南太平洋館


ミクロネシア展
(2000年)

〜かつてこの国には日本海軍連合艦隊基地があった〜




(ミクロネシア、チューク)
目の覚めるようなトルコ・ブルーの海。この美しい海域に、数え切れぬほど
多くの艦船が、現在も沈んだままになっている。勇気を出して潜ってみた。





(裏向けになったゼロ戦)
自分の足下に沈んだ飛行機を見た瞬間のあの感覚。全身を冷気が貫き、ワシは
思わず空気を吐き出した。コクピットが下向けになっており恐怖で鳥肌が立った。
海底の墓標だ。機体のすぐ側には、翼に大きな弾痕の空いた羽が沈んでいた。





(沈船の大砲)
この軍艦はまさに巨大な鉄の棺桶だった。魚雷の為に胴体が2つに折れ、瞬時
に沈んだ様子だった。海面から差す光が、全てを浄化する様に照らしていた。





(沈船とクラゲ)
敵の命を奪うことが存在意義だった軍艦は、皮肉なことに沈んだ後、魚たちの
命をはぐくむ格好の棲み家となり、どの船も立派な漁礁と化す。このクラゲは
豊富なエサ場となるこの周辺を回遊していた。自分が小宇宙にいる気がした。



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