●12月31日… //昨日(12/30)、日記に書いた『虎に翼』の脚本家・吉田恵里香さんのインタビューをXで紹介したら、たった1日で閲覧65万件、“いいね”1万5千件という驚異的なことに!ツイッター時代から14年間、一度も閲覧10万超えがなかったので、いわゆる“初バズり”ということに。それだけ吉田さんの言葉が多くの人に必要とされ、刺さったということ。生きづらさを感じている人がこんなに多いことが可視化されたわけで、来年は良い方向に社会が変わっていきますように。 ※投稿からずっと通知が続いているんですが、今夜の紅白歌合戦は『虎に翼』コラボがあるので、また跳ね上がるかも…。 ![]() ![]() ●『虎に翼』脚本家・吉田恵里香さんいわく「これまでのドラマでは省(はぶ)かれてきた人たちを書こうと思った」。 12月30日の朝7時20分から朝ドラ『虎に翼』の約3時間の総集編をオンエア!本放送を見逃されたかたは是非。物語の舞台は1931年から戦争を挟んで1974年までの日本社会。 このドラマで何度も映されるのは、壁面に書かれた憲法第十四条「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」。生きづらさを感じて窒息しそうな心に酸素を。まっこと素晴らしい作品です。 ![]() 吉田恵里香さんはインタビューでこうも語っていた。 「(今の社会は)主張しないといいように使われがちで、優しい社会ではない、割と搾取される。「だって、あの時何も言わなかったじゃん」って。平気で搾取する側の人って、絶対そんなの分かっているのに「だって言わなかったじゃん」とか「嫌だったの?」とか「言ってよー」みたいなこと言うじゃないですか。 だってね、言えなくて黙って耐えに耐えてここなのに、それを絶対分かっているのに言うじゃないですか。「え〜」「全然気づかなかった」。絶対気づいてますからね、大半のことは。だから「それ、どういう意味ですか」って(こちらが)聞くだけでも変わるっていうか。 私も嫌われたいわけじゃないから、(ペンを取るときに)ちゅうちょすることはあるけど。でも、「言わない自分」と「言う自分」どっちがいいかって悩んで黙って見ないふりした自分よりは、怒られても言う自分の方がいいかなと思ってやっています」 ●元SMAP中居正広氏のスキャンダル、本当に9000万円支払うほどのことがあったのなら、かなり深刻な問題。被害者はPTSDで仕事を続けられなくなったという。文春にはフジテレビ幹部の超大物が手引きしたとあり、それなら今回はテレビ局自体が絡んでいるので、単に出演しないとかで済まない。ジャニーズ事件のときに女性タレントやアイドルが“接待”の名で強要される性被害にも救済が入るかと思ったら、あまりにも闇が深いためかスルーされた。フジは社員を枕営業に使うという、えぐいことをやた。今度こそ、テレビ局・芸能界はこの問題と向き合わねばならない。 ●クリストファー・ノーラン監督の次回作は、古代ギリシャの詩人ホメロスの『オデュッセイア』とのこと!神の呪いを受けたトロイア戦争の英雄オデュッセウスが、故郷に帰還するまでの波瀾万丈の10年間を描く。最新の映像技術で紡がれる神話アクション、見応えがありそう。2026年夏公開。 /『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ』は2027年5月公開と随分先だけど、X-MENのメンバーが複数登場するらしいので、そちらも大いに期待している。 ※もう俳優の不祥事で撮影延期になりませんように。サノスに匹敵する敵役になるはずだったカーン(ジョナサン・メジャース)の退場を受け、どう風呂敷をたたむんだろ。 ●先日のNHKスペシャルで、K-POPに続いていよいよJ-POPが海外でブームになってきたと報道、日本人2人組Creepy Nutsの「Bling-Bang-Bang-Born」のPVが再生数3億回、米ビルボードのトップテンに入ったとのこと。アメリカの音楽祭コーチェラ・フェスティバルで同曲をライブ、海外の聴衆が踊りまくっている様子に驚き、中3の息子に「Creepy Nutsって知ってる?ブームらしいで」と教えたら。「はッ!?知らんかったん!?今年めっちゃ流行ってたやん!」と呆れ顔。そして子は「お父さんは『ダンダダン』のOP曲が好きって言ってたやん。あれもCreepy Nutsやで?」と逆に教えてくれた。いやはや、これだけ毎日おすすめ番組情報をアップしてるのに、年末まで「Bling-Bang-Bang-Born」をまったく知らなかったですわ(汗)。 ※分析によると、この曲が流行った理由は、サビの「ブリン・バン・バン・ボン」が言語の違いを超えて「口気持ちいいから」と。そして、一番最初に「踊ってみた」をやり出したのがウクライナ軍というのも驚きだった。そこから東欧→西欧→米国にブームが広まっていった。 ●今年はベートーヴェンの『第九』初演(1824年)からちょうど200年。Eテレ『偉人の年収』によると、初演の売上げは約370万円(現在価値)あったが、合唱団の出演料や劇場使用料、ポスター制作費は自腹だったので、手元に残ったのは54万円。第九は10年ぶりに発表した交響曲。ベートーヴェンは「こんなに頑張ったのにこれだけか!」と爆発したという。とはいえ、いま『第九』は年末に地方の貧しいオーケストラを経済的に支えているので、後輩の音楽家たちへの経済的貢献は計り知れず。 ●先の兵庫知事選はいまもゴタゴタが続いている。あの選挙で最も不可解なのは、NHK党・立花氏が「斎藤さんを知事にするため立候補した。私には投票しなくていい」と選挙活動を始めたときに、なぜ斎藤知事は「それはルール的にグレーだからやめてほしい」と言わなかったかだ。 法律は選挙運動の公平性を特に重視しており、使用できる選挙カーの台数や選挙ポスターの枚数などが厳格に決まっている。ところが、立花氏が自らの選挙運動をすべて斎藤知事の支援に使ったことで、事実上、斎藤知事が2人いる状態になり、斎藤氏だけが2倍の選挙カー、2倍の選挙ポスター、2倍の選挙演説時間という「2馬力」になった。 これにより、立花氏が「県民局長の自死は自業自得であり、むしろ斎藤知事は被害者(という設定)」など、斎藤氏が自分の口から言えないことを立花氏が担当し、斎藤氏自身は県政の未来や政策を語ることに集中できた。汚れ仕事を立花氏が引き受けた構図だ。 しかし、こんな選挙運動を許してしまったら、大金持ちが「他人を当選させるために立候補する人」を3人、5人と雇って選挙に挑めば、圧倒的に有利になってしまう。自分の分身をいくらでもお金で増やすことができ、理論上は十馬力だって可能だ。そんなメチャクチャなことが民主国家で許されていいはずがない。立花氏は「違法ではない」というが、法律を作った人はこんな選挙戦を想像もしておらず、たとえ取り締まる法律がなくたって、「これは禁じ手だ」と普通なら思いとどまるもの。斎藤知事は選挙を統括する総務省の出身者だから、そのあたりは特に詳しいはずなのに…。 結局、先の知事選で立花氏が政見放送で言っていた、「(自死した)県民局長は10年間で10人と不倫していた」「不同意性交罪を犯した可能性が高い」は、そんな事実はなかった。故人への中傷は、相手が反論できないだけに極めて卑劣。そもそも県民局長の私生活と、斎藤知事のパワハラ疑惑、公益通報者保護法違反(告発された側による告発者探し)、問題の本命とされるプロ野球優勝パレードのキックバック疑惑、これらは何の関係もない。 どうして斎藤知事は立花氏に「不確定な情報で故人のプライベートを事実のように語るべきではない」「パワハラ問題はまだ百条委員会で結論が出ておらず、“パワハラはなかった”と断言するのはやめてほしい」「私を応援する気持ちは有難いが、ポスターや演説まで支援一色にするのは2馬力選挙になり、選挙制度が崩壊するためよしてほしい」と苦言を伝えなかったのか、首をひねるばかりだ。 斎藤氏が当選してすぐ、「立花氏のお陰で当選した」と2馬力を批判されることを恐れたのだろうか、PR会社の女性社長が「私が(斎藤氏の)SNS戦略の監修を引き受けた」と、次の投稿をした。 〈私が監修者として、運用戦略立案、アカウントの立ち上げ、プロフィール作成、コンテンツ企画、文章フォーマット設計、情報選定、校正・推敲フローの確立、ファクトチェック体制の強化、プライバシーへの配慮などを責任を持って行い、信頼できる少数精鋭のチームで協力しながら運用していました。写真および動画の撮影については、現地で対応してくださっているスタッフの方々にお願いすることをベースに、私自身も現場に出て撮影やライブ配信を行うこともありました。〉 この書き込みによって、「勝利の大きな要因はSNS戦略であり、2馬力はあまり影響しなかった」という流れを作りたかったのだろうか。 公職選挙法では支援者・ボランティアにお金を渡すことが禁じられているだけでなく、利害関係者が無給で選挙を手伝うことも「寄付行為」(労働の無償提供)として違法になる。結果的に、このPR会社は県の事業を受注するなど仕事上の接点を持っていたため、命取りになりかねない大問題になった。 斎藤知事サイドは、PR会社社長のことを「あくまでもただのボランティア」「(彼女が)話を盛っている」と主張している。しかし、斎藤氏の演説をインスタでライブ配信するために、選挙カーの上に彼女も乗っている姿が何度も目撃されている。ただのボランティアが選挙カーの上に?公職選挙法違反は失職するだけなく、たとえ執行猶予がついても、罰金刑になると5年間(禁錮・懲役なら10年)は立候補できなくなる重い罪だ。選挙の公平性は、それほどまでに民主国家にとって重要。斎藤知事自身による事態の説明が待たれる。 〔追記〕読売新聞は12/20、選挙公示前の10/6に斎藤陣営の広報担当者が支援者あてに「SNS監修はPR会社にお願いする形になりました」とメッセージを送信していたことを報道。これまで知事は「SNS運用は斎藤事務所が主体となって行った」と主張しており、それは嘘だったのか?もし読売の誤報なら知事は読売を訴えるべきだし、自分が間違っていたのなら会見でそういうべきだ。 //山上徹也被告の身柄拘束が12/23で900日に。どうして裁判が始まらないのだろう。900日も拘束して、5回の公判前整理手続きをしても、それでもまだ初公判の目処すら立たない。あまりに遅すぎ。時間稼ぎでもしているのか。統一教会への解散命令もいっこうに出る気配がない。 日本は法治国家のはずだが、最近は性被害事件で被害者を突き放すような冷たい判決が続いている。加害者の身分がいわゆる“上級”だと、不可解な理由で不起訴や無罪に。この国の司法は、森友事件で公文書改ざんが何も罪に問われなかった(自殺者が出ているのに関係者全員不起訴)ときから、露骨におかしくなっていないか。 ●年の暮れ、ホッコリしたい方に「サンタさんの出発シーン」を再掲(動画は新たに撮り直し)しますね。これは2018年にフィンランド国営放送が北極圏の近くから中継し、それをNHKが報道した1分間のガチ・ニュースです。サンタクロースの実在を示す決定的証拠なので、身近に小さな子がいるかたは22日or23日にぜひこの動画を♪ ※22日出発の理由がニュース内で語られます。 ※以前は画面がブレ気味だったので、今回は見やすくなりました。 ニュース動画『サンタ・クロースの出発』(58秒) ※2018年12月23日のお昼のNHKニュースより、音声の書き起こし→ 「明日はクリスマス・イヴです。例年よりも少し早く、サンタ・クロースがフィンランドからプレゼントを届けるために出発しました。小屋から出てきたのは、白ひげのサンタ・クロース。大きな袋を“そり”に積み込み出発しました。北極圏にほど近いフィンランド北部のラップランド。サンタ・クロースを乗せた“そり”は、2頭のトナカイと共に広大な雪原を走り抜けます。今年は大雪で交通が混乱する恐れもあることから、フィンランド国営放送は《サンタ・クロースが時間に余裕をもって例年より2日早く出発した》と伝えています。旅が順調に進めば、クリスマス・イヴの夜から翌朝にかけて、世界各地の子どもたちのもとにサンタ・クロースが訪れます」 ●「人間の中にある善の心や希望を伝えたい」(ジェームズ・ガン)。2025年夏公開の新生『スーパーマン』の予告編がキター!監督・脚本は傑作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのジェームズ・ガン。氏は『アベンジャーズ:エンドゲーム』の製作総指揮でもある。絶対に面白いはず、いやが上にも期待はマックス!早く夏よ来い! ●ツイッターからXになって、本当に同ツールの治安が悪くなった。陰謀論だらけになったし、トレンドのハッシュタグを開いただけで、アクセス数狙いの露骨なポルノ動画を貼った投稿が出てきて目を疑った。SNSテロのようなもの。広告であれば、それをクリックしないことで表示を減らせるけど、他者が行った投稿は防ぎようがない。パトロールにお金をかけないイーロン・マスク。5年後のXはどうなっているのか、考えるだけで恐ろしいものがある。 ●1ドルが156円!これ、以前のユーロより高い。あと一度、アメリカを墓巡礼したらアメリカの偉人墓参は終了するんだけど、いつになるやら…。 ●北九州マクドナルドの通り魔的事件、死傷した中学生2人がほんと可哀想。早く犯人が捕まらないと住民は安心できないし、170cm、中年、黄色いサンダルと特徴が分かっていて、これだけ防犯カメラがあるのになぜ足取りが掴めないのだろう…。 〔追記〕犯人逮捕。地域はこれで一安心だけど、犠牲者の生命は戻ってこないのが虚しい。警察は少ない手掛かりからよく5日で逮捕できたと思う。数百の防犯カメラやドラレコを点で繋いでリレー追跡したとのこと。 ●12月12日…シリア革命、韓国戒厳令、ノーベル平和賞授賞式、中山美穂さん追悼、1週間で様々な出来事が。12月16日締め切りの原稿があり、それを脱稿してから集中的に日記を書きます。 ●12月11日…“神ゲー”として名高い和風テイストの『大神(おおかみ)』が、完全新作で発売されるとのこと!日本神話をベースに、どんな美映像で物語が展開するのか楽しみ。 ●12月10日…九州に眠る偉人の墓所や人気の博物館、美しい景観など「320箇所」をグーグルマップに反映した『九州巡礼MAP』を数年がかりで完成。皆さん九州訪問の際に、よろしければ利用ください。 ![]() ![]() 対馬に安徳天皇や関ヶ原の戦いの石田軍・島左近の“生存説”墓があり、ぜひ対馬に行きたい。 ●12月9日…詩人谷川俊太郎さんの追悼番組で、高校生の合唱コンクールに招待された谷川さんが、最後に会場の高校生にエール。「体をすこやかに、魂もすこやかに生きていってください。これからの未来はきっと大変なことがあるだろうけれども、それに負けずに、生きていってほしいと思います」。“魂もすこやかに”、シンプルだけど、これは一生に関わる本当に大事なこと。ネットにはドロドロの負の感情が渦巻いており、大人でさえ、意識的に魂を守らないとすこやかな状態ではいられない。墓マイラーで偉人の墓所を訪ね続けるのは、自分にとって“魂を守る”ための切実な行動なのかもしれない。 ![]() ●12月8日…本日17時からNHKにて音楽で楽しむ大河、『「光る君へ」コンサート〜沼ル音楽会』オンエア。「光る君へ」の音楽は、ときに雄大、ときに雅で万華鏡のごとし。クラシックの名曲をオマージュした良い楽曲もあり。ゲストは本作の作曲家冬野ユミさん、俳優の吉高由里子さん&凰稀かなめさんです。 ●12月7日…今朝の番組で、今年他界された彫刻家・舟越桂(かつら)さんの言葉がとても良かったので共有しますね。 「人間ってそれぞれ個人は絶滅危惧種。一人が失われたら、決して同じ人は生まれて来ないし、復活もしない」 社会に余裕がなくなりつある昨今、舟越さんのこの言葉を大切にしたいです。 ![]() //山梨講演&墓巡礼、大阪でインフルエンザ、大分講演&墓巡礼、怒濤の16日間が終了。我ながらよくぞ乗り切ったと。(^^;) ●12月3日…今日から九州で仕事&墓巡礼です。12月7日に更新再開しますね! 先週から病気などで番組情報をアップできなかったのが残念です。つくづく、健康が第一ですね。 ●12月1日…オーストラリア議会は11月29日、16歳未満の子供のSNS利用を禁止する世界初の法律を可決した。1年後にTikTok、フェイスブック、インスタなどに適用されるという(ノルウェーでもこの議論が進んでいる)。 カジポン家では、子どもに常々こう言ってきた。「絶対に自分を誰かと比較するな。比較していいのは、昨日の自分や、1年前の自分だけだ」と。人間誰もが異なる人生を歩んでおり、そこに優劣などない。それぞれ違う道を進んでいるのだから、人は誰を追い越すこともないし、追い抜かれることもないと。一方、3年前や5年前の自分自身と比べて、どれだけ成長できたか、その比較なら意味がある。それは生きた証だ。湯川秀樹さんの言葉「一日生きることは、一歩進むことでありたい」、この言葉がいつも背中を押してくれる。 オーストラリアでは近年、子どもたちがSNSにのめり込み、心の健康に悪影響が出たり、悪質ないじめや性被害にあったりするケースや、自殺にまで追い込まれる事態が相次ぎ、規制を求める声が高まっていた。SNSでは他人がキラキラしているように見え、常にそんな情報に晒されていては自己肯定感を育むことが困難だ。大人でさえ承認欲求をこじらせて落ち込んだりするのに、まだ自分の中に核となるものができてない子どもだと、他人との比較に極端に一喜一憂してしまう。もちろん、子どもにも情報を得る権利や表現の自由があるため、SNSを全面的に禁止するのではなく、安全な情報にはアクセスできて、安全でない情報だけブロックするのが理想。ただ、現状はまだ技術的にそれが困難だし、その対応ができるまで禁止にするのはアリだと思う。 承認欲求はときに生命をも奪う取扱注意の危険なもの。新法で子どもはSNSの見えない鎖、“比較地獄”から解放されて自由になれると期待してる。一方で、“居場所を奪われた”と感じる子どもを出さないためにも、(行政を含め)大人たちが孤立した子をフォロー、ケアする環境づくりをする努力をしなくては。ちなみにYouTubeはOKらしい。 オーストラリアのこの法律は、保護者や子ども自身への罰則はいっさいなく、違反した企業にのみ「子どもの安全を最優先する社会的責任を果たさなかった」として、最大で4950万オーストラリアドル、日本円でおよそ「49億円」という巨額の罰金が科されるとのこと。 アルバニージー豪首相「今回の法律で親と子どもの会話が変わり、その変化はオーストラリアの子どもたちにとって害を少なくし、より良い結果をもたらすことになるだろう」。 ●11月30日…ようやく平熱に。あとはこのやっかいな咳だけ。気軽に手に入るのど飴系だと、龍角散の「のどすっきり飴」が一番効くように思う。 //大河『光る君へ』がもうすぐ終わる。「これを見なかったら2度とあのややこしい平安中期の人物関係(藤原氏だらけ)を理解する機会がないかも」と、第一話からここまで完走しており、実際、かなり相関図が整理できた。馴染みのなかった宮廷文化もわかったし、俳優の演技もいい、衣装も美しい、この作品には感謝しかない。それだけに、ネットニュースで「今年の大河はどこで失敗したのか」と題された記事に首をひねった。失敗なんかしてないじゃん…。先日の第45回で、道長が賢子を自分の子と知らされ、遠くから見つめていたときのあの表情、彼の中で様々な感情がこみ上げてきたのがわかる。この作品における柄本道長の頂点となる名演だった。まひろの方から道長を手放すのもサバサバして良い。 関ヶ原も壇ノ浦も明治維新もない、朝廷という狭い世界の地味な権力闘争で、1年間ずっと引き付けたのだから大したもの。最終回は12月15日とのこと。 ●11月29日…発熱から1週間。昨日、いったん平熱になったのでもう治ったと思ったら、今度は咳がひどくなりはじめ、また熱があがってきて38.4度。この身体はどうなってしまったのか。寝ている時間があまりにももったいない。 ●11月28日…頭はボーッとなってるけど腹痛が治まったのが嬉しい。 ●11月26日…解熱剤なしに37度台まで下がってきた。もう一息。 //公開されたばかりの話題作『シビル・ウォー アメリカ最後の日』が12/6からアマゾン・プライムで見放題配信されるとのこと。多忙で劇場に行けなかったので嬉しい。『グラディエーター2』はなんとしてもIMAXで観たい。 //公職選挙法違反問題に揺れる斎藤知事。氏は自死した県職員の告発を「嘘八百」と切り捨てていたけど、今度は選挙を全力で支えてきたPR会社の女性社長の選挙レポートも「嘘八百」と断罪するのだろうか。政見放送の嘘(県職員が10人と不倫)を認めたNHK党立花氏については「嘘八百」と言わないのに。 ●11月25日…発熱から4日目、さすがにこれだけ高熱が続くのはおかしいと、連休明けの病院へ。検査の結果はインフルエンザA型だった。やはり、普通の風邪や疲労によるものではなかったか。今はA型ウイルスだけをピンポイントに狙う良い薬があり、それを服用したので、あと1〜4日(個人差あり)で快復するとのことです。 ●11月24日…まだ39.5度ありひっくり返ったまま。明日から中学3年@受験生の息子が期末テストなので、妻は「子どもに絶対近づかないで」と僕を完全に隔離。我が家の居住空間はリビングと寝室の2部屋しかないため(残りの一室は仕事で使う画集や文学全集、映画パンフなどで埋まり居住不可能)、寝室の2段ベッドの上段に閉じ込められています。嗚呼、せっかくの誕生日なのに…。 ●11月23日…季節の変わり目は寒暖差が大きく、体調を崩してしまい昨夜から39.4度。熱はともかく咳がつらすぎる。皆さんも体調管理にお気をつけて。 ●11月20日…今日から週末まで山梨県を仕事&墓巡礼で訪れるため、次回更新は23日(土)になります。お薦め番組情報はアップ済みです。イチオシは22日(金)23時Eテレ『ドキュランドへようこそ 女性がいなくなった!男女平等の国アイスランド』。1975年に、アイスランド全土で女性が家事と仕事をストライキし、国を男女平等路線に方向転換させた実話のドキュメンタリー。女性にやさしい国は男性にもやさしいのがポイント(長時間労働が減り、堂々と育休がとれるなど)。 ●11月19日…現代日本を代表する詩人・谷川俊太郎さんが老衰のため92歳で他界された(11/13)。ひらたい言葉で鋭く世界を切り取り、人間の根源に迫る作品を数多く書かれた。同時に『鉄腕アトム』主題歌の作詞や、スヌーピーが登場する『ピーナッツ』の翻訳も手がけるなど、幅広く活躍された。谷川さんに感謝を込め、好きな作品を以下に紹介します。自分の小さなからだが、宇宙の一部であることを感じる24行のことば。 『からだ』(詩集『シャガールと木の葉』より) からだ---うちなる暗がり それが私 ただひとりの そよぐ繊毛(せんもう)の林 うごめく胃壁の井戸 ほとばしる血液の運河 からだ---闇に浮かぶ未知の惑星 それがあなた 私にほほえむ * いのちはひそんでいる たったひとつの分子にも だがみつめてもみつめても 秘密は見えない 見いだすのはいつも私たち自身の 驚きと怖れの…よろこび * こんなにも小さなかたちの そんなにもかすかな動き その爆発の巨大なとどろきを 誰ひとりききとることができない いのちの静けさは深い 死の沈黙よりも * とおくけだものにつらなるもの さらにとおく海と稲妻に 星くずにつらなるもの くりかえす死のはての今日に よみがえりやまぬもの からだ //昨日の日記を書くのに7時間かかり、精根尽き果て、今日はなんか頭がフラフラ。 ●11月18日…それにしても、この世の中は、いったいどうなってしまったのだろうと思う。新聞社の看板を背負ってるマスコミの報道は信じないのに、ネットの出所すら分からない情報を無条件に信じる、そういうかたが、コロナ以降世界的に激増しているのを感じる。マスコミはネット住民から“マスゴミ”と揶揄されているけど、マスコミがゴミなのは、「報道しない自由」を使い分けるからであり、基本的にニュースの裏はとっているし、誤報ミスをやらかしたときは謝罪訂正文を出す。一方、SNSではソース不明の“スクープ”が猛スピードで飛び交い、コメント欄で「事実誤認」を指摘されても、再生回数で稼げるためか放置されているケースが多々ある。 原発の再稼働や新規建設のニュースを取り上げる際に、「使用済み核燃料」の保管場所がないことを伝えようとしないニュース番組に対し、「これだからマスゴミは!」と僕も怒ることがある。ジャニーズ問題だって、マスコミは知っていたのに伝えなかった。だけど、既存メディアがダメダメだからといって、ネットの書き込みの方が正しいわけでもない。 もう10年以上前から、いったん広がったデマ動画は、あとから間違いとわかって訂正動画をアップしても、まったく後者は再生回数がのびないため問題になっていた。理由は単純で、訂正動画は面白くないからだ。陰謀論であっても、自分がほしい情報であればそれを信じた状態の方が気持ちいいし、興醒めするような訂正動画はスルーされる。メディアは腐っても数値・事実に基づくファクト重視であるため基本地味だし、カラフルな文字でテンポ良く展開するネット動画に負けてしまう。しかも、ネット動画は検索してたどり着くと「自分で見つけた感」があって、内容に影響をより受けやすい。 AI技術で偽映像も簡単に作れてしまう今、5年後、10年後の世界がどうなっているのかと不安に包まれる。未来に「意外とたいしたことなかった、フェイクは通用しなかった」と笑って2024年を振り返られるようにと切に願う。 X(旧ツイッター)はイベント告知やお薦め番組の共有で便利だから使ってきたけど、このツールがイーロン・マスク氏の玩具になってから、使い続けることに葛藤している。 (1)Xの規約には「合成や加工が施され、有害と思われるメディアを偽って共有してはならない」と記されているのに、当のマスク氏自身が今年7月にハリス副大統領の偽動画をXで拡散。保守系ユーチューバーが「これはパロディです」と投稿したハリス氏の偽演説の動画を、マスク氏はパロディとは言及せずにXで再投稿し拡散した。偽演説は白人を逆差別する内容で、あれを見た白人は当然不快になる。マスク氏の投稿は1億2千万回以上表示されている。Xの規約とは何なのか。 (2)トランプ氏の暗殺未遂事件(7月)が起きたあと、9月にマスク氏は「誰もカマラ(ハリス)を暗殺しようとさえしない」と投稿。政敵への暴力を容認すると受け取られかねない内容で極めて危険。 (3)9月に歌手テイラー・スウィフト氏が「猫を抱く写真」をインスタグラムに投稿しハリス支持を表明した。これは共和党副大統領候補のヴァンス氏が「子どもがいない猫好きの女性はみじめ」と発言したことへの皮肉とみられ、投稿の最後には「テイラー・スウィフト、子なし猫好き女性」と署名している。この投稿にマスク氏は「私は君に子どもを授け、人生をかけて君の猫を守るよ」とXに投稿した。多くの人がこのコメントには自分がスウィフト氏を「妊娠させる」という意味が込められていると受け止め、「女性に対する敬意がゼロ」「超絶セクハラ」と物議を醸した。 (4)マスク氏がツイッター社を買収する前は、極右政党は憎悪表現(ヘイトスピーチ)規制ルールに基づき、ツイッター・アカウントを持つことを禁止されていた。しかし、マスク氏は極右アカウント復活させたため、この夏イギリスで極右活動家が支持者への扇動メッセージ(イスラム教徒を巡る虚偽の内容)を繰り返し投稿、8月の暴動に発展した。マスク氏は暴動写真に「内戦は避けられない」と投稿して火に油を注ぎ、さらに「英政府が暴動参加者を送還する強制収容所を南米の島に建設中」という陰謀論のねつ造投稿を拡散、この投稿は170万回以上閲覧された。マスク氏はその後、この投稿を何も説明せずに削除。 −−情報ツールの運営者がデマ拡散や、セクハラを繰り返している場合、ユーザーはどうすべきなのか。自分は2010年から利用しており、もうすぐ15年目。ひとつの投稿を3日かけて書いたこともあり、それらをマスク氏のために全削除してアカウントを消すのは正直悔しい。運営権を国連機関的なものが持ってくれないものか(少なくともトップの一存でルール変更できない組織に)。 海外ではXをめぐり大きな変化が起きている。ブラジルでは約2200万人がXを利用していたが、8月末からXのサービスが停止していた。偽情報を拡散するアカウントの規制にXが応じなかったことなどから、ブラジルの最高裁が停止命令を出したためだ。英断なり。今月に入り、Xが多額の罰金(約7億5000万円)を支払い、誤った情報を拡散したアカウントを凍結したのを受け、停止命令が解除された。一方、現地メディアの調査によると、ブラジルのXユーザーの3人に1人が、サービス停止により「メンタルヘルスが改善したことに気付いた」と答えたという。元ユーザーの76%は「再開されればXに戻る」と述べている一方で、15%は、再開されても「戻らない」と回答。後者は依存状態になっていたことを自覚したという。 イギリスの有力紙ガーディアンは系列でXフォロワーを約2700万人(新聞1082万人)も擁していが、11月13日、Xについて「有害なプラットフォーム」と指摘し利用(投稿)を停止すると発表した。理由は「陰謀論や人種差別などの投稿が多く確認され、利用におけるマイナス面がメリットを上回るため」。そして、Xを率いるマスク氏について、「影響力を使って(大統領選の)世論を形成している」と名指しで批判した。イギリスでは警察当局がXへの投稿を停止したと報じ、ここ数カ月、英慈善団体や医療、教育機関の一部が相次いで投稿をやめると表明している。世界3大映画祭のひとつ、ベルリン国際映画祭のXアカウントも「2024年12月31日をもってXと決別することを決めた」と発表した。 マスク氏は「言論の自由の絶対主義者」を自認する。それ自体は素晴らしいことだし僕も重視している価値観だ。中国・ロシア・北朝鮮などでは失われた大切な権利。だが、マスク氏は「差別する自由」「憎悪煽動」まで許容している。しかもマスク氏は、Xの仕様を閲覧数(インプレッション)により収益が出るよう変えたため、小遣い稼ぎ目的でバズりやすい陰謀論を投稿するケースが爆増し、社会の分断を加速させている。 “負の感情”に人間が支配されやすいことは、過去の歴史が物語っている。史実は、ヘイト放置が危険極まりないことを叫んでいる。ましてコロナ禍を経て貧富の差が拡大しており、生きづらさから社会にうっぷんが蓄積しており、負の感情は、即、点火しやすい状態にある。ガーディアン紙など現状を懸念する各方面からの指摘にマスク氏は耳を傾けてほしい。 経済学者ルカ・シャンセル氏やトマ・ピケティ氏らの運営する世界不平等研究所が発表した「世界不平等レポート2022」によると、人類はたった1割の富裕層が、約8割の富を所有するいびつな世界で暮らしている。これは陰謀論でも何でもない。ディープ・ステートうんぬんではなく、グロテスクなまでの格差社会が目の前にある。隠そうともしていない。富の再分配がまともに機能していないことが、治安の悪化や紛争、食糧問題、世界の諸問題の根源にあり、右派・左派の対立を乗り越えて解決せねばならないこと。本来は、上と下の対立が、右と左の対立に誘導されている。富を平等にする共産主義を目指せと言っているのではない。資本主義下にあって、餓死する者が出ないよう、病気のときも安心できるよう、子どもの誰もが教育を受けられるよう、まともな富の再分配を目指そう、そのために知恵を絞ろうということです(超富裕層への課税強化、タックス・ヘイブン目当ての海外への資産移動禁止の徹底必須)。 分断一直線の世界を前に、それ以外のことに目を向けさせ、別のものを重視させたり、何かを憎ませようとするのは、ただの話題そらし、問題のすり替えに思う。 この世界が、より良いものになりますように。 ●11月17日…兵庫の斎藤知事が再選。その県政下で自死した2名の職員はこの結果をどう思うだろう。選挙の終了をうけ百条委員会が再開される。選挙戦で斎藤氏の応援団が声高に主張していた「パワハラはでっちあげ」「斎藤氏を貶めるために既得権益が仕組んだもの」が本当なら、職員アンケートで「実際にパワハラを受けたり、自分自身が目撃した」と答えた140人は、全員が嘘をついていたことになる。この問題はSNSを見た県民の投票行動に少なからず繋がったわけだから、真偽をハッキリさせてほしい。ただ、報復人事が怖くて、もう誰も証言できないんじゃないかという懸念はあるけど…。「証拠映像も音声もないから証言が140人あってもデマ」と信じるより、「パワハラの恐怖で萎縮して、とてもじゃないが録音・録画できる状態ではなかった」と考える方が、僕にとっては自然だ。 パワハラ問題とは別に斎藤氏には「補助金カットをほのめかして商工会議所などに知事の政治資金パーティー券を大量購入させた疑惑」「阪神&オリックスのリーグ優勝記念パレードの開催費用(6億円以上)が不足したため、県内の信用金庫への補助金を増額し、それを募金としてキックバックさせることで補った(不正によって必要経費が捻出された)疑惑」などがあり、それらの解明も注目している。斎藤氏はトップ当選ではあるが、2位と3位の票を足せば斎藤氏よりも多く、氏にノーを突き付けた県民の方が多いわけで、そういう声にも耳を傾けた県政が行われますように。 ●11月16日…ヒトラーは著書『わが闘争』の中で政治宣伝活動についてこう記している。 「大衆の受容能力は極めて狭量であり、理解力は小さい代わりに忘却力は大きい」 「いかなる宣伝も大衆の好まれるものでなければならず、その知的水準は宣伝の対象相手となる大衆のうちの最低レベルの人々が理解できるように調整されねばならない」 「それだけでなく、獲得すべき大衆の数が多くなるにつれ、宣伝の純粋の知的程度はますます低く抑えねばならない」 「この事実からすれば、全ての効果的な宣伝は、要点を出来るだけ絞り、それをスローガンのように継続しなければならない」 コロナ以降、国内外でフェイクニュース、デマ動画があふれ深刻な問題になっており、世界の人々(もちろん僕自身も含めて)は、いま一度ヒトラーの言葉を警鐘として胸に刻まなければ。 ●11月15日…明日16(土)22時Eテレにてギャラクシー大賞受賞番組『アウシュヴィッツ証言者はなぜ自殺したか(後編)』アンコール放送(18日午後1時すぎにも再放送)。2003年に放送されてから、ずっとオンエアを待っていた番組です。 先週の前編では、ユダヤ人作家プリーモ・レーヴィが1944年にイタリアからナチスのアウシュヴィッツ強制収容所に送られたときのことが語られました。 このときイタリアから「650人」が移送され、到着後10分足らずの間に選別されてガス室で殺された者が525人(主に労働の役に立たない老人、妊婦、子ども)、強制収容所に回された者が125人、終戦まで生き残ることができたのは、レーヴィを含む「3人」だけでした。レーヴィは化学の知識があったので化学工場に送られガス室を免れました。 しかし、奇跡的に生還したレーヴィは、戦後40年を過ぎてから自死を選びます。せっかく助かったのになぜ生命を絶ったのか。彼が身を投げる5年前(1982年)に、イスラエル軍のレバノン侵攻があり、難民キャンプでパレスチナ人・レバノン人千人以上が殺害されるなど、2万人以上の犠牲者が出る悲劇がありました。 レーヴィはユダヤ人同胞がパレスチナ人を虐殺している現実に胸が引き裂かれ、「我々はナチスに酷い目にあったのに、なぜこんなことが出来るのか」とユダヤ社会に訴えたのですが、その反応は苛烈なものでした。 レーヴィは遺書を残していないため「建物から転落したのは自殺ではなく事故だった」という説もありますが、それは彼の当時の絶望的な状況を軽視した見方だと思います。レーヴィを精神的に追い込む次の4つの理由がありました。 1.ナチスに非道な仕打ちを受けたはずのユダヤ人が、今度はイスラエル軍としてパレスチナの人々を虐殺している現実。レーヴィは「イスラエルがパレスチナの人々に対しナチスが自分たちにしたことと同じことをしているのではないか」と恐れていた。彼は「私たちは第一に民主主義者、第二にユダヤ人、イタリア人その他であるべきです」と語り、『イスラエルは攻撃的ナショナリズムに陥ろうとしている。イスラエル軍はレバノンから撤退せよ』との声明文に署名(「ラ・リパブリカ紙」1982年6月12日)。結果、ユダヤ社会から「裏切り者」扱いされ孤立していった。 2.「ガス室はでっちあげ」と主張するネオ・ナチが欧州各地に勢力を広げ始めた。自殺の前年には西ドイツの歴史家が「ナチスのしたことは人類の歴史ではよくあること。特別なことではない」と軽視する発言をし、一部の支持を得ていた。“人々は過去の歴史を学ぶ意思がないのでは”と絶望する。 3.収容所で生き残るべきだったのは、自分ではなく他の誰かではなかったのか、という後ろめたさ。 《遺作『溺れるものと救われるもの』より》 「私たち生き残りは自分の経験を理解し、他人に理解させることができたのだろうか。友人は私が証言を持ち帰るために生き残ったと言った。私は自分に可能な限り証言をしたし、今でも機会が訪れる限りはそうし続ける。しかし、この私の証言が、それだけで生き残る特権を私にもたらし、多くの年月を生きられるようさせたというなら、その考えは私を不安にさせる。なぜなら、その特権と結果の釣り合いがとれていないと思うからだ」 「最良の者たちは、みな死んでしまった。クラコフの時計屋で会ったハイムも死んでしまった。彼は言葉の障害があったにもかかわらず、外国人である私に生き残るために最も必要なルールを説明しようと努めた。サボーも死んでしまった。彼はハンガリー人の無口な農夫で背の高さが2mほどあり、押したり引いたりする作業で最も弱い仲間を助けるのをためらわなかった。ソルボンヌ大学の教授であったロベールは、その素晴らしい記憶力で全てを記録しようと身をすり減らしていた。もし彼が生き延びていたら、私が答えられない疑問に答えられたであろう。私は他人の代わりに生きているのかもしれない。つまり、実際には殺したのかもしれない。もっと寛大で、感受性が強く、より賢明で、私よりもっと生きるに価する者に取って代わっていないか。それを否認できない」 ※この言葉は同じホロコースト生還者である医師ヴィクトール・フランクル『夜と霧』の一節と重なります。「何千もの幸運な偶然によって、あるいはお望みなら神の奇跡によってと言ってもいいが、とにかく生きて帰ったわたしたちは、みなそのことを知っている。わたしたちはためらわずに言うことができる。いい人は帰ってこなかった、と」 4.再び同様の惨劇が起きるのではないかという恐怖…ヒトラーただ一人ではあの大量虐殺は行なえなかったのに、多くの人々はヒトラーに全責任を押し付け、自分の問題として考えようとしない。レーヴィは収容所で繰り返し見た悪夢について記している。「−−家族や友人に囲まれ話をしている。しかし誰も自分の言葉を聞いていないことに気づく。すると心の中にひどく心細い悲しみが湧いてくる。収容所の外の生活は短い休暇や錯覚でしかなく、自分はまた収容所にいる−−そんな夢である」 前述したように、遺書がないためウィキには《自宅アパートの階段から転落して死亡(自殺とする説もあるが、遺書などの確たる証拠はない)》とありますが、彼はエレベーターホールに5階から落下しており、階段の手すりは肘の高さまであり、地元の新聞の第一報も自死、周囲も同様の認識です。足を滑らせた事故のような表現に違和感を持ちました。 昨年始まったガザ侵攻で、既にパレスチナ人4万人が亡くなっています(うち子ども1万人以上)。ハマス戦闘員に凄惨なテロを受けたイスラエルには自衛権がありますが、一般市民の殺害を禁じる国際法を無視して無差別的に攻撃していいわけがなく、国際刑事裁判所の検察官はイスラエルのネタニヤフ首相とハマス幹部の両方に戦争犯罪容疑で逮捕状を請求しました。 このタイミングでの、当番組のアンコール放送は非常に重みがあります。 プリーモ・レーヴィは地獄のような収容所生活で、中世の詩人ダンテ(1265-1321)の『神曲』から次の一節を暗誦することで人間性や正気を保ったとのこと。 「君たちは自分の生まれを思え 獣のごとく生きるのではなく 徳と知を求めるため 生を受けたのだ」−−ダンテ ![]() ※見逃された方、11/18(月)13時10分Eテレでもう一度放送されます! ●11月14日…次の日曜(17日)に投開票の兵庫県知事選が異常な事態に。県内29市長のうち22人が「今回の選挙ではデマが飛び交っており、県民の誤解を招くことがあってはならない」「県政の混乱がこれ以上続くのは許されない」として無所属で立候補している前尼崎市長の稲村和美氏(52)を支持すると表明。知事選の最中、それも3日前になって複数の市長が特定の立候補者を支持する意向を表明するのは極めて異例だ。それほどまでに情勢は緊迫している。 関西以外の人にはピンとこないかもだけど、パワハラ騒動の斎藤元知事を「応援」するため、何かの号令がかかったかのようにカルトと極右が兵庫に集まりだした。統一教会系メディアや教団の代理弁護士は元知事を熱心に応援、今の兵庫はカルトと極右団体の見本市みたいになってる。 テレビの政見放送で反NHK党の立花孝志氏(57)は、未来の兵庫をどうしたいか具体的な政策は語らず、ひたすら「元知事のパワハラはなかった!でっちあげだ!陰謀だ!」と大騒ぎ。SNSでは「斎藤元知事は既得権益と戦ったから潰された」という“物語の作り替え”が行われ、“いっけん怖そうな人が実は優しくて良い人だった”という大衆が好むイメージ戦略で、票を伸ばそうとしている。 そもそも「公益通報者保護法」があるのに、元知事は最初に告発者探し(知事視点では犯人探し)を行っており擁護しようがない。本来、通報者は保護されるべきなのに真反対のことをしている。 県議会調査特別委員会(百条委員会)のアンケート調査では、斎藤氏のパワハラ疑惑について(他人からの伝聞ではなく)「目撃、経験などで実際に知っている」と答えたのは140人にのぼり、「実際に知っている人から聞いた」は800人に達し、元知事本人も複数の行為でパワハラを認めているのに、斎藤派はこれを全部口裏合わせとでも言わんばかり。目に余るパワハラと、告発された不祥事の内容から、斎藤氏の支持母体であるはずの維新や自民県議まで含めた兵庫県議86人全員から「知事の資質なし」と断罪されて辞職に追い込まれたのに。 斎藤派は「見た聞いたばかりで証拠がなにもない」というが、2、3名ならともかく140人も嘘をつくとは考えられず、全員が嘘つきと考える方が荒唐無稽だ。「140名って県職員7,000名中たった2%しかない」と人数を軽視する意見も数字のトリックで、知事と直接会話するレベルの職員は限られており、その中の140名だから少ない数字ではない。 第一、百条委員会が認めたパワハラが全てではない。一般の公務員が名前と顔晒して証言するのは、報復されるリスクあるため、よほどの勇気がないとできない。その意味からも元知事を再選させるのは危険。百条委員会のメンバーや証人がどんな報復に合うか分からないからだ。 ![]() ![]() ※20m歩かされて怒鳴るような上司が他でどういう対応とってたかは明らか 反NHK党の立花氏が特に悪質なのは、元知事を告発し「死をもって抗議する」と自殺した県職員を、「没収されたパソコンのメールで、不倫がバレそうになったから自殺した」と方々で吠えていることだ。そんな公式発表はされていないし、事実かどうか確かめようがない。故人は反論できず、まさに死人に口なし。 この情報を立花氏に吹き込んだのは調査委員会の副委員長である維新議員という。たとえ不倫があったとしても、自殺した人のメールは個人情報であり、それを言いふらすのは人としてどうなのか。っていうか、元知事が辞任に追い込まれたのは140人が証言している日常的なパワハラにあり、告発者のプライベートなことは、この選挙戦と関係がない。それをわざわざ政見放送で言う卑劣さよ。 SNSによる物語の作り替えで斎藤氏が再選するようなことがあれば、その成功体験からカルトは兵庫以外でも同じことをやり始めるだろう。NHKの政見放送という公共の電波を使ってデマを流し、物語を作りかえて選挙戦に勝つ…こんなことがまかり通ったら民主主義国家と呼べなくなる。 一方、対立候補は市長22人が推す稲村候補と共産推薦の大沢候補に票が割れている。漁夫の利で元知事が再選する可能性があり、もし稲村氏が敗れたときに、大沢氏との合計票が元知事を上回っていたら、なぜ共産は候補を降ろさなかったのかと猛批判にさらされるだろう。 「行動力があり有能ならパワハラ体質でもいい」という人もいるけど、「行動力があり有能でパワハラもしない」人物の方が良いに決まっている。投開票まであと3日、いったいどうなるのか。 ※稲村氏支持を表明したのは以下の市長。姫路市長・尼崎市長・西宮市長・洲本市長・伊丹市長・相生市長・加古川市長・たつの市長・赤穂市長・宝塚市長・三木市長・高砂市長・川西市長・加西市長・丹波市長・南あわじ市長・朝来市長・淡路市長・宍粟市長・加東市長。 ●11月12日…お昼のNHKニュースの気象情報に目を疑った。11月に台風が4つも同時に発生したのは、観測史上初とのこと。数年後には12月に台風が上陸してしまうのでは…。 ![]() //ダウンタウン松本人志氏が、彼に性加害を受けたと訴えた相手への告訴を取り下げたのはいいとして、「不快な思いをされた方がいらっしゃったら謝ります」という謝り方がひどい。もうこの謝り方自体が二次加害。このコメントでテレビ出演が解禁されるなら、テレビ業界のモラルの低さを証明することに。 ●11月11日…総理指名選挙が行われ、石破氏が第103代総理大臣に決定。自分は石破氏の政治手腕をもっと見たかったので石破氏のままでも良いんだけど、企業・団体献金の廃止や最低賃金アップの流れを加速するため野田内閣になる方がいいと思っていた。実際、野党の票が野田氏に集まれば軽く石破氏を上回るため可能性はあった。だが、現実はそうならず野党の票はバラバラに。先の衆院選で野田氏が連携を模索した国民民主と維新にそっぽを向かれ、逆に塩対応をしたにもかかわらず共産だけが野田氏に投票してくれるという結果に。 //総理指名選挙の直前に国民民主の玉木代表の不倫問題がスクープされた。恋愛感情は個人の問題だからそれ自体にとやかく言うつもりはない。しかし、日本の舵取りを語る人間はそこに全集中するべきだし、発覚すれば政敵からの攻撃材料にされ、自分がやりたかった政策実現の足かせになると考えなかったのか。SNSには「その程度の意気込みで国づくりをしようとしていたのか」と、失望の声があふれているが、ほんとその通りと思う。 ●11月10日…ニュースで「103万円の壁が無くなれば、学費で大変な学生がもっとアルバイトできる」と語っている人がいた。主婦やパート労働者の話ならわかるけど、学生を引き合いに出すのは違和感。アルバイトをしなくても勉学に集中できるように学費を下げるか、欧州の一部の国のように大学も無料にすればいいのに、そっちの方向に進まないのがもどかしい。 ●11月9日…本日22時Eテレにてギャラクシー大賞受賞番組『アウシュヴィッツ証言者はなぜ自殺したか(前編)』アンコール放送。ナチスの強制収容所から生還したユダヤ人作家プリーモ・レーヴィ は、戦後、同じユダヤ人同胞がパレスチナ人を虐殺している事に胸が引き裂かれ…。「我々はナチスに酷い目にあったのに、なぜこんなことが出来るのか」と彼はユダヤ人社会に訴えます。ガザ侵攻以来、再放送を待っていました。 当番組は2003年2月に初回放送。プリーモ・レーヴィの言葉ひとつひとつに心を揺さぶられ、半年後トリノ(伊)にレーヴィのお墓を探しに行きました。墓に刻まれた6桁の囚人番号(174517)は悲劇を風化させるなと叫んでいるようでした。 ※見逃された方11/11(月)13時10分Eテレでもう一度放送されます! 〔追記〕11月16日(土)に後編が放送されることが判明!よかった、前編だけならレーヴィがなぜ自死を選んだか伝わらなかった。 ![]() ![]() ●11月8日…9日14時からEテレにて伝説の名指揮者登場!『カルロス・クライバー指揮 コンセルトヘボウ管弦演奏会』、曲目はベートーヴェンの交響曲4&7番です。職人肌のクライバーさんは「私にはまだ早い、その資格がない」と生涯『第九』を振らず、モーツァルト『ジュピター』もドボルザーク『新世界』も振らずに74歳で他界。チャイコもブルックナーもゼロ。数少ないレパートリーの中でも得意としたのがベートーヴェンの第7番でした。高校時代にレコード屋でクライバーさんのLPジャケット(画像)を見て「なんて生き生きとした表情なんだろう!」と心奪われ即ファンに。1986年の来日公演で必死こいてチケットをとり、2004年に逝去された際、その翌年にスロヴェニアまでお墓参りに行きました。地上波でクライバーさんの映像が流れることはあまりないので録画をお薦めします。 ![]() ●11月7日…ハリス氏の敗北演説はとても前向きで、歴史に残るものだった。この演説は母校の大学で行われ、支持者の若者たちを前に、まず「トランプ氏に電話で祝意を伝え、スムーズな政権移行を約束した」と話したあと、こう語りかけた。 「米国の民主主義の原則は選挙に負ければ結果を受け入れることだ。この原則が専制国家との違いであり、国民の信頼を求めるなら誰もが尊重しなければならない。皆さんはいま様々な感情を抱いていることでしょう。若い人たちに伝えたいのは、(敗北に)悲しんでも、落胆してもいい。でも大丈夫だとわかってほしい。選挙戦で“私たちは勝つ”と言ってきた。しかし闘いとは、ときに時間がかかるものだ。だからといって勝てないわけではない。重要なのは決して諦めないこと。決して諦めてはいけない。世界をより良い場所にするための努力をやめてはいけないのだ。あなたには力(パワー)がある!誰かが“前例がないから不可能だ”と言っても、決して耳を貸してはいけない。なぜなら、それはこれまで誰も成し遂げたことがないからだ。私たちは空を輝かしい無数の星々の光で満たしましょう。その光は、希望、信念、真実、奉仕の光です」 ![]() ![]() “時間がかかるが勝てないわけではない、諦めないことが肝心”、この演説を泣きながら聞いている若者がたくさんいたことが印象的だった ●11月6日…トランプ氏の再登板が決まった。トランプ氏は勝利演説の中で「今こそ4年間の分断を忘れて団結するときだ」と呼びかけた。この言葉を聞けたのは良かった。それをあなたが言うのかとツッコミかけたが、それでも言わないより言ってくれた方が数万倍マシ。ウクライナ、ガザ、台湾を見捨てることがないよう、ほんと願っている。 ![]() ●11月5日…アメリカ史に残る連邦議会襲撃を扇動した元大統領が、国民の支持を受けて大統領に返り咲いたら、もう完全に民主主義制度の敗北。議会襲撃の1時間前、トランプ氏は支持者を集めて「不正選挙だった」と証拠も示さずに煽りたて、「闘わないと国が奪われるぞ。弱腰では国は取り戻せない」「不正があったと分かったときは、違うルールで行うことが許される」「このあと、我々は議事堂に向かって歩く。私も一緒だ」 と演説、そして暴動が起き、議事堂を守る警官との衝突で、警官1人を含む5人が死亡したのに、トランプ氏はその反省もなく、いまだに「選挙が盗まれた」と“証拠も示さずに”言い続けている。 ※統一教会系の米紙ワシントン・タイムズ(注:ワシントン・ポストではない)は、侵入者が映った写真をもとに「顔認識のソフトウエア会社が2人をアンティーファ(左翼過激派)と特定した」と報じたが、誤報であったため(実際は極右ネオナチの男性)、ソフトウエア会社側が同紙に謝罪を要求し、翌日に記事が訂正されたが、ネット上ではいまだにフェイク情報が流れている。 中国や北朝鮮のような一党独裁体制や、ロシアの権威主義よりも、西側の民主主義制度が素晴らしいことを示すためにも、アメリカは憎悪を煽ったりデマで差別する人物を国のトップに選んではいけない。 ![]() 投票前の最後の世論調査平均が、わずか0.1%であったとしても、ハリス氏が優位でよかった。もしこれが逆で、選挙結果がトランプ氏の敗北なら、また「インチキだ!」と騒ぎになる火種になっていた。 ![]() 選挙戦の終盤、トランプ氏は過激さを増し、「“内なる敵”はロシアや中国よりも危険だ」と、同じ国民である民主党支持者を“敵”と明言。もう一線どころか、二線も三線も超えている。恐怖と不安を煽って、その解決者として自らを誇示しており、票のために人々を分断。 ![]() ![]() 一方、ハリス氏は「私は意見が異なる人たちにも耳を傾けると誓う。彼らを敵だとは思わない。それこそが強いリーダーがすることだ」。完全に同意だし、トランプ氏もこう言ってくれたら各種政策の生産的な議論ができるのに。 ●11月2日…「何もかもが失われた時にも、未来だけはまだ残っている」(ロバート・ゴダード/ロケット技術者) 先日出演した『NHKラジオ深夜便・世界偉人伝』(第24回)の聴き逃し配信が始まりました!(5日24時まで/文末にリンク) 今回は惑星探査に情熱を注いだカール・セーガンや、宇宙ロケットの開発に人生を捧げた人々の墓参りをした話です。彼らは人生観を左右するような名言もたくさん残しており、そちらも紹介しています。20分あるため、就寝前や移動中に楽しんでいただけると幸いです。 カール・セーガンいわく「私たちの遺伝子の中の窒素も、歯の中のカルシウムも、血液中の鉄も、どこかの星の内部で作られたもの。私たちの体は、すべて星の物質でできている。私たちは、きわめて深い意味において“星の子”なのである」。 初期宇宙には水素とヘリウムしかなく、その後、星の内部で酸素、炭素、窒素などが生成されました。星が死ぬときに爆発して宇宙空間に放出され、これら様々な元素が集まって人間の身体ができました。それゆえ、“星の子”なのです。樹木も、魚も、鳥も、虫も、みんな星の子です。 〔カール・セーガンによる“宇宙カレンダー”(1ヶ月が約10億年)〕 1月1日 宇宙の始まり・ビッグバン 1月22日 最初の銀河が誕生 3月16日 私たちの天の川銀河が生まれる 9月2日 太陽系の形成が始まる 9月6日頃 宇宙のガスとチリから地球が誕生 9月中旬 最初の生命が誕生 12月1日 この頃までに光合成を行う緑色の藻のような生物が大量の酸素を放ち始め「青空」ができる 12月17日 三葉虫が海底を這い回り、最初の魚類が現れる 12月20日 植物が大地を覆い始める 12月22日 羽のある昆虫が現れ、次いで水陸で生きられる両生類が現れる 12月23日 最初の樹木と爬虫類が登場 12月24日 恐竜が現れて地球を支配 12月26日 最初の哺乳類が現れる 12月27日 鳥類が現れる 12月28日 植物の花が登場 12月30日午前6時24分 巨大隕石か何かが衝突して起きた気候変動で恐竜をはじめ地上の生物の75%が絶滅 12月31日23時半頃 最初の人類が出現 12月31日23時46分 人類が火を手に入れる 12月31日23時59分20秒 農業や牧畜を始め「道具」を作る 12月31日23時59分50秒 歴史の記録が始まる。あらゆる争い、発明、愛、有史以来の全てが宇宙カレンダーの最後の10秒間に起きる。歴史上の人物は、シーザーも、紫式部も、シェイクスピアも、ナポレオンも、ベートーヴェンも、ゴッホも、ガンジーも、ジョン・レノンも、すべてこの10秒間にいる ![]() ![]() 史上最も遠く(太陽系の端っこ)から撮影された地球。こちらのお話もします。 ★ラジオの聴き逃し配信、リンク先の4分半から「世界偉人伝」が始まります。11月6日午前0時(5日24時)までの限定公開になります。 https://www.nhk.or.jp/radio/player/ondemand.html?p=V34XVV71R2_02_4089033 ★セーガンの科学番組『コスモス』テーマ曲。天才ヴァンゲリスが作曲! https://www.youtube.com/watch?v=nl_IVInNp68 ●11月1日…「関西検察のエース」といわれた元大阪地検検事正・北川健太郎被告(65)の初公判が10/25にあった。官舎に連れ込まれ性的暴行を受けた女性検事は記者会見で「犯罪者を処罰する検察庁(大阪地検)のトップから被害を受け、全てを奪われた」と涙を流した。加害者は女性が抵抗しても「これで俺の女だ」と性的暴行を続けたといい、女性は事件があった2018年から被害のフラッシュバックに悩まされ、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症。「女性として、検事としての尊厳を踏みにじられ、身も心もぼろぼろにされた」と声を絞り出した。 この事件では、「副検事」が北川被告側に捜査情報を漏えいしており、副検事も国家公務員法違反の疑いで大阪高検に告発されている。この副検事は「(被害者の)PTSDの症状は詐病で、性被害は金目当ての虚偽告訴ではないか」と風潮し、その嘘は検察庁内に広く伝わった。副検事は女性であり、同じ女性なのに被害者の側に立たなかったことがやり切れない。大阪地検どこまでメチャクチャなんだ…。 会見の最後で被害者はこう訴えた。「検事正から性被害を受け、副検事から名誉毀損の被害を受けているにもかかわらず、検察庁からは謝罪もなく、非常に孤立させられた。検察庁には、適正に処罰をしていただきたい」。 ちなみに、この北川被告は安倍政権下(〜2020年9月)で大きく出世した人物。被告は2018年2月から19年11月まで大阪地検のトップとして、森友学園に絡む財務省の公文書改ざん事件の捜査を指揮し、18年5月に佐川宣寿・前国税庁長官ら財務省幹部「38人全員を不起訴」にしたことで知られる。 最も法を遵守せねばならぬ立場にありながら、性的暴行という卑劣な犯罪を犯す。この検事正の心理は理解しがたいものがあるが、性加害のハードルの低さの理由として思い当たることが。事件の2年前、「安倍首相に最も近いジャーナリスト」といわれた山口敬之氏が、記者志望の伊藤詩織さんに性的暴行を加えたにもかかわらず逮捕されないということがあった。山口氏は安倍さんの携帯に直接電話できる仲であり、安倍さんの伝記を2冊書き、ワイドショーに引っ張りだこだった。DNA検査や目撃証言から警察は山口氏をクロと認定し、裁判所から逮捕状が出されたのに、逮捕当日に警察上層部=警視庁本部の刑事部長・中村格(いたる)氏から突然逮捕中止の命令が出て逮捕見送りとなった。この前代未聞の逮捕中止命令を出した中村格氏は大出世し、安倍さんが亡くなった時には警察庁長官に上り詰めていた(2022年に最高裁で伊藤さんの勝訴が確定)。フランスのフィガロ紙は、首相銃撃事件に関する記事で「権力に近いレイプ犯の起訴を止めたことで有名な中村格氏が、日本の警察のトップを務めている」と記しており、このような環境下にあって、北川被告は性加害をしても、もみ消すことができるという絶対的な自信、一種の万能感があったように思える。そうでなければ、検事正が女性検事を襲うなど到底できなかったはず。 /権力と検察の癒着疑惑で最近露骨に感じたのは、検察トップの検事総長に任命された畝本直美氏(61)。検事総長に女性が初めて選ばれたこと、それ自体は素晴らしいと思う。一方、岸田内閣が閣議決定で畝本氏を抜擢したのは今年の6月28日だ。畝本氏はそれまで東京高検検事長(検察ナンバー2)として、自民の裏金事件の捜査を指揮しており、1月の時点で安倍派幹部7人をいずれも「不起訴」としていた。そして畝本氏が検察トップになってから10日後、7月8日には他に告発されていた岸田派、二階派、茂木派の計16人の国会議員や元議員を不起訴処分とした。そこには共犯として告発された岸田文雄首相や二階俊博元幹事長も含まれている。 裏金事件は派閥幹部の立件が見送られ、真相解明にはほど遠い。SNSでは畝本検事総長について「悪事を『不正ではない』に塗り替えた人物」「裏金問題スルーでの論功行賞人事か」「女性なら誰でもいいって訳じゃない。官房長官が『適性がある』って会見で言ったが、そりゃ裏金議員を見逃してくれたんだから、自民党にとってはたまらない人材だわな」などと皮肉る書き込みも目立った。 衆院選挙では最高裁判事の国民審査も行われるが、検事総長もこれに加えるべきでは。そうすることで、検事総長も国民に見られていることを意識するだろう。 ※その後の畝本検事総長。先月、元死刑囚の袴田巌さん(88)に無罪判決が下された際、畝本氏は「不満を抱かざるを得ない」と談話。人生の大半を牢獄で過ごした袴田さんへの同情や謝罪はカケラも伝わってこず、弁護団は「袴田さんへの名誉毀損だ」と最高検察庁に抗議に訪れた。ほんと酷いコメントだった。 ※安倍政権時代、法務大臣は選挙で賄賂をばら撒いて逮捕、森友公文書改ざん事件を不起訴にした検事正はレイプ。法曹界のてっぺんがこれでは、中学生が法を軽視し、強盗に応募する時代になるのも必然。どうすればこの国は軌道修正できるのか。 |
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