傑作テレビアニメBEST30

こうして自分の心に残っているアニメをランキング化すると、“好きという気持ちはあったけど、こんなに上だったのか!”と、我が身の事ながら再発見があって面白い。「旧ルパン」や「あしたのジョー」の高順位に自分でも驚いてます。そしてやはりロボット・アニメが多い。半数は巨大ロボが出て来ます(でも、TOP10には3本しか入ってないんだよね。なんか意外)。
1位のコナンはすぐに決まりました。自分の中では“文句なし”って感じです。監督別では7作品が入っている富野監督がダントツ。あらためて僕らの世代は富野アニメで育ったと実感。最近オンエアされた作品では「地球へ…」と「サムライチャンプルー」が圧勝です。泣けたアニメは簡単には忘れられませんね。(*^v^*)

(TVアニメとOVA限定。劇場版は除く)

このランキングはアニメに優劣をつけたものではなく(芸術にランクは無意味)、あくまでも管理人が人生に影響を
受けた作品順です。いろんなアニメと出合う為のきっかけ、入門用として書いています。(*^v^*)
(注)皆さんがお気に入りの作品がココに登場しない場合、僕が“未見”と思って頂いて間違いないです。


1.未来少年コナン(1978)宮崎駿

全26話。宮崎監督の傑作冒険娯楽アニメ!人物が皆イキイキしていて超魅力的(特にダイス船長とジムシー!)。ギガント戦や三角塔攻防戦はSFファン大興奮。ギャグも面白い!※コナンと親友ジムシーの出会いは爆笑!表情がすごく豊か!(動画の4分あたりから)

 
2.カウボーイビバップ(1998)渡辺信一郎

全26話。宇宙の賞金稼ぎを描いたハードボイルドSF。めっさスタイリッシュ!音楽良し、映像良し、アクション良し、言うことナシ!※なぜ劇場版にTV版の激シブ主題曲「Tank!」(1分30秒)を使わなかったのかと小一時間…。

 
3.銀河英雄伝説(1988-97)石黒昇※製作総指揮

全110話という超ド級大河アニメ。対立する両陣営に主人公がいて、毎回視点が変わるのが画期的。名セリフ登場しまくり!音楽がすべてベートーヴェン、モーツァルト、マーラーなどクラシックというのも渋すぎる!
※「銀河英雄伝説」の全110話を見るきっかけになった戦闘シーン…生半可な覚悟では「110話」も見ることは出来ない。気力も体力も続かない。よほど「これを全部見よう」と思える強力な動機付けが必要だ。僕は「銀英伝」の“第四次ティアマト会戦”を見て“これはもう110話見るしかない”と思った。チェスのような駆け引きの面白さ、脚本の根底に流れる確固とした反戦思想、そしてBGMがクラシック音楽という驚き!この会戦ではラヴェルのボレロが全曲まるまる使われている。全話を見終わるまでモチベーションを維持できたのは、最初にこれを見たからだ。(動画その1。冒頭の1分は音がないように思えるけど、ボリュームをあげればボレロが静かに流れ始めているのが分かる。後はその2その3に続く。全部で20分ちょい)

 
4.機動戦士ガンダム(79)富野喜幸

全43話。ロボットアニメで初めて人類同士の戦争を描いた革命的作品!ガンダム以前の敵は異星人や地底人だった。しかも主人公アムロは独立運動を弾圧する側(汗)。※PS2「めぐりあい宇宙」のCGムービーは超力作!(4分11秒)

 
5.旧ルパン三世(1971)大塚康生※作画監督

全23話。ルパンが緑色のジャケットを着ていたアニメ版第1作。ユーモアと哀しみが混じり合う大人のアニメ。銭形警部との奇妙な友情も良い。※斬新な演出の初代ルパンOP(1分25秒)&名バラードのED(1分22秒)

 
6.あしたのジョー(1970)出ア統※製作総指揮

全79話。ドヤ街、少年院、孤独なリング、飛び散る汗、出血、身体が浮き上がるほどのアッパー。キャラの圧倒的存在感!今のキレイ系のアニメにはない、ギラギラした生命力がここに。※OP&ED(2分17秒)作詞は寺山修司!

 
7.地球へ…(2007)ヤマサキオサム

全24話。相手に対する無知から生まれた恐怖や憎悪をどう克服していくかを描く。ソルジャー・ブルーはアニメ史に残るカリスマ!

 
8.サムライチャンプルー(2004)渡辺信一郎

全26話。江戸時代を舞台にした超クールな時代劇!琉球生まれの主人公が日本各地で大暴れ。『カウボーイビバップ』の渡辺信一郎監督が6年ぶりに手掛けた作品!※江戸時代の日米野球対決を描いた第23話は痛快!(9分半)。ペリーの来航前に、とある漁村で米国人と日本人が野球で死闘を繰り広げていたという超設定!英語の字幕が入っているので、米国選手の会話が余計にウケる(笑)

 
9.ジャイアントロボ・地球が静止する日(1992-98)今川泰宏

全7話。セル画アニメの最高峰。登場キャラが、動く!動く!動く!大袈裟な演出に超エキサイト!横山キャラが総出演!メカの重量感がこれほど伝わるアニメはない。※血湧き肉躍るOPの前口上(1分35秒)

 
10.伝説巨神イデオン(1980)富野由悠季

全39話。辺境の星で起きた小さな戦いが、誤解の積み重ねから宇宙全体にまで拡大し、やがて前代未聞のとんでもない結末に!すぎやまこういちの音楽がめちゃくちゃ良い。※名曲!イデオンOP(1分21秒)※劇場版は神作品(ネタバレ動画・壮絶玉砕シーン集5分)

 
11.装甲騎兵ボトムズ(1983)高橋良輔

全52話。主人公があり得ないほど無口!ロボットアニメなのに主役メカは“使い捨て”にされるうえ、、本編ではメカの名前が出て来ず、全部「A.T」で統一!ストイックな美学に脱帽!※OP(1分28秒)※PS2の美麗ムービー(4分50秒)

 
12.アルプスの少女ハイジ(1974)高畑勲※演出

全52話。夕陽に照らされた山々、とろけるチーズ、ヤギのミルク、干し草の布団、ユキちゃん、大角のダンナ…日本にいながらアルプスにトリップ。

 
13.攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX(2002)神山健治

全26話。近未来の電脳犯罪を取り締まる公安9課の活躍をリアルに描く。世界各国のオタクから大絶賛されているサイバーパンクアニメの代表格。最終決戦の、けな気なタチコマに爆涙。※ロシア語のOP曲は神曲認定!(1分半)

 
14.新世紀エヴァンゲリオン(1995)庵野秀明
全26話。最終回の賛否はともかく、アニメという仮想空間で、あれだけひとつの作品世界を構築したのは立派。

 
15.宇宙戦艦ヤマト(1974)西崎義展※製作総指揮

全26話。野郎のロマン爆発。七色星団のドメル艦隊との決戦は、三段空母だけで御飯おかわり三杯いけます!※三段空母発進(開始1分付近)
ヤマトが放映された当時、一部の市民団体から「軍国主義の美化」と非難の声があがったと言うが、本当にヤマトを見て抗議していると思えない。むしろヤマトほど反戦をうたったアニメは珍しいくらいだ。ヤマトはクライマックスの戦いで敵ガミラスの母星に乗り込み勝利を収めるが、戦闘の過程で敵兵士も住民も関係なく“皆殺し”にしてしまう。壊滅した敵の都市を前にレーダー係の森雪は泣く「あたしたちは何という事をしてしまったの。あたしにはもう神様の姿が見えない」。そして戦闘班長・古代もまた銃を床に叩き付け涙を流す。「俺たちは小さい時から人と争って勝つことを教えられて育ってきた。学校に入る時も、社会に出てからも、人と競争し勝つことを要求される。しかし、勝つ者がいれば負ける者もいるんだ。負けた者はどうなる?負けた者は幸せになる権利はないというのか。今日まで俺はそれを考えたことはなかった。俺は悲しい、それが悔しい!ガミラスの人々は地球に移住したがっていた。この星はいずれにせよお仕舞いだったんだ。地球の人もガミラスの人も、幸せに生きたいという気持ちに変わりはない。なのに…我々は戦ってしまった!我々がしなければならなかったことは戦うことじゃない…愛し合うことだった!…勝利か…クソでも食らえッ!」。正義の勝利とは思えない悲愴な動画(2分11秒)

 
16.太陽の牙ダグラム(1981)高橋良輔・神田武幸

全75話の大長編ロボットアニメ。政治問題をじっくり描き見応えたっぷり。ヒロインの頬がこけているのが話題に(爆)。※硬派な劇場版の予告(2分46秒)

 
同16.魔法少女まどか☆マギカ(2011)新房昭之×虚淵玄×蒼樹うめ

全12話。いやはや、ハードなストーリーもさることながら、敵である魔女たちの造形や魔女空間(3分13秒)におったまげた。アートと化したハイクオリティーな魔法バトルを、毎週地上波で流してたという事実にびっくり。ピカソのゲルニカ(!)を背景に戦う演出なんかもあった!一般的な少女アニメ=普通の女の子が魔法少女に変身して悪党を成敗するというような作品とは別次元のものになっていた。以下ネタバレ込みでレビュー。
(1)タイトルに“魔法少女”と冠しているのに、主人公が実際に魔法少女になるのは最終回というのがまず斬新。14歳の少女が、魔法使いになるべきか、それとも普通の人間のままでいるべきか、悩んでいる姿を描くという切り口は新鮮だった。魔法使いになれば人間の身体を失う上、魔女との戦いで死亡することもある。マミさんの酷い死に方は、可愛いキャラ・デザインとのギャップもあって衝撃的だった。魔女が魔法少女のなれの果てとか、かつての親友が魔女化してしまうとか、魔女化する前に介錯するとか、容赦のないハードボイルド設定にブッ飛んだ。そしてあまりに壮大な最終回。それまで作品内に登場しなかった、世界各地で戦っている魔法少女の絶望を、まどかが一人ずつ浄化していくシーンは鳥肌モノだった(あれは本当に良いシーン!)。ハッピーエンドなのに心の隅に哀しみのカケラがあるのはジョジョ第6部の読後感に通じるものがあった。ダラダラと話数を重ねるのではなく、“12話”という短さの中で「あきらめないことの大切さ」を伝えきった作品はそうないのでは。
(2)前述したように魔女とのバトルシーンが毎回素晴らしすぎる!それぞれの魔女が個性的な異空間に身を置き、音楽地獄(3分6秒)のようなフィールドを持っている魔女もいる。演出にコラージュを多用しており、僕は第1話のバトルから「これはただごとじゃない」と身を乗り出して鑑賞した。しかも戦闘アクションもスローモーションで観て初めて何をやっているか分かる(1分32秒)という、マクロス第1作で板野サーカスに触れた時の興奮を思い出した。
(3)梶浦由記さんの万華鏡のような音楽も良い。劇中音楽はそれ単体としても美しい悪夢感が出ている。エンディング曲(1分半)は映像も良いね。まるでまどかが銀河の彼方、因果地平に溶けて宇宙そのものと同化していくようだ。メインキャラの5人だけのシルエットというのも実にクールで、このEDだけでも僕が持っている魔法少女アニメのイメージを木っ葉微塵に吹き飛ばす。


 
17.フランダースの犬(1975)黒田昌郎※演出

全52話。最終回のあのルーベンスの2枚の絵を見たいが為に、大学時代にアントワープまで行きました。※実はOP曲(1分21秒)の最後の映像で、既に悲しい最終回を予言してるんだよね…。

 
18.機動戦士ガンダム0080ポケットの中の戦争(1989)高山文彦

全6話。ガンダムの中で最も静かに、かつ、雄弁に反戦を訴えてきた傑作OVA。最初は友達と“戦争ごっこ”で遊んでいた少年が、戦いの現実を知ってからはテレビゲームの戦争モノすらできなくなる。これは泣く!

 
19.∀ガンダム(1999)富野由悠季

対立する両陣営を和解させるべく主人公は奔走。∀(ターンエー)は全50話あるのに、1話もハズレがないハイクオリティなSFヒューマンドラマ!富野御大はやはり凄かった!※名曲「月の繭」がフルコーラスで流れるネタバレED(7分)

 
20.聖戦士ダンバイン(1983)富野由悠季

全49話。“皆殺しのトミノ”の真骨頂。ロボットアニメと中世の騎士世界の融合は、素晴らしいアイデアだったと思う!バイストンウェルから地上に出た第16話「東京上空」の興奮は忘れられない。※OP&ED(5分10秒)

 
21.トップをねらえ!(1988)庵野秀明

全6話。イデオン以来の宇宙規模の戦い。その圧倒的スケールに失神。ギャグで始まったのに、最後は大感動シリアス・エンディングに。※「オカエリナサイ」って本当に良い言葉だねぇ。

 
22.無敵超人ザンボット3(1977)富野喜幸

全23話。街に落ちる流れ弾、仲間の死、人間爆弾、ラストのドンデン返し、もうトラウマの要素がギッシリ。主人公一族は人類全体のために戦っているのに、どんどん人々から憎まれていく…。※エンディング(1分)

 
23.ムーミン(1972)りんたろう※製作総指揮

全52話。ムーミンは1969年にもアニメ化されており、この1972年版は“新ムーミン”とも呼ばれる。子どもでも大人も、それぞれの立場から楽しめるファンタジー。作品を貫くものは、いたわりと優しさ。最終回“さらばムーミン谷”のスナフキンとの雪中の別れがたまりませぬぅ!
※1972年版「ムーミン」の最終回のラスト5分…スナフキンが皆に別れを告げて旅に出る。ムーミン家は冬眠に入るが、ムーミンはスナフキンに“再会のお守り”(ムーミン達の顔を描いたペンダント)を渡し忘れたことに気付き、大急ぎでスナフキンを追いかける。それを受け取ったスナフキンは「腕に雪が積もるまで」別れの握手をする(この静かなシーンの美しいこと!)。また、同じ場面で、スナフキンが後ろについてきたムーミン谷の嫌われ者スティンキーに、優しく“スティンキー”と呼びかける声がすごく良い。この映像はDVDになっておらず超貴重!

  平成ムーミン(1990)だけがDVD化。原作者はこちらをお気に入り。
24.戦闘メカ ザブングル(1982)富野由悠季

全50話。土、泥、荒野。西部劇&ロボット・アニメ。工事現場から出て来たようなウォーカーマシンをハンドルで動かすアナログ感が最高。エンディングの「乾いた大地」(1分)の歌詞がグッとくる。

 
25.機動戦士ガンダム0083(1991)加瀬充子・今西隆志

全13話。「ソロモンよ!私は帰ってきたッ!」少ない戦力で奮闘するジオン残党を応援せずにはいられない。メカ描写にシビレまくり。コロニーとソーラーシステムの衝突には腰を抜かした。

 
26.超時空要塞マクロス(1982)石黒昇※製作総指揮

全36話。第27話「愛は流れる」の“板野大サーカス”が圧巻!もうコマ送りで何度見返したか分からない。可変戦闘機バルキリーをデザインした河森正治は天才!故羽田健太郎の音楽もドラマチック。※27話ハイライト(7分)

 
27.はれときどきぶた(1997)ワタナベシンイチ

全61話。たたみ掛けるようなギャグの嵐に抱腹絶倒、シュールの極み!個人的にはギャグアニメの最高峰だと思っています!ストーリー・アニメじゃないのに、見逃した回はレンタルして見るほどハマった!

 
28.母をたずねて三千里(1976)高畑勲※演出

全52話。異国の地での人の優しさほど身に染みるものはない。第40話「かがやくイタリアの星一つ 」は1億点。※たった30秒で分かるマルコの全行程

 
29.機動戦士Zガンダム(1985)富野由悠季

全50話。曲がりなりにもロボットアニメの主人公だったカミーユに、最終回であんな仕打ちができるのは富野監督だけ!(超爆)

 
30.蟲師(2005)長濱博史

全26話。二次元の画面から自然の息吹や水の冷たさを感じとった。五感に訴えてくるアニメ。何時間でも観ていたいほど心地良い空間。

 

次点…「ベルサイユのばら」(79)長浜忠夫、「鉄人28号」(04)今川泰宏、「機動戦士ガンダム第08MS小隊」(96)神田武幸・飯田馬之介、「ケロロ軍曹」(04-)佐藤順一他、「重戦機エルガイム」(84)富野由悠季

未見の話題作…「天元突破グレンガラン」(07)今石洋之、「交響詩篇エウレカセブン」(05)京田知己、「創聖のアクエリオン」(05)河森正治、「灰羽連盟」(02)ところともかず、「涼宮ハルヒの憂鬱」(06)石原立也





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