最新文芸情報


2024.9〜10

●10月31日…今週はジェンダーについて大きな動きが2つあった。
(1)世界で日本だけ夫婦同姓を義務付ける差別的な条項がある。そのためジュネーブの国連女性差別撤廃委員会は29日、日本政府に対し「民法の規定を見直し、選択的夫婦別姓を導入するよう」勧告した。この勧告は4回目であり「これまでの勧告に対し、何の行動も取られていない」と、改めて日本側の姿勢を批判した。
日本政府はよく国連からの勧告を無視する北朝鮮を批判し、対外政策は国連中心主義を訴えているが、いざ日本国内の人権問題を指摘されると「内政干渉だ」と突っぱねてスルーを決め込む。ダブルスタンダードといわれても反論できない。夫婦同姓にこだわる人は「家族の一体感が損なわれる」「日本の伝統を大切に」というが、それでは日本以外の国では家族に一体感がないのかといえば、イタリアやラテン系はファミリーの絆の強さで知られているし、日本の伝統といっても明治から始まった短い伝統のことで、江戸時代は「夫婦別姓」で武家の女性は結婚後も実家の姓を名乗っていたし、室町時代の足利義政の妻は日野富子、鎌倉時代の源頼朝の妻は北条政子で夫婦別姓。そして農民や町民はそもそも姓を名乗ることもできなかった。夫婦同姓が制度化されたのは1898年に明治民法が施行されてからであり、長〜い日本の歴史から見ると、夫婦同姓はつい最近始まった“変わった風習”としか…。
※反対派は何か勘違いしているようだが、いま導入が議論されているのは「選択的」夫婦別姓制度であり、強制ではない。だから、夫婦同姓を重視する人はこれまで通り同じ姓にすればいいだけ。他人の価値観にとやかくいうことないし、名前が変わることでアイデンティティが失われると感じる人から無理やり名前を奪うことに、どうして抵抗がないのだろうと思う。

(2)東京高裁は30日、同性同士の婚姻を認めていない現行の民法と戸籍法を「違憲」と判断。1審判決では、同性愛者がパートナーと家族になるための法制度が存在しないことは「人格的生存に対する重大な脅威、障害」としていたが違憲とは明言していなかったので、高裁はより踏み込んだ形になった。今年3月の札幌高裁判決でも現行制度が「法の下の平等を定めた憲法14条」「婚姻の自由を保障する24条1項」「個人の尊厳と両性の平等に基づいた家族法の制定を求める24条2項」のすべてに違反すると認めており、これに続く違憲判断となった。
※これも同性婚反対派に伝えたいんだけど、今ある異性婚の権利を奪ったり、不利にするものじゃなく、同性婚は権利がない人を救済するための制度。現状では、パートナーが大怪我をして運び込まれた病室に「家族以外は面会謝絶です」と断られて入れず、枕元で声をかけたり励ますことができない。同性婚が認められれば、相続や親権、税制優遇といった公的な権利の享受も可能になる。「同性愛者には国が差別しても仕方がない」という考えに僕は賛同できない。

●10月30日…アメリカ大統領選の投開票は「11月の第1月曜日の翌日の火曜日」と法律で決まっており、いよいよ11月5日(火)に実施。日本時間では11月6日に投開票の状況が伝わる。

●10月29日…今夜11時7分過ぎからNHKラジオ『ラジオ深夜便 世界偉人伝(第24回)』に出演します!ラジオがなくてもリンク先「らじるらじる」からスマホで聴くことができます!自分は第5火曜の担当ですが、次回は大晦日で特別番組が入るため、事実上、僕は本年最後の出演に。超気合いを入れて挑みます。お楽しみに!

 
ボイジャー1号が太陽系を出る前に、振り返って撮影した地球。今夜の放送ではこの画像についても語ります。
(追記)昼過ぎにNHKから連絡があり、日本シリーズのナイター中継がのびると放送時間がずれ込み、持ち時間も減る可能性があるとのこと。めっちゃ話したいことがあるのに、どうなるんだろう(汗)→22時半にNHKラジオセンターから電話があり、放送開始は20分押し、23時25分頃にずれ込むとのこと!

●10月28日…衆院選の結果は良かった部分もあれば、嘘だろマジかの部分もあり、複雑な気持ち。いずれにせよ、日本が良い方向に変わっていきますように!あと、テレビ各局は、衆院選の投票率が53%しかなかったことをトップニュースにすべきと思う。めちゃ深刻な事態なのに、それをニュース番組が分かっていない。ネット投票も選択肢に。(後ほど追記します)

●10月27日…本日は衆院選。非暴力で未来を変える事ができる一日、大切にしたいですね。 自分は夜に投票に行きますが、期日前投票は前回より投票率が低いとのこと。多忙でニュースを追えていない方のために最近の問題点を整理しました。できるだけ分かりやすく書いたつもりですが、誤解していたり、間違っている部分があれば訂正しますので遠慮なくご指摘ください。

★裏金問題、政治家はなぜかセーフ、民間なら横領・脱税で一発アウト

国会議員がパーティーなどで得た資金は、それが政治活動に使われた場合は税金がかかりません。「非課税」という特別扱いになるからこそ、いつ、どこでそのお金を使ったのか、「政治資金収支報告書」の公開を義務づけています。公開されることで、誰がいくらパーティー券を買ったのかも分かり、政治家が(国民よりも)パーティー券を購入した企業の利益のために動いていないかをチェック可能ですし、法律で禁止されている外国人・外国企業からの政治献金(国政が外国勢力から影響を受けることを防ぐため)が混じっていないかも調査できます。つまり、「政治資金収支報告書」はめちゃくちゃ重要であり、だからこそ違反者には重い刑罰が課せられます。

・収支報告書の不記載、虚偽記載は5年以下の禁錮、100万円以下の罰金(政治資金規正法第25条)
・違反者は禁錮刑だけなく罰金刑になった者まで「5年間、選挙に立候補することも投票することもできない」という、政治生命が終わるような厳罰=公民権の停止が待ち受けており、議員にはこっちの方が深刻かも(法第28条)

それくらいの大ごとをやらかしたのに「単なる事務的なミス、あとから収支報告書を訂正したからセーフ」と、“なかった”ことにしようとしたのが当初の対応でした。これが2〜3人の不記載で、期間も1、2年なら“うっかりミス”の可能性もあります。しかし、20年以上前から続いていた慣例で、金額は記録が残っている過去5年間だけでも計5億8千万円、関わった自民議員が約85名となれば、これはもう組織的犯罪と見なされても仕方がありません。

裏金化の方法は大きく2つあり、一つは政治資金パーティーを開催した際に、党本部から課されたノルマ以上のパーティー券を売上げ、ノルマを超えた分を党に納めず議員側が「中抜き」するケース。たとえばノルマ100万円のところ150万円分のパーティー券を売りさばき、差額の50万を懐に入れるというもの。
もう一つは、売り上げは(正直に)いったん派閥に納めておいて、その後でノルマ超過分が派閥から議員側にキックバック(裏金議員いわく還付金)されるケース。ちなみにキックバック自体は違法ではないので不記載がアウトです。

もし一般企業で会社員が業務の売り上げの一部などを報告せず、中抜きして懐に入れた場合は「10年以下の懲役」の罰則規定がある業務上横領罪にあたりますし、懲戒解雇まったなしです。だからサラリーマンは領収書1枚でも大事に保管しています。
派閥ぐるみのキックバックが民間で行われた場合はどうでしょうか。会社が売り上げの一部を会計帳簿上「なかったこと」にして記さず、社員にキックバックした場合、会社の収入を実際より少なく偽装したことになります。明らかに法人税逃れであり、企業ならあり得ない悪質な行為です。

そもそも厳密にいえば事実上の脱税です。中抜きにしろ、“還付金”にしろ、これらは「政治資金収支報告書」に記載されない=政治活動に使ったことを証明できないため、一般人であれば確定申告で「雑所得」として申告しなければならない課税対象のお金です。それを税務署に申告していないから「脱税そのものじゃないか」「国民は一円単位で申告しているのに!」と非難されています。
しかし不可解なことに、東京地検特捜部は、キックバックを受けた議員の立件は不記載額を「3500万円以上」に限りました。それ以下であればセーフと判断したのです。萩生田氏は不記載が2728万円と突出していましたがこれも不問に。3500万未満はセーフという法律はないし、一般人なら逮捕されます。東京地検が最終的に国会議員4人と秘書・会計責任者ら7名の計11名しか立件しなかったのは「政治家本人はまったく知らなかったと言っており、会計責任者が勝手にやったから」との言い分を認めたからです。そんな馬鹿な。もし発覚すれば5年間も公民権停止になる重罪を、議員には知らせず、会計係が独断でやったと?普段は何でも議員に報告しているのに、議員の命取りとなる犯罪行為を知らせないなどあるわけがないです。
未解決の大きな謎も残されました。安倍さんは裏金の慣例を知って激怒し、いったん裏金は中止になったといいます。ところが誰かが復活させました。それが誰なのか、安倍派議員は固く口を閉じ、分からないままです。安倍さんの意志に反することをした張本人を安倍派が守っているという、外からはまるで理解不能な状況です。

※改正政治資金規正法…裏金問題をきっかけに今年6月に可決されましたが、内容は唖然とするもの。あれだけのことがあったのに、まさかのザル法成立です。
・会計責任者が罪を問われる場合、国会議員が同様に罰せられる「連座制」の導入は見送り。※虚偽記載があっても議員は処罰されないなら、これまでと一緒。
・野党が「裏金の温床」と廃止を求めていた政策活動費は、使途公開を条件に存続を決定。ただし、領収書の公開は「10年後」!※10年後なんてあまりに遅すぎです。その頃は会計責任者が交代していたり、議員本人も引退していたりで、問題が発覚しても追跡不可能です。しかもこの領収書は黒塗りもOKという…。
・立憲、維新、共産などが主張していた企業団体献金の禁止も盛り込まれませんでした。

《今月の裁判から3つのトピック》

★裁判長も思わずツッコミを入れたアベノマスク400億円契約訴訟
10月15日の大阪地裁で、政府が配布した布マスクを巡り、業者との契約過程を示す文書を開示するよう国が求められた訴訟で、業者と直接やりとりした経産省職員ら3人が出廷しました。3人は「やりとりは口頭が基本で、文書は残していない」と口をそろえました。
政府が400億円超をかけて約3億枚を調達した「アベノマスク」は、需要の乏しさから約8300万枚が残り、税金の無駄遣いが指摘されているだけでなく、業者選定の過程が不透明で問題になっています。
証人尋問での職員A「マスク発注で募集に応じた業者からは電話やメールが毎日のように来ていた。だが、受け取ったメールは容量が限られているため2〜3日に1度消去し、保存していない」
市民側「業者選定のためにやりとりを記録しておかないと不便では?」
職員A「いちいち文書を作っている余裕はなく、上司が近くにいる時に口頭で価格や数量、納期などを報告していた」
裁判長「単価や枚数は間違えると大変なことになる。全て記憶して口頭で報告していたのですか?」
職員A「そうです」
市民側「業者との打ち合わせで話した内容や、同席職員のことを教えてほしい」
職員A「覚えていない。その時の記録は余裕がなくて作った記憶がない」
…行政文書管理規則では、のちに意思決定の過程や事業の検証に必要となる行政文書の保存期間は「原則1年以上」とし、共有フォルダーに保存すると決まっています。メールもこの対象に含まれるのですが、職員いわく「スピード感を求められていた。残した記憶はない」。
マスクを国から受注した業者は、2020年の時点で設立3年弱でウェブサイトすらなく、従業員が5人しかいませんでした。政府はこの実績のない会社と2カ月で計約30億円の契約を結びました。
市民側「事業規模に見合わない大量の発注をしているのは不自然。受注能力を登記簿などで事前に確認したのか」
職員B「登記簿も決算書も確認していないが、金額や枚数、納期の点では問題がなかった。ベーシックなところは確認した。ただし、やりとりを示す文書は保存していない」

巨額の税金が使われた契約の過程を国民に説明する義務が国にはあります。裁判長が「単価や枚数は間違えると大変なことになる。全て記憶して口頭で報告していたのか」とツッコミを入れたのも当然です。億単位の税金を使う場合、何かミスがあると取り返しがつかないため、どんなに忙しくても記録を残すのが当たり前です。「メールは容量が限られているため2〜3日に1度消去」って、それはそれで大問題。先進国で他にそんな省庁ありますか。2021年2月の提訴からもう3年半。当時すでに「布マスクは感染予防効果が弱く、不織布マスクにすべき」と専門家から指摘されていたのに、なぜ400億も使って強行されたのか、火事場泥棒的な実態はなかったのか…。次回12月にようやく結審です。

★政治が腐敗しているから官僚も腐敗するのか
先日、10月18日に大阪高裁で森友問題の控訴審がありました。2018年、財務省職員の赤木俊夫さんは、森友学園との土地取引を巡って財務省から公文書改ざんを命じられ、心を病んで命を絶ちました。妻の雅子さんは誰が夫に改ざんを命じたのか知りたいと、真相解明のため財務省にあるはずの資料の開示を求めましたが、2年前、財務省は資料があるかないかも回答せず拒否。今年の4月、国の情報公開・個人情報保護審査会は雅子さんの味方をして、「財務省は不開示決定を取り消すべき」と答申を出し雅子さんは大喜びしていました。ところが、財務省は「審査会の答申を無視して」再び不開示を決めました。これは極めて異常な状況です。なぜなら、「行政不服審査法」では、審査会の答申と異なる結論を官庁が出す場合、なぜ答申に従わないのか「説明するよう」定めているからです。つまり、今回の財務省の沈黙は、理由を一切示していない“違法”なものです。そもそも審査会の答申と異なる決定を官庁が出したケースは過去に24件、全体のわずか0.16%しかないとのこと。財務省はなおさら説明が必要なはず。政権が変わらない限り、官僚が何を誰から守っているのか永遠に分からないというのでしょうか…。今月で裁判は結審し、判決は来年1月30日と決まりました。勝訴すれば財務省にあるはずの資料が開示され、いよいよ大詰めです。

★遅々として進まない旧統一教会への解散命令請求、2回目の審問がやっと開かれる
先日10月22日、旧統一教会に解散命令を出すかどうかについて昨年10月から審理を続けている東京地裁が、今年2月以来、国と教団の双方から意見を聞く2回目の「審問」をようやく行いました。続々と被害者が名乗り出ていたのに、あまりにも判断が遅すぎです。旧統一教会は日本人から法外な寄付金を出させ、どれだけの家庭を崩壊させてきたか…。教団の問題をめぐっては、今年9月に朝日新聞が大きなスクープを出しました。安倍さんと旧統一教会会長が自民党本部の総裁応接室で面談し、選挙支援を確認していたとみられると、現場の写真(複数)と共に掲載したのです。時期は2013年の参議院選挙直前(公示4日前)。同席していたのは自民の萩生田・元経済産業相や岸信夫・元防衛相、教団の友好団体「国際勝共連合」会長ら。複数の関係者が「参院選で自民党比例区候補の北村経夫・現参院議員(産経新聞・元政治部長)を教団側が全国組織を生かして支援することを確認する場だった」と証言し、実際に北村氏は当選しました。
これまで、自民党は党としての組織的関係性を否定してきたため、首相が教団側に選挙協力を要請したとなれば、事実に反することになります。教団への解散命令請求の責任者である盛山正仁・(前)文部科学相は、教団側と政策協定を結び選挙支援を受けていました。そして石破内閣でも牧原秀樹・法務大臣(53)が過去に統一教会や関連団体の会合に、本人や秘書が合わせて「37回」も出席していたことが組閣後に分かりました。37回というのは、外から見ればもう信者です。しかも2005年に衆院選に初めて立候補したときから、教団関係者からボランティアとして支援を受けていたとのこと。石破さんには、党と教団の関係を改めて検証してもらい、国民の信頼を取り戻してほしいと思います(選挙結果にかかわらずです)。

 
戦後初の総選挙、スローガンは「なにがなんでも投票所へ」「日本の民主化 棄権は恥だ」

●10月26日…私事だけど今日で息子が15歳に。ここまで長かったような、アッという間だったような。嫌がらずに墓巡礼についてきてくれて、ときには彼の方が先に墓を発見することもあり、そういうときは本当に助かる。
彼は「これでR15の映画を観られる!」と喜んでいる。まず手始めに『ミッドサマー』から観るとのこと。理由は『ベニスに死す』のタッジオが出ているから。(トラウマになるかもしれないけど)頑張って!

●10月25日…27日の衆院選、物価高騰と実質賃金の低下、裏金問題、統一教会問題に対して国民がどう判断するか大注目です。
統一教会の元信者もるすこ氏が作成した「衆院選候補者の裏金・統一教会関わり“濃淡”一覧表」、めっちゃ分かりやすかったので、投票の参考に。

●10月24日…漫画家のちばてつや先生(85)が文化勲章を受章!漫画家が文化勲章に選ばれるのは史上初めて。かつては有害図書扱いだった漫画が、文化として、アートとして認められたということ。

●10月23日…来週火曜にNHKラジオで放送される『ラジオ深夜便・世界偉人伝(第24回)』の原稿準備に全集中しています!NASAの惑星探査を指揮したカール・セーガンなど紹介予定。

//大阪の空、彗星を見たいのに1週間連続で夕方から雲が出て涙目。なんなの!?

●10月22日…一昨日のNHKスペシャル『ジャニー喜多川“アイドル帝国”の実像』はよく取材していたけど、この性加害事件で自殺者が出ていることに一言も触れなかったのが気になった。告発者が死に追い込まれたことは日本人みんなが知っておかねばならないことなのに。
ちょうど1年前の10月、ジャニー喜多川氏からの性被害を告発した旧ジャニーズ事務所の元所属タレントが妻子を残し自ら命を絶った。最悪の結末に至った背景は以下の通り。
(1)2019年にジャニー喜多川氏が87歳で他界
(2)2023年3月に英国BBC放送が少年たちへの性加害をスクープ
(3)2023年6月「ジャニーズ性加害問題当事者の会」発足
(4)2023年9月ジャニーズ事務所が性加害の事実を認めて謝罪、社長交代
(5)この間、SNSでは被害者に対して「お金目当て」「売名」「嘘はすぐバレる」という誹謗中傷がやまず
(6)2023年10月10日、ジャニーズ事務所がプレスリリースで「被害者でない可能性が高い方々が、本当の被害者の方々の証言を使って虚偽の話をされているケースが複数あるという情報あり」と発表。これは「被害者≠かたる嘘つきがいる」と言っているに等しく、SNSでは告発者に対する中傷が加速
(7)2023年10月13日、「ジャニーズ性加害問題当事者の会」に所属していた元所属タレントが自殺(プレスリリースの3日後)

遺族のコメント
〈彼は、2023年10月13日未明、自ら命を絶ち逝去いたしました。突然の旅立ちをいまだに信じられず、現実感がなく、私たち家族は 呆然 とした日々を送っています。彼は本年5月、旧ジャニーズ事務所に電話で、在籍時の1995年(当時19歳)にジャニー喜多川から性加害を受けたことを訴えました。事務所の応対者は、在籍確認を行い、「担当者が必ず折り返す」旨を約束しました。しかし、その後5か月以上、ジャニーズ事務所から連絡は一切ありませんでした。未成年時に受けた性被害の深いトラウマを抱えながらも、「若い人たちによりよい社会を残したい」と、9月に再度の告発もしました。その訴えにも事務所からはなんの応答もなく放置され、彼の焦燥感、悩みは深まっていました。
また、彼は事務所に対して誹謗中傷への対策も求めていましたが、事務所幹部は会見で「誹謗中傷をやめてください」と呼びかけるのみで、具体的な措置を講じていませんでした。彼は、被害者が自ら対策に取り組まねばならない状況について、「事務所がやるべきことを、なぜ被害者だけが負担を負わなければならないのか」と語っていました。彼の心労は、元々抱えてきた性被害のトラウマの再燃とも相まって、一層深刻なものになっていました。そして13日、家族を残したまま、志半ばで自死するに至りました。〉

SNS上には、男性や家族の個人情報や、殺害予告ともとれる書き込みもあったといい、男性は亡くなる3日前、妻に「多少の誹謗中傷が来ることはわかっていたけど、家族のことまで…」と漏らし、遺書には「自分という存在は邪魔でしかない」と…。
しかし、死後も匿名の攻撃はやまず地獄のような状況が続いた。男性の死亡が報じられると、SNSで「野垂れ死んでいい気味だわ」といった書き込みが拡散。「(男性が)被害者ぶっているのは家族がやらせた」などと家族への中傷も始まった(最悪)。遺族は弁護士に相談し、一部の個人名が書かれた投稿は削除されたものの投稿は収まらず。遺族は「もし投稿者と裁判をして勝ったとしても、投稿をすべて消すことはできないでしょう。根拠がない投稿でも、見た人は信じるかもしれない。いつか子どもが成長した時、目に触れたり、友達に何か言われたりするのが怖い。これからも私たちは生きていかないといけない」と、中傷投稿の削除を強く訴えています。

勇気を出して声をあげても補償の方針は示されず、逆に「嘘つきの悪者」とバッシングの犬笛を吹くようなプレスリリースを出した旧ジャニーズ事務所。遺族は「事務所から放置され悩みが深まった」と事務所による“放置”という二次加害を指摘しており、バッシングを傍観していたメディアや一般人の責任を問うためにも、NHKは視聴者に伝えるべきだった。なぜ自殺者の存在を隠したのか?これを報道すると、視聴率をとれる旧ジャニーズのタレントを紅白歌合戦や年末年始のドラマにオファーできなくなるからと思っている(NHKは10/16にオファー再開を宣言している)。
※所属タレントに罪はないため、僕は早く出演させてあげたいと思ってきただけに、昨日の日記に書いた旧ジャニーズ幹部の「心の底からお詫びができない」発言がショックであり、見切り発車ののようなオファー再開は、自死されたかたの尊厳を再び踏みにじる行為と感じてる。
※再放送は23日の24時40分(24日の0時40分)

●10月21日…NHKスペシャル『ジャニー喜多川“アイドル帝国”の実像』の核心部分を。ジャニー喜多川氏からの性加害を書籍で告発した初代ジャニーズ(グループ名が“ジャニーズ”)の故・中谷良さんは、姉の幸子さんが亡くなった弟の代わりに被害を申告した。良さんは11歳のころから喜多川氏に性被害を受け、大人になってもトラウマを忘れられず、精神を病み続けていたことを1989年に明らかにした。だが、マスコミの反応は冷たく、姉自身も2023年に表面化するまで告発本を読まなかったという。幸子さんは生前に弟の心の叫びをきちんと聞いてあげられなかったことを後悔し、「(弟の墓前に救済を報告するという)この訴えは私にしかできない」とスマイルアップ(ジャニーズの新会社)に性被害を届け出た。するとスマイルアップ側から電話があり「会社の中では“ジャニーズに反抗するような本を出した人にお金(補償)なんか出せるか、金を取る気か”という話になった」と告げられ、補償金は却下されたという。幸子さん「(スマイルアップは)“ジャニーが悪いです”と言いもって、悪いということを一つも思っていらっしゃらないんだなと、つくづく思いました」。
番組の最後、NHKのカメラが幸子さんに密着取材するなかで、幸子さんはスマイルアップの「補償本部・本部長」に電話をかけた。やり取りは以下のとおり。

幸子さん「(もう補償の)お金はいいんですよ、どういう謝り方をしていただけるのかなと思って…」
補償本部長「誰が何を謝るんだというのが、ちょっと今わからなくて…」
幸子さん「……」
補償本部長「(中谷良さんもジャニー氏も)本人たちが死んじゃっているんで、被害者の方々に東山が会うときは謝罪をしているんですけれど…本(告発本)を書かれて痛めつけられたのは間違いないんで。会社としてはすごくつらい目にあったのは間違いないんで」
(カジポン注/告発本を書かれる原因を作った加害者側が「痛めつけられた」「すごくつらい目にあった」という言葉に耳を疑った。中谷良さんがどれほど苦しんだか想像できれば、こんな言葉は出てこないはず。相手へのお詫びの気持ちがあれば「死んじゃっている」ではなく「お亡くなりになっている」と言うべきだし、補償本部長の冷淡さが怖すぎる)
幸子さん「そんなに影響がありましたか?弟の本で。影響なんか…!」
救済されず亡くなった中谷良さん 会社側「本に書かれて痛めつけられた」

補償本部長「僕、その時期のことは知らないんで。そこで謝罪はないと言われたら、じゃあ謝罪すればいいのかなぁとしか、今ちょっと思えなくて」
幸子さん「はい…」
補償本部長「謝罪する相手は(被害者)本人なんですよ」
幸子さん「そう!じゃあ仏様の前でお参りしてくれる?お墓に行ってお参りしてくれる?」
補償本部長「それは東山がするの?」(タメグチ…)
幸子さん「そりゃそうでしょ。だって当たり前のことじゃない。だって亡くなっちゃったんだから」
補償本部長「何で東山がしなきゃいけないのか、僕、わかんないんですよ」
幸子さん「だって社長でしょう?いま社長じゃない…」
補償本部長「“メリーが謝れ”“ジャニーが謝れ”だったら分かるけど」
幸子さん「だっていま東山さんが代表じゃない」
補償本部長「東山は別に加害者じゃないですからね」
幸子さん「えっ?」
補償本部長「心の底からお詫びができないので…今の話を聞いていると」
幸子さん「??」
補償本部長「心の底からお詫びはできないんで」
幸子さん「そうなの?そんなにできないようなこと、わたし言ってる?」
補償本部長「ちょっと僕は納得いってないですね」
幸子さん「そう…」
姉「お墓に行ってお参りしてくれる?」 会社側「心の底からお詫びできない」
最終的に東山社長は幸子さんに会って謝罪したというが、問題は「心の底からお詫びができない」「何で東山が(謝罪)しなきゃいけないのか、僕、わかんないんですよ」と、性被害者の親族に言いのける人間を「補償本部長」に任命しているスマイルアップの体質がほんと終わっているとしか。子どもへの性加害がいかに酷いことか、心に傷を残し、自殺者まで出ていることを重く受け止めていれば、そんな人物を補償本部長に置くはずがない。

●10月20日…今夜21時から放送されたNHKスペシャル『ジャニー喜多川“アイドル帝国”の実像』、後継会社のスマイルアップの幹部(補償担当責任者)が、まったく反省しておらず絶句した。よくNHKはあの鬼畜対応を放送したと評価したい…けれど、直後のテロップで「この番組で禊ぎは終わった」とでも言いたいのか、NHKこれからスマイルアップに出演依頼を出していく宣言。番組では、いかにスマイルアップが反省してないかを暴露したのに、最後に契約を再開しましたって、意味不明すぎる。「性加害の軽視という体質が変わってないことが分かったため、出演依頼の中止期間を延長することになった」という結論なら理解できる。「スマイルアップは反省していなけど、契約を再開」では筋が通らない。性被害を受けた元所属タレントに自殺者まで出しているのに、人の死の重みが伝わってこない。

●10月17日…今週は東京で仕事と谷中霊園巡礼会があり、週なかばから上京するため、次回の更新は10月20日(日)になります。帰ってきたら日本被団協のノーベル平和賞がどれほど嬉しかったか、あらためて書きますね。ここ2週間は巡礼会で配布するレジュメ(偉人伝)づくりに全集中していました。お薦め番組情報は4日分アップ済みです。

※肉眼で見える彗星、なんとかひと目でも見たいもの!大阪は15日も16日も雲が邪魔で見られず…。10月20日くらいまでチャンスは続くとのこと。晴れますように!

 

●10月14日…イスラエル軍がレバノンで国連軍を攻撃してるのマジでシャレにならないし、国連のグレーテス事務総長をイスラエルに入国禁止にしたとか、もう一線も二線も超えている。かつてユダヤ人がパレスチナ人の土地を奪い取ってイスラエルを建国できたのは、ナチスによるホロコーストに世界が同情して国連決議で認めたから。それ以降、イスラエルはずっと国連決議を水戸黄門の印ろうのようにかざして占領を正当化してきた。いわば、国連あってのイスラエルだ。それなのに、いま国連軍に対して発砲している。後ろ盾になっているアメリカは、どこまでこの暴走を容認するのか。

●10月12日…核廃絶のために長年活動してきた日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)がノーベル平和賞を受賞!!

●10月10日…長年アップしてきたお薦め番組表から朝ドラを消す日が。「らんまん」「ブギウギ」「寅に翼」と大傑作が続いてきたから、いったん軽めの作品を入れるのは良いとして、あまりにも薄い…。でも妻は見続けると言っているので、僕も番組表に載せないだけで、横から見てると思う。(橋本環奈さんは良い演技をしており、彼女にまったく落ち度はない)

●10月9日…衆議院が解散!今回の選挙ばかりはどんな結果になるのかまったく予想がつかない。野党は追い風が吹いているけど、候補者乱立で共倒れしそうな選挙区もすでにいくつかあり、いったいどうなることやら。

●10月8日…明日24時35分から『NHKスペシャル“正義”はどこに〜ガザ攻撃1年 先鋭化するイスラエル』再放送。ハマスによる襲撃への報復として始まったイスラエルの「ガザ攻撃」から1年。死者が4万を超えても攻撃は止まず、国内で上がる攻撃への疑問の声は当局に抑圧されている。混迷するイスラエルで一体何が起きているのか。世界はどこまでこの事態を許すのか。渾身の現地ルポと中東情勢を長年取材してきた記者の目を通して伝えた重要ドキュメンタリー。

※本放送を見ました。イスラエル市民(入植者)が、ガザともハマスとも無関係のヨルダン川西岸で住民のパレスチナ人を撃つシーンは衝撃的だった…。NHKはよくそのまま放映したと思う。現実を見せないとパレスチナ人の悲惨な境遇が日本人にはわからない。双方の言い分が紹介され、地獄のような憎しみの連鎖に深く考えさせられた。この番組を見るのと見ないとでは、現状認識がまったく違ってくる。

●10月6日…庵野秀明監督が宇宙戦艦ヤマトの制作権をゲットしたとのこと。シン・ヤマトの爆誕が楽しみ!

●10月5日…アニメ『チ。』初回放送、夜空の美しさがハンパなかった!原作第1巻のラストがとにかく素晴らしいので、そこまで映像化すれば視聴者全員が最終回まで完走間違いなしと思ってるけど、初回2話連続放送では1巻ラストまでいかなかった。かなりゆっくりした展開に“いまのネット世代は速いテンポになれているから、このスピードで大丈夫なのかな(汗)”とハラハラ。でもそれは杞憂だったようだ。オンエア後にネットの反応を見ると好意的な感想が多かった。ホッ。
※制作サイドから連続2クール、全25話と発表された!これから半年間、毎週土曜の夜はネットが盛り上がるだろうなぁ!

●10月2日…きたる10月5日(土)の23時45分から、NHKにてアニメ『チ。〜地球の運動について』の初回2話連続放送!舞台は15世紀のヨーロッパ某国。地動説を唱えれば異端思想として火あぶりにされた時代に、知的探究心を抑えられない人間が、文字通り命がけで真理に迫っていく。原作マンガの第1巻で全細胞が震えるほどの激感動、速攻で全8巻揃えました!
登場人物の“覚悟”は読み手の魂を灼熱化、生きる勇気を奮い起こさせます。タイトルの「チ」は、知、地、血、智、値、いろんな解釈ができるかと。ぜひ、多くの方に観ていただきたい作品です!
※アニメ化が発表されてから長く待ち続けた本作。制作はあのマッドハウス、超豪華な声優陣、日本だけでなく世界的に話題を集めるはず!後世のサブカル史に「2024年は『フリーレン』と『チ。』の年であった」と記されるでしょう!
  『チ。〜地球の運動について』

//おすすめ番組情報を4日分まとめて更新すると、作業に1時間以上かかることも。つまり、それだけ良い番組が多いということ。地域によってチャンネルや放送日が変わるため民放を含んでいないのに、こんなにもある。

●10月1日…映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』の劇場公開日10/11がだんだん迫ってきた。あまり話題作がなかった今年の映画界で、最大のセンセーションを巻き起こすか。

●9月30日…先日(9/15※奇しくも関ヶ原の戦いの日!)、米国で“テレビ界のアカデミー賞”ともいわれる「第76回エミー賞」の授賞式が行われ、真田広之がプロデュース・主演を務める『SHOGUN 将軍』がエミー賞史上最多の18部門を受賞、見事、天下獲りを果たした!1949年以来、75年もの歴史を持つ同賞で、作品賞・主演男優賞・主演女優賞・監督賞・撮影賞・メイクアップ賞をはじめとした主要部門を総なめしたことは歴史的快挙。日本人受賞者も史上最多9名となった。
僕は『SHOGUN 将軍』とマーベルのスピンオフを見るためにディズニー・プラスに加入したこともあり、こんなに高く評価されたことが自分事のように嬉しい。

物語は豊臣秀吉が亡くなってから関ヶ原に至るまでの、徳川家康の頭脳戦。といっても、史実そのままではなく、登場人物の名もすべて変更され、家康は「吉井虎永」に、石田三成は「石堂和成」になっている。家康に通訳を命じられる語学堪能なキリスト教徒として戸田鞠子(細川ガラシアがモデル)が、そして外国人視点でこの時代を見る者として日本に漂着した英国人航海士ブラックソーン(三浦按針がモデル)が登場する。乱世を生き抜くため悪知恵を働かせることもあるが、どこか憎めない武将“藪重(やぶしげ)殿”を浅野忠信が実に良い演技で魅了していた。

『SHOGUN 将軍』が最も画期的なことは、物語の7割が日本語で会話されている点。これまで日本の制作者は、「海外で幅広くうけるためには英語がベースでなければ」と思い込んでいた。しかし、役者は日本語の方が感情がのるため、外国人はサムライたちの迫真の演技に息を呑みドラマに没入、言語のハンデを消し去った。また、従来の海外ドラマが描く日本は“なんちゃって日本”が大半で、中国の建物が混ざっていたりしたけど、本作では真田広之が徹底してリアルにこだわり、武士の作法・所作や小道具など細部まで監修。その執念が史上最多18部門制覇に結実した。
虎永を重厚に演じた真田広之は、主演男優賞のスピーチで「本作は東と西が(壁を越えて)出会う夢のプロジェクトでした。とても難しいプロジェクトでしたが、全員が一致団結しました。私たちは全員で奇跡を作る事ができました。そして我々は共により良い未来を作ることができます。 本当にありがとう!」と語った。

そして作品賞受賞時のスピーチで真田氏は「これまで時代劇を継承して支えてきてくださった全ての方々そして監督や諸先生方に心より御礼申し上げます。 あなた方から受け継いだ情熱と夢は海を渡り国境を越えました」と先人を讃えた。
鞠子役のアンナ・サワイ(ニュージーランド出身)は米『タイム』誌の「次世代の100人」にも選出されており、これから様々な映画で引っ張りだこになるのでは。

※僕は夏の間に『SHOGUN 将軍』(全10話)を観たけど、ここに感想を書かなかった。最終回が思っていた展開ではなく、脱力感からレビューする気になれなかった。重大なネタバレじゃないので書くけど、肝心の関ヶ原の戦いはありません。両軍が向き合っておしまい!なんじゃそりゃ!最後に関ヶ原の合戦があると信じ、「巨額のアメリカ資本で関ヶ原を再現したら、どんなに迫力ある映像になるだろう!わくわく!」という心持ちで9話まで観てきたので、肩すかし感がハンパなかった。むろん、関ヶ原がなくても素晴らしいのでエミー賞を総ナメにしたわけだけど、風呂に入って歯を磨いて正座をして最終回を観ていた自分としては「嘘だろ…」と倒れてしまった。だが、その後、吉報が。『SHOGUN 将軍』はシーズン3まで制作が決定したという!ってことはシーズン2で関ヶ原、シーズン3で大坂の陣だ。どえらい超大作シリーズになる。未来に大きな楽しみができて胸熱だ。

●9月29日…石破氏の言葉で印象に残ったものを20年前からメモしてきた。石破氏は核共有構想などから軍国主義のタカ派というイメージで語られがちなので、読まれた方は非常に驚かれるかと。以下に4つ紹介します。

(1)《石破茂〜愛国心を声高に言う人間は信用しない》(毎日新聞2006年9月23日)
愛国心は内面で密かに思うものなので、声高に言う人間は信用しない。最近は、自民党内の若い議員を見ても、怖い。過去の戦争を「すべて正しかった」と考えていて、頭は大丈夫かと疑いたくなる。日中戦争は明らかに侵略戦争だし、韓国併合は植民地化で、自衛戦争の面がある太平洋戦争でも、インドネシアの人を日本人化しようとしたのは間違っていた。
なぜ戦争を始め、途中で止められず、負けたのか…。そこから目をそらし、責任の所在を不明瞭にするのは愛国心ではない。戦争を語ることがタブーとされてきた反動で、「戦争に負けた」と教わった昭和40年代前半までとそれ以降の世代の分水嶺が消え、社会が左から右に大きく振れている。
この2〜3年、大っぴらにナショナリズムが叫ばれ、不快だ。国は戦中、言論統制により新聞など批判勢力を排除し、従わなければ「非国民」と斬り捨てた。なぜ同じことを繰り返すのか。そんなやり方では、国を誤っても幸せにすることはあり得ない。愛国心をあおって戦争し、負けたのが日本だ。

(2)石破茂ブログ〜田母神・前空幕長の論文から思うこと(2008.11.5)
(田母神・前空幕長の論文「日本が侵略国家だったというのは濡れ衣だ」について)「民族派」(右派)の特徴は彼らの立場とは異なるものをほとんど読まず、読んだとしても己の意に沿わないものを「勉強不足」「愛国心の欠如」「自虐史観」と単純に断罪し、彼らだけの自己陶酔の世界に浸るところにあるように思われます。
在野の思想家が何を言おうとご自由ですが、この「民族派」の主張は歯切れがよくて威勢がいいものだから、閉塞感のある時代においてはブームになる危険性を持ち、それに迎合する政治家が現れるのが恐いところです。
加えて、主張はそれなりに明快なのですが、それを実現させるための具体的・現実的な論考が全く無いのも特徴です。
「東京裁判は誤りだ!国際法でもそう認められている!」確かに事後法で裁くことは誤りですが、では今から「やりなおし」ができるのか。賠償も一からやり直すのか。
「日本は侵略国家ではない!」それは違うでしょう。西欧列強も侵略国家ではありましたが、だからといって日本は違う、との論拠にはなりません。「遅れて来た侵略国家」というべきでしょう。
「日本は嵌められた!」一部そのような面が無いとは断言できませんが、開戦前に何度もシミュレーションを行ない、「絶対に勝てない」との結論が政府部内では出ていたにもかかわらず、「ここまできたらやるしかない。戦うも亡国、戦わざるも亡国、戦わずして滅びるは日本人の魂まで滅ぼす真の亡国」などと言って開戦し、日本を滅亡の淵まで追いやった責任は一体どうなるのか。敗戦時に「一億総懺悔」などという愚かしい言葉が何故出るのか。何の責任も無い一般国民が何で懺悔しなければならないのか、私には全然理解が出来ません。

(3)石破茂ブログ(2019.8.23)
防衛庁長官在任中、アジア安全保障会議でシンガポールを訪問し、リ・クアンユー首相(当時)と会談した際、親日家の同首相は両国の安全保障協力の重要性について語った後、私に「ところで貴大臣は日本がシンガポールを占領した時のことをどれほど知っているか」と尋ねました。歴史の教科書程度の知識しか持っていなかった私に対し、同首相は少し悲しそうな表情で「さらに学んでもらいたい」と述べました。意外に思うとともに、自分の不勉強を恥じたことでした。(略)我が国が敗戦後、戦争責任と正面から向き合ってこなかったことが多くの問題の根底にあり、それが今日様々な形で表面化しているように思われます。これは国体の護持と密接不可分であったため、諸般の事情をすべて呑み込んだ形で戦後日本は歩んできたのですし、多くの成功も収めましたが、ニュルンベルグ裁判とは別に戦争責任を自らの手で明らかにしたドイツとの違いは認識しなくてはならないと考えます(政府自体がヒトラーの自決によって不存在となったドイツとは当然異なることも考慮した上で、です)。

(4)2018年9月のTBS『ニュース23』で当時の総裁選の相手、安倍氏を前にこう言いきった。杉田水脈議員は安倍氏が自民に招き入れた人物。
(杉田議員「(LGBTの)彼ら彼女らは子どもを作らない、つまり『生産性』がないのです」について)当たり前の話ですけど、“お子さんを産まないのは生産性がないのです”と、それは生産性の理解が全然足りないんじゃないですか。いま我々は生産性を上げていかなきゃいけない。“このお金を出してもこんなものがほしいな”ていう商品を作っていく、それが経済学的にいう生産性であって、お子さんを産む産まないなんて何の関係もないです。
生産性が低いと言い切ること、それを私はまったく正しいと思わないし、「多様な意見がある、だからいいんだ」っていう自由民主党であっていいとは私は思わないんですね。これでどれほど傷ついた人がいるだろうか。LGBTの方っていうのは、だいたい8%くらいいらっしゃるわけですよね。そういう人達が何の偏見もなく個人として尊重される、それが自民党の目指す姿なのであって、そうした人の気持ちを傷つけていいって事にならない。
私も安倍総理も中国ブロックですけど、この方(杉田氏)、中国ブロックの事実上(候補者名簿の)比例第一位です。我々中国地方が出しているという事になっている訳ですから、一票入れて下さった方々に我々は説明する責任を負っているんです。彼女が(安倍氏の指示で)一位になっているのは解散のその日に知りました。それは本当にいい事だろうか。(杉田氏を選ぶという)これが多様性があっていいことだと、私はそんな自民党であってほしいとは思わない!

このように極めてまっとうな歴史観や考えを持たれているのが石破氏。僕は国連で可決された「核兵器禁止条約」を支持する立場から、石破氏の核共有構想に否定的だけど、中国・ロシア・北朝鮮の振る舞いを前にアジア版NATO(軍事同盟)が必要という考えも理解できる。そこは、どういうやり方が日本にとって最善なのか、スタートラインの歴史認識が同じなので、中道左派はよく語り合っていけば一致点を見いだせると思う。

●9月28日…ジャーナリストの鈴木エイト氏は20年以上も統一教会を追ってきたこの問題の第一人者。 2023年時点で鈴木エイト氏はカルト系議員を排除した理想の内閣(岸田政権下)を発表している。ここから実際に誰が石破内閣や党幹部に抜擢されていくか、比較していくと面白い。
※役職が決まったら太字で追記します。名前があがっている14名のうち9名まで抜擢!

〔エイト氏による選考理由〕
(1)法務大臣・石破茂…解散命令請求訴訟にかかわる法務大臣。いち早く「教団解散」の議論をすべきと発言し、解散論の先鞭をつけた石破氏なら安倍派の意向に左右されずに政策判断ができる。 →総理大臣

(2)文部科学大臣・河野太郎…河野氏は消費者庁の有識者会議で旧統一教会について「解散命令請求も視野に入れ、宗教法人法に基づく報告徴収及び質問の権限を行使する必要がある」と盛り込んだ報告書をまとめ、岸田首相に「質問権発動」を促した。

(3)官房長官・上川陽子…上川氏は法務大臣時代、オウムの麻原を刑死させるなどカルトを怖れていない。上川氏には法相を辞めてからもSPがついている。

(4)国家公安委員長・村上誠一郎…教団の霊感商法などを取り締まる国家公安委員長に、安倍氏を「国賊」と呼んで国葬に反対して党から役職停止処分を受けた村上氏を起用すれば、「安倍政治からの決別」の姿勢を示すことができる。→総務大臣
※村上誠一郎「財政、金融、外交をぼろぼろにし、官僚機構まで壊して、旧統一教会に選挙まで手伝わせた。私から言わせれば国賊だ」
※うおお、この日記で冷や飯を食っていた村上誠一郎議員を閣僚にと訴えていたら、ホントに総務大臣に抜擢された!しかも、総務大臣といえば、かつて高市氏が就任し、テレビ局に電波停止をチラつかせて言論弾圧したり、総務省の職員が作った行政文書を「ねつ造された怪文書」と決めつけ大問題になっており、高市氏にとって因縁の役職。そこにあえて村上議員を置くとは。ただただ、びっくり。

(5)総務大臣・船田元…教団イベントへ祝電を打っていたことをいち早く詫び、「自民党消費者問題調査会長として、いわゆる霊感商法などの悪質な取引を取り締まる立場にある」と教団監視を表明。

(6)防衛大臣・小野寺五典…小野寺氏はラジオで「教祖が韓国の人でその人が北朝鮮と交流をしていたとすると、日本からのお金が、教団を巡って北朝鮮に行って、それがミサイル開発で日本を脅してるとすれば、こういう流れはしっかり切ったほうがいい」と発言。→政調会長

(7)外務大臣・岩屋毅…安倍政権で防衛相を務めた保守派ながら、安倍支持派が防衛費2%への増額を主張していることを「最初に金額目標があり、乱暴なやり方」と批判するなど一線を画している。→外務大臣

(8)財務大臣・林芳正…安倍氏と長年のライバル関係にあった岸田派の現外相、手腕に期待できる。→官房長官

(9)経産大臣・平将明…霊感商法に批判的。→デジタル大臣

(10)復興大臣・小泉進次郎…震災被災地の支援をライフワークにする小泉氏は、神奈川県連会長として地方議員の脱教団化を推進しており、教団批判派の1人。→選対委員長
※神奈川県の議員を脱教団化した小泉氏を選対委員長にしたことで、「もう絶対に統一教会から選挙応援は受けるな」と全議員に示している。非常に重要な意味がある人事だ。

(11)環境大臣・今枝宗一郎…医師出身、接種推進派でコロナ対策にも詳しい。

(12)国土交通大臣・古屋範子…公明党の消費者問題対策本部長として霊感商法防止や被害者救済の提言をまとめた。

(13)厚労大臣・三原じゅん子…統一教会が熱心に推進した「子宮頸がんワクチン」接種反対運動と氏は戦ってきた。→こども政策大臣(初入閣)
※以前、三原氏はX(ツイッター)で裏金事件における安倍派幹部の対応を痛烈に批判していた。「幹部という立場にあったのだから自ら真相究明のため必死に汗をかき、その結果を国民に報告、説明を果たし、その上で自ら政治的責任を取るというのが本来の在り方なのではないだろうか」。氏は「政治的責任」にまで言及しており、これで白羽の矢が立ったのだろう。

(14)農水大臣・福田達夫…父はリベラルな福田康夫元首相。安倍派ながら反安倍勢力。→幹事長代理
※福田氏は統一教会との接点を「何が問題かわからない」とトンデモ発言をしたが、エイト氏「今は心から反省しているようだ」とのこと、これからに期待。

発表された石破新内閣で、首をかしげたのは経済安全保障大臣の城内実(きうちみのる/静岡)だけ。ゴリゴリの右派である城内氏は、かつて国連人権部門のリーダーから安倍政権が通そうとしていた「特定秘密保護法案」を批判されると、激怒して「場合によっては謝罪や罷免(要求)、国連分担金の凍結ぐらいやってもいい」と発言。人権擁護法案(廃案)に際しては「人権擁護法案通しますか、それとも日本人やめますか」と書いた。法案の賛否は個人の自由として、自分と反対の意見を持つ者に日本人をやめろというのは、政治家としてアウト。また、城内氏は新聞インタビューで「(靖国神社の代わりに)無宗教の新たな国立追悼施設を創る案はどうですか」と問われ、次の仰天回答をしている。「霊にも民主主義があって、亡くなった方(靖国の祭神)一人ひとりに確認したら、全員反対すると思いますよ。見えないものに守られ、動かされている感覚こそ、霊性なんです」(14年6月13日付・毎日新聞)。カルト色があり、わけがわかない。ただ、同じ記事内で「ヘイトスピーチやネット右翼みたいな狭量な国粋主義にうんざり」とも言っているので(いわゆる「お前が言うな」案件だけど)、その辺を石破氏は評価したのかも。政権のアキレス腱となるかどうか。
文科大臣として初入閣した阿部俊子議員は、選択的夫婦別姓について「どちらとも言えない」と回答。統一教会系なら100%反対しているため、そこは大丈夫な模様。

(追記)げっ、「牧原秀樹議員、2021年にさいたま市で開催された統一教会の合同結婚式に本人が出席し挨拶」ってマジか。2021年といったらつい最近じゃないか。石破新内閣で、よりによって法を司る法務大臣に就任とは。祝電だけとか、秘書が代理出席とかじゃなく、自分自身が出席して挨拶はヤバイ。当然、野党の追及もあるだろう。人身事故に関する投稿は人間性を疑われるレベル。身体検査、甘すぎないか。

  それを国会議員が言いますか

●9月27日…総裁選の石破氏の勝利は、ある意味、政権交代が起きたといっていい。自民党の柔軟性は健在だった、まさか安倍氏の天敵だった石破氏を選択できるとは。ぶっちゃけ、決選投票の直前の演説で、石破氏が安倍派を中心とした党内の裏金事件を念頭に「日本を守りたい、国民を守りたい、地方を守りたい、そしてルールを守る自民党でありたい!」と訴えたときに、“言って欲しいことを言ってくれた!”と手を叩くと同時に、これで氏の敗北は決定したと思った。

自民党の国会議員379人(衆参)のうち政治資金パーティー裏金事件に関わった議員は安倍派を中心に約100人もいて、うち500万円以上を裏金とした39人が処分されている(4千万円以上の3人は検察が起訴)。統一教会と接点があった議員は180人に達する。後ろめたさのある議員なら、「ルールを守る自民党を強調する石破政権では公認候補になれないかも」という恐怖心にかられる。高市氏は裏金事件の真相解明に極めて消極的であり、自らの推薦人20人のうち、13人までもが裏金議員(杉田水脈議員など)、また9人が統一教会と関わっていた。統一教会は高市氏のパーティー券を大量購入している。
解散総選挙が近づくなか、不安を抱く議員が高市氏に走るのは当然の流れだ。1回目の投票でトップが高市氏となったとき“公認になるか非公認になるかは死活問題だからな…”と感じた。
 

ところが!決選投票は大逆転が起きた。第3位で決選投票に残れなかった小泉進次郎氏の票がごっそりと石破氏に入り、石破票は154票→215票に爆増、高市票は181票→194票の微増に終わった。麻生氏はキングメーカーを気取って自派閥に高市氏に入れるよう命じたが、敗れてメンツが丸潰れとなり、新総裁の挨拶で壇上に上がった石破氏に拍手を送らなかった。
 
石破氏が勝てたのは、“自民党は生まれ変わらなければならない”と強い危機感を持つ議員がかなりの数にのぼったこと、高市氏では右派政権になり穏健保守層が立憲民主党(新代表の野田氏は中道保守)に奪われかねないこと、そして最後の演説で石破氏が「私は足らざるところがあり、多くの方々の気持ちを傷つけたり、いろんな嫌な思いをされたりされた方が多かったかと思います。自らの至らぬ点を心からお詫びを申し上げます」と率直に謝罪したことで、議員の心を動かしたことが大きい。石破氏は安倍政権が不祥事を起こした際に苦言をいうなど「仲間を背後から撃つ」人物として見られていた。まっとうな意見であっても身内への攻撃には違いない。でも、石破氏がそのことを心を込めて詫びたことで会場の空気が変わったという。
※2018年の総裁選で、石破氏が「正直、公正」をキャッチコピーに掲げたところ、党内から「安倍さんへの個人攻撃はやめろ」と批判され、その二つの言葉を封印せざるを得なくなった。それだけに今日堂々とこの言葉を掲げられ石破氏は感無量だろう。
 
新総裁となった石破氏は最初の記者会見で、裏金事件を踏まえ「ルールを守る政党でなければならない。守っているかどうか検証されるような仕組みをつくっていかなければならない」と述べた。政治の公正性や透明性が問われる事態に対し、その場しのぎで乗り切る姿勢を改められるか、今後の石破氏の手腕に注目している。
※石破氏と同様に、自民の良心としてずっと孤軍奮闘していた村上誠一郎議員(愛媛県)をぜひ閣僚に!村上議員は徹底して干されてきた。
※“女性初の総理”は女性の味方をする人がいい。選択的夫婦別姓をかたくなに否定し、男性視点で女性を抑圧する“名誉男性”は、歴史に残る女性初の総理としてふさわしくない。

●9月26日…明日13時からいよいよ自民の総裁選。選挙期間の間、候補者9人の討論など見てきたなかメモを整理。
(1)統一教会
統一教会の被害救済に取り組む弁護士らが公開質問状で「被害者救済や被害抑止に今後どう取り組むか」と聞いたところ、全員が無回答。『ニュース23』で小川アナが全候補者に「安倍さんが総裁応接室で教団幹部と面会していた証拠写真が今月スクープされ、党の深部で教団と繋がっていた可能性が出てきました。自身が総裁になった場合、“教団”との関係について何らかの再調査を行うという方がいらしたら、挙手をお願いします」 と聞いたところ、こちらも挙手ゼロ。正確にいうと、石破氏だけが手を途中まであげかけて、そのままアゴを触った。この件では全滅。
  アゴか〜(^^;)
(2)経済・労働政策
林氏「最低賃金の引き上げなどで格差の是正を図るとともに、稼ぐ力を高める」
石破氏「法人税はまだ上げる余地がある。所得税についても、負担する能力のある方には、ご負担をお願いする余地が多分にある(※庶民ではなく大企業・富裕層に増税するということ)
茂木氏「経済成長率が高まれば税収が増える。防衛力強化や少子化対策拡充に向けた2兆円規模の増税はやめ、増税ゼロを目指す」
小泉氏「解雇規制を見直して解雇しやすくする。人員整理が認められにくい状況を変えていく。同時に学び直しの環境整備も進める」
小泉氏は維新と同じで、解雇を容易にして、成長分野への転職を勧めることで経済を活性化させるという。だが、今の日本の経営者モラルでは、正社員を解雇して非正規を入れるから、どこも非正規だらけになるし、低収入でますます未婚率があがり、少子化が爆速する。解雇の恐怖で家も車もローンを組めず、経済がさらに萎縮していくだけ。氷河期世代なのに労働者の気持ちに鈍感というか、一度も就職したことがない小泉氏に言われたくない。
(3)裏金問題
多くの国民が苦しい家計でも納税しているのに、政治家は裏金を懐に入れ税を納めていない。それなのに、9人全員が裏金議員の扱いに神経を使い、はっきり自分の見解を述べず。中でも完全に後ろ向きなのは高市氏。
高市氏「いったん決まった処分に関して、総裁が代わったからといって全てひっくり返すのは独裁」
いや、その処分の甘さに国民が抗議しているわけで、国民の声に耳を傾けることは“独裁”ではないだろう。高市氏は、前回総裁選で支持を受けた6割が安倍派で、今回の推薦人20人のうち13人が裏金議員だったからこういう発言になったのかも。
※9/29追記。小泉氏は「裏金で処分を受けた議員は次の選挙で公認しない」と踏み込んだことを言っていた。
(4)防衛費
石破氏「立派な船や飛行機、車両を買っても、乗る人がいなければどうするのか。防衛費の増額自体はいいが、使い道について武器購入などだけでなく、自衛官の育成などにも使うべきでは」
その通り。ここ数年、自衛隊内部の自殺、パワハラ、いじめ、セクハラ、汚職などあまりに問題が続くため、志願者が激減しているときく。米軍から武器を爆買いするより、自衛官ひとりひとりを大切にし育成する方向に予算をもっと入れるべき。
(5)原発
石破氏「ゼロに近づけていく努力を最大限にいたします。再生可能エネルギー、太陽光であり風力、小水力、そして地熱、こういう可能性を最大限引き出していくことによって、原発のウェイトは減らしていくことができると思っています」
(6)靖国
高市氏「首相になったら、内閣総理大臣の肩書きで靖国神社を参拝する」
個人で参拝するならいくらでもしていいと思う。中国でさえ、個人の追悼は問題ないと言っている。しかし、総理の肩書きでとなると次元が異なる。韓国や中国にもメンツがあるため、本音がどうあれ対抗せざるをえなくなる。外交も貿易も人的交流も一気に冷え込み、韓国の大統領はせっかく親日政策をとっているのに、弱腰と言われないため方向転換に追い込まれる。高市氏が保守思想を持つのはいいが、近隣国と決定的な対立要因をこちらから作るのは愚かだし、世界もこの件では日本に同情してはくれない。
(7)夫婦別姓
小泉氏「別姓になれば家族の一体感が弱まるという。だが私には名字の異なる兄弟がいるが関係が弱いとは思わない。日本も別姓に踏み切るべき」
石破氏「(別姓は)あるべきだと思っています。男性であれ女性であれ、姓が選べないということによって辛い思いをしている、不利益を受けている、そういうことは解消されなければならない。同姓でいいんだよという方は同姓でいい。しかしながら、別姓にならないことで、いろいろな不利益、権利の侵害を得ているとすれば、それは解消されるべきものです」
(8)同性婚の法制化
河野氏のみが明確に「賛成」と回答。

僕は税制で富裕層に切り込むという石破氏、もしくは最低賃金の引き上げを唱える林氏がいいと思う。裏金と統一教会問題に対処できるのは、石破氏だけだろう。小泉氏は良いことも時々言ってるし、視点がもう少し労働者寄りになれば、オモシロ枠でありかもしれない。若い首相の誕生は、若者が政治に関心を持つキッカケになるかもしれない。
とにかく、政策に大きな差がないのなら、僕は国会答弁で「嘘をつかない」人がいい。これホント大事。

  原発は最終的にゼロを目指すとの事

//袴田さん、再審で約60年ぶりに無罪(26日)。死刑判決を受けて48年も投獄され、人生の大半を牢屋で過ごす。裁判長(静岡地裁)は「証拠は三つとも検察のねつ造」と断じ、「国からの救済が遅れて申し訳ありません」と。死刑執行の恐怖に毎日さらされ、獄中で心を病んでしまった袴田さん。もう88歳であり、年齢的にもタイムリミット、検察は上告せずこれで結審してほしい。(凶悪犯罪の被害者遺族が死刑を望む気持ちはわかる。一方、死刑制度が廃され終身刑なら、袴田さんは恐怖で心が壊れなかった可能性が。まして死刑が執行されていたら取り返しがつかないことに…。日本全体でいま一度死刑制度について考える時期に来ていると思う)

●9月25日…大相撲秋場所(九州場所)で2度目の優勝を飾った大の里(24)が大関昇進!初土俵からわずか九場所での大関昇進は昭和以降で最速!来場所も大注目。

//元寇モンゴル兵と戦う対馬の武士を描き、神ゲーとして名高い『ゴースト・オブ・ツシマ』。その待望の続編が発表された。今度の舞台は1603年の北海道!蝦夷地と呼ばれていた頃の北の大地で、どんな物語が展開されるのだろう。ただ、アイヌ民族が和人に蜂起した「シャクシャインの戦い」は1669年だからちょっと時代が異なるし、予告編にもアイヌらしき人物は登場しなかった。とはいえ、この時代の北海道にアイヌが出てこないのは不自然なので、交易シーンなどで登場すると思う。アイヌ文化理解の助けになるといいな。発売は2025年。
※PS5のみの販売らしい。自分はPS4までしか持ってない…ついに買うときがきたか。

●9月24日…立憲代表選から一夜が明け、新たな執行部が発表された。野田氏は昨日の就任演説で「投票が終わればノーサイド、挙党態勢でいく」と言っていたのに、フタを開けてみれば、自分に投票してくれた議員を重要ポストに配置し、枝野氏はお飾り的な最高顧問、泉氏・吉田氏は遠ざけられた。どこがノーサイドなのか。野田グループ以外では、辻元清美氏が代表代行に抜擢されたけど、立憲の代表代行って3人いるんだよね…。っていうか、なんで大串議員が選対委員長を続投するんだろう。大串氏は、統一教会系の団体イベントに秘書を3回も代理出席させ、祝電も送るなど、他の立憲議員より教団に近い。また、立憲が自民の裏金を問題視して政治資金パーティーを禁じる方向に進むなか、大串氏は自分の政治資金パーティーの案内状を送ってことが発覚、中堅・若手議員から大ブーイングを浴びた。僕の中では「この人の続投はない」と思っていたので、ニュースに目が点になった。野田さん、他にも良い人材がいるでしょう。

●9月23日…新自由主義(格差社会拡大)でも共産主義(全体主義の土壌)でもない、福祉を重視した格差の少ない社会を求める人、その受け皿が立憲民主党ではなかったのか。旧民主党政権で最も保守寄りだった野田氏をトップに置くということは第2自民党を目指すということ。僕は「それはコアな支持層が求めるものではないのでは」と考えていけど、代表選における党員サポーター票の第1位は野田氏だった。これは「立憲の支持率が低迷するいま、本気で政権を獲りに行くなら、裏金や統一教会問題に閉口している保守票を取り込める野田氏がいい」という判断なのか。演説に迫力のある野田氏なら、自民の新総裁ともバチバチにやりあえるのは確かだが…。野田氏は維新との連携を何度も口にしている。だが維新は格差拡大の新自由主義を是(ぜ)としており、そんな社会はもうしんどい。

政権交代が起きた2009年、総選挙の投票率は約70%に達し、多くの国民が投票所へ足を運んだ。だが、野田元首相は「消費増税をしない」という選挙公約を破って自公と組んで増税路線を突っ走り、使用済み核廃棄物の保管場所が決まっていないのに原発再稼働を強行、それまで自民でさえ控えていた国産武器の輸出にも前のめりだった。尖閣諸島を中国への根回しなく国有化し(それまで「議論を棚上げする」という両国の合意があった)、今に至る火種をまくなど外交センスもない。あげく、内閣支持率は20%を切り、70人以上が離党。周囲の声に聞く耳を持たず、安倍氏の挑発にのって衆院を解散させ、総選挙で惨敗し旧民主党政権をぶっ潰した張本人だ。

野田元首相が断行した総選挙の投票率は戦後最低記録を更新(59%)した。その後の自民政権でも下がり続け、2022年の参院選では52%まで落ちてしまった。野田元首相がやらかしたことのなかで、この「国民が政治に失望し、選挙に関心を失った一連の流れを最初に作った」ということが最大の汚点と思ってる。それゆえに、代表選の結果にしばし茫然とした。
とはいえ、野田氏は勝利したものの、内訳を見ると地方議員票は枝野氏がトップ。国会議員でも、野田氏の支持者は72人と6割に届かず、63人の票を得た枝野氏とは9人差。党内は、票の上ではほぼ真っ二つに分裂している。

立憲には、今回の吉田晴美議員のように、食料品は消費税を無課税にするなど、消費減税を訴える人がいる。しかし、野田氏は一貫して減税に否定的だ。それでは、リベラルな議員は党を割って出ていき新党を作るべきなのか。だが、そうなれば新党も、立憲も、どちらも少人数になり、政権交代など夢のまた夢。立憲リベラル派&れいわ新選組&社民&共産主義と訣別した旧共産党、この4つが大同団結した新党しか、もう自分の票が死に票にならない道はないけれど、果たして政治家がそれをわかってくれるか。共産は正しいことを言っても支持率が超低空飛行を続けており、真に政策を実現したいなら、社会民主主義に大転換するしかない。ほんと、投票先を作って!

●来週のテレビ番組はニュース番組やドキュメンタリーが充実!

●能登半島、大地震に続いて過去最大の豪雨。あまりに理不尽、ひどすぎる。

●9月も下旬というのに静岡の気温が39.2度!何が起こっているんだ…。

●大谷選手がメジャーリーグ初、前人未踏のホームラン50&盗塁50の50−50を達成!(9/20)…って書いたら、3打席連続HRで51-51に!!今日は6打席6安打10打点&2盗塁3HR、異次元過ぎる。漫画やアニメか!?(☆_☆)
  チームメイトの表情も良い!


●9月14日…谷中霊園巡礼の告知ページを、当ページの冒頭にアップしました!

●9月13日…先日、イギリス各地の人種的憎悪・暴動を煽った「キーボード戦士」(=英国版ネット右翼)に実刑判決が速攻で下された。発端は7月29日にイギリスのサウスポートで発生した痛ましい事件。17歳の少年がダンス教室の女の子3人を刺殺した。
事件発生後のSNSでは「犯人は亡命を求めてイギリスに来たイスラム教徒の移民だ」といったデマ情報が拡散された。これらのデマはイスラム嫌悪や移民排斥の感情に満ちたものだった。イギリスでは18歳未満の容疑者の名前は公表されないが、事件を担当する判事は7月31日、誤情報の拡散を阻止するため容疑者は17歳のアクセル・ルダクバナだと公表した。ルダクバナ容疑者はイギリスで生まれており亡命者ではなかった。ルワンダ出身の両親のもとイギリスで育った。それにもかかわらず、ネットには「密航ボートでやってきたシリア難民だ」という偽情報や「もうたくさんだ」「船を止めろ」など憎しみを帯びた言葉が投稿され、マンチェスター、リバプール、ロンドン、ベルファストなど各地で暴動が発生、モスクへの攻撃や店舗の略奪が相次いだ。

8月4日には北部ロザラムにおいてデマを信じた約700人がイギリスへの亡命希望者の宿泊施設を取り囲んで窓ガラスを割り、火炎瓶を投げつけ放火した。暴動は2週間も続き、警察は『極右団体イングランド防衛同盟』の支持者たちが背後にいるとしている。
スターマー英首相は同じ4日に会見を開き、「この国の人々には安全に生きる権利がある。それにもかかわらず、イスラム教徒のコミュニティが標的にされ、モスクが攻撃され、他のマイノリティのコミュニティが狙われ、路上でナチスの敬礼が行われ、警察官が攻撃され、人種差別的な暴言とともに不当な暴力が行われている。 私はためらうことなく、これを極右の暴行と呼ぶ」「この無秩序な行為に関わった者は、直接的にであろうが、ネット上で扇動するだけして逃げ出そうが、後悔することになるだろう」と述べた。

『極右団体イングランド防衛同盟』は2009年にトミー・ロビンソン氏らによって設立された反イスラムグループ。2018年には氏のTwitterアカウントが永久凍結されたが、Twitterを買収したイーロン・マスク氏がロビンソン氏のアカウントを復活させた。マスク氏は同じく4日、ロビンソン氏が最初に投稿した暴動の動画に対して、「内戦は避けられない」とコメントした。スターマー首相は、暴行を肯定するかのようなマスク氏のコメントにも「この国で今起きているのは、組織化された違法な暴力行為であり、街中にもネット上にも居場所はない」と批判している。

8月5日、警察は暴動に関連して378人が逮捕されたと発表し、「これは抗議活動でもなければ、人々による民主的権利の行使でもない。不必要な暴力であり、市民相談所や図書館のようなコミュニティの重要な拠点が完全に破壊されている」と指摘。
人種差別と闘う団体「ホープ・ノット・ヘイト」によると「サウスポートの暴動は極右インフルエンサーが誤った情報を広めた結果であり、1つのグループや1人の人間だけによるものではない」としている。

「X」(旧ツイッター)に9万人以上のフォロワーを持つウェイン・オローク被告(35)は、7月28日〜8月8日にかけて人種的憎悪を煽る目的で偽情報を投稿し、事件をきっかけにイギリス北東部で起きた警察と集団との騒乱で、車両が放火されたことを称賛した。裁判ではナイト裁判長が「あなたは他人がやっていることに巻き込まれたのではなく、その行為を扇動していた」「あなたのような『キーボード戦士』が火に油を注いだ」と被告に語った。
オローク被告は「自分の行為は悪い冗談だった」と主張したが裁判長は受け入れず、「どこにユーモアがあるというんですか、オロークさん?」と尋ねた。8月16日、被告に“禁錮3年の実刑”が言い渡された。判決言い渡しの後、警視正は「公衆の面前だろうとオンライン上だろうと、誰もが自分の行動について責任を負うことを示している」と警告している。

僕が驚いたのは、ネットのヘイトデマの多くが放置されている日本(しかも議員までヘイトを投稿)に対し、英首相の「差別暴動に関わった者はネット上で扇動するだけして逃げ出そうが、後悔することになる」という毅然とした態度、判決の速さ(逮捕から2週間もない)、そして3年間の実刑判決となったこと。日本の場合、執行猶予がつくか、ヘタをしたら書類送検で終わるかもしれない。スターマー首相のようにヘイト煽りへの危機感を持ったリーダーが日本にもほしい。
X(ツイッター)の「嘘や誇張でも炎上すれば金が入る」という仕組みが廃止されない限り、もうどうにもならないとこまで来ているのでは。

●9月12日…きたる10月19日(土)午後に東京の谷中霊園を世界墓マイラー同盟のメンバーと案内します。徳川慶喜公、渋沢栄一氏、森繁久弥氏、浅利慶太氏など30名に巡礼を予定。数日中に、申込み受付など詳細な特設ページをアップしますね。

●9月11日…本日の毎日新聞夕刊・第2面に《墓マイラーが考える“追悼”》として、ゴッホやドストエフスキーなど偉人の墓への感謝を伝える墓参りや、近年の墓じまいについて思うことなど、先日受けた取材が掲載されています。記者の方とじっくり話し合ったことが反映されています。
  
第一面をめくったら3分の2が墓マイラー記事!この規模になると思っておらず仰天。丁寧な記事にしてくだり記者さんに感謝。

●9月10日…先月末に上京した際、荒川沿いに建立された「悼」碑を初めて巡礼。関東大震災の直後、当地の堤防で最大100人の朝鮮人や社会主義者が殺害されたと伝わる。荒川周辺は都内でも虐殺がひどかった。町工場が点在しており、さらに当時は荒川放水路の工事中だったこともあり、多くの朝鮮人労働者が暮らしていた。荒川に架かる旧四ツ木橋は震災で崩壊しなかった橋のひとつで、地震による火災に追われた人々が対岸へ逃げるため殺到し、混乱のなかで「朝鮮人が井戸に毒を入れた」「あちこち放火している」などのデマが飛び交い、パニックになった群衆は「殺られる前に殺れ」と朝鮮人の生命を奪った。自警団は尋問により朝鮮人をあぶり出し、千葉から来た軍隊は機関銃を持ち出し処刑したという。

なぜ「…と伝わる」「…という」なのか。遺体も物証もないからだ。戦後、地道な調査により、虐殺の目撃者や一部当事者などから150もの生々しい証言が集まったが、1982年に現地の土手を掘り返したところ人骨が出なかった。虐殺否定派は骨が出なかったことで殺害もなかったと主張するが、骨がない理由は2つ考えられる。ひとつは、震災2カ月後の11月中旬に亀戸署の巡査19名が作業員に変装して遺体を掘り起こし、60名の警官が周囲に警戒線を張るなか、トラック3台で運び去ったと当時の複数の新聞に掲載されていること(別の日にも掘り返されている)。もうひとつは、1982年に掘り返した場所は建設省(当時)の許可を得たエリアのみで、既にコンクリート敷きとなっている土手に近いエリアの調査ができなかったうえ、穴はその日のうちに埋め戻すなどの制約があり、一部しか掘ることができなかったためだ。

150もの証言があり、当時の新聞にも遺体がどこかへ運び去られたとあるのに、その遺体が見つかっていないために犠牲者は追悼されることもない−−これではあまりに殺害された人々が不憫(ふびん)だと、有志が現場近くの私有地を買い、近所の人に事情を説明したうえで2009年に「悼」の一文字を刻んだ追悼碑を建てた。付近一帯に犠牲者が埋葬されたなら、事実上の墓石であり、この石がある限り非業の死を遂げた名もなき人々は後世に伝えられていく。その存在が忘れ去られることはない。墓マイラーを続けていると、墓石や追悼碑の中に「黙すれど叫ぶ」といったものと出会うことが少なくない。この「悼」碑もまさにそれだった。

※大量埋葬が最初に発覚したのは、震災当時に近隣の亀戸署で、日本人の労働運動家が警察によって虐殺される事件、通称「亀戸事件」が起きたため。後日、「亀戸事件」の遺族らが遺骨の返還を求める運動を弁護士らと始めたことで、はからずも遺体が埋められたとされる荒川河川敷から掘り起こされ、「他にも百人ほど埋められていた」という目撃証言に繋がる。その後、先述したように軍のトラックで運び出された。
虐殺事件のあった荒川の土手 朝鮮人慰霊碑に刻まれた「悼」

/歴代の都知事は毎年9月1日(震災当日)に開かれる朝鮮人犠牲者の追悼式典に追悼文を寄せてきたが、小池知事は就任2年目の2017年以降「都慰霊協会が営む大法要で、関東大震災のすべての犠牲者に哀悼の意を表している」として見送り、何より「朝鮮人虐殺はあったか」という記者からの質問に対し、会見では「様々な説があります」と事実認定について明言を避けている。先月(8/5)、東大の教職員が小池知事宛てに、「朝鮮人虐殺をはっきり認めるべき」と要請書を初めて提出した。虐殺問題を研究する外村大(とのむら・まさる)教授(近代日本史)ら83人の連名で、虐殺について明確に答えない小池知事に「定まった評価を受けている学説への信頼を毀損(きそん)している」と批判した。
小池知事は「関東大震災で亡くなった人すべてを大法要で哀悼している」と主張しているが、天災で亡くなった人と、殺人事件で殺された人は、死に至る過程がまったく違う。後者は大地震を生き延びたのに人間に殺されたのだ。虐殺犠牲者への追悼には「二度と同じ過ちは繰り返さない」という決意表明も含まれている。それを「すべての犠牲者に哀悼の意」とするのはおかしい。

/一方、埼玉の大野元裕知事は朝鮮人虐殺を悼んで市内で開かれた式典に、追悼文を今年初めて送付している。旧片柳村(さいたま市見沼区)で殺された24歳の姜大興(カンデフン)さんの追悼式に送られた。大野知事は8月27日の会見で「デマに基づいて朝鮮人に対する虐殺があったということについては、痛心(つうしん)に堪えない」と述べ、追悼文送付を検討する考えを示していた。県内では9月1日に朝鮮人の犠牲者が多かった熊谷市、本庄市、上里(かみさと)町で自治体主催の追悼行事があり、各市町の首長が参列している。小池知事との違いが際立つ形に。

●9月9日…大阪のテレビメディアでは急に「マスコミが斎藤・兵庫県知事をいじめている」と言い始めた。事実と異なるため、X(旧ツイッター)から転載します。

塩タン@siotantantanta
(前回の兵庫)知事選では井戸知事の印象を吉本芸人やメディア使って下げまくり、金澤副知事のことを井戸知事の継承だとうたって斎藤を当選させる維新らしい汚いやり方で斎藤が当選しました。(公用車)センチュリーもそのひとつでした。

Kako@kakopontan
当時、「在阪メディアは、もう斎藤を当選させると決めているんだな」と思うことが何度もありました。センチュリーの嘘なども、どこの局も訂正しない。あれはリース車で、井戸知事の前任が自動車事故で亡くなられ、周囲から懇願されての利用だったことも、井戸知事は徒歩で登庁していたことも。吉村知事も斎藤もとにかく「自分たちは身を切る」「センチュリーが贅沢」ばかり。「兵庫県はずかしい」ツイートには呆れるばかりでした。身を切った(身を切る改革)あげくに「たかり」に走っては元も子もありませんね。報酬に見合った仕事をすることこそが大事だという当たり前のことが、維新によって本当に歪められたとも思います。

epcmd@DecultureEpcmd
2021年、あらゆるメディアがあまりにも不自然な「斎藤アゲ」をしていた
当然、違和感を持った県民はたくさんいて、「これはヤバい」と違う候補を全力で推し、斎藤を阻止しようとしました。それは叶わなかった。
今、「メディアが斎藤をいじめている」と飛び交ってるが、彼が「メディア側」なのです。

●9月8日…立憲はジェンダー平等を掲げていながら、代表選の候補者はオッサンばかりなので閉口していたら、候補締め切り30分前に吉田晴美議員(52)が推薦者20人を集められて出馬にこぎつけた。同じく出馬を目指していた江田憲司議員(68)が、自分の推薦人を彼女に譲って一本化した。江田氏「このジェンダー平等を訴える立憲民主党代表選に女性候補が1人もいないという選択肢はあり得ない」。江田氏グッジョブすぎる。
吉田議員と江田議員は次の政策協定書にサインをした。「(1)物価高に苦しむ国民生活を守るため消費税の時限的な5%減税、特に食料品の消費税非課税を実現(2)富裕層に応分の税負担を求め、中間層や低所得層に再分配する」。素晴らしい協定だ。
自民の総裁選には女性が2人出ており、立憲がゼロ人なら目も当てられないところだった。立憲幹部は立候補してくれた吉田議員に感謝するべきだし、そのために降りてくれた江田議員をねぎらうべき。

//ドジャースの大谷選手(30)が地元のガーディアンズ戦で45号ホームランを放ち、46盗塁と合わせ、前人未到の「45本塁打-45盗塁」に到達!残り20試合あり、異次元記録の「50-50」も夢じゃない。すごすぎ。

//来年、四国で講演できそう。愛媛の郷土資料館からの依頼であり、実現したら四国の読者の方と会えますね!

●9月7日…パラリンピックの車いすテニス男子シングルスで小田凱人(ときと)選手が史上最年少の18歳で金メダルに輝いた。世界ランキング1位の英国ヒューエット選手(26)との大接戦を制した。「凱人」という名前の由来になっているのがパリの凱旋門といい、パリでの優勝は感無量と思う。
印象深かったのは試合終了後のワンシーン。優勝が決まると、歓喜した小田選手は車椅子の車輪を両方外してコートに仰向けになり、両手で顔を覆った。そこにヒューエット選手がやって来て、小田選手の勝利を讃えるとともに、手をとって起こしてあげ、外れた車輪を渡していた。これまでヒューエット選手は“絶対王者”国枝慎吾氏に優勝を阻まれ、今回こそと思っていただろう。スポーツマンシップの真髄を見た。
優勝して仰向けになる小田選手 勝利を讃えるヒューエット選手

●9月6日…楽しんで見ていたアニメ『T・Pぼん(第二期)』『推しの子(第二期)』『逃げ上手の若君(第一期)』が一斉に終わった。いま一本も録画して見ているアニメがないんだけど、こういう状態は数年ぶり。『T・Pぼん』はタイムパトロールの話で藤子・F・不二雄先生が原作。世界史の勉強になるためお薦め。音楽もいい。『推しの子』第二期、前半は勢いがあったけど後半で失速。舞台のエピソードは良いんだけど、有馬のくだりが長すぎた。『若君』は楠木正成が出るなど盛り上がってきたところでシーズン2へ。
※現在、次のシーズンを待っている傑作確定アニメは『ヴィンランド・サガ』『ゴールデンカムイ』『キングダム』『SPY×FAMILY』の4作。

【9/14追記】『推しの子(第二期)』も『逃げ上手の若君(第一期)』もまだ終わってませんでしたッ!オンエアが延びていただけでしたァアアア!大きな勘違い、申し訳ありません(汗)

●9月5日…兵庫の斎藤知事のパワハラ問題、机をバンバン叩いて怒鳴り散らし、部下にモノを投げつけたことを、大阪維新の吉村氏が問題にしているけど、一番ヤバイのは内部通報者に懲罰人事をして、相手を自殺に追い込んだこと。そこに触れるべき。
公益通報に対し、(第三者ではなく)通報の対象者となった本人が「これは公益通報ではない、誹謗中傷のたぐいだ」と判断して、本来は通報者保護法で禁止されている“犯人探し”をして、様々な脅迫をして懲戒処分を行い、ついには相手を自死に至らせた。公益通報者保護法を完全に無視して、私怨でめちゃくちゃな報復をしたことが大問題。

/この件で、維新はパワハラの真相究明を求める百条委員会の設置に反対し、それだけでもイメージダウンなのに、維新・馬場代表が斎藤知事の擁護を繰り返したため、ネット空間では維新に対する信用度がどんどん落ちているように見える。

/おごれる者久しからず。維新はこれまで大阪では「無敵」状態だったが、4月に藤田文武幹事長のおひざ元・大東市の市長選で公認の新人が落選(僕の地元)。吉村氏の出身地・河内長野市の市長選(6月)では公認候補を擁立できなかった。府外では京都市長選(2月)や東京都知事選(7月)でも独自候補擁立を目指したが、いずれも不戦敗に終わっている。
府民の“維新離れ”を象徴しているのが、先月25日に投開票された大阪府箕面(みのお)市長選。大阪維新の会の現職、上島氏(66)が無所属の原田氏(38)に大敗を喫した。2010年の結党以来、維新公認の“現職”首長が落選するのは初めて。敗北した上島氏は6月の市議会で、万博に関連して批判的な質問をした市議に「万博行くなよ。出入り禁止や」とやじを飛ばし、撤回に追い込まれている。首長が権力を振りかざしてやじを飛ばすとか、そういうの、もうアウトです。

●9月4日…歴史上の人物がもしスマホを持ってたら、という架空の設定でコミカルな時代劇を作ってきたNHKの“偉人のスマホ”シリーズ。来週から新作の『紫式部のスマホ』が始まるといい、めっちゃ楽しみだ。これまで光秀、土方、義経、信長、秀吉、三成&家康と男性ばかりだったので、第7弾にして初の女性主人公になる。偉人のLINE&ツイッターの画面が小ネタ祭りで、どのシリーズも場面が変わる度に静止画像にして噴き出している。今回、清少納言や和泉式部とのガールズトークも気合いが入ってそう。

●9月3日…国際刑事裁判所(ICC)には124か国・地域が加盟しており加盟国には容疑者の逮捕義務がある。現在、ICCは戦争犯罪の容疑者として、ロシアのプーチン大統領、イスラエルのネタニエフ首相、ハマスの幹部複数に逮捕状を出している。プーチン氏は逮捕を避けるため、昨年南アで開催された新興国グループ「BRICS」首脳会議の対面での出席を見送った。今後も彼ら容疑者は未加盟の国しか訪れることができない…はずだった。
昨日モンゴルは、1939年に日本軍とソ連軍が衝突したノモンハン事件の85周年記念式典に合わせてプーチン氏を招待。氏は2日間モンゴルに滞在し、3日夜に帰国した。モンゴルは逮捕できなかった。

この滞在中、ICCのカーン主任検察官は、これまでモンゴルが積極的にICCに加盟し判事を出すなど協力的な姿勢を示してきたことに触れ「モンゴルは正義が増えることを望むという誓約に署名した。法の支配とその条約を順守することを望む」と、同国に逮捕義務があることを強調した。ICCには逮捕状は出せても、逮捕するための警察組織がないので、逮捕するかどうかは加盟国に委ねられているからだ。ICC締約国会議のカウコランタ議長「加盟国が(逮捕の)義務を果たすことなく、プーチン氏を自国の領土に入れることは許されない」。

だが、モンゴル政府は動かなかった、というか動けなかった。プーチン氏の出国後、モンゴル政府の報道官はエネルギー面でのロシアへの依存を理由に逮捕は困難だったと弁明した。「モンゴルは石油製品の95%、電気(不足電力)の20%以上をロシアから輸入している。この供給が私たちと私たちの人々の生存を確保するためには不可欠だ」。つまり、“申し訳ないが我々の手は縛られているようなもので逮捕は困難だ”ということ。
モンゴルとロシアは事前に不逮捕で合意したとみられる。モンゴルの立場も分かるけど、今回の逮捕見送りはICCの権威に疑問符が付く悪しき前例となってしまった。逮捕せず国際秩序をないがしろにするなら、最初からプーチン氏を招待するべきでなかった。今回の件でプーチン氏はロシアが孤立していないことを内外にアピールできるし、今後はICC加盟国であってもプーチン氏の訪問を受け入れようとする国が出てくるかも。

今後、同様のことが続かないためにも、加盟国への罰則が必要と思う。これは処罰が目的ではなく、罰則の存在を理由に、弱い立場の国が戦犯容疑者の入国を断りやすくなるからだ。
2度の世界大戦を経験した人類は、戦争を避けるために、国連、国際司法裁判所、国際刑事裁判所などを作り、話し合いや司法で解決するよう努力してきた。ロシアのように国連安保理の常任理事国が他国を侵略したり、パレスチナで4万人の市民を殺害しているイスラエルを支援するアメリカが非難されず、また可決された核兵器禁止条約を核保有国がスルーするなど、国連を取り巻く環境は問題だらけ。それでも、武力衝突を回避する方法が他にないため、こうした国際機関を支えていくしかない。モンゴルはICCの存在意義を揺るがす国際的な裏切り行為をやったという自覚を強く持ち、猛省してほしい。

※国際刑事裁判所(ICC)と国際司法裁判所(ICJ)を混同しないよう注意。後者は国連の常設司法機関であり、領土の範囲など国家間の係争案件の解決を役割としている。一方、ICCはあくまで「個人」の戦争犯罪などに関する刑事責任を明らかにして処罰を科し、将来の同種犯罪抑止を目的としており、全く別の存在。プーチン氏は個人として人道上の罪を問われている。

●9月2日…パラリンピックの車いすラグビー、日本が初の金メダル!準決勝で世界ランキング1位のオーストラリアとの接戦を制し、決勝ではランキング2位の米国を48―41で破り頂点に立った。2004年のアテネ大会から連続出場している日本。これまでは2016年リオデジャネイロ大会と前回東京大会の銅メダルが最高であり、ついに悲願の優勝を果たした。主将の池崎大輔さん「目標としていたみんなの夢がかなった。これだけのために、今までつらい練習を積んできた。全てのことが報われた幸せな瞬間だった」。

//パラリンピックのテレビ中継が、先日までのオリンピックに比べて極端に少ないと、出場選手から嘆きの声があがっている。多くのメディアは先のオリンピック中継に熱量を注ぎ込み、ヘトヘトに燃え尽きた感がある。
次回からパラを先に開催してみては。先んじてパラをやれば、「4年ぶりのパラリンピックです!」と今の何倍も注目が集まり、多くの競技が中継されると思う。

●9月1日…ビッグサイト講演、墓巡礼、30年ぶりの旅仲間との再会、世界墓マイラー同盟メンバーとの打ち合わせ等、濃密な4日間を終え、台風10号の乱気流にもまれながら昨夜大阪へ帰還。新幹線は静岡どまり、夜行バスも全席売り切れというなか、航空会社が臨時便をたくさん飛ばしてくれて、お陰で戻って来ることができた。僕は新幹線が止まるレベルの荒天なら、飛行機も欠航すると思っていたので、鉄道が止まっても飛行機はガンガン飛ぶというケースがあるのだと知った。
講師として参加したビッグサイトのエンディング産業展、学ぶことが多かったので、後日感想をまとめますね。講演後、会場で「文芸ジャンキーの読者です」と声をかけてくれた方、本当に嬉しかったし、何年も読者でいてくれて本当に有難うございます!(マジで感激しました)

/台風で宿や列車にカンヅメになる可能性があると予測し、ずっと読みたかったミヒャエル・エンデの長編小説『はてしない物語』を旅に持参、56歳になってついに読み始めた。エンデ作品は『モモ』しか読んでないことが、長年ずっと後ろめたかった(汗)。いま4分の1まで来たけど、めちゃくちゃ面白いね。やっぱエンデは心が優しいね。







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