最新文芸情報


2020.9〜10

●10月31日…007初代ジェームズ・ボンド役のショーン・コネリーさんが他界。享年90歳。007役を引退してからも良い映画にたくさん出演。いぶし銀の魅力、男が憧れる男でした。哀悼の意を表します。
●10月30日…過去の感染例から、第二波の方がキツいと覚悟はしていましたが、まさかこれほどとは。あの春のロックダウンが、こんなに小さな山とは…。なんかこう、ちょっと目まいがしますね。昨夜のニュースから。

 
●10月25日…素晴らしい戦後75年目になった!昨日、核兵器を全面禁止する『核兵器禁止条約』を批准した国が、発効に必要な50に達したとのこと!この条約は2017年に国連加盟の6割を超える122カ国の賛成多数で採択されたものの、いざ批准となると核兵器を保持する超大国との関係悪化を多くの国が恐れ、なかなか条約が発効する50カ国に達しなかった。

今年ヒロシマ原爆の日にアイルランド、ナイジェリア、南太平洋ニウエの3カ国が条約の批准を発表し、43カ国まで迫っていた。そして昨日、中米ホンジュラスが新たに批准したことで50カ国集まった!ありがとうホンジュラス!本来なら日本が50カ国目に名乗りを上げてほしかったけど、とにもかくにも、これで条約は90日後に発効する。記念すべきその日は2021年1月22日。この日から核兵器は化学兵器と同じ違法な非人道兵器だ。非保持国は保持国に対し「いつまで違法兵器を持っているんだ。恥ずかしくないのか!」「控え目に言って、あなた方は野蛮国だ」と国際条約を盾にアピールできる。
これまでは良心に訴えることしかできなかった。そしてもっと批准国が増えれば、「条約に参加してないから関係ないし。禁止条約?何それ?」という態度をとる国を、世界はリーダーの資格なしと見なすだろう。そういう国は“恥”を感じた国民の方から政府に条約批准を求める動きかけが出てくると思う。っていうか、そう信じたい。

〔参考〕2018年時点の核弾頭数TOP5
1.ロシア     6,490発
2.アメリカ   6,450発
3.フランス  300発※上と20倍の差
4.中国      280 発
5.イギリス  215発

※この条約は、単に核兵器の開発や保有、使用だけでなく、核兵器による“威嚇”、他国の核兵器を自国内に配備することなどを全面的に禁じている。日本はかつて沖縄の米軍基地に核兵器が持ち込まれていた。現在、建前上は持ち込んで“いない”ことになっているが、日本政府がいちいち米原潜など核搭載可能艦船に立ち入り調査をしているわけではない。ここがネックになって、日本は批准できないのだと僕は思っている。

※被爆国日本は核軍縮の進展に向けて核保有国と非核保有国の「橋渡し役」を担うと表明してきた。だが具体的な行動が見えてこない。この条約については「現実の安全保障を踏まえていない」の一点張りだ。核保有国の“現実”はどうなのか。今の核拡散防止条約(NPT)は、米露英仏中の5大国に核兵器の保有を認める代わりに、誠実に核軍縮交渉を行う義務を定めている。ところが、米露間では中距離核戦力(INF)全廃条約が失効。新戦略兵器削減条約(新START)も来年2月に期限を迎える。一方、米露双方で「使いやすい核兵器」とされる小型核弾頭の配備や開発が進む。つまるところ、核大国はまったく核軍縮をやる気がない。トランプ、プーチン、いい加減にしろと。非核保有国のターンだ。
●10月21日…11月中旬、15年ぶりに本(世界音楽家巡礼記)を出すため、最後の校正や加筆を行っており、すべてをそこに集中!来月の頭までサイト更新は飛び飛びになります。よろしくお願いします。
●10月20日…シューベルト20歳のときの『ピアノソナタ第8番』(7分)、はかなげで美しい良い曲なのに、なんで完成させず途中で作曲の筆を置いてしまったのか。この続きを聴きたいのに7分付近で突然終わっちゃう。もったいない〜。
●10月17日…ツイッターに書いてた人がいるけど、外国の人道活動で命を落とした中村哲さんの国葬なら心から黙祷するし、葬儀に参列したい。
●10月16日…朝ドラ『エール』、今週は敗戦まで描かれ、主人公の義弟は反戦思想により特高警察から「国賊が!」と拷問を受けた。インパールから帰国した主人公は、自分の作った戦意高揚の歌が若い人を戦争に駆り立てたと悩み、曲を書けなくなってしまう。朝から凄いドラマです。次週のサブタイトルは「鐘よ響け」。この鐘はおそらく被爆した長崎の鐘。次週も目が離せません。
「戦争反対とは何事だ〜!
国賊め〜っ!」
「私の体の自由は奪えても
心の自由は奪えません!」

「音楽で…人を戦争に駆り立てる
ことが僕の役目か?」
裕一は曲を書かなくなった

●10月15日…なんと劇場版『鬼滅の刃』のチケットを子どものために予約しようと思ったら、3日前の時点で全席完売ですと!?何が起きているんだ…。(追記。先着プレゼントが理由と判明)
●10月14日…ジョジョのスピンオフ、『岸辺露伴は動かない』シリーズが高橋一生さん主演で3話分がドラマ化、しかもNHKというから驚き。オンエアされるのは12月28日〜30日。2020年はコロナで混沌としていたけど、1年の最後にジョジョラーに素晴らしい贈り物。露伴は菅田将暉さんのイメージだけど、高橋一生さんもキャラ的にあっている。このドラマ化が実写ジョジョ映画の続編制作に繋がりますように。

//朝ドラ『エール』、主人公がアジア太平洋戦争で最悪の戦い(補給を無視した作戦で過半数の兵士が餓死)となったインパール作戦に音楽慰問で従軍、その部隊が壊滅。9万人の将兵のうち生還者は1万数千人。朝ドラでまさかインパール戦が描かれるとは。ドラマでは仲間は戦死だったけど実際は大半が餓死。インパールで最も日本兵を殺害したのは、敵軍ではなく、無謀な作戦を強行した日本軍上層部だった。戦意高揚の曲を書いてきた主人公は「僕、何も知りませんでした」と絶句。

  

//欧州で再びコロナが猛威、フランスで非常事態宣言が出され、パリなど都市部で1か月の夜間外出禁止令。スペインはバルセロナなど北部の飲食店営業を禁止に(テイクアウトは可能)。
●10月13日…最高裁は血も涙もない。今日の判決、非正規は10年勤めて同じ仕事をしていても「ボーナスなしは適法」。「退職金がゼロでも適法」。海外なら暴動が起きてもおかしくない。事実上、非正規は正規と同じ権利を有していない二等市民であると最高裁が認めたに等しい判決。「仕事上の責任の有無」が理由ならば、せめてゼロではなく「正社員の7〜8割」などにすべき。労働者の3人に1人が非正規なのに、あまりに現状を無視しすぎ。裁判所は「正社員の方が非正規より責任が重い」ばかり言う。逆に「非正規は正社員より簡単に解雇される」ことには言及なし。いつ契約解除されるかわからない不安定な身分なのだから、その分ボーナスや退職金が必要。こんなの政府公認の身分差別社会じゃないか。基本的人権の軽視であり違憲を疑うレベル。裁判官がこんな感覚だから、やはり法律の方を変えるしかない。非正規側に立った法律を作ろうとする政治家を選ぶしかない。凄まじい差別国家。
※正社員も他人事じゃない。今の時代、何がきっかけでいつ非正規になるかわからないのだから。
●10月9日…約3000曲を作曲し日本音楽界で最も多くのヒット曲を生み出した作曲家、昭和歌謡を代表する筒美京平さんが7日に肺炎で他界。享年80。作品の総売上枚数7,560万枚(オリコン)は作曲家歴代1位。約50年にわたりほとんどの年で作曲作品がチャートインという快挙、チャート1位獲得は39曲、TOP3以内が約100曲。以下の曲はすべて筒美京平さんの作曲によるもの。哀悼の意を表します。(個人的に旋律が好きな3曲にリンク)

・魅せられて(ジュディ・オング)
・ブルー・ライト・ヨコハマ(いしだあゆみ)
また逢う日まで(尾崎紀世彦)
木綿のハンカチーフ(太田裕美) 
・サザエさん主題歌(宇野ゆう子)
・ギンギラギンにさりげなく(近藤真彦)
・男の子女の子(郷ひろみ)
・仮面舞踏会(少年隊)
・飛んでイスタンブール(庄野真代)
・センチメンタル・ジャーニー(松本伊代)
・なんてたってアイドル(小泉今日子)
・1986年のマリリン(本田美奈子)
人魚(NOKKO)
・Romanticが止まらない(C-C-B)
●10月7日…日曜夜にNHKが放送しているカナダの海外ドラマ『アンという名の少女』(赤毛のアン)、先日の第4話、神回でした。52歳のオッサンですが涙腺決壊。妻子にバレないよう、片手で頬杖をして手の隙間に涙を吸収させてました。(^^;)
アンが養子になり、生まれて初めて学校に行くんですが、教師も級友も土足でアンの心に。彼女はいろいろと失敗してしまい、酷いこともたくさん言われ、散々な第1日目に。帰り道&翌朝の登校時にアンは自分を励ましながら歩くんですが、その時のセリフが刺さりまくりでした。
孤児のアンを引き取ったマリラとマシューはどこまでも優しく、彼女を理解し護ろうとする。特にマシューがたまらない。あの俳優さんの瞳、歩き方、絞り出される言葉、行動のすべてに暖かさがある。
11日放送第5話のタイトルは「宝物は私の中に」。この題名だけで期待マックス。

明日になれば失敗のない
一日が新しく始まる
一人でできる失敗には限りがあるし

全部やり尽くせばもう失敗しない 「ジェーン・エア」の言葉を思い出す
人生は短い、憎しみを抱いたり

酷い仕打ちを恨んだり
する時間などない
●10月6日…大ヒットしたロックの名曲『ジャンプ』(4分)で知られるギタリストのエディ・ヴァン・ヘイレンさんが喉頭癌のため他界。享年65。ポップな曲なのにギターソロはライトハンド奏法とか超かっこいい、そんなエディの音楽世界。デビューアルバムのインストゥルメンタル『暗闇の爆撃機』(1分42秒)のギターソロは伝説に。マイケル・ジャクソン『ビート・イット』(5分)のギターもエディ。哀悼の意を表します。
●10月5日…なんか、菅首相が日本学術会議の年間予算を10億と言ったことで、ネットでは会員に“そんなにお金がほしいのか”と書いている人がいるけど、予算のうち会員手当の年間総額は4500万円だから、それを会員210人で割ると、年間21万4千円程度。1か月だと約18,000円。教授の給料を考えると名誉職といって良いレベル。
ちなみに国会議員は手当込みで一人当たり年間支給額4200万円であり、日本のトップ科学者210人分の手当総額に近い。議員がそんなにお金のことを言うなら、議員ひとりを減らせば良いって思う。全然積極的に国会を開こうとしないし。

//トランプ氏がアッという間に退院して驚いている。「陽性反応が出た人は2週間の隔離が必要」って話は何だったのか。大統領の行動は国民の手本となるのだが…。
●10月4日…日本を代表する世界的ファッションデザイナーでブランド「ケンゾー」を創設した高田賢三さんがコロナ感染のためフランスで他界。享年81。先月から入院していたとのこと。アテネ五輪の日本選手団のユニホームは氏によるもの。
文化服装学院のデザイン科ではコシノジュンコさんと同窓。1965年に渡仏、5年で初のブティックをパリに開店した。民族調のカジュアルなファッションが人気を集め、イブ・サンローラン、カール・ラガーフェルドと共にパリコレのトップデザイナーとして活躍した。
●10月3日…古墳に興味がある方、4日の17時15分〜NHK『ミステリアス古墳スペシャル』(再)めっさお薦めです!全国15万の古墳の中から、絶景、不思議な形、秘宝等の視点を基に、次の厳選5か所が紹介されます!
・五色塚古墳(兵庫県神戸市)
・森将軍塚古墳(長野県千曲市)
・西谷墳墓群(島根県出雲市)
・さきたま古墳群(埼玉県行田市)
・藤ノ木古墳(奈良県斑鳩町)
どれも現地の良い映像が登場、行きたくなること間違いなしです。
●10月2日…映画を鑑賞中、複雑な時系列に頭がショートして卒倒しかけた『テネット』。繰り返し鑑賞した猛者によると、3回目あたりから理解できるという。知人が『テネット』を徹底解説したネタバレブログを教えてくれ、細かく掘り下げた図入りの分析に唸った(特にカーチェイスの解説!)。時間を逆行する人間、時間を順行する人間が同時に画面に出ているため、個々の人物の動きを常に把握しなくちゃいけない。いちいち考えながら読むため、ブログを読むだけで1時間もかかってしまった!(汗)
ニールはほんと良い奴だよね。ニール視点のスピンオフが観たいくらい。

//トランプ大統領が新型コロナの陽性反応。症状は軽いとのことだが軍の病院へ移送。投票まで1か月、候補者討論会があと2回あるんだけど、どうなるんだろう。
●10月1日…憲法第二十三条「学問の自由は、これを保障する」。シンプルな13文字。なぜこの当たり前のことがわざわざ最高法規の日本国憲法で定められているかといえば、それだけ、ときの権力に踏みにじられた歴史があるからだ。それなのに、首相が率先して破るとは。
日本学術会議の人事への菅首相の介入、マジでシャレになってない。菅首相は、絶対に手を出してはいけないところに手を出した。安倍政権ですらこんなことはしなかった(追記:安倍氏もやっていたことが10/3に発覚。欠員の補充を安倍氏が拒否、学会側も折れず、一部が欠員のまま今に至ったという)。菅首相が、学者の業績と個人の政治思想を分けて考えられない人物であり、学者の学界における高い評価よりも、自分の好き嫌いを優先する首相とわかり衝撃を受けている。

現在国内には約87万人の科学者がいる。日本学術会議は政府から独立した立場で政策提言などを行う、日本の科学者を代表する機関。戦争に協力した科学者たちの反省に根ざして1949年に設置された。大臣などから諮問・審議の依頼を受けて答申をまとめている。
会員は210人と決まっていて、新規会員を決める場合は、日本学術会議が自ら選考し、その推薦に基づいて首相が任命してきた。任期は6年で、3年毎に約半数が入れ替わっている。
発足時の決意表明は「我々はこれまでわが国の科学者がとりきたった態度について強く反省し、平和的復興と人類の福祉増進のために貢献せんことを誓うものである」。そして1950年と1967年に軍事目的の研究を禁じる声明を出した。

日本学術会議法第7条には「推薦に基づいて総理大臣が任命する」とある。
今年、学術会議側は法律に従って105人を推薦。ところが菅首相は、105人のうち6人の任命を拒絶した。いずれも専門家の立場から、過去に憲法違反の疑いがある安保法制や、見切り発車の共謀罪、強引な沖縄辺野古基地建設に異論を唱えていた学者。
政府は拒否理由を明確にしていないが、専門家は長年の学問研究に照らし合わせて、自身の見解を述べているだけ。政府に逆らったことが理由なら、憲法が保障する学問の自由の侵害になる。政府のやることにYESしか言えないなら、「政府から独立した政策提言を行う」という存在価値がなくなる。

今回菅首相に「資格なし」と拒絶された東大の加藤陽子教授は、以前NHKで放送された「さかのぼり日本史」の解説がとても分かりやすく、僕は加藤教授を尊敬していた。それだけに、どうして菅首相が加藤教授を日本学術会議のメンバーとして「不適格」と判断したのか理由を知りたい。任命拒否は2004年に現体制になって以来、16年間で初の出来事。しかも一気に6人。
学術会議側は「理由を付けて推薦したのに、理由もなく却下されたのは納得できない」としている。当然だろう。前例がないことをやったんだから、首相は国民に直接説明するため、会見を開くべき。学術会議メンバーの総意を無視して、菅首相が自分一人の権限で「この学者はお気に入りだから任命、この学者は気に食わないから任命しない」と勝手に判断されては困る。
のっけからの権力の私物化。同じ考えじゃない人はいらない、という排除の思考をこれほど露骨に出してくると思っていなかったので、まだ現実だとどこか信じられない気持ちがある。

※総理大臣が任命する形式に変わった際の1983年の国会答弁によると、「任命を拒否することはないのか」という質問に、当時の内閣官房総務審議官は「実質的に総理大臣の任命で会員の任命を左右するということは考えていない」と答弁。管首相はこの政府判断にも反している。
※こんなことになって本当に残念。菅首相は笑顔がとても温厚だし、世襲議員じゃないし、無派閥だし、苦労人と言われているので、まともな人だと信じたい自分がいた。官房長官時代に相手を突き放すような答弁をしても、会見で壊れたレコード状態になっても、それは安倍氏を守るため、無理してクロをシロと言っているのだと、言わされているのだと、そうであって欲しいと願っていた。自分の国の首相なんだから、信頼したいに決まっている。だからこそ、今回、菅首相の一存で圧力をかけたことがわかり、大きく失望している。
※同じく1983年の国会のやり取り。
野党「政府の意のままに動く学術会議にしようとするのか」
丹羽国務大臣「学術学会の方から推薦をしていただいた者は拒否しない」
中曽根首相「政府が行うのは形式的任命にすぎない。学問の自由独立は保障される」

※高山佳奈子・京都大学教授(刑法)「任命は形式的には総理大臣が行うが、選ぶ権利が与えられているのは法律(学術会議法)上は学術会議だけ。現在、違法状態が生じている」
※松山孝明・立命館大学教授(刑事法学)「理由がない拒否は現行法上は違法である」
※ネットには「政府に反対する学者は反日」みたいな意見があるけど、それはただの全体主義。様々な意見の中から最適の政策を練り上げるのが政治家。間違ったデータを基に国家の舵取りをされてはたまらない。むしろ自分の考えと異なるデータを出してきた学者の声にこそ耳を傾けないと。保守政治家は中国共産党の強権を批判しながら、同じことをやっている。
※学術会議の年間予算が10億円というのは、あまりに高額だし、僕もびっくりしている。そこは別問題として検討されてしかるべき。〔追記〕予算のうち会員への支給総額は4500万円(令和元年度)だから210人で割ると21万4千円程度。月にではなく年で。1か月約18,000円、これで「お金目当て」は言い過ぎかと。事務局の職員50人の人件費3億9000万円を50人で割ると780万円で、国家公務員の平均給与670万円と比べて多いものの、極端に突出しているとも思えない。
※この件で何も発言しなかったら、僕は自分が文芸研究家を名乗る資格はないと認識。官邸は「そのうちほとぼりが冷めるだろう」と思っているかも知れないけど、この件では、ほとぼりは冷めません。学者の連帯も始まっている。

//旧『銀河英雄伝説』のビュコック提督や手塚作品のヒゲオヤジ、ボトムズの憎めない悪党ゴウトの役など、味のあるしゃがれ声で魅了した富田耕生さんが鬼籍に(9/27)。享年84歳。ビュコック大好きでした。
/大河ドラマで黒田如水(『功名が辻』)や小栗忠順(『龍馬伝』)を演じた斎藤洋介さんが9/19に癌で他界。享年69歳。一度見たら忘れられない個性派俳優さんでした。哀悼の意を表します。
●9月30日…昨夜出演した『NHKラジオ深夜便〜世界お墓偉人伝・第8回』の“聴き逃し配信”が始まりました(10月7日午前5時まで)。
次のリンク先の4分付近からトーク開始です(約15分)。
今回のテーマはカップルの墓。紹介したお墓写真を以下に貼りますので、こちらを見ながらお聴き下さいませ。ラジオだと画像を出せないのがもどかし〜い!
「高村光太郎&智恵子」東京・染井霊園
「ディエゴ&イサベル」スペイン(テルエル)・サンペドロ教会:恋人たちの霊廟
「マン・レイ&ジュリエット夫人」フランス(パリ)・モンパルナス墓地※墓石に「トゥギャザー・アゲイン」と彫られています!
手を繋ぐディエゴとイサベル 2人とも20歳で亡くなった
高村光太郎&智恵子 マン・レイ夫妻「TOGETHER AGAIN」

//米大統領選、トランプとバイデンが初のテレビ討論会。この直接対決をメディアが「史上最悪の討論会」「敗北したのはアメリカ国民」と酷評。司会者の質問にそれぞれが2分間ずつ答えるというルールなのに、トランプはバイデンが話している最中に割り込み、絶え間なく妨害。その数なんと73回。何度司会者に怒られてもトランプはやめなかった。トランプはわざとチャチャを入れて相手を怒らせ、汚い言葉を言わせイメージダウンさせる作戦。バイデンはとうとう切れてトランプ(曲がりなりにも現役大統領)を「ピエロ」と呼び、トランプほどではないけど“おいおい…”となった。同じ土俵に乗ったらあかんやん。アメリカ国民はどうするのかな。
●9月29日… 世界がコロナ禍に立ち向かうなか、トルコ、イラン、ロシアの間に位置するアルメニアとアゼルバイジャンが戦争状態に。報道を見ると、マスクをつけた若者たちが義勇兵に応募している。いま戦争なんかしている場合じゃないのに。

//今夜11時5分すぎからNHK第一放送『ラジオ深夜便/世界お墓偉人伝』にて15分間ほど墓マイラー・トークをします。この第8回では“心に残ったカップルのお墓”について語る予定です。毎度の事ながら生放送は緊張します。大事なところほど噛んでしまうという…(汗)
※ネットでも「らじるらじる」で生放送を聴くことが出来ます。ラジオがなくてもラジオが聴けるなんて、便利な時代になりましたね。
●9月28日…昨日の『笑点』(第2729回)に「墓マイラー」という言葉が登場してビックリ仰天。まさかこの国民的番組に!
お墓参りのイメージを少しでも明るくしたくて墓マイラーという造語を使い始めて四半世紀。歴史的瞬間を目撃した心境です!(笑)
※番組では「有名人のお墓参りを趣味としてする人を墓マイラーと言うそうです」と解説。分かりやすい説明ですが、個人的には、有名人だから墓参するのではなく、恩人だったり尊敬していたり、たとえ無名でも自分が偉人と思った人に墓参しているので→
「偉人に感謝の気持ちを伝えるためにお墓参りする人を墓マイラーといいます」
がドンピシャです〜(汗)。「有名人」というだけで墓参すると墓前で言葉が出てきませんし、現実問題として家計ギリギリなので交通費が…(^^;)
※番組では三遊亭小遊三さんのネタ、武田信玄の墓参りに行ったら影武者のお墓だらけだったというオチが面白かったです!
春風亭昇太さんの口から「墓マイラー」! 日曜夕方のお茶の間にまさかのお題
控え目に言って歴史的瞬間です 信玄やブルース・リーのお墓で大喜利
※思ったのですが、世間のイメージは「歴女(レキジョ)」と「墓マイラー」が近い場所にあるかと。僕が知っている墓マイラーはほとんどがオッサンですが(笑)
●9月27日…半沢直樹の最終回、とても見応えがあり素晴らしかった。やはり敵は大きいほど盛り上がる。与党の幹事長を演じた柄本明さんの怪演、ドラマ史に残るものだった。白井大臣をやった江口のりこさんも存在感抜群。香川照之さんの大和田は、この番組の宝だね。クズの悪党に見えて、半沢を良い方向に成長させていたり、不器用な優しさを見せたり。大和田が話すシーンのすべてが見どころだった。やっかいな敵だった黒崎が味方になったのもドラマを熱くさせた。ただ、黒崎が毎週のように股間づかみするのはもういい。昭和ならOKだろうけど、今はパワハラ、モラハラ、セクハラをギャグのように扱っていい時代じゃない。そこだけ笑えなかった。このドラマはテロップにも出てこないような脇役も印象的な名演をしていて、数話前にプレッシャーで吐きそうになりながら大臣に債権放棄を断った他の銀行の人、チョイ役なのに忘れられない。
シーズン3が楽しみ。旧シリーズは2013年、今回は7年ぶり。もしまた7年後だと2027年か。コロナ禍、気候変動、排外主義者の台頭、今は3年先も見通せないけど、この痛快なドラマを平和にツッコミを入れながら楽しめる世界であってほしい。堺雅人さん、全10話での見事な1000倍返し、お見事でした。
※悪徳政治家と戦う半沢直樹が高視聴率を得て拍手喝采されるのに、実際に政治家が汚職をしても国民の反応が薄いという不思議。説明責任を果たしてなくても支持、これも同様。

//大相撲、今場所は新入幕の翔猿(とびざる)が優勝争いに絡んで面白かった。もし新入幕で優勝していたら106年ぶりの快挙だった。イケメンだし、動きは素早いし、ニューヒーローの誕生。優勝したのは関脇の正代(しょうだい)、こちらも初優勝で熊本出身力士の優勝は初めてとのこと。正代おめでとう!

//竹内結子さんの自死、衝撃的すぎてちょっと言葉が出てこない。40歳の若さ、まだ信じられないです。訃報を受けての、太田光さんのコメント。「人の死は、その人にしか分からない。多分、その人にも分からない。生きるか死ぬかを考えたことのない人はいないと思う。過去の映画や文学を見ると生き死にのことを考えていないものはない。1人で考えるより、いろいろなところがあるから相談して」「コロナがあるから、このまま変わらないんじゃないか、未来がないんじゃないかと考えてしまう。別の所に目を向けるというのもある」。
●9月25日…中曽根康弘元首相の「内閣・自民党合同葬」(葬儀委員長は菅義偉首相)が10月17日に営まれることになったが、管内閣が葬儀の経費に9643万円を支出することを閣議決定。会場はグランドプリンスホテル新高輪という。お金がないから消費税増税したのではなかったか。ジリジリとコロナ感染者が増えているなか、なぜ大勢の人を集めようというのか。
コロナ禍で失業と貧困が広がり国民が苦しんでいるのに、元首相とはいえ、ただ一人の葬儀のために約1億円も税金を投じる金銭感覚が理解できない。約1億円の出所は、今年度予算の予備費。コロナ対策として6月に可決された過去最大10兆円のあれだ。これから冬になりロックダウンの可能性があるため、少しでも予備費を残しておかないといけないのに、ここで大金を使わないで欲しい。今なら「三密を避けるため小規模な葬儀にした」という説明で誰もが納得するだろう。
管首相は「自助ができる人はまず自助を、次に共助、最後に公助」と何度も言っている。中曽根氏や自民党幹部は十分に財産がある富裕層、明らかに「自助ができる人」だ。どうしても大規模に葬儀がしたいなら、一千万円を税金から支出し(それでも現状では高額と思うけど)、あとは自民党の政治家仲間で「共助」すればいい。自腹を切っていくらでも大掛かりなものにすればいいし、それなら何も言わない。国民には自助と言い、自分たちはいきなり公助では、言ってることとやってることが違う。
ケータイの値下げとハンコを無くすことで新内閣は改革者みたい報道されているけど、こういう部分は何にも変わってない。政治家は国民の血税を、自由に使える自分のお小遣いと思っていないか。
●9月23日…国連総会が始まり各国の指導者がスピーチ。北極の氷が溶け、米国、豪州、アマゾンの密林で大規模山火事が相次ぐなど、気候変動対策が待ったなしの今、二酸化炭素排出量が世界第1位の中国・習近平主席が「温室効果ガスの排出量を2060年までにゼロを目指す」と初めて“目標時期”を明言(22日)。40年先とはいえ具体的な数字を出してきたのは大きな前進。温暖化防止の「パリ協定」を離脱した米国トランプの後ろ向きな姿勢との差が際立つ。ただ、米国は州レベルでは問題に向き合っており、カリフォルニア州では2035年までにガソリン車の新車販売が禁止されることに。フランスは2022年までに石炭の火力発電を廃止、同じく英国・カナダ・豪州も2025年までに廃止するとのこと。日本は温暖化対策に消極的な国に贈られる不名誉な「化石賞」を2度も受賞しており、もう脱炭素に向け舵を切らないと。
●9月21日…フランスで男性の育児休暇が14日から倍の28日間に延長され、うち7日間は休暇が義務付けられた。日本は自分から育休を申請しにくい空気があるため、仏のように法令で義務付ける育休がベスト。
●9月20日…ノーラン監督の待望の新作『テネット』、大混乱しつつも凄い映画であったと圧倒された。アクションシーンは見たことがない映像の連続。予告編でも既に描かれているし、映画の序盤で分かることだから書いちゃうけど、本作の見どころは「時間逆行」の中の戦い。タイムマシンで一気に過去に行くのではなく、ビデオの巻き戻し状態の世界に放り込まれる。ストーリーを理解しようと観ているんだけど、説明不足のまま次のシーンに進むので、頭の中で再構成しながら観ないといけない。サビついた僕の頭では物語を追い切れず、もう一度観る必要がある。“逆行する時間の中を進む”という、新しい映像体験をさせてもらったのでチケット代は無駄と思わないし、ノーラン監督に感謝している。
●9月19日…上映中の『ミッドウェイ』、ネット評価はさんざんだけど、僕は観に行って本当に良かった!日米開戦時に20歳だった人はいま99歳。戦争を体験した世代が世を去りつつあるいま、日米の大規模海戦を文字だけでは具体的にイメージできない。こうして製作費120億円をかけ映像化してくれたおかげで、現実に起きたことだと改めて理解しやすくなる。
『ミッドウェイ』は真珠湾、ドゥーリトル空襲、マーシャル諸島、駆逐艦VS潜水艦、ミッドウェイ決戦、すべてを2時間で見られるうえ、音響が抜群にいい。この映画をテレビの小さな画面で見れば「ゲームのCG画面じゃん」となるかもだけど、劇場では圧巻の大音響でCGと実写の壁を突き破った。なんせ低音の爆音が腹にくる。対空射撃の雨嵐の中、上空から炎上する爆撃機や爆弾が一緒に落ちてくる映像は戦慄の臨場感、空母の乗組員と一緒に僕も息を呑んで見上げていた。
この海戦、戦果だけをみれば米軍の圧勝だけど、決して楽勝だったわけではなく、出撃した米軍航空機の半数が未帰還であり、急降下爆撃の緊張感はかなりのもの。
かつてのハリウッド映画なら日本人は倒すべき不気味な敵として描かれていたけど、山本五十六(豊川悦司)、山口多聞(浅野忠信)のことをちゃんと描こうとする意志が見えた。映画の最後に「米国・日本の両兵士に捧ぐ」とあったのもグッときた。
映画とはいえ約80年前の太平洋上の総力戦の真っ只中に立った体験は実に貴重。
※ヤフー映画の低評価に関しては当てにならないとつくづく思った。
●9月18日…マルチ商法で経営破綻したジャパンライフ元会長が逮捕。被害者は7千人、被害総額約2000億円。この元会長は安倍前首相が「桜を見る会」に招待、顧客を勧誘する際に「桜を見る会」の招待状を見せて信用させていた。安倍氏の退陣と同時に逮捕。
●9月17日…明日から公開されるクリストファー・ノーラン監督の『テネット』、前評判がすごい。コロナ禍は終わってないけど、映画業界は再始動した感がある。劇場では皆静かに鑑賞するからクラスターも出ていない。鑑賞が楽しみ。
●9月16日…プレステ5の発売日が11月12日に決定!値段は通常版が4万9980円とのこと。
●9月15日…明日の日本経済新聞の朝刊に登場する予定です。墓マイラーのコラムです。
→掲載を確認!オードリーヘップバーンの墓参のことなどを書きました。カラーページだし、嬉しくて近所のコンビニにある日経を全部買い占めました(笑)
●9月14日…大坂なおみ選手が全米オープンで優勝!!
●9月13日…『麒麟がくる』、僕は基本的に擁護派なんだけど、今日の第23話は本当に酷かった。あまりにも展開がノロノロしすぎ、内容も薄っぺらで、15分で終わる内容を無理やり45分にしている印象。サブタイトルは「義輝、夏の終わりに」。てっきり史実にある足利義輝暗殺まで描かれると思ってたら、まさか次回に引っ張るとは…。他に魅力的なエピソードが多すぎて、泣く泣く次回にまわったとかならまだいい。でもそうじゃない、物語の途中で、架空キャラの“お駒”と医師東庵(こちらも架空)の本筋とは無関係の話を延々と入れるから時間がなくなった。“義輝の最期がめっちゃ良いシーンで来週まで視聴者に見せずにとっておきたい”のかと思いきや、予告編であっさり見せているし…制作陣は何がしたいのやら。
たとえ物語の進行がスローペースでも、その分、敵方の武将を掘り下げるとか、これから出会う味方のエピソードを入れるとか、物語全体のボリュームが増すなら、それはそれで良い。現に『おんな城主直虎』はわずかしかない史実を膨らませて、一年間ずっと安定して楽しめる良作になった。直虎に感情移入し落涙する場面もあった。ところが、超有名な明智光秀を出していながら、なぜこうなのか。
冗談抜きで、主役は光秀ではなくお駒かと思う回が、これまでに幾度となくあった。今回も、お駒にばかり時間を使うから、肝心の足利義輝の人物像が描ききれていない。なぜ義輝が人望を失ったのか、なにゆえ無能と断罪されているのか、具体的な描写が何もないため、視聴者が置いてけぼりになってる。コロナの影響で数カ月撮影がストップしていたのだから、その期間に台本をもっと練り上げられたはずなのに。
…だが、大河の制作陣は日本でもトップクラスの才能が結集していると聞く。今後は神展開の連続で、いま文句を言っている視聴者をねじ伏せる自信があるのだろう。きっと、ここからお駒と東庵先生の大河史上に残る傑作エピソードが展開される。そして僕はこの日記に「お駒のパートはすべて必要だった!このための壮大な伏線だった!なのに無駄とか書いたりして…ワイのアホ!」と反省の弁を記す、そんな未来が来てほしい。
●9月12日…コロナ対策、諸外国は希望者全員が公費負担でPCR検査を受けることができる。日本は感染者が出ていない勤務先や学校などでは自費になってしまっている。結果、検査実施数は人口比でセネガルやナミビアといったアフリカ諸国よりも低い159位に。G7に名を連ねる先進国なのに、下位4分の1に入っている。この動きの遅さがもどかしい。
●9月11日… 全米オープンテニスの大坂なおみ選手(22)が人種差別に抗議するため、黒人被害者の名前が入ったマスクを、決勝までの7試合7人分を用意し、「このマスクをすべてつける」と実際に決勝まで進んできた。ホントすごい。4回戦で名前が入っていたトレイボン・マーティン君は2012年に17歳で自警団に射殺された高校生。彼は丸腰だったのに、射殺した相手は正当防衛を主張して無罪になった。この事件をきっかけに人権運動『ブラック・ライヴズ・マター』(BLM)が生まれた。大坂選手は当時14歳。「私にとって彼の死は世の中で起きていることを気付かせるものだった」。米国では有名な事件だが8年が経っていることから、マーティン君の母親は「マスクで息子の存在を皆に思い起こさせてくれてありがとう」と大坂選手に感謝のコメントを寄せた。
大坂選手は8月末にも別大会で、「黒人男性が警察官に背後から撃たれたことに対する抗議」として、出場中だったツアー大会(準決勝)のボイコットを表明。驚いた大会側は“大坂選手不在で試合をするのは意味がない”と、予定の全試合を見合わせて翌日以降に延期すると共に「人種差別や社会的な不公平に抗議するため」と大会声明を発表した。この大会側の姿勢を受けて大坂選手はコートに戻った(日本のメディアは単に大坂選手が“説得されてボイコットを撤回した”みたいに扱っているけど)。
全米オープンの準決勝に勝利したあと、大坂選手は人権運動BLMに触れ「私は人々の意識を高めることしかできない。彼らが必要としていることは何でも手伝いたい」とコメント。“何でも手伝いたい”という言葉が胸に来た。※決勝は日本時間13日早朝。

 

 
●9月10日…米アカデミー賞を主催する米国映画芸術科学アカデミーは、2024年以降、作品賞の選考対象の条件として、「俳優や制作者らに女性やマイノリティーが一定割合いることが必要」との新条件を発表した(9/8)。この条件を満たさないと審査すらしてもらえない。新条件では次の4分野「俳優やテーマ」「映画制作チーム」「インターンなどの訓練機会」「マーケティング、広報、配給チーム」のうち、2分野で基準を満たす必要がある。たとえば「俳優やテーマ」であれば、主演もしくは主要助演俳優のうち1人は黒人やヒスパニック、アジア人などのマイノリティーから起用することなどが基準。「制作チーム」では監督や製作など14の重要な責任者のうち最低2人を女性、マイノリティー、性的少数者、障がいのある人から起用することなどが基準となった。
これは本当に画期的なこと。これまで米アカデミー賞は、受賞作品の俳優や制作者が白人と男性に偏っているとの批判が長くあった。特に2015年、2016年は2年連続でアカデミー賞俳優部門にノミネートされた男女20人がすべて白人で「白いオスカー」と揶揄された。2015年の第87回の時点で、授与された全1,668の演技賞の93.6%が白人俳優に与えられていた。これを受けて、2016年には黒人俳優ウィル・スミスやスパイク・リー監督が授賞式をボイコット。こうした光景を見てきただけに、今回の新条件は映画ファンとしても感慨深く、隔世の感がある。
コロナ危機をきっかけに人種や格差の問題が浮き彫りになるなか、映画業界も人種による不平等・不公正の撤廃に向けて具体的に動き出した。

//立憲民主党と国民民主党が合流して約150人の政党になったけど、党名が同じ立憲、代表も同じ枝野氏で新鮮味がない…。でも問題はそこじゃない。旧民主党の凋落は、国民に「4年間消費税はあげない」と公約しておきながら、舌の根も乾かぬうちに菅直人元首相が消費増税を言い始め、野田佳彦元首相がそれをゴリ押ししたこと。決定的に不信感を与えた人物がまた参加している。脱原発派にとっては、原発の事故対策を先延ばしにしたまま再稼働を強行した野田氏には怒りしかない。今回の新党には、岡田克也元代表など旧民主の執行部の顔ぶれがズラリ。いないのはタカ派の前原氏、細野氏くらい。でもその2名がいないこと、そして小沢一郎氏が加わることは前向きな変化として評価できる。枝野氏が増税派の野田氏をいかに抑えることができるか注視。枝野氏が目指す「(弱肉強食の)新自由主義的な社会からの転換」は、この国がこれ以上衰退しないために絶対に必要。
●9月9日…米国の史上最大の山火事、サンフランシスコは昼間でも薄暗く、空の色がオレンジ色になり、まるで火星の景色のようだ。カリフォルニア州はこの山火事で既に1万2500平方キロ以上、東京都の約6倍の面積を焼失し、さらに延焼している。オレゴン州では昨年一年間で発生した山火事の2倍の規模の山火事が、たった3日間で発生した。トランプは気候変動を軽視してきたけど、さすがにヤバイと気づかないか。

//豊川悦司が山本五十六、浅野忠信が山口多聞をやっているハリウッド大作『ミッドウェイ』、見に行くべきか、見送るべきか…。ゴジラを巨大イグアナにしたローランド・エメリッヒが監督というのが不安。
●9月8日…俳優の伊勢谷友介氏が大麻で所持で逮捕され『るろうに剣心』など新作映画4本が公開延長の危機。近年、ピエール瀧氏、沢尻エリカ氏の逮捕で映画界、ドラマ界が大混乱になったのに、なんで手を出すのか…。欧米で大麻を解禁した国や州が増えてきたので心理的ハードルが低くなったのか。
●9月7日…時々ジョジョ未読の人に「ジョジョの魅力はなんですか」と聞かれる。そういうとき、これまでは「敵も味方も全員が前向き」「喜びだけでなく悲しみの中でもうたわれる人間讃歌」「主人公が祖父から孫へ、さらに孫へなど世代を超えて移りゆく壮大さ」「スタイリッシュな絵柄、優れたグラフィック」「手に汗握る能力バトル、頭脳戦」「インパクトのあるポージング(ジョジョ立ち)や効果的な擬音」、そんなことを長々と語っていた。いま通巻で127巻あるため、そうなってしまう。
ところが先日、パッショーネ大阪の代表、エアロ君と「どうしたら、もっとコンパクトに説明できるだろう」と話したときに、彼が「僕は、作者荒木先生の優しさ、って最近は言ってます」と語り、思わず「それだ!」とアートサンダーに打たれた。大長編を何とか読んで欲しいという思いから、今までは引き出しをいっぱい作って魅力を並べていたけど、一言でいえば、作者の優しさだった。「この漫画、作者の優しさが伝わってくるから読んでみて」、これでいいじゃないか。なんでこのシンプルな答えに気づかなかったのだろう!本当に有難う、エアロ君。
そういうわけで、僕も彼にならって「優しさ」を全面に出していこうと思います。来月の新刊ジョジョリオン24巻でシリーズ128巻目。

//『深イイ話』で東大卒のクイズ王・伊沢拓司さんの本棚に傑作漫画『ジョジョの奇妙な冒険』発見!以前「ジョジョは東大生に人気」と聞いたことがあるのですが、噂が本当みたいで嬉しい!(笑)
ジョジョは雑学とうんちくの宝庫、推理力の鍛錬になり、創造力も育成。クイズ王の本棚に馴染みまくりです(映ってるのは文庫版BOX)。
主人公一族が数世代にわたって登場する大河漫画ジョジョのテーマは「人間讃歌」。いのち丸ごとの全肯定であり、伝わってくるのは哀しみを背負った人物への作者の優しさ。わが子を東大にと思われる全国の親御さん、是非お子さんにジョジョを!
「信念さえあれば人間に不可能はない!人間は成長するのだ!してみせるッ!」(第5巻)
※作者荒木飛呂彦先生は09年に日本人漫画家として初めてルーブル美術館に原画が展示される大快挙、世界でもアートとして認知されています。

  
●9月6日…接近中の台風10号、非常に強風といい心配ですね。大きな被害が出ませんように…。
●9月5日…世界のコロナ感染者、インドがブラジルを抜いて世界第2位に。あまりに早いスピード。今のペースだと10月第一週にアメリカを抜いて世界1位に。

/そしてロサンゼルスは気温が49.4度というとんでもない暑さに。世界は諸問題で対立している場合じゃないし、環境問題はすぐに取り掛からないとダメなのに、自国ファーストのリーダーばかり。どうすれば人類は変われるのか。
●9月4日…フィリピンとタイが新型コロナ対策のため国防費を削減。
●9月3日…上映中のディズニー&ピクサー最新作『2分の1の魔法』、すごく良かったです!劇場で予告編を観たときは「また魔法モノ?」「つかみが弱い」と気が乗らず、“テレビ放映まで待とうかな”モードだったんですが、映画館はどこもコロナ対策を頑張っていてクラスターの発生もないし、映画文化を支えるためにと劇場へ。なんと、子ども以上にハマりました。
『アナと雪の女王』は姉妹の物語、本作は兄弟の物語。内気な主人公とパワフルな兄が、ときに衝突しつつ同じ目標に向かって旅をします。
大きなネタバレは伏せつつ本作の“新しさ”や魅力を書くと、
(1)予告編で分かるように、冒頭で亡くなった父親を魔法で復活させるも、失敗して下半身だけが甦ったため会話ができない。言葉は交わせなくても確かに父親はそこにいる。そのコミュニケーションの取り方がうまい!
(2)現代社会を反映させた人物設定の新しさ。たとえば、亡き父を復活させるといっても、母には既に新しいパートナーがいるし、子どもは受け入れようと努力している。こういうのは今までのアニメにはあまりない。また、主人公が暮らす世界は様々な種族がごく自然に生活し、社会に多様性があり、コミュニティの対立がない。あんな世界に住みたいと思った。近年は分断が進んでいるだけに…。
(3)復活の呪文は24時間しか持たないという設定が効いている。「ああ〜!早くしないと!」とストーリーに緊張感がある。
(4)ヒューマンドラマなのに最初から最後までギャグ満載、何度も噴き出した。アクション・シーンもたっぷり。冒険シーンの大地の美しさは大スクリーンに映える!
(5)物語は良い意味で予想を裏切られ、鑑賞後、思わず妻と目を見合わせ「そうきたか!」「新しかったね」。
愛する人、それが家族であれ恋人であれ、先立たれるのは本当につらいこと。だけど、残された者同士で力を合わせて壁を乗り越えていくしかない。その現実を描いているのが本作の素晴らしさであり、この作品を世に出したいという作り手の思いが伝わってきました。
『2分の1の魔法』予告編

//総裁選挙、岸田政調会長のスローガン「分断から協調へ」。やっとこの言葉が為政者から聞けた。問題の原因である格差社会の是正は必須。とても大事なことなので記者の人に具体策を聞いてほしい。
●9月2日…墓巡礼で外国の商店を訪れて感じるのは、店に入るときにお客さんの方から「ハーイ」と挨拶したり、店員さんが椅子に座ったままレジを打っていること。客と店員さんが対等。それでいいと思う。駅の切符売り場で大行列に並び、自分の直前で休憩時間に突入&カーテンがシャッて降りるときは涙目になるけど…。

以下、ツイッターで印象に残ったのでメモ

佐藤倫子@sato__michiko
パートナーを選ぶときは、交際中自分を大事にしてくれるかどうかより、その人が圧倒的に優位な立場にあるときに劣位な相手に対してどんな対応をするかをしっかり見たほうがいいです。店員さんに対して横柄だったり、他人の失敗を激しく叱責する人は、結婚後、あなたに対しても同じようにします

どきんちゃんがいない@ibcZ8qk8iMLtIns
それは知っておきたかったかも。そこを強さと感じてしまったかも。まさか自分に向けられることになるとは…残念なこと。

なぎ@7no10mo
両親に対しての振る舞いも見るといいと思います。(電話の仕方など)
「家族」になるとだいたい同じ、です。

冨山 貴司@wR7sG5TsUC2lJye
相手の運転する車に乗るとその人の人間性がよく分かります。思い通りの流れにならないと不機嫌になったり汚い言葉を吐く。車間を詰めたり急加速して人を横に乗せているのを忘れている、道を間違えてもカーナビのせいにする

DanysCafe@DanysCafe
昔付き合ってた男性が行ったお店で自分を誇示して店員を捩じ伏せようとしていたので幻滅して別れました…あと後輩の失敗をボロクソに非難する男性もいたので思わず『貴方がフォローして育てるべきなんじゃないの?』て言ったら無言になってしまった…別れて後悔はない

シルキィ@pppppiiiii321
3年程付き合っている彼氏がライフラインについて問い合わせした際、オペレーターの方の説明に不備があり「お前じゃ話にならない」と言ったと聞いてからずっとモヤモヤしてました。良い面も知っている分、どうしようかと悩んでいましたがやっぱりそうだよな、と思わせてくれてありがとうございます。

高橋眞理子@maribook
今なら「もし隣人がコロナ陽性で自宅療養になったとしたら、どうしますか?」という問いかけで人となりが明らかになるとかもしれません。避けるか?買い物代行等の手を差しのべるか?うっ、と答に詰まった段階で明らかです。
●9月1日…昨夜のnews23に石破氏が生出演。「(森友問題で自死した赤木俊夫さんの)手記には新しい事実が私にはあるように思う。最初から結論ありきの再調査ではなく公正中立な調査が重要。ひと一人が亡くなっているわけですよ。その方の人生が断ち切られた、ご家族の人生も大きく変わった。そのことに政府として責任を持たないとどうするんだ」。
石破氏はタカ派ではあるけど、討論相手の言葉をきちんと聞き、議論が成立する人物。この8年間、それがいかに大切なことか痛感している。

/自民党の党費は年額4千円。そして2年間党費を納めた党員は、誰でも総裁選で投票できる。これは自民党HPの党員募集ページのトップに掲げられている言葉だ。現在、党員数は108万人にのぼる。だが、今回の総裁選は党員投票を実施せず国会議員を中心に決めるという。
昨日、自民党の中堅・若手を中心とする有志が「党員投票を実施してほしい」と、意見書を執行部に提出した。僕が注目したのは署名した議員の多さだ。所属国会議員の3分の1を超える147人が名を連ねたという。
山下貴司元法相「執行部は、たった1日で147人分が集まった重みを感じてほしい。派閥単位の動きではない」。
小林史明青年局長「新型コロナウイルスで危機的な状況だからこそ、政策議論を十分に行い、幅広い信任を得たリーダーが必要だ」。
村井英樹衆院議員「今後も賛同者は増えていくだろう」。
全国の地方議員や党員ら約400人も署名している。党大阪府連や神奈川、滋賀、三重各県連なども同様の要望書を提出。
名古屋市議団の渡辺義郎団長「黙っていると密室政治で決めてしまうことになりかねない。私たちは『総裁選で投票できるから党員になってください』と党員集めをしている」。

僕は自民党に、かつてのような多様性のある党に戻ってほしいと願っているので、この“145人”は希望に思える。執行部に睨まれると出世に響くのに、3分の1以上の議員が「このままではいけない」と署名に及んだ。
次期首相候補の中では、地方議員や党員の間で石破議員がダントツの人気だ。世論調査では菅官房長官にダブルスコアの差をつけている。強引にも見える党員投票の排除は、安倍氏に批判的な石破元幹事長が有利にならないようにする為としか思えず、このような形で総裁を決めることを憂慮している。







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