラック企業】
〔宇キ宮公約〕
・「ブラック企業」対策条例を制定。相談機関を充実させ相談者に寄り添った運営をおこなう。
・最低賃金を時給1500円にすることを目指す。
〔鳥越公約〕
・長時間労働の是正など、働き方改革でワークライフバランスを進める。正社員化を促進する企業を支援し、不本意非正規社員の解消に努める。最低賃金の引き上げを求める。
→めちゃくちゃ期待していた「ブラック企業対策条例」が鳥越案にない!多くの企業が東京に本社を置いており、東京でサービス残業根絶&有休消化率100%が徹底されると、間違いなく地方へ波及していく。原発再稼働は国論が分かれても、ブラック企業の取締りは、そもそもサービス残業の強要が犯罪なんだから、真っ先に取り組めるはず。しかも財源は不要だ。「条例」を定めずに「働き方改革を進める」なんて努力目標では現状は変わらない。あと、時給1500円の具体的な数字も鳥越案では消えている。1500円以上は今や先進国では常識。

【文化的生活】
〔宇キ宮公約〕
・文化的な生活をすべての都民に。都の施設(美術館や博物館、動物園、公園など)の入場料を25歳までの都民は無料に。
〔鳥越公約〕
なし。完全カット。
→うおお、なぜなんだ鳥越さん…英国や米国は25歳以下どころか、全年齢が無料という美術館、博物館がたくさんあるのに、どうして宇キ宮案を無視するんだ…。

【政治改革】
〔宇キ宮公約〕
・都民の目で都政をチェックする都民評議会を設置し、過去の都政にかかわる不正・無駄遣いも、都民に公開された場で徹底して調査。
〔鳥越公約〕
・知事の海外視察費用、公用車利用のルールを見直し、知事の視察等の情報公開を徹底。政治資金規正法の見直しを都から国に働きかける。
→ルールを見直す程度で自浄能力が発揮されるとは思えない。「過去の都政にかかわる不正・無駄遣いも調査」が鳥越案にない。石原慎太郎時代の様々な闇会計の実態を晒して欲しかった。

【少子化】
〔宇キ宮公約〕
・待機児童をゼロにするために、3年間で5万人の認可保育所等の定員増をはかる。
〔鳥越公約〕
保育所の整備をはじめ、あらゆる施策を通じて、待機児童ゼロを目指す。保育士の給与・処遇を改善。
→数字目標を是非公約に。

【格差社会】
〔宇キ宮公約〕
・都民の貧困率を調査し、貧困削減目標を定めて行動を開始。
〔鳥越公約〕
貧困・格差の是正に向けて、若者への投資を増やすなど、効果的な対策に取り組む。希望する人が正社員になれる格差のない社会を目指す。
→漠然としており、もう少し具体的に。

【平和・憲法】
〔宇キ宮公約〕
・都民の基本的人権を守り、東京から平和を発信。安倍政権のねらう改憲に反対。
・東京に米軍基地、オスプレイは不要。
〔鳥越公約〕
・非核都市宣言を提案。
→街頭演説では改憲反対するも、公約に記述なし。

【多様性】
〔宇キ宮公約〕
・誰もが自分らしく生きられる社会へ。LGBTの平等な権利保障を。
・差別を煽るヘイト・スピーチは東京の恥。厳しい姿勢で望み、都知事自らカウンター・アクションに立つ。
〔鳥越公約〕
・多様性を尊重する多文化共生社会をつくり、男女平等、DV対策、LGBT施策、障害者差別禁止などの人権施策を推進。
→人権施策に関しては鳥越公約の方が詳細。ただしヘイトスピーチには触れず。

【医療】
〔宇キ宮公約〕
・都民の「皆保険・皆健診」を実現して、生命と健康を守る都政に作り変える。
〔鳥越公約〕
・都のがん検診受診率を現在の50%未満から100%に。また、受動喫煙防止に向けた条例制定に取り組む。
→双方の複合案がベストかと。

【鳥越案にのみあるもの】
・住宅耐震化率83.8%を100%にし、住宅・マンションの耐震化助成を拡充。
・特別養護老人ホームなど高齢者の住まいを確保。介護職の給与・処遇を改善。
・テロ・サイバー攻撃などの脅威に対し、万全の備えを確立。

…とはいえ、ここで鳥越さんを応援しないと、涙をのんで知事選から撤退した宇キ宮さんの想いが無駄になってしまうので、複雑だけど鳥越さんにエールを送る。小池氏は右派カルト日本会議所属&幸福実現党と手を組んだ過去があり、鳥越氏のことを「病み上がり」と揶揄するなど癌患者へのデリカシーがなく、増田氏は岩手県知事時代に膨大な借金(任期中に負債2倍、1兆4千億円)を作ったうえ、今年まで東電の取締役だった。
きっと、鳥越さんは政治的判断により、保守票を取り込むためにユル〜い公約にしたけど、本心の部分では8割以上で宇キ宮案に同調しており、当選後に政策に反映してくれると信じている。信じたい。

//トルコで軍事クーデター未遂。“未遂"といっても死者約300人、逮捕者6000人というから小さな事件じゃない。今回のポイントは、軍部のイスラム急進派によるクーデターではなく、独裁色を強めている大統領に対するイスラム穏健派による反乱ということ。大統領は権力強化を狙った改憲を準備しているといい、穏健派の反発はますます強まるだろう。
〔追記〕その後、エルドアン大統領はテレビとラジオ計24局の免許取り消しを決定、事件に関連して7543人の軍人や司法関係者らを拘束、計約2万5千人の公務員を停職処分、私学教員約2万千人の免許を取り消したとのこと。敵対勢力弱体化のための大粛清。この苛烈な対応は常軌を逸しており、新たな火種とならないか。
●7月15日…「むずかしいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを面白く」(永六輔※井上ひさし氏の座右の銘)。
放送作家の草分け的存在で、「上を向いて歩こう」「こんにちは赤ちゃん」「遠くへ行きたい」「見上げてごらん夜の星を」などヒット曲の作詞も手がけた永六輔さんが7/7に他界された。享年83。「上を向いて歩こう」は1961年に坂本九が唄って米国でも大ヒットし、米ビルボードで3週連続第1位に輝く金字塔を打ち立てた。渥美清さんや黒柳徹子さんが活躍した人気番組「夢であいましょう」で台本を担当。訃報に接した黒柳さん「お友達が亡くなって、本当に、最後の一撃のような、永さんの死です」。軽妙な語り口でラジオDJとしても人気を博した。

生涯にわたって反戦・反骨を貫いた人としても知られており、護憲派として積極的に発言していた。「憲法はあくまで国の舵取りをする政治家や役人、つまり為政者を縛るための法律」「市民が『改憲ハンタイ』なんてデモするのは、けっして平和な状況ではない」。
/憲法第99条は「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と、護憲義務を規定している。ところが自民改憲草案には「憲法を尊重し擁護する義務」から「尊重し」の文言が削られ、その代わりに「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない」という一文が加えられている。つまり、元々は政府閣僚を縛るためにあるはずの憲法が、国民を縛るものに180度変わっている。この憲法の根幹を揺るがすような変化を、マスコミは選挙前にほとんど伝えなかった。
「憲法議論でいうとね。第9条ばかりに目がいきがちだけど、条文の最後のほうの第99条には、憲法をまとめるように、『天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ』とあるんですよ。この大事な99条にまで議論が及ばない」
国民に義務を課すなんてちゃんちゃらおかしいですよ。憲法は国民を守るためのルール。それなのに99条を変えると言い出すなんて、政治家が憲法を勉強してこなかった証しです」。
※永六輔さんは「君が代」を「星条旗よ永遠なれ」のメロディーで歌うといったパフォーマンスをしており、対米従属姿勢を強烈なブラックユーモアで皮肉っている。

/訃報がもう一人。民族音楽風ロックバンド『ZABADAK(ザバダック)』のギタリストで作曲も行っていた吉良知彦さんが7/3に他界された。56歳の若さ。吉良さんはプログレの影響を受け26歳でZABADAKを結成し翌年デビュー。あまりメディア露出がなため一般の知名度は高くないけれど、唯一無二の音楽性がコアなファンを生んでいた(1月のオフ会でも紹介された方が!)。今年は結成30周年記念であり、ファンは今秋のコンサートを楽しみにしていた。哀悼の意を表します。
※宮澤賢治生誕100周年を記念して作られた『賢治の幻燈』は作曲が吉良知彦さん。YouTubeにあがっている楽曲はどれも素晴らしくお薦めです。教えて下さった読者のKさんに感謝。

//今度はフランス・ニースで酷いテロ。死者84人、負傷者202人。テロ犯よ、花火を見に来た子どもたちを殺すのがあなた方の正義なのか。丸腰の一般市民を殺害して天国へ行けると思っている異常。
●7月14日…都知事選で立候補を取り下げた宇キ宮さん。野党の票が分裂するのを避けるための大英断であり男を上げた。宇キ宮さんが撤退を決断したのは、野党統一候補の鳥越さんが宇キ宮さんの公約を出来るだけ実現すると約束したから。
その宇キ宮さんの公約、本当に素晴らしいので、以下に一部を抜粋!

・文化的な生活をすべての都民に。都の施設(美術館や博物館、動物園、公園など)の入場料を25歳までの都民は無料に。
「ブラック企業」対策条例を制定。相談機関を充実させ相談者に寄り添った運営をおこなう。
・最低賃金を時給1500円にすることをめざして国にはたらきかける。
・都民の目で都政をチェックする都民評議会を設置。
過去の都政にかかわる不正・無駄遣いも、都民に公開された場で徹底して調査
・都知事の給料は高すぎる。まず半額に減額
・都民の貧困率を調査し、貧困削減目標を定めて行動を開始。
・都民の「皆保険・皆健診」を実現して、生命と健康を守る都政に作り変える。
・待機児童をゼロにするために、3年間で5万人の認可保育所等の定員増をはかる。
公立の小中学校の完全無償化をめざす
すべての小中学校で学校給食を無償化。また夏休みでも給食を無料で食べられる制度を検討。
・東京都独自に、返さなくてもいい奨学金制度を創設
・中小零細企業が、高い技術を育成されながら、経営を続けられるまちへ。
・原発のない社会を東京からめざす。小規模太陽光や小水力・バイオマスなど、再生可能エネルギーの普及を促進。
・東京都は東京電力の大株主。原発再稼働と原発輸出に反対する。
・五輪招致段階での不正疑惑などのさまざまな問題が指摘されていおり、徹底した情報公開を進める。
・都民の基本的人権を守り、東京から平和を発信。安倍政権のねらう改憲に反対。
・誰もが自分らしく生きられる社会へ。LGBTの平等な権利保障を。
差別を煽るヘイト・スピーチは東京の恥。厳しい姿勢で望み、都知事自らカウンター・アクションに立つ
・東京に米軍基地・オスプレイは不要。

文芸ジャンキー的に文化施設の入場料無料は是非とも実現して欲しいところ。英国の大英博物館や国立美術館、アメリカのスミソニアン博物館とか、無料だもんね。

//半年に一度の定期報告!ウチのサイトは文字が多く、広告が入ると読みにくくなってしまうし、文章の独立性を保つ意味でも、やせ我慢に近い“美学”のためにすべての広告依頼を断っています。とはいえ、せめて維持費の何割かがサイトから入ってくれば助かるのが本音…。 読者の皆さんの中にはエールの意味で当サイトからアマゾンを利用して下さっている方もおられるかと思います。2つの大容量サーバー、独自ドメイン、転送サービスなど、サイト維持費(15万弱)の “約7割”をアマゾン還元金に助けられているのですが、購入者のお名前がこちらでは分からないため、せめて高額商品の品名だけでも感謝を込めて報告させて頂きます!
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〔追記〕キャンディ・キャンディの文庫セット(全6巻)にプレミアがついてるの知らなかった。これ、自分持ってます。
●7月13日…近年、南シナ海に中国が勝手に人工島&ミサイル施設を作り、周辺国と緊張が高まっている。この事態を受け、国際法で平和的に解決するためフィリピンが仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)に提訴。7月12日、初めて国際的な司法判断が下された。判決はフィリピンの全面勝訴!「中国が人工島を造成したミスチーフ礁等は満潮時に水没する暗礁であり、領海を設定できない」「人工島は島ではない」など、中国が主権を主張する独自の境界線「九段線」には国際法上の根拠がないと断定した。また、スカボロー礁周辺の海域は周辺国の伝統的な漁場であり、フィリピン漁船への中国の妨害を国際法違反と断じた。フィリピン外相「画期的な判決を尊重し強く支持する。紛争の平和的解決のため引き続き努力する」。一方の中国・習近平国家主席「南シナ海の島々は昔から中国の領土であり、判決に基づくいかなる主張や行動も受け入れない」。

仲裁裁判所は1899年に設立された常設の国際法廷で、国際司法裁判所(1946年設立)より半世紀も歴史が古く、国家間、企業、私人の紛争を国際法に基づいて仲裁・調停する(国際司法裁判所は国家VS国家のみ)。現在121ヵ国が批准しており中国も含まれる。各国は判決に従う義務を負うが、罰則や強制する仕組みはない。EU(ヨーロッパ連合)のトゥスク大統領は「EUは国際法を遵守する立場から(仲裁裁判の判断に)全面的な信用を置いている」と中国に平和的な解決を求めた。

中国の指導部が最も恐れているのは、米国でも、日本でもなく、中国の国民だ。中国政府が国内外で繰り返し強調してきた領土主権の主張が「法的根拠なし、国際法に違反」と全否定されたわけで、指導部は国民の批判が政府や党に向かうことを警戒している。中国版ツイッター「ウェイボー」には、「南シナ海の水は一滴も渡さない」「中国は、何一つ欠くことはできない」と過激な書き込みが溢れ、一部に「最悪の結果を招き、外交上の重大な失敗だ」と政府批判も出ているという。
指導部が愛国心教育をやり過ぎた結果、領土主権にまつわる問題で少しでも弱腰に見える姿勢をとれば、国内から猛批判を浴びてしまう。

中国政府は、この先批判をかわすために何でもやってくるだろう。中国外務省幹部は「判断は、紙くずであり拘束力は無く、無効だ」と反発。日本側としてやっかいなのには、仲裁裁判の仲裁人5人のうちの4人を任命した人物が、国際海洋法裁判所長の柳井俊二氏であったことから、中国側が不正審議とまくし立てていることだ。柳井氏はガチガチの右派。安倍氏の私的懇談会の座長として、9割以上の憲法学者が違憲としていた集団的自衛権の行使を可能と判断、安保法制可決への道を切り開いた主要人物だ。中国側は「柳井氏が一手に取りしきったことで、仲裁裁判は当初から政治化しており、出された判断は不法であり無効だ」と主張している。

…う〜む、柳井氏が関わったとして、今の日本に国際法廷を意のままに操る政治力があるとは思えない(そんな根回しができる政治力があれば捕鯨問題その他でここまで負けてない)。中国側の「裁判を柳井氏が操っていた」という発言は、むやみに一般中国人の反日感情を煽ることになるのでマジで勘弁して欲しい。しかも、大戦中に日本が南シナ海を「占領」していた負の歴史をからめて非難しており、発火しやすい歴史問題を背景にしたナショナリズムが加わり、人々が感情的になる展開に。極めて危険な状況だ。

中国政府は大きなジレンマに直面している。世界第2位の経済力を持ち、国力が高まったことで、国際社会に名誉ある地位を築きたいと願い、最近は海賊版対策に本腰を入れるなど、国際法を順守する姿勢をアピールしてきた。だが、今回の国際法廷の判決を無視すれば、ならず者国家のレッテルを貼られてしまい、築き上げてきたものをぶち壊すことになる。かといって、判決を受け入れて人工島から退去すれば、“愛国者"たちから激しく非難され権威が揺らぐ。判決を無視すれば世界から批判、認めれば国民から批判。まったく、この南洋進出は指導部が自身の首を絞めることに直結するのに、愚かなことをしたものだ。バッドエンド一択の愚行。他国民は、中共政府が国民にかけた「南シナ海は中国のもの」という洗脳を解く必要があるが、国粋主義者たちの反発が予想されるだけに気が重い。

国際司法裁判所は裁判開始に相手国の同意が必要だけど、国連海洋法条約に基づく仲裁裁判は、相手国の“同意がなくても"一方の国の意思だけで始められる。残念ながら「領有権」「海洋境界」の判断はできないため、竹島、尖閣、北方領土などをここで論議するのは難しそうだけど、法の解釈次第で裁判に持ち込めるなら、全部この仲裁裁判所に持っていって、スパッと恨みっこなしの判決を出してもらいたい。そして未来志向の関係を構築。それをやらずに不毛な論争を繰り広げるなら、問題を解決したくない=内政問題から国民の目をそらす外敵が欲しい、と見なされても仕方がない。

※中国の主要新聞の反応。「予測された中では最悪で、最も恥知らずな判決」(環球時報)、「南シナ海を舞台に再びかつての植民侵略が起きた」(新聞晨報)、「南シナ海の島々は古来、中国の領土」(新京報)、「中国はあらゆる必要な措置をとり、領土主権や海洋権益が侵されないよう守る」(共産党機関紙・人民日報)。
※南シナ海は国際航路の大動脈である上、天然ガスや漁業などの資源が豊富。中国とフィリピンのほか、台湾、ベトナム、マレーシアなどが領有権を争っている。判決後、中国はこれまで圧力をかけていた台湾・蔡英文政権に「両岸の中国人には中華民族の遺産を共同で守る責任と義務がある」と呼びかけ、なりふり構わず共闘を求めている。
※中国の大型人工島は南沙(英語名スプラトリー)諸島、ミサイルが配備されたのは西沙(英語名パラセル)諸島。スカボロー礁やジョンソン礁は「岩」と認定、沿岸国が漁業や資源開発などの権利を持つ排他的経済水域(EEZ)は設けられないと判断。

※これまで仲裁裁判所は、2002年にエチオピアとエリトリアの国境線を画定、2009年にスーダンと南スーダンの係争地問題を仲裁、2015年に英国とモーリシャスの海洋保護区設定をめぐる訴訟などを扱っている。
※中国政府はややトーンダウンした発言もしている。「日本側は、日中関係と地域の平和と安定という大局に立って、南シナ海問題をそそのかすやり方を反省し、この問題への介入をやめるよう希望する」。
※米国は「国連海洋法条約」に参加していない。参加せずに「判決に法的拘束力がある」と言っても説得力皆無なのだが…それでいいのか米国。
※参照ニュースリンク(NHK)




昨年訪問したオランダ・ハーグの常設
仲裁裁判所(国際司法裁判所と同じ建物)
裁判所の手前の広場には、
世界中の言語で“平和"と!
//だーっ、鳥越さん、公約は今から作るのかぁああ(汗)。この状態で宇キ宮さんは撤退できるのか。→なんと夜になって宇キ宮さんが候補を取り下げ。一本化に成功!宇キ宮さんの政策を鳥越さんが受け入れると約束したらしい。鳥越さんより宇キ宮さんの方に“覇気"があるため、話を聞いてるうちに、野党は宇キ宮さんで一本化し、鳥越さんが支持に回るのがベストな気がしてきたけど、頑固な宇キ宮さんを納得させられるものが鳥越さんにはあったということ。以後の論戦に期待。
●7月12日…参院選、北海道は3議席のうち民進が2議席を獲っているのか。東北地方6県は野党の5勝1敗であり、秋田以外は与党の完敗だ。福島では安倍政権の閣僚が落選。そして南でも沖縄で現職の大臣が落選している。「福島」と「沖縄」で政権にノーが突き付けられたことを、国会はもちろん、日本人全体で重く受け止めるべきと思う。地元の人は政府の対応に抗議の一票を入れている。




【参院選1人区の選挙結果】青が野党、赤が与党の勝利

それにしても、これほど地域でクッキリと分かれるとは。
東北・北海道・沖縄で野党が大きく勝利し、関西など西日本で
与党が大勝利している。そこから何が見えるのは、関東&
西日本の人々の気持ちが、苦難に直面している地域の人々に
寄り添っていないということ。基地問題やTPP問題、原発事故で
困っている人々の地域で落選した与党が、関東&西日本で
“圧勝"する背景、そこに無関心さはないか。同じ日本列島に
暮らしていながら、気持ちが分断されているのを感じる。
これを放っておくと、どんどん差が広がっていく。なぜメディアは
この事を深刻な問題として報道しない?

/産経が前回参院選との比較で「共産は2議席減った」と指摘しているんだけど、前回比でいうなら、自民は9議席減、民進は15議席増で、民進の大勝利ということに

//都知事選、昨夜の段階でリベラルは前回2位で大健闘した宇都宮健児氏(69)か、「アイ・アム・ノット・アベ」の古賀茂明氏(60)になると話が進んでいたら、今朝になってキャスターの鳥越俊太郎氏(76)の名前が。知名度は鳥越氏が頭一つ突き抜けているけど、健康面が心配。でも癌を理由に政治をしてはいけない、というのは健康な人間による差別に他ならない訳であり、病気の人を勇気づける意味でも鳥越氏の決起には期待したい部分がある。
ただ、心情的には3度目のチャンレンジになる宇都宮氏を応援したい。弱者のためにヤクザとも対決してきた本物の人権派弁護士。前回、僕は細川氏を応援し、宇キ宮さんが退かないことを嘆いていたけど、フタを開けてみると宇キ宮氏の方が票を集めていた。その後ろめたさもあって、今回は宇キ宮さんに勝負させてあげたい。鳥越氏は前回、他のリベラル著名人と一緒に、宇キ宮さんに候補を降りるよう説得していた記憶がある。あれを考えると、宇都宮氏の気持ち的に、かなり複雑なものがあると思う…。
ただし、参院選の結果を見るに、与党からすれば、“宇都宮氏であればそれほど怖くないが、鳥越氏がくるとかなり驚異"という感覚じゃないだろうか。現実的なベストは鳥越知事と宇キ宮副知事のタッグだろう。宇キ宮氏は5歳若いから次もある。命知らずの古賀茂明氏の都政無双も楽しみだけど。
〔追記〕日経の速報によると、民進、共産、社民、生活の野党4党が会談し、鳥越氏を4党で一致して支援する方針を確認したとのこと。4党は宇キ宮氏に副知事で打診を!
●7月11日…昨夜は絶句してたけど、前回2013年の選挙結果とよく比較したら、1人区で野党共闘の成果が確実に出ている!
(1)参院選の1人区の結果は、前回は与党29VS野党2。今回は与党21VS野党11で、約6倍に増加
(2)全国の1人区を見渡しても、「自民→野党」に代わったケースは10カ所あるけど、「野党→自民」になったケースはゼロ!また、改選議席が2→1になった新潟は、前回2議席を自民・民主が占めていたけど、今回野党統一候補(森ゆうこ)が勝った。
(3)特に東北地方は6県のうち野党統一候補が青森、岩手、山形、宮城、福島で勝利し、負けたのは秋田県ただ1カ所。かつて保守王国だった東北とは思えない結果。しかも福島で落選したの安倍内閣の現職の大臣だ。これは、原発事故・震災対応の遅れやTPP推進による農家への裏切りに対する反発だろう

全体を見ると敗北は敗北として反省すべきではあるけど、少なくとも1人区を野党統一候補にしたことは、上記のように間違っていなかった。次の衆院選もこの路線で行くしかない。
※特筆すべきことが。沖縄では普天間基地移転で辺野古新基地反対派の伊波氏が勝利し、安倍政権の現職閣僚で新基地推進派の島尻氏が大差で落選した。沖縄で自民が連敗。本土の人々はこの民意を知っておかないと。

/とはいえだ。民進は総数で大きく議席を減らしており、国民の信頼を取り戻せていない。旧民主は消費増税の件で「嘘つき政党」と見なされ、原発再稼働を強行したことでリベラルからも不信感を持たれている。野田、前原、細野、長島、松原ら“旧民主の顔"と訣別しない限り、“名前を変えても中身は一緒、反省していない"と思われるだけ。
共産も、東西冷戦が終わったときに、西欧の共産党の多くが名前を変えて社会民主主義政党になったのだから、もう言論弾圧や一党独裁、粛清イメージしかない“共産"の名を捨てるとき。今回、これだけ頑張って伸び悩んだことで結論は出てるじゃないか。民進左派、共産、社民、生活が合体して、労働者、庶民の為の政党を立ち上げるしかない。
−−正直言って、旧民主の“背信行為"に反発&筋を通すために出ていき“生活の党"を結成した小沢氏らがズタボロになったので、庶民新党でも勝てるかどうか不安だ。それでも、もはや他に選択肢はない。国民には具体的な行動として分かりやすいし、比例区の票も期待できる。安保法制の強行採決、アベノミクスによる格差の拡大、無責任な原発再稼働の強行、タックスヘイブン調査の消極的姿勢、これだけ(リベラルにとって)異常な政策が続いても過半数を獲られてしまったわけで、政策をすり合わせて大合同しないと次の衆院選でコテンパンに負ける未来しか見えない。

/今回の投票率も54.7%しかなかった。全国的に天気が良かったのに、2人に1人しか選挙権を行使していない。この権利を得るために、命がけで戦ってきた先人のことを考えると残念でならない。一方、期日前投票は前回を23%も上回り過去最高に。これは、政治に関心がある人と、無関心な人と二極化が進んでいるということか。

/っていうか、タックスヘイブンが明らかになった今、世界の構造は右と左の思想の戦いではなく、富裕層と一般庶民の戦いになっているんだけどな。日米欧の大富豪も、中国共産党の幹部も、タックスヘイブンで事実上の脱税をやっており、一方で庶民は重税に苦しんでいる。
●7月10日…アカン、リベラルの惨状に倒れそう。まだ20時15分だけど、わが大阪は維新2名・自民・公明が当選、民進と共産が落選。これ、現実なんだよな…。頭がショートしそう。関西は1人区すべてで自民が勝利…。野党が統一候補を出せばもっと勝てると思っていたのに…。目まいがする。
/現職の民進候補が落ちまくっている…。これで民進内の右派の発言力が増すだろう。信じられない。トリプルスコア負けとか、もうね…。
/タックスヘイブン追及を訴えていた社民党の吉田党首が落選…だと!?
/おっ、鹿児島の知事選は川内原発の再稼働反対派が勝った!
/福島で現職の自民大臣が落選。これは東北からの大事なメッセージ。
/民進、前回より議席が伸びたのか。まぁ、前回が惨敗しすぎたわけだけど…。
/三宅洋平氏、ここまでボロ負けするとは…。最下位から2番目なんて…。(とはいえ、前回17万票、今回25万票)
/小林節さんたち憲法学者の「国民怒りの声」党も木っ葉微塵…。
/自民続投ならハト派の岸田外相が次期総理にきて欲しい…。
●7月9日…明日は参院選。何年も前から当日記では、選挙のたびに「野党は選挙協力を」「民主(民進)と共産で票を奪い合い、共倒れは愚の骨頂」「党のメンツと憲法のどちらが大事か」とリベラル勢力に“共闘"を訴えてきた。それがついに今回の参院選で実現し、リベラル同士で候補者を乱立して自滅することをやめた。その点では、結果がどうなろうと悔いはない。現在の選挙制度下では、共闘でしか巨大与党と戦えないのだから。
もし民進の支持者の中に、共産と接近したことが不満で支持をやめるという人がいたら、その人は「共産と組むくらいなら安倍内閣が続く方がマシ、憲法破壊、違憲立法(戦争法)を認めた方がマシ」と言ってるのと同じ。憲法学者120人うち104人が違憲と判断(報ステ)した安保法制は絶対に廃止すべきだし、中国・北朝鮮の脅威には集団的自衛権を行使しなくても個別的自衛権で対応できる。日本をまったく攻撃する意思がない国へ、米軍を守る為とは言え先制攻撃を可能にする安保法が合憲である訳がない。
自民にかつて“武器輸出禁止三原則"を定めた頃の姿に戻ってもらうため、そして公明に憲法学者の言葉に耳を傾けてもらうため、この参院選ではリベラル派が票を重ねねばならない。
野党の協力について、自公の党首は「野合だ!無責任だ!」とさかんにまくしたてているけど、安倍氏が公言している憲法改憲を阻止するためであり、共闘しない方がもっと無責任。それをしなければ安倍政権が数の力で強行採決してくるのは明白。っていうか、かつて自民は旧社会党と連立を組んで村山政権を樹立するという究極の野合をやってるし、昨年11月に至っては大阪知事選で「自民と共産」が“異次元"共闘して、おおさか維新と戦っている。

〔僕が野党統一候補に入れる理由〕
・改憲勢力に3分の2の議席を与えないため。現憲法は「国民が権力を縛る」ものになっているが、自民憲法草案は「権力が国民を縛る」という真逆のものになっている。安倍政権の元法務大臣に至っては「国民主権、基本的人権、平和主義、この3つをなくさなくては自主憲法にならない」と公言する始末。中世に戻すつもりか。
個人消費が戦後初の2年連続マイナス。リーマンショックより酷い落ち込み。また、2年連続でGDP2期マイナスを叩き出したのも安倍政権が憲政史上初。これはもう“アベノミクス不況"と言っていい。

 ※安倍政権下で急落している実質賃金
・大企業は過去最高益になる一方、実質賃金はアベノミクスで急落。いくら輸出企業が儲かっても庶民の生活は苦しくなるばかり。社会構造がおかしい。
・自殺者が減らない。首都でこれほど鉄道に飛び込み自殺があるのは世界で日本だけ。戦後70年かけてこの悲惨な状況。
・社民&共産は選挙演説でタックスヘイブン問題を解決すると訴えている。日本の大企業・富裕層が国外に資産を移して課税逃れをしている金額は数十兆円以上。巨額の企業献金を受けている政党では、利権がらみでこの問題を解決できない。
・国民の年金で株を買うのをやめさせる。政府が年金でギャンブルなどもってのほか。
・原発再稼働に反対。猛毒の使用済み核燃料を、どこに10万年も安全に保管するのか。
・取り返しがつかなくなるまで放置された少子化対策。
・安倍氏は野党が経済のシロウトのように非難しているが、戦後70年で借金1000兆円という天文学的な赤字を生んだのは自民自身。同じ敗戦国のドイツはなんと国の赤字ゼロ

「後世に残るこの世界最大の悲劇は、悪しき人の暴言や暴力ではなく、善意の人の沈黙と無関心だ」(マーティン・ルーサー・キング)
●7月8日…国内総生産(GDP)はこの2年間全く増えず、実体経済はほとんど成長していない。ところが、安倍氏は党首討論会で「求人倍率1倍を全都道府県で実現した」と“アベノミクスの成果"を主張している。どういうことなのか。これはアベノミクスというより少子化の結果だ。
アベノミクスが始まった2012年は、人口の多い『団塊の世代』が職場から引退し始めた時期。また、少子化で働く人が減少しており、求人倍率の分母にあたる求職者が減っている。倍率が上がりやすくなるのは当然。15歳以上の労働力人口は6075万人で、この5年で295万人減った。
また「全都道府県で倍率1倍実現」も喜んでいる場合じゃない。背景にあるのは地方から都会への若者の流出。例えば高知県では、求職者が09年度の約2万人から昨年度は約1万5千人に激減している(リンク)。しかも、一昨年の他県への転出者は、転入者より2179人多く、20〜24歳が半数以上を占めている。こうしたことが皮肉にも地方の求人倍率をあげる結果となっている。こういう背景を説明せずに垂れ流すニュース番組も問題。
・少子高齢化で退職者が増え求職者数が減り続けているので改善して当たり前。
・非正規(パートとアルバイトと契約社員)が増えているだけ。

//安倍氏の選挙演説で“それ言っていいの?"と違和感があるのは、「民主党政権の不況の頃に戻りたいか」というヤツ。ネットでは「民主党政権時代のあの3年で、日経平均株価は下がりまくって7000円台の酷い数字に」と書かれているのをときどき見る。日経平均株価が大暴落・最安値6995円をつけたのは08年10月28日であり、この時はまだ自民党・麻生政権時代。09年に入っても株価は7000円台の低迷が続いた。民主政権時代になってからは1万円前後をキープし、東日本大震災や欧州金融危機(ギリシア危機)で8000円台に下がったものの、民主政権はその困難を乗り越えて、解散前の2012年11月には9500円前後まで株価を戻した。民主政権時代に「日経平均株価は下がりまくり」というのは完全にデマであり、むしろ東日本大震災という未曾有の災害の中でよく踏ん張ったといえる。円高に関しても、欧州債務危機と大震災の時期に80円前後になったので、この外的要因を考慮せずに民主のせいにするのは違うと思う。自民だってリーマンショックに対応できなかったわけで、間違った情報による中傷はフェアじゃない。
しかもどうやって“アベノミクス"で株が上がったかといえば、先進国では禁じ手(米国では違法)である、国民が積み立てた年金を使って株を買っただけ。誰が首相になってもこの手を使えば株価は上がる(暴落すると年金が破綻するから歴代首相はやらなかった)。円安になったのは、単純に日銀が狂ったように紙幣を刷りまくって円の価値を下げたから。税収があがったのは国民に大増税を課したためであり、法人税が伸びている訳じゃない。メディアはちゃんと伝えて欲しい。

//アメリカ、ダラス市街の銃撃戦、警官5人死亡12人負傷って酷いな…。この事件の引き金になった、白人警官がうつぶせの黒人男性に6発も弾丸を撃ち込んで処刑した映像がショッキングすぎる。銃が出回るから警官もビクつき引き金が軽くなる。人種差別問題と銃社会、アメリカの暗部。完全に悪循環。
●7月5日…1993年、というからもう23年も前の話。僕は“子役が可愛い"と評判のイラン映画『友だちのうちはどこ?』をミニシアターで鑑賞した。初めて出会うイスラム圏の映画。タイトルやスタッフの文字はあのミミズのようなアラビア文字で、まったく分からない。それが逆にテンションを上げた。文化が大きく異なる人々が登場する映画であり、何もかもが新鮮だった。“イランの人々はどういう人たちだろう?どんな生活をしているのかな?"と、好奇心いっぱいでスクリーンを見つめた。
ストーリーは小学生の男の子が、間違って友達の宿題ノートを持って帰ってしまうところから始まる。その友達はワケアリで、もし今日の宿題を忘れたら退学になってしまう。なんとしても夜までにノートを届けないといけない!ところが、友達が住む村は遠いうえ、親からは別の用事を頼まれるし、いろいろ大変なことに。目的の村に着いてからも、友達と同じ名前の家がいくつもあり、どれが友達の家か分からない…。
タイトルが『友だちのうちはどこ?』とあるように、この映画はひたすら男の子がクラスメートの家を探し続ける内容。特段、大きな事件が起きる訳じゃない(子どもには大事件だけど)。それなのにめっさ面白い。家探しの道中で出会うイランの人々を通して、人間というものはどこに住もうが、言語や宗教が違おうが、中身は同じと知る。喜怒哀楽の共通点に嬉しくなったし、“これぞ映画の醍醐味"と、以降は欧米以外の作品にも興味を持つようになった。
この映画の監督は、後に『桜桃の味』でカンヌ映画祭の最高賞パルムドールに輝くイラン映画界の巨匠、アッバス・キアロスタミ。当局の検閲を嫌ってイランから国外に出る映画人が多いなか、あくまでも同国に残って作品を撮り続ける事にこだわった監督。おかげで『そして人生はつづく』『オリーブの林を抜けて』などでも、素顔のイランを日本にいながらにして見ることが出来た。そんなキアロスタミ監督が、昨日癌で他界と訃報。享年76歳。しばらく新作がなかったのは闘病していたからか。心から哀悼の意を表します。
/僕はこのイラン映画をきっかけにイスラム世界に興味が湧き、シリア、ヨルダン、モロッコ、チュニジア、リビア、アルジェリア、イエメン、トルコ、エジプト、オマーン、カタール、マレーシア、モルディブ、パレスチナの14カ国を訪れた。そして墓マイラーゆえ、各国の墓地へ。数字さえ読めないのに、路線バスに乗られたのは、どこの国でも現地の人が親切に助けてくれたから(そしてアラブ諸国の親日っぷりにビックリした)。炎天下で疲れたときはモスクで休憩した(礼拝時間以外はゴロンと昼寝してる人がいたりする)。シャイだけど旅人には優しい人々。忘れ得ぬ人がいっぱい。『友だちのうちはどこ?』を観ていなかったら、“イスラムはよく分からないし行くのが不安"と渡航を足踏みしていたと思う。だけど銀幕の中の彼らがいると思うと“親しみ"が勝った。1本の映画が異なる文化圏への扉を開いてくれた。本当にシュクラン(ありがとう)、キアロスタミ監督。
キアロスタミ監督の墓は間違いなくイランに作られるだろう。イランはISと戦っているシーア派の国だけど、テヘランで大規模なテロは起きていない。まだ行ったことがないイラン。貯金して一日も早く、監督の墓前で直接感謝の言葉を伝えたいな。




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/この映画を観たのが1993年。その後、1989年にベルリンの壁が崩れて、冷戦が終わって、世界はもっともっと、自由に人が行き来できる素晴らしい未来になると思っていた(東西冷戦が終わると第三世界での代理戦争もなくなるから)。シリアのダマスカスにあるサラディンの墓参りをする計画も立てていた。それが、今や内戦とテロで行けない土地だらけに。墓マイラーは世界が平和でなければ巡礼できないと痛感。2016年がこんなに分断された世界になると夢にも思わなかった。だけど、誰もがこのままで良いと思ってないはず。知恵を絞って良い方向へ持っていこう。
●7月4日…バングラデシュのテロ犯5人はみんな20歳前後の若者という。彼らは人質をとった後、なにひとつ当局へ要求しなかった。つまり、条件を満たせば人質を解放するとかじゃなく、殺害そのものが目的の監禁。20人の犠牲者は銃ではなく刃物で首を切られていた(イタリア人の犠牲者には妊婦さんもいた)。
犯人たちは人の皮を被った化物、恐ろしい目をしているに違いない…そう思っていたら、今日報道で流れた事件前の写真は、全員が爽やかな笑顔。白い歯を見せ、手にはマシンガン。その映像を見て、ずっと混乱で頭がグルグル。理解が追いつかない。殺害理由が「異教徒」「外国人」、ただそれだけ。そんな理由で一般市民にナイフを突き立てられるというのが、同じ人間として信じられない。
従来のテロ犯は、貧困の中で教育を受けずに過激派に洗脳されたという例が多かった。だが、この5人は裕福な家庭で育ち、教育レベルも高かったという。いったい、過激派はどんな思想を吹き込んだのか。目撃情報では、犯人たちは冷静かつ淡々と凄惨な殺戮を行ったという。…残忍極まるテロと、笑顔の写真がどうしても結びつかない。だがこれは現実だ。

/宗教は人を救いもし、殺しもする。紆余曲折を経て9割無神論者になった僕としては、戦争や殺人を徹底的に否定する宗教だけが残って欲しい。人間は弱いから、神を口実になんだってしてしまう。とはいえ、無宗教は無宗教で個人崇拝が強制され、スターリンやポル・ポトを生んだりするわけだけど…。
●7月3日…今度はイラクのバグダッドでトラックに積んだ爆弾が炸裂し市民213人が死亡する爆弾テロ。一度の爆発による死者数として過去最悪級。子どももたくさん犠牲になっている。同じイスラム教でコーランを暗誦できても、宗派が違えば無差別テロの対象。こんな狂気がいつまで“はびこる"のか。
●7月2日…なんて酷いテロ事件がバングラデシュで起きたのか。言葉が出てこない。もともと、今日の日記は4日前にイスタンブールの国際空港で起きた銃乱射・自爆テロ(死者44人)について書こうと思っていたのだけど…。どこに進むんだ、世界は。
●7月1日…ネット動画に今回の参院候補者の街頭演説がいろいろ上がってる。その中で再生回数第1位を走るのが、東京・無所属の三宅洋平氏。YouTube公開から10日間で32万回オーバー!アイドルPVではなく、政治スピーチが10日で32万回って聞いたことがない。
三宅氏はまだ37歳。動画を見たら、47分間ノンストップで、格差問題や自民の憲法草案の危険性を語っていた。特筆したいのは決して喧嘩腰ではないこと。既存政治を全否定するのではなく、ベターなものへ変えようとしている。靖国右派のことを単純に批判するのではなく、「靖国派には靖国派の“想い"があるのに、従来の左派は自分の想いをぶつけるだけで、相手の想いに耳を傾けてこなかった。靖国問題は、想いと想いの問題。僕は靖国には行かないけど、靖国に行く人の言葉をきちんと聞きたいと思う」、そういうことを言っていた。だからこそ、右派も左派も彼の演説を最後まで聞いてしまうのではないだろうか。

フル視聴する時間はなかなかないと思うので、4カ所にジャンプリンクを貼っておきます。(1)多様性のある社会を作りたい(2)個人の尊厳(3)緊急事態条項(4)格差社会と適正な税負担。日本人の資産1740兆円以上、うち500兆円をたった1%の人が持っている。それぞれのジャンプリンクを2分ほど聞くだけで、三宅氏の信念がある程度伝わると思う。
※日本のアーティストは海外に比べて悲しくなるほど政治参加しない。富裕層・大企業の兆単位の合法脱税、表現の自由への圧力、強引な原発再稼働、進む少子化、政権の憲法軽視、いくらでも問題はあるのに、ごく限られたアーティストしか国会に働きかけない。三宅氏の次の言葉にド共感。「(リベラル派大統領候補の)バーニー・サンダースをレッド・ホット・チリ・ペッパーズが全面に立って応援したんだよ!日本のアーティストは何をやってるんだよ!」


「コントロールを知らないまま続ける
キャッチボールじゃなく、お互いの胸元
を見ながら届く球を投げ合っていこう。
コミュニケーション、対話、そこからしか
始まらない」(三宅洋平)

三宅氏は前回(2013)の参院選で緑の党から出て落選したものの、比例代表の落選者中で最多となる約17万7千票を獲得。選挙期間中にツイートがリツイートされた件数は34,000回に達し、これは全候補者、党首の中で最多だった(悔しかったのはワタミ渡辺氏が三宅氏より7万票も少ない10万票で当選したこと。原因は緑の党自体の得票不足)。今回は無所属だけど、山本太郎議員(生活)が何度も応援で入っている。女優の一色紗英さんも駆けつけていた。僕が都民だったら、今回は三宅氏に投じているだろう。

※三宅氏「民主主義ってのは話し合い。話し合いの文化、話し合いの技術、読み、聴き、書き、そして話すっていう力を、みんなが身に付けていく必要があると思うんですよね」「何が歯がゆいかって言うと、どうしてこっちの方が明らかにみんなが幸せになれるのにやらないんだろう?っていう事なんですよね。どうしてお上(かみ)はそれをやらないんだろうって思ってる内は、やっぱり何も通らない。デモをやっても、請願、嘆願、陳情、院内交渉までいってもですよ、変わらなかったんですよ、僕は色々やってきたけど。最後に思ったのが“いや、やるのは俺たちしかないんだ”ってことなんですよ。だから、僕らが政権を打倒するんじゃなくて、あそこにいる何百人の中の一人として、まず混ぜてもらいに行く。そして相手の心を開いてもらった上で対話をして、僕らの価値観を少し混ぜて欲しいんですよね。日本を僕ら色に、ちょっと、染めたいんですよ。染めきりたいんじゃなくて、染めたいんです、ちょっと。それで十分いろんなことが良くなるような気がする」

//最近見た政治家関連の動画で、最も目が点になったのは第一次安倍内閣で法務大臣を務めた、長勢甚遠(ながせ じんえん)元衆院議員のスピーチ。「国民主権、基本的人権、平和主義、この3つをなくさなくてはホントの自主憲法にはならないんです」というもの。おいおい!この3つは戦後日本の根幹にあるものじゃないか。これを完全否定する人物が、この国の法務省の長として法務大臣を務めていたとは。しかも安倍内閣で。空恐ろしいものがある。動画を見たら、言葉のアヤとかじゃなく、確信犯でそう言ってる。スピーチした場所は右派の創生「日本」研修会だ。
長勢氏が理想郷とする、「国民主権、基本的人権、平和主義、これらがすべて存在しない国」は、日本のすぐ隣りにある。引き留めはしないから北朝鮮に亡命すればいい。
先のスピーチには他にも「(護憲派から)人権がどうだとか、平和がどうだとか言われたりすると、(右派は)怖じ気づくじゃないですか。それは我々が小学校からずっと教え込まれてきたからですよ」と、あたかも学校で人権や平和を教えることを“悪行"のように例えている。人権尊重は近代民主主義国家の一丁目一番地だ。それを子どもに教えて何が悪い。ウィキを見ると、長勢氏は議員時代に政治献金問題や収支報告書虚偽記載、事務所費疑惑、カルト統一教会の合同結婚式への祝電など、色々とやらかしている。国民の血税で活動しているのに、その緊張感に欠けている。なんだかなぁ。

//夜11時になっても、室内の温度が31度だと?暑い…。






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