★いざ、宇宙へGO!!

生きてるうちに、宇宙には行けないと思っていた。
宇宙飛行士になる競争率は天文学的な倍率だし、ロケットの打ち上げ失敗も相変わらず多く、技術的な問題が山積している。宇宙の旅が出来るハズだった2001年はとうに過ぎ、もうすぐ2003年になってしまうが、宇宙観光の事業計画は遅々として進んでいない…。
宇宙開発事業団のHPには、宇宙旅行が現実味を帯びてくるのは2、30年後からと書かれていたが、一般庶民が宇宙へ行けるのはまだまだもっと先になるだろう。

“チクショー!寿命が足らんっ!宇宙に行けんっ!(>_<) ”  
ひと目でいい、なんとか宇宙から地球をこの目で眺めてみたいと、毎日地団駄を踏み歯ぎしりしていたら、意外と簡単に行けた。それも大阪港から、ヒョイと。旅費はわずか千円。こう書くと、
“オイオイ、ついにカジポンもヤキが回りやがったか”
と思われるだろう。うむ、それはこういうことだ!

大阪港・海遊館に隣接するサントリーミュージアム・アイマックスシアターの
『スペース・ステーション3D』(巨大立体映像)
これに行ってきたのであるーッ!!ズギュゥゥゥン!!ズババババーッ!!
本作品は通常のスクリーンの5倍の面積を持つハイパー巨大画面(高さはビル7階分)に、スペースシャトルのクルーや世界各国の宇宙飛行士たちが実際に撮影した宇宙の映像を、立体映像用特殊メガネを使用して観るという大掛かりなもの。
フィルムは通常の映画用フィルムより10倍も大きなものを使っており、画像の鮮明度は驚異的!アイマックスシアターでは人間の視野より画面の方が大きい為、実際に自分が現場で立ち会ってるような錯覚に襲われるのだ。またスピーカーが劇場の前後にあり、ロケット打ち上げ時のド迫力は走って逃げ出したくなるほどのヤバさ!
※このロシアのプロトンロケット打ち上げシーンは、より迫力ある映像を求めて、発射台のすぐ側へカメラを置いた為に、発射時の爆風でレンズが「パキーン」と割れてしまう!そこまでするかッ!
(宇宙の立体映像はこれが史上初!)


宇宙空間で我々が訪れるのは、世界16カ国が協力して建設している国際宇宙ステーション。2006年の完成を目指してすでに多くの部分が組み上がっており、科学実験も始まっている。
この作品がスゴイのは、すべてが実写だということ。CGや特撮は一切使われていない。建設当初から現在に至るまでの貴重な記録がカメラに収められているのだ。圧倒的な迫力や臨場感は、CGには出せない本物ならではのものがある。
宇宙飛行士たちは本業の他にも、このカメラをがんばって回していたのだ!
(日本人の若田光一さんもその一人!)

足元に地球が見えるという絶景!!
漆黒の宇宙の中で、自分が伸ばした手の先や、足の先に目をやると、そこには青く輝く美しい地球が静寂の中に浮かんでいる。
この作品では宇宙船外での活動が作業現場で撮られている。あの、自分の身体が宙に浮き、フワフワと足元がおぼつかない感覚!これまでシャトル内の毛利さんへのインタビューのように、テレビのニュースや科学番組を通して、屋内の無重力空間というのを見てきたけど、それとは完全に別次元のものだ。
大宇宙の中に身ひとつで放り出された、底なしの孤独感!そして、それゆえに分かる自分の中にある命の尊さ、か弱さ、生きていることの奇跡!すべての人に体験して欲しい、まったく新しい精神領域だった。

作品では宇宙飛行士たちの地上の訓練シーンからロケットへの搭乗、打ち上げ、ステーションとロケットの合体、荷物の運搬、宇宙空間での船外活動、そして帰途の際のステーションからの分離という一連の作業が描かれ、自分がクルーになったようなリアルな感覚を味わえる。
特に感じ入ったのは就寝のシーン。ベッドサイドの窓から地球が見えているのだ。窓から眺める地球は絶品!頭を横にすればそこに地球が浮かんでるなんて、クーッ、ロマン大爆発ッ!
それからシャトル打ち上げの際のコクピットの様子!ずっとカメラが回っているので、本当に自分が宇宙に上がっていく気がした!(“あわわ、お、おれ、シャトルに乗ってるよ!”って感じ)
飛行士たちのおふざけもあって、立体映画と承知でカメラに向かってオレンジを投げてきたり、ポップコーンをぶちまけたり、球状の水をすすったりと、無重力生活の楽しさや苦労を紹介してくれる(散髪は掃除機を頭にあてがいながらハサミで切っていた)。

宇宙飛行士たちは地球に戻って来ると、口を揃えて人生観が変わったと言う。ちょっと言い過ぎかも知れないけど、この映画を観ただけで同じように言ってしまえるほど、決定的な何かを体験してしまった気がする。
上映時間は47分間と長くはないが、シアターから一歩外へ出た時、
“おお〜っ、懐かしの我が地球に帰ってきた!ただいま、地球ッ!”
と思ってしまうほどの浮世離れしたトリップ体験だった。
もう実際に宇宙に行ったのと同じ。死ぬ前に宇宙に行けて良かった。ほんと、よくぞ作ってくれた!貴重な体験をさせてくれてありがとう!!
(こういう体験をある日突然できるから、人生はやめられない)

「最初の一日か二日は、みんなが自分の国を指していた。三日目、四日目は、それぞれ自分の大陸を指さした。五日目にはみんな黙ってしまった。そこにはたった一つの地球しかなかった」(サウジアラビアの宇宙飛行士)

いざ、宇宙に歓喜せよ!!


●アイマックスシアターは大阪(天保山)・東京(品川)・長野(軽井沢)の3ヶ所。この作品は大阪と東京で公開中。普通の映画館とは違って、休館日や団体の貸切がたまにあるので、必ず足を運ぶ前に以下のリンク先で上映スケジュールを確認するべし。

(大阪)大人1000円。大阪のスクリーンは他館より面積がさらにドデカい!
http://www.suntory.co.jp/culture/smt/imax/imax_space.html 12月30日迄。
(東京)大人1300円。なぜかチケットが高い。怒れ関東人!でも、PM8時20分が最終なので仕事帰りに観に行ける!
http://www2.princehotels.co.jp/app_room/piq0010.asp?hotel=007 大晦日迄。
※上のプリンスホテルのHPにアイマックス・コーナーの入口があります。

【 重要 】
最大限の立体感を味わう為に、ド真ン中の座席を死守することはもちろんだが、席はなるべく後方に!前方だと間違いなく画面酔いして地獄を見る。地球に帰還出来ない可能性大。


P.S. 大阪の場合、アイマックスのそばに日本一低い山、天保山の山頂がある。標高4m半だけど、ちゃんと国土地理院の三角点があるので本物の山っす。話のタネに、ぜひ“登頂”してみては?また、付近のマーケット・プレイスにはレトロな雰囲気の『食いしんぼ横丁』があり、そこの“おはぎアイス““桜もちアイス”は絶品。本当に桜もちの味がする。

P.S.2 アイマックスの売店でNASAの宇宙飛行士が食べている宇宙食を売っていた。ピラフ、ハンバーグ、オムレツなど8種類。抑え難い好奇心から全種類買ってしまった(映画代の4倍!アホ!)ので、試食レポートをお楽しみに。


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