ヨーロッパ館
スイス展B
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4時間が経過し、両足の感覚がマヒし、額の油汗もひいてしまって顔面は蒼白になり、
疲労がだんだん怒りに変わり、その怒りが絶望になったころ、視界の彼方に一軒の
小屋がポツンと見えてきた。背後にモミの木、前方にいかにもクララが立って歩きそうな
丘を構えたあの小屋は!2階に小鳥が遊びに来そうな小さな木窓があり、右横に
ヤギ部屋がくっついているあの小屋は!!そう、それはあまりにも“そのまんま”の
おんじの家だった。感動とバカバカしさが同時にワシの五体を疾風の如く駆け巡った。
(おんじハウスの後方からふもとをパチリ)
やってくれるぜ、スイス観光局。アニメをマネして観光用に釘1本まで再現するとは!
見よ、はるか彼方に出発地点の鉄道駅がかすんで見えるわい。あそこまで今から
戻らねばならぬのだ。登りが4時間ということは、下山に2時間といったところか。
ああ、トロトロに溶けたチーズの塊をパンにのせて、ヤギのミルクと食べてえよ〜。
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もはや何も言うまい。汗だくで呆(ほう)けて座り込むワシの足元に、ヨーゼフ気取りの
黒い犬が退屈そうに寝転んでいる。おんどりゃ、ヨーゼフならカタツムリでも食っとれい!
(しかも本来ならヤギのシロとクロが入っているべき場所にいたのは・・・ブタ)
完
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(オマケ)ドイツ・フランクフルト
ロッテンマイヤーさんが恋しい奇特な君はこっちに行け!
(会場案内板へ)
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