感動をありがとう!ミュージカル・BEST10
※ロック・オペラ、タカラヅカ含む


このランキングは作者や作品に優劣をつけたものではなく(そんな事は不可能)、あくまでも管理人が人生に影響を
受けた作品順です。いろんな舞台に出合う為のきっかけ、入門用として書いています。
(注)皆さんがお気に入りの作品がここにない場合、僕が“未見”と思って頂いて間違いないです。


1.オペラ座の怪人('86)←初演年

    ※映画版ポスターから

僕は人類全体を“オペラ座の怪人を観た者”と“まだ観てない者”に大別出来ると思う。それくらい、空前絶後のアートサンダー(芸術雷)を食らって感動し、忘れ得ぬ人生体験となった。目も眩むような壮麗な音楽、幻想的な地底湖のセット、巨大シャンデリア落下のスペクタクル、スピーディーな舞台転換、美しい衣装、そして…胸が張り裂けそうな報われぬ愛。人間はこんなにも素晴らしい舞台芸術を作ることが出来るということを教えてくれた名作だ。脚本&作曲は『キャッツ』『エビータ』『ジーザス・クライスト=スーパースター』など傑作ミュージカルを世に送り出してきたアンドリュー・ロイド=ウェバー。『オペラ座の怪人』は彼自身が「スコアを付け加える必要のないほど完成度の高い作品」と断言した最高傑作。04年の映画化の際にはロイド=ウェバー自らが製作を務めた。(原作はガストン・ルルーの小説)

舞台は19世紀末のパリ・オペラ座(オペラ・ガルニエ)。オペラ座の地下に住むマスクで醜い顔を隠したファントム(怪人)は、天才作曲家であり音楽で闇を治める男。彼は美しいコーラスガール・クリスティーヌの歌声にソプラノ歌手の素質を見出し、彼女の才能を伸ばすべく“音楽の天使”の名でレッスンを施す。ファントムは彼女を深く愛するようになり、彼女もまた彼を師として敬愛の念を抱き慕う。ファントムは彼女をいつも遠くから見守り、クリスティーヌが彼の指導で歌才を開花させていくのを心から喜んだ。しかし、次第に彼は“クリスティーヌをプリマドンナに”と願うあまりに暴走し始め、配役を巡って殺人まで犯してしまう。一方、彼女はファントムの孤独な魂に気付きながらも、幼なじみのラウル子爵(若い、イケメン、スーパー・リッチ)に言い寄られると、アッという間に恋に落ち婚約してしまう。キスし合う2人を目撃したファントムは絶望と嫉妬に狂う「愛を与えた…音楽を与えた…そのお返しがこれだというのか…クリスティーヌ…」。ファントムの耳には彼女とラウルの甘い愛の歌が響く「♪どんな時でも2人の誓いは決して変わらないわ」。彼の悲しみはやがて激しい怒りへと変わっていく「愛する者に裏切られた…これほどの辱めを決して許しはしないぞ!」。精神的に追い詰められた彼は、彼女の目の前でラウルを人質に取り「私を愛さねばこの男の命はない!命を救いたければ私を愛せ」と悲痛な声でクリスティーヌに迫る。その隠れ家を警官隊が包囲しつつあった。そして物語は結末へ--。

【ネタバレ文字反転】→ラウルの首にロープをかけ、「こいつを選ぶか私を選ぶか」と彼女に迫るファントム。クリスティーヌはマスクを外した彼に近づき「醜さは顔にはないわ」と唇にキスをする。かつてファントムは母に捨てられサーカスで見せ物にされていたので、自分の醜さをイヤというほど知っている。そんな自分にキスをするほど、“彼女がラウルの命を大切にし愛している”ことを彼は思い知らされた。2人に「出て行ってくれ!」と泣き叫ぶファントム--「我が愛は終わりぬ、夜の調べと共に」。
※“愛する者にキスされる=他の男への愛を知る”という辛すぎる運命!文章ではファントムが自分勝手に見えるけど、実際に舞台を観てるとメチャクチャ哀れなんだ…。
※僕の愛聴CD『劇団四季・オペラ座の怪人』(初演キャスト版)は、怪人が市村正親、ラウルが山口祐一郎という豪華な組み合わせ。クライマックスで市村ファントムが「2人して出て行け。独りにして欲しい。行け!行け!行ってくれ〜!お願いだァァアアア〜ッ!」と大絶叫。ここを聴く度に涙ボロボロ。


開演前から格調高い“吊り幕”(ドレープ)や、舞台を挟む黄金の巨大彫像によって心は19世紀のパリ・オペラ座に飛び始め、オルガンが大音量で鳴り響き、シャンデリアが引き上げられる冒頭で、全身が感電。その後は終幕まで半ば放心状態で観ていた。全編にわたり見事な演出で、中でも怪人の隠れ家への「道行き」は神がかっていた。地下への長い階段を下りた後に、120本のキャンドルに照らされた霧の地底湖を小舟で渡る--もう、自分がどこにいるのか分からなくなった!また、オペラ座屋上から見えるパリの夜景の美しいこと。警官隊との対決からラストに至るクライマックスの緊張感は尋常じゃあない!
音楽面でも5重唱や7重唱は圧巻の一言。7人の役者(カルロッタ、ビアンジ、アンドレ、フィルマン、ラウル、ジリー、メグ)がそれぞれ別の歌詞を歌ってるのに、見事にひとつの曲として調和しているんだ!
 
初演は1986年ロンドン。ブロードウェイ上陸は88年で、07年現在もロングラン記録(英国21年、米国19年)を更新し続け、チケットは数ヶ月先まで完売、「最も手に入りにくいチケット」と呼ばれている。日本初演もNYと同じく88年。本作品はオーストリア、カナダ、デンマーク、ハンガリー、オランダ、南アフリカ、スウェーデン、ブラジルなど六大陸20以上の国で上演された。
人生は一度きり、未見のまま生を終えることなきよう、一刻も早くあの奇跡の舞台を観るべしッ!
 
※怪人の嘆きや絶叫は、僕自身が以前に恋人を年下のイケメン野郎に奪われたことがある分、“大共感”の嵐。ファントムに自分を重ねまくった。ファントムが芸術を通して惚れた女性の心に近づこうとしたのも同じッス…。失恋というものに長所があるとすれば、『オペラ座の怪人』のステージを骨の髄まで味わえることデス。
※巨大シャンデリアは重量約350キロ、2万3千個のクリスタルで飾られている。
※カナダ公演ではロックバンド『KISS』のポール・スタンレーが怪人を演じた。
※ブロードウェイ公演は06年1月に『キャッツ』を抜いて連続上演記録第1位に。初演ではロイド=ウェバーが当時無名だった妻サラ・ブライトマン(後に離婚)をクリスティーヌ役に抜擢した。
※劇団四季『オペラ座の怪人』//動画予告
オペラ座の怪人・映画版DVD…舞台もいいけど映画もいい!ロイド=ウェバー、入魂の作品。


2.レ・ミゼラブル('85)

  

フランスの文豪ヴィクトル・ユゴーの大河小説を壮大なスケールでミュージカル化!ヒューマニズムがド炸裂&全面展開の社会派ミュージカル。1985年10月にロンドンで初演された後、NYや世界各都市30地域でも上演され、各地で喝采を浴び続けている。ブロードウェイで築いたロングラン記録16年は歴代第三位だ。

主人公ジャン・バルジャンは貧困の為に1本のパンを盗んで逮捕され、脱獄を繰り返した結果19年も投獄された男。1815年、46歳で仮釈放になった彼は前科者として世間から冷たくあしらわれ、流れ着いた教会から銀の食器を盗み出す。ジャンは再び警察に捕まるが、被害を受けた司教は彼を批判するどころか警察に対して「この銀食器は彼へ贈ったものだ」と証言し、さらに“君には燭台もあげると言ったのに忘れていたね”と銀の燭台まで手渡してくれた。この“衝撃的”ともいえる深い慈愛に触れたことがきっかけで、ジャンは生き方をあらため、まっとうな人間に生まれ変わることを決意する。
8年後、名前を変えて事業を興し豊かな富を築いた彼は、人々の人望を集め市長となった。しかし、かつての刑務官ジュベール警部は彼の正体を見破り、名前を偽るジャンを再び逮捕しようとする。厳格な法の番人ジュベールは、元囚人のジャンが人々から尊敬を集めることが許せなかった。こうしてジャンは名前を変えながらフランス各地を逃亡し、ジュベールは執拗に彼を追い続ける。
この逃避行の中で、ジャンはかつての自工場の女工が遺した一人娘コゼット(8歳)を引き取り、我が子として育てていく。

それから10年後の1832年6月。パリ市内は学生達の武装蜂起で大混乱に陥っていた。美しく成長したコゼットは、理想に燃える学生マリウスと恋に落ちるが、彼もまた蜂起に加わる。学生達は巨大なバリケードを築いて初戦で勝利したものの、体勢を整えた軍の総攻撃で抵抗虚しく全滅する。ジャンは瀕死のマリウスを救出するが、その過程でスパイとして学生達に殺されかけていたジャベールの命も救った。
長年追い続けた元囚人は聖者となっていた。ジャンに助けられたジャベールは、法と良心に挟まれて精神が崩壊、夜のセーヌ河岸をさまよいノートルダム橋に向かう…。


僕が生れて初めて観に行ったミュージカルがこれ。レ・ミゼラブルが日本に上陸したのは87年。キャストは滝田栄がジャン、鹿賀丈史がジャベールという最強の布陣だった。幕が開けると回転式の舞台を囚人たちが行進している。重厚な音楽が流れ、一気に物語に引き込まれていく。ジャン・パルジャンの波乱万丈の人生は、途中のパリ学生蜂起の市街戦という大スペクタクルを経て、宿敵ジャベールのセーヌ川ダイブまで一分の隙もなく展開されていく。超エネルギッシュな3時間に、“ミュージカルってこんなにパワーがあったのか”と、上演後は席を立つ力が出ないほどフラフラになった。
歴史の波の中で、名もなき様々な民衆が、生まれ、生き、死んでいった。名は残らなくても、胸を張って自分の信じた道を歩み、心に「民衆の歌」を奏でていた彼ら。当時20歳だった僕はどう生きるべきか悩んでいたので、ジャン・パルジャンの不器用だが誠実な生き方に胸を打たれた。その後、再演を観る度に、あの頃の自分と、そしてジャンに対して恥ずかしい人生を送っていないか、時代に流されたり、自身に甘えたりしていないかと、再確認していマス。r(^_^;)ポリポリ

※1995年、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールにて10周年記念コンサートが催された。フィナーレでは世界各国のジャン・バルジャン役者17人(日本代表は鹿賀丈史)が登場し、劇中歌『民衆の歌(Do You Hear the People Sing?)』『One Day More』を各国の言葉で歌い継ぎ(5分52秒)話題となった。
※2009年、外見は田舎風の47歳のオバサンなのに、その圧倒的な歌唱力で世界の話題をさらった英国人のスーザン・ボイルさんがブレイクしたきっかけが、『レ・ミゼラブル』の挿入歌「夢やぶれて」。
(1)音も画質も良いバージョン(2分40秒。下部の字幕はすぐに消えます)
(2)日本語字幕つき完全版(7分6秒)ステージにのぼる前のインタビューの様子などが追加。この動画もすごく良いです!猫と暮らす47歳の箱入り娘とのこと。明るい!歌にも字幕が付いていて、これがまた胸に染みる歌詞なんスよ。
※幼いコゼットを虐めていた養父母・テナルディエ夫妻。斉藤晴彦や夏木マリの怪演が光る。
※エポニーヌの恋は切ない…。コゼットに夢中とはいえ、マリウスのあまりの鈍感さは罪。
※ジャベールの橋のシーンは、星空や橋を上に引き上げることで落下を強調し、しかも回転舞台でセーヌの川底を転がる姿を表現するなど、圧巻の演出だ。バリケードの崩壊のスローモーションはドラクロワの絵画のように劇的で、宗教画にも通じる荘厳さがあった。
※1987年度トニー賞の8部門に輝いた(作品・助演男優・助演女優・演出・台本・作詞作曲・舞台美術・照明賞)。
※日本版公式『レ・ミゼラブル』(07年は日本初演から20周年!)


3.キャッツ('81)

  

『キャッツ/CATS』は作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバーが、英国のT・S・エリオットの詩集「キャッツ〜ポッサムおじさんの猫とつき合う法」に曲をつけた作品(ロイド=ウェバーは当時33歳)。都会のゴミ捨て場を舞台にした一夜の物語だ。約30匹の個性豊かなネコが登場し、“ジェリクル・キャッツ”(天上界で素晴らしい人生を送る幸運なネコ)を選ぶまでを描く。1981年5月にロンドンで初演されると、観客は人間が全く登場しない斬新なステージに驚きつつも、ノンストップで繰り広げられる猫たちの楽しい歌とダンス、そして時折かいま見る人生(猫生)の悲哀に感銘を受け大ヒットを呼んだ。以後、国境を越えて各地で上演され、世界的規模で大成功を収めた。83年のトニー賞では最優秀作品、脚本、スコア、女優、衣装、照明、演出という7部門を総ナメ。日本では何度もリバイバルされ、05年夏に四季の上演回数がのべ6千回を突破(600万人が鑑賞)、現在も最多上演記録を更新中だ。
 
キャッツで最も有名なナンバーは『メモリー』。ツッパリネコのラム・タム・タガー、マジシャンのミストフェリーズ、様々なネコが“我こそはジェリクル・キャッツなり!”と歌い踊るなか、ボロをまとった中年の娼婦ネコ・グリザベラが登場。ネコたちは彼女に冷たい視線を注ぐ「安いっぽい気休めを求めて盛り場をうろつき、空き地をフラフラと当てもなく彷徨うだけ」「郵便配達人はため息をつく。死んだ方がマシだと言わんばかりに」「誰が想像できるだろう、これが美しかったあのグリザベラだと」。ネコたちは彼女を忌み嫌い、誰も近づこうとはしない。その孤独なグリザベラが美しく切ない『メモリー』を歌いあげる「♪メモリー、月の光を浴びて独り過ぎし日に微笑む。あの頃、私は美しかった。幸せを噛みしめたあの頃。くすぶる日々の燃えさし、朝の淀んだ冷たい匂い、街灯は消え夜は終わり、新しい日々が明ける。私に触れて。私を独りにしないで。私に触れれば幸せの意味を知るでしょう」。グリザベラの心の叫びに胸を打たれネコたちは、自然に彼女の側に集まっていく--その光景は実に感動的だ。
 
フィナーレで長老ネコのオールド・デュトロノミーは観客にこう語る「様々なネコの話をお聞きなさった。あなた方はネコの性格を理解する為にもう説明は要らない。既にご存じのようにネコはあなたに似ている。働く時も遊ぶ時もあり、ふさわしい名前があることも」。この長老の言葉は僕にとって目からウロコだった。今まで“いろんな個性的なネコがいて面白いなぁ”って舞台を見ていたのが、“そっか、人間社会だって皆が個性的だから面白いんだ”、そう繋がった。もしキャッツの登場ネコがみんな同じ性格で同じダンスを踊っていたらどうだろう?そんな退屈な舞台は5分で興味が失せ、グッバイだ。個性の違いこそが世界に色彩を与えていると実感し、“他人との違いを恐れず自分の信じた道を歩め”と、ネコが背中をポンと押してくれた。ありがとうネコのみんな。※オープニング曲の歌詞に「気取って歩け、孤高の道を」というフレーズがあって、それもネコらしいというか、ヒョウヒョウとして好きデス。
 
キャッツは作品の内容だけでなく、客席と舞台が一体化した専門劇場(キャッツシアター)で公演される点でもユニークだ。客席はステージを囲むように配置され、皆でネコの集会をのぞき込む感じ。ネコたちは神出鬼没で、劇場のどこから現れるか分からない。気がついたら座席の横で毛づくろいをしてるなんてことも!猫の視点(スケール)でセットが作られているので、転がっている人間のスニーカーは超巨大。開演前から心が踊る。あと特筆したいのがネコの名前。原作者T・S・エリオットは詩人なので、一匹一匹の名前の響きがとても美しい。ジェリーロラム、ランペルティーザ、ミストフェリーズ、ボンバルリーナ、グリザベラ、アロンゾ、オールド・デュトロノミー、エレクトラ、グリドルボーン、エグゾティカ、ディミータ、マンカストラップ、スキンブルシャンクスetc。名前を聞いてるだけで心地良くなる。
 
いろんな猫がいて、それぞれ違うから良い、そんなポジティブなメッセージのミュージカル・キャッツ。お薦めデス!※これをで書いてて、金子みすゞさんの詩『私と小鳥と鈴と』を思い出した--「私が両手をひろげても/お空はちっとも飛べないが/飛べる小鳥は私のように/地面(じべた)を速くは走れない。/私がからだをゆすっても/きれいな音は出ないけど/あの鳴る鈴は私のように/たくさんな唄は知らないよ。/鈴と、小鳥と、それから私/みんなちがって、みんないい」。

※ジェリクル族のリーダーは黒と銀のオス猫マンカストラップ。ジェリクルキャッツの語り部/出合った犬が逃げ出すランパスキャットは眼が火の玉。逆立つ髪の仕掛けもカッコイイ/ジェリクル舞踏会を開催しているのは長老猫オールド・デュトロノミー。彼が看取った妻は99匹/ヴィクトリアはクラシックバレエをこなす美しい白猫/25回の片足連続回転(フェッテ)はミストフェリーズの見せ場/エキゾチカは映像版のオリジナル/ジェミマのオリジナル・キャストはサラ・ブライトマン。
※3位にしてるけど、ミュージカルの魅力がダンスの醍醐味にあるなら、前2作よりキャッツの方が上だね(っていうか、1&2位にはダンスがない)。
※劇団四季『キャッツ』

●DVD版のミュージカル『キャッツ/スペシャル・エディション』は最高ッス!夢のロンドン・オリジナル・キャスト公演!一匹一匹の表情がアップされるので心の動きがよく分かります。クライマックスのグリザベラの穏やかな表情はたまらんデス。(T_T)

  客席が舞台を囲む専用劇場(キャッツシアター)も話題に!


4.ベルサイユのばら('74)

  

タカラヅカ。舞台を観るまでは女性だけの独自の世界に抵抗があったけれど、実際に鑑賞すると“美の極限”ともいえる完成されたステージに圧倒され、心臓がバクバクしまくった!男も惚れる男役。なんというか、男性役を女性が演じると、男が男を演じるよりもさらに格好良くなることを知った!

“ベルばら”は池田理代子の原作マンガを舞台化した作品。1974年8月の月組による初演は空前の大ヒットを記録(演出は長谷川一夫)。その後、宝塚歌劇75周年&フランス革命200年を記念して1989年に再演され、01年には東京と大阪で東西同時公演が実現、05年には韓国でも上演された。さらにマリー・アントワネット生誕250年を記念して06年にも上演され、シリーズの公演回数は1763回、観客動員数は約420万人(06年時点)に達している。

物語の舞台はフランス革命!主人公のオスカルは名門貴族出身。女性でありながら男として育てられた男装の麗人で、フランス衛兵隊の隊長を務めている。彼女は王妃アントワネットとも親しい。だが、贅沢に明け暮れる貴族がいる一方で、民衆は飢えと貧困を極めていた。オスカルは現実を目の当たりにし、貴族としての自分の立場に思い悩む。
やがて民衆の怒りはピークに達し革命が勃発。オスカルに対し“武力で市民を鎮圧せよ”という命令が下るが、彼女はこれを毅然と拒否する「国民を守る為の軍隊が、フランスの96%を占める平民に銃を向けることなど出来ません!」。
反逆罪で逮捕されそうになったオスカルを、衛兵隊の部下たちが体を張って守った「俺たち衛兵隊全員はオスカルが隊長だからこそ、こうしてまとまっているんだぜ!」。
※このシーンはとても感動的。オスカルが隊長として着任した頃は「女の命令なんか聞けるか!」と悪態をついていた兵士達が、オスカルの誠実な人間性に触れて心を入替え、ついには軍法会議を覚悟でオスカルを守るようになったんだ。

革命の戦火が広がるなか、オスカルは民衆を前に宣言する。「今より我ら衛兵隊も君達と行動を共にする!祖国の為に、民衆の為に戦おう!人間の世のある限り、歴史と共に、我らがフランス衛兵隊の名は永遠に人々の胸に語り継がれよう!」「シトワイヤン(市民諸君)、自由と、平等と、友愛の為に!まず手始めにバスチーユ(政治犯の監獄)を攻撃しよう。そして我らの力の強さを示すのだ!シトワイヤン、行こーうッ!」。この絶叫と共に、フランス衛兵隊は民衆に合流し、パリ市民を守る盾となっていく。怒涛のクライマックスは興奮必至だ。

劇中にはもう一人の重要人物がいる。オスカルの従卒でありながら彼女を愛してしまうアンドレ・グランディエだ。本作品の魅力はオスカルが見せるヒューマニズムやドラマチックな史劇の部分だけじゃない。全身を焼き尽くすような恋も描かれており、それがまた多くの観客の共感を呼んでいる。平民階級のアンドレは身分違いの片想いに悩み、オスカルを守って目を負傷したことで、徐々に視力を失っていく(オスカルは何も知らない。アンドレの想いはあまりにせつない!)。
また、オスカルと縁談が持ち上がっていたジェローデル少佐の引き際のセリフも素晴らしい。ジェローデルはオスカルを愛していたが、彼女がアンドレの気持を知り動揺しているのを察し、こう言うのだ--「彼(アンドレ)が不幸になれば、貴女もまた不幸になる…。分かりました。身を引きましょう。私もまた、貴女が不幸になるなら、この世で最も不幸な人間になってしまうからです。受け取って下さい。ただひとつの愛の証です。身を引きましょう!」「ジェローデル…」「幸せになって下さい!(立ち去る)」「身を引くことが、ただ一つの愛の証。人間であればこそ、そんな愛も」

脈のない片想いにのたうち回っている野郎どもは、激しく感情移入すること間違いなし。全男性諸君、タカラヅカを女性の文化と思って未体験のまま人生を終えるのはもったいない。いざ劇場に足を運びませう!

【ベルばらには6種類ある。組名や上演年は以下の通り】
●アンドレとオスカル編×5…花組(75)、雪組(75&89)、星組(76)、月組(76)
●オスカルとアンドレ編×1…星組(01)※メインがオスカル。上はアンドレ。
●フェルゼンとマリー・アントワネット編×3…星組(89&05)、宙組(01)
●オスカル編×2…月組(91)、雪組(06)※フェルゼンとマリー・アントワネットは出ない。
●フェルゼン編×1…花組(90)
●初演バージョン×1…月組(74)※アントワネットがメイン。

僕が観たベルばらのベストワンは、22歳の時に観た89年の雪組公演『アンドレとオスカル編』。原作を読んで片想いに悶絶するアンドレに自分を重ねまくったので、彼を主人公にした舞台がやっぱり最高。アンドレ役は当時のトップスター杜けあき、オスカルは2番手の一路真輝が演じた。杜けあきの繊細な演技も良かったけど、同時に僕は一路真輝のオスカルに目を見張った。それは、時に女性的、時に男性的であり、弱さと強さを表現した完璧なオスカルだった。マダムたちに対して敬礼と共に応える「ハイ!ランバール侯爵の奥様!」は、目まいがするほど格好良かった。そしてクライマックスの「フランス…ばん…ざい」。両手を天に差し伸べながら崩れてゆく姿はガラスの彫刻が砕けるようだった。
91年の『オスカル編』でオスカルを演じた涼風真世も、圧巻の歌唱力で心を鷲づかみにしたんだけど、『アンドレとオスカル編』にはあった名セリフ「人間であればこそ、そんな愛も」がカットされていた!なんであんなに良いセリフを削除してしまうんだ〜(涙)。

  杜けあき&一路真輝
名曲『愛あればこそ』--「♪愛 それは甘く 愛 それは強く 愛 それは尊く 愛 それは気高く 愛 愛 愛/ああ 愛あればこそ 生きる喜び ああ 愛あればこそ 世界はひとつ 愛ゆえに人は美し」

※宝塚歌劇団は1914年(大正3年)の初演『ドンブラコ』(桃太郎が題材)から約100年の歴史を持つ、世界でも珍しい女性だけの歌劇団。初期は18名の少女が公演を行った。華麗なステージが話題を集め、増えていく公演回数をこなす為、創設7年目(1921)に花組・月組の二組に分けられた。その3年後に宝塚大劇場が完成し、雪組が新設された。1927年に歌とダンスがメインの西洋風レビュー『モン・パリ』を初演し、舞台はいっそう華やかさを増す。1933年、東京公演が増え春日野八千代の人気(男役で初めて名前が宣伝ポスターに載った)や増加する東京公演に対抗すべく星組が加わる。戦前から海外公演をしており1938年の初遠征では独・伊・ポーランドを巡回した。1998年、東京公演の通年化に伴い65年ぶりに宙(そら)組が新設され、これで現在のように花・月・雪・星・宙の5つの組となった。大劇場のローテーションは花組→星組→雪組→宙組→月組。

※宝塚歌劇団に入団するには、まず宝塚音楽学校に入学しなければならない。受験資格は15〜18歳の女性。試験項目は声楽・バレエ・面接の3つ。50名の定員に千人近くが応募するため、競争率は約20倍に達する(最高記録は94年の48倍)。学校では演技やダンスだけでなく、茶道や英会話、琴などのレッスンも受け、2年後に夢の舞台に立てる。男役か娘役かは在学中に決め、入団すると5つの組に振り分けられる。各組の約90人の頂点に立つのが男役トップスターだ。トップスターまでの道のりは平均約12年(最短は天海祐希の7年。娘役の場合は黒木瞳の“2年”という記録がある)。入団した生徒は5年目まで大半が残っているが、6年目に約半数まで減る傾向にある(10年目は3割ほど)。この背景には宝塚が未婚者限定なので寿退団したり、“5年頑張った”という区切りがあるからかもしれない。

※基本の舞台構成は、第1部が芝居、第2部が歌とダンスのレビュー。レビューはこの世のものとは思えない美しさだ(フィナーレの大階段は26段)。
※宝塚大劇場や東京宝塚劇場にはオーケストラピットがあり、音楽は生演奏。(劇団四季はカラオケ?)
※ヅカファンの醍醐味は、デビュー時からヒイキにしている役者が成長していく過程を見守ること。タカラジェンヌは本名と芸名と愛称(大抵は本名からきている)の3つの名を持ち、ファンは愛称で呼ぶことが多い。
※男役トップスターが大人気なのも納得。女性が描く理想の男性像が見事に造形化されているもの。欠陥だらけの生身の男では太刀打ちできないッス(笑)。宙組の大和悠河(やまとゆうが)は男の僕もカリスマ性を感じるほどカッコいい。
※大地真央の退団挨拶が良い「宝塚は私の全てでした。今、その12年5ヶ月の年月が思い出になろうとしています。別れの辛さが後悔を呼び、本音を言わせてもらえるなら、時よ止まれと叫びたい!」
※トルストイの『戦争と平和』まで舞台化するチャレンジ精神に感服。僕は観に行って良かったと思ってるけど、公式サイトの再演希望に名前はあがってないなぁ。
※もちろん『エリザベート』も好きですよ〜♪

●宝塚歌劇団〜ファンによる再演希望作品TOP10(07.1)
※ベルばらは前年に上演したばかりだから、さすがにココにはない

1.赤と黒
2.雨に唄えば
3.ミーアンドマイガール
4.エリザベート
5.激情
6.哀しみのコルドバ
7.王家に捧ぐ歌
8.心の旅路
9.ノバ・ボサ・ノバ
10位 グランドホテル、ロミオとジュリエット、花吹雪恋吹雪


●宝塚歌劇団・観客動員数ベスト5

1.ベルサイユのばら
2.風と共に去りぬ
3.華麗なる千拍子
4.エリザベート
5.虞美人

※宝塚歌劇団・公式サイト


5.ライオンキング('97)

   ※5千回公演の挨拶

7年半で通算公演回数5千回を達成し(日本最速記録)、現在もロングラン新記録を更新中という、老若男女・激興奮の大人気ミュージカル。舞台は冒頭から見所満載。アフリカの大地に夜明けが訪れ、サバンナの動物が一斉に登場!巨大な2頭のキリンの行進を含め、動物たちの魅力を最大限に引き出した演出の数々に度肝を抜かれ、生涯忘れられないミュージカル体験になった!(地平線から迫るヌーの大群のド迫力にブッ飛んだ!)
※マスクを付け、しかも顔が見えているという画期的な衣装デザインを担当したのはジュリー・テイモア。特にライオンのメスは衣装とマスクの調和がバツグンで、本物のライオンにしか見えない!

主人公は動物王国プライド・ランドの王子シンバ(ライオン)。父王は王座を狙う者に暗殺され、シンバ自身も陰謀によって王国から追放される。当初は絶望していたシンバだが、陽気に暮らすティモン(ミーアキャット)とプンバァ(イボイノシシ)と出会って「ハクナ・マタタ(どうってことないさ)」の精神を学び、のびのびと成長していく。最後は父の仇を討って王となり物語は大団円!純粋に見ていて楽しいし、すべての子ども達に見せてあげたい。ハクナ・マタタがあればどんな逆境も切り抜けられる最強の言葉!

セリフの中には公演地ごとに方言で話される言葉(江戸弁、関西弁、名古屋弁、博多弁の4種)があるなど、サービス精神もたっぷりの楽しい脚本だ。トニー賞6部門受賞!

※劇団四季『ライオンキング』


6.ジーザス・クライスト=スーパースター('71)

  

イエス・キリストの最後の7日間を描いたロック・オペラ。崇拝の対象としてキリストを祀り上げるのではなく、ユダの視点から人間キリストの実像に迫ろうとした問題作。聖書をミュージカル化するという、その発想がスゴイ。71年にブロードウェイで初演された際は、「神への冒涜だ」とキリスト教団体がプラカードを掲げて劇場周辺をデモし騒然となった。73年に映画化された時は、ローマ・カトリック教会が上映禁止を求めた。そんないわくつきの作品だ。作詞はティム・ライス、作曲は天才アンドリュー・ロイド=ウェバー(初演時はまだ23歳!あり得ない!)。劇団四季はこの作品で初めてロイド=ウェバーと親交を結び、以降、彼の代表作『キャッツ』『エビータ』『オペラ座の怪人』などを演目に取り入れていくようになった。

本作品では“裏切り者”ユダを神に利用された受難者として描いており、「俺は愛し方が分からない」と胸をかきむしるユダに、僕は激しく感情移入。それまで彼について“銀貨30枚で師を売った卑怯者”という知識しかなかったので、心を入替えたユダがイエスの助命を求めて奔走し、いったんは受け取った銀貨を返して、イエスが処刑されるよりも“先に”首を吊って自殺したことを、この作品で初めて知った。ユダが死ぬ前に叫んだ「俺はあなたに利用された!なぜ俺を選んだんだ!」という絶望の声に胸を締め付けられた…。また、イエス自身も苦悩する一人の人間として描かれており、非常に斬新だった(イエスは「私が死ねば教えに説得力が増すのか」と悩み苦しむ)。この勇気ある作品を世に送った制作陣に脱帽。

劇団四季の『ジーザス〜』には、荒涼とした砂漠が舞台の「エルサレム・バージョン」と、江戸を舞台にした「ジャポネスク・バージョン」がある。僕が鑑賞したのは前者。実物大の十字架の大きさに驚いた。実際、人間一人を支える(はりつける)訳だから、そりゃ大きくなるよね。

※劇団四季『ジーザス・クライスト=スパースター』。四季はスターに頼らずアンサンブルを重視し、全キャストをオーディションで決定しているけれど、そのスタイルの原典となった作品でもある。73年の初演でイエスを演じた鹿賀丈史は高い評価を受け大ブレイクした。
※映画版、もう20回は観ていると思う。ユダ役の名演に涙がハラリ。一番よく聴くミュージカルCDは、ファントムではなくこの作品かも。それくらい良い曲が多い。
※銀貨30枚は当時の奴隷の値段。同じ額にすることで敵対勢力はイエスの価値を下げようとした。


7.マンマ・ミーア('99)

 

はっちゃけロマンティック・コメディ!演奏される22曲は全て「ABBA」のヒットナンバーでノリノリ。主人公は、ギリシャの小島で宿をきりもりするシングル・マザーのドナと、彼女の娘ソフィの2人。結婚式に父を呼びたいソフィは“父親探し”を始め、母の日記をコッソリ読む。父の可能性があったのは3名。誰か分からないのでソフィは全員に招待状を送った。かくして結婚式の前日、20年ぶりに3名の男と再会した母はビックリ仰天。男達は全員が「自分が父だ」と名乗り出て大騒動に--。「男なんか人生に必要ない」と豪語するドナ(母)は元ロック・スターで、かつては女性3人組の“ドナ&ダイナモス”を結成し人気を博していた。劇中ではソフィの結婚を祝って元メンバーが集まり一夜限りの再結成ライブを敢行、「ABBA」の曲を歌いまくる(この時のMC、「その熟しきった魅力!まさに腐る寸前!ドナ&ダイナモス!」に爆笑)。名曲「ダンシング・クイーン」のメロディーの気持良さは異常。あの感覚は何なのだろう、歌詞の内容は他愛もないのに自然と泣けてくる。悲しいメロディーじゃないのにね。フィナーレでは観客が総立ちになり僕は驚いた。しかもペンライトがあちこちで揺れている!このように観客参加型のマンマ・ミーアは四季の演目でも異色の作品とのこと(普通は「お客様お座り下さい」と係員がスッ飛んで来るもんね)。なんせ、超ポジティブサバサバした性格のドナがカッコイイ。彼女は誰にも依存してない。ドナを演じた四季の看板女優・保坂知寿(ちず)の熱演に圧倒された。特殊メイクや派手な舞台仕掛けはないけれど、パワフルな人間そのものが面白すぎる!

※劇団四季『マンマ・ミーア!』


8.TOMMY/トミー('92)※映画版は'75年

  ※吹き出しの言葉は「SEE ME,FEEL ME,TOUCH ME.HEAL ME」 

初のロック・オペラ(ロック・ミュージカル)にして、同ジャンルの金字塔となった『TOMMY』。全編が英国のロック・バンド“ザ・フー”の楽曲で展開していく。92年にブロードウェイで上演されトニー賞の5部門に輝いた。そして15年後の07年、ついに日本語版が完成した!メイン・キャストは、中川晃教、高岡早紀、ROLLY、パク・トンハの4人。

主人公のトミーは子ども時代に両親が三角関係のもつれから殺人事件を起こすのを目撃。現場で両親から「お前は何も見ていない!何も聞いていない!だから誰にも話してはいけない!」と強要され、彼はその日を境に、視覚、聴覚、言葉を話す機能を失ってしまう。
オープニングから両親の出会い、結婚、父の出征、父の帰国、殺人事件、三重苦に至る過程は、怒濤の展開で息つく暇が全くなかった(すごい疾走感)。続く青年期は従兄弟や叔父に虐待されて可哀想すぎ。そして第一幕の最後を飾る“ピンボールの魔術師”!指先で微妙な振動をキャッチし、ピンボールの才能を開花したトミーは永遠にリプレイを続け、世界チャンピオンとの一騎打ちにも大勝利!客席の頭上をピンボール台ごとクレーンで移動するダイナミックな演出もあって、会場は興奮のルツボと化した。第2幕の新興宗教関連のエピソードは、ややダレ。しかし、孤独なトミーが歌い上げる心の叫び「見て欲しい、感じて欲しい、触れて欲しい、癒して欲しい」からの怒濤のフィナーレは感電状態!ついに感覚が戻ったトミーと共に「アイム・フリー!」と叫びたくなった。生バンドによるノンストップのパワフルな音楽、スクリーンに映し出されたサイケデリックな色彩、カラフルな衣装、20分はあろうかという出演者によるアンコール・パフォーマンス。フラフラになって劇場をあとにした。

本作品は僕が観たミュージカルの中で、客層の平均年齢が一番高かったと思う。特に男性は30代後半から上ばかりに見えた。元ロック・キッズのオッサンが大集結って感じ。ほとんど宣伝していなかったのに満席になったことから、75年に公開された映画版『TOMMY』、そしてザ・フーのファンが、こんなにたくさんいるって分かり感動した。公演期間が1週間と短かったことからも、社会人になっても常に情報をチェックしている濃いファンばかりが集まったことになる。これで盛り上がらないハズがない!ROLLYの怪演も光ってた。初めて高岡早紀を見た感想は「細ッ!」。ふっくらしているイメージがあったけど、舞台ではヒョロリとしてとても物腰が柔らかく、“これが世に言う芸能人オーラなのか”と釘付けに(笑)。

この日本語版の上演にあたって演出家がパンフに綴った苦悩を読み、“良い人だなぁ”って好感を持った。「翻訳モノは本当に難しい。だって、歌詞やセリフを日本語に直す時点で絶対に本家に負けちゃうというか、明らかにダサくなるに決まってる。“日本語になるとやっぱり勢いなくなるよね”なんてコト言われるのは承知の上。TOMMYを愛する気持は誰にも負けない。その意気込みを見て欲しい」(いのうえひでのり)


9.美女と野獣('94)

  

魔法によって醜い野獣にされた城主。彼は、魔女が残したバラが散る前に真実の愛を知らなければ、永遠に魔法が解けなくなる運命。城に迷い込んだ娘ベルを愛するが、彼は自分の姿にコンプレックスを持ち、またあまりに長く孤独を抱えていた為に、彼女に気持を上手く伝えられずに悩み苦しむ…。ジャン・コクトーの原作をディズニーが大人のロマンスとしてアニメ化、メガ・ヒットした同作をミュージカルとして見事に舞台化した。遠近法を巧みに使ったセットでステージに広大な城が出現。召使いもティーポットや燭台に変えられており、彼らのコミカルなやり取りが客席に笑いを呼んだ。華やかなダンスシーンも見どころだ。

※劇団四季『美女と野獣』

  失恋直後に鑑賞した為、思いっきり野獣に感情移入。売店で迷わず購入した魔女のバラ。


10.スターライト・エクスプレス('84)

  

登場人物の全員がローラー・スケートを履いて列車に扮し、客席の前を縦横無尽に疾走!会場全体にレース用の立体特設コースが設置され、超ダイナミック&目もくらむような世界最大規模のスーパー・ミュージカル。作者はアンドリュー・ロイド・ウェーバー。おんぼろ蒸気機関車ラスティが、周囲からポンコツと馬鹿にされながらも、最新の電気機関車や世界の超特急(新幹線も登場)にレースで勝利する、努力と友情の物語。食堂車や貨物車もキャラになっており、鉄道好きの男子には夢のようなミュージカル。大阪城ホールの全面を使ったステージに燃えまくった!(日本版出演者が撮ったステージ全景
※ロンドンでも観たのですが、アリーナではなく一般劇場を使用していたので、スペース不足を解消する為にコースが2階建てになっていました。ブロードウェイでは史上最高の週間売上げを記録。


次点.We Will Rock You('02)

  

ミュージカル『We Will Rock You』は全曲がQUEENの音楽。物語の舞台はロックや楽器が消滅した近未来。あらゆる情報がコントロールされ、人々はコンピューター音楽で洗脳を受け支配されている。この閉鎖社会にガリレオ・フィガロという名の救世主が現れ、ロックで戦いを挑むという破天荒なストーリー。プロモーション動画(1分3秒)で熱気が伝わると思う!
音楽はQUEENだけど、過去に早逝した全てのロックスターに捧げられた物語で、舞台上のスクリーンにはジミヘン、ジャニス、ジム・モリソン、カート・コバーン、ジョン・レノンらが次々と映されていた(日本人の為に尾崎豊も!)。全編が英語なのでセリフの心配があったけど、日本語字幕が左右に出たので問題なし。字幕は“ロックバージョン”。開演前のMCは「今からステージをブチかます!携帯の電源を切りやがれ!大音響の覚悟は出来てんのか!」と翻訳されていた(笑)。
この公演で気づいたけど、クイーンの曲は女性ヴォーカルと相性が抜群に良いこと。フレディ・マーキュリーの声がとんでもないハイトーンだったので、女性の方が完璧に歌い上げることが出来て爽快感があった。※キラークイーン役のオバチャンの歌唱力はハンパじゃない!

   客席のファン層が渋い!『四季』と違ってオヤジがいっぱい!




劇場で売っていたフレディの人形焼!
“日本限定グッズ”とあり、迷わず即買い(笑)。
右手の拳を突き上げ、ギターを持った
フレディ様っす!


微妙…クレイジー・フォー・ユー('92)

 

音楽はガーシュイン、最優秀作品・衣裳・振付の3部門でトニー賞を受賞、これで楽しくないハズはないんだけど…。同じタイプの曲が続いたり、一曲が長かったりで、メリハリにかけた。2幕の酔っ払い2人のシンクロ演技も最初は大笑いしてたのに、あまりに長く続くので途中で飽きてしまった。全体として何か時間配分がおかしい。最大の肩すかしは、“さあ今からクライマックスの舞台公演だぞ!みんな、練習の成果を発揮するんだ!”って心の中でエールを送っていたら、本番がカットされてエンディングの大円団になってしまったこと。キョトンとして見てたよ。劇中のカップル達は前振りもなく突然好きになるので、いくら一目惚れといってもそればかり続くと感情移入が出来ない(でも、登場人物に恋が訪れる度に「ジャジャーン」って鳴るのは楽しかった)。これらは劇団四季が悪いのではなく、ブロードウェイのオリジナルが元々がそうなんだから仕方ないんだけどね。
※ヒロインがいきなりキスされた時にまったく動じなくて、「2度とキスしないで。よし!水!」と男を突き放したのがカッコ良かった。





●『RENT』、『エビータ』は映画でしか観ていないので、舞台を鑑賞する日を楽しみにしています〜♪




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オヌシは 番目の旅人でござる